JP2015227196A - 液体吐出容器 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)本発明に係る液体吐出容器は、内容液が収容された容器本体と、下端の吸込み口が前記容器本体の口部から容器本体内に挿入されて、該容器本体に固定されたシリンダと、前記シリンダに回動可能に取り付けられた回動環と、前記回動環に取り付けられると共に、上部に吐出弁が設けられ且つ下部開口が前記シリンダ内に位置する吐出管と、前記シリンダ内に配置されると共に、前記吐出管に液密且つ上下摺動可能に外嵌され、付勢機構により下方に付勢された筒状のプランジャと、前記回動環と前記プランジャとの間に設けられ、前記回動環の前記シリンダに対する回転動作を前記プランジャの前記シリンダに対する上昇動作に変換する変換機構と、前記吐出弁に下方に押し下げ可能に連結され、押し下げ動作により吐出弁を開弁させて吐出口から前記内容液を吐出させる吐出ヘッドと、前記吸込み口に配設され、前記シリンダ内への前記内容液の流入を許容し、且つ前記シリンダ外への前記内容液の流出を阻止する吸込弁と、前記シリンダ、前記吸込弁、前記吐出管及び前記プランジャによって囲まれ、前記吸込弁を通して前記シリンダ内に流入した前記内容液が溜められる加圧室と、を備え、前記吐出ヘッドは、一端が閉塞された筒状に形成されるとともに、一端部に前記吐出口が形成されたノズルチップと、一端が閉塞された筒状に形成されるとともに、前記ノズルチップの内側に配置された内挿体と、を備え、前記内挿体には、前記吐出管内に連通する導入空間と、前記内挿体の周壁を貫いて前記ノズルチップの周壁の内周面に向けて開口し、前記導入空間と前記ノズルチップの内側とを連通する連通孔と、が形成され、前記内挿体と前記ノズルチップとの間には、前記吐出口と対向する位置から放射状に延びる複数の放射溝と、該複数の放射溝と前記連通孔とを連通する連絡部と、が形成され、前記複数の放射溝における前記連絡部との接続部分と、前記連通孔とは、前記吐出口の中心軸回りに沿う位置が互いに異なっており、前記吐出ヘッドまたは前記吐出管には、前記吐出弁を通過し、かつ前記導入空間に到達する前の内容液が通過するフィルタが配設されていることを特徴とする。
また、ノズルチップに内挿体を内蔵して吐出口に通じる流路を形成するとともに、内挿体の周壁に流路の一部として形成した連通孔が、内挿体の一端に流路の一部として形成した放射溝に対して周方向にオフセットすることで、連通孔から放射溝に至るまでの内容物の旋回流により吐出口に至る内容物に流速を与え、霧の状態や噴霧角度等によって規定される噴出パターンを従来と比較して更に安定させることができる。
さらに、ノズルチップに内挿体を内蔵する比較的複雑な吐出ノズルを用いた場合でも、フィルタにより内容物を濾過して導入することで、異物混入等による吐出ノズルの目詰まりを抑止し、安定した噴射を行うことができる。
(液体吐出容器の構成)
図1に示すように、液体吐出容器1は、有底筒状に形成された容器本体10を備えている。容器本体10は、胴部11及び底部と、外周面に雄ねじが設けられた口部12と、で有底筒状に形成されており、内部に内容液が充填されている。
なお、以下では、容器本体10の中心軸を容器軸Oと称し、この容器軸O方向に沿って口部12側を上側、底部側を下側と称し、この容器軸O方向に沿った方向を上下方向と称する。また、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向を径方向と称し、容器軸O回りに周回する方向を周方向と称する。
第1筒部21の内側は、前記吸込み口21aとなっていて、第1筒部21内には、下端を容器本体10の底部近傍に延ばした吸込管28が嵌着されている。
出口管53の上端には、吐出弁51に連結され下方に押し下げ可能になっていて押し下げ動作により吐出弁51を開弁させて吐出ノズル110から内容液を吐出する吐出ヘッド100が固定されている。
吐出管50は、容器軸Oと同軸に配置されていると共に先部がシリンダ20内に挿入されており、その先端がシリンダ20の第3筒部23の内側に配されている。
駆動筒部61は、下筒部63と、上筒部64と、これらを連結する環板部65とを有し、環板部65は下筒部63よりも若干内方に延びて、その内端縁が上下両方向に突出している。
なお、連通溝63aは、下筒部63の外周面に1つのみ形成されていても良く、また、周方向に互いに間隔をあけて複数形成されていても良い。また以下では、下筒部63において上下方向に沿って連通溝63aが形成されている部分を下筒部63の下側部分と称し、下筒部63において前記下側部分よりも上側の部分を上側部分と称する。
また、シリンダ20と吸込弁29と吐出管50とプランジャ60とによって囲まれた空間は加圧室93とされている。
このカム溝70及びシリンダ20の縦溝31それぞれには、ボール71が回動可能に係合している。即ち、ボール71の半分はカム溝70に挿入され、残りの半分が縦溝31に挿入されている。
この中継部材42は、外側下延筒部43と内側下延筒部44と上延筒部45とが頂板部46によって連結されて構成されており、外側下延筒部43の内周面に設けられた突起43aをシリンダ20の第4筒部24の係合突起24aに掛止させてシリンダ20に対して相対回転可能に取り付けられている。更に中継部材42は、上延筒部45の係合突条45aを回動環40の係合溝40aに係合することによって、回動環40と同期回転するようにされている。
ボール71は同じ高さ位置を維持したまま、回動環40の回転操作に伴って傾斜溝70a及び垂直溝70bからなるカム溝70を相対的に走行(移動)する状態となり、これによりプランジャ60が上下動することとなる。
この等圧弁80は、容器軸Oと同軸の円環状に形成されると共に下面が第3筒部23及びシール筒部30cそれぞれの上端縁に当接されて支持された弁本体84と、シール筒部30cに対して当接離反する第1弁部81と、下筒部63の外周面上を摺動する第2弁部82と、プランジャ60に対して当接離反する第3弁部83と、を備えている。
なお、この等圧弁80は例えば軟質樹脂やゴム等の弾性部材(弾性体)で形成されている。
なお、図示の例では、第1弁部81の下端部は、シール筒部30cの外周面において、溝部30dよりも下側に位置する部分に当接離反可能となっている。そして、第1弁部81は、液圧逃がし通路91内の圧力と容器本体10内の圧力との圧力差によって動作して容器本体10内から液圧逃がし通路91への流通を阻止し、液圧逃がし通路91から容器本体10内への流通のみを許容する逆止弁として機能する。
即ち、第3弁部83は、下筒部63の上側部分及びシール脚筒部67を摺動する時は閉弁状態であり、下筒部63の下側部分を摺動する時は開弁状態となる。
次に、上記のように構成された液体吐出容器1の作用を説明する。
<非加圧状態>
図1に示すように、液体吐出容器1の非使用時の状態である非加圧状態においては、吸込弁29及び吐出弁51が閉弁状態になっており、プランジャ60が最下限位置に位置していると共に、押さえ脚部68が吸込弁29の弁体29aを上から押圧している。また、液圧逃がし通路91は加圧室93に連通している。
なお、吐出弁51については、この後、吐出ヘッド100を押し下げない限り、閉弁状態に維持される。
前記非加圧状態から回動環40を容器本体10に対して回転させると、図4に示すように、プランジャ60が付勢機構47を圧縮しながら上昇する。すると、プランジャ60の上昇により押さえ脚部68は吸込弁29の弁体29aから離反し、弁体29aは開弁可能になる。
なお、最下限位置からプランジャ60のテーパー筒部67aがスリーブ30の小径筒部30bに圧接する直前までのプランジャ60の移動範囲を下部移動域と称する。この下部移動域においては、等圧弁80の第2弁部82及び第3弁部83は両方ともプランジャ60の下筒部63の上側部分に液密に圧接しており、液圧逃がし通路91と空気流入通路92との間を遮断し続ける。
その結果、容器本体10内の内容液が吸込管28の下端より吸い上げられ、この吸込管28を通った後、吸込み口21aから加圧室93内にポンプアップされる。
なお、テーパー筒部67aがスリーブ30の小径筒部30bに圧接し始めるのとほぼ同時に、等圧弁80の第3弁部83の先端シール部が下筒部63の下側部分を摺動し、第3弁部83が開弁状態になる。
回動環40の回転によりボール71がカム溝70における傾斜溝70aの下端近傍に達すると、図5に示すように、プランジャ60の下筒部63の上側部分が等圧弁80の第2弁部82から離脱して下筒部63の下側部分を第2弁部82が摺動すると共に、プランジャ60のスカート部62のシール脚筒部67が第3弁部83の先端シール部に圧接し始める。なお、この位置から最上限位置までのプランジャ60の移動範囲を上部移動域と称する。
また、ポンプアップ終了と同時に、等圧弁80の第1弁部81がシール筒部30cに圧接して閉弁し、第3弁部83がシール脚筒部67に圧接して閉弁する。従って、この状態で万が一に液体吐出容器1を横転させたとしても内容液が液体吐出容器1の外へ漏洩することはない。
前述のように内容液をポンプアップした後、図6に示すように、吐出ヘッド100を押し下げると、吐出弁51が開弁し、加圧室93が吐出ノズル110に連通して、加圧室93の密閉が破られる。
その結果、付勢機構47の弾性復元力によりプランジャ60が下降し、加圧室93内の内容液が吐出ノズル110から例えば噴霧される。なお、プランジャ60の下降時、ボール71はカム溝70の垂直溝70bをプランジャ60に対して相対的に上昇することとなる。
プランジャ60が下降してその下筒部63の上側部分が等圧弁80の第2弁部82に圧接し始めると、即ちプランジャ60が上部移動域を脱すると液圧逃がし通路91は密閉されるので、それ以降はプランジャ60のテーパー筒部67aがスリーブ30の小径筒部30bから離脱するまでの間、即ち下部移動域に達するまでの間、プランジャ60の下降に伴い液圧逃がし通路91は減圧されて若干負圧化する。
プランジャ60のテーパー筒部67aがスリーブ30の小径筒部30bから離脱して大径筒部30aの側方に位置するようになると、即ちプランジャ60が下部移動域に入ると、液圧逃がし通路91が加圧室93に連通するため液圧逃がし通路91内に加圧室93内の正圧が伝達される。
以上により、液体吐出容器1からの内容液の噴出が終了する。
図2に示すように、吐出ヘッド100は、回動環40のネック筒部41に上下動可能に支持されて使用者に押し下げ操作される押圧部材としてのヘッド本体101を有する。ヘッド本体101は、容器軸Oと同軸の有頂円筒形の外観を有し、下側ほど僅かに拡径するように形成される。ヘッド本体101の頂面101a及び外周面101bは、外方に凸の緩やかな湾曲状に形成される。ヘッド本体101の頂面101aには、使用者に押下される凹状の押圧面101cが形成される。
ノズルチップ111は、前端(一端)が前壁111aに閉塞された筒状に形成されている。また、ノズルチップ111は、その周壁111bの外周側が窪み102の内周側に固定部111cによって固定される。固定部111cは、例えば互いに係合する環状の溝及び突起で構成される。周壁111bの外周側及び窪み102の内周側の少なくとも一方(図では周壁111bの外周側)には、相手側に密接する環状のシール部111dが凸設される。これにより、シール部111dの前後空間の連通が遮断され、窪み102がノズルチップ111(吐出ノズル110)によって液密に封止される。
各膨出部117は、その前面117aをノズルチップ111の前壁111aの後面に密接させる。これにより、各放射溝118は、仕切壁との間に、環状の第3連絡路116aからの内容液が導入される複数(この例では3つ)の第4連絡路118aを形成する。また、円筒凹部119は、各第4連絡路118aからの内容液が導入される第5連絡路119aを形成する。
第5連絡路119aは、吐出口110bを介して外方に通じる合流空間として機能する。なお、本実施形態では、第5連絡路119aは、ノズルチップ111の前壁111aの後面に形成された凹み119bを含んで構成される。
容器本体10の内容液は、吐出管50を通してメッシュキャップ107に圧送され、メッシュ体107cを通過して濾過された後、吐出ヘッド100内に導入される。特に、ノズルチップ111と内挿体112との二重構造のような比較的複雑な吐出ノズル110を備える場合、内容液を濾過して導入することで、異物混入等による吐出ノズル110の目詰まりが抑制される。
10 容器本体
12 口部
20 シリンダ
21a 吸込み口
29 吸込弁
40 回動環
47 付勢機構
50 吐出管
51 吐出弁
60 プランジャ
75 変換機構
93 加圧室
100 吐出ヘッド
107c メッシュ体(フィルタ)
110 吐出ノズル
110b 吐出口
111 ノズルチップ
111a 前壁(一端部)
111b 周壁
112 内挿体
112b 周壁
112c 導入空間
113 連通孔
114 長溝(連絡部)
118 放射溝
118b 外周側端(接続部分)
O2 中心軸
Claims (1)
- 内容液が収容された容器本体と、
下端の吸込み口が前記容器本体の口部から容器本体内に挿入されて、該容器本体に固定されたシリンダと、
前記シリンダに回動可能に取り付けられた回動環と、
前記回動環に取り付けられると共に、上部に吐出弁が設けられ且つ下部開口が前記シリンダ内に位置する吐出管と、
前記シリンダ内に配置されると共に、前記吐出管に液密且つ上下摺動可能に外嵌され、付勢機構により下方に付勢された筒状のプランジャと、
前記回動環と前記プランジャとの間に設けられ、前記回動環の前記シリンダに対する回転動作を前記プランジャの前記シリンダに対する上昇動作に変換する変換機構と、
前記吐出弁に下方に押し下げ可能に連結され、押し下げ動作により吐出弁を開弁させて吐出口から前記内容液を吐出させる吐出ヘッドと、
前記吸込み口に配設され、前記シリンダ内への前記内容液の流入を許容し、且つ前記シリンダ外への前記内容液の流出を阻止する吸込弁と、
前記シリンダ、前記吸込弁、前記吐出管及び前記プランジャによって囲まれ、前記吸込弁を通して前記シリンダ内に流入した前記内容液が溜められる加圧室と、を備え、
前記吐出ヘッドは、
一端が閉塞された筒状に形成されるとともに、一端部に前記吐出口が形成されたノズルチップと、
一端が閉塞された筒状に形成されるとともに、前記ノズルチップの内側に配置された内挿体と、を備え、
前記内挿体には、
前記吐出管内に連通する導入空間と、
前記内挿体の周壁を貫いて前記ノズルチップの周壁の内周面に向けて開口し、前記導入空間と前記ノズルチップの内側とを連通する連通孔と、が形成され、
前記内挿体と前記ノズルチップとの間には、前記吐出口と対向する位置から放射状に延びる複数の放射溝と、該複数の放射溝と前記連通孔とを連通する連絡部と、が形成され、
前記複数の放射溝における前記連絡部との接続部分と、前記連通孔とは、前記吐出口の中心軸回りに沿う位置が互いに異なっており、
前記吐出ヘッドまたは前記吐出管には、前記吐出弁を通過し、かつ前記導入空間に到達する前の内容液が通過するフィルタが配設されていることを特徴とする液体吐出容器。
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