JP2015508423A - ジエンエラストマーと熱可塑性エラストマーとの混合物を含む外部側壁を備えたタイヤ - Google Patents

ジエンエラストマーと熱可塑性エラストマーとの混合物を含む外部側壁を備えたタイヤ Download PDF

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Abstract

本発明は、改良された気密性を有する外部側壁を備えたタイヤに関し、上記外部側壁が、少なくとも、1〜99phr(エラストマー100質量部当りの質量部)の総含有量の1種以上のジエンエラストマー;1〜99phrの総含有量の、ポリイソブチレンブロックを含む1種以上の熱可塑性エラストマー;任意構成成分としての0〜120phrの含有量の補強用充填剤および架橋系を含む少なくとも1種のゴム組成物を含むことを特徴とする。

Description

本発明は、タイヤに、さらに詳細には、タイヤ外部側壁、即ち、定義によれば、タイヤの半径方向外側に位置し、外気と接触するエラストマー層に関する。
このことは、タイヤにおいて、下記の3タイプの領域を定義することが可能であることによる:
・外気と接触する半径方向外部領域;この領域は、トレッドおよびタイヤの外部側壁から本質的になる。外部側壁は、タイヤの内部空洞に対してカーカス補強材の外側で、クラウンとビードの間に位置して、クラウンからビードに及ぶカーカス補強材領域を完全にまたは部分的に覆っているエラストマー層である。
・膨張ガスと接触する半径方向内部領域;この領域は、一般に、膨張ガスに対して気密性の層からなり、内部ライナーとしても知られている。
・タイヤの内部領域、即ち、上記外部領域と内部領域との間の領域。この領域は、本明細書においては、タイヤ内部層と称する層またはプライを含む。これらは、例えば、カーカスプライ、トレッド下地層、タイヤベルトプライ或いは外気またはタイヤの膨張ガスと接触しない任意の他の層である。
“チューブレス”タイプの通常のタイヤにおいては、その半径方向内面は、気密層(または、より一般的には、あらゆる膨張ガスに対して気密性である層)を含み、この気密層は、タイヤを膨張させ、加圧下に保つことを可能にする。その気密特性は、比較的低い圧力損失レベルを担保することを可能にし、通常の操作状態に膨張させたタイヤを十分な時間、通常数週間または数ヶ月間保つことを可能にしている。この層のもう1つの役割は、カーカス補強材およびより一般的にはタイヤの残余をタイヤ内部の空間から発する空気の拡散による酸化のリスクから保護することである。この層は、“気密層”としてしられており、この層は、タイヤの内壁全体を覆い、一方の側壁から他方の側壁に、タイヤが装着位置にあるときの少なくともリムフランジのレベル範囲まで延びている。上記層は、上記タイヤの半径方向内面を構成し、上記層がタイヤの他の層に対して気密性であると説明し得るような気密性係数を有する。通常、この気密層は、外部側壁よりも、少なくとも3倍低い透過性、即ち、少なくとも3倍高い不透過性である。
本出願法人の文献WO 2008/145277号は、膨張ガスに対して気密性である層を備えた空気式物品を提供しており、上記気密層は、ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する少なくとも1種の共重合熱可塑性エラストマーと、ポリブテンオイルとを含むエラストマー組成物を含む。
そのように、気密層または気密内部ライナーのこの役割は、現在、その優れた気密特性について極めて長い間認識されているブチルゴム(イソブチレンとイソプレンとのコポリマー)をベースとするか、或いはポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する共重合熱可塑性エラストマーをベースとする組成物によって満たされている。
タイヤの性能は、規定の膨張圧において最適であることが知られている。この膨張圧は、使用者等が定期的な点検して、使用者等がそれらタイヤから最良の性能を得るのを可能にしなければならない。従って、タイヤの気密性全体をさらに改良して、タイヤ性能の経時的な安定性を改良し、使用者等をそれらタイヤの膨張圧の定期的点検の必要性から解放することが望ましい。
本出願法人が開示し、改良された気密性を示すタイヤを得ることを可能にする解決策は、改良された気密性を有すると共に他方ではタイヤの通常の性質の予側レベルを維持する新規な外部側壁組成物を使用することからなる。
多くの文献(これら文献のうちでは、文献EP 1 462 479 B1号、EP 1 975 200 A1号、EP 1 033 265 B1号、EP 1 357 149 A2号、EP 1 231 080 A1号およびUS 4,824,900号を挙げることができる)によって説明されているように、側壁において通常使用される組成物は、天然ゴムおよびポリブタジエンのような合成ゴムおよびカーボンブラックをベースとする。
従って、今回提案した本発明の主題は、改良された気密性を有する外部側壁を備えたタイヤであって、上記外部側壁は、少なくとも、1〜99phr(エラストマー100質量部当りの質量部)の総含有量の1種以上のジエンエラストマー;1〜99phrの総含有量の、ポリイソブチレンブロックを含む1種以上の熱可塑性エラストマー;任意構成成分としての0〜120phrの含有量の補強用充填剤および架橋系を含む少なくとも1種のゴム組成物を含むことを特徴とする。
このことは、驚くべきことに、この外部側壁が、通常の外部側壁組成物と比較して、より良好な気密性を有すると共にこの外部側壁の他の特性を保持することによる。
また、好ましくは、本発明は、ポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーの上記含有量が1〜80phr、好ましくは1〜60phrである上記で定義したようなタイヤにも関する。
選択的には、本発明は、ポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーの上記含有量が5〜60phr、好ましくは5〜50phrである上記で定義したようなタイヤに関する。
また、選択的には、本発明は、ポリイソブチレンブロックを有する上記熱可塑性エラストマーが、上記ポリイソブチレンブロックの末端のうちの少なくとも1つの末端において、60℃以上のガラス転移温度を有する熱可塑性ブロックを含む、上記で定義したようなタイヤに関する。
さらに選択的には、本発明は、ポリイソブチレンブロックを有する上記熱可塑性エラストマーの上記熱可塑性ブロックが、スチレン、メチルスチレン、パラ‐(tert‐ブチル)スチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン、パラ‐ヒドロキシスチレンおよびこれらモノマーの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合モノマーからなる上記で定義したようなタイヤに関する。
また、さらに選択的に、本発明は、ポリイソブチレンブロックを有する上記熱可塑性エラストマーが、スチレン/イソブチレンジブロックコポリマー(“SIB”)およびスチレン/イソブチレン/スチレントリブロックコポリマー(“SIBS”)およびこれらコポリマーの混合物からなる群から選ばれる上記で定義したようなタイヤに関する。
選択的には、本発明は、ポリイソブチレンブロックを有する上記熱可塑性エラストマーがスチレン/イソブチレン/スチレントリブロックコポリマー(“SIBS”)である上記で定義したようなタイヤに関する。
また、選択的には、本発明は、ポリイソブチレンブロックを含む上記熱可塑性エラストマーの上記熱可塑性ブロックが、エチレン;プロピレン;エチレンオキシド;塩化ビニル;アセナフチレン;インデン;2‐メチルインデン;3‐メチルインデン;4‐メチルインデン;ジメチルインデン;2‐フェニルインデン;3‐フェニルインデン;4‐フェニルインデン;イソプレン;アクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸およびメタクリル酸の各エステル;アクリルアミド誘導体;メタクリルアミド誘導体;アクリロニトリル誘導体;メタクリロニトリル誘導体;メチルメタクリレート、セルロース誘導体およびこれら化合物の混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合モノマーからなる、上記で定義したようなタイヤに関する。
さらに選択的には、本発明は、上記1種以上のジエンエラストマーが、本質的に不飽和ジエンエラストマーおよびこれらエラストマーの混合物からなる群から選ばれる上記で定義したようなタイヤに関する。選択的には、上記1種以上のジエンエラストマーは、4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーを重合させることによって得られるホモポリマー、共役型である1種以上のジエンをもう1種のジエンまたは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物と共重合させることによって得られるコポリマー、およびこれら混合物からなる群から選ばれる。さらにより選択的には、上記1種以上のジエンエラストマーは、ポリブタジエン;合成ポリイソプレン;天然ゴム;ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー(ブタジエン/スチレンコポリマー、イソプレン/ブタジエンコポリマー、イソプレン/スチレンコポリマーおよびイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマーのような);およびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる。
好ましくは、本発明は、補強用充填剤の上記含有量が0〜90phr、好ましくは5〜80phrである上記で定義したようなタイヤに関する。
また、好ましくは、本発明は、補強用充填剤の上記含有量が0〜70phr、好ましくは5〜70phrである上記で定義したようなタイヤに関する。
また、好ましくは、本発明は、上記補強用充填剤がカーボンブラックおよび/またはシリカである上記で定義したようなタイヤに関する。選択的には、主要補強用充填剤はカーボンブラックである。
選択的には、本発明は、ジエンエラストマーの上記含有量が60〜90phrであり、ポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーの上記含有量が10〜40phrである上記で定義したようなタイヤに関する。
また、選択的には、本発明は、上記外部側壁のゴム組成物が、ポリイソブチレンエラストマーを含まないか、或いは15phr未満、好ましくは10phr未満、さらに選択的は5phr未満のポリイソブチレンエラストマーを含む上記で定義したようなタイヤに関する。
本発明は、さらに詳細には、乗用車タイプの自動車;SUV (“スポーツ用多目的車”);二輪車(特にオートバイ);航空機;または、バン類、“重量物運搬”車両(即ち、地下鉄、バス、重量道路輸送車両(トラック、トラクター、トレーラー)、または重量農業用車両もしくは土木工事装置のような道路外車両)、および他の輸送または操作用車両から選ばれる産業用車両に装着することを意図するタイヤに関する。
本発明およびその利点は、以下の説明および実施例さらにまた、本発明に従うタイヤを半径断面において略図的に示しているこれらの実施例に関連する一葉の図面に照らして容易に理解し得るであろう。
本発明に従うタイヤを、半径断面において略図的に示す。
I. 本発明の詳細な説明
本説明においては、他で明確に断らない限り、示す百分率(%)は、全て質量%である。
さらにまた、用語“phr”は、本特許出願の意義の範囲内において、熱可塑性エラストマーまたは非熱可塑性エラストマーいずれかのエラストマーの100質量部当りの質量部を意味する。
さらにまた、“aとbの間”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aよりも大きくからbよりも小さいまでに及ぶ値の範囲を示し(即ち、限界値aとbを除く)、一方、“a〜b”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aからbまでに及ぶ値の範囲を意味する(即ち、厳格な限定値aおよびbを含む)。
I‐1. 外部側壁エラストマー組成物
本発明に従う空気式物品は、外部側壁を備え、この外部側壁が、少なくとも、1〜99phr (エラストマーの100質量部当りの質量部)の総含有量の1種以上のジエンエラストマー;1〜99phrの総含有量の、ポリイソブチレンブロックを含む1種以上の熱可塑性エラストマー;任意構成成分としての0〜120phrの含有量の補強用樹脂および架橋系を含む少なくとも1種のゴム組成物を含むという本質的な特徴を有する。
I‐1‐A. 本質的に不飽和のジエンエラストマー
通常とおりに、用語“エラストマー”および“ゴム”は、互換的であって、本明細書においては区別することなく使用する。
“ジエン”エラストマーまたはゴムは、知られている通り、ジエンモノマー(2個の共役型または非共役型の炭素‐炭素二重結合を担持するモノマー)に少なくとも一部由来する1種以上のエラストマー(即ち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味するものと理解すべきである。
これらのジエンエラストマーは、2つのカテゴリー、即ち、“本質的に不飽和”または“本質的に飽和”に分類し得る。
“本質的に不飽和”は、一般に、15%(モル%)よりも多いジエン由来(共役ジエン)の単位含有量を有する、共役ジエンモノマーに少なくとも一部由来するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。“本質的に不飽和”のジエンエラストマーのカテゴリーにおいては、“高不飽和”ジエンエラストマーは、特に、50%よりも多いジエン由来(共役ジエン)の単位含有量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
従って、ある種のブチルゴムまたはEPDMタイプのジエンとα‐オレフィンとのコポリマーのようなジエンエラストマーは、“本質的に飽和”のジエンエラストマーとして説明し得る(常に15%未満の、低いまたは極めて低いジエン由来単位含有量)。
これらの定義を考慮すると、本発明に従う外部側壁において使用することのできる本質的に不飽和のジエンエラストマーは、さらに詳細には、下記を意味するものと理解されたい:
(a) 4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーを重合させることによって得られる任意のホモポリマー;
(b) 1種以上の共役型ジエンをもう1種のジエンまたは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物と共重合させることによって得られる任意のコポリマー;
(c) エチレンおよび3〜6個の炭素原子を有するα‐オレフィンを、6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエンモノマーと共重合させることによって得られる3成分コポリマー、例えば、上記タイプの非共役ジエンモノマー、特に、例えば、1,4‐ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエンと一緒のエチレン、プロピレンから得られるエラストマーのような。
本発明は、任意のタイプの本質的に不飽和のジエンエラストマーに当てはまるけれども、タイヤ分野における熟練者であれば、タイヤ外部層として使用するに当っては、本発明は、好ましくは、特に上記のタイプ(a)または(b)のエラストマーでもって実施するものであることを理解されたい。
以下は、共役ジエンとして特に適している:1,3‐ブタジエン;2‐メチル‐1,3‐ブタジエン;例えば、2,3‐ジメチル‐1,3-ブタジエン、2,3‐ジエチル‐1,3‐ブタジエン、2‐メチル‐3‐エチル‐1,3‐ブタジエンまたは2‐メチル‐3‐イソプロピル‐1,3‐ブタジエンのような2,3‐ジ(C1〜C5アルキル)‐1,3‐ブタジエン;アリール‐1,3‐ブタジエン、1,3‐ペンタジエンまたは2,4‐ヘキサジエン。以下は、例えば、ビニル芳香族化合物として適している:スチレン;オルソ‐、メタ‐およびパラ‐メチルスチレン;“ビニル‐トルエン”市販混合物;パラ‐(tert‐ブチル)スチレン;メトキシスチレン;クロロスチレン;ビニルメシチレン;ジビニルベンゼンまたはビニルナフタレン。
上記コポリマーは、99質量%と20質量%の間のジエン単位と1質量%と80質量%の間のビニル芳香族単位を含み得る。上記エラストマーは、使用する重合条件、特に、変性剤および/またはランダム化剤の存在または不存在並びに使用する変性剤および/またはランダム化剤の量に依存する任意のミクロ構造を有し得る。上記エラストマーは、例えば、分散液中または溶液中で調製し得る;これらのエラストマーは、カップリング剤および/または星型枝分れ化剤或いは官能化剤によってカップリングおよび/または星型枝分れ化或いは官能化し得る。カーボンブラックにカップリングさせるには、例えば、C‐Sn結合を含む官能基、または、例えば、ベンゾフェノンのようなアミノ化官能基を挙げることができる;シリカのような補強用無機充填剤にカップリングさせるには、例えば、シラノール官能基またはシラノール末端を有するポリシロキサン官能基(例えば、FR 2 740 778号またはUS 6 013 718号に記載されているような)、アルコキシシラン基(例えば、FR 2 765 882号またはUS 5 977 238号に記載されているような)、カルボキシル基(例えば、WO 01/92402号またはUS 6 815 473号、WO 2004/096865号またはUS 2006/0089445号に記載されているような)、或いはポリエーテル基(例えば、EP 1 127 909号またはUS 6 503 973号に記載されているような)を挙げることができる。また、官能化エラストマーの他の例としては、エポキシ化タイプのエラストマー(SBR、BR、NRまたはIRのような)も挙げることができる。
以下が適している:ポリブタジエン、特に、4%と80%の間の1,2‐単位含有量(モル%)を有するポリブジエンまたは80%よりも多いシス‐1,4‐単位含有量(モル%)を有するポリブタジエン;ポリイソプレン;ブタジエン/スチレンコポリマー、特に、0℃と−70℃の間、特に−10℃と−60℃の間のガラス転移温度Tg (ASTM D3418に従い測定)、5質量%と60質量%の間、特に20質量%と50質量%の間のスチレン含有量、4%と75%の間のブタジエン成分1,2‐結合含有量(モル%)および10%と80%の間のトランス‐1,4‐結合含有量(モル%)を有するコポリマー;ブタジエン/イソプレンコポリマー、特に、5質量%と90質量%の間のイソプレン含有量および−40℃〜−80℃のTgを有するコポリマー;または、イソプレン/スチレンコポリマー、特に、5質量%と50質量%の間のスチレン含有量および−25℃と−50℃の間のTgを有するコポリマー。ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーの場合は、5質量%と50質量%の間、特に10質量%と40質量%の間のスチレン含有量、15質量%と60質量%の間、特に20質量%と50質量%の間のイソプレン含有量、5質量%と50質量%の間、特に20質量%と40質量%の間のブタジエン含有量、4%と85%の間のブタジエン成分1,2‐単位含有量(モル%)、6%と80%の間のブタジエン成分トランス‐1,4‐単位含有量(モル%)、5%と70%の間のイソプレン成分1,2‐プラス3,4‐単位含有量(モル%)および10%と50%の間のイソプレン成分トランス‐1,4‐単位含有量(モル%)を有するコポリマー、さらに一般的には、−20℃と−70℃の間のTgを有する任意のブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーが、特に適している。
最後に、“イソプレンエラストマー”は、知られている通り、イソプレンホモポリマーまたはコポリマー、換言すれば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、各種イソプレンコポリマー類およびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれるジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。イソプレンコポリマーのうちでは、特に、イソブテン/イソプレン(IIR)、イソプレン/スチレン(SIR)、イソプレン/ブタジエン(BIR)またはイソプレン/ブタジエン/スチレン(SBIR)の各コポリマーを挙げることができる。このイソプレンエラストマーは、好ましくは、天然ゴムまたは合成シス‐1,4‐ポリイソプレンである;これらの合成ポリイソプレンのうちでは、好ましくは、90%よりも多い、さらに好ましくは98%よりも多いシス‐1,4‐結合含有量(モル%)を有するポリイソプレンを使用する。
本発明の好ましい実施態様によれば、本発明に従う組成物の主要エラストマーは、ポリブタジエン(“BR”と略記する)、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー、ブタジエン/スチレンコポリマー (SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー (BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー (SIR)およびイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー (SBIR)、並びにこれらのエラストマーの混合物からなる本質的に不飽和のジエンエラストマーの群から選ばれる。
本発明の必要条件において使用するタイヤ外部側壁中のジエンエラストマーの含有量は、1〜99phrである。好ましくは、この含有量は、20〜99phr、より好ましくは40〜99phr、より好ましくは40〜95phrである。さら好ましくは、この含有量は、50〜95phr、特に50phrよりも多くから95phrまで、さらにより好ましくは60〜90phrである。
好ましくは、本発明のタイヤの外部側壁の組成物においては、上記ジエンエラストマーは、有意量のポリイソブチレンエラストマーとは混合させない。用語“ポリイソブチレンエラストマー”とは、ポリイソブチレン、或いはブチルタイプのゴムのような80質量%よりも多いポリイソブチレン (ポリイソブチレンは必要に応じてハロゲン化する)を含むランダムコポリマーを意味するものと理解されたい。従って、好ましくは、本発明のタイヤの外部側壁組成物は、ポリイソブチレンエラストマーを含まないか、或いは15phr未満、好ましくは10phr未満、より好ましくは5phr未満のポリイソブチレンを含み、この組成物の凝集特性を阻害しないようにする。
I‐1‐B. ポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマー
熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリマーとエラストマーの間の中間の構造を有する。これらの熱可塑性エラストマーは、可撓性のエラストマー配列、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(エチレン/ブチレン)またはポリイソブチレンによって連結された硬質熱可塑性配列からなる。これらの熱可塑性エラストマーは、多くの場合、1つの可撓性セグメントによって連結された2つの硬質セグメントを有するトリブロックエラストマーである。上記硬質セグメントおよび可撓性セグメントは、直線状に、或いは星型または枝分れ形状に位置付けし得る。典型的には、これらのセグメントまたはブロックの各々は、少なくとも5個よりも多い、一般的には10個よりも多い基本単位(例えば、スチレン/イソプレン/スチレンブロックコポリマーの場合のスチレン単位とイソプレン単位)を含有する。
好ましくは、本発明の1つの主題に従うポリイソブチレンブロックを含む上記熱可塑性エラストマー (以下、“TPEI”と略記する)は、ポリイソブチレンブロックの末端のうちの少なくとも1末端において、ガラス転移温度が60°C以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは130℃以上である熱可塑性ブロックを含む。これらエラストマー上のそのような熱可塑性ブロックの例としては、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリ(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン) (ABS)またはセルロースポリマー (ニトロセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース等)を挙げることができる。
ポリイソブチレンブロックを含む上記熱可塑性エラストマーの数平均分子量(Mnで示す)は、好ましくは30000g/モルと500000g/モルの間、より好ましくは40000g/モルと400000g/モルの間である。上記の最低値よりも低いと、 “高温条件下”での性能低下の結果によって、機械的性質、特に、破断点特性に影響を及ぼす操作温度の上昇のリスクを伴う。さらにまた、過度に高い分子量Mnは、外部側壁の可撓性に対して有害であり得る。従って、50000〜300000g/モルの範囲内の値が、特にポリイソブチレンブロックを含む上記熱可塑性エラストマー即ちTPEIのタイヤ組成物における使用にとって、特に良好に適していたことが判明している。
上記TPEIの数平均分子量(Mn)は、立体排除クロマトグラフィー(SEC)により、既知の方法で測定する。サンプルを、テトラヒドロフラン中に、約1g/lの濃度で前以って溶解し、その後、溶液を、注入前に、0.45μmの有孔度を有するフィルター上で濾過する。使用する装置は、Waters allianceクロマトグラフ系である。溶出溶媒はテトラヒドロフランであり、流量は0.7ml/分であり、系の温度は35℃であり、分析時間は90分である。商品名Styragel (HMW7、HMW6Eおよび2本のHT6E)を有する直列の4本のWatersカラムセットを使用する。ポリマーサンプル溶液の注入容量は、100μlである。検出器はWaters 2410示差屈折計であり、クロマトグラフデータを使用するその関連ソフトウェアはWaters Millenniumシステムである。算出した平均モル質量を、ポリスチレン標準によって描いた較正曲線と対比する。
上記TPEIの多分散性指数PI (注:PI = Mw/Mn、Mwは質量平均分子量である)は、好ましくは3よりも低い;より好ましくは、PIは、2よりも低く、さらにより好ましくは1.5よりも低い。
上記TPEIのポリイソブチレンブロックは、主として、重合イソブチレンモノマーからなる。主としてとは、“ポリイソブチレン”ブロックの総質量に対するモノマーの質量による含有量であって、最高で且つ好ましくは50%よりも多い、より好ましくは75%よりも多い、例えば、85%よりも多い質量による含有量を意味するものと理解されたい。好ましくは、上記TPEIコポリマーのポリイソブチレンブロックは、25000g/モル〜350000g/モル、好ましくは35000g/モル〜250000g/モルの範囲にある数平均分子量(Mn)を示して、上記熱可塑性エラストマーに、良好な弾力特性と十分で且つタイヤの外部側壁用途と適合し得る機械的強度を付与するようにする。
好ましくは、上記ブロックコポリマーのポリイソブチレンブロックは、さらに、−20℃以下、より好ましくは−40℃よりも低いガラス転移温度(“Tg”、ASTM D3418に従って測定)を示す。これらの最低値よりも高いTg値は、極めて低温での使用中の上記外部側壁の性能を低下させ得る;そのような使用においては、上記ブロックコポリマーのポリイソブチレンブロックのTgは、さらにより好ましくは−50℃よりも低い。
また、上記TPEIのポリイソブチレンブロックは、有利には、上記ポリイソブチレンブロックの質量に対して好ましくは16質量%までの範囲の含有量の、ポリマー鎖中に挿入した1種以上の共役ジエンに由来する単位を含む。16%よりも高いと、ポリイソブチレンを含む熱可塑性エラストマーを含みタイヤにおいて使用する外部側壁の熱酸化およびオゾンによる酸化に対する耐性の低下が観察され得る。
イソブチレンと共重合させて上記ポリイソブチレンブロックを形成させ得る上記共役ジエンは、C4〜C14共役ジエン類である。好ましくは、これらの共役ジエンは、イソプレン、ブタジエン、1‐メチルブタジエン、2‐メチルブタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、2,4‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、1,3‐ペンタジエン、2‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、3‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、4‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ペンタジエン、1,3‐ヘキサジエン、2‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、3‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、4‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、5‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ヘキサジエン、2,4‐ジメチル‐1,3‐ヘキサジエン、2,5‐ジメチル‐1,3‐ヘキサジエン、2‐ネオペンチルブタジエン、1,3‐シクロペンタジエン、1,3‐シクロヘキサジエン、1‐ビニル‐1,3‐シクロヘキサジエンまたはそれらの混合物から選択する。さらに好ましくは、上記共役ジエン類は、イソプレンまたはイソプレンを含む混合物である。
上記ポリイソブチレンブロックは、本発明の主題の有利な局面によれば、ハロゲン化して、その鎖中にハロゲン原子を含み得る。このハロゲン化は、本発明に従うポリイソブチレンブロックを含む上記熱可塑性エラストマーを含む組成物の硬化速度を増進させることを可能にする。このハロゲン化は、上記外部側壁のタイヤの他の隣接構成部品との適合性を改良することを可能にする。ハロゲン化は、臭素または塩素、好ましくは臭素を使用して、上記ポリイソブチレンブロックのポリマー鎖の共役ジエンに由来する単位上で実施する。これら単位の一部のみがハロゲンと反応する。
第1の実施態様によれば、上記TPEIは、ポリイソブチレンブロックを含むスチレン熱可塑性エラストマー(“TPSI”)から選択する。
従って、上記熱可塑性ブロックは、非置換または置換スチレンをベースとする少なくとも1種の重合モノマーから形成される;置換スチレンのうちでは、例えば、メチルスチレン(例えば、o‐メチルスチレン、m‐メチルスチレンまたはp‐メチルスチレン、α‐メチルスチレン、α,2‐ジメチルスチレン、α,4‐ジメチルスチレンまたはジフェニルエチレン)、パラ‐(tert‐ブチル)スチレン、クロロスチレン(例えば、o‐クロロスチレン、m‐クロロスチレン、p‐クロロスチレン、2,4‐ジクロロスチレン、2,6‐ジクロロスチレンまたは2,4,6‐トリクロロスチレン)、ブロモスチレン(例えば、o‐ブロモスチレン、m‐ブロモスチレン、p‐ブロモスチレン、2,4‐ジブロモスチレン、2,6‐ジブロモスチレンまたは2,4,6‐トリブロモスチレン)、フルオロスチレン(例えば、o‐フルオロスチレン、m‐フルオロスチレン、p‐フルオロスチレン、2,4‐ジフルオロスチレン、2,6‐ジフルオロスチレンまたは2,4,6‐トリフルオロスチレン)またはパラ‐ヒドロキシスチレンを挙げることができる。
好ましくは、上記熱可塑性エラストマーTPSIは、ポリスチレンとポリイソブチレンとのブロックコポリマーである。
好ましくは、そのようなブロックコポリマーは、スチレン/イソブチレンジブロックコポリマー (“SIB”と略記する)である。
この場合も好ましくは、そのようなブロックコポリマーは、スチレン/イソブチレン/スチレントリブロックコポリマー (“SIBS”と略記する)である。
本発明の好ましい実施態様によれば、上記スチレンエラストマー中のスチレン(非置換または置換)の質量による含有量は、5%と50%の間の量である。上記の最低値よりも低いと、上記エラストマーの熱可塑特性が実質的に低下するリスクを伴い、一方、推奨する最高値よりも高いと、上記外部側壁の弾力性が影響を受け得る。これらを理由によって、上記スチレン含有量は、さらに好ましくは、10%と40%の間、特に15%と35%の間の量である。
上記TPSIエラストマーは、商業的に入手可能であって、例えば、SIBおよびSIBSに関しては、Kaneka社から品名Sibstar (例えば、SIBSに関してはSibstar 103T、Sibstar 102T、Sibstar 073TまたはSibstar 072T;SIBに関してはSibstar 042D)として販売されている。これらのエラストマーは、例えば、その合成と一緒に、特許文献 EP 731 112号、US 4 946 899号およびUS 5 260 383号に記載されている。TPSIエラストマーは、先ずは生体医学用途用に開発され、その後、医療器具、自動車部品または家庭用電気製品用の部品、電線用のシーズ材、漏れ防止部品または弾性部品のような多様なTPSIエラストマー独自の各種用途において説明されている(例えば、EP 1 431 343号、EP 1 561 783号、EP 1 566 405号またはWO 2005/103146号参照)。また、本出願法人の文献WO 2008/145277号は、そのようなTPSIエラストマーの、タイヤにおける、即ち、膨張ガスに対して気密性である層用の組成物における使用も記載している。
第2の実施態様によれば、上記TPEIエラストマーは、60℃以上のTgを有し且つスチレンモノマー以外の重合モノマーから形成された熱可塑性ブロックも含み得る(“TPNSI”と略記する)。そのようなモノマーは、下記の化合物およびそれら化合物の混合物から選択し得る:
・エチレンおよびプロピレン;
・塩化ビニル;
・エチレンオキシド;
‐アセナフチレン:当業者であれば、例えば、Z. Fodor and J.P. Kennedy, Polymer Bulletin, 1992, 29(6), 697‐705による論文を参照し得るであろう。
・例えば、2‐メチルインデン、3‐メチルインデン、4‐メチルインデン、ジメチルインデン、2‐フェニルインデン、3‐フェニルインデンおよび4‐フェニルインデンのような、インデンおよびその誘導体:当業者であれば、例えば、発明者Kennedy、Puskas、KaszasおよびHagerによる特許文献US 4 946 899号;並びに、文献J.E. Puskas, G. Kaszas, J.P. Kennedy and W.G. Hager, Journal of Polymer Science, Part A: Polymer Chemistry (1992), 30, 41,およびJ.P. Kennedy, N. Meguriya and B. Keszler, Macromolecules (1991), 24(25), 6572‐6577を参照し得るであろう。
・イソプレン、その場合、一定数のトランス‐1,4‐ポリイソプレン単位および分子内過程に従い環化した単位の形成をもたらす:当業者であれば、例えば、文献G. Kaszas、J.E. Puskas and J.P. Kennedy, Applied Polymer Science (1990), 39(1), 119‐144,およびJ.E. Puskas、G. Kaszas and J.P. Kennedy, Macromolecular Science, Chemistry A28 (1991), 65‐80を参照し得るであろう。
・アクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸またはメタクリル酸の各エステル;アクリルアミド誘導体;メタクリルアミド誘導体;アクリロニトリル誘導体;メタクリロニトリル誘導体およびこれらの混合物。さらに詳細には、アダマンチルアクリレート、アダマンチルクロトネート、アダマンチルソルベート、4‐ビフェニルイルアクリレート、tert‐ブチルアクリレート、シアノメチルアクリレート、2‐シアノエチルアクリレート、2‐シアノブチルアクリレート、2‐シアノヘキシルアクリレート、2‐シアノヘプチルアクリレート、3,5‐ジメチルアダマンチルアクリレート、3,5‐ジメチルアダマンチルクロトネート、イソボルニルアクリレート、ペンタクロロベンジルアクリレート、ペンタフルオロベンジルアクリレート、ペンタクロロフェニルアクリレート、ペンタフルオロフェニルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、4‐(tert‐ブチル)シクロヘキシルメタクリレート、tert‐ブチルメタクリレート、4‐(tert‐ブチル)フェニルメタクリレート、4‐シアノフェニルメタクリレート、4‐シアノメチルフェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、3,5‐ジメチルアダマンチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、3,3‐ジメチルブチルメタクリレート、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、テトラデシルメタクリレート、トリメチルシリルメタクリレート、2,3‐キシレニルメタクリレート、2,6‐キシレニルメタクリレート、アクリルアミド、N‐(sec‐ブチル)アクリルアミド、N‐(tert‐ブチル)アクリルアミド、N,N‐ジイソプロピルアクリルアミド、N‐(1‐メチルブチル)アクリルアミド、N‐メチル‐N‐フェニルアクリルアミド、モルホリルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、N‐(tert‐ブチル)メタクリルアミド、4‐ブトキシカルボニルフェニルメタクリルアミド、4‐カルボキシフェニルメタクリルアミド、4‐メトキシカルボニルフェニルメタクリルアミド、4‐エトキシカルボニルフェニルメタクリルアミド、ブチルシアノアクリレート、メチルクロロアクリレート、エチルクロロアクリレート、イソプロピルクロロアクリレート、イソブチルクロロアクリレート、シクロヘキシルクロロアクリレート、メチルフルオロメタクリレート、メチルフェニルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、およびこれらの混合物を挙げることができる。
また、もう1つの実施態様によれば、上記TPEIエラストマーは、60℃以上のTgを有すし且つ重合したスチレンおよび非スチレンモノマー(上記で列記したモノマーから選ばれた)から形成された熱可塑性ブロックも含む。例えば、好ましくは、上記熱可塑性ブロックは、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー (ABS)からなり得る。
1つの別の形態によれば、スチレンモノマー以外の重合モノマーは、少なくとも1種の他のモノマーと共重合させて、60〜200℃の範囲にあるTgを有する熱可塑性ブロックを形成させ得る。この局面によれば、スチレンモノマー以外の重合モノマーの、上記熱可塑性ブロックの単位総数に対するモル画分は、好ましくは60℃〜180℃、より好ましくは80℃〜150℃、さらにより好ましくは100℃〜130℃の範囲にあるTgを達成するために十分でなければならない。この場合も好ましくは、上記熱可塑性ブロックのTgは、80℃〜150℃、好ましくは60℃〜130℃、さらにより好ましくは60℃〜110℃の範囲にあり得る。有利には、この他のコモノマーのモル画分は、0〜90%、より好ましくは0〜75%、さらにより好ましくは0〜50%の範囲であり得る。
例えば、スチレンモノマー以外の重合モノマーと共重合させ得るこの他のモノマーは、ジエンモノマー、さらに具体的には、4〜14個の炭素原子を有する共役ジエンモノマー、および8〜20個の炭素原子を有するビニル芳香族タイプのモノマーから選択し得る。
上記コモノマーは、4〜14個の炭素原子を有する共役ジエンである場合、有利には、0〜25%範囲にある、上記熱可塑性ブロックの単位総数に対するモル画分を示す。本発明の1つの主題に従う熱可塑性ブロックにおいて使用し得る共役ジエンとして適切であるのは、上記で説明したような共役ジエン類、即ち、イソプレン、ブタジエン、1‐メチルブタジエン、2‐メチルブタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、2,4‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、1,3‐ペンタジエン、2‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、3‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、4‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ペンタジエン、2,5‐ジメチル‐1,3‐ペンタジエン、1,3‐ヘキサジエン、2‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、3‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、4‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、5‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、2,5‐ジメチル‐1,3‐ヘキサジエン、2‐ネオペンチルブタジエン、1,3‐シクロペンタジエン、1,3‐シクロヘキサジエン、1‐ビニル‐1,3‐シクロヘキサジエンまたはこれらの混合物である。
上記コモノマーは、ビニル芳香族タイプである場合、有利には、0〜90%の、好ましくは0〜75%の範囲である、さらにより好ましくは0〜50%の範囲である、上記熱可塑性ブロックの単位総数に対する単位画分を示す。上記のスチレンモノマー類、即ち、メチルスチレン、パラ‐(tert‐ブチル)スチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレンまたはパラ‐ヒドロキシスチレンが、ビニル芳香族化合物として特に適している。好ましくは、ビニル芳香族タイプの上記コモノマーは、スチレンである。
説明目的の非限定的な例としては、100℃以上のTgを有する熱可塑性ブロックの調製において使用し得、インデンとスチレン誘導体、特にパラ‐メチルスチレンまたはパラ‐(tert‐ブチル)スチレンとからなるコモノマー混合物を挙げることができる。当業者であれば、その場合、文献 J.E. Puskas、G. Kaszas、J.P. Kennedy and W.G. Hager, Journal of Polymer Science, Part A: Polymer Chemistry, 1992, 30, 41、またはJ.P. Kennedy、S. Midha and Y. Tsungae, Macromolecules (1993), 26, 429を参照し得るであろう。
好ましくは、TPNSI熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ブロック/イソブチレンブロックジブロックコポリマーである。さらにより好ましくは、そのようなTPNSI熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ブロック/イソブチレンブロック/熱可塑性ブロックトリブロックコポリマーである。
上記TPEIエラストマー(および好ましくは上記で定義したようなTPSIエラストマー)は、好ましくは、外部側壁層を構成する唯一の熱可塑性エラストマーである;上記エラストマーは、必要に応じて、例えば、ポリブテンオイルのような増量剤オイルで増量し得る。
本発明の必要条件において使用するタイヤ外部側壁中のTPEIエラストマー(好ましくは上記で定義したようなTPSIエラストマー)の量は、1〜99phrである。好ましくは、この含有量は、1〜80phr、より好ましくは1〜60phr、より好ましくは5〜60phrである。さらに好ましくは、この含有量は、5〜50phr、特に5〜50phr未満、さらにより好ましくは10〜40phrである。
I‐1‐C. 補強用充填剤
補強用充填剤を使用する場合、タイヤの製造において使用することのできるゴム組成物を補強するその能力について知られている任意のタイプの補強用充填剤、例えば、カーボンブラックのような有機充填剤、シリカのような補強用無機充填剤、またはこれら2つのタイプの充填剤のブレンド、特に、カーボンブラックとシリカとのブレンドを使用することができる。
タイヤにおいて通常使用する全てのカーボンブラック(“タイヤ級”ブラック)が、カーボンブラックとして適している。例えば、さらに詳細には、例えばASTM級のN326、N330、N339、N347またはN375ブラックの補強用カーボンブラックを、或いは、目標とする用途次第では、より高級シリーズのブラック類(例えば、N550、N660、N683またはN722)が、実際にはN990さえも挙げられる。
カーボンブラックをイソプレンエラストマーと一緒に使用する場合、そのカーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形で、イソプレンエラストマー中に既に混和させていてもよい(例えば、出願 WO 97/36724号またはWO 99/16600号を参照されたい)。
カーボンブラック以外の有機充填剤の例としては、出願 WO‐A‐2006/069792号およびWO‐A‐2006/069793号に記載されているような官能化ポリビニル芳香族有機充填剤を挙げることができる。
“補強用無機充填剤”とは、本特許出願においては、定義によれば、カーボンブラックに対比して“白色充填剤”、“透明充填剤”として或いは実際には“非黒色充填剤”としてさえも知られており、それ自体単独で、中間カップリング剤以外の手段によることなく、タイヤの製造を意図するゴム組成物を補強し得る、換言すれば、通常のタイヤ級カーボンブラックとその補強役割において置換わり得る任意の無機または鉱質充填剤(その色合およびその由来(天然または合成)にかかわらない)を意味するものと理解すべきである;そのような充填剤は、一般に、知られている通り、その表面でのヒドロキシル(‐OH)基の存在に特徴を有する。
補強用無機充填剤を供給する物理的状態は、粉末、マイクロビーズ、顆粒、ビーズまたは任意の他の適切な高密度化形のいずれの形状であれ重要ではない。勿論、補強用無機充填剤は、種々の補強用無機充填剤、特に、下記で説明するような高分散性シリカ質および/またはアルミナ質充填剤の混合物も意味することも理解されたい。
シリカ質タイプの鉱質充填剤、特にシリカ(SiO2)、またはアルミナ質タイプの鉱質充填剤、特にアルミナ(Al2O3)は、補強用無機充填剤として特に適している。使用するシリカは、当業者にとって既知の任意の補強用シリカ、特に、共に450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/gであるBET比表面積とCTAB比表面積を有する任意の沈降またはヒュームドシリカであり得る。高分散性沈降シリカ(HDS)としては、例えば、Degussa社からのUltrasil 7000およびUltrasil 7005シリカ類;Rhodia 社からのZeosil 1165MP、1135MPおよび1115MPシリカ類;PPG社からのHi‐Sil EZ150Gシリカ;Huber社からのZeopol 8715、8745または8755シリカ類;または、出願 WO 03/16837号に記載されているような高比表面積を有するシリカ類が挙げられる。
無機補強用充填剤をジエンエラストマーにカップリングさせるためには、知られている通り、無機充填剤(その粒子表面)とジエンエラストマー間に化学的および/または物理的性質の満足し得る結合をもたらすことを意図する少なくとも二官能性のカップリング剤(または結合剤)、特に、二官能性のオルガノシラン類またはポリオルガノシロキサン類を使用する。
特に、例えば、出願WO 03/002648号(またはUS 2005/016651号)およびWO 03/002649号(またはUS 2005/016650号)に記載されているような、その特定の構造に応じて“対称”または“非対称”と称するシランポリスルフィド類を使用する。
特に適しているのは、以下の定義に限定されることなく、下記の一般式(III)に相応する“対称”と称するシランポリスルフィドである:
(III) Z‐A‐Sx‐A‐Z
[式中、xは、2〜8(好ましくは2〜5)の整数であり;
Aは、二価の炭化水素基(好ましくはC1〜C18アルキレン基またはC6〜C12アリーレン基、特にC1〜C10、特にC1〜C4アルキレン、特にプロピレン)であり;
Zは、下記の式の1つに相応する:
Figure 2015508423
(式中、R1基は、置換されているかまたは置換されてなく、互いに同一または異なるものであって、C1〜C18アルキル、C5〜C18シクロアルキルまたはC6〜C18アリール基(好ましくはC1〜C6アルキル、シクロヘキシルまたはフェニル基、特にC1〜C4アルキル基、特にメチルおよび/またはエチル)を示し;
R2基は、置換されているかまたは置換されてなく、互いに同一または異なるものであって、C1〜C18アルコキシルまたはC5〜C18シクロアルコキルシル基(好ましくはC1〜C8アルコキシルおよびC5〜C8シクロアルコキシル基から選ばれる基、さらにより好ましくはC1〜C4アルコキシル基、特にメトキシルおよびエトキシル基から選ばれる基)を示す]。
上記式(III)に相応するアルコキシシランポリスルフィド類の混合物、特に、通常の商業的に入手可能な混合物の場合、“x”指数の平均値は、好ましくは2と5の間の、より好ましくはほぼ4の分数である。しかしながら、本発明は、例えば、アルコキシシランジスルフィド(x = 2)によっても有利に実施し得る。
さらに詳細には、シランポリスルフィドの例としては、例えば、ビス(3‐トリメトキシシリルプロピル)またはビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドのようなビス((C1〜C4)アルコキシル(C1〜C4)アルキルシリル(C1〜C4)アルキル)ポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィドまたはテトラスルフィド)が挙げられる。これらの化合物のうちでは、特に、TESPTと略記し式[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2を有するビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、またはTESPDと略記し式[(C2H5O)3Si(CH2)3S]2を有するビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを使用する。また、好ましい例としては、特許出願WO 02/083782号(またはUS 2004/132880号)に記載されているような、ビス(モノ(C1〜C4)アルコキシルジ(C1〜C4)アルキルシリルプロピル)ポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィドまたはテトラスルフィド)、より具体的には、ビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドが挙げられる。
上記アルコキシシランポリスルフィド以外のカップリング剤としては、特に、特許出願WO 02/30939号(またはUS 6 774 255号)およびWO 02/31041号(またはUS 2004/051210号)に記載されているような、二官能性POS (ポリオルガノシロキサン)類またはヒドロキシシランポリスルフィド類(上記式IIIにおいて、R2 = OH)、或いは、例えば、特許出願WO 2006/125532号、WO 2006/125533号およびWO 2006/125534号に記載されているような、アゾジカルボニル官能基を担持するシランまたはPOS類が挙げられる。
最後に、当業者であれば、もう1つの性質、特に、有機性を有する補強用充填剤を、この項において説明した無機補強用充填剤と等価の充填剤として、この補強用充填剤が、シリカのような無機層によって被覆されているか或いはその表面に官能性部位、特に、ヒドロキシル部位を含んでいて、上記充填剤とエラストマー間の結合を形成するのにカップリング剤の使用を必要とすることを条件として、使用することができることを理解されたい。
補強用充填剤全体(カーボブラックおよび/またはシリカのような補強用無機充填剤)の含有量は、0〜120phr、より好ましくは0〜90phr、特に5〜80phrまたは0〜70phr、極めて好ましくは5〜70phrの範囲内である;最適量は、勿論、目標とする特定の用途に応じて、また、使用するカーボンブラックのタイプに応じて異なる。カーボンブラックN990のような極めて高ASTM等級のカーボンブラックは700級およびさらに有力な600級のカーボンブラックよりも補強性が低いこと、さらに、同等の補強のためには、600または700級のブラック類が関連する場合よりも900級のカーボンブラックが関連する場合の方が、より多量のカーボンブラックを使用する必要があることは明白である。
さらに好ましくは、カーボンブラックの割合は、特にASTM600または700級のカーボンブラックを使用する場合、0〜90phr (好ましくは0〜70phr)の範囲にあり、さらにより好ましくは、この割合は、5〜70phr、特に、10〜65phrの範囲にある。そのような量は、上記組成物において、0〜30%、好ましくは1〜25%の範囲にある容量による含有量を表している。
カーボンブラックは、有利には、単独の補強用充填剤または主要補強用充填剤を構成し得る(即ち、その含有量が、例えば、2つのタイプの充填剤の混合物中の補強用充填剤の総質量の50%以上で最多である)。勿論、1種のみのカーボンブラック或いは異なるASTM級の数種のカーボンブラックのブレンドを使用することも可能である。また、カーボンブラックは、他の補強用充填剤、特に、上述したような補強用無機充填剤、特にシリカとのブレンドとしても使用し得る。好ましくは、カーボンブラックは外部側壁組成物中の唯一の補強用充填剤である。
無機充填剤(例えばシリカ)を、上記組成物において、単独でまたはカーボンブラックとのブレンドとして使用する場合、その含有量は、0〜120phr (好ましくは0〜110phr)、特に0〜60phrの範囲内であり、さらにより好ましくは、この割合は、0〜30phr、特に5〜20phrの範囲にある。
I‐1‐D. 可塑剤
上記で説明したジエンエラストマー、熱可塑性エラストマーおよび充填剤は、それら自体のみで、これらを使用する空気式物品の外部側壁の機能を満たすには十分である。
しかしながら、本発明の好ましい実施態様によれば、上記エラストマー組成物は、可塑剤も含み、その役割は、上記外部側壁の加工性、特に、その空気式物品中への組込みを、モジュラスを低下させ且つ粘着付与力を増進させることによって容易にすることである。
樹脂または増量剤オイルであり得る任意のタイプの可塑剤を使用し得る。“樹脂”なる名称は、本特許出願においては、当業者にとって既知の定義によれば、増量剤オイルまたは可塑化用オイルのような液体可塑化用化合物と対比して、周囲温度(23℃)において固体である化合物に対して使用する。周囲温度(23℃)において、これらのオイルは、多かれ少なかれ粘稠であり、本来固体である樹脂またはゴムとは特に対照的に、液体(即ち、注釈すれば、最終的にその容器の形を取る能力を有する物質)である。
炭化水素樹脂は、炭素と水素を本質的にベースとする、当業者にとって周知のポリマーであり、特に、ポリマーマトリックス中で可塑剤として使用し得る。これらの炭化水素樹脂は、例えば、R. Mildenberg、M. ZanderおよびG. Collin (New York, VCH, 1997, ISBN 3‐527‐28617‐9)による“Hydrocarbon Resins”と題した著作物に記載されており、その第5章は、炭化水素樹脂の特にタイヤゴム分野の用途に当てられている(5.5. “Rubber Tires and Mechanical Goods”)。炭化水素樹脂は、脂肪族、脂環式、芳香族、水素化芳香族であり得、或いは脂肪族/芳香族タイプ、即ち、脂肪族および/または芳香族モノマーをベースとし得る。炭化水素樹脂は、石油系(そうである場合、石油樹脂としても知られている)または石油系でない天然または合成樹脂であり得る。炭化水素樹脂は、定義によれば、使用する含有量において、真の希釈剤として作用するように、使用を意図するポリマー組成物と混和性(即ち、相溶性)である。これら炭化水素樹脂のTgは、好ましくは0℃よりも高く、特に20℃よりも高い(一般的に、30℃と120℃の間)。
また、知られているとおり、これらの炭化水素樹脂は、これらの樹脂が加熱したときに軟化し、従って、成形することができる点で、熱可塑性樹脂とも称し得る。また、炭化水素樹脂は、軟化点、即ち、例えば、生成物が粉末形で一緒に粘着する温度によっても定義し得る。炭化水素樹脂の軟化点は、一般に、そのTg値よりも約50〜60℃高い。
そのような炭化水素樹脂の例としては、シクロペンタジエン(CPDと略記する)またはジシクロペンタジエン(DCPDと略記する)のホモポリマーまたはコポリマー樹脂、テルペンのホモポリマーまたはコポリマー樹脂、テルペン/フェノールのホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5留分のホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C9留分のホモポリマーまたはコポリマー樹脂、α‐メチルスチレンのホモポリマーまたはコポリマー樹脂およびこれらの樹脂の混合物からなる群から選ばれる炭化水素樹脂を挙げることができる。上記のコポリマー樹脂のうちでは、さらに詳細には、(D)CPD/ビニル芳香族コポリマー樹脂、(D)CPD/テルペンコポリマー樹脂、(D)CPD/C5留分コポリマー樹脂、(D)CPD/C5留分コポリマー樹脂、(D)CPD/C9留分コポリマー樹脂、テルペン/ビニル芳香族コポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、C5留分/ビニル芳香族コポリマー樹脂、およびこれらの樹脂の混合物からなる群から選ばれるコポリマーを挙げることができる。
用語“テルペン”は、この場合、知られている通り、α‐ピネンモノマー、β‐ピネンモノマーおよびリモネンモノマーを包含する。好ましくは、リモネンモノマーを使用する;この化合物は、知られている通り、3種の可能性ある異性体の形で存在する:L‐リモネン(左旋性鏡像体)、D‐リモネン(右旋性鏡像体)或いはジペンテン、即ち、右旋性鏡像体と左旋性鏡像体のラセミ化合物。ビニル芳香族モノマーとして適切なのは、例えば、スチレン;α‐メチルスチレン;オルソ‐メチルスチレン、メタ‐メチルスチレン、パラ‐メチルスチレン;ビニルトルエン;パラ‐(tert‐ブチル)スチレン;メトキシスチレン;クロロスチレン;ヒドロキシスチレン;ビニルメシチレン;ジビニルベンゼン、ビニルナフタレンおよびC9留分(または、より一般的にはC8〜C10留分)に由来する任意のビニル芳香族モノマーである。
さら具体的には、(D)CPDホモポリマー樹脂、(D)CPD/スチレンコポリマー樹脂、ポリリモネン樹脂、リモネン/スチレンコポリマー樹脂、リモネン/D(CPD)コポリマー樹脂、C5留分/スチレンコポリマー樹脂、C5留分/C9留分コポリマー樹脂、およびこれらの樹脂の混合物からなる群から選ばれる樹脂を挙げることができる。
上記樹脂は、全て当業者にとって周知であって、商業的に入手可能であり、例えば、ポリリモネン樹脂に関しては、DRT社から品名Dercolyteとして;C5留分/スチレン樹脂またはC5留分/C9留分樹脂に関しては、Neville Chemical Company社から品名Super Nevtacとして、Kolon社から品名Hikorezとして、またはExxon Mobil社から品名Escorezとして;Struktol社から品名40 MSまたは40 NS (芳香族および/または脂肪族樹脂の混合物)として;或いは、水素化脂肪族炭化水素樹脂に関しては、Eastman社からEastotac H‐142Wのような品名Eastotacとして販売されている。
好ましくは、上記増量剤オイルは、ポリオレフィン系オイル(即ち、モノオレフィン系またはジオレフィン系のオレフィンの重合によって得られる)、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル(低または高粘度を有する)、芳香族オイル、鉱油およびこれらのオイルの混合物からなる群から選択する。例えば、上記増量剤オイルは、ポリブテンオイル、特にポリイソブチレンオイルであり得る。
オイルの添加は、確かに、使用するオイルのタイプまたは量に応じて変動し得る気密性の幾らかの損失を代償にしてなされていることは判明しているものの、この気密性の損失は、特に板状充填剤の添加によって大いに修正し得る。
上記増量剤オイルの数平均分子量(Mn)は、好ましくは200g/モルと25000g/モルの間、さらにより好ましくは300g/モルと10000g/モルの間である。過度に低いMn分子量においては、オイルが上記組成物の外に移行するリスクが存在し、一方、過度に高い分子量は、この組成物の過度の剛性化をもたらし得る。350g/モルと4000g/モルの間、特に400g/モルと3000g/モルの間のMn分子量は、目標とする用途において、特に、タイヤにおける使用において優れた妥協点を構成することが判明している。
上記増量剤オイルの数平均分子量(Mn)は、SECによって測定する;サンプルを、約1g/lの濃度でテトラヒドロフラン中に前以って溶解し、次いで、溶液を、0.45μmの有孔度を有するフィルター上で、注入前に濾過する。装置は、Waters Allianceクロマトグラフ系である。溶出溶媒はテトラヒドロフランであり、流量は1ml/分であり、系の温度は35℃であり、分析時間は30分である。品名Styragel HT6Eを有する2本のWatersカラムセットを使用する。ポリマーサンプル溶液の注入容量は、100μlである。検出器は、Waters 2410示差屈折計であり;クロマトグラフデータを使用するその関連ソフトウェアは、Waters Milleniumシステムである。算出した平均分子量を、ポリスチレン標準によって描いた較正曲線と対比する。
当業者であれば、以下の説明および実施例に照らして、可塑剤の量を、使用するTPEIエラストマー(上述したような)、上記外部側壁組成物の性質および上記外部側壁の特定の使用条件の関数として、特に、上記外部側壁の使用を意図する空気式物品の関数として如何にして調整するかは承知しているであろう。
使用する場合、好ましくは、可塑剤の含有量は、2〜60phr、より好ましくは3〜50phrの範囲にある。上記の最低値よりも低いと、可塑剤の存在は認識し得ない。推奨する最高値よりも高いと、上記組成物の不十分な凝集力および該当する用途次第では有害であり得る気密性の損失のリスクが存在する。
I‐1‐E. 板状充填剤
板状充填剤の必要に応じての使用は、有利なことに、上記エラストマー組成物の透過性係数を低下させること(従って、気密性を増進させること)を、そのモジュラスを過度に高めることなく可能にし、外部側壁の空気式物品中への組込みの容易性を保持することを可能にする。
“板状”充填剤は、当業者にとって周知である。板状充填剤は、特にタイヤにおいては、ブチルゴムをベースとする通常の気密層の透過性を低下させるために使用されている。板状充填剤は、一般に1〜50phrを越えない比較的低い含有量で、または、特にエラストマー組成物の0.1〜25容量%、好ましくは1〜20容量%の範囲であり得る容量による含有量で使用する。
板状充填剤は、一般に、多かれ少なかれ顕著な異方性を有する積層プレート、プレートレット、シートまたは薄板状の形で提供される。板状充填剤の縦横比(A = L/T)は、一般に3よりも大きく、より頻繁には5よりもまたは10よりも大きい。Lは長さ(または最大寸法)を示し、Tはこれら板状充填剤の平均厚さを示し、これらの平均値は数基準で算出する。数十、実際には数百にも達する縦横比は頻繁である。板状充填剤の平均長は、好ましくは、1μmよりも大きく(即ち、その場合、“マイクロメートル”板状充填剤が含まれ)、典型的には、数μm(例えば5μm)と数百μm(例えば、500μm、800μmでさえある)の間の長さである。
好ましくは、本発明に従って使用する板状充填剤は、グラファイト、ケイ素系層状鉱質充填剤およびそのような充填剤の混合物からなる群から選ばれる。
用語“グラファイト”は、一般に、炭素原子の非コンパクト六方晶系シートの集合体、即ち、グラフェンを意味するものと理解されたい。グラファイト、即ち、六方晶系は、B面がA面に対して平行移動しているABABタイプの積層体を示す。
グラファイトは、項I‐1‐Bにおいて明記した定義の意味内の補強用充填剤とはみなし得ない;しかしながら、グラファイトは、グラファイトが混入されているゴム組成物の引張モジュラスの増進を可能にする限りは、半補強用(または部分的補強用)充填剤とみなし得る。
これらの定義を考慮すると、本発明に従う組成物において使用し得るグラファイトは、さらに詳細には、下記を意味するものと理解されたい:
(a) 変成作用によって影響を受けた岩石に付随していた、グラファイト鉱脈に伴う不純物を分離した後の、さらに、ミリングした後の任意の天然グラファイト;
(b) 任意の熱膨張性天然グラファイト、即ち、このグラファイトにおいては、液状の1種以上の化学化合物、例えば、酸が、そのグラフェン面の間に介在している;
(c) 任意の膨張天然グラファイト、このグラファイトは、2つの段階、即ち、液状の1種以上の化学化合物、例えば、酸の、化学処理による天然グラファイトのグラフェン面間への介在および高温膨張において生成する;
(d) 石油コークスの黒鉛化によって得られる任意の合成グラファイト。
本発明の組成物は、1種のみのグラファイトまたは数種のグラファイトの混合物を含み得る;従って、天然グラファイトおよび/または膨張グラファイトおよび/または合成グラファイトのブレンドを含むことが可能である。
上記で定義したようなグラファイトは、形態学的に層状または非層状形で提供することができ、両例において、本発明の意味の範囲内で板状充填剤として分類されるであろう。
驚くべきことに、これら2つのタイプの形態のいずれかを有するグラファイトが本発明に従う組成物において適切であることが判明している;しかしながら、層状形を示すグラファイトが好ましく適しており、グラファイトが気体透過流に対して垂直なその最大面を示すように配向される場合はなお一層適している。
使用する場合、グラファイトは、上記組成物中に、1phr〜60phr、好ましくは5phrと30phrの間の範囲である含有量で存在する。
特に、ケイ素系層状鉱質充填剤のうちでは、フィロケイ酸塩、特に、スメクタイト、カオリン、タルク、雲母およびバーミキュライトからなる群に包含されるフィロケイ酸塩が適している。
また、フィロケイ酸塩のうちでは、官能化フィロケイ酸塩、特に、有機変性フィロケイ酸塩も本発明において適している。特定の実施態様によれば、上記不活性充填剤と組合せる有機構造体は、式:‐M+R1R2R3を有する界面活性剤である;式中、Mは、窒素、イオウ、リンまたはピリジン原子を示し、そして、R1、R2およびR3は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアリル基を示し、R1、R2およびR3は、同一または異なるものである。
特に、有機変性モンモリロナイトは、本発明において適している。即ち、脱水素化ジオクタデシルジメチル第四級アンモニウム塩のような、界面活性剤で変性したモンモリロナイト。そのような有機変性モンモリロナイトは、特に、Southern Clay Products社から商品名Cloisite 6Aおよび20Aとして商業的に入手可能である。
また、第四級アンモニウム塩をベースとする他の界面活性剤も、特許出願WO 06/047509号に記載されているように、フィロケイ酸塩を変性するのに使用し得る。
雲母の例としては、CMMP社から販売されている雲母(例えば、Mica‐MU (登録商標)、Mica‐Soft (登録商標)、Briomica (登録商標))、Yamaguchi社から販売されている雲母 (A51S、A41S、SYA‐21R、SYA‐21RS、A21SおよびSYA‐41R)、バーミキュライト (特に、CMMP社から販売されているShawatec (登録商標) バーミキュライトまたはW.R. Grace社から販売されているMicrolite (登録商標)) バーミキュライト)、或いは変性または処理雲母 (例えば、Merck社から販売されているIriodin (登録商標)区分品)を挙げることができる。グラファイトの例としては、Timcal社から販売されているグラファイト(Timrex (登録商標)区分品)を挙げることができる。タルクの例としては、Luzenac社から販売されているタルクを挙げることができる。
グラファイト以外の上記不活性充填剤は、これらの充填剤が、これらの充填剤を適切な含有量で分散させている組成物の不透過性を改良することを可能にするので、実際に特に有益である。例えば、上記不活性充填剤を使用する場合、その含有量は、1phr〜80phr、好ましくは3〜40phrの範囲にあり得る。
上記板状充填剤の上記エラストマー組成物中への導入は、種々の既知の方法に従い、例えば、溶液混合によって、密閉ミキサー内での塊状混合によって或いは押出混合によって実施し得る。
I−1−F. 架橋系
架橋系は、加硫系であり得る;加硫系は、好ましくは、イオウ (またはイオウ供与体)と一次加硫促進剤とをベースとする。この加硫系に、必要に応じて、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体(特に、ジフェニルグアニジン)等のような各種既知の二次加硫促進剤または加硫活性化剤を追加する(好ましくは、各々0.5〜5.0phrで)。上記イオウまたはイオウ供与体は、本発明をタイヤ外部側壁に該当させる場合、0.5phrと10phrの間、より好ましくは0.5phrと5.0phrの間、例えば0.5phrと3.0phrの間の好ましい含有量で使用する。イオウ供与体のうちでは、例えば、例えばパラ‐tert‐ブチルフェノールジスルフィドのようなアルキルフェノールジスルフィド(APDS)を挙げることができる。
(一次または二次)促進剤としては、イオウの存在下にジエンエラストマーの加硫促進剤として作用し得る任意の化合物、特に、チアゾールタイプの促進剤およびその誘導体、或いはチウラムおよびジチオカルバミン酸亜鉛タイプの促進剤を使用し得る。これらの促進剤は、さらに好ましくは、2‐メルカプトベンゾチアジルジスルフィド(“MBTS”と略記する)、N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“CBS”と略記する)、N,N‐ジシクロヘキシル‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“DCBS”と略記する)、N‐(tert‐ブチル)‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“TBBS”と略記する)、N‐(tert‐ブチル)‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンイミド(“TBSI”と略記する)、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(“ZBEC”と略記する)およびこれらの化合物の混合物からなる群から選ばれる。好ましくは、スルフェンアミドタイプの一次加硫促進剤を使用する。
I‐1‐G. 各種添加剤
さらにまた、上記の外部側壁組成物は、当業者にとって既知の外部側壁中に通常存在する各種添加剤も含み得る。例えば、上記の板状充填剤以外の非補強用または不活性充填剤、上記の増量剤オイル以外の可塑剤、粘着付与樹脂、酸化防止剤またはオゾン劣化防止剤のような保護剤、UV抑制剤、各種加工助剤または他の安定化剤、或いは空気式物品の残余の構造体への接着を促進することのできる促進剤が挙げられる。
また、上述したエラストマー(ジエンまたはTPEI)以外に、上記外部側壁組成物は、常に上記ブロックエラストマーに対して少量の質量画分に従って、例えば熱可塑性ポリマーのようなエラストマー以外のポリマーも含み得る。
I‐2. 本発明の外部側壁の製造
本発明に従う外部側壁を製造するためには、上記各エラストマーを、上記外部側壁の他の成分、即ち、補強用充填剤、さらにまた、架橋系および可塑剤のような他の任意構成成分と混合する。上記組成物中での上記熱可塑性エラストマーの良好な分散を得るには、このエラストマーを十分な温度、例えば60〜200℃、好ましくは80〜180℃に加熱して、混合温度がTPEIの熱可塑性ブロックの軟化点に達するようにしなければならない。十分に長時間の、例えば3〜20分間、好ましくは5〜15分間の加熱は、上記の高温で軟化したTPEIを、好ましくは数ミクロンを越えない範囲の形で、混合物中で均質に分散させ得るようにすることを可能にする。TPEIを“微細粉末”の形で導入することによって或いはTPEIを可塑剤で前以って希釈することによって操作を容易にすることは可能である。下記の内容に照らせば、当業者であれば、成分の混入順序 (1度に全部または数回の連続段階で)、混合温度および時間、並びに必要な場合の可塑剤の含有量を、選択する熱可塑性エラストマーの軟化点の関数として調整し得るであろう。
従って、本発明は、上記外部側壁のゴム組成物を、上記組成物のエラストマーおよび上記補強用充填剤を60℃〜200℃(好ましくは80〜180℃)の範囲の温度において3〜20分間(好ましくは5〜15分間)混合する少なくとも1回の段階を含む方法に従って製造することからなる、上記で定義したような空気式物品の製造方法にも関する。
本発明に従うタイヤ外部側壁の組成物について説明した優先事項は、上述したような方法にも準用する。
第1の実施態様によれば、以下の手順を試験において使用する:1種以上のジエンエラストマー、ポリイソブチレンブロックを含む1種以上の熱可塑性エラストマー、1種以上の補強用充填剤、および加硫系を除いた任意構成成分としての他の成分を、およそ70%(プラスまたはマイナス5%)充たし且つ初期容器温度が40℃と80℃の間である密閉ミキサー内に連続して導入する。その後、熱機械的加工(非生産段階)を、150℃の最高“落下”温度に達するまで全体でおよそ3〜4分持続する1段階において実施する。
そのようにして得られた混合物を回収し、冷却し、その後、イオウおよび促進剤を開放ミキサー(ホモフィニッシャー)において30℃で混入し、全てを適切な時間 (例えば、5分と12分の間の時間)混合する(生産段階)。
この第1の実施態様を使用する場合、円滑な実施のためには、150℃以下の軟化点(規格ISO 4625、“環球法”に従って測定)を有するTPEIエラストマーを選定する。他の理由により、選定したTPEIが130℃よりもまたは150℃よりも高い軟化点を有する場合、増量剤オイル分をTPEI中に混入して、それぞれ130℃以下または150℃以下の温度での混合物の良好な加工を可能にすることも可能である。これらの場合、マスターバッチを、例えば、TPEIと増量剤オイルを混合することによって製造する(例えば、ツインスクリュー押出機を使用して);このマスターバッチは、上記で説明した方法において使用し得る。軟化点が150℃以下のTPEIエラストマーを使用する場合、好ましくは、増量剤オイルの含有量を、2〜15phr、特に2〜10phrの範囲にする。軟化点が150℃よりも高いTPEIエラストマーを使用する場合、好ましくは、増量剤オイルの合計含有量、即ち、初期エラストマー混合物に必要に応じて混入したオイルの含有量に加算したTPEI中に混入したオイルの含有量を、5〜50phr、より好ましくは10〜40phr、特に15〜30phrの範囲にする。
もう1つの実施態様によれば、加硫系を含むすべての成分を、上述したような密閉ミキサー内に連続して導入することができる。この場合、その混合は、130℃以下、好ましくは120℃以下、特に110℃以下の“落下”温度まで実施する。
この第2の実施態様を使用する場合、円滑な実施のためには、130℃以下、好ましくは120℃よりも低い、特に110℃よりも低い軟化点(規格ISO 4625、“環球法”に従って測定)を有するTPEIエラストマーを選定する。他の理由により、選定したTPEIが130℃よりも高い軟化点を有する場合、増量剤オイル分をTPEI中に混入して、130℃以下の温度での混合物の良好な加工を可能にすることも可能である。この場合、マスターバッチを、例えば、TPEIと増量剤オイルを混合することによって製造する(例えば、ツインスクリュー押出機を使用して);このマスターバッチは、上記で説明した方法において使用し得る。軟化点が130℃以下であるTPEIエラストマーを使用する場合、好ましくは、増量剤オイルの含有量を、2〜15phr、特に2〜10phrの範囲にする。軟化点が130℃よりも高いTPEIエラストマーを使用する場合、好ましくは、増量剤オイルの合計含有量、即ち、初期エラストマー混合物に必要に応じて混入したオイルの含有量に加算したTPEI中に混入したオイルの含有量を、5〜50phr、より好ましくは10〜40phr、特に15〜30phrの範囲にする。
幾つかの別の実施態様においては、上記組成物中で使用する1種以上のエラストマー(ジエンおよび/または熱可塑性)は、マスターバッチの形で導入するか或いは組成物の幾つかの成分と予備混合することができる。
その後、そのようにして得られた組成物を、その物理的または機械的特性の測定のためのゴムのプラーク(2〜3mm厚)または薄シートの形のいずれかにカレンダー加工するか、或いはタイヤ外部側壁の形に押出加工する。
I‐3. 外部側壁のタイヤ内での使用
上記外部側壁は、ゴム製の最終製品または半製品として、特に、二輪車、乗用車または産業タイプの車両のような自動車用のタイヤにおいて使用するのに特に良好に適している。
特定の用途分野、関連する寸法および圧力に応じて、本発明の実施態様は変化し得ることは容易に理解し得るであろう;その場合、上記外部側壁は、幾つかの好ましい実施態様を含む。
II. 本発明の実施例
上記で説明した外部側壁は、全てのタイプの車両、特に、乗用車用または重量物運搬車のような産業用車両用のタイヤにおいて有利に使用することができる。
例えば、一葉の添付図面は、本発明に従うタイヤの半径断面を極めて略図的に示している(特定の縮尺に従っていない)。
このタイヤ1は、クラウン補強材即ちベルト6によって補強されたクラウン2、2枚の外部側壁3および2つのビード4を含み、これらのビード4の各々は、ビードワイヤー5によって補強されている。クラウン2は、この略図においては示していないトレッドが取付けられている。カーカス補強材7は、各ビード4内の2本のビードワイヤー5の周りに巻付けられており、この補強材7の上返し8は、例えば、タイヤ1の外側に向って位置しており、この場合、その車輪リム9上に取付けて示している。カーカス補強材7は、それ自体知られている通り、例えば繊維または金属の“ラジアル”コードによって補強されている少なくとも1枚のプライからなる、即ち、これらのコードは、実際上、互いに平行に配置されて一方のビードから他方のビードに延びて円周正中面(2つのビード4の中間に位置しクラウン補強材6の中央を通るタイヤの回転軸に対して垂直の面)と80°と90°の間の角度をなしている。
タイヤ1の外壁は、タイヤ1の内部空洞11の側面上に、例えば、ほぼ0.9mmに等しい厚さを有する気密層10を含む。
本発明に従うタイヤは、例えば上述したようなその外部側壁組成物において、Kaneka社から販売されているSIBS即ちSibstar 102 Tのようなイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーを特に含む組成物を使用し得る。
上記で説明したようなその外部側壁を備えたタイヤは、好ましくは、加硫(または硬化)前に製造する。その後、加硫を通常通りに実施する。上記ブロックエラストマーは、加硫段階に関連する応力に良好に耐える。
タイヤ技術における熟練者にとって有利な別の製造形態は、例えば、第1段階において、気密層を、タイヤ構築用ドラム上に、この気密層をタイヤの残余の構造体で覆う前に、適切な厚さを有するスキムの形で、当業者にとって周知の製造方法に従い直接平坦に付着させることからなる。
II‐1. 試験
エラストマー組成物およびある種のその構成成分の性質を、下記に示すようにして特性決定する。
II‐1‐A. 気密性試験
この分析においては、オーブン(本例では60℃の温度)内に入れ、相対圧力センサー(0〜6バールの範囲内の目盛り付き)を備え、且つ空気注入バルブを備えたチューブと連結した硬質壁透磁率計(permeameter)を使用した。上記透磁率計は、ディスク形状(本例においては、例えば、65mmの直径を有する)で且つ1.5mmまでの範囲であり得る均一な厚さ(本例においては0.5mm)を有する標準試験標本を受入れ得る。上記圧力センサーを、0.5Hzの周波数で連続収集(2秒毎に1ポイント)を実施するコンピュータに接続しているNational Instruments社のデータ収集カード(0〜10Vのアナログ4チャンネル収集)に接続する。透過係数(K)を線形回帰直線から測定して、試験した試験標本全体の圧力低下の傾斜αを、時間の関数として、装置の安定化後、即ち、圧力が時間の関数として直線的に降下する定常状態を得た後に得る。任意の100の値は、対照の気密性に対して与えられ、100よりも高い結果が、気密性の上昇、従って、透過性の低下を示す。
II‐1‐B. 硬化前後の破壊応力の測定
最終的な引張試験を、混合物の硬化前後に、ASTM C試験標本において周囲温度で実施する。これらの引張試験は、破断点諸性質、特に、公称破壊応力さらにまたは破断点歪みの測定を可能にする。下記の実施例において得られた結果は、公称破壊応力に相当し、基本値100で表す、即ち、任意の100の値は、対照の破壊応力に対して与えられ、100よりも高い結果が、破壊応力の上昇を示し、その逆もしかりである。
II‐2. 試験
通常のエラストマー、補強用充填剤および通常の添加剤を含む通常の外部側壁組成物を、対照(A1)として製造した。
II‐2‐A
〔実施例A〕
製造した組成物は、エラストマーを除けば、全ての成分を同じ含有量で含む。対照組成物A1は、TPEIを含まない;一方、本発明に従う組成物A2においては、ジエンエラストマー含有量を減らして、TPEIを一部この組成物に添加している。他の対照組成物A3は、TPEIをブチルタイプの本質的に飽和のジエンエラストマーと置換えている本発明に従う組成物に相当する。
上記で説明したような気密性試験および破壊応力測定試験をこれらの組成物において実施した。全ての組成物、さらにまた、基本点100での気密性および破壊応力性能を下記の表1に示している。組成物A1を参照とし、含有量は全てphrで表している。
表1
Figure 2015508423
(1) NR:天然ゴム;
(2) 0.5%の1,2‐単位、1.2%のトランス単位および98.3%のシス‐1,4‐単位を含むBR (Tg = −106°C);
(3) SIBS:Kaneka社から販売されているSibstar 102 T;
(4) IIR:Exxon社から販売されているButyl 365;
(5) Cabot社から販売されているASTM級N683;
(6) MESオイル:Shell社から販売されているCatenex SNR;
(7) N‐(1,3‐ジメチルブチル)‐N'‐フェニル‐p‐フェニレンジアミン、Flexsys社からの6‐PPD;
(8) N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンアミド、Flexsys社からのSantocure CBS。
表1に示した結果は、組成物A1の性能と比較して、組成物A2の気密性能の有意の増進を示している。組成物A3は、組成物A1と比較して、明らかにより劣った有益性を示している。硬化破壊応力性能に関しては、組成物A1、A2およびA3は、全く同等であるものの、生の破壊応力性能に関しては、本発明に従う外部側壁の組成物A2は対照A1と同等であるものの、組成物A3は極めて低下した性能を示すことが明白である。この生の破壊応力性能は、内部層、特に半製品の製造において特に有利である。
II‐2‐B
〔実施例B〕
製造した組成物は、エラストマーを除いて、全ての成分を同じ含有量で含む。対照組成物B1は、TPEIを含まない;一方、本発明に従う組成物B2〜B7においては、ジエンエラストマーの含有量を低めて、組成物にTPEIの一部を添加している。
上述したような気密性試験および破壊応力測定試験を、これらの組成物において実施した。全ての組成物、さらにまた、基本点100での気密性および破壊応力性能を下記の表2に示している。組成物B1を参照とし、含有量は全てphrで表している。
表2
Figure 2015508423
(1) NR:天然ゴム;
(2) 0.5%の1,2‐単位、1.2%のトランス単位および98.3%のシス−1,4−単位を含むBR (Tg = −106°C);
(3) SIBS:Kaneka社から販売されているSibstar 102 T;
(4) Cabot社から販売されているASTM級N683;
(5) MESオイル:Shell社から販売されているCatenex SNR;
(6) N‐(1,3‐ジメチルブチル)‐N'‐フェニル‐p‐フェニレンジアミン、Flexsys社からの6‐PPD;
(7) N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンアミド、Flexsys社からのSantocure CBS。
表2に示した結果は、組成物B1の性能と比較して、本発明に従う組成物B2〜B7の気密性能の有意の増進を示している。硬化破壊応力に関しては、組成物B2〜B6は対照組成物よりも僅かに良好な性能を示している;一方、組成物B7においては、この性能は、僅かに落込んでいるものの、意図するタイヤ用途次第では、極めて許容し得るレベルを維持していることが明らかである。
従って、また、予期に反して、本発明は、製造業者等に、工業的に使用されている外部側壁と比較して、改良された気密性を示すと共に良好な破壊応力特性(実際には改良されている性能さえも)を維持しているタイヤ外部側壁を得ることを可能にする解決策を提供している。
1 空気式タイヤ
2 クラウン
3 外部側壁
4 ビード
5 ビードワイヤー
6 クラウン補強材(ベルト)
7 カーカス補強材
8 カーカス補強材の上返し
9 車輪リム
10 気密層
11 内部空洞

Claims (17)

  1. 外部側壁を備え、この外部側壁が、少なくとも、1〜99phr(エラストマー100質量部当りの質量部)の総含有量の1種以上のジエンエラストマー;1〜99phrの総含有量の、ポリイソブチレンブロックを含む1種以上の熱可塑性エラストマー;任意構成成分としての0〜120phrの含有量の補強用充填剤および架橋系を含む少なくとも1種のゴム組成物を含むことを特徴とするタイヤ。
  2. ポリイソブチレンブロックを含む熱可塑性エラストマーの前記含有量が、1〜80phr、好ましくは1〜60phrである、請求項1記載のタイヤ。
  3. ポリイソブチレンブロックを含む熱可塑性エラストマーの前記含有量が、5〜60phr、好ましくは5〜50phrである、請求項1および2のいずれか1項記載のタイヤ。
  4. ポリイソブチレンブロックを含む前記熱可塑性エラストマーが、前記ポリイソブチレンブロックの末端のうちの少なくとも1つの末端において、ガラス転移温度が60℃以上である熱可塑性ブロックを含む、請求項1〜3のいずれか1項記載のタイヤ。
  5. ポリイソブチレンブロックを含む前記熱可塑性エラストマーの前記熱可塑性ブロックが、スチレン、メチルスチレン、パラ‐(tert‐ブチル)スチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン、パラ‐ヒドロキシスチレンおよびこれらのモノマーの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合モノマーからなる、請求項4記載のタイヤ。
  6. ポリイソブチレンブロックを含む前記熱可塑性エラストマーが、スチレン/イソブチレンジブロックコポリマー (“SIB”)、スチレン/イソブチレン/スチレントリブロックコポリマー (“SIBS”)およびこれらのコポリマーの混合物からなる群から選ばれる、請求項5記載のタイヤ。
  7. ポリイソブチレンブロックを含む前記熱可塑性エラストマーが、スチレン/イソブチレン/スチレントリブロックコポリマー(“SIBS”)である、請求項6記載のタイヤ。
  8. ポリイソブチレンブロックを含む前記熱可塑性エラストマーの前記熱可塑性ブロックが、エチレン;プロピレン;エチレンオキシド;塩化ビニル;アセナフチレン;インデン;2‐メチルインデン;3‐メチルインデン;4‐メチルインデン;ジメチルインデン;2‐フェニルインデン;3‐フェニルインデン;4‐フェニルインデン;イソプレン;アクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸およびメタクリル酸の各エステル;アクリルアミドの誘導体;メタクリルアミド誘導体;アクリロニトリル誘導体;メタクリロニトリル誘導体;メチルメタクリレート;セルロース誘導体およびこれらの化合物の混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合モノマーからなる、請求項4記載のタイヤ。
  9. 前記1種以上のジエンエラストマーが、本質的に不飽和のジエンエラストマーおよびこれらエラストマーの混合物からなる群から選ばれる、請求項1〜8のいずれか1項記載のタイヤ。
  10. 前記1種以上のジエンエラストマーが、4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合させることによって得られるホモポリマー、1種以上の共役ジエンを、他のジエンまたは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物と共重合させることによって得られるコポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項9記載のタイヤ。
  11. 前記1種以上のジエンエラストマーが、ポリブタジエン、合成ポリイソプレン、天然ゴム、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらエラストマーの混合物からなる群から選ばれる、請求項10記載のタイヤ。
  12. 前記補強用充填剤の含有量が、0〜90phr、好ましくは5〜80phrである、請求項1〜11のいずれか1項記載のタイヤ。
  13. 前記補強用充填剤の含有量が、0〜70phr、好ましくは5〜70phrである、請求項1〜11のいずれか1項記載のタイヤ。
  14. 前記補強用充填剤が、カーボンブラックおよび/またはシリカである、請求項1〜13のいずれか1項記載のタイヤ。
  15. 主要補強用充填剤が、カーボンブラックである、請求項14記載のタイヤ。
  16. ジエンエラストマーの前記含有量が60〜90phrであり、ポリイソブチレンブロックを含む熱可塑性エラストマーの前記含有量が10〜40phrである、請求項1〜15のいずれか1項記載のタイヤ。
  17. 前記外部側壁のゴム組成物が、ポリイソブチレンエラストマーを含まないか、或いは15phr未満、好ましくは10phr未満、より好ましくは5phrのポリイソブチレンエラストマーを含む、請求項1〜16のいずれか1項記載のタイヤ。
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