JP2015229496A - 包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に粘稠な内容物の収容に好適に適用されるダイレクトブロー容器について、内容物に対する滑り性向上効果を安定に発揮させるに十分な厚みの液膜を安定に形成することが可能な粗面が容器内面の全体にわたって形成されているダイレクトブロー容器を提供する。【解決手段】粗面化用粒状物3が分散された樹脂組成物を用いて内面が形成されているダイレクトブロー容器10において、前記粗面化用粒状物が、少なくとも2つの極大ピークを有する複分散粒度分布を有していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ケチャップやマヨネーズに代表される粘稠な内容物の収容に適した包装体に関するものであり、より詳細には、内面が粗面化された包装体に関するものである。
プラスチック容器は、成形が容易であり、安価に製造できることなどから、各種の用途に広く使用されている。特に、容器壁の内面が低密度ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂で形成され且つダイレクトブロー成形で成形されたボトル形状のオレフィン系樹脂容器は、内容物を絞り出し易いという観点から、ケチャップなどの粘稠なスラリー状或いはペースト状の内容物を収容するための容器として好適に使用されている。
また、粘稠な内容物を収容するボトルでは、該内容物を速やかに排出するため、或いはボトル内に残存させることなくきれいに最後まで使いきるために、ボトルを倒立状態で保存しておかれる場合が多い。従って、ボトルを倒立させたときには、粘稠な内容物がボトル内壁面に付着残存せずに、速やかに落下するという特性が望まれている。
このような要求を満足させるために、従来は、ボトルの内面を形成する樹脂に滑剤を配合するなどの手段により対処していたが、このような手段では滑り性向上に限界があり、飛躍的な向上は達成されていないのが実情である。
このような観点から、最近では、滑り性を飛躍的に向上させる手段として、容器の内面に液膜を形成するという手段が提案されている(特許文献1〜3参照)。
即ち、容器内面に液膜を形成しておくと、容器内容物は液−液接触で容器内面上を滑り落ちることとなるから、内容物に応じて液膜を形成する液体を適宜のものに選択することにより、粘稠な内容物に対しても著しく高い滑落性を確保することができ、その排出性を飛躍的に高めることができるというものである。
ところで、上記のような液膜の形成により内容物に対する滑落性を高める場合、その液膜が容器内面から脱落しないように安定に保持することが重要な問題となるが、前述した特許文献1〜3にも記載されているように、容器内面を微細な凹凸が形成されている粗面とするという手段が採用されている。
容器内面をこのような粗面とする手段としては、例えば特許文献3には、容器内面を形成する樹脂にシリカ等の微細粒子を配合して容器への成形を行うという手段が開示されている。かかる手段は、特別な成形型を用いたり、粗面加工等の処理を行う必要がなく、工業的実施に極めて有利である。
しかしながら、容器内面を形成する樹脂に微細粒子を配合することにより、容器内面を粗面とするという手段では、表面に保持し得る液量に限界があり、液膜の厚みが薄く且つ厚みにバラつきを生じ易く、液膜による内容物に対する滑り性向上効果を安定に発揮させ難いという問題があり、その改善が必要となっている。
WO2012/100099 WO2013/022467 WO2014/010534
従って、本発明の目的は、特に粘稠な内容物の収容に好適に適用される包装体について、内容物に対する滑り性向上効果を安定に発揮させるに十分な厚みの液膜を安定に形成することが可能な粗面が包装体内面の全体にわたって形成されている包装体を提供することにある。
本発明の他の目的は、内面の全体にわたって液膜が安定に保持された包装体を提供することにある。
本発明によれば粗面化用粒状物が分散された樹脂組成物を用いて内面が形成されている包装体において、
前記粗面化用粒状物が、少なくとも2つの極大ピークを有する複分散粒度分布を有していることを特徴とする包装体が提供される。
本発明の包装体においては、
(1)前記複分散粒度分布は、0.2〜6μmの範囲にある第1の極大ピーク値と8〜100μmの範囲にある第2の極大ピーク値と有しており、第1の極大ピーク値と第2の極大ピーク値とは、3μm以上の間隔を有していること、
(2)前記粗面化用粒状物が、金属酸化物、金属塩、有機微粒子からなる群より選択された少なくとも一種であること、
(3)前記粗面化用粒状物が、内面を形成している樹脂100質量部当り1〜20質量部の量で分散されていること、
(4)内面を形成している樹脂が、オレフィン系樹脂であること、
(5)包装体内に収容される内容物に対して非混和性の滑り性向上液が内面にコーティングされていること、
が好適である。
本発明の包装体では、粗面化用粒状物が配合された樹脂組成物により内面が形成されている。即ち、容器内面を形成する樹脂層中には、粗面化用粒状物が分布しており、この粒状物によって粗面が形成されるのであるが、本発明では、この粗面化用粒状物として、複分散粒度分布を有するものが使用されている。即ち、この粗面化用粒状物は、少なくとも2つのピーク値を示す粒度分布を有しており、大まかに言うと、大径粒子群と小径粒子群とから構成されている。このような複分散粒度分布を有する粗面化粒状物を含む樹脂組成物により内面が形成されている本発明のダイレクトブロー容器では、その内面の粗面化の程度が、表面にコーティングされる液体に対して優れたアンカー効果を示し、内容物に対する滑り性向上効果を安定に発揮させるに十分な厚みの液膜を安定に形成することが可能となる。
このように、本発明のダイレクトブロー容器は、内容物に対して滑り性を示す液膜を、その内面全体にわたって厚く形成することができるため、内容物の充填に先立って、このような液膜を内面に設けることによって、内容物に対する滑落性を有効に発揮させることが可能となる。
粗面化の原理を説明するための図。 本発明のダイレクトブロー容器の形態を示す図。 実施例1で用いた粗面化用粒状物の粒度分布を示す図。
<粗面化の原理>
本発明の包装体を説明するに先立って、粗面化用粒状物を用いてのダイレクトブロー容器内面の粗面化の原理を説明しておく。
ダイレクトブロー容器は、成形用の樹脂を用いての押出成形により、チューブ状のパリソンを形成し、次いで、このパリソンの一方の端部をピンチオフして閉じ、次いで、エアー等のブロー流体をパリソンの内部に供給してのブロー成形(延伸成形)により容器の形態に賦形することにより製造される。
図1を参照して、粗面化用粒状物が配合された樹脂組成物を用いての押出成形により、チューブ状のパリソンを形成すると、パリソン壁1の内部には、粒子3が分散しており、この状態では、粒子3の形状は、壁面に反映されず、従って、パリソン壁1の表面は平滑な面となっている。
このような構造のパリソンをブロー成形に供して容器の形態に賦形すると、ブロー成形による延伸によって、パリソン壁1が薄肉化され、得られる容器壁5は、ブロー(延伸)の度合いに応じて薄肉化されることとなる。このようなブロー成形(延伸成形)による薄肉化によって、粒子3の形状が表面に反映され、容器壁5の内面側が粗面となる。即ち、このような内面に所望の液体(滑性向上液)がコーティングされて滑性を高めるための液膜が形成されることとなる。
尚、図1に示されているように、外面側が粗面化されず、平滑面となっているのは、外面側は、容器形状に賦形するためのブロー型に接触して冷却されるため、ブロー型の型面が転写されるからである。
上記の説明から理解されるように、粗面化用粒状物が配合されている樹脂組成物を用いてのダイレクトブロー成形により容器の内面を粗面化する場合、粒子3の粒径が粗面化の形態に大きく影響することとなる。即ち、粒径が大きな粒子では、粗さの大きな粗面が形成され、粒径の小さな粒子では、粗さの小さい細やかな粗面が形成されることとなる。
後述の実験例で示す通り、粒径の大きい大径粒子群単独で用いた場合に形成される面における最大高さPVは、粒径の小さい小径粒子群単独で用いた場合に形成される面における最大高さPVと比較して大きくなる。すなわち、大きな凹凸を形成するためには、粒径の大きい大径粒子群を用いることが有効であると言える。しかし、大径粒子群単独で用いた場合に形成される面では、その凸部の突起数は少なくなり、粗さの小さな凹凸を多数形成することは困難であり、大径粒子群を単独で用いて、大きな凹凸に重なって小さな凹凸が形成されたフラクタル状の構造面を形成することは極めて困難であると言える。
一方、小さな凹凸を形成するという観点からは、小径粒子群を用いることが有効であり、後述の実験例に示す通り、小粒径粒子の添加によって、凸部の突起数を増加させることが可能である。しかしながら、小径粒子群単独では大径粒子群のような大きな凸部を形成することが難しく、小径粒子群単独でも大きな凹凸に重なって小さな凹凸が形成されたフラクタル状構造面を得ることは極めて困難であると言える。
したがって、本発明においては、該粒状物として、少なくとも2つのピーク値を示す粒度分布を有するものを使用することで、ダイレクトブロー成形において、粒径が大きな粒子により粗さの大きな粗面を形成させ、かつ、粒径の小さな粒子により粗さの小さい細やかな粗面が形成させることにより、上述の粗さの異なる階層的な構造面(フラクタル状の構造面)を得ることができる。
このような粗面化用粒状物を粗面化するに際して、本発明では、該粒状物として、少なくとも2つのピーク値を示す粒度分布(複分散粒度分布)を有するものを使用する点に顕著な特徴を有するものであり、これにより、この表面に滑性向上液を塗布することにより、該液体による厚い液膜(即ち液量が多い)を、その内面全体にわたって形成することができる。
このような複分散粒度分布を有する粗面化用粒状物が配合されている樹脂組成物を用いての成形により、厚い液膜を形成し得る理由は正確に解明されたわけではないが、本発明者等は次のように推定している。
即ち、本発明では、粒径の大きい大径粒子群の粒子によって形成される粗い面と粒径の小さな小径粒子群の粒子によって形成される粗さの小さな面とが複合化しており、例えば大きな凹凸に重なって小さな凹凸が形成されたフラクタル構造面が形成され、このため、この上に塗布される液体と該面との接触面積が大きく、この結果として大きなアンカー効果が発揮され、該面に保持され得る液量が多くなり、表面に形成される液膜の厚みを厚くすることが可能となるわけである。
<ダイレクトブロー容器の形態>
本発明のダイレクトブロー容器は、図2に示されるように、一般にボトルの形態を有しており、このボトル10は、螺条を備えた首部11、肩部13を介して首部11に連なる胴部15及び胴部15の下端を閉じている底部17を有している。
かかるボトル10は、その延伸成形部(肩部13、胴部15及び底部17)の内面が、前述した複分散粒度分布を有する粗面化用粒状物により形成された粗面となっている。
このような粗面は、一般に、その最大高さPV(Peak−Valley間高さ)が4〜50μmの範囲となるように、粗面化粒状物の複分散粒度分布のピーク値が設定されていることが好ましく、これにより、この粗面の全体にわたって、多くの液量を安定に保持することができる。ここで、この最大高さPVは複分散粒度分布を有する粗面化用粒状物のうち、粒径の大きい大粒径粒子群の粒子によって形成された値となる。
即ち、このようなボトル10には、内容物の充填に先立って、内容物の種類に応じて、該内容物とは非混和性の滑性向上液がスプレーコート等により、その内面に塗布され、この後、内容物が充填され、次いで、首部11の上端開口部にアルミ箔等の金属箔19をヒートシールにより施し、所定のキャップ20を装着することにより、包装ボトルとして使用に供される。かかる包装ボトルでは、キャップ20を開封し、シール材が塗布された金属箔19を引き剥がし、ボトル10を傾倒乃至倒立させることにより、必要により胴部壁15をスクイズすることにより容器内容物の取り出しが行われる。
上述したボトル10の内面を形成する樹脂組成物において、粗面化用粒状物が配合される樹脂としては、ボトル容器の形態への成形が可能な熱可塑性プラスチック、例えばポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルやオレフィン系樹脂などを例示することができ、特に滑り性の向上が要求される粘稠な流動性内容物が充填される容器、例えばダイレクトブロー容器の成形に好適に使用されるという観点から、オレフィン系樹脂、特に、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、中或いは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンなどにより形成される。勿論、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体等も好適であり、さらに、特開2007−284066号等に開示されている環状オレフィン共重合体であってもよい。
上記の樹脂に配合される粗面化用微の粒状物としては、一般に、無機微粒子、例えば、シリカ、アルミナ、チタン酸化物などの金属酸化物の微粒子、金属塩などが使用されるが、有機の微粒子、例えば、多官能アクリルモノマーを重合硬化して得られる有機微粒子なども使用することができる。
また、無機微粒子は、吸湿などを回避するために、疎水化処理されていることが好ましい。このような疎水化処理は、シラン化合物、シロキサン化合物、シラザン化合物、チタンアルコキシド化合物などの疎水化剤を用い、カップリングアルキル基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアルキルシリル基などの疎水性官能基により無機微粒子表面を修飾することや、無機微粒子と脂肪酸などの疎水性物質を(加熱)混合し、無機微粒子表面を被覆することにより行われる。
本発明において、上述した粗面化用の粒状物は、複分散型の粒度分布を有するものであり、例えば図3に示す粒度分布を示す。この粒度分布は、レーザ回折散乱法で測定され、小径側の第1の極大ピークXと大径側の第2の極大ピークYとを有している。
このような複分散粒度分布において、第1の極大ピークXは0.2〜6μmの範囲にあり、第2の極大ピークYは8〜100μmの範囲にあることが好ましく、また、第1の極大ピークXと第2の極大ピークYとの間隔dは3μm以上の範囲にあることが望ましい。
即ち、第1の極大ピークXや第2の極大ピークYの位置が上記範囲外である時には、最終的に形成されるボトル10の内面の最大高さPVが前述した範囲(4〜50μm)からずれてしまい、結果として、滑り性向上液の限界保持量が少なくなったり、或いは限界保持量は確保できるとしても、ボトル10の内面でのクラックの発生などの成形不良を生じ易くなってしまう。
また、第1の極大ピークXと第2の極大ピークYとの間隔dが小さすぎると、複分散による粗面化が十分に発揮されず、滑り性向上液の限界保持量を増大させることが困難となってしまうおそれがある。
さらに、上記の粒度分布においては、第1の極大ピークXのピーク強度(頻度)と第2の極大ピークYのピーク強度(頻度)との比(X/Y)は、0.1〜10、特には0.1〜5の範囲にあり、且つこれらピークX,Yの間にある極小ピークZの強度(頻度)は20%以下であることが、粗面化の複合効果を十分に発揮し、大きな比表面積を形成し、滑り性向上液の限界保持量を増大させる上で好適である。
尚、上記の例では、極大ピークが2つある場合を例にとって説明したが、本発明による粗面複合化の効果が損なわれない限りにおいて、例えば小径の極大ピークXよりも小径側或いは大径の極大ピークYよりも大径側に、さらに極大ピークが存在していてもよい。
さらに、かかる粗面化用粒状物は、通常、上記の樹脂100質量部当り、1〜20質量部、特に3〜10質量部の量で使用することが好ましい。この量が少な過ぎると、粗面化を有効に行うことが困難となり、また、多すぎると、成形が困難となってしまう。
粗面化用微粒子の上記樹脂への配合は、押出機中の混練部に樹脂及び粗面化用粒状物を投入しての溶融混練により容易に行われる。
この際、粗面化に影響を与えない限りにおいて、この樹脂組成物に公知の添加剤を配合してもよいことは勿論である。
また、ボトル10の成形は、粗面化用の粒状物が配合された樹脂組成物を溶融押出してチューブ状のパリソンを成形し、次いでブロー成形を行うことにより行われるが、該樹脂組成物により内面が形成される限り、他の樹脂が積層された多層構造とすることもできる。例えば、エチレンビニルアルコール共重合体などのガスバリア性樹脂の層が接着剤樹脂の層を介して中間層として設けられた多層構造とすることもできるし、パリソンやボトルの成形の際に発生するバリ等のスクラップをバージンの樹脂に混合されたリグラインドの層を中間層と設けることも可能である。
上記の製造プロセスにおいて、パリソンからボトル10を得るためのブロー成形は、それ自体公知の方法で、樹脂のガラス転移点(Tg)以上の温度で行われる。
さらに、ボトル10を形成するためのブロー成形では、一般に、所望の強度や柔軟性、可能性、スクイズ性等が発現し得るように、例えば胴部での厚みが200〜800μm程度となるように、周方向延伸倍率が2〜4倍程度に設定される。
上記のようにして得られるボトル10の内面には塗布される液体は、該内面の全体にたって濡れ拡がり且つ均一な厚みの液膜を形成するという観点から、前述した内面形成用樹脂との界面張力が20mN/m以下、特には15mN/m以下、格段には10mN/m以下であることが望ましく、このような濡れ性の良好な液体の中から、最終的に充填される内容物の種類に応じて、該内容物と混和せずに良好な滑り性を発揮するものが選択される。
例えば、このボトル10に収容される内容物としては、一般に、25℃での粘度が100mPa・s以上の粘稠な流動物が好適であり、本発明では、このような粘稠な流動物がボトル10内に充填されていた場合にも、所定の液体を適宜選択して液膜を形成することにより、該内容物のボトル内壁面への付着を防止し、綺麗に排出させたり或いは最後まで使い切ることができる。即ち、ボトル10の内面に液膜を形成することにより、内容物である粘稠な内容物が液−液接触して排出されることとなり、容器内面に粘稠な内容物が接触しないため、容器60の内面に粘稠な内容物が付着することなく、速やかにきれいに排出することができる。
このような粘稠な内容物は、乳化物、非乳化物の何れの形態を有するものであってよく、その具体例としては、マヨネーズ、ケチャップ、各種ソース類(ウスターソース、中濃ソースなど)、水性糊、蜂蜜、マヨネーズ、マスタード、ドレッシング、ジャム、チョコレートシロップ、ヨーグルト、乳液等の化粧液、液体洗剤、シャンプー、リンス等を挙げることができる。
また、上記のような粘稠な内容物に対する滑り性を向上させるための液体としては、食用油または流動パラフィン(以下、これらを油性液体と呼ぶ)が好適である。これらの油性液体は、大気圧下での蒸気圧が小さい不揮発性の液体であり、且つ粘度が適度に高いため、ボトル10の内面から流れ落ち難いばかりか、ボトル10の内面を形成するオレフィン系樹脂等との界面張力が低く、ボトル10の内面に広がって均一な膜を形成し易く、さらには、水分を含む多くの粘稠な内容物に対して高い撥液性を示し、粘稠な内容物に対して高い滑り性を示すからである。
尚、上記の油性液体の内、食用油としては、大豆油、菜種油、オリーブオイル、米油、コーン油、べに花油、ごま油、パーム油、ひまし油、アボガド油、ココナッツ油、アーモンド油、クルミ油、はしばみ油、サラダ油等を例示することができ、これらは、混合して使用することも可能である。また、食用油の種類によっては、内容物と混和してしまって膜が形成できなくなってしまうことがあるが、このような場合は、他の食用油或いは流動パラフィンの内から、内容物と混和しないものを選択して使用すればよい。
また、上述した油性液体は、2種以上を混合して油膜の形成に使用してもよいし、液膜による発現する滑り性等の特性に影響を与えない限りにおいて、界面滑性剤等の添加剤を適宜配合することもできる。
<その他の形態>
本発明の包装体は、種々の形態を有することができるが、特に滑り性向上液の選択により粘稠な流動性内容物に対する滑り性を向上させ、滑り性向上液を安定的に保持できることから、包装体の内面全体に亘って粗面化用粒状物が分散されていることが好ましい。
例えば、このような包装体の形態は、ダイレクトブロー容器に制限されず、カップ乃至コップ状、ボトル状、袋状(パウチ)、シリンジ状、ツボ状、トレイ状、二重構造状、二重フィルム袋状、包装体材質に応じた形態を有していてよく、延伸成形されていてもよい。
また、ガラスや金属、或いは紙等に粗面化用粒状物が分散された樹脂組成物を塗布した多層構造とすることも可能であるし、さらに、他の樹脂層と積層した多層構造とすることも可能である。何れにしろ、内面に粗面化用粒状物が分散された樹脂組成物を用いて内面が形成されていればよい。
本発明においては、上記のような液体についての保持量が高い表面構造を内面に形成することが可能となる。
本発明を次の実験例にて説明する。
1.表面形状測定
後述の方法で作製したフィルムから50mmx50mmの試験片を切り出した。非接触表面形状測定機(NewView7300,zygo社製)を用いて、樹脂構造体の表面形状測定を行った。測定ならびに画像解析には、アプリケーションとして、MetroPro(Ver.9.1.4 64−bit)を用いた。282.75μmx212.06μmの範囲を測定した。測定データから、測定範囲内のPV値、突起数を求めた。ここでPV値とは測定範囲内の最大高さを示す。さらに突起数を算出する際、Reference Bandの値として、後述する実施例5の十点平均粗さの値を用い、粗面化用粒状物に由来する突起を突起数として数えた。
<実験例1>
ラボプラストミルを使用して、樹脂として低密度ポリエチレン(LDPE)を押出機Aに、粗面化用粒状物としてシリカ微粒子(平均粒径:5μm)が、LDPE/シリカ微粒子=99/1(重量比)である樹脂組成物を、押出機Bにそれぞれ供給し、温度210℃のリングダイヘッドより押し出し、内側がLDPE、外側が粗面化用粒状物配合樹脂(LDPE/粗面化用粒状物の樹脂組成物)からなる円筒状の二層フィルムを作製した。フィルムの膜厚を顕微鏡にて測定したところ、内側のLDPE層は約60μm、外側の微粒子配合樹脂層は約70μm、全体で約130μmであった。作成したフィルムを用いて、表面形状測定を行った。結果を表1に示す。
<実験例2>
LDPE/粗面化用粒状物の重量比を90/10とした以外は実験例1と同様にしてフィルムを作成し、表面形状測定を行った。結果を表1に示す。
<実験例3>
粗面化用粒状物として架橋PMMA微粒子(平均粒径:10μm)を用いた以外は実験例1と同様にしてフィルムを作成し、表面形状測定を行った。結果を表1に示す。
<実験例4>
LDPE/粗面化用粒状物の重量比を90/10とした以外は実験例3と同様にしてフィルムを作成し、表面形状測定を行った。結果を表1に示す。
<実験例5>
押出機A、B共にLDPEを供給した以外は実験例1と同様にしてフィルムを作成し、表面形状測定を行った。結果を表1に示す。
粒径の大きい粗面化用粒状物を用いた場合、形成される面における最大高さPVは、粒径の小さい粗面化用粒状物を用いた場合のPVよりも大きく、大きな凹凸が形成されていることがわかる。しかし、形成される面における突起数を見ると、粒径の小さな粗面化用粒状物を用いた方が、粒径の大きな粗面化用粒状物よりも大きな値を示しているおり、細かい凹凸が多数形成されていることがわかる。
以上のことから粒径の違いによって与えられる表面形状が異なり、凹凸の大きな粗面を作成するためには、粒径の大きな粗面化用粒状物を用いることが有効であり、一方で凹凸の細かな粗面を形成するためには、粒径の小さな粗面化用粒状物を用いることが有効であると言える。
1:パリソン壁
3:粗面化用の粒子
10:ダイレクトブローボトル
11:首部
13:肩部
15:胴部
17:底部

Claims (7)

  1. 粗面化用粒状物が分散された樹脂組成物を用いて内面が形成されている包装体において、
    前記粗面化用粒状物が、少なくとも2つの極大ピークを有する複分散粒度分布を有していることを特徴とする包装体。
  2. 前記複分散粒度分布は、0.2〜6μmの範囲にある第1の極大ピークと8〜100μmの範囲にある第2の極大ピークと有しており、第1の極大ピークと第2の極大ピークとは、3μm以上の間隔を有している請求項1に記載の包装体。
  3. 前記粗面化用粒状物が、金属酸化物、金属塩、有機微粒子からなる群より選択された少なくとも一種である請求項1または2に記載の包装体。
  4. 前記粗面化用粒状物が、内面を形成している樹脂100質量部当り1〜20質量部の量で分散されている請求項1〜3に記載の包装体。
  5. 内面を形成している樹脂が、オレフィン系樹脂である請求項1〜4の何れかに記載の包装体。
  6. 包装体内に収容される内容物に対して非混和性の滑り性向上液が内面にコーティングされている請求項1〜5の何れかに記載の包装体。
  7. ダイレクトブロー法で成形された請求項1〜6記載の包装体。
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