JP2015227320A - 燻蒸剤 - Google Patents
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Abstract
Description
[8]前記活性剤は、難溶性酸と易溶性酸とが重量で1:0.1〜2.0の比率で配合されている前項1〜7のうちのいずれか1項に記載の燻蒸剤。
本発明の第1の燻蒸剤は、殺菌作用を有する二酸化塩素を発生させるための必須成分として主剤および活性剤を含み、任意添加成分して燻煙促進剤、反応安定剤、発熱剤のうちの1種以上を含んでいる。前記燻蒸剤は水の存在下で二酸化塩素ガスを発生する。
主剤は二酸化塩素の塩素源であり亜塩素酸塩を用いる。本発明で使用できる亜塩素酸塩として、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸バリウム等を挙げることができる。これらの塩のうちでも、特に亜塩素酸ナトリウムを用いることが好ましい。亜塩素酸ナトリウムは工業的に漂白剤や食品添加物として広く用いられており、入手し易くコスト面でも有利である。
活性剤は主剤の亜塩素酸塩に対して酸化作用を有し、水の存在下で亜塩素酸塩と反応して二酸化塩素を発生させる成分である。本発明においては、主剤と活性剤との混合直後から高濃度の二酸化塩素を発生させ、かつ高濃度の二酸化塩素の発生を所定時間維持するために、水に難溶の酸と水に易溶の酸との混合酸を使用する。
燻煙促進剤は、発生させた二酸化塩素ガスの空気中への放散を促すために添加される。燻煙促進剤は主剤、活性剤、水のいずれかと反応してガスを発生するものを使用し、発生したガスが反応液を攪拌することによって二酸化塩素ガスの空気中への放散を促し、燻蒸空間に二酸化塩素ガスの燻煙を行き渡らせる。主剤、活性剤、水のいずれかと反応してガスを発生する物質として炭酸塩または多孔質ケイ酸塩を挙げることができる。
反応安定剤は、反応液を攪拌して主剤と活性剤の偏在を防いで、二酸化塩素の発生反応を安定させるために添加される。二酸化塩素の爆発限界は10vol%とされており、反応用容器内で10vol%を超える部分があると発火や爆発のおそれがある。発生した二酸化塩素は反応用容器内にとどまることなく空気中に放散されていくので反応用容器内の二酸化塩素が爆発限界を超えることがないが、たとえ短時間であっても局部的に高濃度部分が生じないように反応液を攪拌して濃度を均一にすることが好ましい。
発熱剤は反応液温度を上昇させて反応性を高めるために添加される。また、寒冷地や冬季の低温環境では反応液温度が低下することがあるが、発熱剤の添加によって反応液温度の低下を防いで反応性を高めることができる。発熱剤は、主剤、活性剤、水のうちのいずれかと反応して発熱するものを用いる。例えば、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、無水塩化カルシウム、pH6以下に調整した多孔質ケイ酸塩を用いることができる。
第2の燻蒸剤は、主剤として亜塩素酸塩を含み、水の存在下で前記主剤と反応して二酸化塩素ガスを発生させる活性剤として難溶性酸または易溶性酸を含み、さらに発生させた二酸化塩素ガスの放散を促進する燻煙促進剤として、炭酸塩およびpH6以下に調整された多孔質ケイ酸塩のうちの少なくとも1種を含んでいる。
上述した燻蒸剤の構成成分は固体であり、水の存在下で二酸化塩素を発生するので、使用時に水を含む全成分を混合する。水は固体成分の混合物に加えても良いし、一部の固体成分を水溶液とし、この水溶液と他の固体成分とを混合することもできる。例えば、主剤である亜塩素酸塩に水を加えて水溶液とし、亜塩素酸塩水溶液と他の成分とを混合することができる。
二酸化塩素ガスを発生する実施例の燻蒸剤を調製し、ブロイラーを飼養する3棟のウインドレス鶏舎において燻蒸試験を行った。
燻蒸剤は第1剤と第2剤とに分けて調整した。第1剤は25%の亜塩素酸ナトリウム水溶液であり、本発明における主剤の水溶液である。第2剤は固体であり、無水コハク酸、無水マレイン酸、硫酸によってpH6に調節した多孔質シリカゲルの混合物である。前記無水コハク酸および無水マレイン酸は、それぞれ活性剤の難溶性酸および易溶性酸である。前記無水コハク酸の平均粒径1000μmのものを使用した。pH6の多孔質シリカゲルは燻煙促進剤、反応安定剤および発熱剤を兼ねている。これらの成分の配合比は表1に示すとおりであり、第1剤350g(亜塩素酸ナトリウム87.5gを含む)と第2剤115gの合計465gを1単位として下記の燻蒸試験に使用した。本燻蒸剤1単位において、固体成分重量は207.5g、水重量は262.5gであり、これらの比率は1:1.27である。
試験に使用した3棟の鶏舎は、通常の飼養作業として、55〜58日間の飼養を完了した鶏を出荷した後、次の雛入れを行う前に、清掃、水洗、塩素あるいは4級アンモニウム塩による消毒、乾燥、燻蒸、換気、湿度および温度の調整という一連のメンテナンスを行い、飼養とメンテナンスとを繰り返している、燻蒸試験は上記の通常の飼養作業を行う中で行い、メンテナンスの乾燥後に行う燻蒸として実施した。
上記の実施例の燻蒸剤を用いて燻蒸試験を実施した。
A棟においては、上記燻蒸試験前、および燻蒸終了から3時間後および20時間後に、一般生菌、大腸菌および真菌の菌検査を行った。
上記の3棟の鶏舎(1)において、グルタルアルデヒドを用いた比較燻蒸試験を行った。
10…燻蒸剤の反応用容器
Claims (13)
- 主剤として亜塩素酸塩を含み、水の存在下で前記主剤と反応して二酸化塩素ガスを発生させる活性剤として難溶性酸および易溶性酸を含むことを特徴とする燻蒸剤。
- 前記難溶性酸は無水コハク酸である請求項1に記載の燻蒸剤。
- 前記易溶性酸は、無水マレイン酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、クエン酸の群から選ばれる1種以上の酸である請求項1または2に記載の燻蒸剤。
- さらに、発生させた二酸化塩素ガスの放散を促進する燻煙促進剤として、炭酸塩およびpH6以下に調整された多孔質ケイ酸塩のうちの少なくとも1種を含む請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の燻蒸剤。
- さらに、前記主剤と活性剤との反応を安定させる反応安定剤として、炭酸塩およびpH6以下に調整された多孔質ケイ酸塩のうちの少なくとも1種を含む請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の燻蒸剤。
- さらに、発熱剤として、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、無水塩化カルシウム、pH6以下に調整された多孔質ケイ酸塩の群から選ばれる1種以上を含む請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の燻蒸剤。
- 前記主剤と活性剤とが、重量で1:0.3〜3.0の比率で配合されている請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の燻蒸剤
- 前記活性剤は、難溶性酸と易溶性酸とが重量で1:0.1〜2.0の比率で配合されている請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の燻蒸剤。
- 前記主剤と燻煙促進剤とが、重量で1:0.1〜1.5の比率で配合されている請求項4〜8のうちのいずれか1項に記載の燻蒸剤。
- 前記主剤と反応安定剤とが、重量で、1:0.5〜2.0の比率で配合されている請求項5〜9のうちのいずれか1項に記載の燻蒸剤。
- 前記主剤と発熱剤とが、重量で1:0.5〜2.0の比率で配合されている請求項6〜10のうちのいずれか1項に記載の燻蒸剤。
- 主剤として亜塩素酸塩を含み、水の存在下で前記主剤と反応して二酸化塩素ガスを発生させる活性剤として難溶性酸または易溶性酸を含み、さらに発生させた二酸化塩素ガスの放散を促進する燻煙促進剤として、炭酸塩およびpH6以下に調整された多孔質ケイ酸塩のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする燻蒸剤。
- 閉鎖された空間内において、重量で、請求項1〜12のうちののいずれか1項に記載の燻蒸剤と水とを、重量で1:0.8〜1.5の比率で混合して二酸化塩素ガスを発生させることを特徴とする燻蒸方法。
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