JP2015231304A - 誘導機の回転子及び誘導機の回転子の製造方法 - Google Patents

誘導機の回転子及び誘導機の回転子の製造方法 Download PDF

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Taizo Kusadome
泰三 草留
康之 佐武
Yasuyuki Satake
康之 佐武
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【課題】ロータコアと、複数の導体バー及びエンドリングを含む二次導体とを有する誘導機の回転子及び誘導機の回転子の製造方法に関し、誘導機の高回転化に効率よく対応可能な誘導機の回転子及び誘導機の回転子の製造方法を提供する。【解決手段】ロータ1は、回転軸10に固設されたロータコア20と、複数の導体バー31及びエンドリング35を有する二次導体30を有している。複数の導体バー31及びエンドリング35は、二次導体配置工程において導電材をダイキャストすることで成形される。ガイド部材設置工程では、エンドリング35の内径側に内径側ガイド部材40が設置され、外径側には、外径側ガイド部材41が設置される。塑性変形部形成工程において、加圧治具45によって、エンドリング35を軸方向に押圧することで、塑性変形部Pが、エンドリング35の径方向内側部分に形成される。【選択図】図3

Description

本発明は、ロータコアと、回転軸の周りに分散配置された複数の導体バー及び各導体バー端部を短絡するエンドリングを含む二次導体とを有する誘導機の回転子及び誘導機の回転子の製造方法に関する。
従来、誘導機の回転子の一つとして、かご形回転子が知られている。このようなかご形回転子は、回転軸に固着されたロータコアと、ロータコアにおける回転軸の周りに分散配置された複数の導体バー及び、ロータコアの軸方向端面において各導体バーの端部を短絡するエンドリングを含む二次導体とによって構成されている。
近年、これらの誘導機においては、高回転化への対応が望まれており、誘導機を高回転化させた場合に、高速回転に伴う遠心力によって、エンドリングが破壊に至ってしまう場合がある。高回転化に伴う遠心力の増大に対応する為に、エンドリング等の強度を高める必要が生じる。
この点に鑑みてなされた発明として、例えば、特許文献1記載の発明が知られている。特許文献1記載の誘導機の回転子の製造方法においては、導体バー及びエンドリングを含む二次導体を、アルミニウムダイカストにより成形した後、ロータコアの軸方向端面側に、発熱体及び成形治具を配設し、発熱体の熱伝導によってエンドリングを加熱し、成形治具によって回転軸方向から成形圧力を加えるように構成されている。特許文献1の誘導機の回転子の製造方法によれば、発熱体によってエンドリングを加熱し、成形治具によって成形圧力を加えることによって、エンドリング内部に発生した巣を圧縮縮小して、二次導体の高密度化を実現することで、エンドリングの強度を高めている。
特開2000−023427号公報
上述したように、高回転化に伴う遠心力によって、エンドリングが破壊してしまうが、この場合におけるエンドリングの強度解析の結果、遠心力によって、エンドリングの内径側部分に応力が集中することで、破壊に至ることが判明している。即ち、高回転化に効率よく対応する為には、エンドリングの内径側部分に、遠心力に伴う応力に係る対策を施すことが重要となる。
この点、上述した特許文献1記載の発明の場合、エンドリング内部に生じた巣を圧縮縮小する為に、エンドリングの全表面に対して成形治具による成形圧力をかけるように構成されている。従って、エンドリング全体の強度を高めることができるが、エンドリングの内径側部分の強度を積極的に高めるものではないため、高回転化に対応する為の効率のよい対策とは言い難かった。
又、特許文献1記載の発明においては、発熱体によってエンドリングを加熱した後、成形治具による成形圧力をエンドリングに作用させている為、発熱体等に係る設備が複雑になり、製造コストの増大を招いてしまう。
本発明は、ロータコアと、回転軸の周りに分散配置された複数の導体バー及び各導体バー端部を短絡するエンドリングを含む二次導体とを有する誘導機の回転子及び誘導機の回転子の製造方法に関し、誘導機の高回転化に効率よく対応可能な誘導機の回転子及び誘導機の回転子の製造方法を提供する。
本発明の一側面に係る誘導機の回転子は、回転可能に配設された回転軸と、前記回転軸の周りに分散配置され、前記回転軸方向に延びる複数のスロットを有し、前記回転軸に固設されたロータコアと、導電材をダイキャストすることによって、前記ロータコアの各スロット内にそれぞれ配置される複数の導体バーと、導電材をダイキャストすることによって、前記回転軸方向におけるロータコアの端面に形成され、前記複数の導体バーの端部を相互に接続する円環状のエンドリングとを含む二次導体と、を有する誘導機の回転子であって、前記エンドリングは、所定の加工に伴って残留応力が生じている塑性変形部を、当該エンドリングにおける径方向内側部分に有することを特徴とする。
当該誘導機の回転子は、回転軸と、複数のスロットを有するロータコアと、複数の導体バーとエンドリングを含む二次導体と、を有する。そして、複数の導体バーは、導電材をダイキャストすることによって、前記ロータコアの各スロット内にそれぞれ配置され、エンドリングは、導電材をダイキャストすることによって、前記ロータコアの軸方向端面に形成されている。当該エンドリングにおける径方向内側部分には、塑性変形部が形成されており、所定の加工に伴って残留応力が生じている。即ち、当該誘導機の回転子によれば、所定の加工を施し、塑性変形部を形成することによって、塑性変形に伴う加工硬化が生じた部分を、エンドリングの径方向内側に位置させることができ、遠心力に伴う応力に対抗し得る部分を、効率よく形成することができ、高回転化に対応し得る。
そして、本発明の他の側面に係る誘導機の回転子は、請求項1記載の誘導機の回転子であって、前記塑性変形部は、前記エンドリングの径方向内側部分において、前記ロータコアの軸方向端面に近接する部分を含んでいることを特徴とする。
当該誘導機の回転子において、前記塑性変形部は、前記エンドリングの径方向内側部分において、前記ロータコアの軸方向端面に近接する部分を含んでいる。ここで、遠心力に伴う応力は、前記エンドリングの径方向内側部分において、前記ロータコアの軸方向端面に近接する部分に最も集中する。従って、当該誘導機の回転子によれば、遠心力に伴う応力が集中する部分に、加工硬化により強度が向上した塑性変形部を配置させることができるので、遠心力に伴う応力に対抗し得る部分を、更に効率よく形成することができ、高回転化に対応し得る。
又、本発明の他の側面に係る誘導機の回転子は、請求項1又は請求項2記載の誘導機の回転子であって、前記塑性変形部は、前記エンドリングの径方向内側部分において、当該エンドリングの軸方向全体に残留応力が生じるように形成されていることを特徴とする。
当該誘導機の回転子において、前記塑性変形部は、前記エンドリングの径方向内側部分において、当該エンドリングの軸方向全体に残留応力が生じるように形成されている。従って、従って、当該誘導機の回転子によれば、遠心力に伴う応力が集中する部分に、加工硬化により強度が向上した塑性変形部を配置させることができるので、遠心力に伴う応力に対抗し得る部分を、更に効率よく形成することができ、高回転化に対応し得る。
そして、本発明の他の側面に係る誘導機の回転子は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の誘導機の回転子であって、前記エンドリングは、前記エンドリングの径方向内側部分に前記塑性変形部を形成する際に、前記回転軸の軸方向への荷重によって押圧された押圧面を有し、前記エンドリングの径方向における前記押圧面の幅は、前記エンドリングの径方向における幅の60%以下であることを特徴とする。
当該誘導機の回転子において、エンドリングの押圧面は、エンドリングの径方向における押圧面の幅が前記エンドリングの径方向における幅の60%以下となるように、前記エンドリングの径方向内側部分に前記塑性変形部を形成する際に、前記回転軸の軸方向への荷重によって押圧されることで形成される。このように押圧面を形成することで、塑性変形部を、エンドリングの径方向内側部分に確実に形成することができる。
本発明の他の側面に係る誘導機の回転子の製造方法は、回転可能に配設された回転軸と、前記回転軸の周りに分散配置され、前記回転軸方向に延びる複数のスロットを有し、前記回転軸に固設されたロータコアと、導電材をダイキャストすることによって、前記ロータコアの各スロット内にそれぞれ配置される複数の導体バーと、導電材をダイキャストすることによって、前記回転軸方向におけるロータコアの端面に形成され、前記複数の導体バーの端部を相互に接続する円環状のエンドリングとを含む二次導体と、を有する誘導機の回転子の製造方法であって、導電材をダイキャストすることによって、前記ロータコアの各スロット内にそれぞれ前記導体バーを配置すると共に、当該ロータコアの軸方向端面に前記エンドリングを形成する二次導体配置工程と、前記ロータコアの軸方向端面にダイキャスト成形された前記エンドリングを、加圧治具によって加圧することによって、当該エンドリングにおける径方向内側部分に、残留応力を発生させた塑性変形部を形成する塑性変形部形成工程と、を有することを特徴とする。
当該誘導機の回転子の製造方法は、二次導体配置工程と、塑性変形部形成工程とを有している。二次導体配置工程では、導電材をダイキャストすることによって、前記ロータコアの各スロット内にそれぞれ前記導体バーを配置すると共に、当該ロータコアの軸方向端面に前記エンドリングを形成する。塑性変形部形成工程では、前記ロータコアの軸方向端面にダイキャスト成形された前記エンドリングを、加圧治具によって加圧することによって、当該エンドリングにおける径方向内側部分に、残留応力を発生させた塑性変形部を形成する。従って、当該誘導機の回転子の製造方法によれば、二次導体配置工程、塑性変形部形成工程を行うことで、遠心力に伴う応力に対抗し得る塑性変形部を、エンドリングの径方向内側に形成することができ、高回転化に対応可能な誘導機の回転子を製造し得る。
又、本発明の他の側面に係る誘導機の回転子の製造方法は、請求項5記載の誘導機の回転子の製造方法であって、前記塑性変形部形成工程は、前記加圧治具によって、前記エンドリングに対して前記回転軸の軸方向への荷重を加えることで、前記エンドリングにおける径方向内側部分に前記塑性変形部を形成することを特徴とする。
当該誘導機の回転子の製造方法によれば、前記塑性変形部形成工程において、前記加圧治具によって、前記エンドリングに対して前記回転軸の軸方向への荷重を加えることで、前記塑性変形部が前記エンドリングにおける径方向内側部分に形成されるので、より利便性の高い加工方法で、塑性変形部を形成することができ、高回転化に対応可能な誘導機の回転子を製造し得る。
そして、本発明の他の側面に係る誘導機の回転子の製造方法は、請求項5又は請求項6記載の誘導機の回転子の製造方法であって、導電材をダイキャストすることによって、前記ロータコアの各スロット内にそれぞれ前記導体バーを配置すると共に、前記径方向内側へ向かうにつれて前記ロータコアの軸方向端面から離れるように傾斜した傾斜面を有するエンドリングを、当該ロータコアの軸方向端面に形成する二次導体配置工程と、前記エンドリングの径方向内側に、第1ガイド部材を設置すると共に、前記傾斜面に当接支持可能なバックアップ面を有する第2ガイド部材を、前記エンドリングの径方向外側に設置するガイド部材設置工程と、前記エンドリングの径方向において、前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材の間に形成される間隙に配置された前記加圧治具によって、前記エンドリングに対して前記回転軸の軸方向への荷重を加えることで、前記エンドリングにおける径方向内側部分に前記塑性変形部を形成する塑性変形部形成工程と、を有することを特徴とする。
当該誘導機の回転子の製造方法によれば、二次導体配置工程において、導電材をダイキャストすることによって、前記ロータコアの各スロット内にそれぞれ前記導体バーを配置すると共に、前記径方向内側へ向かうにつれて前記ロータコアの軸方向端面から離れるように傾斜した傾斜面を有するエンドリングを、当該ロータコアの軸方向端面に形成することができる。そして、ガイド部材設置工程において、前記エンドリングの径方向内側に、第1ガイド部材が設置され、バックアップ面を有する第2ガイド部材が、前記エンドリングの径方向外側に設置される。塑性変形部形成工程では、前記エンドリングの径方向において、前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材の間に形成される間隙に配置された前記加圧治具によって、前記エンドリングに対して前記回転軸の軸方向への荷重を加えることで、前記エンドリングにおける径方向内側部分に前記塑性変形部が形成される。当該誘導機の回転子の製造方法によれば、加圧治具によって、エンドリングに対して軸方向への荷重を加えた場合に、第2ガイド部材のバックアップ面によって、エンドリングの径方向外側への塑性変形が規制される。これにより、加圧治具による荷重によって、エンドリングは、径方向内側に向かって塑性変形することになるので、エンドリングにおける径方向内側部分に、前記塑性変形部を形成することができる。当該誘導機の回転子の製造方法によれば、より簡易で利便性の高い加工方法で、塑性変形部を効果的な位置に形成することができ、高回転化に対応可能な誘導機の回転子を製造し得る。
この発明によれば、誘導機の高回転化に効率よく対応可能な誘導機の回転子及び誘導機の回転子の製造方法を提供できる。
第1実施形態に係る誘導機のロータの概略構成を示す外観斜視図である。 第1実施形態に係る誘導機のロータの部分断面図である。 第1実施形態における塑性変形部形成工程に関する説明図である。 第1実施形態に係るエンドリングにおける残留応力の分布例を示す説明図である。 第2実施形態における塑性変形部形成工程に関する説明図である。 第3実施形態における塑性変形部形成工程に関する説明図である。 第3実施形態に係るエンドリングにおける残留応力の分布例を示す説明図である。 塑性変形部形成工程の変形例(1)を示す説明図である。 塑性変形部形成工程の変形例(2)を示す説明図である。 塑性変形部形成工程の変形例(3)を示す説明図である。
以下、本発明に係る誘導機の回転子及び誘導機の回転子の製造方法を、誘導機に用いられるかご形回転子であるロータ1に適用した実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態に係るロータ1の概略構成について、図1〜図4を参照しつつ詳細に説明する。第1実施形態に係るロータ1は、かご型回転子として構成されており、三相交流電流によって回転磁束を発生させるステータと共に、かご型三相誘導電動機を構成する。当該誘導電動機においては、ステータから発生する回転磁束と、かご型回転子として構成されたロータ1の導体バー31に発生する誘導電流とが鎖交することにより、ロータ1に回転力が発生する。
尚、当該誘導電動機においては、ロータ1は、略円筒形状を為すステータの径方向内側において、回転軸10の軸芯周りに回転可能に支持されており、上述したロータ1、ステータは、ケース(図示せず)内部に収容されている。
図1に示すように、ロータ1は、回転軸10に固設され、複数のスロット25を有するロータコア20と、複数の導体バー31及びエンドリング35を有する二次導体30と、を有している。回転軸10は、誘導電動機の軸方向両側において、軸受を介してケース(図示せず)に回転可能に支持されている。
図1〜図3に示すように、ロータコア20は、略円盤状に形成された複数の電磁鋼板製のプレートを積層することによって円筒形状に構成されており、回転軸孔21と、複数のスロット25を有している。又、当該ロータコア20の外周面は、誘導電動機を構成する場合、円筒形状に形成されたステータの内周面(回転軸10側の面)と間隔を隔てた状態で対向するように構成されている。
図2に示すように、回転軸孔21は、当該ロータコア20の中心部に形成されており、回転軸10によって挿通される。ロータコア20は、回転軸孔21に挿通された回転軸10に対して固定されている。そして、ロータコア20の外周面には、一定間隔で複数のスロット25が形成されており(図1、図2参照)。尚、ロータコア20の外周面には、複数のティースも形成されており、各スロット25の間を区画している。即ち、複数のスロット25は、回転軸10を取り囲むように、ロータコア20の外周面側に分散配置されている。
尚、各スロット25は、ロータコア20外周面側が開放されており、スロット25内とロータコア20外部とが連通したスロット開口部を有している(図1参照)。そして、各スロット25におけるスロット開口部には、突部が形成されており、各スロット25におけるスロット開口部の幅寸法は、当該スロット25の他の部分よりも狭くなる。即ち、当該スロット25は、所謂、セミオープンスロットとして機能する。
図1等に示すように、導体バー31は、当該ロータコア20の外周面に分散配置された複数のスロット25内に配設されている。複数の導体バー31は、後述する二次導体配設工程により、各スロット25内に、アルミニウム等の導電材をダイキャストすることによって形成されており、ロータコア20の周方向に沿って、等間隔で分散配置されている。各導体バー31は、ロータコア20の軸方向に沿って一直線状に延びるように配設されている。又、各導体バー31の長さ寸法は、ロータコア20の軸方向寸法とほぼ等しく形成されている(図1参照)。
エンドリング35は、端絡環又は短絡環と呼ばれる部材であり、図1に示すように、回転軸10の軸方向におけるロータコア20の両端面に沿って配置されている。当該エンドリング35は、後述する二次導体配設工程において、ロータコア20の軸方向端面に設置された成形治具(図示せず)内に、アルミニウム等の導電材をダイキャストすることによって円環状に形成されており、各導体バー31と一体に形成されている。これにより、各導体バー31は、一対のエンドリング35と一体に形成されることによって短絡されている。
後述する二次導体配設工程によって形成された時点では、当該エンドリング35は、図3に示すように、回転軸10の軸方向に沿った断面形状が略三角形状となるように形成される。この時、円環状を為すエンドリング35の径方向外側部分には、傾斜面36が形成されており、当該傾斜面36は、前記エンドリング35の径方向内側へ向かうにつれて前記ロータコア20の軸方向端面から離れるように傾斜している(図3参照)。又、エンドリング35の略三角形状の断面において、ロータコア20の軸方向端面から最も離れた部分(即ち、三角形状の頂点部分)は、エンドリング35の径方向における幅に関して内径側に位置するように形成される。
そして、第1実施形態に係るロータ1の製造方法によって、ロータ1を製造完了した時点では、当該ロータ1のエンドリング35は、後述する塑性変形部形成工程を実行することにより、押圧面37と、塑性変形部Pを有している(図1、図2参照)。押圧面37及び塑性変形部Pは、塑性変形部形成工程において、加圧治具45によって、エンドリング35の頂点部分を、ロータコア20の軸方向端面に向かって押圧することによって形成される(図3参照)。
押圧面37は、塑性変形部形成工程において、前記エンドリング35の径方向内側部分に前記塑性変形部Pを形成する際に、前記回転軸10の軸方向への荷重をかけ、加圧治具45によって押圧された部分である。エンドリング35の径方向に関し、押圧面37の幅(押圧面幅Wp)が、エンドリング35の全幅(エンドリング全幅W)の60%以下となるように、押圧面37は形成される。又、ロータコア20の軸方向端面から最も離れた部分(即ち、三角形状の頂点部分)は、エンドリング35の径方向における幅に関して内径側に位置するように形成され、加圧治具45の底面も図3のようにロータコア20の端面と平行に形成されているので、押圧面37はエンドリング35の内径側に形成され、塑性変形が生じる部分も内径側になる。
そして、塑性変形部Pは、塑性変形部形成工程において、加圧治具45によって押圧されたことによって、塑性変形が生じた部分であり、エンドリング35の内径側部分に形成される。言い換えると、外径側部分よりも内径側部分のほうが、塑性変形が多く生じている。また、塑性変形している部分は、ロータコア20の軸方向端面に近接する部分を含んでいる。ここで、図4に示すように、塑性変形部形成工程において、加圧治具45によってエンドリング35を、押圧面幅Wpがエンドリング全幅Wの60%以下となるように押圧することで、エンドリング35の内径側部分の幅広い範囲に残留応力が生じ、塑性変形部Pを形成することができる。加圧治具45による残留応力は、エンドリング35の内径側において、ロータコア20の軸方向端面と接触している部分を含む全範囲に生じている。即ち、塑性変形部Pは、エンドリング35の内径側部分において、ロータコア20の軸方向端面と接触している部分を含む全範囲にわたって形成されている。
当該塑性変形部Pは、加圧治具45の押圧力による塑性変形に伴って加工硬化を起こしているので、強度が向上している。従って、当該ロータ1の高速回転した場合に遠心力による応力が集中する部分に、加工硬化に伴い強度の向上した塑性変形部Pが位置しているので、当該ロータ1は、誘導機の高速回転化に対応することが可能である。
次に、第1実施形態に係るロータ1の製造方法について、詳細に説明する。第1実施形態に係るロータ1の製造方法は、二次導体配設工程と、ガイド部材設置工程と、塑性変形部形成工程とを有している。
先ず、第1実施形態に係るロータ1の製造方法を構成する二次導体配設工程について説明する。第1実施形態に係る二次導体配設工程においては、導電体の一例であるアルミニウムを、各スロット25内にダイキャストすることにより、各スロット25内部に導体バー31を形成する。この時、ロータコア20の周囲には、所定形状を為す鋳型が配置されており、各スロット25内へダイキャストと同時に、ロータコア20の軸方向両端面と、前記鋳型の内壁面の間にもダイキャストされ、エンドリング35が形成される。これにより、二次導体配置工程を実行することで、図3に示すように、エンドリング35が、ロータコア20の軸方向両端面に沿って形成される。
尚、第1実施形態に係る二次導体配置工程においては、各スロット25内に導体バー31を配置する工程を、エンドリング35と共にアルミニウム等を各スロット25内にダイキャストすることにより、各スロット25内に導体バー31を配置していたが、この態様に限定されるものではない。一定の形状に成形された導体バー31を、各スロット25内に配置した後、エンドリング35をダイキャストする工程であってもよい。
次に、第1実施形態に係るロータ1の製造方法を構成するガイド部材設置工程について説明する。当該ガイド部材設置工程は、塑性変形部形成工程の前段階として、上述した二次導体配置工程で形成されたエンドリング35に対して、内径側ガイド部材40及び外径側ガイド部材41を設置する工程である。
図3に示すように、内径側ガイド部材40は、ガイド部材設置工程において、円環状に形成されたエンドリング35の内径側側面に沿って配置され、本発明における第1ガイド部材として機能する。当該内径側ガイド部材40は、後述する塑性変形部形成工程において、エンドリング35の内径側方向へのエンドリング35の塑性変形量を、所定量に規制する役割を果たす。
そして、外径側ガイド部材41は、ガイド部材設置工程において、ロータコア20の軸方向端面に形成されたエンドリング35の外径側側面に沿って配置され、本発明における第2ガイド部材として機能する。当該外径側ガイド部材41は、バックアップ部41Aを有しており、バックアップ部41Aは、図3に示すように、ガイド部材設置工程でエンドリング35の外径側側面に沿って配置することで、エンドリング35の傾斜面36に当接するように配置される。従って、当該外径側ガイド部材41のバックアップ部41Aは、後述する塑性変形部形成工程において、エンドリング35の傾斜面36の外径側への塑性変形量を規制する役割を果たす。
ガイド部材設置工程においては、エンドリング35の内径側側面に沿って、内径側ガイド部材40が設置され、エンドリング35の外径側側面に沿って、外径側ガイド部材41が設置される(図3参照)。この時、エンドリング35の径方向に関して、内径側ガイド部材40と、外径側ガイド部材41の間には、所定の間隙が形成される。当該間隙は、塑性変形部形成工程において加圧治具45が配置されるスペースである。
尚、当該間隙の幅は、エンドリング35における径方向に関して、エンドリング全幅Wの50%以下であることが好ましい。後述する塑性変形部形成工程において、押圧面幅Wpをエンドリング全幅Wの50%以下とし、もって、塑性変形部Pをエンドリング35の内径側側面全域を含むように形成することが容易になるからである。
続いて、第1実施形態に係るロータ1の製造方法を構成する塑性変形部形成工程について説明する。当該塑性変形部形成工程は、当該ガイド部材設置工程で設置された内径側ガイド部材40、外径側ガイド部材41を利用して、ロータコア20の軸方向端面に向かう荷重を、エンドリング35に加えることによって、エンドリング35の内径側に塑性変形部Pを形成する工程である。
塑性変形部形成工程では、先ず、ガイド部材設置工程で設置された内径側ガイド部材40、外径側ガイド部材41の間の間隙に対して、加圧治具45を配置する(図3参照)。この時、加圧治具45は、エンドリング35の軸方向端部に当接する。この状態の加圧治具45をロータコア20の軸方向端面に向かって移動させることで、回転軸10の軸方向に沿った荷重がエンドリング35に対して加えられる。
この加圧治具45によって加えられた荷重によって、エンドリング35は、徐々に塑性変形していき、エンドリング35の軸方向端面(加圧治具45との接触面)に押圧面が形成される。又、これと同時に、エンドリング35の内部には、塑性変形に伴って、図4に示すような残留応力が発生する。即ち、エンドリング35の径方向内側に、塑性変形部Pが形成される。図4に示すように、エンドリング35の内径側において、当該エンドリング35の軸方向における全範囲に残留応力が生じているので、塑性変形部Pは、当該エンドリング35の内径側において、ロータコア20の軸方向端面と接触している部分を含むように形成されている。
以上説明したように、第1実施形態に係るロータ1は、上述した製造方法を構成する二次導体配置工程、ガイド部材設置工程、塑性変形部形成工程によって、当該エンドリング35の径方向内側部分に、塑性変形部Pを有している。当該塑性変形部Pは、その内部に残留応力が生じており、塑性変形に伴う加工硬化が生じている。従って、ロータ1は、遠心力に伴う応力に対抗し得る部分を、効率よく形成することができ、誘導機の高回転化に対応し得る。
図4に示すように、第1実施形態に係るロータ1において、エンドリング35の塑性変形に伴う残留応力は、エンドリング35の内径側における軸方向(即ち、図4における上下方向)全範囲にわたって発生しており、ロータコア20の軸方向端面と接触する部分をも含んでいる。ロータ1の高回転化を図った場合、遠心力に伴う応力は、エンドリング35の内径側(特に、ロータコア20の軸方向端面に近い部分)に集中することが強度解析によって判明している。第1実施形態に係るロータ1は、遠心力による応力集中が起こる部分に、加工硬化によって高い強度を有する塑性変形部Pを形成することができるので、誘導機の高回転化に対応することができる。
又、第1実施形態に係る塑性変形部形成工程において、加圧治具45による加圧に伴って生じる押圧面37は、前記エンドリング35の径方向における前記押圧面幅Wpがエンドリング全幅Wの60%以下となるように形成される。即ち、押圧面37の押圧面幅Wpがエンドリング全幅Wの60%以下となる荷重を、エンドリング35に加えると、塑性変形部Pは、エンドリング35の内径側に形成される。このように押圧面37を形成することで、第1実施形態に係るロータ1によれば、塑性変形部Pを、エンドリング35の径方向内側部分に確実に形成することができる。押圧面37の押圧面幅Wpがエンドリング全幅Wの60%以下となる荷重をかける場合、塑性変形する領域が多くなるが、加工工程が長くなり、加工コストが増加してしまう。
又、第1実施形態に係るロータ1において、エンドリング35の傾斜面36は、エンドリング35の径方向内側へ向かうにつれて前記ロータコア20の軸方向端面から離れるように傾斜している。即ち、ロータ1の軸方向において、エンドリング35は、径方向内側に厚みのある部分となるため、加圧治具45によって軸方向へ加圧する為の十分な厚みを確保し得る。従って、第1実施形態においては、より利便性の高い、軸方向への荷重を加えるという加工方法で塑性変形部Pを形成することができ、高回転化に対応可能な誘導機のロータ1を製造し得る。
そして、第1実施形態においては、ガイド部材設置工程でエンドリング35の内径側に内径側ガイド部材40を設置し、エンドリング35の外径側に、バックアップ部41Aを有する外径側ガイド部材41を設置した後、塑性変形部形成工程で、加圧治具45で加圧することで塑性変形部Pを形成している。加圧治具45によってエンドリング35を押圧した場合に、エンドリング35の塑性変形量は、内径側ガイド部材40及び外径側ガイド部材41によって適宜規制され、エンドリング35の内径側へ向かって積極的に塑性変形を生じさせ得る。これにより、塑性変形部Pを、エンドリング35の内径側に確実に形成することができ、もって、誘導機の高回転化に対応することができる。
(第2実施形態)
次に、上述した第1実施形態と異なる実施形態(第2実施形態)について、図5を参照しつつ詳細に説明する。尚、第2実施形態に係るロータ1は、第1実施形態に係るロータ1と略同一の基本的構成を有しており、ガイド部材設置工程、塑性変形部形成工程の内容が相違する。第1実施形態と同一の構成については、その説明を省略し、相違点に係る構成について、詳細に説明する。
第2実施形態においても、二次導体配置工程では、第1実施形態と同様に、導電材をダイキャストすることで、複数の導体バー31及びエンドリング35を配置する。図5に示すように、第2実施形態においても、エンドリング35は、傾斜面36を有しており、当該傾斜面36は、前記エンドリング35の径方向内側へ向かうにつれて前記ロータコア20の軸方向端面から離れるように傾斜している(図5参照)。
そして、第2実施形態において、ガイド部材設置工程では、エンドリング35の内径側に沿って、内径側ガイド部材40が設置される。その後、第2実施形態に係る塑性変形部形成工程では、内径側ガイド部材40の側面に沿って、加圧治具45を軸方向に移動させることによって、エンドリング35に対して、軸方向に沿った荷重を加える。この荷重によって、エンドリング35は、径方向内側に向かって塑性変形し、塑性変形部Pが、エンドリング35の内径側に形成される。
以上説明したように、第2実施形態に係るロータ1、ロータ1の製造方法によっても、第1実施形態と同様に、当該エンドリング35の径方向内側部分に、塑性変形部Pを形成することができる。当該塑性変形部Pは、その内部に残留応力が生じており、塑性変形に伴う加工硬化が生じているので、第2実施形態に係るロータ1及びロータ1の製造方法によれば、遠心力に伴う応力に対抗し得る部分を、より簡易な構成で効率よく形成することができ、誘導機の高回転化に対応し得る。
(第3実施形態)
次に、上述した第1実施形態、第2実施形態と異なる実施形態(第3実施形態)について、図6、図7を参照しつつ詳細に説明する。尚、第3実施形態に係るロータ1は、第1実施形態、第2実施形態に係るロータ1と略同一の基本的構成を有しており、エンドリング35の構成や、ガイド部材設置工程、塑性変形部形成工程の内容が相違する。第1実施形態、第2実施形態と同一の構成については、その説明を省略し、相違点に係る構成について、詳細に説明する。
第3実施形態に係る二次導体配置工程では、第1実施形態、第2実施形態と同様に、導電材をダイキャストすることで、複数の導体バー31及びエンドリング35を配置する。図6に示すように、第3実施形態においても、エンドリング35は、傾斜面36を有しており、当該傾斜面36は、前記エンドリング35の径方向内側へ向かうにつれて前記ロータコア20の軸方向端面から離れるように傾斜している。傾斜面36には、切欠部38が形成されている。当該切欠部38は、エンドリング35の径方向に関し、エンドリング全幅Wの中点よりもやや内径側に形成されている。即ち、切欠部38の内径側に、エンドリング35のロータコア20から離れた部分である、略断面三角形の頂点が配置されるように形成されている。
そして、第3実施形態に係るガイド部材設置工程においても、エンドリング35の内径側に沿って、内径側ガイド部材40が設置される。その後、塑性変形部形成工程では、内径側ガイド部材40の側面に沿って、加圧治具45を軸方向に移動させることによって、エンドリング35に対して、軸方向に沿った荷重を加える。この荷重によって、エンドリング35は、径方向内側に向かって塑性変形し、塑性変形部Pが、エンドリング35の内径側に形成される。
ここで、第3実施形態に係る塑性変形部形成工程において、加圧治具45による荷重が加わると、エンドリング35は、ロータコア20の軸方向端面から離れた位置から、徐々に塑性変形していく。この時、荷重に伴う塑性変形は、切欠部38によって規制されることになるため(図7参照)、塑性変形の方向を径方向内側へと進めることができる。即ち、第3実施形態においても、塑性変形部Pが、エンドリング35の内径側に形成される。
又、切欠部38は、エンドリング35の径方向に関し、エンドリング全幅Wの中点よりもやや内径側に形成されているので、加圧治具45による押圧によって形成される押圧面37は、前記押圧面幅Wpがエンドリング全幅Wの60%以下となるように形成される。このような押圧面37を形成するように、加圧治具によってエンドリング35を押圧することで、第3実施形態に係るロータ1によれば、塑性変形部Pを、エンドリング35の径方向内側部分に確実に形成することができる。
以上説明したように、第3実施形態に係るロータ1、ロータ1の製造方法によっても、第1実施形態、第2実施形態と同様に、エンドリング35の径方向内側部分に、塑性変形部Pを形成することができる。当該塑性変形部Pは、その内部に残留応力が生じており、塑性変形に伴う加工硬化が生じているので、第3実施形態に係るロータ1及びロータ1の製造方法によれば、遠心力に伴う応力に対抗し得る部分を、より簡易な構成で効率よく形成することができ、誘導機の高回転化に対応し得る。
又、第3実施形態においては、エンドリング35の傾斜面36に、切欠部38を形成しておくことにより、塑性変形部形成工程において、加圧治具45によるエンドリング35の押圧に伴う塑性変形を、エンドリング35の内径側に向かうように規制することができる。即ち、第3実施形態に係るロータ1によれば、塑性変形部Pを、エンドリング35の径方向内側部分に確実に形成することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、二次導体30である導体バー31及びエンドリング35を構成する導電材として、アルミニウム等を挙げていたが、この態様に限定されるものではない。例えば、銅や、アルミニウム合金、銅合金でも良い。又、導体バー31とエンドリング35は別材料であってもよい。
又、ロータ1において、各スロット25は、所謂、セミオープンスロットとして構成されていたが、この態様に限定されるものではない。各スロット25は、例えば、ロータコア20の外周面側が閉塞されたクローズドスロットであってもよいし、スロット開口部に突部のないオープンスロットであってもよい。
そして、エンドリング35の径方向内側部分に、塑性変形部Pを形成することができれば、種々の方法を採用することができる。例えば、図8に示す製造方法で、エンドリング35の内径側に塑性変形部Pを形成することも可能である。
図8に示す例について、具体的に説明すると、二次導体配置工程において、複数の導体バー31及び、傾斜面36を有するエンドリング35を、導電材をダイキャストして形成する。その後、ガイド部材設置工程として、エンドリング35の内径側に、内径側ガイド部材40を設置し、エンドリング35の外径側にバックアップ部41Aを有する外径側ガイド部材41を設置する。この時、内径側ガイド部材40は、エンドリング35の内径側側面から間隔を隔てた位置に固定される。
そして、塑性変形部形成工程においては、エンドリング35の内径側側面と、内径側ガイド部材40の間に、加圧治具45及び押圧治具46を配置する。この場合、加圧治具45は、ロータコア20の内径側ほどロータコア20の軸方向端面に近づくように傾斜した傾斜面を有しており、当該傾斜面とは逆側端面がエンドリング35の内径側側面に接触するように配置されている。
一方、押圧治具46は、内径側ガイド部材40の側面と、加圧治具45の傾斜面との間に配置され、加圧治具45の傾斜面と接触可能な斜面部を有している。従って、図8に示すように、押圧治具46を、ロータコア20の軸方向端面に向かって押圧すると、加圧治具45の傾斜面と、押圧治具46の傾斜部の協働により、加圧治具45は、エンドリング35の内径側側面を押圧し、塑性変形部Pを形成する。即ち、この図8に示す製造方法によっても、エンドリング35の径方向内側部分に、塑性変形部Pを形成することができるので、遠心力に伴う応力に対抗し得る部分を、より簡易な構成で効率よく形成し、もって、誘導機の高回転化に対応し得る。特に、エンドリング35における内径側側面の内、ロータコア20に近い部分が最も塑性変形しやすいので、より効果的である。
同様に、図9に示す製造方法によって、エンドリング35の内径側に塑性変形部Pを形成することも可能である。図9に示す例について、具体的に説明すると、二次導体配置工程において、複数の導体バー31及びエンドリング35を、導電材をダイキャストして形成する。この図9の場合、エンドリング35の内径側側面は、エンドリング35の外径側ほどロータコア20の軸方向端面から離間するように傾斜して形成される。その後、ガイド部材設置工程においては、エンドリング35の外径側側面に沿って、外径側ガイド部材41が設置される。
そして、塑性変形部形成工程においては、図9に示すように、傾斜部を有する加圧治具を、二次導体配置工程により傾斜して形成されたエンドリング35の内径側側面に接触させつつ、ロータコア20の軸方向端面に向かって移動させる。これにより、加圧治具45は、エンドリング35の内径側側面を押圧し、塑性変形部Pを形成する。即ち、この図9に示す製造方法によっても、エンドリング35の径方向内側部分に、塑性変形部Pを形成することができるので、遠心力に伴う応力に対抗し得る部分を、より簡易な構成で効率よく形成し、もって、誘導機の高回転化に対応し得る。
更に、図10に示す製造方法によって、エンドリング35の内径側に塑性変形部Pを形成することも可能である。図10に示す例について、具体的に説明すると、二次導体配置工程において、複数の導体バー31及びエンドリング35を、導電材をダイキャストして形成する。この図10の場合、エンドリング35は、回転軸10の軸方向に沿った断面形状が略長方形状となるように形成される。その後、ガイド部材設置工程においては、エンドリング35の内径側側面に沿って、内径側ガイド部材40を設置し、エンドリング35の外径側に沿って、外径側ガイド部材41を設置する。
そして、塑性変形部形成工程においては、図10に示すように、加圧治具45は、エンドリング全幅Wよりも小さな幅で形成された接触部を有しており、エンドリング35上面の内径側部分のみを押圧可能に構成されている。そして、エンドリング35の内径側側面と、内径側ガイド部材40の間において、ロータコア20の軸方向端面に向かって、加圧治具45を移動させる。これにより、加圧治具45は、エンドリング35の内径側側面を押圧し、塑性変形部Pを形成する。即ち、この図10に示す製造方法によっても、エンドリング35の径方向内側部分に、塑性変形部Pを形成することができるので、遠心力に伴う応力に対抗し得る部分を、より簡易な構成で効率よく形成し、もって、誘導機の高回転化に対応し得る。
又、上述した実施形態及び図8〜図10に示す変形例においては、塑性変形部Pを形成する際に、加圧治具45によって、エンドリング35の内径側部分に荷重を加える構成であったが、この態様に限定されるものではない。例えば、FSW(摩擦撹拌接合:Friction Stir Welding)で使用される摩擦撹拌ツールを用いて、エンドリング35の内径側部分に塑性変形部Pを形成することも可能である。
当該摩擦撹拌ツールは、高速回転可能な円柱状の摩擦撹拌本体部と、摩擦撹拌本体部の端面において回転軸上に突出形成された摩擦撹拌プローブを有して構成されており、駆動装置(図示せず)によって、摩擦撹拌本体部を高速回転させることで、摩擦撹拌プローブも高速回転するように構成されている。
そして、当該摩擦撹拌ツールにおける摩擦撹拌本体部及び摩擦撹拌プローブを高速回転させた状態で、エンドリング35の内径側側面に対して、摩擦撹拌プローブをあてて埋没させ、摩擦撹拌本体部の端面をエンドリングの軸方向端面に接触させた状態で、摩擦撹拌ツールを移動させると、摩擦撹拌ツールと接触しているエンドリング35の導電材は、摩擦撹拌プローブの回転により発生する摩擦熱、及び摩擦撹拌本体部の端面とエンドリング35の内径側側面との摺動に伴い発生する摩擦熱によって軟化し、且つ、摩擦撹拌プローブの高速回転により撹拌される。
当該摩擦撹拌ツールの移動に伴って、軟化した導電材は、摩擦撹拌プローブの進行圧力を受けて摩擦撹拌プローブが通過した部分を埋めるように、摩擦撹拌ツールの進行方向後方へと回り込む態様で塑性流動し、その後、摩擦熱を急速に失って冷却固化する。この場合におけるエンドリング35を構成する導電材の塑性流動は、塑性変形の一種であり、上述した実施形態と同様に、加工硬化によって強度が向上する。従って、上述した摩擦撹拌ツールを用いた場合であっても、エンドリング35の径方向内側部分に、塑性変形部Pを形成することができる。
1 ロータ
10 回転軸
20 ロータコア
25 スロット
30 二次導体
31 導体バー
35 エンドリング
40 内径側ガイド部材
41 外径側ガイド部材
45 加圧治具
41A バックアップ部
P 塑性変形部

Claims (7)

  1. 回転可能に配設された回転軸と、
    前記回転軸の周りに分散配置され、前記回転軸方向に延びる複数のスロットを有し、前記回転軸に固設されたロータコアと、
    導電材をダイキャストすることによって、前記ロータコアの各スロット内にそれぞれ配置される複数の導体バーと、導電材をダイキャストすることによって、前記回転軸方向におけるロータコアの端面に形成され、前記複数の導体バーの端部を相互に接続する円環状のエンドリングとを含む二次導体と、を有する誘導機の回転子であって、
    前記エンドリングは、
    所定の加工に伴って残留応力が生じている塑性変形部を、当該エンドリングにおける径方向内側部分に有する
    ことを特徴とする誘導機の回転子。
  2. 請求項1記載の誘導機の回転子であって、
    前記塑性変形部は、
    前記エンドリングの径方向内側部分において、前記ロータコアの軸方向端面に近接する部分を含んでいる
    ことを特徴とする誘導機の回転子。
  3. 請求項1又は請求項2記載の誘導機の回転子であって、
    前記塑性変形部は、
    前記エンドリングの径方向内側部分において、当該エンドリングの軸方向全体に残留応力が生じるように形成されている
    ことを特徴とする誘導機の回転子。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の誘導機の回転子であって、
    前記エンドリングは、
    前記エンドリングの径方向内側部分に前記塑性変形部を形成する際に、前記回転軸の軸方向への荷重によって押圧された押圧面を有し、
    前記エンドリングの径方向における前記押圧面の幅は、前記エンドリングの径方向における幅の60%以下である
    ことを特徴とする誘導機の回転子。
  5. 回転可能に配設された回転軸と、
    前記回転軸の周りに分散配置され、前記回転軸方向に延びる複数のスロットを有し、前記回転軸に固設されたロータコアと、
    導電材をダイキャストすることによって、前記ロータコアの各スロット内にそれぞれ配置される複数の導体バーと、導電材をダイキャストすることによって、前記回転軸方向におけるロータコアの端面に形成され、前記複数の導体バーの端部を相互に接続する円環状のエンドリングとを含む二次導体と、を有する誘導機の回転子の製造方法であって、
    導電材をダイキャストすることによって、前記ロータコアの各スロット内にそれぞれ前記導体バーを配置すると共に、当該ロータコアの軸方向端面に前記エンドリングを形成する二次導体配置工程と、
    前記ロータコアの軸方向端面にダイキャスト成形された前記エンドリングを、加圧治具によって加圧することによって、当該エンドリングにおける径方向内側部分に、残留応力を発生させた塑性変形部を形成する塑性変形部形成工程と、を有する
    ことを特徴とする誘導機の回転子の製造方法。
  6. 請求項5記載の誘導機の回転子の製造方法であって、
    前記塑性変形部形成工程は、
    前記加圧治具によって、前記エンドリングに対して前記回転軸の軸方向への荷重を加えることで、前記エンドリングにおける径方向内側部分に前記塑性変形部を形成する
    ことを特徴とする誘導機の回転子の製造方法。
  7. 請求項5又は請求項6記載の誘導機の回転子の製造方法であって、
    導電材をダイキャストすることによって、前記ロータコアの各スロット内にそれぞれ前記導体バーを配置すると共に、前記径方向内側へ向かうにつれて前記ロータコアの軸方向端面から離れるように傾斜した傾斜面を有するエンドリングを、当該ロータコアの軸方向端面に形成する二次導体配置工程と、
    前記エンドリングの径方向内側に、第1ガイド部材を設置すると共に、前記傾斜面に当接支持可能なバックアップ面を有する第2ガイド部材を、前記エンドリングの径方向外側に設置するガイド部材設置工程と、
    前記エンドリングの径方向において、前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材の間に形成される間隙に配置された前記加圧治具によって、前記エンドリングに対して前記回転軸の軸方向への荷重を加えることで、前記エンドリングにおける径方向内側部分に前記塑性変形部を形成する塑性変形部形成工程と、
    を有することを特徴とする誘導機の回転子の製造方法。
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