JP6433007B1 - 二酸化塩素ガスの発生方法、液性組成物、ゲル状組成物、及び二酸化塩素ガス発生キット - Google Patents

二酸化塩素ガスの発生方法、液性組成物、ゲル状組成物、及び二酸化塩素ガス発生キット Download PDF

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Abstract

【課題】発生する二酸化塩素ガスの濃度を自在に制御可能とするとともに、二酸化塩素ガスを即効的にかつ長期に亘って安定的に発生させることができるようにする。【解決手段】亜塩素酸塩水溶液と、亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に調整する活性化剤と、活性化剤の作用を遅効的に低減させる活性化抑制剤と、金属ヨウ化物とを、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり金属ヨウ化物を0.4質量%以下かつ活性化抑制剤を1質量%以下の割合で混合して、得られる液性組成物から二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させる。【選択図】なし

Description

本発明は、二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させる技術に関する。
二酸化塩素は強い酸化力を有しており、その酸化作用によって除菌したり悪臭成分を分解したりすることが知られている。このため、二酸化塩素は、除菌剤、脱臭剤、防カビ剤、又は漂白剤等として広く使用されている。これらの用途では、二酸化塩素は二酸化塩素ガスの形態で用いられる場合が多い。
二酸化塩素ガスの発生方法の一例として、亜塩素酸塩水溶液に有機酸又は無機酸等の活性化剤を添加する方法が、例えば特開2005−29430号公報(特許文献1)に開示されている。この特許文献1の方法では、セオピライトやゼオライト等のガス発生調節剤を用いて、二酸化塩素ガスの発生量を調整している。特許文献1には具体的な記載はないが、セオピライトやゼオライトは多孔質であるため、ガス発生量が多い場合に過剰なガスをガス発生調節剤の内部に保持し、ガス発生量が少ない場合に保持していたガスを放出することによってガス発生量を調整していると推察される。
しかしながら、物理的吸着作用によってだけではガス発生量を十分に調整することができず、亜塩素酸塩水溶液への活性化剤の添加後の二酸化塩素ガス濃度の急激な上昇を十分に抑えることができない。このため、特許文献1では二酸化塩素ガスを持続的に発生させることを謳っているものの、その効果は限定的であると言わざるを得なかった。活性化剤として弱酸を用いれば、二酸化塩素ガスの急激な濃度上昇は抑えられるものの、最大濃度に到達するまでに時間を要し即効性に欠けるという欠点があった。また、発生する二酸化塩素ガスの濃度は亜塩素酸塩の濃度のみに依存し、最大濃度を制御することはできなかった。
特開2005−29430号公報
発生する二酸化塩素ガスの濃度を自在に制御可能とするとともに、二酸化塩素ガスを即効的にかつ長期に亘って安定的に発生させることができるようにすることが望まれている。
本発明に係る第1の二酸化塩素ガスの発生方法は、
亜塩素酸塩水溶液と、前記亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に調整して二酸化塩素ガスを発生させる活性化剤と、前記活性化剤の作用を遅効的に低減させる活性化抑制剤と、金属ヨウ化物とを、1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり前記金属ヨウ化物を0.4質量%以下かつ前記活性化抑制剤を1質量%以下の割合で混合して、得られる液性組成物から二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させることを特徴とする。
本発明に係る第2の二酸化塩素ガスの発生方法は、
亜塩素酸塩水溶液と、前記亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に調整して二酸化塩素ガスを発生させる活性化剤と、前記活性化剤の作用を遅効的に低減させる活性化抑制剤と、金属ヨウ化物と、吸水性樹脂とを、1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり前記金属ヨウ化物を0.4質量%以下かつ前記活性化抑制剤を1質量%以下の割合で混合して、得られるゲル状組成物から二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させることを特徴とする。
本発明に係る液性組成物は、
亜塩素酸塩水溶液と、前記亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に調整して二酸化塩素ガスを発生させる活性化剤と、前記活性化剤の作用を遅効的に低減させる活性化抑制剤と、金属ヨウ化物とを、1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり前記金属ヨウ化物を0.4質量%以下かつ前記活性化抑制剤を1質量%以下の割合で含み、二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させることを特徴とする。
本発明に係るゲル状組成物は、
亜塩素酸塩水溶液と、前記亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に調整して二酸化塩素ガスを発生させる活性化剤と、前記活性化剤の作用を遅効的に低減させる活性化抑制剤と、金属ヨウ化物と、吸水性樹脂とを、1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり前記金属ヨウ化物を0.4質量%以下かつ前記活性化抑制剤を1質量%以下の割合で含み、二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させることを特徴とする。
本発明に係る第1の二酸化塩素ガス発生キットは、
亜塩素酸塩水溶液を含む第一薬剤と、
前記亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に調整して二酸化塩素ガスを発生させる活性化剤含む第二薬剤と、を備え、
前記活性化剤の作用を遅効的に低減させる活性化抑制剤と、金属ヨウ化物とが、それぞれ、前記第一薬剤及び前記第二薬剤のいずれかに含まれており、
1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり、前記金属ヨウ化物は0.4質量%以下であり、前記活性化抑制剤は1質量%以下であり、
前記第一薬剤と前記第二薬剤とを混合して得られる液性組成物から二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させることを特徴とする。
本発明に係る第2の二酸化塩素ガス発生キットは、
亜塩素酸塩水溶液を含む第一薬剤と、
前記亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に調整して二酸化塩素ガスを発生させる活性化剤及び吸水性樹脂を含む第二薬剤と、を備え、
前記活性化剤の作用を遅効的に低減させる活性化抑制剤と、金属ヨウ化物とが、それぞれ、前記第一薬剤及び前記第二薬剤のいずれかに含まれており、
1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり、前記金属ヨウ化物は0.4質量%以下であり、前記活性化抑制剤は1質量%以下であり、
前記第一薬剤と前記第二薬剤とを混合して得られるゲル状組成物から二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させることを特徴とする。
これらの構成によれば、各成分を混合させたとき、活性化剤が速効的に働くことによって二酸化塩素ガスが速やかに発生する。このとき、0.4質量%以下の金属ヨウ化物が触媒として働き、混合初期における二酸化塩素ガスの発生が促進される。よって、活性化剤として例えば弱酸を用いる場合であっても、二酸化塩素ガスが最大濃度に到達するまでの時間を短縮することができる。その後、1質量%以下の活性化抑制剤が遅効的に働くことによって活性化剤の作用を低減させることで、二酸化塩素ガスの発生が緩慢となる。これにより、混合後初期段階で二酸化塩素ガスを即効的に発生させつつ、その急激な濃度上昇が抑制され、二酸化塩素ガスが徐放されるようになる。従って、二酸化塩素ガスを即効的にかつ長期に亘って安定的に発生させることができる。また、活性化抑制剤の添加量を調整することで、発生する二酸化塩素ガスの濃度を自在に制御することができる。
以下、本発明の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
一態様として、
1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり、前記活性化抑制剤が0.03質量%以上0.3質量%以下であることが好ましい。
一態様として、
1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり、前記金属ヨウ化物が0.01質量%以上0.4質量%以下であることが好ましい。
一態様として、
前記活性化抑制剤と前記金属ヨウ化物との質量比が3:1〜1:3であることが好ましい。
これらの構成によれば、特に良好に、発生する二酸化塩素ガスの濃度を自在に制御できるとともに、二酸化塩素ガスを即効的にかつ長期に亘って安定的に発生させることができる。
一態様として、
前記活性化抑制剤が、ケイ酸アルカリ金属塩又はケイ酸アルカリ土類金属塩であることが好ましい。
この構成によれば、ケイ酸アルカリ金属塩又はケイ酸アルカリ土類金属塩が水溶液に溶解したときに、加水分解によって水酸化物イオンを生成することができる。よって、一般に酸が用いられる場合が多い活性化剤の作用を中和反応によって遅効的に低減することができ、二酸化塩素ガスの濃度を自在に制御することができる。
一態様として、
前記活性化抑制剤が、ケイ酸ナトリウムであることが好ましい。
この構成によれば、入手容易でかつ比較的安価なケイ酸ナトリウムを用いて、低コストに、二酸化塩素ガスの濃度を自在に制御することができる。
一態様として、
前記金属ヨウ化物が、ヨウ化カリウムであることが好ましい。
この構成によれば、入手容易でかつ比較的安価なヨウ化カリウムを用いて、低コストに、混合初期における二酸化塩素ガスの発生を促進することができる。
一態様として、
前記活性化剤が、無機酸若しくは有機酸、又はそれらの塩であることが好ましい。
この構成によれば、各成分を混合した後の初期段階で、迅速かつ適切に二酸化塩素ガスを発生させることができる。
一態様として、
前記第一薬剤が密封性の第一容器に封入されているとともに、前記第二薬剤が前記第一容器とは別の密封性の第二容器に封入されていることが好ましい。
この構成によれば、大気中からの酸素や水分の混入を防止することができ、第一薬剤や第二薬剤の劣化を防止することができる。よって、第一薬剤や第二薬剤を、その使用前において長期に亘って安定的に保存することができる。
一態様として、
前記第一薬剤及び前記第二薬剤が、人為操作で解除可能な隔離部によって互いに隔離された状態で、共通の密封性容器に封入されていることが好ましい。
この構成によれば、大気中からの酸素や水分の混入を防止することができ、第一薬剤や第二薬剤の劣化を防止することができる。よって、第一薬剤や第二薬剤を、その使用前において長期に亘って安定的に保存することができる。また、この構成では、第一薬剤と第二薬剤とを共通の密封性容器で一括的に取り扱うことができ、可搬性に優れる。使用時には、人為操作で隔離部を解除するだけで、共通の密封性容器の中で第一薬剤と第二薬剤とを容易に混合することができる。
一態様として、
前記隔離部が、ラビリンス構造部で構成されていることが好ましい。
この構成によれば、保存中に第一薬剤に含まれる亜塩素酸塩水溶液が隔離部を浸透して第二薬剤側に到達するのをより確実に防止することができる。よって、保存中に意図せず二酸化塩素ガスが発生し始めることをより確実に防止することができる。
一態様として、
前記第一薬剤が密封性かつ易破断性の第一容器に封入されているとともに、前記第二薬剤が前記第一容器と共に密封性の第二容器に封入されていることが好ましい。
この構成によれば、大気中からの酸素や水分の混入を防止することができ、第一薬剤や第二薬剤の劣化を防止することができる。よって、第一薬剤や第二薬剤を、その使用前において長期に亘って安定的に保存することができる。また、この構成では、第一容器に封入された第一薬剤を第二薬剤と共に第二容器で一括的に取り扱うことができ、可搬性に優れる。使用時には、外力を加えて第一容器を破断させるだけで、第二容器の中で第一薬剤と第二薬剤とを容易に混合することができる。
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
二酸化塩素ガスを徐放させる発生方法の原理説明図 二酸化塩素ガス濃度の時間推移を示すグラフ 第1実施形態の二酸化塩素ガス発生キットの外観模式図 二酸化塩素ガスの発生方法の一局面を示す模式図 ゲル状組成物の使用態様の一例を示す模式図 第2実施形態の二酸化塩素ガス発生キットの外観模式図 隔離部の近傍の拡大断面図 二酸化塩素ガスの発生方法の一局面を示す模式図 ゲル状組成物の使用態様の一例を示す模式図 第3実施形態の二酸化塩素ガス発生キットの外観模式図
〔第1実施形態〕
二酸化塩素ガスの発生方法、液性組成物、ゲル状組成物、及び二酸化塩素ガス発生キットの第1実施形態について説明する。本実施形態の二酸化塩素ガスの発生方法は、亜塩素酸塩水溶液と、速効性の活性化剤と、金属ヨウ化物と、遅効性の活性化抑制剤と、任意的に吸水性樹脂とを混合して、二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させる方法である。この方法を、本実施形態では、亜塩素酸塩水溶液、金属ヨウ化物、及び遅効性の活性化抑制剤を含む第一薬剤1と、速効性の活性化剤及び任意的に吸水性樹脂を含む第二薬剤2とを備える二酸化塩素ガス発生キットK(図3を参照)を用いて実行する。二酸化塩素ガス発生キットKの第一薬剤1と第二薬剤2とを混合して得られる液状組成物又はゲル状組成物3(図5を参照)から、二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させることができる。
なお、以下では、任意的成分である吸水性樹脂をも混合して、ゲル状組成物3から二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させる場合を例として説明する。
亜塩素酸塩水溶液は、亜塩素酸塩を含む水溶液である。亜塩素酸塩水溶液に含まれる亜塩素酸塩は、それ自体は安定であり、かつ、活性化剤との混合によって活性化されて二酸化塩素ガスを生成するものであれば特に制限されない。亜塩素酸塩としては、例えば亜塩素酸アルカリ金属塩又は亜塩素酸アルカリ土類金属塩を例示することができる。亜塩素酸アルカリ金属塩としては、例えば亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、亜塩素酸カリウム(KClO)、又は亜塩素酸リチウム(LiClO)が例示される。亜塩素酸アルカリ土類金属塩としては、例えば亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO)、亜塩素酸マグネシウム(Mg(ClO)、亜塩素酸バリウム(Ba(ClO)が例示される。これらの中では、亜塩素酸ナトリウムを好適に使用することができる。
混合前における亜塩素酸塩水溶液のpHは、特に制限されるものではないが、9以上13以下であることが好ましい。亜塩素酸塩水溶液のpHは、10以上12.5以下であることがより好ましく、11以上12以下であることがさらに好ましい。このようなpHとすることで、亜塩素酸塩水溶液中の亜塩素酸塩を安定化させて長期に亘って安定的に保存することができる。亜塩素酸塩水溶液のpHは、アルカリ剤によって調整することができる。アルカリ剤としては、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)又は水酸化カリウム(KOH)等が例示される。
亜塩素酸塩水溶液の亜塩素酸塩濃度は、0.01質量%以上25質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
活性化剤は、亜塩素酸塩水溶液と混合された際に溶液中の亜塩素酸塩を活性化して二酸化塩素ガスを発生させるものである。活性化剤としては、例えば無機酸若しくは有機酸、又はそれらの塩を例示することができる。無機酸としては、例えば塩酸(HCl)、炭酸(HCO)、硫酸(HSO)、リン酸(HPO)、又はホウ酸(HBO)等が例示される。無機酸の塩としては、例えば炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、リン酸二水素ナトリウム(NaHPO)、又はリン酸水素二ナトリウム(NaHPO)等が例示される。無機酸及びその塩としては、無水物(例えば、無水硫酸やピロリン酸等)を用いることもでき、例えばピロリン酸二水素ナトリウム等を好適に用いることができる。
有機酸としては、例えば酢酸(CHCOOH)、クエン酸(H(CO(COO)))、又はリンゴ酸(COOH(CHOH)CHCOOH)等が例示される。有機酸の塩としては、例えば酢酸ナトリウム(CHCOONa)、クエン酸二ナトリウム(NaH(CO(COO)))、クエン酸三ナトリウム(Na(CO(COO)))、リンゴ酸二ナトリウム(COONa(CHOH)CHCOONa)等が例示される。
活性化剤は、亜塩素酸塩水溶液と混合された際に、亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に調整する。より具体的には、活性化剤は、亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に低下させて酸性雰囲気とする。この意味で、活性化剤は、“速効的に酸性を示すpH調整剤”と言うことができる。亜塩素酸塩水溶液のpHを、2.5以上6.8以下とすることが好ましい。活性化剤は、亜塩素酸塩水溶液のpHを、3.5以上6.5以下とすることがより好ましく、4.5以上6.0以下とすることがさらに好ましい。好ましい活性化剤の一例としては、1%水溶液のpHが1.7以上2.4以下を示すメタリン酸ナトリウムが挙げられる。
例えば亜塩素酸塩水溶液に含まれる亜塩素酸塩が亜塩素酸ナトリウムである場合、水溶液のpHを上記のように調整して酸性雰囲気とすると、下記の式(1)に従い、亜塩素酸が生成する。
NaClO + H → Na + HClO ・・(1)
一方、二酸化塩素ガスを水に溶解させた場合の平衡反応は下記の式(2)で示される。
2ClO + HO ⇔ HClO + HClO ・・(2)
その際、以下の式(3)が成立する。
[HClO][HClO]/[ClO]=1.2×10−7・・(3)
亜塩素酸塩水溶液と活性化剤とを混合することによって亜塩素酸塩水溶液を酸性雰囲気とし、式(1)に従って亜塩素酸を生成させることで、式(3)の公理により、式(2)において平衡反応が左方向に進行するため、圧倒的な確率で水溶液中に二酸化塩素ガスを発生させることができる。
本実施形態の二酸化塩素ガスの発生方法においては、亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に調整する活性化剤(ここでは、これを「第1の活性化剤」と称する。)とは別に、亜塩素酸塩水溶液のpHを遅効的に調整する第2の活性化剤を合わせて混合しても良い。この意味で、第2の活性化剤は、“遅効的に酸性を示すpH調整剤”と言うことができる。第2の活性化剤は、第1の活性化剤よりも酸性度の低い無機酸若しくは有機酸、又はそれらの塩であって良い。好ましい第2の活性化剤の一例としては、1%水溶液のpHが3.8以上4.5以下を示すピロリン酸ナトリウムが挙げられる。
金属ヨウ化物は、亜塩素酸塩水溶液と混合された際に溶液中でヨウ化物イオンを生成して触媒として働く。金属ヨウ化物は、亜塩素酸塩水溶液と活性化剤との混合初期における二酸化塩素ガスの発生を促進する。金属ヨウ化物としては、例えばアルカリ金属のヨウ化物や、アルカリ土類金属のヨウ化物を例示することができる。具体的には、例えばヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化マグネシウム(MgI)、又はヨウ化カルシウム(CaI)等が例示される。これらの中では、ヨウ化カリウムを好適に使用することができる。
亜塩素酸塩水溶液に対する金属ヨウ化物の添加量は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)、0.4質量%以下とする。金属ヨウ化物の添加量の下限値は、特に限定されないが、混合初期における二酸化塩素ガスの発生促進効果が得られる程度の量とする(※ゼロは含まない)。金属ヨウ化物の添加量は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり、0.01質量%以上0.4質量%以下であることが好ましい。1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たりのより好ましい金属ヨウ化物の添加量は、0.1質量%以上0.25質量%以下である。
活性化抑制剤は、活性化剤と共に亜塩素酸塩水溶液と混合された際に、活性化剤の作用を遅効的に低減させるものである。活性化抑制剤は、亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に低下させるとの活性化剤の作用を、遅効的に低減させる。活性化抑制剤は、それ自体は、亜塩素酸塩水溶液のpHを遅効的に上昇させるものであって良い。この意味で、活性化抑制剤は、“遅効的にアルカリ性を示すpH調整剤”と言うことができる。活性化抑制剤としては、例えばケイ酸アルカリ金属塩又はケイ酸アルカリ土類金属塩を例示することができる。ケイ酸アルカリ金属塩としては、例えばケイ酸リチウム(mLiO・nSiO)、ケイ酸ナトリウム(mNaO・nSiO)、又はケイ酸カリウム(mKO・nSiO)等が例示される。ケイ酸アルカリ土類金属塩としては、例えばケイ酸マグネシウム(mMgO・nSiO)、ケイ酸カルシウム(mCaO・nSiO)、又はケイ酸ストロンチウム(mSrO・nSiO)等が例示される。これらの中では、ケイ酸ナトリウム(特に、メタケイ酸ナトリウム)を好適に使用することができる。なお、「ケイ酸アルカリ金属塩」や「ケイ酸アルカリ土類金属塩」は、水和物を含むものとする。
アルカリ金属又はケイ酸アルカリ土類金属の酸化物と二酸化ケイ素とのモル比(上記のn/m)は、特に制限されるものではないが、0.9以上1.2以下であることが好ましい。
例えば活性化抑制剤がメタケイ酸ナトリウムである場合、当該メタケイ酸ナトリウムは水溶液中で以下の式(4)のように解離(加水分解)する。
NaO・SiO + 2HO → 2NaOH + HSiO ・・(4)
このようにして、亜塩素酸塩水溶液との混合後に少し時間が経ってから生成する水酸化ナトリウム(NaOH)が、速効性の活性化剤(本例では酸)を部分的に中和するように作用することにより、活性化剤の作用を遅効的に低減させる。その結果、混合後初期段階での二酸化塩素ガスの急激な濃度上昇が抑制され、初期段階から二酸化塩素ガスを徐放させることができる。
一方、式(4)に示されるように、水酸化ナトリウムとは別にメタケイ酸(HSiO)も生成する。メタケイ酸は、亜塩素酸塩水溶液との混合後に少し時間が経ってから生成して酸として作用するものであり、この意味で、その元となる二酸化ケイ素(SiO)は、“遅効的に酸性を示すpH調整剤”の一例である。遅れて生成した水酸化ナトリウムとメタケイ酸とは、さらに、以下の式(5)のように反応する。
2NaOH + HSiO → NaO・SiO + 2HO ・・(5)
こうして、活性化抑制剤としてのメタケイ酸ナトリウムは、水溶液中で水酸化ナトリウムとメタケイ酸とに解離した状態と、再結合した状態との間で変態する(図1を参照)。そして、水酸化ナトリウムとメタケイ酸とに解離した状態で、亜塩素酸塩水溶液のpHを遅効的に調整する。すなわち、水酸化ナトリウムとメタケイ酸とに解離した状態で、メタケイ酸が水素イオン(H)の供給源として作用するとともに、水酸化ナトリウムが水酸化物イオン(OH)の供給源として作用して、亜塩素酸塩水溶液のpHを遅効的に調整する。その結果、二酸化塩素ガスを緩慢に発生させることができ、長期に亘って二酸化塩素ガスを安定的濃度で発生させることができる。また、金属ヨウ化物との併用により、二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させることができる。
ここで、「安定的濃度で発生」とは、閉鎖系において、発生する二酸化塩素ガスの濃度が混合後初期段階でピークを有さずにゆっくりと上昇して一定となること(図2を参照)、又は、ピークを有する場合でも最終濃度に対するピーク濃度の比が十分に低く抑えられることを意味する。後者の場合には、最終濃度に対するピーク濃度の比は、例えば1.3以下であることが好ましく、1.2以下であることがより好ましく、1.1以下であることがさらに好ましい。また、「即効的にかつ安定的濃度で発生」とは、亜塩素酸塩水溶液と活性化剤との混合後に、発生する二酸化塩素ガスの濃度が急激に上昇しつつ顕著なピークを有さずに最終濃度に収束することを意味する。
なお、図2では、閉鎖系において、亜塩素酸塩水溶液に活性化剤と共に金属ヨウ化物及び活性化抑制剤を混合させた場合の二酸化塩素ガスの濃度変化を実線で示している。また、比較のため、金属ヨウ化物及び活性化抑制剤を混合せずに活性化剤だけを混合させた場合の濃度変化を一点鎖線で示し、金属ヨウ化物を混合せずに活性化剤及び活性化抑制剤だけを混合させた場合の濃度変化を破線で示している。
また、本実施形態の方法によれば、発生する二酸化塩素ガスの濃度を自在に制御することができる。従来は、発生する二酸化塩素ガスの濃度は亜塩素酸塩の濃度に依存し、最大濃度を制御することはできなかったが、本方法では活性化抑制剤の添加量を調整することで、二酸化塩素ガスの最大濃度(好適には最終濃度)を自在に制御することができる。よって、使用目的に応じた濃度の二酸化塩素ガスを容易に発生させることができる。
亜塩素酸塩水溶液に対する活性化抑制剤の添加量は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)、1質量%以下とする。活性化抑制剤の添加量の下限値は、特に限定されないが、二酸化塩素ガスの濃度安定的ガス発生効果が得られる程度の量とする(※ゼロは含まない)。活性化抑制剤の添加量は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり、0.03質量%以上0.3質量%以下であることが好ましい。1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たりのより好ましい活性化抑制剤の添加量は、0.1質量%以上0.25質量%以下である。
金属ヨウ化物と活性化抑制剤との添加量の比は、特に限定されないが、金属ヨウ化物:活性化抑制剤=3:1〜1:3とすることができる。金属ヨウ化物と活性化抑制剤との添加量の比は、2:1〜1:2であることが好ましく、1.5:1〜1:1.5であることがより好ましく、1.25:1〜1:1.25であることがさらに好ましい。
吸水性樹脂は、水分を吸収してゲル状組成物を形成するものである。吸水性樹脂としては、例えばデンプン系吸水性樹脂、セルロース系吸水性樹脂、又は合成ポリマー系吸水性樹脂等を例示することができる。デンプン系吸水性樹脂としては、例えばデンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体又はデンプン−アクリル酸グラフト共重合体等が例示される。セルロース系吸水性樹脂としては、例えばセルロース−アクリロニトリルグラフト共重合体又は架橋カルボキシメチルセルロース等が例示される。合成ポリマー系吸水性樹脂としては、例えばポリビニルアルコール系吸水性樹脂又はアクリル系吸水性樹脂等が例示される。
活性化剤、金属ヨウ化物、活性化抑制剤、及び吸水性樹脂は、亜塩素酸塩水溶液との混合前は、固体(例えば粉末状又は顆粒状)であって良い。また、活性化剤、金属ヨウ化物、及び活性化抑制剤は、亜塩素酸塩水溶液と混合された際に溶解するものであって良い。
本実施形態の二酸化塩素ガスの発生方法は、図3に示す二酸化塩素ガス発生キットKを用いて実行することができる。二酸化塩素ガス発生キットKは、亜塩素酸塩水溶液、金属ヨウ化物、及び遅効性の活性化抑制剤を含む第一薬剤1と、速効性の活性化剤及び吸水性樹脂を含む第二薬剤2とを備える。二酸化塩素ガス発生キットKにおいて、第一薬剤1及び第二薬剤2は、それぞれ密封性容器に封入されている。本実施形態では、液体で構成される第一薬剤1(金属ヨウ化物及び活性化抑制剤が溶解した亜塩素酸塩水溶液)は、プラスチック製の容器本体11を主体とする第一容器10に収容されている。第一容器10は密封蓋12を有しており、この密封蓋12が容器本体11に対して液密に装着されることにより、第一薬剤1が密封性の第一容器10に封入されている。
また、固体で構成される第二薬剤2(活性化剤及び吸水性樹脂)は、プラスチックフィルムを貼り合わせてなる第二容器20に収容されている。第二容器20は、2枚のプラスチックフィルムを重ね合わせてその周縁部全体を溶着させたものであっても良いし、1枚のプラスチックフィルムを半分に折り畳んだ上で折返部以外の周縁部を溶着させたものであっても良い。こうして、第二薬剤2が、第一容器10とは別の、密封性の第二容器20に封入されている。
なお、第一容器10及び第二容器20は、密封性の容器であればその材質や形状等は制限されない。第一容器10及び第二容器20は、プラスチック製に限らず例えば金属製であっても良い。また、第一容器10は、定形性を有するものに限らず、可撓性を有するものであっても良く、第二容器20は、可撓性を有するものに限らず、定形性を有するものであっても良い。さらに、第一薬剤1と第二薬剤2とが、2つの収容室を有する一体化容器に収容され、使用時に2つの収容室が連通されることによって混合できるように構成されても良い。
本実施形態の二酸化塩素ガス発生キットKでは、第一薬剤1が亜塩素酸塩水溶液の状態で流通するので、保存安全性に優れる。例えば二酸化塩素ガスが溶存する亜塩素酸塩水溶液をpHを酸性に保ちながら流通させる場合に比べて、保存安全性が高い。
本実施形態の二酸化塩素ガス発生キットKを用いて二酸化塩素ガスを実際に発生させるには、以下のようにすれば良い。すなわち、図4に示すように、第一薬剤1を収容している第一容器10において、容器本体11から密封蓋12を取り外す。また、第二薬剤2を収容している第二容器20において、プラスチックフィルムを切断して開封する。そして、第二容器20内の第二薬剤2を第一容器10(容器本体11)内に混入させることで、第一薬剤1と第二薬剤2とを混合する。こうして、第一容器10(容器本体11)内で、金属ヨウ化物及び遅効性の活性化抑制剤が溶解した亜塩素酸塩水溶液と、速効性の活性化剤と、吸水性樹脂とを混合する。すなわち、第一容器10(容器本体11)内で、全体として、亜塩素酸塩水溶液と、速効性の活性化剤と、金属ヨウ化物と、遅効性の活性化抑制剤と、吸水性樹脂とを混合する。
すると、第一容器10(容器本体11)内で内容物がゲル化し、得られるゲル状組成物3(図5を参照)から、二酸化塩素ガスが即効的にかつ安定的濃度で発生する。容器本体11には、複数の開口部15を有する開放蓋14を装着しておけば、発生した二酸化塩素ガスが開口部15を通過して室内に放出されることになる。よって、即効的に放出される二酸化塩素ガスの強い酸化力により、使用時に速やかに殺菌効果や消臭効果等をもたらすことができるとともに、安定的濃度で徐放される二酸化塩素ガスにより、長期に亘って安定的に殺菌効果や消臭効果等をもたらすことができる。
上記の説明において、第二薬剤2に吸水性樹脂を含めず、亜塩素酸塩水溶液と速効性の活性化剤と金属ヨウ化物と遅効性の活性化抑制剤とだけを混合しても良く、この場合には、得られる液性組成物から二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させることができる。この場合であっても、即効的にかつ安定的濃度で徐放される二酸化塩素ガスの強い酸化力により、使用時に速やかに、かつ、長期に亘って安定的に、殺菌効果や消臭効果等をもたらすことができる。
〔第2実施形態〕
二酸化塩素ガスの発生方法、液性組成物、ゲル状組成物、及び二酸化塩素ガス発生キットの第2実施形態について説明する。本実施形態では、二酸化塩素ガス発生キットKの第一薬剤1と第二薬剤2への、亜塩素酸塩水溶液、速効性の活性化剤、金属ヨウ化物、遅効性の活性化抑制剤、及び吸水性樹脂の割り振りが、第1実施形態とは相違している。また、二酸化塩素ガス発生キットKの容器の具体的構成が、第1実施形態とは相違している。以下、本実施形態の二酸化塩素ガス発生キットKについて、主に第1実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、第1実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態の二酸化塩素ガス発生キットKは、亜塩素酸塩水溶液を含む第一薬剤1と、速効性の活性化剤、金属ヨウ化物、遅効性の活性化抑制剤、及び吸水性樹脂を含む第二薬剤2とを備える。図6に示すように、これらは、共通の密封性の容器30に封入されている。容器30は、ガス透過性フィルムを用いて構成されている。容器30は、2枚のガス透過性フィルムを重ね合わせてその周縁部全体を溶着させたものであっても良いし、1枚のガス透過性フィルムを半分に折り畳んだ上で折返部以外の周縁部を溶着させたものであっても良い。
容器30の内部は、人為操作で解除可能な隔離部31により、第一収容室32及び第二収容室33の2つの空間に隔離されている。図7に示すように、本実施形態では、隔離部31は、容器30を構成するガス透過性フィルムが多重に折り返されてなるラビリンス構造部で構成されている。この迷宮状をなすラビリンス構造部におけるガス透過性フィルムの内面は、例えばイージーピールシール等によって容易に剥離可能に接着されていても良い。隔離部31(ラビリンス構造部)は、例えばクリップ等からなる挟持部材35によって挟持されている。挟持部材35が容器30の隔離部31を挟持した状態では、隔離部31は外側から圧着されて、第一収容室32と第二収容室33とが互いに隔離された状態を維持する。よって、第一薬剤1や第二薬剤2を、その使用前において長期に亘って安定的に保存することができる。
本実施形態の二酸化塩素ガス発生キットKを用いて二酸化塩素ガスを実際に発生させるには、以下のようにすれば良い。すなわち、図8に示すように、まず容器30から、隔離部31を挟持していた挟持部材35を人為操作によって取り外す。その後、折り返し部分を引き延ばして、隔離部31のラビリンス構造を解除する。そして、容器30の外側から外力を加えて、第一収容室32に収容されていた第一薬剤1と第二収容室33に収容されていた第二薬剤2とを、容器30の内部で混合する。すると、容器30内で内容物がゲル化し、得られるゲル状組成物3(図9を参照)から、二酸化塩素ガスが即効的にかつ安定的濃度で発生する。容器30はガス透過性フィルムで構成されているので、発生した二酸化塩素ガスが容器30を透過して室内に放出されることになる。よって、即効的にかつ安定的濃度で徐放される二酸化塩素ガスの強い酸化力により、使用時に速やかに、かつ、長期に亘って安定的に、殺菌効果や消臭効果等をもたらすことができる。
上記の説明において、第二薬剤2に吸水性樹脂を含めず、亜塩素酸塩水溶液と速効性の活性化剤と金属ヨウ化物と遅効性の活性化抑制剤とだけを混合しても良く、この場合には、得られる液性組成物から二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させることができる。この場合であっても、即効的にかつ安定的濃度で徐放される二酸化塩素ガスの強い酸化力により、使用時に速やかに、かつ、長期に亘って安定的に、殺菌効果や消臭効果等をもたらすことができる。
〔第3実施形態〕
二酸化塩素ガスの発生方法、液性組成物、ゲル状組成物、及び二酸化塩素ガス発生キットの第3実施形態について説明する。本実施形態では、二酸化塩素ガス発生キットKの第一薬剤1と第二薬剤2への、亜塩素酸塩水溶液、速効性の活性化剤、金属ヨウ化物、遅効性の活性化抑制剤、及び吸水性樹脂の割り振りが、第1実施形態及び第2実施形態とは相違している。また、二酸化塩素ガス発生キットKの容器の具体的構成が、第1実施形態及び第2実施形態とは相違している。以下、本実施形態の二酸化塩素ガス発生キットKについて、主に第1実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、第1実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態の二酸化塩素ガス発生キットKは、亜塩素酸塩水溶液及び金属ヨウ化物を含む第一薬剤1と、速効性の活性化剤、遅効性の活性化抑制剤、及び吸水性樹脂を含む第二薬剤2とを備える。図10に示すように、第一薬剤1が第一容器10に封入されているとともに、第二薬剤2が第一容器10と共に第二容器20に封入されている。
第一容器10は、例えばプラスチックフィルムを貼り合わせて構成されている。第一容器10は、2枚のプラスチックフィルムを重ね合わせてその周縁部全体をイージーピールシールしたものであっても良いし、1枚のプラスチックフィルムを半分に折り畳んだ上で折返部以外の周縁部をイージーピールシールしたものであっても良い。こうして、第一薬剤1が、密封性かつ易破断性の第一容器10に封入されている。
第二容器20は、ガス透過性フィルムを用いて構成されている。第二容器20は、2枚のガス透過性フィルムを重ね合わせてその周縁部全体を溶着させたものであっても良いし、1枚のガス透過性フィルムを半分に折り畳んだ上で折返部以外の周縁部を溶着させたものであっても良い。こうして、第二薬剤2が、第一容器10と共に、密封性かつガス透過性の第二容器20に封入されている。
本実施形態の二酸化塩素ガス発生キットKを用いて二酸化塩素ガスを実際に発生させるには、以下のようにすれば良い。すなわち、第二容器20の外側から第一容器10が存在している領域に外力を加えて、第二容器20の内部で第一容器10を破断させる。例えば第一容器10におけるイージーピール部を外圧によって剥離させ、液体で構成される第一薬剤1(金属ヨウ化物が溶解した亜塩素酸塩水溶液)を第一容器10から放出させる。すると、第一薬剤1と第二薬剤2との混合によって得られるゲル状組成物から、二酸化塩素ガスが即効的にかつ安定的濃度で発生する。第二容器20はガス透過性フィルムで構成されているので、発生した二酸化塩素ガスが第二容器20を透過して室内に放出されることになる。よって、即効的にかつ安定的濃度で徐放される二酸化塩素ガスの強い酸化力により、使用時に速やかに、かつ、長期に亘って安定的に、殺菌効果や消臭効果等をもたらすことができる。
上記の説明において、第二薬剤2に吸水性樹脂を含めず、亜塩素酸塩水溶液と速効性の活性化剤と金属ヨウ化物と遅効性の活性化抑制剤とだけを混合しても良く、この場合には、得られる液性組成物から二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させることができる。この場合であっても、即効的にかつ安定的濃度で徐放される二酸化塩素ガスの強い酸化力により、使用時に速やかに、かつ、長期に亘って安定的に、殺菌効果や消臭効果等をもたらすことができる。
以下に実施例を示し、本発明についてより具体的に説明する。
[実施例1]
亜塩素酸ナトリウムを純水に溶解し、4000ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液100gを調製した。この亜塩素酸ナトリウム水溶液に、活性化剤として7.3%の塩酸1.71gと、ヨウ化カリウム0.15gと、活性化抑制剤としてケイ酸ナトリウム5水和物0.11gとを混合した。混合液におけるヨウ化カリウム及びケイ酸ナトリウム5水和物の質量%は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)に換算すると、それぞれ0.37%、0.27%であった。その後、混合液を常温にて密栓状態で保管し、閉鎖系において、混合液のpH及び発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。
[実施例2]
亜塩素酸ナトリウムを純水に溶解し、4000ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液100gを調製した。この亜塩素酸ナトリウム水溶液に、活性化剤として7.3%の塩酸1.71gと、ヨウ化カリウム0.08gと、活性化抑制剤としてケイ酸ナトリウム5水和物0.2gとを混合した。混合液におけるヨウ化カリウム及びケイ酸ナトリウム5水和物の質量%は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)に換算すると、それぞれ0.2%、0.5%であった。その後、混合液を常温にて密栓状態で保管し、閉鎖系において、混合液のpH及び発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。
[実施例3]
亜塩素酸ナトリウムを純水に溶解し、4000ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液100gを調製した。この亜塩素酸ナトリウム水溶液に、活性化剤としてリン酸2gと、ヨウ化カリウム0.1gと、活性化抑制剤としてケイ酸ナトリウム5水和物0.11gとを混合した。混合液におけるヨウ化カリウム及びケイ酸ナトリウム5水和物の質量%は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)に換算すると、それぞれ0.25%、0.27%であった。その後、混合液を常温にて密栓状態で保管し、閉鎖系において、混合液のpH及び発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。
[実施例4]
亜塩素酸ナトリウムを純水に溶解し、11250ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液100gを調製した。この亜塩素酸ナトリウム水溶液に、活性化剤としてリン酸1.16gと、ヨウ化カリウム0.1gと、活性化抑制剤としてケイ酸ナトリウム5水和物0.05gとを混合した。混合液におけるヨウ化カリウム及びケイ酸ナトリウム5水和物の質量%は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)に換算すると、それぞれ0.09%、0.04%であった。その後、混合液を常温にて密栓状態で保管し、閉鎖系において、混合液のpH及び発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。
[実施例5]
亜塩素酸ナトリウムを純水に溶解し、120000ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液100gを調製した。この亜塩素酸ナトリウム水溶液に、活性化剤としてリン酸6.3gと、ヨウ化カリウム0.1gと、活性化抑制剤としてケイ酸ナトリウム5水和物1.19gとを混合した。混合液におけるヨウ化カリウム及びケイ酸ナトリウム5水和物の質量%は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)に換算すると、それぞれ0.01%、0.1%であった。その後、混合液を常温にて非密栓状態で保管し、開放系において、混合液のpH及び発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。
[実施例6]
亜塩素酸ナトリウムを純水に溶解し、120000ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液100gを調製した。この亜塩素酸ナトリウム水溶液に、活性化剤としてリン酸6.3gと、ヨウ化カリウム0.25gと、活性化抑制剤としてケイ酸ナトリウム5水和物1.19gとを混合した。混合液におけるヨウ化カリウム及びケイ酸ナトリウム5水和物の質量%は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)に換算すると、それぞれ0.02%、0.1%であった。その後、混合液を常温にて非密栓状態で保管し、開放系において、混合液のpH及び発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。
[実施例7]
亜塩素酸ナトリウムを純水に溶解し、120000ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液100gを調製した。この亜塩素酸ナトリウム水溶液に、活性化剤としてリン酸6.3gと、ヨウ化カリウム0.5gと、活性化抑制剤としてケイ酸ナトリウム5水和物1.19gとを混合した。混合液におけるヨウ化カリウム及びケイ酸ナトリウム5水和物の質量%は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)に換算すると、それぞれ0.04%、0.1%であった。その後、混合液を常温にて非密栓状態で保管し、開放系において、混合液のpH及び発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。
[実施例8]
亜塩素酸ナトリウムを純水に溶解し、120000ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液100gを調製した。この亜塩素酸ナトリウム水溶液に、活性化剤としてリン酸6.3gと、ヨウ化カリウム1gと、活性化抑制剤としてケイ酸ナトリウム5水和物1.19gとを混合した。混合液におけるヨウ化カリウム及びケイ酸ナトリウム5水和物の質量%は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)に換算すると、それぞれ0.08%、0.1%であった。その後、混合液を常温にて非密栓状態で保管し、開放系において、混合液のpH及び発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。
[比較例1]
亜塩素酸ナトリウムを純水に溶解し、4000ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液100gを調製した。この亜塩素酸ナトリウム水溶液に、活性化剤として7.3%の塩酸1.71gと、活性化抑制剤としてケイ酸ナトリウム5水和物0.11gとを混合した。混合液におけるケイ酸ナトリウム5水和物の質量%は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)に換算すると、0.27%であった。その後、混合液を常温にて密栓状態で保管し、閉鎖系において、混合液のpH及び発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。
[比較例2]
亜塩素酸ナトリウムを純水に溶解し、4000ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液100gを調製した。この亜塩素酸ナトリウム水溶液に、活性化剤として7.3%の塩酸1.71gと、ヨウ化カリウム0.15gとを混合した。混合液におけるヨウ化カリウムの質量%は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)に換算すると、0.37%であった。その後、混合液を常温にて密栓状態で保管し、閉鎖系において、混合液のpH及び発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。
[比較例3]
亜塩素酸ナトリウムを純水に溶解し、4000ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液100gを調製した。この亜塩素酸ナトリウム水溶液に、活性化剤としてリン酸2gと、活性化抑制剤としてケイ酸ナトリウム5水和物0.11gとを混合した。混合液におけるケイ酸ナトリウム5水和物の質量%は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)に換算すると、0.27%であった。その後、混合液を常温にて密栓状態で保管し、閉鎖系において、混合液のpH及び発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。
[比較例4]
亜塩素酸ナトリウムを純水に溶解し、4000ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液100gを調製した。この亜塩素酸ナトリウム水溶液に、活性化剤としてリン酸2gと、ヨウ化カリウム0.1gとを混合した。混合液におけるヨウ化カリウムの質量%は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)に換算すると、0.25%であった。その後、混合液を常温にて密栓状態で保管し、閉鎖系において、混合液のpH及び発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。
[比較例5]
亜塩素酸ナトリウムを純水に溶解し、11250ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液100gを調製した。この亜塩素酸ナトリウム水溶液に、活性化剤としてリン酸1.16gと、活性化抑制剤としてケイ酸ナトリウム5水和物0.05gとを混合した。混合液におけるケイ酸ナトリウム5水和物の質量%は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)に換算すると、0.04%であった。その後、混合液を常温にて密栓状態で保管し、閉鎖系において、混合液のpH及び発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。
[比較例6]
亜塩素酸ナトリウムを純水に溶解し、11250ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液100gを調製した。この亜塩素酸ナトリウム水溶液に、活性化剤としてリン酸1.16gと、ヨウ化カリウム0.1gとを混合した。混合液におけるヨウ化カリウムの質量%は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)に換算すると、0.09%であった。その後、混合液を常温にて密栓状態で保管し、閉鎖系において、混合液のpH及び発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。
[比較例7]
亜塩素酸ナトリウムを純水に溶解し、11250ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液100gを調製した。この亜塩素酸ナトリウム水溶液に、活性化剤として7.3%の塩酸3.01gと、ヨウ化カリウム0.5gと、活性化抑制剤としてケイ酸ナトリウム5水和物2gとを混合した。混合液におけるヨウ化カリウム及びケイ酸ナトリウム5水和物の質量%は、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)に換算すると、それぞれ0.44%、1.78%であった。その後、混合液を常温にて密栓状態で保管し、閉鎖系において、混合液のpH及び発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。
Figure 0006433007
測定結果は以下のとおりとなった。
Figure 0006433007
ヨウ化カリウムが混合されない比較例1では、混合後の初期段階(特に30分以内)における二酸化塩素ガスの発生が緩慢であり、また、ケイ酸ナトリウム5水和物が混合されない比較例2では、長時間経過後(特に7日後)における二酸化塩素ガスの濃度が不安定であった。これに対して、ヨウ化カリウム及びケイ酸ナトリウム5水和物の両方を混合させた実施例1,2では、混合後の初期段階から長期間に亘り、安定的濃度で二酸化塩素ガスが放出されることが確認された。
Figure 0006433007
ヨウ化カリウムが混合されない比較例3では、二酸化塩素ガスの発生が緩慢であり、また、ケイ酸ナトリウム5水和物が混合されない比較例4では、長時間経過後(特に7日後)における二酸化塩素ガスの濃度が不安定であった。これに対して、ヨウ化カリウム及びケイ酸ナトリウム5水和物の両方を混合させた実施例3では、活性化剤として弱酸を用いながらも、混合後の初期段階(概ね10分以内)から迅速に二酸化塩素ガスが放出されることが確認された。また、その後も長期間に亘り、安定的濃度で二酸化塩素ガスが放出されることが確認された。
Figure 0006433007
ヨウ化カリウムが混合されない比較例5では、二酸化塩素ガスの発生が緩慢であり、また、ケイ酸ナトリウム5水和物が混合されない比較例6では、所定時間経過後(24時間経過後後)における二酸化塩素ガスの濃度が不安定であった。これに対して、ヨウ化カリウム及びケイ酸ナトリウム5水和物の両方を混合させた実施例4では、活性化剤として弱酸を用いながらも、混合後の超初期段階(1分以内)から迅速に二酸化塩素ガスが放出されることが確認された。また、その後も長期間に亘り、安定的濃度で二酸化塩素ガスが放出されることが確認された。
また、ヨウ化カリウム及びケイ酸ナトリウム5水和物の両方を混合させる場合であってもその添加量が過剰な比較例7では、二酸化塩素ガスの発生自体が確認されなかった。これに対して、実施例1〜4を参照すると、1質量%の亜塩素酸塩水溶液1L当たり(すなわち、亜塩素酸塩10000ppm当たり)のヨウ化カリウム及びケイ酸ナトリウム5水和物の質量%が、それぞれ0.4%以下、1%以下である場合に、迅速にかつ安定的濃度で二酸化塩素ガスが放出されることが分かった。
Figure 0006433007
実施例5〜8より、開放系においても、概ね、迅速にかつ安定的濃度で二酸化塩素ガスが放出されることが確認された。
以上、二酸化塩素ガスの発生方法、液性組成物、ゲル状組成物、及び二酸化塩素ガス発生キットKの実施形態(実施例を含む)について具体例を示して詳細に説明したが、本発明の範囲は、上述した具体的な実施例及び実施形態に限定される訳ではない。本明細書において開示された実施例及び実施形態は全ての点で例示であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
例えば、第一薬剤1が亜塩素酸塩水溶液と遅効性の活性化抑制剤とを含み、第二薬剤2が速効性の活性化剤、金属ヨウ化物、及び吸水性樹脂を含んで構成されても良い。
1 第一薬剤
2 第二薬剤
3 ゲル状組成物
10 第一容器
20 第二容器
30 容器(共通の密封性容器)
35 隔離部
K 二酸化塩素ガス発生キット

Claims (17)

  1. 亜塩素酸塩水溶液と、前記亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に調整して二酸化塩素ガスを発生させる活性化剤と、前記活性化剤の作用を遅効的に低減させる活性化抑制剤と、金属ヨウ化物とを、1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり前記金属ヨウ化物を0.4質量%以下かつ前記活性化抑制剤を1質量%以下の割合で混合して、得られる液性組成物から二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させる二酸化塩素ガスの発生方法。
  2. 亜塩素酸塩水溶液と、前記亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に調整して二酸化塩素ガスを発生させる活性化剤と、前記活性化剤の作用を遅効的に低減させる活性化抑制剤と、金属ヨウ化物と、吸水性樹脂とを、1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり前記金属ヨウ化物を0.4質量%以下かつ前記活性化抑制剤を1質量%以下の割合で混合して、得られるゲル状組成物から二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させる二酸化塩素ガスの発生方法。
  3. 亜塩素酸塩水溶液と、前記亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に調整して二酸化塩素ガスを発生させる活性化剤と、前記活性化剤の作用を遅効的に低減させる活性化抑制剤と、金属ヨウ化物とを、1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり前記金属ヨウ化物を0.4質量%以下かつ前記活性化抑制剤を1質量%以下の割合で含み、二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させる液性組成物。
  4. 亜塩素酸塩水溶液と、前記亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に調整して二酸化塩素ガスを発生させる活性化剤と、前記活性化剤の作用を遅効的に低減させる活性化抑制剤と、金属ヨウ化物と、吸水性樹脂とを、1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり前記金属ヨウ化物を0.4質量%以下かつ前記活性化抑制剤を1質量%以下の割合で含み、二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させるゲル状組成物。
  5. 亜塩素酸塩水溶液を含む第一薬剤と、
    前記亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に調整して二酸化塩素ガスを発生させる活性化剤含む第二薬剤と、を備え、
    前記活性化剤の作用を遅効的に低減させる活性化抑制剤と、金属ヨウ化物とが、それぞれ、前記第一薬剤及び前記第二薬剤のいずれかに含まれており、
    1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり、前記金属ヨウ化物は0.4質量%以下であり、前記活性化抑制剤は1質量%以下であり、
    前記第一薬剤と前記第二薬剤とを混合して得られる液性組成物から二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させる二酸化塩素ガス発生キット。
  6. 亜塩素酸塩水溶液を含む第一薬剤と、
    前記亜塩素酸塩水溶液のpHを速効的に調整して二酸化塩素ガスを発生させる活性化剤及び吸水性樹脂を含む第二薬剤と、を備え、
    前記活性化剤の作用を遅効的に低減させる活性化抑制剤と、金属ヨウ化物とが、それぞれ、前記第一薬剤及び前記第二薬剤のいずれかに含まれており、
    1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり、前記金属ヨウ化物は0.4質量%以下であり、前記活性化抑制剤は1質量%以下であり、
    前記第一薬剤と前記第二薬剤とを混合して得られるゲル状組成物から二酸化塩素ガスを即効的にかつ安定的濃度で発生させる二酸化塩素ガス発生キット。
  7. 1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり、前記活性化抑制剤が0.03質量%以上0.3質量%以下である請求項5又は6に記載の二酸化塩素ガス発生キット。
  8. 1質量%の前記亜塩素酸塩水溶液1L当たり、前記金属ヨウ化物が0.01質量%以上0.4質量%以下である請求項5から7のいずれか一項に記載の二酸化塩素ガス発生キット。
  9. 前記活性化抑制剤と前記金属ヨウ化物との質量比が3:1〜1:3である請求項5から8のいずれか一項に記載の二酸化塩素ガス発生キット。
  10. 前記活性化抑制剤が、ケイ酸アルカリ金属塩又はケイ酸アルカリ土類金属塩である請求項5から9のいずれか一項に記載の二酸化塩素ガス発生キット。
  11. 前記活性化抑制剤が、ケイ酸ナトリウムである請求項10に記載の二酸化塩素ガス発生キット。
  12. 前記金属ヨウ化物が、ヨウ化カリウムである請求項5から11のいずれか一項に記載の二酸化塩素ガス発生キット。
  13. 前記活性化剤が、無機酸若しくは有機酸、又はそれらの塩である請求項5から12のいずれか一項に記載の二酸化塩素ガス発生キット。
  14. 前記第一薬剤が密封性の第一容器に封入されているとともに、前記第二薬剤が前記第一容器とは別の密封性の第二容器に封入されている請求項5から13のいずれか一項に記載の二酸化塩素ガス発生キット。
  15. 前記第一薬剤及び前記第二薬剤が、人為操作で解除可能な隔離部によって互いに隔離された状態で、共通の密封性容器に封入されている請求項5から13のいずれか一項に記載の二酸化塩素ガス発生キット。
  16. 前記隔離部が、ラビリンス構造部で構成されている請求項15に記載の二酸化塩素ガス発生キット。
  17. 前記第一薬剤が密封性かつ易破断性の第一容器に封入されているとともに、前記第二薬剤が前記第一容器と共に密封性の第二容器に封入されている請求項5から13のいずれか一項に記載の二酸化塩素ガス発生キット。
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