JP2015509491A - イソブテンのヒドロホルミル化のための、及び、生成物混合物の分離のための、方法及び装置 - Google Patents

イソブテンのヒドロホルミル化のための、及び、生成物混合物の分離のための、方法及び装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、イソブテン含有炭化水素流(1)の工業的ヒドロホルミル化により生成物混合物(2)を製造するための、及び、得られた生成物混合物(2)を分離するための方法、並びに、本発明による方法のための装置、並びに、本発明による装置の使用に関する。本発明の課題は、生成物混合物(2)中の高沸点物質の割合を出来る限り低く抑え、かつそれにより反応収率を向上させることが可能となるような方法と、それに伴う装置を提供することである。前記課題は、3−メチルブタン酸に対して特に高い透過性を示す、生成物混合物(2)から触媒を分離するためのナノ濾過ユニット(M)の使用により解決される。

Description

本発明は、イソブテン含有炭化水素流の工業的ヒドロホルミル化により生成物混合物を製造するための、及び、得られた生成物混合物を分離するための方法、並びに、本発明による方法のための装置、並びに、本発明による装置の使用に関する。
ヒドロホルミル化とは、工業分野において一般に、合成ガス(主に一酸化炭素と水素とからなるガス混合物)を用いた、主に圧力下でかつ遷移金属錯体触媒の存在下での、オレフィンから、このオレフィンよりも炭素原子1つ分だけ長いアルデヒドへの転化と解釈される。
Falbe, Juergen: New Syntheses with Carbon Monoxide. Springer Verlag 1980, Berlin, Heidelberg, New York und Pruett, Roy L.: Hydroformylation. Advances in Organometallic Chemistry Vol.17, Pages 1-60, 1979に、ヒドロホルミル化の基礎的な概論が示されている。
一般に、ヒドロホルミル化は高級アルデヒドを製造するために行われている。高級アルデヒド、特に3〜25個の炭素原子を有するアルデヒドは、例えば合成前駆体として、カルボン酸の製造に、また着臭剤として利用されている。工業的には、このアルデヒドはしばしば接触水素化により相応するアルコールへと転化され、このアルコールは可塑剤や洗剤の製造に利用されている。ヒドロホルミル化生成物の大工業的意義に基づき、オキソ反応は工業的規模で実施されている。
4オレフィンイソブテンのヒドロホルミル化により、イソバレルアルデヒドが生成される。以下、これを3−メチルブタナール又は略して3MBAと称する。3MBAは着臭剤や芳香剤の製造に、また合成前駆体としても用いられている。
大工業的なヒドロホルミル化では、目下、コバルトもしくはロジウム系の有機リン系金属錯体触媒が用いられている。この触媒は液体ヒドロホルミル化混合物中に均質に溶解する。ヒドロホルミル化混合物から目的生成物(アルデヒド)を分離する範囲においては、ヒドロホルミル化混合物から均一系触媒を慎重に分離することも必要である。何故ならば、錯体触媒は状態変化に対して比較的敏感に反応し、その活性を失い得るためである。慣例的には、触媒は蒸留によりヒドロホルミル化混合物から分離される。失活のリスクを低下させ、かつプロセスのエネルギー消費を低減させるために、近年では均一に溶解している触媒を膜技術(ナノ濾過)を用いてヒドロホルミル化混合物から分離する研究が行われている。
Priske, M. et al.: Reaction integrated Separation of homogeneous catalysts in the hydroformylation of higher olefins by means of organophilic nanofiltration. Journal of Membrane Science, Volume 360, Issues 1-2, 15 September 2010, Pages 77-83; doi:10.1016/j.memsci.2010.05.002には、均一に溶解している触媒錯体をヒドロホルミル化混合物から分離するための膜支援による有機親和性ナノ濾過の基礎が記載されている。
EP1931472B1号も、総じて、均一に溶解している触媒錯体をヒドロホルミル化混合物から分離するための有機親和性ナノ濾過に関する。
特許出願WO2008006633号には、イソブテンのヒドロホルミル化による3−メチルブタナールの製造法が記載されている。
オレフィンから相応するアルデヒドへの接触ヒドロホルミル化は、通常は均一な液相中で行われる。つまり、触媒とオレフィンと生成物とが一つの相中に存在しており、その際、遷移金属錯体触媒は、ヒドロホルミル化すべきオレフィンとヒドロホルミル化の生成物をも含有している液体の反応混合物中に均一に溶解している。ヒドロホルミル化の生成物として、主生成物である3−メチルブタナールとしての前述のアルデヒドの他に、通常は、高沸点後続生成物(通常は高沸点物質と称される)も生成される。さらに、反応混合物中には、遷移金属錯体触媒のための不活性溶剤、例えばジオクチルフタレート、又はジイソノニルフタレート、又はイソノニルベンゾエート、又はその混合物が存在し得る。
ここで、「高沸点物質」とは、主要なヒドロホルミル化生成物(使用したオレフィンよりも1つ多い炭素原子を有するアルデヒド)や、それから水素化により得られるアルコールよりも、高い温度で沸騰しかつより大きい分子量を有する物質と解釈される。高沸点物質は、主要なヒドロホルミル化生成物からの後続反応により生成される。工業的ヒドロホルミル化の際に通常生成される高沸点物質には、アルドール化生成物やアセタール化生成物、また、アルコールと酸との反応により生成されるエステルが含まれ、その際、アルコールと酸は、特にアルデヒドの不均化反応により形成される。
イソブテンの工業的ヒドロホルミル化の際には、通常、イソブテンの工業的ヒドロホルミル化の目的生成物である主生成物3−メチルブタナールの他に、高沸点物質の形の後続生成物や遷移金属錯体触媒とその遊離配位子を含む生成物混合物が生成される。反応の転化性能に応じて、反応器から取り出された生成物混合物は、未反応出発物質、つまりイソブテン、水素、又は一酸化炭素をも含有し得る。主生成物である3−メチルブタナールの純度を向上させ、かつ遷移金属錯体触媒を回収するためには、ヒドロホルミル化の際に得られた生成物混合物の、3MBA、後続生成物、触媒、場合により未反応の出発物質といった成分を互いに分離する必要がある。
WO2010097376A1号から、プロセス流から均一系触媒を富化するための方法が公知である。この場合このプロセス流は、例えば、好ましくは2〜25個の炭素原子を有するオレフィンから、相応するアルデヒド、特にイソノナナール及びイソトリデカナールへのヒドロホルミル化法に由来するものである。プロセス流からの均一系触媒の富化は、完全又は部分的にポリマーからなる少なくとも1つのナノ濾過膜にこのプロセス流を通すという方法で行われおり、ここで、このポリマーは平面的なポリマー単位を有しており、このポリマー単位は堅固なリンカーを介して互いに結合しており、その際、このリンカーは曲がっているため、少なくとも1つの平面的なポリマー単位はこのリンカーを介して非同一平面的な配置で少なくとも1つの第2の平面的なポリマー単位と結合している。膜濾過の際に触媒系は濃縮液中に残留し、一方で高沸点物質は透過液と共に分離される。膜濾過による分離の前に、好ましくはヒドロホルミル化反応器の排出物が、蒸留によって、未反応オレフィン及び所望のアルデヒドを含有する留出物と、高沸点物質及び触媒系を含有する塔底生成物とに分離される。
反応混合物から、例えば工業的ヒドロホルミル化の際に得られた反応混合物から遷移金属錯体触媒を分離し、かつ部分的に返送するためのもう1つの方法は、WO2010097428号から公知である。この方法は、少なくとも単段の膜分離と吸着との組み合わせに基づくものである。この場合、触媒含有流が、少なくとも1つの単段の膜分離工程により遷移金属錯体触媒リッチな濃縮液流と遷移金属錯体触媒プアな透過液とに分離される。遷移金属錯体触媒リッチな濃縮液流は反応器へ返送される。遷移金属錯体触媒プアな透過液流は吸着工程へ返送され、この工程において、遷移金属錯体触媒と透過液流とのさらなる分離が行われる。
従来技術から公知である、こうした、またその他の方法は、遷移金属錯体触媒の出来る限り完全な回収を達成するために、遷移金属錯体触媒と高沸点物質とを出来る限り分離することを目指している。分離した触媒を適宜必要な後処理後にヒドロホルミル化反応器へ返送することができ、それによりプロセスの経済性を高めることができる。
高沸点物質の生成によって、主生成物である3−メチルブタナールに関するヒドロホルミル化生成物の収率が低下してしまい、これは方法の経済性に影響を与えるものである。従って、使用される原材料(イソブテン;合成ガス)や使用される遷移金属錯体触媒をより十分に活用するためには、生成物混合物中の高沸点物質の割合を出来る限り低く抑えることが望ましい。
従って本発明の課題は、生成物混合物中の高沸点物質の割合を出来る限り低く抑え、かつそれにより反応収率を向上させることを可能にする、イソブテン含有炭化水素流の工業的ヒドロホルミル化により生成物混合物を製造するための、及び、得られた生成物混合物を分離するための方法及び装置を提供することである。
前記課題は、イソブテン含有炭化水素流の工業的ヒドロホルミル化により生成物混合物を製造するための、及び、得られた生成物混合物を分離するための本発明による方法において、以下の工程:
a)イソブテン含有炭化水素流をヒドロホルミル化反応器中で遷移金属錯体触媒の存在下にヒドロホルミル化して生成物混合物を取得する工程であって、この生成物混合物が、少なくとも3−メチルブタナールと、高沸点物質及び3−メチルブタン酸の形の後続生成物と、遷移金属錯体触媒及びその遊離配位子とを含んでいるものとする工程、
b)生成物混合物を1つ以上の膜分離ステップを含むナノ濾過ユニットを用いて分離する工程であって、この分離によって、生成されるナノ濾過ユニットの濃縮液中で遷移金属錯体触媒及びその遊離配位子が3−メチルブタナール及び3−メチルブタン酸よりも富化されており、かつ生成されるナノ濾過ユニットの透過液中で3−メチルブタナール及び3−メチルブタン酸がそれぞれ遷移金属錯体触媒よりも富化されており、その際、生成される濃縮液中で3−メチルブタン酸の濃度が透過液中よりも低いものとする工程、
c)生成されるナノ濾過ユニットの透過液を、1以上の理論段数を有する熱分離ユニットを用いて少なくとも第1の留分と第2の留分とに分離する工程であって、その際、第1の留分は、第2の留分よりも高濃度の3−メチルブタナールと、第2の留分よりも低濃度の高沸点物質及び3−メチルブタン酸の形の後続生成物とを含有しているものとする工程、
d)生成されるナノ濾過ユニットの濃縮液の少なくとも部分流をヒドロホルミル化反応器に返送する工程
を含むことを特徴とする方法により解決される。
前記課題の解決には、まず高沸点物質形成に関与する個々の種を特定し、かつ複雑な反応のキネティクスを解明することが必要であった。イソブテンから3−メチルブタナールへのヒドロホルミル化における高沸点物質形成のキネティクスを解明するための独自の研究において、意想外にも、3−メチルブタナールの酸化生成物として形成される3−メチルブタン酸が、高沸点物質形成の際に重要な役割を果たしていることが判明した。高沸点物質形成は、3−メチルブタナールのアルドール縮合を以て開始する:
Figure 2015509491
このアルドール縮合物は、主生成物である3−メチルブタナールとの反応により還元されて二価のC10アルコールへと転化することができ、その際、主生成物である3−メチルブタナールは酸化されて3−メチルブタン酸へと転化される:
Figure 2015509491
10アルコールと3−メチルブタン酸によるエステル化により、ティチェンコ反応においてC15高沸点物質が生成される:
Figure 2015509491
15高沸点物質と3−メチルブタン酸によるさらなるエステル化により、最終的にはC20高沸点物質も生じ得る:
Figure 2015509491
従って、C15高沸点物質及びC20高沸点物質の形成は、かなりの程度で3−メチルブタン酸の関与下での反応により行われる。以下、3−メチルブタン酸を3MBSと省略することがある。
上記の知見が本発明のベースとなっている:生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物中での高沸点物質の割合を出来る限り低く抑えるという上述の課題の本発明による解決法は、まずもって、3−メチルブタン酸を、ヒドロホルミル化反応器へ返送すべき遷移金属錯体触媒と出来る限り十分に分離することである。これは、生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物の分離工程において、ヒドロホルミル化反応器へ返送すべき遷移金属錯体触媒を、生成されるナノ濾過ユニットの濃縮物中で富化させ、一方で、ヒドロホルミル化反応の後続生成物、特に3MBSを、生成されるナノ濾過ユニットの透過液中で富化させることにより達成可能である。意想外にも、ナノ濾過を用いることにより、つまり生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物を1つ以上のナノ濾過膜を用いて分離することにより、3−メチルブタン酸と遷移金属錯体触媒との十分な分離を達成できることが判明した。そのために、3−メチルブタン酸に対する特に低い阻止率が特徴的である1つ以上のナノ濾過膜を含むナノ濾過ユニットを、本発明による方法のナノ濾過分離工程に使用する。好ましくは、3−メチルブタン酸に対するナノ濾過膜の阻止率は、−1以下、特に好ましくは−5以下、さらに好ましくは−10以下である。膜の阻止率の定義については後ほど記載する。
ナノ濾過ユニットの透過液と共に排出された3−メチルブタン酸は、ヒドロホルミル化反応器へ返送すべき遷移金属錯体触媒との分離によって、反応器中で、もはや高沸点物質形成のための反応パートナーとして作用しないため、高沸点物質形成に関与する重要な反応は、もはや進行しないか又はわずかに進行するに過ぎない。それにより、主生成物である3−メチルブタナールに関して損失が低減される。
従って、3−メチルブタン酸に対して特に高い透過性を有する、生成物混合物から触媒錯体を分離するためのナノ濾過ユニットの使用も、本発明による教示の重要な一態様である。
ナノ濾過ユニットとは、本発明の意味において、その分離機能を膜の使用のみによって果たす分離機器であって、その際、この膜のうち少なくとも1つがナノ濾過膜である分離機器と解釈されるべきである。ナノ濾過ユニットは1つ以上の膜分離ステップを含むことができ、それに応じてナノ濾過ユニットは単段又は多段で運転可能である。この場合、各膜分離ステップは、1つのフィードと2つの排出物、つまり濃縮液と透過液という3つの分岐を有している。透過液中では膜を通過したフィードの成分が富化されており、一方で、濃縮液中では膜により阻止された物質が富化されている。生成される透過液ないし生成される濃縮液とは、ナノ濾過ユニットと、本発明による方法を実施するための装置のそれ以外の部分とが接する箇所での、ナノ濾過ユニットの2つの排出物と解釈されるべきである。ナノ濾過ユニットが単段でのみ運転され、従って膜分離ステップを1つしか有していない場合には、生成されるナノ濾過ユニットの透過液ないし生成されるナノ濾過ユニットの濃縮液は、唯一の膜分離ステップの透過液ないし濃縮液に相当する。
Melin / Rautenbach: Membranverfahren. Grundlagen der Modul- und Anlagenauslegung. Springer, Berlin Heidelberg 2004には、膜濾過の分野の当業者の基礎的知識が記載されている。
ナノ濾過は、圧力駆動の膜分離法の一つである。分画分子量(molecular weight cut-off、MWCO;Y.H. See Toh, X.X. Loh, A. Bismarck, A.G. Livingston, In search of a standard method for the characterisation of organic solvent nanofiltration membranes, J. Membr. Sci, 291(2007)120-125を参照のこと)は、150g/mol〜2000g/molの範囲内である。この値によって、ナノ濾過を例えば精密濾過や限外濾過といった他の膜分離法と区別することができる。分画分子量とは、膜が90%の阻止率を示す際の、好ましくは不活性な指標体(例えばポリスチレン標準物質や、Toh, Loh, Bismarck及びLivingstonの場合にはアルカン標準物質)の分子量として定義される。ナノ濾過膜の厳密な分画分子量は、使用される膜と、それぞれの溶剤、そして、例えば圧力や温度といった処理条件によって決定される。ナノ濾過の場合には、緻密若しくは多孔質の膜が用いられる。ナノ濾過膜は、低分子有機物質に対する阻止率が低いことが特徴的である。
膜の阻止率Rは、透過しない流れ(濃縮液)の成分iの局所的濃度と、膜を透過する流れ(透過液)の成分iの局所的濃度とによって決定される。濃縮液と透過液とが膜に沿って理想的に混合されている場合には、局所的な濃縮液及び透過液の濃度は、全体で生じる濃縮液ないし透過液のそれぞれの濃度と合致している。供給された物質流中に含まれる成分iに対する膜の阻止率Rは、以下のように定義される:
R=1−Cpi/CRi
ここで、Cpiは透過液P中の成分iの濃度であり、CRiは濃縮液R中の成分iの濃度である。膜により成分iが完全に阻止されるという極端なケースでは、Cpi=0でかつR=1である。成分iが好ましく透過する場合には、Cpi>CRiでかつR<0である。
好ましくは、本発明による方法において使用すべきナノ濾過ユニットは、1つ以上のナノ濾過膜を含んでおり、このナノ濾過膜のうちの少なくとも1つが、3−メチルブタン酸に対して−1以下、特に好ましくは−5以下、特に−10以下の阻止率を有している。このようにして、生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物をナノ濾過ユニットにフィードとして供給したものから、3−メチルブタン酸を十分に排出することができる。
分離機能に好適であると考えられるのは、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、硝酸セルロース、再生セルロース、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾイミダゾロン、ポリアクリロニトリル、ポリアリールエーテルスルホン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリジメチルシロキサン、シリコーン、ポリホスファゼン、ポリフェニルスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、6,6−ナイロン、ポリスルホン、ポリアニリン、ポリウレタン、アクリロニトリル/グリシジルメタクリレート(PANGMA)、ポリトリメチルシリルプロピン、ポリメチルペンチン、ポリビニルトリメチルシラン、α−アルミナ、酸化チタン、γ−アルミナ、ポリフェニレンオキシド、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、シランで疎水化されたセラミック膜、例えばDE10308111号に記載のもの、固有微多孔性ポリマー(PIM)、例えばPIM−1等、例えばEP0781166号やI. Cabasso, Encyclopedia of Polymer Sience and Technlogy, John Wiley and Sons, New York, 1987の”Membranes”に記載のものから選択された材料からの分離活性層を有する膜である。上に挙げた物質は、特に分離活性層において、適宜助剤の添加により架橋されていてもよいし、いわゆる混合マトリクス膜(Mixed Matrix Membrane)として、充填材、例えばカーボンナノチューブ、金属有機構造体、又は中空球、並びに無機酸化物の粒子、又は無機繊維、例えばセラミック繊維、又はガラス繊維を備えていてもよい。
好ましくは、分離活性層として、固有微多孔性ポリマー(PIM)、例えばPIM−1から成る、ポリジメチルシロキサン、ポリイミド、ポリアミドイミド、アクリロニトリル/グリシジルメタクリレート(PANGMA)、ポリアミド、又はポリエーテルエーテルケトンからのポリマー層を有する膜か、もしくは、分離活性層が疎水化されたセラミック膜の上方に構築されている膜を使用する。極めて特に好ましくは、シリコーン又はポリアミドイミドからの膜を使用する。このような膜は市販されている。
独自の研究において、1種以上のイミド基含有ポリマーを含むか又は1種以上のイミド基含有ポリマーからなるナノ濾過膜が、ヒドロホルミル化の生成物混合物をナノ濾過ユニットにフィードとして供給したものから3−メチルブタン酸を排出するのに特に好適であることが判明した。このような種類の膜の代表物は、特にポリイミド又はポリアミドイミドからの膜である。例えば熱可塑性ポリイミドが使用可能であり、これはスイス国バーゼル在のHuntsman Advanced Materials GmbH社よりMatrimid(R)の商品名で入手可能である。ポリイミド又はポリアミドイミドからのナノ濾過膜は、3−メチルブタン酸に対して特に阻止率が低いことが特徴的である。従って好ましくは、ナノ濾過ユニット中で、1種以上のイミド基含有ポリマーを含むか又はこれからなる1つ以上のナノ濾過膜を使用し、その際、1種以上のイミド基含有ポリマーを、3−メチルブタン酸に対するナノ濾過膜の阻止率が−1以下、好ましくは−5以下、特に好ましくは−10以下となるように選択する。イミド基含有ナノ濾過膜は、例えば米国7500 Grace Drive Columbia, Md 21044在のW. R. Grace & Co.-Conn.社よりSTARMEM(R)122及びSTARMEM(R)240の商品名で市販されているか、又はドイツ連邦共和国エッセン在のEvonik Industries AG社より入手可能な製品ファミリーPuramem(R)及びDuramem(R)の膜である。Puramem(R)及びDuramem(R)は、ポリイミド、例えばP84及び/又はMatrimid 5218を含有している。
特に好ましくは、本発明による方法において使用すべきナノ濾過ユニットは1つ以上のナノ濾過膜を含んでおり、このナノ濾過膜のうちの少なくとも1つが、150〜2000g/mol、好ましくは200〜600g/mol、特に好ましくは350〜500g/molの範囲内の分画分子量を有している。本発明による方法においては3−メチルブタン酸の阻止は望ましくないため、本発明によれば好ましくは、分画分子量が3−メチルブタン酸の分子量(102g/mol)よりも大きいナノ濾過膜を使用する。高沸点物質も濃縮液中に残留されるべきではないため、分画分子量は、好ましくは高沸点物質の分子量(200〜350g/mol)を上回りかつ触媒の分子量(500〜1000g/mol)を下回るのが好ましい。
極めて特に好ましくは、本発明による方法において使用すべきナノ濾過ユニット中で、1種以上のイミド基含有ポリマーを含むか又はこれからなる1つ以上のナノ濾過膜を使用し、その際、この1種以上のイミド基含有ポリマーを、ナノ濾過膜の分画分子量が150〜2000g/molの範囲内となるように選択する。
ナノ濾過ユニット中での分離工程の成果に関わるその他のパラメータは、温度、膜間差圧、ナノ濾過膜を流過する際のレイノルズ数、並びに一酸化炭素及び/又は水素の分圧である。好ましくは、イソブテン含有炭化水素流のヒドロホルミル化により得られた生成物混合物のナノ濾過ユニット中での分離工程を、
− 10〜150℃の範囲内の温度で、
かつ/又は、
− 0.5〜6MPaの範囲内の膜間差圧で、
かつ/又は、
− 55〜13500、好ましくは100〜3500、極めて特に好ましくは170〜900のレイノルズ数で、
かつ/又は、
− 一酸化炭素及び/又は水素の存在下に、好ましくはフィード中、濃縮液中、及び透過液中で少なくとも200kPaの一酸化炭素分圧で
実施する。
ナノ濾過ユニットへの進入前に、ヒドロホルミル化反応器から流出する生成された反応混合物を、膜安定性の理由から必要であるか若しくは分画分子量の調整に必要であれば、好ましくはまず冷却し、そして好ましくは200kPaを上回る圧力へと減圧する。その際に、揮発性成分、例えば未反応イソブテン又は水素及び一酸化炭素を部分的に分離し、適宜返送する。この減圧下に置かれた合成ガスと共に、主生成物である3−メチルブタナールと、高沸点物質及び3−メチルブタン酸の形の後続生成物と、遷移金属錯体触媒及びその遊離配位子とを含む生成物混合物、並びに任意に未反応物を、ナノ濾過プロセスに必要な膜間差圧を生じる高圧ポンプに供給する。適宜、この高圧ポンプには予備濾過系が前接続されていてよい。
膜間差圧とは、1つの分離ステップ当たりのナノ濾過膜のフィード側と透過液側との圧力差と解釈される。この圧力差が膜濾過の主要な駆動力である。
濃度増大(濃度分極)、またさらにはナノ濾過膜上での堆積物の形成(膜ファウリング)を回避するためには、ナノ濾過ユニット中での分離の際に所定の流動条件を遵守することが必要である。濃度増大や、ナノ濾過膜を流過する流れからの堆積物の形成は、その乱流、ひいてはそのレイノルズ数に依存することが判明した。例えば、膜モジュールの構造様式とは無関係に、レイノルズ数が55〜13500、好ましくは100〜3500、極めて特に好ましくは170〜900となるように留意すべきである。特に、10mPas未満の動粘度を有する物質系についても同様のことが当てはまる。このような流動条件で、濃度増大や堆積が十分に低減される。
無次元のレイノルズ数Reは、Re=wdh/νとして定義されており、ここで、νは動粘度を表し、wは膜の平均流速を表し、dhは膜モジュールの固有の長さとしての水力直径を表す。
ナノ濾過ユニットは、(直列又は並列に接続された)膜モジュールの形の複数の分離ステップを含むことができ、その際、各分離ステップの後に、それぞれ得られた透過液をフィードとして次の分離ステップに供給し、かつ最後の分離ステップからの透過液を熱分離に供給する。各分離ステップは少なくとも1つの膜モジュールを含んでおり、その際、各膜モジュールは1つ以上のナノ濾過膜を含んでいる。膜モジュールとは、1つのアセンブリにおける、取扱いの容易な用途に特化した膜の構成物であり、このことは当業者に自明である。
本発明による方法においてナノ濾過設備における分離工程に続く透過液の熱分離工程には、典型的には、蒸留器、又は薄膜式蒸発器、又は流下液膜式蒸発器、又はその組み合わせが含まれ、その際、第1の留分を塔頂生成物として取得し、第2の留分を塔底生成物として取得する。好ましくは、熱分離工程後に、ナノ濾過ユニットを用いて熱分離の第2の留分をさらに分離することは不要である。特に、ヒドロホルミル化の際に生成される生成物混合物をナノ濾過ユニット中で先行して分離した時点ですでに遷移金属錯体触媒を高いレベルで濃縮液中にとどめたために、透過液中にごくわずかな量の触媒しか存在しておらず、その結果、熱分離の高沸点の(第2の)留分からの回収コストが経済的に引き合わなくなるような場合には、塔底生成物として得られた第2の留分のさらなる分離は不要である。
上記課題を解決するために、さらに、3−メチルブタン酸や高沸点物質の形成を招く後続反応の進行が出来る限りわずかとなるように工業的ヒドロホルミル化を行うことが好ましい。このことは、特に圧力、温度、ヒドロホルミル化反応器中での反応混合物の平均滞留時間、合成ガスの組成、遷移金属の濃度、及び遷移金属錯体触媒の遷移金属対配位子の比からなる群からの1つ以上の方法パラメータを適切に設定することにより達成可能である。
ここで、反応混合物とは、出発物質(イソブテン及び合成ガス)、ヒドロホルミル化の主生成物(3−メチルブタナール)、それから形成された後続生成物(3−メチルブタン酸や高沸点物質)、並びに遷移金属錯体触媒を含む、ヒドロホルミル化反応器中に存在する混合物全体と解釈される。この反応混合物から、出発物質であるイソブテンをヒドロホルミル化し、適宜未反応イソブテンを分離することによって、生成されかつナノ濾過により分離すべき生成物混合物が得られる。この生成物混合物は、少なくとも3−メチルブタナールと、高沸点物質及び3−メチルブタン酸の形の後続生成物と、遷移金属錯体触媒及びその遊離配位子とを含む。未反応出発物質(イソブテン、水素、一酸化炭素)をナノ濾過ユニットの前に反応器排出物から分離しない場合には、これは、ナノ濾過ユニットのフィードへと運搬される生成物混合物の一部となる。基本的にはイソブテンの完全な転化が望ましいが、工業的操作において常に達成し得るとは限らない。通常の転化率は95質量%を上回る。未反応イソブテンをナノ濾過ユニットの直前に分離すると、そのフィードはほぼイソブテンフリーとなる。また、残留イソブテンを膜透過させて、いずれにせよ必要である目的生成物3MBAの熱分離の範囲内でこれを除去し、そしてヒドロホルミル化反応器へ返送することも可能である。この変法は好ましい。何故ならば、熱分離法は触媒錯体にダメージを与えるためである。一方で、出発物質である一酸化炭素は、好ましくはナノ濾過ユニットのフィード、透過液及び濃縮液中にも含まれていることが望ましく、それにより触媒が安定化される。
本発明による方法の好ましい一発展形態において、イソブテン含有炭化水素流のヒドロホルミル化工程において、高沸点物質及び3−メチルブタン酸の形の後続生成物の全濃度が、生成物混合物、つまり反応器排出物に対して質量により30質量%以下となるように1つ以上の方法パラメータを設定し、その際、設定すべき1つ以上のパラメータを、好ましくは、圧力、温度、ヒドロホルミル化反応器中での反応混合物の平均滞留時間、合成ガスの組成、遷移金属の濃度、及び遷移金属錯体触媒の遷移金属対配位子の比からなる群から選択する。
ヒドロホルミル化反応器中での反応混合物の平均滞留時間を短縮することにより、望ましくない後続反応に費やされる時間を短縮することができるが、一方で、経済的に有意義な出発物質転化率を可能にするためには平均滞留時間を十分に高くする必要がある。平均滞留時間は、例えば反応器の長さの設計に影響を受け得る。
ヒドロホルミル化反応器中の温度を低下させることにより、望ましくない後続反応の速度を低下させることができるが、一方で、経済的に有意義な出発物質転化率を可能にするためには温度を十分に高くする必要がある。
好ましくは、イソブテン含有炭化水素流のヒドロホルミル化工程において、ナノ濾過ユニットに供給すべき生成物混合物中の3−メチルブタン酸の濃度が0.004〜0.1質量%の範囲内、好ましくは0.004〜0.03質量%の範囲内となるように、1つ以上の方法パラメータ、特に温度及び/又は平均滞留時間を設定する。
生成される透過液中の触媒錯体の濃度は、好ましくは0.03質量%以下である。
本発明によれば、イソブテン含有炭化水素流のヒドロホルミル化工程を、好ましくは
− 0.2〜8.0MPaの範囲内の圧力で、
かつ/又は、
− 70〜130℃の範囲内の温度で、
かつ/又は、
− 1〜4hの範囲内のヒドロホルミル化反応器中での反応混合物の平均滞留時間で、
かつ/又は、
− 1:3〜3:1の合成ガス組成(CO:H2)で、
かつ/又は、
− 10〜100ppmの範囲内のヒドロホルミル化反応器中での遷移金属濃度で、
かつ/又は、
− 1:4〜1:50の範囲内の遷移金属対配位子の比で
実施する。
本発明による方法のヒドロホルミル化工程において、好ましくは、遷移金属がロジウムであり、かつ/又は、1つ以上の配位子が有機リン配位子の群から選択されている遷移金属錯体触媒を使用する。遷移金属がコバルトである遷移金属錯体触媒の使用も可能である。
独自の研究において、ヒドロホルミル化反応器中の温度が130℃以上であると、3−メチルブタン酸とそれから生成される高沸点物質の形成が明らかに増加することが判明した。従って本発明によれば、ヒドロホルミル化反応器中の温度が130℃を超えないことが好ましい。好ましくは、ヒドロホルミル化を80〜110℃の範囲内の温度で実施する。これとは無関係に、3−メチルブタン酸及び高沸点物質の形成が制限されるように、若干若しくは全ての他の上記の方法パラメータを最適化することができる。
好ましくは、イソブテン含有炭化水素流の工業的ヒドロホルミル化により生成物混合物を製造するための、及び、得られた生成物混合物を分離するための本発明による方法において、ヒドロホルミル化の際の3−メチルブタン酸及び高沸点物質の形成をわずかにしつつ、3−メチルブタン酸と、反応器へ返送すべき遷移金属錯体触媒との最適な分離を達成するために、上記で特に好ましいものとして強調されている変法のうち若干若しくは全ての特徴を互いに組み合わせる。従って、好ましい本発明による方法は、以下の工程:
− イソブテン含有炭化水素流を、1つ以上の有機リン配位子を有するロジウム錯体触媒の存在下に、0.2〜8MPaの範囲内の圧力でかつ70〜130℃の範囲内の温度で、1〜4hの範囲内の平均滞留時間で、1:3〜3:1の合成ガス組成CO:H2で、10〜100ppmの範囲内の反応器中でのロジウム濃度で、かつ1:4〜1:50の範囲内のロジウム対配位子の比でヒドロホルミル化する工程、
− 生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物を、ナノ濾過ユニットを用いて、10〜150℃の範囲内の温度で、0.5〜6MPaの範囲内の膜間差圧で、170〜900のレイノルズ数で、かつ各膜分離ステップのフィード中、濃縮液中、及び透過液中で0.2MPaを上回る一酸化炭素分圧で分離する工程、
− 生成されるナノ濾過ユニットの透過液を蒸留により第1の留分と第2の留分とに熱分離する工程であって、その際、第1の留分は、第2の留分よりも高濃度の3−メチルブタナールと、第2の留分よりも低濃度の高沸点物質とを含有しているものとする工程、
− 生成されるナノ濾過ユニットの濃縮液の少なくとも部分流をヒドロホルミル化反応器に返送する工程
を含む。
上記課題を解決するためには、さらに、本発明による方法の1つ以上の物質流において(特にフィード流、透過液流、及び濃縮液流において)、形成された3−メチルブタン酸の濃度をモニタリングし、かつ所定の最高値を超えた場合に適切な措置をとることが好ましい。
従って、本発明による方法の好ましい一発展形態は、以下の工程:
− ナノ濾過ユニットの濃縮液中の3−メチルブタン酸の濃度をモニタリングし、さらに、好ましくは、生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物中の、及び/又は、ナノ濾過ユニットのフィード中の、及び/又は、ナノ濾過ユニットの透過液中の3−メチルブタン酸の濃度をもモニタリングする工程
を含む。
ナノ濾過ユニットの濃縮液中の3−メチルブタン酸の濃度をモニタリングし、さらに、好ましくは、生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物中の、及び/又は、ナノ濾過ユニットのフィード中の、及び/又は、ナノ濾過ユニットの透過液中の3−メチルブタン酸の濃度をもモニタリングするための好適な方法には、ガスクロマトグラフィーからなる群から選択された測定法を用いたそれぞれの処理流中の3−メチルブタン酸の濃度の測定が含まれる。ナノ濾過ユニットの濃縮液中の3−メチルブタン酸の濃度のモニタリングにより、ナノ濾過の濃縮液中で富化されている遷移金属錯体触媒と共にヒドロホルミル化反応器へ返送する3−メチルブタン酸の量を制御することができる。ナノ濾過ユニットの濃縮液中の3−メチルブタン酸の濃度の増加は、堆積物(膜ファウリング)によるナノ濾過膜のブロッキングを暗に示している。本発明による方法の好ましい一変法において、ナノ濾過ユニットの濃縮液中の3−メチルブタン酸の濃度が所定の最高値を超えた場合に、ヒドロホルミル化反応器への濃縮液の返送を中断する。それによって、ヒドロホルミル化反応器中で3−メチルブタン酸の濃度が増加して高沸点物質の望ましくない形成が促されるのを防ぐことができる。
本発明による方法の特に好ましい一変法において、ナノ濾過ユニットの濃縮液中の3−メチルブタン酸の濃度が所定の最高値を超えた場合に、さらに、ナノ濾過ユニットの機能のチェックと、必要であれば1つ以上のナノ濾過膜の交換又は再生を行う。このような措置は特に、これと同時に、同じようにしてモニタリングした透過液中の3−メチルブタン酸の濃度が低下して所定の最小値を下回った場合に(以下を参照のこと)適切である場合がある。
ナノ濾過ユニットのフィード中の、又は生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物中の、3−メチルブタン酸の濃度のモニタリングにより、イソブテン含有炭化水素流のヒドロホルミル化により得られた生成物混合物中の3−メチルブタン酸の濃度を制御することができる。この生成物混合物を、好ましくは未反応イソブテンの分離下に減圧し、適宜さらに予備濾過した後に、ナノ濾過ユニットにフィードとして供給する。ナノ濾過ユニットのフィード中の3−メチルブタン酸の濃度があまりにも高すぎる場合、これは、高沸点物質形成の回避に関して、ヒドロホルミル化反応器中での工業的ヒドロホルミル化の方法パラメータの設定が最適でないことを暗に示している。また、ナノ濾過ユニットのフィード中の3−メチルブタン酸の濃度が急激に上昇した場合、これは、ヒドロホルミル化の1つ以上の方法パラメータの制御機器の停止若しくは制御不可能を暗に示し得る。従って、こういった本発明による方法の上記の変法はヒドロホルミル化の方法パラメータの確実な制御に寄与し、さらに場合によっては欠陥生成物や運転障害の回避にも寄与する。
本発明による方法の好ましい一変法において、ナノ濾過ユニットのフィード中の3−メチルブタン酸の濃度が所定の最高値を超えた場合に、ナノ濾過ユニットのフィード中の3−メチルブタン酸の濃度が低下してこの所定の最高値を下回るように、ヒドロホルミル化反応器中のイソブテン含有炭化水素流のヒドロホルミル化工程の1つ以上の方法パラメータを修正する。好ましくは、ヒドロホルミル化の1つ以上の方法パラメータの適切な設定を上記のように行い、その際、設定すべきパラメータを、特に、圧力、温度、ヒドロホルミル化反応器中での反応混合物の平均滞留時間、合成ガスの組成、遷移金属の濃度、及び遷移金属錯体触媒の遷移金属対配位子の比からなる群から選択する。
ナノ濾過ユニットの透過液中の3−メチルブタン酸の濃度のモニタリングにより、ナノ濾過設備の1つ以上のナノ濾過膜を透過する3−メチルブタン酸の量を制御することができる。それにより、ナノ濾過ユニットの問題のない運転をモニタリングすることができる。ナノ濾過ユニットの透過液中の3−メチルブタン酸の濃度の低下は、堆積物(膜ファウリング)によるナノ濾過膜のブロッキングを暗に示し得る。従って本発明による方法の好ましい一変法において、ナノ濾過ユニットの透過液中の3−メチルブタン酸の濃度が所定の最小値を下回った場合に、ナノ濾過ユニットの機能のチェックと、必要であれば1つ以上のナノ濾過膜の交換又は再生を行う。
好ましくは、イソブテン含有炭化水素流の工業的ヒドロホルミル化により生成物混合物を製造するための、及び、得られた生成物混合物を分離するための本発明による方法において、3−メチルブタン酸と、反応器へ返送すべき遷移金属錯体触媒とを最適に分離し、かつ、ヒドロホルミル化の際の3−メチルブタン酸及び高沸点物質の形成をわずかにし、さらには本発明による方法の関連する全ての物質流中の3−メチルブタン酸の濃度を全面的にモニタリングするために、上記で特に好ましいものとして強調されている発展形態や変法のうち若干若しくは全ての特徴を互いに組み合わせる。
本発明はさらに、本発明による方法を実施するための、特に本発明による方法の上記の好ましい変法のための装置に関する。本発明による方法を実施するための装置は、以下のもの:
− イソブテン含有炭化水素流(1)を遷移金属錯体触媒の存在下にヒドロホルミル化するためのヒドロホルミル化反応器(R)、
− ヒドロホルミル化反応器(R)中で形成された生成物混合物(2)を分離するための1つ以上の膜分離ステップを含むナノ濾過ユニット(M)であって、この分離によって、生成されるナノ濾過ユニット(M)の濃縮液(3)中の3−メチルブタン酸の濃度が生成されるナノ濾過ユニット(M)の透過液(4)中の3−メチルブタン酸の濃度よりも低くなるように、生成されるナノ濾過ユニット(M)の濃縮液(3)中で遷移金属錯体触媒及びその遊離配位子を3−メチルブタナール及び3−メチルブタン酸よりも富化し、かつ生成されるナノ濾過ユニット(M)の透過液中で3−メチルブタナール及び3−メチルブタン酸を遷移金属錯体触媒よりも富化するナノ濾過ユニット(M)であって、その際、このナノ濾過ユニット(M)は1つ以上のナノ濾過膜を含んでおり、このナノ濾過膜のうちの少なくとも1つが、3−メチルブタン酸に対して−1以下、特に好ましくは−5以下、特に−10以下の阻止率を有しているものとするナノ濾過ユニット(M)、
− 生成されるナノ濾過ユニット(M)の透過液(4)を第1の留分(5)と第2の留分(6)とに熱分離するための少なくとも1つの熱分離ユニット(D)であって、その際、第1の留分(5)は、第2の留分(6)よりも高濃度の3−メチルブタナールと、第2の留分(6)よりも低濃度の高沸点物質及び3−メチルブタン酸の形の後続生成物とを含有しているものとする、熱分離ユニット(D)、
− 生成されるナノ濾過ユニット(M)の濃縮液(3)の少なくとも部分流をヒドロホルミル化反応器(R)に返送するための手段
を含む。
本発明による方法を実施するための装置は、さらに、従来技術において慣用の構成要素、例えばポンプ、慣用の計量供給ユニット、測定ユニット、制御ユニット及び調節ユニット、加熱装置及び冷却装置等を含むことができる。このような、工業的な合成及び分離の方法のための装置の、従来技術に属しかつ化学的な方法技術において慣用の構成要素は、当業者に公知である。
ヒドロホルミル化反応器として、好ましくは、撹拌槽、気泡塔、噴射ノズル反応器、管型反応器、及びループ型反応器からなる群からの装置を使用し、その際、これらの装置は内部構造体を備えていてもよい。
ヒドロホルミル化反応器は、特に好ましい一実施態様において気泡塔として構成されている。この本発明による装置において、好ましくは、ヒドロホルミル化反応器中での反応混合物の滞留時間が、出発物質から主要なヒドロホルミル化生成物である3−メチルブタナールへの経済的に有意義な転化率に対して十分満足のいくものでありつつ、主要なヒドロホルミル化生成物である3−メチルブタナールから3−メチルブタン酸及び高沸点物質の形の後続生成物への高い転化率は許容しないものとなるように、ヒドロホルミル化反応器の長さを選択する。
本発明による装置のナノ濾過ユニットは、好ましくは1つ以上の膜モジュールを含む。このモジュールでは、分離される成分、つまり遷移金属錯体触媒の濃度分極を阻止しつつ必要な駆動力(圧力)をかけられるような形でナノ濾過膜の濃縮液側での流過が生じ得るよう、ナノ濾過膜が配置されている。透過液は、ナノ濾過膜の透過液側の透過液採取スペース内にまとめられて、このモジュールから排出される。通常の膜モジュールは、膜ディスク、膜マット、又は膜バッグの形のナノ濾過膜を有している。特に好ましいものは、ナノ濾過膜が熱溶着もしくは接着されて膜バッグ又は膜マットとなっているオープンチャネルマットモジュール系を有する膜モジュールか、又は、ナノ濾過膜が接着もしくは溶着されて膜バッグ又は膜マットとなっており、かつフィードスペーサーと共に透過液採取管に巻回されているスパイラル型モジュールである。
好ましくは、本発明による装置のナノ濾過ユニットは、上記の好ましい方法パラメータ、特に圧力、温度、ヒドロホルミル化反応器中での反応混合物の平均滞留時間、合成ガスの組成、遷移金属の濃度、及び遷移金属錯体触媒の遷移金属対配位子の比からなる群からの方法パラメータが設定可能となるように、かつ/又は、生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物の分離工程の実施の上記の好ましい実施変法が実現可能となるように構成されている。
ナノ濾過ユニットは多数の分離ステップを含むことができ、ここで、この分離ステップは、各分離ステップの後に、得られた透過液をそれぞれフィードとして次の分離ステップに供給し、かつ最後の分離ステップからの透過液を熱分離に供給するように配置されている。各分離ステップは1つの膜モジュールとして設計されていてもよいし、複数の並列に配置された膜モジュールを含んでいてもよい。各膜モジュールは、1つ以上の並列に配置されたナノ濾過膜を含むことができる。
本発明による装置のナノ濾過ユニットに適した1つ以上のナノ濾過膜の選択に関しては、本発明による方法に適した1つ以上のナノ濾過膜の選択に関する上述の実施態様が同様に当てはまる。
好ましくは、ナノ濾過ユニットは1つ以上のナノ濾過膜を含んでおり、このナノ濾過膜のうちの少なくとも1つは、150〜2000g/mol、好ましくは200〜600g/mol、特に好ましくは350〜500g/molの範囲内の分画分子量を有している。
本発明による方法の上記の好ましい変法に特に適した好ましい一実施態様において、本発明による装置はさらに以下のもの:
− ナノ濾過ユニットの濃縮液中の3−メチルブタン酸の濃度を測定するための装置、好ましくはさらに、生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物中の、及び/又は、ナノ濾過ユニットのフィード中の3−メチルブタン酸の濃度を測定するための装置、及び/又は、ナノ濾過ユニットの透過液中の3−メチルブタン酸の濃度を測定するための装置、
又は、
− ナノ濾過ユニットの濃縮液から試料を採取するための装置、好ましくはさらに、生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物から、及び/又は、ナノ濾過ユニットのフィードから試料を採取するための装置、及び/又は、ナノ濾過ユニットの透過液から試料を採取するための装置
を含む。
ナノ濾過ユニットのフィード中の3−メチルブタン酸の濃度を測定するための装置は、好ましくはガスクロマトグラフィーからなる群から選択する。ナノ濾過ユニットの濃縮液及び/又は透過液中の3−メチルブタン酸の濃度を測定するための任意に予定される装置についても同様のことが当てはまる。
生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物中の、及び/又は、ナノ濾過ユニットのフィード中の、及び/又は、ナノ濾過ユニットの濃縮液中の、及び/又は、ナノ濾過ユニットの透過液中の3−メチルブタン酸の濃度を直接測定することが不可能であるか、もしくは煩雑すぎる場合には、生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物、ナノ濾過ユニットのフィード、及び/又は、ナノ濾過ユニットの濃縮液、及び/又は、ナノ濾過ユニットの透過液からの試料採取のための装置を予定することができる。この装置を用いて規則的に、つまり所定の時点で、又は所定の間隔で、又は必要に応じて、フィード、濃縮液及び/又は透過液から採取した試料において、例えばプロセス制御試験室内で、3−メチルブタン酸の濃度を測定する。
生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物中の、及び/又は、ナノ濾過ユニットのフィード中の、ナノ濾過ユニットの濃縮液中の、及び、ナノ濾過ユニットの透過液中の、3−メチルブタン酸の濃度のモニタリングから得られた情報、並びに、このモニタリングによって達成可能な利点に関しては、以下の工程:
− ナノ濾過ユニットの濃縮液中の3−メチルブタン酸の濃度をモニタリングし、さらに、好ましくは、生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物中の、及び/又は、ナノ濾過ユニットのフィード中の、及び/又は、ナノ濾過ユニットの透過液中の3−メチルブタン酸の濃度をもモニタリングする工程
を含む本発明による方法に関する上述の実施態様が当てはまる。
本発明はさらに、特に上記の本発明による方法の好ましい変法のうちの一つによる方法によって、イソブテン含有炭化水素流の工業的ヒドロホルミル化により生成物混合物を製造するための、及び、得られた生成物混合物を分離するための、特にその好ましい実施態様における本発明による装置の使用を含む。本発明のさらなる好ましい実施態様は、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明を以下に実施例及び図につき詳説するが、これらは特許請求の範囲を制限するものではない。
図1は、本発明による方法により、イソブテン含有炭化水素流の工業的ヒドロホルミル化により生成物混合物を製造するための、及び、得られた生成物混合物を分離するための、装置を示す。
図2は、ナノ濾過のフィード、ナノ濾過の濃縮液、及びナノ濾過の透過液中の3MBS濃度のグラフを示す。
図3は、ナノ濾過の3MBS阻止率のグラフを示す。
本発明による方法により、イソブテン含有炭化水素流の工業的ヒドロホルミル化により生成物混合物を製造するための、及び、得られた生成物混合物を分離するための装置を示す図。 ナノ濾過のフィード、ナノ濾過の濃縮液、及びナノ濾過の透過液中の3MBS濃度のグラフを示す図。 ナノ濾過の3MBS阻止率のグラフを示す図。
イソブテン含有炭化水素流1の工業的ヒドロホルミル化により生成物混合物2を製造するため、及び、得られた生成物混合物2を分離するために、図1に示した、気泡塔の形のヒドロホルミル化反応器R、ナノ濾過ユニットM、及び蒸留ユニットDを含む装置を使用する。この装置では試料採取装置Pが設置されており、この試料採取装置Pにより、反応器Rを去る生成物流2、並びにナノ濾過ユニットMの濃縮液3及び透過液4から、所定の間隔での試料採取が可能である
ナノ濾過ユニットMは、スパイラル型モジュールの形の膜モジュールを含んでいる。このナノ濾過膜はW. R. Grace & Co社製STARMEM 122型の膜であり、かつポリイミドP84を含んでいる。
ヒドロホルミル化反応器Rに、イソブテンと合成ガスとを含む炭化水素流1を供給する。反応器R中で、イソブテンから3−メチルブタナールへのヒドロホルミル化を、0.2〜8.0MPaの範囲内の圧力で、かつ70〜130℃の範囲内の温度で、1〜4hの範囲内の平均滞留時間で、1:3〜3:1の合成ガス組成(CO:H2)で、20〜100ppmの範囲内のロジウム濃度で、かつ1:4〜1:50の範囲内のロジウム対配位子の比で実施する。
生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物2中での3−メチルブタン酸の濃度は0.01〜0.04質量%の範囲内であり、次いでこの生成物混合物2を、ナノ濾過ユニットM中で、30〜35℃の範囲内の温度で、3.1〜3.8MPaの範囲内の膜間差圧で、かつ0.9〜1.2MPaの範囲内の一酸化炭素分圧で分離する。このナノ濾過ユニットMは、ナノ濾過膜を流過する際にレイノルズ数が170〜900となるように設計されている。
ナノ濾過ユニットMから、生成される濃縮液3と生成される透過液4とを取り出す。膜に供給した生成物混合物2 −これはフィードとも称される− と透過液4との比が0.82となるように設定する。遷移金属錯体触媒が富化されている濃縮液流3を反応器Rへ返送する。
反応器Rを去る生成物混合物2、濃縮液3、及び透過液4から、規則的な間隔で試料採取装置Pを用いて試料採取し、それによりそれぞれの物質流中の3−メチルブタン酸の濃度を測定する。
主要なヒドロホルミル化生成物である3−メチルブタナール、並びに3−メチルブタン酸が富化されている、生成されるナノ濾過ユニットMの透過液4を、蒸留装置Dの形の熱分離ユニット中での蒸留によって、第1の留分5と第2の留分6とに分離する。塔頂生成物として得られる第1の留分5中では、3−メチルブタナール濃度は第2の留分中よりも高く、かつ、3−メチルブタン酸及び高沸点物質の濃度は第2の留分中よりも低い。
図2は、500時間にわたる、ナノ濾過Mのフィード、ナノ濾過Mの濃縮液、及びナノ濾過Mの透過液中の3MBS濃度を示す。図3は、ナノ濾過工程における3−MBSに対する、使用したStarmem122膜の明らかに負の阻止率を示す。阻止率は、1−(透過液での濃度)/(濃縮液での濃度)として定義される。
1 炭化水素流、 2 生成物混合物、 3 生成される濃縮液、 4 生成される透過液、 5 第1の留分、 6 第2の留分、 D 熱分離ユニット、 R ヒドロホルミル化反応器、 M ナノ濾過ユニット、 P 試料採取装置

Claims (19)

  1. イソブテン含有炭化水素流(1)の工業的ヒドロホルミル化により生成物混合物(2)を製造するための、及び、得られた生成物混合物(2)を分離するための方法において、以下の工程:
    a)イソブテン含有炭化水素流(1)をヒドロホルミル化反応器(R)中で遷移金属錯体触媒の存在下にヒドロホルミル化して生成物混合物(2)を取得する工程であって、この生成物混合物(2)が、少なくとも3−メチルブタナールと、高沸点物質及び3−メチルブタン酸の形の後続生成物と、遷移金属錯体触媒及びその遊離配位子とを含んでいるものとする工程、
    b)生成物混合物(2)を1つ以上の膜分離ステップを含むナノ濾過ユニット(M)を用いて分離する工程であって、この分離によって、生成されるナノ濾過ユニット(M)の濃縮液(3)中で遷移金属錯体触媒及びその遊離配位子が3−メチルブタナール及び3−メチルブタン酸よりも富化されており、かつ、生成されるナノ濾過ユニット(M)の透過液(4)中で3−メチルブタナール及び3−メチルブタン酸がそれぞれ遷移金属錯体触媒よりも富化されており、その際、生成される濃縮液(3)中で3−メチルブタン酸の濃度が透過液(4)中よりも低いものとする工程、
    c)生成されるナノ濾過ユニット(M)の透過液(4)を、1以上の理論段数を有する熱分離ユニット(D)を用いて少なくとも第1の留分(5)と第2の留分(6)とに分離する工程であって、その際、第1の留分(5)は、第2の留分(6)よりも高濃度の3−メチルブタナールと、第2の留分(6)よりも低濃度の高沸点物質及び3−メチルブタン酸の形の後続生成物とを含有しているものとする工程、
    d)生成されるナノ濾過ユニット(M)の濃縮液(3)の少なくとも部分流をヒドロホルミル化反応器(R)に返送する工程
    を含むことを特徴とする方法。
  2. イソブテン含有炭化水素流のヒドロホルミル化工程において、高沸点物質及び3−メチルブタン酸の形の後続生成物の全濃度が全生成物混合物に対して質量により30質量%以下となるように1つ以上の方法パラメータを設定し、その際、この設定すべき1つ以上のパラメータが、好ましくは、圧力、温度、平均滞留時間、合成ガスの組成、遷移金属の濃度、及び遷移金属錯体触媒の遷移金属対配位子の比からなる群から選択されている、請求項1に記載の方法。
  3. イソブテン含有炭化水素流のヒドロホルミル化工程を、
    − 0.2〜8MPaの範囲内の圧力で、
    かつ/又は、
    − 70〜130℃の範囲内の温度で、
    かつ/又は、
    − 1〜4hの範囲内の平均滞留時間で、
    かつ/又は、
    − 1:3〜3:1の合成ガス組成CO:H2で、
    かつ/又は、
    − 10〜100ppmの範囲内の遷移金属濃度で、
    かつ/又は、
    − 1:4〜1:50の範囲内の遷移金属対配位子の比で
    実施する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. − 遷移金属錯体触媒の遷移金属がロジウムであり、
    かつ/又は、
    − 遷移金属錯体触媒の1つ以上の配位子が有機リン配位子の群から選択されている、
    請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. ロジウム及びコバルトからなる群から選択された遷移金属錯体触媒を使用する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. ナノ濾過ユニット中で1つ以上のナノ濾過膜を使用し、その際、このナノ濾過膜のうちの少なくとも1つが、3−メチルブタン酸に対して−1以下、特に好ましくは−5以下、特に−10以下の阻止率を有している、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. ナノ濾過ユニット中で、1種以上のイミド基含有ポリマーを含むか又はこの1種以上のイミド基含有ポリマーからなる1つ以上のナノ濾過膜を使用し、その際、この1種以上のイミド基含有ポリマーは、3−メチルブタン酸に対するナノ濾過膜の阻止率が−1以下、特に好ましくは−5以下、特に−10以下となるように選択されている、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. ナノ濾過ユニット中で1つ以上のナノ濾過膜を使用し、その際、このナノ濾過膜のうちの少なくとも1つが、150〜2000g/mol、好ましくは200〜600g/mol、極めて特に好ましくは350〜500g/molの範囲内の分画分子量を有している、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. ナノ濾過ユニット中で、1種以上のイミド基含有ポリマーを含むか又はこの1種以上のイミド基含有ポリマーからなる1つ以上のナノ濾過膜を使用し、その際、この1種以上のイミド基含有ポリマーは、ナノ濾過膜の分画分子量が150〜2000g/molの範囲内となるように選択されている、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. イソブテン含有炭化水素流のヒドロホルミル化により得られた生成物混合物のナノ濾過ユニット中での分離工程を、
    − 10〜150℃の範囲内の温度で、
    かつ/又は、
    − 0.5〜6MPaの範囲内の膜間差圧で、
    かつ/又は、
    − 55〜13500、好ましくは100〜3500、極めて特に好ましくは170〜900のレイノルズ数で、
    かつ/又は、
    − 一酸化炭素及び/又は水素の存在下に、好ましくは各膜分離ステップのフィード中、濃縮液中、及び透過液中で少なくとも200kPaの一酸化炭素分圧で
    実施する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 熱分離工程が蒸留を含んでおり、その際、第1の留分を塔頂生成物として取得し、かつ第2の留分を塔底生成物として取得する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 以下の工程:
    − イソブテン含有炭化水素流を、1つ以上の有機リン配位子を有するロジウム錯体触媒の存在下に、0.2〜8MPaの範囲内の圧力でかつ70〜130℃の範囲内の温度で、1〜4hの範囲内の平均滞留時間で、1:3〜3:1の合成ガス組成CO:H2で、10〜100ppmの範囲内の反応器中でのロジウム濃度で、かつ1:4〜1:50の範囲内のロジウム対配位子の比でヒドロホルミル化する工程、
    − 生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物を、ナノ濾過ユニットを用いて、10〜150℃の範囲内の温度で、0.5〜6MPaの範囲内の膜間差圧で、170〜900のレイノルズ数で、かつ各膜分離ステップのフィード中、濃縮液中、及び透過液中で0.2MPaを上回る一酸化炭素分圧で分離する工程、
    − 生成されるナノ濾過ユニットの透過液を蒸留により第1の留分と第2の留分とに熱分離する工程であって、その際、第1の留分は、第2の留分よりも高濃度の3−メチルブタナールと、第2の留分よりも低濃度の高沸点物質とを含有しているものとする工程、
    − 生成されるナノ濾過ユニットの濃縮液の少なくとも部分流をヒドロホルミル化反応器に返送する工程
    を含む、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 以下の工程:
    − 生成されるナノ濾過ユニットの濃縮液中の3−メチルブタン酸の濃度をモニタリングし、さらに、好ましくは、生成物混合物中の3−メチルブタン酸の濃度、及び/又は、生成されるナノ濾過ユニットの透過液中の3−メチルブタン酸の濃度をもモニタリングする工程
    を含む、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
  14. 生成されるナノ濾過ユニットの濃縮液中の3−メチルブタン酸の濃度が所定の最高値を超えた場合に、生成される濃縮液のヒドロホルミル化反応器への返送を中断する、請求項13に記載の方法。
  15. ナノ濾過ユニットのフィード中の3−メチルブタン酸の濃度が所定の最高値を超えた場合に、ナノ濾過ユニットのフィード中の3−メチルブタン酸の濃度が低下してこの所定の最高値を下回るように、ヒドロホルミル化反応器中のイソブテン含有炭化水素流のヒドロホルミル化工程の1つ以上の方法パラメータを修正する、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法を実施するための装置(1)において、以下のもの:
    − イソブテン含有炭化水素流(1)を遷移金属錯体触媒の存在下にヒドロホルミル化するためのヒドロホルミル化反応器(R)、
    − ヒドロホルミル化反応器(R)中で形成された生成物混合物(2)を分離するための1つ以上の膜分離ステップを含むナノ濾過ユニット(M)であって、この分離によって、生成されるナノ濾過ユニット(M)の濃縮液(3)中の3−メチルブタン酸の濃度が生成されるナノ濾過ユニット(M)の透過液(4)中の3−メチルブタン酸の濃度よりも低くなるように、生成されるナノ濾過ユニット(M)の濃縮液(3)中で遷移金属錯体触媒及びその遊離配位子を3−メチルブタナール及び3−メチルブタン酸よりも富化し、かつ生成されるナノ濾過ユニット(M)の透過液中で3−メチルブタナール及び3−メチルブタン酸を遷移金属錯体触媒よりも富化するナノ濾過ユニット(M)であって、その際、このナノ濾過ユニット(M)は1つ以上のナノ濾過膜を含んでおり、このナノ濾過膜のうちの少なくとも1つが、3−メチルブタン酸に対して−1以下、特に好ましくは−5以下、特に−10以下の阻止率を有しているものとするナノ濾過ユニット(M)、
    − 生成されるナノ濾過ユニット(M)の透過液(4)を第1の留分(5)と第2の留分(6)とに熱分離するための少なくとも1つの熱分離ユニット(D)であって、その際、第1の留分(5)は、第2の留分(6)よりも高濃度の3−メチルブタナールと、第2の留分(6)よりも低濃度の高沸点物質及び3−メチルブタン酸の形の後続生成物とを含有しているものとする、熱分離ユニット(D)、
    − 生成されるナノ濾過ユニット(M)の濃縮液(3)の少なくとも部分流をヒドロホルミル化反応器(R)に返送するための手段
    を含むことを特徴とする装置。
  17. さらに以下のもの:
    − ナノ濾過ユニット(M)の濃縮液(3)中の3−メチルブタン酸の濃度を測定するための装置(P)、好ましくはさらに、生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物(2)中の3−メチルブタン酸の濃度、及び/又は、ナノ濾過ユニット(M)のフィード中の3−メチルブタン酸の濃度を測定するための装置(P)、及び/又は、ナノ濾過ユニット(M)の透過液(4)中の3−メチルブタン酸の濃度を測定するための装置(P)、
    又は、
    − ナノ濾過ユニット(M)の濃縮液(3)から試料を採取するための装置(P)、好ましくはさらに、生成されるヒドロホルミル化の生成物混合物(2)から、及び/又は、ナノ濾過ユニット(M)のフィードから試料を採取するための装置(P)、及び/又は、ナノ濾過ユニット(M)の透過液(4)から試料を採取するための装置(P)
    を含む、請求項16に記載の装置。
  18. ナノ濾過ユニット(M)が1つ以上のナノ濾過膜を含んでおり、このナノ濾過膜のうちの少なくとも1つが、150〜2000g/mol、好ましくは200〜600g/mol、極めて特に好ましくは350〜500g/molの範囲内の分画分子量を有している、請求項16又は17に記載の装置。
  19. イソブテン含有炭化水素流(1)の工業的ヒドロホルミル化により生成物混合物(2)を製造するための、及び、得られた生成物混合物(2)を分離するための、請求項16から18までのいずれか1項に記載の装置の使用。
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