JP5620822B2 - タイヤ製造用のゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤの製造用、さらに詳細には、タイヤの“内部ライナー”として一般に知られている空気不透過性内部層の製造用ゴム組成物に関する。
このことは、チューブレスタイヤが、酸化感受性金属ケーブルを含むプライのような、タイヤの収縮を防止し且つタイヤの感受性内部領域を酸素および水の浸入から保護するための空気に対して低透過性の内部表面を示し、この保護は、タイヤの耐久性を改良するのを可能にするからである。今日、タイヤの内部表面のそのような保護は、ブチルゴムをベースとするエラストマー組成物からなる内部ライナーによって付与されている。
しかしながら、燃料の節減および環境保護の必要性は優先事項となっているので、空気に対して不透過性であり且つできる限り低い重量とヒステリシスを示す内部ライナーを製造して、タイヤの改良された転がり抵抗性を得ることが望ましい。実際には、ブチルゴムの空気に対する不透過性に関する性能は、重要でないことはない最小厚さ(ミリメートル級の)、ひいては、これらの新しい要求に効率的に応答することを可能にはしていないある種の重量に関連している。
従って、カーボンブラックのような補強用充填剤を内部ライナーエラストマー組成物に添加してその不透過性を改良することが必要である。しかしながら、大量においては、これらの補強用充填剤は、生状態:“加工性”として一般に知られている生組成物の加工の困難性、および硬化状態:機械的性質の劣化、特に、曲げ強度の低下、の双方において、組成物のある種の性質に対して有害な影響を有する。オイルタイプの可塑剤の導入は、加工性および機械的性質のこれらの状況を克服することを可能にしているが、不透過性にとっては極めて不都合である。
これらの欠点を克服するための種々の解決法が想定されているが、特に、上記補強用充填剤に対して付加的であり、スメクタイト、特に有機物親和性スメクタイトの名称で多くの場合知られている他のタイプの充填剤を使用することによる種々の解決法が想定されている。これらの有機物親和性スメクタイトは、上記材料の不透過特性を、これらのスメクタイトが上記材料中に良好に分散する場合、即ち、これらの充填剤の上記材料中での均質な分散と上記材料との良好な適合性の双方がある場合には改善する。この分散は、多くの場合、エラストマーとそのような充填剤間に存在する低い熱力学的適合性のために得ることが困難である。
公報JP 2004143366A号は、カーボンブラックを含み且つエラストマーマトリックス中に分散させたグラファイトも含むブチルゴムをベースとするタイヤ内部ライナー組成物を記載しており、このグラファイトの添加は、気体に対する不透過性を改良するのを可能にしている。しかしながら、追加の充填剤を添加することは、混合物の加工性にとって有害である。
本出願法人は、2007年5月25日付きの出願番号07/03751を有し、今までのところまだ公開されていない本出願法人のフランス特許出願において、グラファイトと30℃よりも高いガラス転移温度を有する樹脂を添加することからなり、混合物の加工性を改良すること(グラファイトを含まないまたはグラファイトのみを含む混合物と対比して)および組成物の上記不透過性を改良すること(グラファイトを含まない混合物と対比して、また、グラファイトのみを含む混合物と対比して)の双方を可能にする新規な解決方法を記載している。
本出願法人は、これらの調査研究を継続しており、驚くべきことに、タイヤ内部ライナー用のゴム組成物において、ブチルゴムのような通常使用するエラストマーおよび補強用充填剤の存在下での低分子量のポリイソブチレンオイルとグラファイトとの組合せが従来技術の組成物のそれら特性と同等に良好な加工性および曲げ強度の各特性を得ることのみならず、気体に対する改良された不透過特性得ること並びに転がり抵抗性および耐久性の各特性を有意に改良することも可能にすることを見出した;勿論、このことによって、他の性質が犠牲にされることはない。
上述したように、オイル類は、加工性を改良するその性質については知られているが、オイル類は漏れ防止に対しては有害であることも知られている。本発明においては、驚くべきことに、一方では、上記グラファイトと低分子量ポリイソブチレンオイルの組合せがグラファイトのみを含む組成物と対比して漏れ防止性を改良するのを可能にすることを、他方では、この組成物が、上記グラファイト/樹脂解決法(本出願法人の上記フランス出願)と対比して同じ漏れ防止性において、混合物のヒステリシスを低下させ、ひいては、この組成物から製造した内部ライナーを有するタイヤの転がり抵抗性を低下させることも可能にすることを見出した。
従って、本発明の主題は、上記の解決法と対比してさらに改良されている不透過性および改良された転がり抵抗性の各特性を、加工性および曲げ強度の各機械的性質を劣化させることなく示す、特にタイヤ内部ライナー用の新規な組成物である。
本発明は、少なくとも、ブチルゴム、本質的に不飽和のジエンエラストマー、本質的に飽和のジエンエラストマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる主要エラストマーおよび補強用充填剤をベースとするゴム組成物に関し、該組成物は、グラファイトおよび2〜50pheの割合で存在する200g/モル〜40 000g/モル、好ましくは500g/モル〜35 000g/モル、より好ましくは1000g/モル〜30 000g/モルの分子量を有する官能化または非官能化ポリイソブチレンオイルも含むことを特徴とする。
本発明の別の実施態様によれば、上記主要エラストマーは、ブチルゴム、さらに詳細には、イソブテンとイソプレンとのコポリマーまたは臭素化もしくは塩素化ポリイソブチレンからなる。
本発明のもう1つの別の実施態様によれば、上記主要エラストマーは、ジエンエラストマー、有利には、本質的に不飽和または本質的に飽和のジエンエラストマーである。
本発明のもう1つの実施態様によれば、上記主要エラストマーは、上記組成物のエラストマーの100%を示す。
本発明のもう1つの実施態様によれば、上記組成物は、ブチルゴム、本質的に不飽和のジエンエラストマー、本質的に飽和のジエンエラストマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる1種以上の他のエラストマーを含む。
有利には、グラファイトは、層状形で使用する。
グラファイトは、天然、膨張性、膨張または合成グラファイトであり得る;また、グラファイトは、天然グラファイトおよび/または膨張性天然グラファイトおよび/または膨張グラファイトおよび/または合成グラファイトの混合物であり得る。
また、本発明は、少なくとも、ブチルゴム、本質的に不飽和のジエンエラストマー、本質的に飽和のジエンエラストマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる主要エラストマーおよび補強用充填剤をベースとするゴム組成物であって、グラファイトおよび2〜50pheの割合で存在する200g/モル〜40 000g/モル、好ましくは500g/モル〜35 000g/モル、より好ましくは1000g/モル〜30 000g/モルの分子量を有する官能化または非官能化ポリイソブチレンオイルも含むことを特徴とする上記組成物を含むタイヤ物品にも関し、さらにまた、そのようなゴム組成物を含むタイヤにも関する。
最後に、本発明は、少なくとも、ブチルゴム、本質的に不飽和のジエンエラストマー、本質的に飽和のジエンエラストマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる主要エラストマーおよび補強用充填剤をベースとする組成物の製造方法に関し、上記組成物は、グラファイトおよび官能化または非官能化ポリイソブチレンオイルも含むことを特徴とし、上記製造方法は下記の工程を含む:
ミキサー内で、ジエンエラストマー中に、補強用充填剤、グラファイト、ポリイソブチレンオイルを混入し、全てを、110℃〜190℃の最高温度に達するまで、1回以上熱機械的に混練する工程;
その後、架橋系を混入する工程;
全てを110℃よりも低い最高温度まで混練する工程。
I. 測定法および試験法
上記ゴム組成物は、以下で示すようにして、硬化の前後において特性決定する。
I‐1. ムーニー可塑度
フランス規格 NF T 43‐005(1991年)に記載されているような振動(oscillating)稠度計を使用する。ムーニー可塑度測定は、次の原理に従って実施する:生状態(即ち、硬化前)の組成物を、100℃に加熱した円筒状チャンバー内で成形する。1分間の予熱後、ローターが試験標本内で2回転/分で回転し、この運動を維持するための仕事トルクを4分間の回転後に測定する。ムーニー可塑度(ML 1+4)は、“ムーニー単位”(MU、1MU = 0.83ニュートン.メートル)で表す。
I‐2. 引張試験
これらの試験は、弾性応力および破壊点諸特性の測定を可能にする。特に断らない限り、これらの試験は、1988年9月のフランス規格 NF T 46‐002に従って実施する。公称割線モジュラス(即ち、見掛け応力、MPa)を、10%伸び(“EM10”と記す)および100%伸び(“EM100”)において、2回目の伸びにおいて(即ち、順応サイクル後に)測定する。これらの引張測定は、全てフランス規格 NF T 40‐101 (1979年12月)に従う標準の温度(23±2℃)および湿度(50±5%相対湿度)条件において実施する。また、破壊応力(MPaでの)および破壊点伸び(%での)も、23℃の温度で測定する。
I‐3. 動的特性
動的特性ΔG*およびtan(δ)maxは、規格ASTM D 5992‐96に従って、粘度アナライザー(Metravib VA4000)において測定する。規格ASTM D 1349‐99に従う標準温度条件下に単純な交互正弦剪断応力に10Hzの周波数で供した加硫組成物のサンプル(厚さ2mmおよび78.5mm2の断面を有する円筒状試験片)の応答を記録する。頂点‐頂点(crest-to-crest)歪み振幅掃引を、0.1%から50%まで(外方向サイクル)、次いで、50%から0.1%まで(戻りサイクル)で実施する。使用する結果は、複素動的剪断モジュラス(G*)および損失係数(tan(δ)である。観察されたtan(δ)の最高値(tan(δ)max)および0.15%歪みでの値と50%歪みでの値間の複素モジュラスの差(ΔG*) (パイネ効果)が戻りサイクルにおいて示される。
I‐4. 透過度
透過度値は、Mocon Oxtran 2/60透過度“テスター”を40℃で使用して測定する。所定の厚さ(およそ0.8〜1mm)を有するディスク形状の硬化サンプルを上記装置に装着し、真空グリースで漏れ防止状態にする。ディスクの1面を68.95kPa (10psi)の窒素下に保ち、他の1面を68.95kPa (10psi)の酸素下に保つ。酸素濃度の上昇を、“Coulox”酸素検出器を使用して、窒素下に保った面上でモニターする。酸素に対する透過度を測定するのに使用した、一定値に達するのを可能にしている窒素下に保った面上の酸素濃度を記録する。
100の任意値を対照の酸素に対する透過度に対して与え、100よりも低い結果が、酸素に対する透過度の低下ひいては良好な不透過性を指標する。
II. 発明の詳細な説明
少なくとも、ブチルゴム、本質的に不飽和のジエンエラストマー、本質的に飽和のジエンエラストマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる主要エラストマーおよび補強用充填剤をベースとする本発明に従うゴム組成物は、グラファイトおよび2〜50pheの割合で存在する200g/モル〜40 000g/モルの分子量を有する官能化または非官能化ポリイソブチレンオイルも含むことを特徴とする。
上記組成物は、そのタイヤの内部ライナーとしての使用においては、主要エラストマーとして、ブチルゴムからなる群から選ばれるエラストマーを含む。しかしながら、本発明に従う組成物の改良された漏れ防止およびヒステリシス特性は、本質的に不飽和または飽和のエラストマーおよび/またはこれらエラストマーの混合物を主として使用するタイヤにおける他の点(トレッド、側壁等)でのそれら組成物の使用を推奨することも可能にしている。
明確に断らない限り、本特許出願において示すパーセントは質量%である。
II‐1. エラストマー即ち“ゴム”
通常、用語“エラストマー”または“ゴム”は、互換可能であり、本明細書においては、区別なしで使用する。
チューブレスタイヤの漏れ防止内部ライナーを意図する本発明に従う組成物は、単独でまたは1種以上の他のブチルゴムまたはジエンエラストマーとの混合物として使用する少なくとも1種のブチルゴムを含む。
用語“ブチルゴム”は、ポリ(イソブチレン)のホモポリマーまたはポリ(イソブチレン)とイソプレンとのコポリマー(この場合、このブチルゴムはジエンエラストマーのうちに包含される)またはそのハロゲン化誘導体、とりわけ一般的には、これらのポリ(イソブチレン)のホモポリマーまたはポリ(イソブチレン)とイソプレンとのコポリマーの臭素化または塩素化誘導体を意味するものと理解されたい。
本発明を実施するのに特に適しているブチルゴムの例としては、イソブチレンとイソプレンのコポリマー(IIR)、ブロモイソブチレン/イソプレンコポリマー(BIIR)のようなブロモブチルゴム、クロロイソブチレン/イソプレンコポリマー(CIIR)のようなクロロブチルゴム、およびイソブチレンゴムが挙げられる。
上記の定義を拡大すれば、名称“ブチルゴム”は、イソブチレンと臭素化メチルスチレンとのコポリマー(BIMS)のようなイソブチレンとスチレン誘導体とのコポリマーも包含し、これらのコポリマーのうちには、特に、Exxon社から販売されているExxproと称するエラストマーがある。
“ジエン”エラストマーまたはゴムなる用語は、知られている通り、ジエンモノマー(共役型であってもまたはなくてもよい2個の炭素‐炭素二重結合を担持するモノマー)に少なくとも一部由来する(1種以上の)エラストマー(即ち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味するものと理解すべきである。
これらのジエンエラストマーは、2つのカテゴリー、即ち、“本質的に不飽和”または“本質的に飽和”に分類し得る。
“本質的に不飽和”なる用語は、一般に、15%(モル%)よりも多いジエン起源(共役ジエン類)の単位量を有する共役ジエンモノマー類に少なくとも一部由来するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。“本質的に不飽和”のジエンエラストマーのカテゴリーにおいては、用語“高不飽和”ジエンエラストマーは、特に、50%よりも多いジエン起源(共役ジエン類)の単位量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
従って、ある種のブチルゴムまたはEPDMタイプのジエン類とα‐オレフィン類とのコポリマーのようなジエンエラストマーは、“本質的に飽和”のジエンエラストマー類(常に15%未満である低いまたは極めて低いジエン起原単位量)として説明し得る。
これらの定義を考慮すると、本発明に従う組成物中で使用し得るジエンエラストマーなる用語は、上記の定義のいずれであれ、さらに詳細には、下記を意味するものと理解されたい:
(a) 4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られる任意のホモポリマー;
(b) 1種以上の共役ジエン類相互間或いは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られる任意のコポリマー;
(c) エチレンおよび3〜6個の炭素原子を有するα‐オレフィンと6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエンモノマーとの共重合によって得られる3成分コポリマー、例えば、エチレンおよびプロピレンと特に1,4‐ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエンのような上述のタイプの非共役ジエンモノマーとから得られるエラストマー;
(d) イソブテンとイソプレンのコポリマー(ジエンブチルゴム)、さらにまた、このタイプのコポリマーのハロゲン化形、特に塩素化または臭素化形。
本発明は任意のタイプのジエンエラストマーに適応するけれども、タイヤ技術における熟練者であれば、本発明は、好ましくは、タイヤ内部ライナーとしての使用においては、特に上記のタイプ(d)の本質的に飽和のジエンエラストマーにおいて使用するものであることを理解されたい。
以下は、共役ジエン類として、特に適している:1,3‐ブタジエン;2‐メチル‐1,3‐ブタジエン;例えば、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、2,3‐ジエチル‐1,3‐ブタジエン、2‐メチル‐3‐エチル‐1,3‐ブタジエンまたは2‐メチル‐3‐イソプロピル‐1,3‐ブタジエンのような2,3‐ジ(C1〜C5アルキル)‐1,3‐ブタジエン類;アリール‐1,3‐ブタジエン、1,3‐ペンタジエンまたは2,4‐ヘキサジエン。以下は、例えば、ビニル芳香族化合物として適している:スチレン;オルソ‐、メタ‐またはパラ‐メチルスチレン;“ビニルトルエン” 市販混合物;パラ‐(tert‐ブチル)スチレン;メトキシスチレン類;クロロスチレン類;ビニルメシチレン;ジビニルベンゼンまたはビニルナフタレン。
コポリマー類は、99質量%〜20質量%のジエン単位と1質量%〜80質量%のビニル芳香族単位を含有し得る。これらのエラストマーは、使用する重合条件、特に、変性剤および/またはランダム化剤の存在または不存在並びに使用する変性剤および/またはランダム化剤の量に依存する任意のミクロ構造を有し得る。これらのエラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、序列または微細序列エラストマーであり得、分散液または溶液中で調製し得る;これらのエラストマーは、カップリング剤および/または星型分枝化剤(star-branching agent)或いは官能化剤によってカップリング化および/または星型分枝化或いは官能化し得る。カーボンブラックとのカップリングにおいては、例えば、C‐Sn結合を含む官能基または、例えば、ベンゾフェノンのようなアミノ化官能基を挙げることができる。シリカのような補強用無機充填剤とのカップリングにおいては、例えば、シラノール官能基またはシラノール末端を有するポリシロキサン官能基(例えば、FR 2 740 778号またはUS 6 013 718号に記載されているような)、アルコキシシラン基(例えば、FR 2 765 882号またはUS 5 977 238号に記載されているような)、カルボキシル基(例えば、WO 01/92402号またはUS 6 815 473号、WO 2004/096865号またはUS 2006/0089445号に記載されているような)、またはポリエーテル基(例えば、EP 1 127 909号またはUS 6 503 973号に記載されているような)を挙げることができる。また、官能化エラストマーの他の例としては、エポキシ化タイプのエラストマー(SBR、BR、NRまたはIRのような)も挙げることができる。
以下が適切である:ポリブタジエン類、特に、4%〜80%の1,2‐単位含有量(モル%)を有するポリブタジエン類または80%よりも多いシス‐1,4‐単位含有量(モル%)を有するポリブタジエン類;ポリイソプレン類;ブタジエン/スチレンコポリマー類、特に、0℃〜−70℃、特に10℃〜−60℃のガラス転移温度Tg (ASTM規格 D3418に従って測定)、5質量%〜60質量%特に20質量%〜50質量%のスチレン含有量、4%〜75%のブタジエン成分1,2‐結合含有量(モル%)および10%〜80%のトランス‐1,4‐結合含有量(モル%)を有するコポリマー類;ブタジエン/イソプレンコポリマー類、特に、5質量%〜90質量%のイソプレン含有量および−40℃〜−80℃のTgを有するコポリマー類;または、イソプレン/スチレンコポリマー類、特に、5質量%〜50質量%のスチレン含有量および−25℃〜−50℃のTgを有するコポリマー類。ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマー類の場合、5質量%〜50質量%特に10質量%〜40質量%のスチレン含有量、15質量%〜60質量%特に20質量%〜50質量%のイソプレン含有量、5質量%〜50質量%特に20質量%〜40質量%のブタジエン含有量、4%〜85%のブタジエン成分1,2‐単位含有量(モル%)、6%〜80%のブタジエン成分トランス‐1,4‐単位含有量(モル%)、5%〜70%のイソプレン成分1,2‐+3,4‐単位含有量(モル%)および10%〜50%のイソプレン成分トランス‐1,4‐単位含有量(モル%)を有するコポリマー類、さらに一般的には、−20℃と−70℃の間のTgを有する任意のブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーが、特に適している。
最後に、用語“イソプレンエラストマー”は、知られている通り、イソプレンホモポリマーまたはコポリマー、換言すれば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、イソプレンの各種コポリマーおよびこれらエラストマーの混合物からなる群から選ばれたジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。イソプレンコポリマーのうちでは、特に、イソブテン/イソプレンコポリマー(IIR)類、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)類、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)類またはイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)類が挙げられる。このイソプレンエラストマーは、好ましくは、天然ゴムまたは合成シス‐1,4‐ポリイソプレンである;これらの合成ポリイソプレンのうちでは、好ましくは90%よりも多い、より好ましくは98%よりも多いシス‐1,4‐結合量(モル%)を有するポリイソプレンを使用する。
要するに:
‐本発明の1つの実施態様によれば、本発明に従う組成物の主要エラストマーは、ブチルゴム(特に、タイヤ内部ライナーとしての用途において)である;ブチルゴムは、好ましくは、イソブテンとイソプレンとのコポリマーからなる本質的に飽和のジエンエラストマーおよびこれらエラストマーのハロゲン化誘導体の群から選ばれ、この本質的に飽和のエラストマーは、ポリブタジエン(“BR”と略記する)、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)およびイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)、並びにこれらのエラストマーの混合物からなる高不飽和ジエンエラストマーの群から選ばれるエラストマーとの混合物として使用することが可能である。
‐本発明のもう1つの実施態様によれば、上記主要エラストマーは、本発明に従う組成物の本質的に不飽和のジエンエラストマーである;本質的に不飽和のジエンエラストマーは、好ましくは、ポリブタジエン(“BR”と略記する)、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる高不飽和ジエンエラストマーの群から選ばれる。そのようなコポリマーは、さらに好ましくは、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)およびイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)からなる群から選ばれる。
この実施態様においては、ジエンエラストマーは、主として(即ち、50pheよりも多くにおいて)、イソプレンエラストマーまたはSBR(エマルジョン中で調製したSBR (“ESBR”)または溶液中で調製したSBR (“SSBR”)のいずれか)、或いはSBR/BR、SBR/NR(またはSBR/IR)、BR/NR(またはBR/IR)またはSBR/BR/NR(またはSBR/BR/IR)混合物である。SBR (ESBRまたはSSBR)エラストマーの場合は、特に、例えば20質量%〜35質量%の中程度のスチレン含有量または例えば35〜45質量%の高スチレン含有量、15%〜70%のブタジエン成分ビニル結合含有量、15%〜75%のトランス‐1,4‐結合含有量(モル%)および−10℃と−55℃の間のTgを有するSBRを使用する;そのようなSBRは、好ましくは90%(モル%)よりも多いシス‐1,4‐結合を有するBRとの混合物として有利に使用し得る。
この実施態様は、特に、タイヤにおいて、ある種のトレッド類(例えば、産業用車両用の)、クラウン補強用プライ(例えば、作動プライ、保護プライまたはフーピングプライ)、カーカス補強用プライ、側壁、ビード、プロテクター、下地層、ゴムブロック、およびタイヤの上記領域間の界面を与える他の内部ライナーのゴムマトリックスを構成させることを意図する本発明の組成物に相応する。
II‐2. 補強用充填剤
タイヤの製造において使用することのできるゴム組成物を補強する能力について知られている任意のタイプの補強用充填剤、例えば、カーボンブラックのような有機充填剤、シリカのような補強用無機充填剤、またはこれらの2つのタイプの充填剤の混合物、特に、カーボンブラックとシリカの混合物を使用し得る。
タイヤにおいて通常使用する全てのカーボンブラック類、特に、HAF、ISAFまたはSAFタイプのブラック類(“タイヤ級ブラック類)は、カーボンブラックとして適している。さらに詳細には、後者のうちでは、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347またはN375ブラック類のような100、200または300シリーズの補強用カーボンブラック類(ASTM級)を、或いは、目標とする用途次第では、より高級なシリーズのブラック類(例えば、N660、N683またはN772)を、実際にはN990でさえも挙げることができる。
カーボンブラックをイソプレンエラストマーと一緒に使用する場合には、カーボンブラックは、マスターバッチの形で、イソプレンエラストマー中に前以って混入することができる(例えば、出願WO 97/36724号またはWO 99/1660号を参照されたい)。
カーボンブラック以外の有機充填剤の例としては、出願WO-A-2006/069792号およびWO-A-2006/069793号に記載されているような官能化ポリビニル芳香族有機充填剤を挙げることができる。
用語“補強用無機充填剤”とは、本特許出願においては、定義により、カーボンブラックと対比して、“白色充填剤”、“透明充填剤”としてまたは“非黒色充填剤”としてさえも知られており、それ自体単独で、中間カップリング剤以外の手段によることなく、タイヤの製造を意図するゴム組成物を補強し得、換言すれば、通常のタイヤ級カーボンブラックとその補強役割において置換わり得る、その色合およびその起源(天然または合成)の如何にかかわらない任意の無機または鉱質充填剤を意味するものと理解すべきである;そのような充填剤は、一般に、知られているとおり、その表面でのヒドロキシル(‐OH)基の存在に特徴を有する。
補強用無機充填剤を使用する物理的状態は、粉末、マイクロビーズ、顆粒、ビーズまたは任意の他の適切な濃密形のいずれの形状であれ、重要ではない。勿論、補強用無機充填剤なる用語は、種々の補強用無機充填剤、特に、以下で説明するような高分散性シリカ質および/またはアルミナ質充填剤の混合物を意味することも理解されたい。
シリカ質タイプ、特にシリカ(SiO2)またはアルミナ質タイプ、特にアルミナ(Al2O3)の鉱質充填剤は、特に補強用無機充填剤として適切である。使用するシリカは、当業者にとって既知の任意の補強用シリカ、特に、共に450 m2/g未満、好ましくは30〜400m2/gであるBET表面積とCTAB比表面積を示す任意の沈降または焼成シリカであり得る。高分散性(“HD”)沈降シリカのとしては、例えば、Degussa社からのUltrasil 7000およびUltrasil 7005シリカ類;Rhodia社からのZeosil 1165 MP、1135 MPおよび1115 MPシリカ類;PPG社からのHi-Sil EZ150Gシリカ;Huber社からのZeopol 8715、8745または8755シリカ類;および、出願WO 03/016837号に記載されているような高比表面積を有するシリカ類を挙げることができる。
本発明の組成物を、低転がり抵抗性を有するタイヤトレッド用に意図する場合、使用する補強用無機充填剤は、特にシリカである場合、好ましくは45〜400m2/g、より好ましくは60〜300m2/gの間のBET表面を有する。
補強用無機充填剤をジエンエラストマーにカップリングさせるためには、知られている通り、上記無機充填剤(その粒子表面)とジエンエラストマー間に化学的および/または物理的性質の満足し得る結合を付与することを意図する少なくとも二官能性のカップリング剤(または結合剤)、特に、二官能性のオルガノシランまたはポリオルガノシロキサンを使用する。
特に、例えば、出願WO 03/002648号(またはUS 2005/016651号)およびWO 03/002649号(またはUS 2005/016650号)に記載されているような、その特定の構造により“対称形”または“非対称形”と称するシランポリスルフィド類を使用する。
下記の一般式(III)に相応する“対称形”のシランポリスルフィド類は、下記の定義に限定することなしに、特に適している:

(III) Z‐A‐Sx‐A‐Z

[式中、xは、2〜8 (好ましくは2〜5)の整数であり;
Aは、2価の炭化水素基(好ましくはC1〜C18アルキレン基またはC6〜C12アリーレン基、特にC1〜C10、特にC1〜C4アルキレン基、特にプロピレン)であり;
Zは、下記の式の1つに相応する:
Figure 0005620822

(式中、R1基は、置換されているかまたは置換されてなくて、互いに同一かまたは異なるものであり、C1〜C18アルキル、C5〜C18シクロアルキルまたはC6〜C18アリール基(好ましくはC1〜C6アルキル、シクロヘキシルまたはフェニル基、特にC1〜C4アルキル基、特にメチルおよび/またはエチル)を示し;
R2基は、置換されているかまたは置換されてなくて、互いに同一かまたは異なるものであり、C1〜C18アルコキシルまたはC5〜C18シクロアルコキシル基(好ましくは、C1〜C8アルコキシルまたはC5〜C8シクロアルコキシル基から選ばれる基、さらに好ましくはC1〜C4アルコキシル基、特に、メトキシルおよびエトキシル基から選ばれる基)を示す)]。
上記式(III)に相応するアルコキシシランポリスルフィド類の混合物、特に、商業的に入手し得る通常の混合物の場合、“x”指数の平均値は、好ましくは2と5の間、より好ましくは4に近い分数である。しかしながら、本発明は、例えば、アルコキシシランジスルフィド(x = 2)によっても有利に実施し得る。
シランポリスルフィドの例としては、特に、例えば、ビス(3‐トリメトキシシリルプロピル)またはビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド類のような、ビス((C1〜C4)アルコキシル(C1〜C4)アルキルシリル(C1〜C4)アルキル)ポリスルフィド類(特に、ジスルフィド類、トリスルフィド類またはテトラスルフィド類)が挙げられる。これらの化合物のうちでは、特に、式[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2を有するTESPTと略称されるビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、または式[(C2H5O)3Si(CH2)3S]2を有するTESPDと略称されるビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを使用する。また、好ましい例としては、特許出願WO 02/083782号(またはUS 2004/132880号)に記載されているような、ビス(モノ(C1〜C4)アルコキシルジ(C1〜C4)アルキルシリルプロピル)ポリスルフィド類(特に、ジスルフィド類、トリスルフィド類またはテトラスルフィド類)、特に、ビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドも挙げられる。
アルコキシシランポリスルフィド類以外のカップリング剤としては、特に、二官能性POS (ポリオルガノシロキサン)類;または、特許出願WO 02/30939号(またはUS 6 774 255号)およびWO 02/31041号(またはUS 2004/051210号)に記載されているようなヒドロキシシランポリスルフィド類(上記式(III)においてR2 = OH);または、例えば特許出願WO 2006/125532号、WO 2006/125533号およびWO 2006/125534号に記載されているようなアゾジカルボニル官能基を担持するシラン類またはPOS類が挙げられる。
最後に、当業者であれば、他の性質、特に有機性を有する補強用充填剤を、この補強用充填剤がシリカのような無機層によって被覆されているか或いはその表面に、官能部位、特にヒドロキシルを含み、該充填剤と上記エラストマー間の結合を形成させるためのカップリング剤の使用を必要とすることを条件として、この項で説明する補強用無機充填剤と等価の充填剤として使用し得ることを理解されたい。
好ましくは、総補強用充填剤(カーボンブラックおよび/またはシリカのような補強用無機充填剤)の量は、20〜200phe、好ましくは30〜150pheであり、最適量は、知られている通り、目標とする特定の用途に応じて異なる:例えば、自転車タイヤに関して期待される補強レベルは、勿論、持続方式で高速走行し得るタイヤ、例えば、オートバイタイヤ、乗用車用タイヤまたは重量車両のような実用車両用のタイヤに関して必要な補強レベルよりも低い。
上記組成物をタイヤ内部ライナーとして使用するに当っては、好ましくは、30pheよりも高い割合のカーボンブラックを使用する。好ましくは、カーボンブラックの量は、30〜120pheである;何故ならば、この量を超えると、組成物の剛性の点での不利益がタイヤ内部ライナーとしての用途においては高過ぎるからである。N990カーボンブラックのような超高ASTM級のカーボンブラックは、700級カーボンブラックよりも補強性は低く、600級カーボンブラックよりもさらに低いこと、さらに、同じ補強力のためには、600または700級ブラックの場合よりも900級カーボンブラックの場合において高いカーボンブラック含有量を使用する必要があることは明白である。
さらに好ましくは、カーボンブラックの割合は、30〜70pheである;この割合は、特に、ASTM級600または700のカーボンブラックを使用する場合であり、さらにより好ましくは、この割合は、35〜60pheである。
カーボンブラックは、有利には、単独の補強用充填剤または主要量の補強用充填剤を構成し得る。勿論、種々のASTM級の単一種のカーボンブラックまたは数種のカーボンブラックの混合物を使用し得る。
また、カーボンブラックは、他の補強用充填剤、特に上記で説明したような補強用無機充填剤、特にシリカとの混合物としても使用し得る。
II‐3. グラファイトタイプの充填剤
グラファイトなる用語は、一般に、炭素原子の非コンパクト六角形シートの集合体、即ち、グラフェン(graphene)を意味するものと理解されたい。六方晶系のグラファイトは、B面がA面に対して平行移動(translate)しているABABタイプの積層体を示す。
グラファイトは、項II‐2において明記している定義の意味内の補強用充填剤とはみなし得ない;しかしながら、グラファイトを取込んでいるゴム組成物の引張係数を増大させる限りにおいては、準補強用充填剤とみなし得る。
これらの定義を考慮すれば、本発明に従う組成物中で使用することのできるグラファイトは、さらに具体的には、下記を意味するものと理解されたい:
(a) グラファイト鉱脈に付随する不純物を分離した後でミリングした後の、変成作用による影響を受けた岩石に付随する任意の天然グラファイト;
(b) 任意の熱膨張性天然グラファイト、即ち、液体状態の1種以上の化学化合物、例えば、酸がそのグラフェン面間に内挿されているグラファイト;
(c) 2段階(天然グラファイトのグラフェン面間への液体状態の1種以上の化学化合物、例えば、酸の化学処理による挿入およびその後の高温膨張)で生成させた任意の膨張天然グラファイト;および、
(d) 石油コークスのグラファイト化によって得られた任意の合成グラファイト。
本発明の組成物は、単一種のグラファイトまたは数種のグラファイトの混合物を含有し得る;即ち、天然グラファイトおよび/または膨張グラファイトおよび/または合成グラファイトのブレンドを含み得る。
上記で定義したようなグラファイトは、形態学的には、層状または非層状形で使用し得る。驚くべきことに、これら2つのタイプの形態のいずれを有するグラファイトも本発明に従う組成物において適していることを見出している;しかしながら、層状形のグラファイトが優先して適しており、グラファイトが気体透過流に対して垂直の最大面を有するように配向している場合は、なお一層適している。
グラファイトは、本発明に従う組成物中で、3phe〜50phe、好ましくは5〜30pheの範囲の含有量で存在する。
ケイ素系層状充填剤のような不活性(非補強用)充填剤、特に、スメクタイト、カオリン、タルク、雲母、バーミキュライト等のようなフィロケイ酸塩は、グラファイトとの混合物として使用し得る。
II‐4. ポリイソブチレンオイル
本発明のゴム組成物は、増量剤オイル(または可塑化用オイル)を使用し、その通常の役割は、ムーニー可塑度を低下させることによって加工性を容易にすること、および硬化状態での伸張モジュラスを低下させることによって耐久性を改良することである。
周囲温度(23℃)においては、これらのオイル類は、本来固体である樹脂またはゴムとは特に対照的に、多かれ少なかれ粘稠であり、液体(即ち、要約すると、その容器の形状を取る能力を長時間有する物質)である。
本発明によれば、200g/モル〜40 000g/モルの数平均分子量(Mn)を有するポリイソブチレンオイルを使用する。過度に低いMn分子量においては、オイルが組成物の外に移行するリスクが存在し、一方、過度に高いMn分子量は、組成物の過度の硬質化をもたらし得る。低分子量を有する上記ポリイソブチレンオイルは、試験した他のオイル、特に、パラフィンタイプの通常のオイルと比較して、諸性質のはるかに良好な妥協点を示している。
好ましくは、本発明に従う組成物においては、上記ポリイソブチレンオイルは、500g/モル〜35 000g/モル、より好ましくは1000g/モル〜30 000g/モル分子量を有する。
例えば、ポリイソブチレンオイルは、特に、Univar社から品名“Dynapak Poly”(例えば、“Dynapak Poly 190”)として、BASF社から品名“Glissopal”(例えば、“Glissopal 1000”)または品名“Oppanol”(例えば、“Oppanol B12”)として、Texas Petro Chemical社から品名“TPC”(“TPC 1350”)として、或いはInnovene社から“Indopol”として販売されている。
ポリイソブチレンオイルの数平均分子量(Mn)は、SECによって測定し、サンプルを、予め、テトラヒドロフラン中におよそ1g/lの濃度で溶解しておく;その後、注入前に、溶液を0.45μmの有孔度を有するフィルターにより濾過する。装置は、“Waters Alliance”クロマトグラフィー系である。溶出溶媒はテトラヒドロフランであり、流量は1ml/分であり、系の温度は35℃であり、分析時間は30分である。品名“Styragel HT6E”を有する“Waters”カラムの2本セットを使用する。注入するポリマーサンプルの溶液容量は、100μlである。検出器は“Waters 2410”示差屈折計であり、クロマトグラフィーデータを使用するその関連ソフトウェアは“Waters Millenium”システムである。算出した平均モル質量を、ポリスチレン標準によって形成した較正曲線と対比する。
本発明において適切である低分子量を有するポリイソブチレンオイルは、官能化しても或いは官能化しなくてもよい。即ち、非限定的な例としては、ポリイソブチレンコハク酸無水物オイル(PIBSA)またはポリイソブチレンスクシンイミドオイル(PIBSI)のような、ポリイソブチレンオイルのある種の官能化を挙げることができる。
ポリイソブチレンオイルの量は、好ましくは、2〜50pheである。上記の最低値よりも低いと、エラストマー層または組成物がある種の用途においては高過ぎる剛性を示すリスクが存在し、一方、推奨する最高値よりも低いと、検討中の用途次第では有害であり得る組成物の不十分な凝集および漏れ防止性の喪失のリスクが存在する。
ポリイソブチレンオイルの量は、より好ましくは、5〜30pheである。
II‐5. 各種添加剤
また、本発明に従うゴム組成物は、例えば、他の可塑剤(本発明の可塑化系以外の)、好ましくは非芳香族または極めて僅かに芳香族系の可塑剤、例えば、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、MESまたはTDAEオイル、グリセリンエステル(特に、トリオレート)、特にナタネまたはヒマワリ植物油のような天然エステル;顔料;オゾン劣化防止剤、酸化防止剤または疲労防止剤のような保護剤;イオウまたはイオウ供与体をベースとするおよび/または過酸化物および/またはビスマレイミドをベースとする架橋系;加硫促進剤;加硫活性化剤または戻り防止剤のような、タイヤまたはタイヤ用半製品の製造を意図するエラストマー組成物において一般的に使用する通常の添加剤の全部または1部を含み得る。
また、これらの組成物は、カップリング剤以外に、カップリング活性化剤、無機充填剤の被覆用の薬剤、またはゴムマトリックス中での充填剤の分散性の改善および組成物の粘度の低下により、知られているとおりに、生状態における組成物の加工特性を改善することのできるより一般的な加工助剤も含有し得る;これらの薬剤は、例えば、アルキルアルコキシシランのような加水分解性シラン類;ポリオール類;ポリエーテル類;第1級、第2級または第3級アミン類;および、ヒドロキシル化または加水分解性ポリオルガノシロキサン類である。
II‐6. ゴム組成物の製造
上記組成物は、適切なミキサー内で、当業者にとって周知の2つの連続する製造段階、即ち、第1の、110℃〜190℃、好ましくは130℃〜180℃の最高温度までの高温で熱機械的に加工または混練する段階、並びに、その後の第2の典型的には110℃よりも低い、例えば、40℃〜100℃の低めの温度まで機械加工する段階を使用して製造し、この仕上げ段階において架橋系を混入する。
タイヤ内部ライナー用のゴム組成物を製造する本発明に従う方法は、下記の各工程を含む:
エラストマー中に、第1段階において、少なくとも補強用充填剤、グラファイト、ポリイソブチレンオイルを混入し、全てを、110℃〜190℃の最高温度に達するまで、1回以上熱機械的に混練する工程;
その後、第2段階において、架橋系を混入する工程;
全てを110℃よりも低い最高温度まで混練する工程。
これらの2つの段階は、同じミキサーにおいて連続して実施してもよく、或いは100℃よりも低い温度に冷却する段階によって分離し、その後、最後の段階を第2のミキサーにおいて実施してもよい。
例えば、上記第1段階は、1回の熱機械的段階で実施し、その間に、第1工程において、全ての必須ベース成分(エラストマー、補強用充填剤および必要に応じてのカップリング剤、グラファイトおよびポリイソブチレンオイル)を、通常の密閉ミキサーのような適切なミキサー内に導入し、その後、第2工程において、例えば1〜2分の混合後、架橋系を除いた他の添加剤、任意構成成分としての被覆剤または加工助剤を導入する。そのようにして得られた混合物を冷却した後、この場合は、架橋系を開放ミルのような開放ミキサー内に導入し、低温(例えば、40℃〜100℃)に維持する。その後、混ぜ合わせた混合物を、数分間、例えば、2〜15分間混合する。
特に主要エラストマーをブチルゴムから選択する場合は、加硫系の混入は、第1の熱機械的加工段階におけるのと同じミキサーにおいて生じることに留意すべきである。
架橋系は、好ましくは、イオウと促進剤をベースとする加硫系である。イオウの存在下にエラストマーの加硫促進剤として作用し得る任意の化合物、特に、2‐メルカプトベンゾチアジルジスルフィド(“MBTS”と略記する)、N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“CBS”と略記する)、N,N‐ジシクロヘキシル‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“DCBS”と略記する)、N‐tert‐ブチル‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“TBBS”と略記する)、N‐tert‐ブチル‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンイミド(“TBSI”と略記する)およびこれらの化合物の混合物からなる群から選ばれる化合物を使用することができる。好ましくは、スルフェンアミドタイプの一次促進剤を使用する。
この加硫系に追加して、各種既知の二次促進剤または加硫活性化剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体(特に、ジフェニルグアニジン)等を、上記第1段階中および/または上記第2段階中に混入し得る。
その後、そのようにして得られた最終組成物は、特に実験室での特性決定のための、例えば、シートまたはプラークの形にカレンダー加工するか、或いは、タイヤ内部ライナーとして使用することのできるゴム形状要素の形に押出加工する。
加硫(即ち硬化)は、公知の方法で、一般的には130℃〜200℃の温度で、特に硬化温度、使用する加硫系および検討中の当該組成物の加硫速度に応じて、例えば、5〜90分で変動し得る十分な時間で実施する。
本発明は、いわゆる“生”状態(即ち、硬化前)および“硬化”即ち加硫状態(即ち、加硫後)双方の上述のゴム組成物に関する。
III. 本発明の実施例
以下の実施例は、本発明を例示するのを可能にする;しかしながら、本発明をこれらの実施例のみに限定すべきではない。
ゴム組成物の製造
試験は、以下の方法で実施する:加硫系を除いた補強用充填剤、グラファイト、ポリイソブチレンオイル、ブチルゴムおよび各種他の任意構成成分を、70%まで満たし且つ約60℃の初期容器温度を有する密閉ミキサーに連続して導入する。その後、熱機械的加工を1工程で実施する;この工程は、140℃の最高“落下”温度に達するまで合計でおよそ3〜4分間続く。
そのようにして得られた混合物を回収し、冷却し、その後、イオウおよびスルフェンアミドタイプの促進剤を30℃の開放ミキサー(ホモ・フィニッシャー)において混入し、全てを適切な時間(例えば、5〜12分間)混合する。
そのようにして得られた組成物を、その後、その物理的または機械的性質の測定のためのゴムのプラーク(2〜3mm厚)または薄いシートの形に押出加工するか、或いはタイヤ内部ライナーの形に押出加工する。
この試験の目的は、従来技術の2つの対照組成物と比較して、ゴム特性に関しての本発明に従う組成物の性能の改良を証明することである。
3通りの組成物A1、B1およびC1は、前の項で詳述した方法によって製造し、下記の同じ基本配合1を有していた;各量は、phe、即ち、エラストマー100質量部当りの質量部で表している。

Figure 0005620822

(1) Exxon Chemical社から販売されている臭素化ポリイソブチレン“Bromobutyl 3220”;
(2) 2‐メルカプトベンゾチアジルジスルフィド、MBTS。
組成物A1、B1およびC1は、下記のように定義する:
対照組成物A1は、グラファイトを含まない“通常”のタイヤ内部ライナー組成物であり;
対照組成物B1は、従来技術の幾つかの文献と同様にグラファイトを含むタイヤ内部ライナー組成物に相当し;
本発明に従う組成物C1は、本発明に従う含有量でもってグラファイトおよび低分子量のポリイソブチレンオイルを含有する。
配合の違いを下記の表1に示す:

表1
Figure 0005620822
(3) Timcal社から販売されている天然グラファイト“Timrex 80*150”;
(4) BASF社から販売されているポリイソブチレンオイル“Oppanol B12 SFN”(分子量Mn = 25 000g/モル)。
これら3通りの組成物のゴム特性を、150℃で60分間の硬化前後において測定している。得られた結果を下記の表2に示す。

表2
Figure 0005620822
グラファイトと低分子量のポリイソブチレンオイルを含む本発明に従う組成物C1は、生状態において、対照組成物A1およびB1よりもはるかに良好な加工性(低いムーニー)を示していることが分かる。
硬化後においては、本発明に従う組成物C1は、対照組成物A1の透過性よりも著しく低く、組成物B1の透過性と同じレベルの透過性を示していることが分かる。
さらにまた、本発明に従う組成物C1において得られたモジュラスは、通常の対照組成物A1のモジュラスと全体的に等価であり、破断点伸びおよび破壊応力の各性質は対照組成物A1のそれら性質に近い、一方、組成物B1は、対照組成物A1と比較して劣っている(従って、組成物C1と比較してなおさら劣っている)モジュラス並びに破断点伸びおよび破壊応力の各性質を示している。組成物B1と比較しての本発明に従う組成物C1のこのモジュラスの改良は、本発明に従う組成物C1を含む内部ライナーを有するタイヤの耐久性に関する性能の改良を反映している。
また、3通りの組成物A1、B1およびC1は、同様なtan(δ)max値を示しており、このことは、特に、本発明に従う組成物においてヒステリシスの低下がないことを意味していることに注目すべきである。
従って、グラファイトと低分子量のポリイソブチレンオイルを含む本発明に従う組成物C1は、通常の対照組成物A1と比較しては漏れ防止特性の強力な改良を、グラファイトを含む対照組成物B1とは同等レベルの漏れ防止特性を可能にする。さらにまた、本発明に従う組成物C1は、対照組成物A1およびB1と同時に対比して、加工性に影響を及ぼす硬質特性を改良し、且つ組成物B1と比較して耐久性、即ち、破断点エネルギー(破断点エネルギーは破断点伸びと破壊応力との積に比例する)を改良することも可能にする。
本発明に従う組成物C1のこれらの性質は、組成物A1または組成物B1のいずれと比較しても、タイヤにおけるヒステリシスひいては転がり抵抗性を悪化させることなく得られている。
特に、組成物中にグラファイトを導入することによって漏れ防止性を改良するという目的を有する組成物B1の最適化が他のゴム特性を犠牲にすることなく達成されていることに注目すべきである。
この試験の目的は、本発明に従う組成物において、“通常”タイプの内部ライナー組成物との比較において全てのゴム特性について既に最適化されている従来技術の組成物(本出願法人のフランス出願第07/03751号の組成物)と比較しての、気体に対する不透過特性、転がり抵抗性および耐久性の改良を証明することである。
また、通常の対照(実施例1において明記した意味における)も、この試験において、上記の比較をさらに明確にするために存在する。
従って、3通りの組成物A2、C2およびD2は、上述した方法に従って製造し、実施例1において詳述した配合に相応する基本配合を有していた。しかしながら、これらの組成物は、測定した複合性質において得られた結果が、通常の対照組成物A2および本発明に従う組成物C2においてさえも表2における結果とは正確には同一でない理由を説明する第2試験において製造した。
組成物A、CおよびDは、互いに下記のように異なる:
対照組成物A2は、グラファイトを含まない“通常”のタイヤ内部ライナー組成物であり;
本発明に従う組成物C2は、本発明に従う含有量でもってグラファイトおよび低分子量のポリイソブチレンオイルを含む。
対照組成物D2は、組成物C2と同じ割合のグラファイトを、さらにまた可塑化用樹脂も含む。
これら3通りの組成物の配合の違いを下記の表3に示す:

表3
Figure 0005620822
(5) Kolon社から販売されている脂肪族樹脂(純粋C5)“Hikorez A-1100”(Tg = 50℃、軟化点 99℃)。
これら3通りの組成物のゴム特性を、150℃で60分間の硬化前後において測定している。得られた結果を下記の表4に示す。

表4
Figure 0005620822
グラファイトを可塑化用樹脂と組合せて含む本出願法人の従来技術の組成物D2は、組成物A2で示す通常の対照と比較して、伸びモジュラスの僅かな低下およびおよび等価であるが組成物D2を含む内部ライナーを有するタイヤにおけるヒステリシスひいては転がり抵抗性を犠牲にしての破壊点エネルギー特性でもって生状態での性質(ムーニー)を改良していることが分かる。
驚くべきことに、グラファイトおよび低分子量のポリイソブチレンオイルを含む本発明に従う組成物C2においては、諸性質の同じ改良は、通常の対照組成物A2と比較して、組成物D2におけるように得られているが、ヒステリシスひいては転がり抵抗性における悪化はないことが注目される。
この実施例の目的は、本発明が単に1種の低分子量のポリイソブチレンオイルに限定されないことを証明することである。
この実施例においては、検討する4通りの組成物は、実施例1において示した同じ基本配合を有し、実施例1の試験と同じ試験において製造した。従って、これらの組成物は、実施例1の通常の対照組成物であるいわゆるA1、実施例1の組成物と同一である本発明に従う組成物のC1、並びに本発明に従う2通りの他の組成物F1およびG1である。
本発明に従う3通りの組成物C1、F1およびG1は、全て、10pheのグラファイト(3)および10pheの下記の低分子量のポリイソブチレンオイルを含む:
組成物C1においては、25 000g/モルの分子量を有する、BASF社から販売されている官能化されていないポリイソブチレンオイル“Oppanol B12 SFN”;
組成物F1においては、2500g/モルの分子量を有する、Texas Petro Chemicalから品名“TPC1350”として販売されている“増強された反応性”の官能化されていないポリイソブチレンオイル;
組成物G1においては、2300g/モルの分子量を有する、Texas Petro Chemicalから品名“TPC5230”として販売されている“高反応性”の官能化ポリイソブチレンオイル。
これら3通りの組成物のゴム特性を150℃で60分の硬化前後において測定している。結果を下記の表5に示す。

表5
Figure 0005620822
本発明に従う組成物C2において既に行った観察と同様に、本発明に従う2通りの組成物F1およびG1も、通常の対照組成物A1との比較において、生状態の性質を、さらにまた、硬化状態における漏れ防止特性を他の複合性質(歪み点伸び、破壊エネルギー、ヒステリシス)の悪化なしで改良していることが分かる。
従って、種々の低分子量のポリイソブチレンオイルが本発明において適しており、上記の実施例に限定されないことが分かる。

Claims (11)

  1. 少なくとも、ブチルゴム、15モル%よりも多いジエン起源の単位を有するジエンエラストマー、15モル%未満のジエン起源の単位を有するジエンエラストマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる50pheよりも多い量のエラストマーと、30pheよりも多い量のカーボンブラックを含む補強用充填剤とをベースとするタイヤの内部ライナー用ゴム組成物であって、グラファイトおよび2〜50pheの割合で存在する200g/モル〜40000g/モルの分子量を有する非官能化ポリイソブチレンオイルを更に含むことを特徴とする前記タイヤの内部ライナー用ゴム組成物。
  2. 前記ポリイソブチレンオイルが、500g/モル〜35000g/モルの分子量を有する、請求項1記載の組成物。
  3. 前記ポリイソブチレンオイルが、1000g/モル〜30000g/モルの分子量を有する、請求項1記載の組成物。
  4. 前記50pheよりも多い量のエラストマーが、ブチルゴムからなる、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
  5. カーボンブラックの量が、30〜120pheである、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
  6. 前記補強用充填剤が、補強用無機充填剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
  7. ポリイソブチレンオイルの量が、5〜30pheである、請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
  8. グラファイトを層状形で使用する、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物。
  9. グラファイトの量が、3〜50pheである、請求項1〜8のいずれか1項記載の組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載の組成物を含むタイヤ。
  11. 少なくとも、ブチルゴム、15モル%よりも多いジエン起源の単位を有するジエンエラストマー、15モル%未満のジエン起源の単位を有するジエンエラストマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる50pheよりも多い量のエラストマーと補強用充填剤とをベースとし、且つグラファイトおよび非官能化ポリイソブチレンオイルをも含むタイヤの内部ライナー用ゴム組成物の製造方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする前記製造方法:
    ミキサー内で、ジエンエラストマー中に、補強用充填剤、グラファイト、非官能化ポリイソブチレンオイルを混入し、全てを、110℃〜190℃の最高温度に達するまで、1回以上熱機械的に混練する工程;
    その後、架橋系を混入する工程;
    全てを110℃よりも低い最高温度まで混練する工程。
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