JP2019059648A - 二酸化塩素ガス発生剤 - Google Patents

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金房 原
Kanefusa Hara
金房 原
和也 林田
Kazuya Hayashida
和也 林田
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Abstract

【課題】遺体保存用として、殺菌、消毒及び消臭に適した濃度で、二酸化塩素ガスを発生することのでき、かつ一定の期間、二酸化塩素ガス発生量を保持することができる二酸化塩素ガス発生剤並びにその製造方法の提供。【解決手段】親水性溶媒を含むA剤と亜塩素酸塩(b−1)と、吸水性樹脂(b−2)と、活性化剤(b−3)との混合物を含むB剤と、からなる、二酸化塩素ガス発生剤であって、A剤は、親水性溶媒を透過しない水不透過(不溶)性膜容器に収容され、B剤は、水蒸気及び二酸化塩素ガスを透過するガス透過性膜容器に収容されており、剤中において、亜塩素酸塩(b−1)100重量部に対して、吸水性樹脂(b−2)が20〜120重量部の範囲である二酸化塩素ガス発生剤。【選択図】図1

Description

本発明は、二酸化塩素ガス発生剤ならびにその製造方法に関するものである。
生活環境における衛生向上の観点から、二酸化塩素ガスは、強力な酸化力を有しているため、従来の殺菌剤、消毒剤および/または消臭剤に比べて、極めて高い殺菌効果、消毒効果および消臭効果を有している。このため、殺菌剤、消毒剤および/または消臭剤としての二酸化塩素ガスを発生させる方法、液剤および組成物等が提案されている。例えば、亜塩素酸塩粉末とガス発生調節剤粉末と吸湿剤粉末と吸水性樹脂粉末と活性化剤粉末との混合物を含む二酸化塩素ガス発生剤と、二酸化塩素ガス発生剤を収納する水蒸気および二酸化塩素ガスを透過するガス透過性膜容器と、を含み、二酸化塩素ガス発生剤は、亜塩素酸塩粉末とガス発生調節剤粉末とを混合して調製されたA剤と、吸湿剤粉末と吸水性樹脂粉末と活性化剤粉末とを混合して調製されたB剤と、の混合物を含み、ガス発生調節剤粉末は、セピオライト、モンモリナイト、ケイソウ土、タルクおよびゼオライトからなる群から選ばれる少なくともいずれかの粉末である二酸化塩素ガス発生剤パックが記載されている(特許文献1)。しかしながら、この二酸化塩素ガス発生剤パックは、空気中の水蒸気を吸収し、二酸化塩素ガスを発生するため、長期間(1か月以上)の使用を前提とするものである。
一方、遺体保存時において、二酸化塩素発生剤が、殺菌消臭保存に用いられている。遺体保存に二酸化塩素発生剤を用いる場合、一定の期間(例えば、1週間程度)適切な二酸化塩素ガスを発生し続ける必要がある。しかしながら、従来知られている二酸化塩素ガス発生剤は、1ヶ月以上の長期間の使用を想定するものであり、遺体保存用には適さない。また、特許文献2に記載されているように、亜塩素酸ソーダ溶液をそのまま包装して用いるものもあるが、収納容器の材質が限定される点や保存安定性の点で問題が生じる。
特開2011−116953号公報 実用新案登録番号第3051236号公報
本発明は、遺体保存用として、殺菌、消毒および消臭に適した濃度で、二酸化塩素ガスを発生することのでき、かつ一定の期間、二酸化塩素ガス発生量を保持することができる二酸化塩素ガス発生剤ならびにその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、親水性溶媒を含むA剤と
亜塩素酸塩(b−1)と、吸水性樹脂(b−2)と、活性化剤(b−3)との混合物を含むB剤からなる、二酸化塩素ガス発生剤であって、
前記A剤は、親水性溶媒を透過しない水不透過(不溶)性膜容器に収容され、かつ
前記B剤は、水蒸気及び二酸化塩素ガスを透過するガス透過性膜容器に収容されており、
B剤中において、亜塩素酸塩(b−1)100重量部に対して、吸水性樹脂(b−2)が20〜120重量部の範囲であることを特徴とする二酸化塩素ガス発生剤である。
また、本発明は水不透過(不溶)性膜容器に親水性溶媒を充填してA剤を調製する工程(S1)と、
亜塩素酸塩(b−1)と、吸水性樹脂(b−2)と、活性化剤(b−3)とを混合してB剤を調製する工程(S2)と、
前A剤を含む水不透過(不溶)性容器と調製したB剤を水蒸気及び二酸化塩素ガスを透過するガス透過性膜容器に収納する工程(S3)を含む、二酸化塩素ガス発生剤の製造方法である。
本発明によれば、遺体保存時において、殺菌、消毒および消臭に適した濃度(例えば、4〜14mg/hであればよく、4〜10mg/hである)で、二酸化塩素ガスを発生することのでき、かつ一定の期間(例えば、3〜10日間であればよく、3〜7日間であり、3〜5日間程度である)、二酸化塩素ガス発生量を保持することができる二酸化塩素ガス発生剤ならびにその製造方法を提供することができる。
本発明にかかる二酸化塩素ガス発生剤の一例を示す概略図である。 本発明にかかる二酸化塩素ガス発生剤の製造例の一例を示す概略図である。 本発明にかかる二酸化塩素ガス発生量の測定方法を図式したものである。 実施例における二酸化塩素ガス発生量の経時変化を表す図である。 比較例における二酸化塩素ガス発生量の経時変化を表す図である。
[実施形態1]
図1を参照して、本発明の一実施形態である二酸化塩素ガス発生剤1は、亜塩素酸塩(b−1)と、吸水性樹脂(b−2)と、活性化剤粉末(b−3)と、の混合物を含むB剤10と、B剤10を収納する水蒸気および二酸化塩素ガスを透過するガス透過性膜容器20と、親水性溶媒を含むA剤11と、A剤11を収容する親水性溶媒を透過しない水不透過性膜容器21と、を含む。本実施形態の二酸化塩素ガス発生剤1は、B剤10が水蒸気および二酸化塩素ガスを透過するガス透過性膜容器20内に収納(詳細には密封して収納)され、さらにその内側にA剤11を収容する親水性溶媒を透過しない。水不透過性膜容器21が収容されており、外部からの衝撃を加えることで、A剤11を収容する不透過性膜容器が破れ、A剤とB剤が接触し、B剤10中で亜塩素酸塩粉末(b−1)と活性化剤粉末(b−3)とが徐々に反応して二酸化塩素ガスが徐々に生成し、生成した二酸化塩素ガスがガス透過性膜容器20を通って二酸化塩素ガス発生剤1の外に放出される。
本実施形態の二酸化塩素ガス発生剤1は、例えば、遺体保存時の殺菌、消毒および消臭の用途で好適である。また、本実施形態の二酸化塩素ガス発生剤1を手のひら等で数回たたくことによって、二酸化塩素ガス発生剤1から二酸化塩素ガスが発生するため、簡便に二酸化塩素ガスを発生させることができる。さらに、本実施形態の二酸化塩素ガス発生剤1は、二酸化塩素溶液の状態ではないため、保存安定性や管理の面で簡便となる。
二酸化塩素ガス発生剤
本発明の二酸化塩素ガス発生剤は、親水性溶媒を含むA剤と
亜塩素酸塩(b−1)と、吸水性樹脂(b−2)と、活性化剤(b−3)との混合物を含むB剤からなる、二酸化塩素ガス発生剤であって、
前記A剤は、親水性溶媒を透過しない水不透過(不溶)性膜容器に収容され、かつ
前記B剤は、水蒸気及び二酸化塩素ガスを透過するガス透過性膜容器に収容されており、
B剤中において、亜塩素酸塩(b−1)100重量部に対して、吸水性樹脂(b−2)が20〜120重量部の範囲であることを特徴とする。上記範囲であれば、殺菌、消毒および消臭の用途で好適な二酸化塩素ガスを一定期間発生させることができる。
本発明の二酸化塩素ガス発生剤は、親水性溶媒を含むA剤と、亜塩素酸塩(b−1)と、吸水性樹脂(b−2)と、活性化剤(b−3)との混合物を含むB剤からなる、二酸化塩素ガス発生剤であって、A剤とB剤とが接触することで、亜塩素酸塩(b−1)と活性化剤(b−3)が反応し、消臭、殺菌、除菌等の効果が得られる適切な濃度で二酸化塩素ガスを一定期間発生させることができるものである。
本発明の二酸化塩素ガス発生剤におけるA剤とB剤の比率は、A剤:B剤が95:5〜5:95の範囲であればよく、95:5〜70:30の範囲であることが好ましく、90:10〜70:30の範囲であることがより好ましい。A剤とB剤の比率を上記範囲とすることで、殺菌、消毒および消臭の用途で好適な二酸化塩素ガスを一定期間発生させることができる。
A剤
本発明の二酸化塩素ガス発生剤に用いるA剤は、親水性溶媒を含むものである。親水性溶媒として、特に限定されないが、例えば、水、親水性アルコール、親水性エーテル、ケトン、ニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)からなる群より選択される少なくとも1つ又はこれを含む混合物等を好適に用いることができる。親水性アルコールとしては、例えばエタノール、メタノール、プロパノール、グリセリン等が挙げられる。親水性エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、ポリエチレンオキサイド、1,4−ジオキサン等が挙げられる。ケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。ニトリル系溶媒としては、例えばアセトニトリル等が挙げられる。中でも、水が好ましい。
A剤に用いる親水性溶媒の添加量としては、上述した二酸化塩素ガス発生剤中におけるB剤とA剤の比率範囲内であれば、問題なく本発明の効果を得ることができる。
水不透過(不溶)性膜容器
本発明のA剤は、二酸化塩素ガス発生剤中において、水不透過(不溶)性膜容器に収容されている。水不透過(不溶)性膜容器とは、A剤を密封して収納する容器であって、親水性溶媒等の液体を透過しない容器をいう。水不透過(不溶)性膜容器は、親水性溶媒等の液体を透過しないものであれば、特に制限なく、たとえば、ポリ塩化ビニル,ポリエチレン,ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の材質からなる膜の外縁をシールして袋状にしたもの等が好適に挙げられる。なお、A剤を収容する容器は、二酸化塩素ガス発生剤を手のひらで数回たたく程度の衝撃で膜が破れる材質であることが好ましい。水不透過(不溶)性膜容器の厚みは、1〜25μm程度の範囲であればよく、7〜15μm程度の範囲が好ましい。また、水不透過(不溶)性膜容器の大きさは、適宜必要な大きさに加工したものを用いればよい。
B剤
本発明の二酸化塩素ガス発生剤に用いるB剤は、亜塩素酸塩(b−1)と、吸水性樹脂(b−2)と、活性化剤(b−3)との混合物を含むものである。
亜塩素酸塩(b−1)
亜塩素酸塩(b−1)は、水分の存在下、活性化剤(b−3)と反応して二酸化塩素ガスを生成させるものであれば特に制限はなく、たとえば、亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)、亜塩素酸カリウム(KClO2)、亜塩素酸リチウム(LiClO2)のような亜塩素酸アルカリ金属塩、亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO22)、亜塩素酸バリウム(Ba(ClO22)のような亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸マグネシウム(Mg(ClO22)等が挙げられる。これらの中で、亜塩素酸ナトリウムは、食品添加物に指定されていることから、安全性が高く、入手しやすく、使用上の制限も少ない。亜塩素酸ナトリウムは、市販品の86質量%品または79質量%品等が好適に使用できる。なお、亜塩素酸塩(b−1)は固形状(粉末状)のものであることが好ましい。
B剤中の亜塩素酸塩(b−1)の含有量としては、B剤において、20〜60重量%の範囲であればよく、30〜60重量%の範囲であることが好ましい。上記範囲であれば、殺菌、消毒および消臭の用途で好適な二酸化塩素ガスを一定期間発生させることができる。なお、本発明において、亜塩素酸塩(b−1)は亜塩素酸塩として含まれている含有量を基準として計算するものとする。
吸水性樹脂(b−2)
吸水性樹脂(b−2)は、吸湿剤により二酸化塩素ガス発生剤に供給された水分を吸収かつ保持して二酸化塩素ガス発生剤中の亜塩素酸塩(b−1)と活性化剤(b−3)との反応を促進させる樹脂をいい、亜塩素酸塩(b−1)と活性化剤(b−3)との反応により生成した二酸化塩素ガスを保持することにより、二酸化塩素ガス発生剤からの二酸化塩素ガスの発生を調節する機能をも有する。吸水性樹脂(b−2)は、水分を吸収かつ保持して二酸化塩素ガス発生剤から二酸化塩素ガスを生成させかつ生成した二酸化塩素ガスを保持するものであれば特に制限はないが、二酸化塩素ガスの保持性が高い観点から、デンプン系吸水性樹脂、セルロース系吸水性樹脂、合成ポリマー系吸水性樹脂等が好ましい。デンプン系吸水性樹脂としてはデンプン/ポリアクリル酸系樹脂等があり、合成ポリマー系吸水性樹脂としては架橋ポリアクリル酸系樹脂、イソブチレン/マレイン酸系樹脂、ポパール/ポリアクリル酸塩系樹脂、ポリアクリル酸塩系樹脂等があり、具体的にはポリアクリル酸ナトリウムが好ましい。
B剤中の吸水性樹脂(b−2)の含有量としては、亜塩素酸塩(b−1)100重量部に対して、20〜120重量部の範囲であればよく、30〜120重量部の範囲であることが好ましく、50〜120重量部の範囲であることがより好ましい。上記範囲であれば、殺菌、消毒および消臭の用途で好適な二酸化塩素ガスを一定期間発生させることができる。
活性化剤(b−3)
活性化剤(b−3)は、亜塩素酸塩と反応して二酸化塩素ガスを生成させるものをいい、特に制限はなく、無機酸、有機酸、さらし粉、イソシアヌル酸類等が用いられる。
無機酸としては、特に制限はなく、水素塩(多価の酸のH+を陽イオンで置換した塩のうち、なおH+を残しているもの)である硫酸水素ナトリウム(NaHSO4)、硫酸水素カリウム(KHSO4)、リン酸二水素ナトリウム(NaH2PO4)、リン酸水素二ナトリウム(Na2HPO4)、リン酸二水素カリウム(KH2PO4)、リン酸水素二カリウム(K2HPO4)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸水素カリウム(KHCO3)等が挙げられる。活性剤として用いられる水素塩は、二酸化塩素ガスの生成を高める観点から強酸の水素塩が好ましく、たとえば、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウムおよびリン酸水素二カリウムからなる群から選ばれるいずれかが好ましい。
有機酸としては、クエン酸、リンゴ酸、酢酸、ギ酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸等のカルボン酸類等が挙げられる。安全性が高い観点から、食品添加物として使用されるクエン酸が好ましい。
さらし粉としては、有効塩素濃度が33質量%〜38質量%程度の通常のさらし粉、有効塩素濃度が60質量%〜70質量%程度の高度さらし粉のいずれを用いてもよい。ここで、通常のさらし粉は、主成分としてCaCl2・Ca(OCl)2・2H2Oが含まれ、その他の成分としてCa(OH)2、CaCl2、Ca(ClO)2、Ca(ClO32等が含まれている。高度さらし粉は、主成分としてCa(OCl)2が含まれる。
イソシアヌル酸類(イソシアヌル酸およびその誘導体ならびにそれらの金属塩)としては、特に制限はないが、亜塩素酸塩との反応性が高い観点から、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸等の塩素化イソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸カリウム等の塩素化イソシアヌル酸塩等が好適に挙げられる。
これらの活性化剤のうち、安全な二酸化塩素ガス発生剤を作製する観点から、食品添加物として用いられる有機酸等が特に好ましい。
B剤中の活性化剤(b−3)の含有量としては、亜塩素酸塩(b−1)100重量部に対して、1〜100重量部の範囲であればよく、1〜50重量部の範囲であることが好ましく、1〜30重量部の範囲であることがより好ましい。上記範囲であれば、殺菌、消毒および消臭の用途で好適な二酸化塩素ガスを一定期間発生させることができる。
本発明のB剤には、本発明の効果を妨げない範囲で、上述したもの以外にガス発生調製、吸湿剤等を含有させてもよい。
ガス透過性膜容器
本発明のB剤は、二酸化塩素ガス発生剤中において、ガス透過性膜容器に収容されている。本発明のおけるガス透過性膜容器とは、二酸化塩素ガス発生剤を密封して収納する容器であって、水蒸気および二酸化塩素ガスを透過するが水等の液体を透過しない容器をいう。ガス透過性膜容器は、水蒸気および二酸化塩素ガスの透過性が高く水等の液体を透過性が低いものであれば、特に制限はなく、たとえば、JX日鉱日石ANCI株式会社製品Typical properties of POWSTOのTypeA−1〜A−5(Japanese Paper Type)、TypeB−1〜B−2(Film Type)、三菱ケミカル株式会社製品エクセポール(80NTT2020)等のガス透過膜の外縁をシールして袋状にしたもの等が好適に挙げられる。さらには、ガス透過性膜容器には、B剤と共に水不透過(不溶)性膜容器に収容されているA剤を収容してもよい。ガス透過性膜容器の厚みは、50〜250μm程度の範囲であればよく、100〜200μm程度が好ましい。また、ガス透過性膜容器の大きさは、適宜必要な大きさに加工したものを用いればよい。
二酸化塩素ガス発生剤の製造方法
本発明における二酸化塩素ガス発生剤の製造方法は、図2に示すように水不透過(不溶)性膜容器に親水性溶媒を充填してA剤を調製する工程(S1)と、
亜塩素酸塩(b−1)と、吸水性樹脂(b−2)と、活性化剤(b−3)とを混合してB剤を調製する工程(S2)と、
前A剤を含む水不透過(不溶)性容器と調製したB剤を水蒸気及び二酸化塩素ガスを透過するガス透過性膜容器に収容する工程(S3)を含む。
S1:A剤を調製する工程
本発明のA剤は、親水性溶媒により調製される。水不透過性膜容器内にA剤を収納する方法は、特に制限はないが、効率的にかつ歩留まりよく密封する観点から、シールで底部および両側部が形成された袋状の水不透過性膜容器の開口部から水不透過性膜容器内にA剤を充填し、開口部をシールで密封することが好ましい。なお、本発明でシールとは、シーラーを用いて加熱することで、膜容器を密封することを意味する。
なお、水不透過性膜容器へのA剤の充填ならびに充填後の開口部のシールによる密封は、除湿機およびエアコンの少なくともいずれかを用いて相対湿度35%以下の雰囲気中で行なうことが好ましい。さらに、上記密封は、乾燥空気雰囲気中または真空雰囲気中で行なうこともできる。
S2:B剤を調製する工程
B剤は、亜塩素酸塩(b−1)と吸水性樹脂(b−2)と活性化剤(b−3)とを混合することにより調製される。亜塩素酸塩(b−1)と吸水性樹脂(b−2)と活性化剤(b−3)との混合方法は、特に制限はないが、均質に混合させる観点から、振とう混合、超音波混合、攪拌混合、高速ミキシング混合等が好適である。
また、B剤は、空気中の湿気(水分)の混入を防止または抑制する観点から、除湿機およびエアコンの少なくともいずれかを用いて相対湿度35%以下の雰囲気中で混合することが好ましい。さらに、B剤は、乾燥空気雰囲気中または真空雰囲気中で混合することもできる。なお、A剤を調製する工程と、B剤を調製する工程は、いずれが先であってもよい。
S3:ガス透過性膜容器内にA剤とB剤とを収納する工程
ガス透過性膜容器に水不透過性膜容器に密封されたA剤とB剤とを収納する方法は、特に制限はないが、効率的にかつ歩留まりよく密封する観点から、シールで底部および両側部が形成された袋状のガス透過性膜容器の開口部からガス透過性膜容器内に水不透過性膜容器に密封されたA剤とB剤とを収納し、開口部をシールで密封することが好ましい。
二酸化塩素ガス発生剤への空気中の湿気(水分)の混入を防止または抑制する観点から、ガス透過性膜容器への水不透過性膜容器に密封されたA剤およびB剤の収納ならびに収納後の開口部のシールによる密封は、除湿機およびエアコンの少なくともいずれかを用いて相対湿度35%以下の雰囲気中で行なうことが好ましい。さらに、上記密封は、乾燥空気雰囲気中または真空雰囲気中で行なうこともできる。
また、ガス透過性膜容器内への水不透過性膜容器に密封されたA剤とB剤とを収納する順序は、特に制限はないが、吸水性樹脂(b−2)への水分の混入を防止または抑制する観点から、まず水不透過性膜容器に密封されたA剤を収納し、次いでB剤を収納することが好ましい。
(実施例1)
1.A剤の調製
水をディスカップで表1記載の量を秤量後、開口部以外を予め加熱シーラー(1050W)で1秒間加熱シールした水不透過(不溶)性膜容器(ポリエチレンテレフタレート単層構造(帯電防止のコーティング加工したもの)、厚み;12μm、大きさ;縦4cm、横6.5cm)に注ぎ、加熱シーラー(富士インパルス株式会社;型式V-301)を用いて(1050W)で1秒間の加熱によって、開口部を密封して、A剤を調整した。
2.B剤の調製
表1記載の亜塩素酸塩(b−1)、吸水性樹脂(b−2)、活性化剤(b−3)の各成分の配合分を秤量後、薬さじを用いて各成分が均一になるまで、2分間混合し、B剤を調整した。
3.二酸化塩素ガス発生剤の製造
B剤の成分は水分・湿気を嫌うため、B剤への水分の混入を防止または抑制する観点から、まず開口部以外を予め加熱シーラー(1050W)で1.5秒間加熱シールしたガス透過性膜容器(不織布(材質;ポリエステル+ポリエチレン):微多孔PE(ポリエチレン):不織布(材質;ポリエステル+ポリエチレン)の3層構造、厚み:150μm、大きさ;縦14cm、横9.5cm)に、水不透過性膜容器に密封したA剤を収納し、次いでB剤を収納後、加熱シーラー(富士インパルス株式会社;型式V-301)を用いて(1050W)で1.5秒間の加熱によって、開口部を密封して、二酸化塩素ガス発生剤を製造した。
4.二酸化塩素ガス発生剤からの二酸化塩素ガス発生濃度の測定
3で製造した二酸化塩素ガス発生剤を手で数回たたき二酸化塩素ガス発生剤に収納されているA剤の膜容器を割り、A剤とB剤が接触することによって、二酸化塩素ガスが発生する。その後、二酸化塩素ガス発生剤を図3に示したPE紙容器中に設置した後に密閉し、流量計(イワキ製;型式;APN-215NV-1)により一定の空気(流量1.8L/min、室温)をPE紙容器内に流し、定常状態(流量計からテドラーバッグへの空気の流入量と排出量が等しくなった時の状態を意味する)となったテドラーバッグ(1L)からガス検知管(光明理化学工業株式会社)を用いて二酸化塩素ガス発生量を測定した(0、1、2、5日目)。なお、二酸化塩素ガス発生剤は、二酸化塩素ガスの発生量を測定する時以外は、PE紙容器内に入れることなく自然放置し、室温で外気に触れさせる状態とした。実施例の結果を図4に示す。比較例の結果を図5に示す。
*1:亜塩素酸ナトリウム;日本カーリット株式会社
*2:吸水性樹脂:SDPグローバル株式会社
*3:コハク酸:川崎化成工業株式会社
二酸化塩素ガス発生剤中におけるB剤において、亜塩素酸ナトリウム100重量部に対して、吸水性樹脂が130重量部を超えると(比較例1及び2)、一定期間の二酸化塩素ガス発生量が殺菌、消毒および消臭の用途で好適な範囲で発生しなかった。

Claims (4)

  1. 親水性溶媒を含むA剤と
    亜塩素酸塩(b−1)と、吸水性樹脂(b−2)と、活性化剤(b−3)との混合物を含むB剤からなる、二酸化塩素ガス発生剤であって、
    前記A剤は、親水性溶媒を透過しない水不透過(不溶)性膜容器に収容され、かつ
    前記B剤は、水蒸気及び二酸化塩素ガスを透過するガス透過性膜容器に収容されており、
    B剤中において、亜塩素酸塩(b−1)100重量部に対して、吸水性樹脂(b−2)が20〜120重量部の範囲であることを特徴とする。
  2. さらに、二酸化塩素ガス発生剤中におけるA剤とB剤の比率が、(A剤:B剤)95:5〜5:95の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の二酸化塩素ガス発生剤。
  3. 前記A剤を収容する水不透(不溶)性膜容器が、B剤を収容するガス透過性膜容器の中に収容されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の二酸化塩素ガス発生剤。
  4. 水不透過(不溶)性膜容器に親水性溶媒を充填してA剤を調製する工程(S1)と、
    亜塩素酸塩(b−1)と、吸水性樹脂(b−2)と、活性化剤(b−3)とを混合してB剤を調製する工程(S2)と、
    前A剤を含む水不透過(不溶)性容器と調製したB剤を水蒸気及び二酸化塩素ガスを透過するガス透過性膜容器に収納する工程(S3)を含む、二酸化塩素ガス発生剤の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110180010A (zh) * 2019-06-28 2019-08-30 艾缇高科技材料(上海)有限公司 一种便携式空气净化器

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