JP2015509920A - ニトロベンゼンの製造のための方法およびプラント - Google Patents

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Abstract

本発明は、硫酸の存在下における硝酸を用いたベンゼンの断熱的ニトロ化による、ニトロベンゼンの製造、特に連続的製造のための方法およびプラントであって、ここで、ニトロ化後に、硫酸の多段階濃縮を、外気圧と比べて減圧で加熱することによって行い、この加熱は、ベンゼンの断熱的ニトロ化において発生した熱を用いて行う、方法およびプラントに関する。

Description

本発明は、硫酸の存在下における硝酸を用いたベンゼンの断熱的ニトロ化によるニトロベンゼンの製造、特に連続的製造のための方法およびプラントであって、ここでは、ニトロ化後に、外気圧と比べて減圧した圧力において加熱することによって硫酸の多段階濃縮を行い、加熱は、ベンゼンの断熱的ニトロ化において発生した熱を用いて行われる、方法およびプラントに関する。
硫酸の存在下における硝酸を用いたベンゼンの断熱的ニトロ化によるニトロベンゼンの製造方法は、しばらく前から既に既知である。
このような方法は、例えば、US 2,256,999のように、基本形態において早くも1939年に提出され、1941年に特許を付与された。
現在の基本形態は、例えばUS 4,091,042、US 5,313,009およびUS 5,763,697に記載されている。
それに記載された実質的に断熱的な方法の共通の特徴は、ニトロ化の実際の開始物質−ベンゼンおよび硝酸−を、大過剰の硫酸の存在下において反応させることである。
さらに、従来技術の全ての上記の方法において、硝酸を過剰の硫酸と予混合する。実質的に硫酸および硝酸を含むそうして得られた混合物は、本発明の文脈内と同様にそこでは、混酸といわれる。
ニトロベンゼンおよび水をもたらすベンゼンと硝酸との反応は、非常に発熱的であり(ΔH=−117kJ/モル)、上記の方法において、大過剰の硫酸は、ほぼ定量的に、反応中に放出された熱の形態での反応エンタルピー、およびそうして形成された水を受け取る。
同じく、上記の方法の共通の特徴は、反応生成物に蓄えられた反応エンタルピーからの少なくとも一部の熱が、硫酸の再濃縮に用いられ、これは水の蒸発によって反応の過程において水で非常に希釈されることである。
従って、US 4,091,042において、この方法は4つの直列接続の攪拌容器において行われ、第4の攪拌容器を出た反応生成物は、同じく連続的に操作される相分離器中に通され、ここでは、実質的に水性であるいわゆる廃酸が、実質的に有機的であるいわゆる粗ニトロベンゼンから分離される。
本発明に関して、廃酸は、水および硫酸を含む実質的に極性の水性混合物を表し、ここでニトロベンゼン部分は硫酸にまだ溶解し得、粗ニトロベンゼンは、ベンゼンおよびニトロベンゼンを含む実質的に非極性の有機混合物を表し、ここで硫酸および水の部分はニトロベンゼンにまだ溶解し得る。
US 4,091,042においては、廃酸は、廃酸に蓄えられた反応熱を用いてフラッシュエバポレーターにおいて濃縮される。US 4,091,042によれば、この濃縮は、90℃および約8mbarにおいて行う。
US 4,091,042によれば、粗ニトロベンゼンはまた、4段階逆流抽出洗浄機に連続的に通されることによってさらに仕上げられ、ここでは、硫酸残分等の酸性成分および副反応生成物、例えばジニトロフェノールおよびピクリン酸等は、炭酸ナトリウム溶液との接触によって抽出される。
こうして精製した粗ニトロベンゼンについて、最後に蒸気蒸留を行い、ここでは、残留ベンゼンは、ニトロ化に戻すために分離される。
従って、US 4,091,042は、多段階蒸発を開示していない。
US 5,313,009に記載されるニトロベンゼンの断熱的製造方法において、硝酸をまた多量の硫酸と混合して混酸を生成し、ベンゼンを混酸に計量添加し、その後ベンゼンは硝酸と反応して水および実質的にニトロベンゼンを与える。
US 5,313,009の方法によれば、反応の温度、ベンゼンの濃度、硝酸の濃度および硫酸の濃度は、−上記のUS 4,091,042による方法とは対照的に−ベンゼン、ニトロベンゼン、硫酸および水の、実質的に硝酸不含有の混合物が第1反応ゾーン後に既に得られるように選択される。すなわち、US 5,313,009によれば、この方法は、硝酸の転化率が定量的であるように操作される。そのために、ベンゼンは、硝酸の量に基づいて、少なくとも化学量論量で用いられる。
US 5,313,009においても、反応ゾーンの下流で得られる実質的に硝酸不含有の反応混合物が単一相分離器に供給され、ここでは、粗ニトロベンゼンが廃酸から分離される。
US 4,091,042の方法と類似して、廃酸がフラッシュエバポレーターに供給され、ここでは、同じく外気圧と比べて減圧、および高温で水が廃酸から蒸発される。ここでも、反応生成物からの熱の少なくとも一部は、上記フラッシュエバポレーターにおいて硫酸の濃縮に用いられる。
US 5,313,009は、フラッシュ蒸発から得られた濃縮酸が、その組成に関して、その方法の初めに用いられたものとほぼ同一であることを単に記載するだけである。US 5,313,009は、フラッシュ蒸発の正確な圧力またはフラッシュ蒸発の正確な温度を開示していない。
従って、US 5,313,009は同じく、廃酸の多段階フラッシュ蒸発を開示しない。
US 5,763,697による方法においても、「精製および濃縮段階」についてのみ言及されるが、US 5,763,697において、その精製および濃縮がどのように行われるかは正確に開示されていない。他の点については、US 5,763,697の方法は、上記のUS 5,313,009のものと類似する。
従って、上記の一般に既知の従来技術の方法は全て、廃酸の更なる処理が減圧下でのフラッシュ蒸発において単一段階で行われ、その熱の少なくとも一部が、硝酸を用いたベンゼンの断熱的反応からもたらされることを特徴とする。
その結果、硫酸を濃縮するための所望の水の蒸発に加えて、一般に廃酸の更なる成分を同時に蒸発させるが、これは、水の分離の所望の速度が1段階で達成されなければならないためであり、これは、反応エンタルピーによってもたらされる有効熱量を用いて、顕著な、特に早い圧力減少によってのみ達成できる。
従って、水の蒸発に加えて、例えば、ニトロ化反応中において例えば酸化等の副反応の生成物として生成される酸化窒素のガス放出も生じる。一酸化窒素および一酸化二窒素は、それぞれ約−150℃および−90℃の沸点を有し、その結果、これらは、凝縮による更なる方法において回収することができない。
これらに加えて、単一フラッシュ蒸発の結果として、これ以降でその低い沸点が理由で経済的に回収できない非凝縮性ガスとされる、更なる生成物も生成される。これは、特に凝縮装置および必要な低圧を発生するための装置の寸法に関して不利な点をもたらす。両方の場合において、顕著に増加した体積流量のために、少なくともかかる方法の採算性に悪影響を与える、より大きな寸法を有する装置を使用する必要がある。
DE 19636191は、環境汚染に関する特定の個々の問題の観点から上記の問題に取り組んでいる。上記の従来技術と異なり、廃酸のための多段階精製方法が記載されている。DE 19636191による多段階法は、いわゆる蒸気揮発性有機化合物が、200mbar〜1000mbarの範囲の圧力での逆方向での蒸気の通入(「蒸気ストリッピング」)によって除去される第1工程を含み、ここでは、その後、第2工程において、同じ圧力で、残余硫酸からの水の第1の蒸発を行い、第3工程において、水の蒸発をさらなる減圧で繰り返し続ける。
先の従来技術からの方法と対照的に、水の蒸発のための熱は外部からおよび異なる源から供給される。廃酸からの水の蒸発のためのニトロ化からの熱の使用は開示されていない。
EP 0615951はまた、廃酸からの水の多段階蒸発を記載し、ここでは、DE 19636191と類似して、蒸気ストリッピングの形態における更なる精製工程が先行する。DE 19636191と同様に、EP 0615951は断熱的ニトロ化からの熱の使用は開示していない。
EP 0615951およびDE 19636191に記載されるアプローチは、Ullmann(「Sulfuric acid and sulfur trioxide」、2005年、Wiley VCH、第51〜52頁)に要約されているのも見付けられる。ここでは、温度勾配をつくるために1barから70mbarに圧力が降下する、Lurgiによる硫酸の多段階濃縮(図42)により、省エネルギーが可能となることが記載されている。ここに示される別例において、1つの蒸発段階の蒸気の再凝縮からの凝縮熱は、それぞれの場合、先の段階を加熱するために用いられる。
しかし、DE 19636191、EP 0615951およびUllmann(2005年)に記載されるような蒸発による硫酸の多段階濃縮は、濃縮の種々の段階間の廃酸の濃度差が十分に大きく、その結果、先の蒸発段階の蒸気(「蒸気」)の再凝縮からの凝縮熱を次の段階を加熱するために用いることができる場合にのみ、エネルギーの観点から適切である。
ベンゼンのニトロ化からの廃酸の濃縮の場合、それは一般に当てはまらない。
DE 19636191およびEP 0615951の技術的教示は、トルエンのニトロ化からの廃酸の処理に特に関し、これは、次に廃酸から分離される。本発明のニトロ化ベンゼンと異なり、かかるモノ-および/またはジ-ニトロトルエンは、適当な飽和温度、または飽和温度において適当な濃度差を有さず、その結果、そこに含まれる技術的教示を、ニトロベンゼンの製造の問題およびそれら不純物を含む硫酸を分離および濃縮するというそこに含まれる問題に適用することができない。
米国特許第2256999号明細書 米国特許第4091042号明細書 米国特許第5313009号明細書 米国特許第5763697号明細書 独国特許第1963191号明細書 欧州特許出願公開第0615951号明細書
Ullmann、「Sulfuric acid and sulfur trioxide」、2005年、Wiley VCH、第51〜52頁
従って、目的は、硫酸の存在下における硝酸を用いたベンゼンのニトロ化によるニトロベンゼンの製造を可能とし、ニトロベンゼンの製造に関して従来技術の上記の不利な点を有しない方法を提供することであり続ける。
特に、この方法は、酸に溶解したかなりの量の非凝縮性ガスの生成に関連する不利な点−単一段階の処理の場合におけるその消費のための実質的に増加したエネルギー支出−を有さず、従って、低圧の発生のための装置が、より小さい寸法およびそれによりコストが低くなることが可能となる。
従来技術において存在し、これまで解決されていなかった更なる問題は、従来技術のフラッシュエバポレーターにおける非常に低い圧力を原因として、作られる蒸気流(蒸気)の飽和温度が、従来の冷却系(水)の冷却媒体の供給温度に近いことが多く、その結果、その流の凝縮のために、大きな熱交換面が必要となることである。プロセス圧力が水の飽和温度に近いため、ガス流のかなりの部分は蒸気からなり、その結果、真空ポンプの能力要件はまださらに増加する。
従って、概して、従来技術による問題は、この方法の実施のためのプラントの投資費用を顕著に下げることが可能となる、硫酸の存在下における硝酸を用いたベンゼンのニトロ化によるニトロベンゼンの製造方法を提供することである。
驚くべきことに、上記の目的は、
硫酸の存在下における硝酸を用いたベンゼンの断熱的ニトロ化によるニトロベンゼンの製造方法であって、ここで、
a)ニトロ化において得られる生成混合物を、廃酸および粗ニトロベンゼンに分離し、
b)少なくとも廃酸に含まれる水を、そこに含まれる硫酸から部分的に分離し、
c)そうして濃縮された硫酸を、再度ニトロ化に供給し、
この方法は、
i)工程b)による分離は、第1段階から第2段階に、100mbar〜300mbarから50mbar〜150mbarに降下する絶対圧を用いて2つの段階における蒸発によって行われ、
ii)工程i)による蒸発に用いられる熱は、ニトロ化の反応エンタルピーから実質的にもたらされ、
iii)ニトロ化において得られる生成混合物は、少なくとも110℃の温度を有する
ことを特徴とする方法によって達成できることが見出された。
そのため、本発明による方法の工程i)の第1段階において、硫酸中に存在する水の蒸発を100mbar〜300mbarの絶対圧で行う。本発明による方法の工程i)の第2工程において、硫酸中に存在する水の蒸発を50mbar〜150mbarの絶対圧で行い、ここで、圧力は、第1段階においてよりも、第2段階において当然に常に低い。
本発明による上記の圧力での蒸発による本発明による分離は、特にニトロ化の反応エンタルピーからの熱が用いられる場合に、多くの利点をもたらす。
従って、第1段階において、比較的わずかな減圧下での蒸発によって分離を行い、その結果、非凝縮性ガスのガス放出の問題がここでのみ存在し、減圧用の装置(減圧システム)の必要能力および公称電力はそのため全体として下がる。
第1段階において、比較的高い圧力(すなわちより少ない程度に下げた予圧)で処理できるため、エネルギー要求はより低く、一方、第2段階において、最終的に要求される程度に圧力を下げ、非凝縮性ガスの先の分離のためにガスの体積流量をここで下げ、その結果、エネルギー要求はここでも下がる。第1段階において圧力がより高いという事実、および第2段階において体積流がより低いという事実のために、2つの段階の相互作用により、全体としてこの方法の顕著に削減されたエネルギー要求が全体にもたらされ、これは、個々の手段の場合(分離における上昇した圧力のみ、または削減された体積流のみ)において削減されるエネルギーの合計に勝る。この方法は、第1段階における圧力が、第2段階におけるよりも、少なくとも10mbar、好ましくは30mbar高い場合に、有利であることが示されている。
比較的高い圧力での上記の分離は、上記の凝縮器がより小さい寸法であってよい、またはより少ない量の冷却水が用いられるという結果をさらに有するが、これは、非凝縮性ガスを同時に冷却する必要がないためである。さらに、第1段階におけるより高い圧力のために、生成される蒸気流の飽和温度は顕著に増加し、その結果、温暖な気候ゾーンにおいてさえも冷却塔水を用いて凝縮を行うことができ、冷水に対する凝縮と比較して、エネルギー効率における顕著な改善が達成される。適当な凝縮器は、当業者に既知の全ての種類である。従って、凝縮は、直接または間接に、単一段階および複数段階において両方で行うことができる。例えば、必要に応じて後部冷却器を備えた、チューブ・シェル熱交換器(tube and shell heat exchanger)が適当である。
全体として、ベンゼンの断熱的ニトロ化によるニトロベンゼンの製造を含み、次に廃酸の濃縮のための蒸発の2段階実施を有する本発明による方法は、より高いプラント稼働率、より低い維持費用、より低い投資費用およびより低いエネルギー費用をもたらす。
本発明による方法の上記の利点は、上記のように、従来技術を考慮すれば驚くべきことであるが、これは、従来技術がニトロベンゼンの特定の問題を示さない物質系に関する、単一段階の蒸発または多段階の蒸発のいずれかを開示するためである。
ベンゼンのモノニトロ化のこの場合において、上記のように凝縮熱を使用可能とするのに必要な濃度および沸点差は、従来技術で記載したように、存在せず、そのため、この手順は、ニトロベンゼンに関して既に記載した単一段階の手順に適当に適用できない。
本発明による方法において、ニトロ化において得られる生成混合物は、少なくとも110℃の温度を有する。従って、粗ニトロベンゼンの分離によって得られる廃酸は同じく、ほぼその温度を有する。
好ましくは、ニトロ化において得られる生成混合物の温度、およびそれにより廃酸の温度は、少なくとも120℃である。
好ましくは、ニトロ化において得られる生成混合物の温度、およびそれにより廃酸の温度は、150℃以下である。
110℃、好ましくは120℃の上記の最小温度の維持により、あまり減圧でない圧力においてさえも水の適切な分離効率を達成するために、熱の形態での十分なエネルギーが蒸発による次の2段階分離において存在することが確実となる。
廃酸は、2段階における特に水の蒸発による分離によって濃縮される。
本発明によれば、水の蒸発のための熱は、先の断熱的ニトロ化の反応エンタルピーから実質的にもたらされる。
本発明に関して、蒸発のための熱の少なくとも90%、好ましくは95%の比率が、断熱的ニトロ化反応からもたらされることを実質的に意味し、反応生成物自体は、その値を達成する十分なエンタルピーを含む。
特に好ましくは、本発明による方法の工程i)の2つの段階において、更なる熱を廃酸に供給しない。従って、エバポレーターは同じく断熱的に操作されることになる。
同じく好ましい本発明によるこの方法の1つの実施態様において、蒸発のために用いられる熱の10%以下の比率が、この方法外から2つの段階に供給される。
1つまたは両方のエバポレーターに、加熱蒸気または他の外部熱供給物をさらに提供してよい。
この実施態様は、これにより、蒸発の特定の段階における即時の温度調節よりも反応が遅い、他には圧力調節によってのみ可能となる調整方法で蒸発が行われることが可能となるため、好ましい。
従って、上記の省エネルギーの観点からのその技術的な利点に対して、本発明によるこの方法は、蒸発の2つの段階における熱の更なる供給に依存しないが、ただプロセス技術に関してこの方法全体のより良好な制御のための好ましい方法でその熱を利用する。
i)による第1段階への廃酸の供給物は、好ましくは60〜75質量%、特に好ましくは65〜70質量%のH2SO4を含む。
水および硫酸を含むのと同様に、廃酸は、ニトロベンゼン、ベンゼンおよびベンゼンニトロ化の副生成物(ジニトロベンゼン、ニトロフェノールおよびシュウ酸)も含み得る。硝酸および溶解した含窒素ガスも存在し得る。
i)による各段階の分離した蒸気は、好ましくは、凝縮有機液体を分離するためにも、単一または多段階の凝縮によって液化され、相分離器に供給される。
濃縮した硫酸を適切に反応に戻して供給することが可能とするために、それは、工程i)の両段階に通した後に、65質量%以上、好ましくは68質量%以上、特に好ましくは69質量%〜72質量%の含有量のH2SO4を有するべきである。
本発明はさらに、反応器(1)、相分離器(2)、2つのエバポレーター、および減圧装置(7、9)に接続された凝縮装置、および必要に応じて貯蔵容器(5)を含むニトロベンゼンの製造用のプラントであって、このプラントは、第1凝縮器(8)が付随し、減圧装置(9)が連結された第1エバポレーター(3)、および第2凝縮器(6)が付随し、減圧装置(7)が連結された第2エバポレーター(4)を有し、第1エバポレーター(3)は、蒸発されなかった成分の移動のために第2エバポレーター(4)に直接接続され、第1凝縮器(8)の熱交換面は、第2凝縮器(6)の熱交換面の2倍以下であることを特徴とするプラントを提供する。
本発明によるプラントは特に有利であるが、これは、2つの上記のエバポレーターおよび直接接続で減圧装置(7、9)に接続された凝縮装置の存在により、および熱交換面の本発明による比率により、プラントにおいて達成される上記の廃酸の濃縮のための熱交換面全体がとりわけ減少できることが全体として確実とされるためである。
その結果、第2エバポレーター、または第2凝縮器(6)、および第2減圧装置(7)の形態における更なる−従来技術と比較して−プラント部分の設備にも関わらず、このようなプラントの投資費用は著しく減少される。これは、本発明のかかるプラントにおいて、従来技術において用いられる個々の減圧装置よりも小さい全体寸法である減圧装置を使用可能であることによって達成される。これにより、かかるプラントの投資費用がさらに減少される。同時に、本発明による上記のプラントは、従来技術と比較してその投資費用に関して有利であるだけでなく、ここに記載された本発明による方法に関して、従来技術と比較してプラントの操作費用の減少ももたらすが、この方法において用いられる硫酸のリサイクル性は結果として損なわれない。
通常、プラントにおいて処理される物質の液体成分と直接接触するプラントの全部分は、その内壁においてエナメル処理されるか、または熱硫酸および硝酸に対して耐性のタンタルもしくは同様の材料から作られるかのいずれかである。
本発明によるプラントの更なる実施態様において、減圧装置(7、9)は、第2凝縮器(6)に接続される第2減圧装置(7)が第1凝縮器(8)に供給し、第1減圧装置(9)が第1凝縮器(8)から出続けるように配置される。その結果、第2減圧装置(7)は、より小さい寸法であってよいが、それは、もはや外気圧に対してではなく、本発明の方法による第1減圧装置(9)によって100mbar〜300mbarに既に減少された圧力に対して供給するためである。これは、エネルギーおよび投資費用の更なる節約をもたらす。
本発明による方法は、以下で図面および実施例によってさらに詳細に説明されるが、これらに限定されることはない。
図1は、本発明による方法または本発明によるプラントの好ましい実施態様を概略図の形式で示し、ここでは、硫酸流(S3)および硝酸(S2)およびベンゼン(S1)が反応器(1)に供給される。
硝酸が反応器(1)において断熱条件下でベンゼンと完全に反応してニトロベンゼンおよび水を与えた場合、それによって約135℃に加熱された反応混合物(S4)(実施例参照)を、デカンターの形態における相分離器(2)に供給し、ここでは反応混合物は、粗ニトロベンゼン(S5)および廃酸(S6)の相に分離される。廃酸(S6)は、260mbarで操作される第1エバポレーター(3)において部分的に濃縮される。また示されているのは、その減圧によって第1エバポレーター(3)に入れられる人工空気(false air)流(S16)である。水、硫酸、ニトロベンゼン、ベンゼンおよび、反応にとってベンゼン流(S1)中に不純物として含まれる脂肪族有機化合物を含む、第1エバポレーター(3)において生成される蒸気流(S12)は、凝縮器(8)において第1液体排出流(S13)に凝縮される。第1エバポレーターの蒸発しなかった液体排出流(S7)は、74mbarの圧力で操作される第2エバポレーター(4)に供給され、それによって70質量%の濃度の硫酸(S8)に濃縮される。また示されているのは、その減圧によって第2エバポレーター(3)に入れられる第2人工空気流(S15)である。更なる使用のために、従って、再濃縮硫酸(S8)が硫酸槽(5)中に貯蔵される。廃酸の第2の蒸発において、水ならびに硫酸、ニトロベンゼンおよびベンゼンの残分から実質的になる蒸気流(S9)が得られ、これは凝縮器(6)において凝縮される。
廃酸(S6)に溶解した非凝縮性ガスの大部分は、第1エバポレーター(3)において蒸気相(S12)になり、非凝縮性蒸気相(S14)として第1凝縮器(8)の減圧装置(9)を通して排出される。水よりも容易に沸点に達する、廃酸に溶解した有機成分の大部分は、同じく第1エバポレーター(3)において蒸気相(S12)になり、凝縮器(8)において流(S13)に凝縮される。第2エバポレーター(4)において、蒸気相(S9)は、水およびニトロベンゼンから実質的になり、その結果、凝縮器(6)における飽和温度は、この方法から液体流(S10)として排出され得る成分水によって決定される。残留非凝縮性ガス(S11)は、第2凝縮器(7)の減圧装置を通して排出される。
蒸気相(S9)の飽和温度は、同等の圧力において、硫酸の単一段階の濃縮からもたらされる蒸気相(S12)の飽和温度よりも高い。
図2は、本発明による方法または本発明によるプラントのさらなる特に好ましい実施態様を示し、これは、図1によるものと実質的に同じであるが、ガス流(S15)が第2減圧装置(7)から第1凝縮器(8)に導かれる点で異なり、その結果、ガス流(S15)および第1エバポレーター(3)からの蒸気相(S12)は、第1凝縮器(8)に一緒に導かれる。これにより、より小さい寸法の第2減圧装置(7)がもたらされる。
実施例1(比較実施例):単一段階の蒸発
単一段階の蒸発による希硫酸の濃縮を、プロセスモデルによってシミュレーションした。このシミュレーション計算のためのプロセスパラメーターおよび質量流速は、US 2001 0043894 A1における実施例から取り出した。
この手順は、図1のものに対応するが、装置(3)、(8)および(9)が存在せず、そのため流(S6)が直接にエバポレーター(4)を通る点で異なる。すなわち、蒸発は、従来技術による単一段階において起きる。
65.7質量%の含有量のH2SO4、4.0質量%の含有量のHNO3および30.3質量%の含有量のH2Oを有する酸流およびベンゼン流からなる混合物を、反応器(1)に供給する。1.1:1のベンゼン対HNO3のモル比率が達成されるような量で、ベンゼンを用いる。
反応器(1)中の全体積流量は173m3/hである。
流(S4)は、135℃での断熱反応手順による反応器(1)を出て、相分離器(デカンター、2)に供給される。反応器(1)に入った時点において質量部で1:18.5のベンゼンおよび酸流間の相比率であって、流(S4)は、相分離器(2)において、157m3/hを有する廃酸相(S6)および16m3/hを有する粗ニトロベンゼン相(S5)に分離される。
重質相として相分離器(2)を出る廃酸(S6)の温度は135℃であり、硫酸含有量は67.2質量%である。
流(S8)において70質量%への硫酸の濃縮を達成するために、エバポレーター(4)における温度は95℃であり、圧力は74mbarである。
9.3t/hの量において形成される蒸気流(S9)は、蒸気から実質的になり、これは凝縮器(6)に供給される。
エバポレーター(4)および凝縮器(6)間の10mbarの圧力損失を考慮し、そのため64mbarの凝縮圧力が得られる。
この条件下において、蒸気相(S9)を、30℃の冷却水供給温度ならびに冷却水側およびプロセス側間の2Kの温度差において、0.6%の含有量に凝縮することができる。
そのために、5.56MWの凝縮熱を散逸しなければならない。920m2の熱伝達面を有する凝縮器がこのために必要である。
非凝縮性部分は、廃ガス流(S11)として減圧装置(7)を通して排出される。
対応する体積流量は850m3/hである。64mbarの吸引圧力における850m3/hのその体積流量を供給するための適当な減圧装置(7)の必要な電力は約40kWである。
単一段階の蒸発の全減圧系に対して、10kg/hの人工空気流(S15)が、操作上の経験値に基づいて想定され、その流は、フランジ接続における最小の漏れ(リーク)を通して減圧下で操作される系部分に外部から通る。
実施例2(本発明による):2段階の蒸発
この別の方法は図1に対応する。重質相として相分離器(2)を出る廃酸(S6)の温度はまた135℃であり、硫酸含有量は67.1質量%である。
廃酸(S6)は、第1エバポレーター(3)にまず供給される。第1エバポレーター(3)において、廃酸は68.2質量%に濃縮され、ここでは260mbarの圧力および120℃の温度がエバポレーター(3)において確立される。
生じる蒸気相(S12)が凝縮器(8)に供給される。実施例1と同様に、エバポレーター(3)および凝縮器(8)間の10mbarの圧力損失を考慮し、そのため250mbarの凝縮圧力が得られる。
この条件下において、蒸気相(S12)を、30℃の冷却水供給温度ならびに冷却水側およびプロセス側間の2Kの温度差において0.39%の含有量に凝縮することができる。そのために、1.92MWの凝縮熱が消逸される。82m2の熱伝達面を有する凝縮器(8)がこのために必要である。
非凝縮性部分は、廃ガス流(S14)として減圧装置(9)を通して排出される。対応する体積流量は4.5m3/hである。250mbarの吸引圧力における4.5m3/hの吸引流の供給のための適当な減圧装置(9)の必要電力は、約1kWである。
第1エバポレーターからの液体排出物(S7)は、第2エバポレーター(4)に供給される。流(S8)において70質量%への硫酸の濃縮を達成するために、95℃の温度および74mbarの圧力が第2エバポレーター(4)において確立される。
生じる蒸気相(S9)が更なる凝縮器(6)に供給される。エバポレーター(4)および凝縮器(6)間の10mbarの圧力損失を考慮し、そのため64mbarの凝縮圧力が得られる。
この条件下において、30℃の冷却水供給温度ならびに冷却水側およびプロセス側間の2Kの温度差で、蒸気相(S9)を0.54%の含有量に凝縮することができる。
そのために、3.64MWの凝縮熱を消逸しなければならない。640m2の熱伝達面を有する凝縮器(6)がこのために必要である。
非凝縮性部分が廃ガス流(S11)として減圧ポンプ(7)によって排出される。対応する体積流量は405m3/hである。64mbarの吸引圧力における405m3/hの吸引流の供給のための適当な減圧装置の必要電力は約25kWである。
第1エバポレーター(3)からの蒸気相(S12)および第2エバポレーター(4)からの蒸気相(S9)の質量流速の比率は、この実施例において1:1.6である。
従来技術による方法(実施例1)と比較して、蒸気流の凝縮のために必要な熱伝達面は、そのため2段階の蒸発を用いて920m2から722m2に22%減少することができる。
さらに、減圧装置の必要全電力は40kWから26kWに35%下がる。
2段階の蒸発の2つの減圧装置(例えば2つのコンプレッサまたは減圧ポンプ)を含む全減圧系に対して、エバポレーター当たり10kg/h、すなわち全体で20kg/hのリーク速度(いわゆる「人工空気流」)(S15、S16)が、操作上の経験値に基づいて想定され、それはフランジ接続における最小の漏れ(リーク)を通して減圧下で操作されるプラント部分に外部から通る。
すなわち、本発明による方法は、より大きな「人工空気流」の場合においてさえ、従来技術からの方法よりもまだ有利である。
実施例3(本発明による):2段階の蒸発
この別の方法は図1に対応する。重質相として相分離器(2)を出る廃酸(S6)の温度はまた135℃であり、硫酸含有量は67.1質量%である。
廃酸(S6)はまず第1エバポレーター(3)に供給される。第1エバポレーター(3)において、廃酸は69.0質量%に濃縮され、ここで135mbarの圧力および106℃の温度がエバポレーター(3)において確立される。
生じる蒸気相(S12)は凝縮器(8)に供給される。実施例1と同様に、エバポレーター(3)および凝縮器(8)間の10mbarの圧力損失を考慮し、そのため125mbarの凝縮圧力が得られる。この条件下において、蒸気相(S12)を、30℃の冷却水供給温度ならびに冷却水側およびプロセス側間の2Kの温度差において0.30%の含有量に凝縮することができる。そのために、凝縮熱の3.56MWが消逸される。350m2の熱伝達面を有する凝縮器(8)がこのために必要である。
非凝縮性部分を、廃ガス流(S14)として減圧ポンプ(9)に排出しなければならない。対応する体積流量は140m3/hである。125mbarの吸引圧力における140m3/hの吸引流の供給のための適当な減圧ポンプの必要電力は6kWである。
第1エバポレーターからの液体排出物(S7)は、第2エバポレーター(4)に供給される。流(S8)において70質量%への硫酸の濃縮を達成するために、第2エバポレーター(4)における温度は95℃、圧力は74mbarでなければならない。
生じる蒸気相(S9)は凝縮器(6)に供給される。エバポレーター(4)および凝縮器(6)間の10mbarの圧力損失を考慮し、そのため64mbarの凝縮圧力が得られる。この条件下において、30℃の冷却水供給温度ならびに冷却水側およびプロセス側間の2Kの温度差で、蒸気相(S9)を1%の含有量に凝縮することができる。そのために、1.98MWの凝縮熱を消逸しなければならない。320m2の熱伝達面を有する凝縮器(6)がこのために必要である。非凝縮性部分を、廃ガス流(S11)として減圧ポンプ(7)に排出しなければならない。対応する体積流量は430m3/hである。64mbarの吸引圧力における430m3/hの吸引流の供給のための適当な減圧ポンプの必要電力は、約27kWである。第1エバポレーターからの蒸気相(S12)および第2エバポレーターからの蒸気相(S9)の質量流速の比率は、この実施例において2:1である。
実施例1と比較して、蒸気流の凝縮に必要な熱伝達面を、従って2段階蒸発を用いて、920m2から670m2に28%減少することができる。さらに、減圧ポンプの必要電力は40kWから33kWに18%下がる。2段階の蒸発の全減圧系に対して、エバポレーター当たり10kg/h、すなわち全体で20kg/hの人工空気流(S15)が、操作上の経験値から想定され、それはフランジ接続における最小の漏れ(リーク)を通して減圧下で操作されるプラント部分に外部から通る。
実施例2と比較して、蒸気流の凝縮に必要な熱伝達面は、実施例3において、670m2の値に52m2減少し、一方、減圧ポンプの必要電力は33kWの値に7kW増加する。実施例2または実施例3による本発明の実施態様のいずれが好ましいかどうかは、周囲条件(boundary condition)(例えば、エネルギー価格の発展)による。

Claims (10)

  1. 硫酸の存在下における硝酸を用いたベンゼンの断熱的ニトロ化による、ニトロベンゼンの製造方法であって、
    a)ニトロ化において得られた生成混合物を、廃酸および粗ニトロベンゼンに分離し、
    b)少なくとも廃酸に含まれる水を、そこに含まれる硫酸から部分的に分離し、
    c)そうして濃縮された硫酸を再度ニトロ化に供給し、
    ここで、該方法は、
    i)工程b)による分離は、第1段階から第2段階に、100mbar〜300mbarから50mbar〜150mbarに降下する絶対圧を用いた2つの段階における蒸発によって行われ、
    ii)工程i)による蒸発のために用いられる熱は、ニトロ化の反応エンタルピーから実質的にもたらされ、
    iii)ニトロ化において得られる生成混合物は、少なくとも110℃の温度を有する
    ことを特徴とする、方法。
  2. ニトロ化において得られる生成混合物は、少なくとも120℃の温度を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 工程ii)による蒸発のための熱の少なくとも90%の比率は、断熱的ニトロ化反応の反応エンタルピーからもたらされることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程ii)による蒸発のための熱は、断熱的ニトロ化反応の反応エンタルピーから専らもたらされることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 蒸発のために用いられる熱の10%以下の比率は、前記方法外から2つの段階に供給されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  6. i)による第1段階への廃酸の供給物は、60〜75質量%のHSOを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. i)による各段階において分離した蒸気を、凝縮によって液化することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 分離された液化蒸気を、相分離器に供給することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 工程c)による濃縮硫酸は、工程i)の両段階を経た後に、65質量%以上の含有量のHSOを有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 反応器(1)、相分離器(2)、2つのエバポレーター、および減圧装置(7、9)に接続された凝縮装置、および必要に応じて貯蔵容器(5)を含む、ニトロベンゼンの製造用のプラントであって、
    該プラントは、第1凝縮器(8)が付随し、減圧装置(9)が連結された第1エバポレーター(3)、および第2凝縮器(6)が付随し、減圧装置(7)が連結された第2エバポレーター(4)を有し、第1エバポレーター(3)は、蒸発されなかった成分の移動のために第2エバポレーター(4)に直接に接続され、さらに第1凝縮器(8)の熱交換面は、第2凝縮器(6)の熱交換面の2倍以下である
    ことを特徴とする、プラント。
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