JP2015226375A - 同期電動機の制御装置およびそれを用いたドライブシステム - Google Patents

同期電動機の制御装置およびそれを用いたドライブシステム Download PDF

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Abstract

【課題】三相固定子巻線がY接続された交流電動機の回転子位置センサレスの,停止・低速域からの安定駆動を実現する方式として,固定子巻線がY接続された点の電位を検出し,回転子位置との関係を自動調整する手法を提案する。
【解決手段】三相固定子巻線がY接続された三相同期電動機と,該電動機を駆動するインバータを備え,前記同期電動機に直流通電して回転子を所定位置に移動させ,移動させた状態で,インバータからパルス状の電圧を印加し,該パルス電圧印加時において,前記Y接続点の電位である中性点電位を取得し,該取得した値に基づいて前記同期電動機を駆動する同期電動機の制御装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は,例えばポンプ,ファン,圧縮機,スピンドルモータなどの回転速度制御や,コンベア,昇降機,機械装置の位置決め制御,ならびに電動アシストなどトルク制御を必要とする用途に適用する電動機駆動技術に関する。
家電・産業・自動車などの分野では,例えば,ファン,ポンプ,圧縮機などの回転速度制御,ならびに電動パワーステアリングなどのトルクアシスト機器,さらには、搬送機,昇降機,位置決め制御などにモータ駆動装置が用いられている。これらの分野のモータ駆動装置では,小形・高効率の交流電動機である永久磁石型同期電動機(以下,「PMモータ」と称する)が幅広く用いられている。しかし,PMモータを駆動するには,モータの回転子の磁極位置の情報が必要であり,そのためのレゾルバやホールIC等の位置センサが必須となる。近年では,この位置センサを用いずに,PMモータの回転数やトルク制御を行うセンサレス制御が普及している。
センサレス制御の実現によって,位置センサにかかる費用(センサそのもののコストや,センサの配線にかかるコスト、センサの取り付け調整作業にかかる費用)が削減でき,また,センサが不要となる分,装置の小型化や,劣悪な環境下での使用が可能になるなどのメリットも生まれている。
現在,PMモータのセンサレス制御は,ロータが回転することによって発生する誘起電圧(速度起電圧)を直接検出し,回転子の位置情報としてPMモータの駆動を行う方式や,PMモータの数式モデルから,回転子位置を推定演算する位置推定技術などが採用されている。
これらは原理的には速度起電圧を利用する方式であり,停止,低速域など,速度起電圧が小さくなる領域では適用困難となる。よって,これらの技術は,主に中高速域以上の速度域にて適用されており,低速域はV/F一定制御のようなオープンループ制御が用いられている。オープンループ制御の場合,モータの発生トルクを自在に制御することができないため,低速域の制御性は悪く,また,効率も劣化してしまう。
これらに対し,低速域から回転子位置情報を得る方式がすでに提案されている。
特許文献1は,三相のPMモータの2つの相にパルス電圧を印加し,通電していない残りの1相の開放電圧を検出して,その電圧から位置情報を得るものである。この開放相の起電圧は,PMモータの回転子の位置に応じて発生するため,回転子位置の推定に利用できる。この起電圧は、PMモータの回転子に取り付けらた永久磁石磁束と、パルス電圧による通電電流の関係によって、モータ内のインダクタンスが微小に変化することで発生する電圧であり、停止状態においても観測可能である。これを「磁気飽和起電圧」と称している。
また,この方式では,通電していない相(開放相)の起電圧を観測するため,三相のうち,二相を選択して通電する120通電駆動が必須となっている。位置センサレスで駆動するには,これらの通電相を回転子の位置に応じて切り替えていく必要がある。その通電相切替に,開放相に発生する「磁気飽和起電圧」を利用している。
磁気飽和起電圧は,回転子の位置に応じて単調増加,あるいは減少するように変化する。そこで,特許文献1では,開放相起電圧に「閾値」を設け,その閾値に磁気飽和起電圧が到達した時点で,次の通電相へ切り替えるようにして,位置センサレス制御を行っている。その際,「閾値」が極めて重要な設定要素となる。閾値は,モータ毎,あるは,モータの相巻線毎に微妙にばらつきを持っており,それらを適切に設定する必要がある。その調整作業を,モータ毎に自動的に実施する手法が,特許文献2に記されている。
特許文献2では,特許文献1に記された手法に対し,予め,閾値の自動調整ルーチンを実行することで,作業者が手動で調整する必要がなくなり,システムの立ち上げ作業が省力化される。
これらの公開特許は,120度通電駆動を前提としているものであるが,正弦波駆動の手法もすでに報告されている。特許文献3,4では,PMモータとして三相固定子巻線がY結線されたものを用いて,そのY結線された三相巻線の接続点電位(これを中性点電位と呼ぶ)を観測することで,回転子の位置を推定している。
特許文献1のように開放相を観測する必要がないため,三相に同時に通電することが可能であり,PMモータを理想的な正弦波電流で駆動することができる。しかし,中性点電位の検出は不可欠である。
特許文献3では,中性点電位を観測するための電圧パルスの挿入方法が記されている。また,特許文献4では,PMモータを駆動するインバータの印加電圧を利用し,パルス幅変調を行う際のPWMパルスに連動して中性点電位を観測し,瞬時に回転子位置の推定演算が可能であることが記されている。
特開2009−189176号公報 特開2012−10477号公報 特開2010−74898号公報 国際航海番号WO2013/153657 A1
特許文献1記載のものは,モータが停止・低速状態において,脱調することなくトルクを発生することができる。また、特許文献2では特許文献1のセンサレス駆動を実現するための重要な設定定数である「閾値」の自動調整に関する記載がある。しかしながら,これら特許文献1,2の手法は,いずれも120度通電駆動がベースなるため,PMモータ駆動時の電流高調波は極めて大きい。その結果,高調波損失の増大化や,トルク脈動による振動・騒音が問題となる場合がある。PMモータを駆動するには,理想的には正弦波電流での駆動が望ましい。
特許文献3,4記載のものは,PMモータの固定子巻線の中性点電位を観測することで,正弦波電流によってPMモータを零速度から駆動できることが示されている。また,PMモータの構造的な制限(例えば,埋め込み磁石型に限定されるなどの制限)はなく,汎用性も高い。しかしながら,これら特許文献3,4には,解決されていない以下の課題がある。
特許文献3には,観測された中性点電位を用いて三相の通電相を切り替える手法が示されているが,具体的な切替の中性点電位をどのように設定するのか?,モータの仕様による違いや,三相のアンバランスへの対応が記されていない。このため,特許文献3の手法を実現するには,モータ毎の調整作業が必要となり,実用上問題である。特に,量産品に適用することは困難である。
特許文献4では,2種類の電圧パターンを印加した際に,各々の電圧パターンにおける中性点電位を観測し,それらの信号処理によってPMモータの回転子位置を推定演算できることが示されている。しかしながら,三相アンバランスへの対応はできず,例えば,ある特定相のインダクタンスのみが他と異なっている場合,推定された回転子位置に大きな脈動成分が発生してしまう。また,2種類の電圧パターンは,通常の三角波キャリアによるパルス幅変調によって作成可能であるが,それぞれの電圧パターンに対応した中性点電位を検出するには,制御器の機能として,ADコンバータやタイマーなどが豊富に用意されている必要がある。安価なマイコンを使用した場合,これらの機能は不十分であり,特許文献4の手法をそのまま適用することはできない。
本発明の目的は,制御対象となるモータ個体毎の磁気飽和特性,ならびに三相アンバランス特性などを自動調整し,かつ,零速度近傍において,回転子位置センサを用いずに,高トルクな正弦波駆動を実現する同期電動機の制御装置を提供することにある。
三相固定子巻線がY接続されたPMモータを駆動対象とし,実運転駆動前にインバータによって直流通電を行い,PMモータの回転子を所定位相に移動させ,移動させた状態で,インバータからパルス状の電圧を印加して,固定子巻線のY接続点の電位である中性点電位を取得する。この取得した値を制御器の不揮発メモリ上に記憶しておき,この値に基づいてPMモータの回転子位置推定を実施することで,零速度から高トルク駆動が可能な同期電動機の制御装置が実現できる。
本願において開示される発明のうち,代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
本発明によれば,PMモータの中性点電位と回転子位置の関係を予め取得できるため,どのような磁気回路特性を持ったモータであっても,簡単な調整アルゴリズムによって低速域のセンサレス駆動が実現できる。この結果,これまで公開された方式に対して,振動・騒音の少ない高トルク駆動が可能となる。また,調整後の実運転駆動では,簡便なアルゴリズムによる位置推定演算が可能となるため,安価なマイコンによる実現も可能となる。
第1の実施の形態に係る同期電動機の制御装置の構成を表す図である。 第1の実施の形態に係るインバータの出力電圧のベクトル表記を示す図である。 第1の実施の形態に係るPMモータの中性点電位の発生原理を示す図である。 第1の実施の形態に係る中性点電位の実測例の波形図である。 第1の実施の形態に係る中性点電位の線形化に係わる波形図である。 第1の実施の形態に係るずべての種類の中性点電位の変化を示す波形図である。 第1の実施の形態に係るセンサレス駆動に用いる中性点電位の変化を示す波形図である。 第1の実施の形態に係る位置推定器のブロック構成図である。 第1の実施の形態に係る調整モード時のアルゴリズムを示すフロー図である。 第2の実施の形態に係るセンサレス駆動に用いる中性点電位のばらつきの様子を示す波形図である。 第2の実施の形態に係る調整モード時のアルゴリズムを示すフロー図である。 第2の実施の形態に係る位置推定器のブロック構成図である。 第3の実施の形態に係る中性点電位の線形化に係わる波形図である。 第3の実施の形態に係る調整モード時のアルゴリズムを示すフロー図である。 第4の実施の形態に係る中性点電位の実測例の波形図である。 第4の実施の形態に係る2種類の中性点電位の合成によるの波形図である。 第4の実施の形態に係る調整モード時のアルゴリズムを示すフロー図である。 第5の実施の形態に係る調整モード時のアルゴリズムを示すフロー図である。 第6の実施の形態に係るPWMパルス波形作成原理を示す波形図である。 第6の実施の形態に係る制御器のブロック構成図である。 第6の実施の形態に係る回転子位置領域,ならびに電圧指令領域を示すベクトル図である。 第6の実施の形態に係る回転子位置領域と,その領域において必須となる電圧ベクトルの関係を示す図である。 第6の実施の形態に係る回転子位置領域と電圧指令領域とから,必要な電圧指令補正方法を選択する図である。 第6の実施の形態に係る電圧指令補正方法を示す図である。 第7の実施の形態に関わる一体型のモータ駆動システムの構成を表す図である。 第8の実施の形態に関わる油圧ポンプシステムの構成を表す図である。 第8の実施の形態に関わる油圧ポンプシステムにて、リリーフバルブを取り除いた構成を表す図である。 第9の実施の形態に関わる位置決め制御システムの構成を表すブロック図である。
以下本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜9を用いて,本発明の第1の実施の形態に関わる交流電動機の制御装置について説明する。
この装置は,三相の永久磁石同期電動機4(以下PMモータ4と略)の駆動を目的とするものであり,大別すると,Iq*発生器1,制御器2,直流電源31,インバータ主回路32,ゲートドライバ33,仮想中性点電位発生器34,電流検出器35を含むインバータ3,駆動対象であるPMモータ4を含んで構成される。
尚,駆動対象としては,本実施形態ではPMモータを例に挙げるが,回転子位置に対する磁気飽和特性が得られる電動機であれば,他の種類の交流電動機であっても適用可能である。
Iq*発生器1は,PMモータ4のトルク電流指令Iq*を生成する制御ブロックであり,制御器2の上位の制御器に相当する。たとえば,PMモータ4の回転速度を制御する速度制御器であったり,ポンプなどの負荷装置の状態から必要なトルク電流指令を演算して制御器2へ与えるブロックとして機能する。
制御器2は,PMモータ4を回転子位置センサレスでベクトル制御する制御器であり,通常の位置センサレスを実現する「実運転モード」と,実運転前のPMモータ個別への調整作業を自動で行う「調整モード」の両方の機能を搭載しており,ブロック内の切替器によってこれらの動作を切り替えている。
制御器2は,PMモータ4への励磁電流指令Id*を与えるId*発生器5a,ならびに5b,信号の加算器6,d軸電流制御器IdACR7,q軸電流制御器IqACR8,dq軸上の電圧指令Vd*,Vq*を三相交流電圧指令Vu0,Vv0,Vw0に変換するdq逆変換器9,三相交流電圧指令に基づいて,インバータ3を駆動するゲートパルス信号を作成するパルス幅変調(PWM)器10,インバータ3の直流母線電流から三相交流電流を再現する電流再現器11,再現された三相交流電流Iuc,Ivc,IwcをPMモータ4の回転子座標軸であるdq座標軸の値に変換するdq変換器12,PMモータ4の中性点電位Vnを,仮想中性点電位発生器34の仮想中性点電位Vncを基準に増幅して検出する中性点電位増幅器13,観測された中性点電位をサンプル/ホールドして制御器内部に取り込むサンプル/ホールダー14,中性点電位に基づきPMモータ4の回転子位置を推定演算する位置推定器15,推定された回転子位置θdcに基づき,回転子速度を推定する速度演算器16,調整モード時に回転子位置を強制的に所定位置に移動させる位相設定器17,実運転時の位置推定に必要となるパラメータを設定する推定パラメータ設定器18,調整モード時にIq*(=0)を与える零発生器19,調整モード時に中性点電位を取得するための電圧を生成する検出電圧発生器20,実運転モードと調整モードとを切り替える切替器SW21a〜eからなる。
実運転モードでは,SW21a〜eは「1」側に切り替えられ,中性点電位に基づく位置推定,ならびにdq軸の電流制御を用いたベクトル制御系が実現される。実運転モード時に位置推定器15で必要となるパラメータは,SW21a〜eを「0」側に切り替え,後述する調整モード時のアルゴリズムによって取得する。
それぞれの切替器SW21a〜eは以下の切替を行っている。SW21aでは,観測された中性点電位を実運転モード駆動時は位置推定器15に使用し,調整モード時は推定パラメータ設定器に用いるように信号を切り替えている。SW21bでは,dq変換器12,dq逆変換器9への変換位相を,実運転モード時は推定位相θdcに,また,調整モード時は位相設定器17によって与えるように信号を切り替えている。SW21c,dは,電流制御を行う際の電流指令Id*,Iq*を切り替えている。d軸電流指令は,実運転モードではId*発生器5aを,調整モード時はId*発生器5bからの信号を使用する。また,Iq*は,実運転モード時はIq*発生器1の信号を,調整モード時には零を与えるようにSW21dにて切り替えている。SW21eは,調整モード時に必要な中性点電位を検出するために,Vn検出電位発生器の信号を与えるように切り替える。
尚,本制御装置では,PMモータ4の相電流の検出は,直流母線電流を電流検出器35によって検出し,制御器2内部の電流再現器11にて相電流を再現しているが,直接相電流センサを用いても何ら支障はない。電流再現器11の動作は,本件の特徴部分とは直接無関係であるので,詳細説明は省略する。また,PMモータ4の中性点電位Vnは,仮想中性点電位発生器34の仮想中性点電位Vncを基準に観測しているが,基準となる電位は任意に取ることができる。他の基準電位,例えば,インバータ3の直流電源31のグランドレベルなどを基準に用いても検出可能である。
次に,中性点電位に基づく位置センサレス駆動の原理について説明する。
インバータ3の出力電圧は,三相のスイッチングデバイス(Sup〜Swn)のそれぞれのスイッチ状態に応じて,全部で8通りのパターンになる。図2(a)は,インバータ3の出力電圧をαβ座標上でベクトル表示したものである。2つの零ベクトル(V(0,0,0)とV(1,1,1))と,6つの零でないベクトル(VA〜VF)が,インバータの出力できる電圧パターンとなる。尚,図のV(1,0,0)の数値「1,0,0」は,インバータ主回路のU,V,W相のスイッチ状態を示し,「1」は上側素子のオン,「0」は下側素子のオンを意味する。すなわち,V(1,0,0)は,U相が上側素子がオン,V相,W相は下側素子がオンの状態を意味する。
インバータは,これら8つの電圧ベクトル(2つの零ベクトルを含む)を用いて,正弦波状のパルスパターンを作成する。例えば,ある任意の電圧指令V*に対し,その指令が図2(a)の(3)の領域にあるとすると,それを囲むベクトルVB,VCならびに零ベクトルを組み合わせて,V*相当の電圧を作成している。
また,PMモータ4の回転子位置θdとの関係は図2(b)のようになる。通常はα軸(U相固定子巻線位置に一致)を基準に,反時計方向回りにθdを定義する。
次に,これらの電圧ベクトルに対する中性点電位の変化について述べる。図3(a),(b)に,例としてVA,VDの電圧ベクトルを印加した際の中性点電位VnA,VnDを示す。尚,以後,中性点電位の名称として,VnA,VnB,VnC,VnD,VnE,VnFを用いるが,これらはそれぞれ電圧ベクトルVA,VB,VC,VD,VE,VFを印加した際に生じる中性点電位を意味するものとする。
図3に示すように,各中性点電位は,固定子巻線Lu,Lv,Lwの分圧電位として観測される。仮に,各巻線のインダクタンスが等しいとすると,中性点電位は完全に零となる。しかしながら,実際には,回転子の磁石磁束が巻線に影響することで,インダクタンスは回転子位置に応じた変化を示す。図4は,実際のPMモータに対して電圧ベクトルを印加して,中性点電位を観測した結果である。VnA,VnDとも,回転子位置に応じた変化を示している。この回転子位置による中性点電位の依存性を利用することで,回転子の位置推定が可能になる(特許文献3,4)。
本発明では,図4の波形の一部分を利用して,回転子位置の推定演算を行う。
図5に,図4のVnAの変化に着目した線形化の例を示す。例えば,VnAの-60[deg]から0[deg]までの変化を直線とみなし,Vn=Fad)として関数化する(図4(a))。その場合,位置推定の際には,その逆関数であるθd=Fa -1(Vn)を用いることで,Vnから回転子位置θdを推定することが可能である。
これを実現するには,θdに対する2点の中性点電位が取得できればよい。例えば,-60[deg]に回転子を移動し,その位置でVAを印加し中性点電位VnA0を取得し,さらに回転子を0[deg]の位置に移動してVAを印加し中性点電位VnA1を取得すればよい。この線形化は,図5(b)のように,-60[deg]から0[deg]の範囲内で近似すれば,近似の度合いが変化するものの,原理的には位置推定は可能である。また,図5(c)のように,60[deg]の範囲内で複数点を取得して,精度を向上させてもよい。
インバータ3が出力できる電圧ベクトルは,零を除いて6つあるため,実際には6つの中性点電位が観測可能である。それらの観測結果の例を図6に示す。これら6つの中性点電位を回転子位置60度毎に選択して使用すると,図7のような波形になる。図7に示すように,3つの中性点電位VnA,VnC,VnEを60度毎に順番に使用することで,対象な波形が観測でき,よりシンプルなアルゴリズムによって回転子位置の推定が可能になる。
図8は,実運転モード時に動作する位置推定器15の構成を示すブロック図である。
中性点電位Vn0(実際には,VnA,VnC,VnEのいずれか)を入力し,
θdc60=A1・Vn0+B1・・・(数1)
の計算を,乗算器152,加算器6を用いて実施する。一次関数のパラメータA1,B1は,前もって調整モード時に設定した値を利用する。θdc60は±30[deg]の範囲で算出されるように設定し,それにθd基準値発生器153が出力する60度毎の階段波信号θdc0を加算し,0〜360[deg]の推定位相θdcが得られる。
上記の位置推定アルゴリズムによって,極めてシンプルな回転子位置の推定演算が実現可能になるが,その際,(数1)におけるパラメータA1,B1の設定が重要となる。
(数1)の関数は,図5(a)に示したように,回転子位置を所定位相に移動して,中性点電位を観測すればよいのだが,それを手動で行うのは多大な時間を要するため,自動化するのが望ましい。
図9に,図5(a)に示したVnA0,VnA1を取得するための調整モードのアルゴリズムを示す。図において,(S1)にて,SW21a〜dを「0」側にし,SW21eのみ「1」側のままにしておく。次に(S2)にて,位相設定器17においてθdc=-60[deg]を出力し,同時にId*発生器5bの出力をI0に設定する。このI0は,回転子を動かすに必要な電流値とするが,目安としては,PMモータ4の定格電流相当とすればよい。(S2)の設定によって,θdc=-60[deg]の位置に直流電流が発生する。この電流に引き付けられて,回転子は移動し,θdc=-60[deg]の位置で停止する。次に,(S3)にてSW21eを「0」に切り替える。この時点で,直流電流は一旦遮断される。次に,(S4)にて,Vn検出電圧発生器20から電圧ベクトルVAを出力し,中性点電位VnAを取得する。このVnAは,回転子位置θdが-60[deg]であることから,図5(a)におけるVnA0に一致する。同様にして,(S5)から(S8)の処理によって,VnA1を取得する。この結果,中性点電位と回転子位置の関係を線形近似可能となり,(S9)にて線形化に必要な2つの係数A1,B1を求める。この係数演算は,推定パラメータ設定器18にて実施され,位置推定器15のパラメータ設定器151にセットされる。以上で,調整モードは終了し,(S10)にて実運転モードに切り替えて終了となる。
以上のように,本発明の実施形態に従えば,どのようなPMモータを用いても,簡単に位置センサレス駆動に必要なパラメータの自動調整が可能となり,汎用性の高いPMモータのセンサレス駆動が実現できる。
(第2の実施の形態)
次に,図10,11,12を用いて,本発明の第2の実施の形態に関わる同期電動機の制御装置について説明する。
第1の実施形態では,簡便な調整アルゴリズムによって,特性が未知のPMモータへの対応が可能となる手法を示した。本第2の実施形態では,個々のPMモータにおける三相アンバランスの問題を解決する手段を提供する。
第1の実施形態では,中性点電位の検出特性は,例えば図7に示したように,各電圧ベクトルに対する中性点電位が等しく変化するものとして,調整アルゴリズムを構成した。しかし,実際のPMモータでは,製造誤差や材料のばらつきによって,三相のアンバランスが発生することが多い。特に,本発明で利用している中性点電位は,各相のインダクタンスの微小変化の影響を検出するものでもあり,アンバランスの影響を受け易い方式である。
図10は,あるPMモータの中性点電位の測定結果である。VnA,VnC,VnEのそれぞれが,異なった変化を示している。これらは,モータそのものの三相アンバランスによるものと,,中性点電位の検出回路(図1の仮想中性点発生器34)のばらつきによる影響も同時に含まれている。しかしながら,第1の実施形態では,これらの相毎のばらつきは,調整モードでは補償することはできない。
本実施形態では,これらの問題を解決するため,3種類それぞれの中性点電位毎に調整作業を実施する。そのアルゴリズムを図11に示す。図において,(R1)から(R5)の処理において,回転子位置を-60度に移動し,図10におけるVnC1ならびにVnA0を取得する。同様に,(R6)〜(R10)にて回転子位置を0[deg]に移動してVnA1,ならびにVnE0を取得し,最後に(R11)〜(R15)にて回転子位置を60[deg]に移動してVnE1,VnC0を取得する。この間,回転子位置は3か所(-60,0,60[deg])に移動している。これらの中性点電位から,それぞれの60度期間の近似関数のパラメータA1〜A3,B1〜B3を(R16)にて演算する。
得られたパラメータは,本実施形態における位相推定器15B(図12)にセットされる。パラメータ設定器151Bは,A1,A2,A3,ならびに,B1,B2,B3のパラメータを,それぞれの区間に応じて切り替えてθdc60の演算を実施する。この結果,三相個別のばらつきは補償され,回転子位相θdcは正確な値を演算できるようになる。
(第3の実施の形態)
次に,図13,14を用いて,本発明の第3の実施の形態に関わる同期電動機の制御装置について説明する。
第1,ならびに第2の実施形態では,回転子位相として,零度を基準として,電気角360度を60度毎に分割して位置推定を行った。しかしながら,検出される中性点電位の波形は,各60度期間において対象ではなく,線形近似するには誤差が大きくなってしまう。もちろん,図5(c)のように,何点かの基準点を取得して,折れ線での近似も可能であるが,処理が複雑化し,また調整モードの動作時間も長くなってしまう。
本発明による第3の実施形態では,この問題を解決する。
図13に,これまでの実施形態(同図(a))と,本実施形態(同図(b))の原理上の比較を示す。例えば,VnAを検出する60度期間を-60〜0度の範囲で行うと,一部分で大きな誤差が発生する。本実施形態では,図13(b)のように15度だけずらして,-75〜-15度の範囲で線形化を実施する。すると,検出されるVnAが対称波形となり,線形近似する際の誤差が大幅に縮小する。
この方式の調整モードのアルゴリズムを図14に示す。図14は,第1の実施形態のアルゴリズム(図9)と対応付けて記載している。図9の(S2)ならびに(S6)が,図14において,(S2C)ならびに(S6C)に変更されただけである。図14では,回転子を移動させる位置が,-75[deg],ならびに-15[deg]に変更され,それぞれにおいて,中性点電位VnAを取得して,最後にパラメータA1,B1を演算している。
実運転モードでは,位相推定器15のθd基準発生器の基準値を15度ずらす必要があるが,大きな変更ではない。
以上のように,調整モードの回転子位置を15度ずらすことで,より高精度な位置推定が可能なセンサレス駆動が実現できる。尚,三相アンバランスに関しては,第2の実施形態に基づいて実施し,調整モード時の回転子の移動位置を全体に15度ずらせば,全く同様に実現することが可能である。
(第4の実施の形態)
次に,図15,16,17を用いて,本発明の第4の実施の形態に関わる同期電動機の制御装置について説明する。
本発明は,PMモータの中性点電位に基づくセンサレス駆動であるが,その中性点電位の回転子位置に対する依存性が最も重要な要因になる。
基本的には,中性点電位は,図4に示したように回転子位相θdに対して,2倍の周期で変化するもとして制御系を構成している。しかしながら,PMモータによっては,中性点電位の変化が対象にならない場合がある。例として,図15のようなVnA,VnDのような特性になるPMモータが存在する。図のVnAは,0度付近と180度付近とで値に差が生じていることがわかる。また,90度,-90度付近の値もピーク値が下がっている。この現象は,パワー密度の高いPMモータほど発生し易い。高パワー密度のモータは磁束密度が高いため,永久磁石磁束の影響を強く受ける。図15では,0度付近のVAは磁石磁束を増磁する方向に電流が発生し,逆に180度付近は磁石磁束を打ち消す方向の電流が発生する。その結果,磁気飽和を促進する方向か,あるいは緩和する方向かの違いによって,このような波形になる。
このような特性のモータに対してこれまでの実施形態を適用すると,-60〜0度と,120〜180度では,推定結果が異なるものになってしまい,電流波形にひずみが発生し,トルク脈動などの要因となるであろう。
そこで,第4の実施形態では,方向の異なる2つの電圧ベクトル(図15の場合,VAとVD)を順番に印加する。この時,VAとVDは,完全にスイッチ状態が反転した電圧ベクトルであり,PMモータに逆方向のパルス電圧を印加することになる。VA,VDそれぞれの印加によって得られる中性点電位VnA,ならびにVnDの両方を用いて,下記(数2)の演算を行う。
VnS = VnA - VnB ・・・(数2)
(数2)によって得られた新たな変数VnSを中性点電位として位置推定を行う。VnSは,VnAとVnDが対称となることから,図16のような対称波形になる。図16であれば,0度付近,ならびに180度付近の波形は完全に対称となり,前述のような問題は解決される。
図17に,本実施形態の調整モードのアルゴリズムを示す。図9をベースに変更点を示すと,図9の(S4)ならびに,(S8)がそれぞれ図17では,(S4-1)〜(S4-3),(S8-1)〜(S8-3)に変更され,VAとVDの2つの電圧ベクトルを印加して,VnS0,ならびにVnS1を求めている。これに対して,推定パラメータA1,ならびにB1を求め,実運転モードでは,位置推定を実施する。位置推定の際にも,VAならびにVDを交互に印加して,VnSを中性点電位として使用する。
以上のように,本発明による第4の実施形態によれば,中性点電位が非対称となるような高パワー密度のPMモータに対しても,高精度な位置推定が実現可能になる。
尚,三相アンバランスの問題や,精度向上のために検出位相を15度ずらす手法など,第2,第3の実施形態の手法に,本実施形態を流用することは全く問題ない。
(第5の実施の形態)
次に,図18を用いて,本発明の第5の実施の形態に関わる同期電動機の制御装置について説明する。
これまでの実施形態で述べたように,調整モードによって所定位相の中性点電位を得ることで,PMモータを高応答に,かつ,高品位(低トルク脈動,低損失など)に駆動することができる。しかしながら,調整モードは,モータを制御器と組み合わせた際に,初回の作業として一度だけ実施するものであり,モータ特性の時間的な変化には対応できない。PMモータは,原理的に経時変化の少ないモータであるが,駆動中にモータの温度は数10度から100度程度は変化する可能性がある。温度変化によって,回転子に取り付けられた永久磁石の特性が変化し,結果として中性点電位が変動する恐れがある。特に,調整モードは初回限りの動作モードであり,PMモータの温度が低い条件にて調整する可能性が高い。一方,実運転モードにてPMモータを駆動していると,銅損や鉄損によってモータ本体が発熱し,調整モード時とは異なる特性になる可能性がある。
よって,調整モードにおける中性点電位の検出は,実運転モードにおける温度条件にできるだけ近い方がよい。
そこで,図18に示すように,第1の実施形態の調整モードアルゴリズム(図9)に対して,新たに(P1),(P2)の処理を追加する。(P1)では,一旦SW21a〜dを調整モードに設定し,(P2)にてI0を所定値に,また,位相θdcを0,120,-120[deg]と順番に変化させ,PMモータ4に通電する。この(P2)の通電は,電流を流しこんでPMモータ4に損失を発生させ,モータの温度を実運転に近い値にまで上昇させることが目的であり,通電パターンは任意なものでよい。しかし,ある特定相に電流が集中しないように,通電位相は変化させた方がよい。
(P2)によって,PMモータ4を通電した後,これまでの実施形態で示した調整モードを実施すれば,実運転に近い温度条件での中性点電位が得られることになる。
以上のように,本発明による第5の実施形態によれば,調整モードにおいて実際の動作温度条件に近い中性点電位を取得することができ,より,実運転注の位置推定精度を向上させることが可能である。
(第6の実施の形態)
次に,図19〜24を用いて,本発明の第6の実施の形態に関わる同期電動機の制御装置について説明する。
第3の実施形態では,位置推定に用いる中性点電位を,θdを基準にした場合に15度ずらすのが線形性を維持する上で有利であることを述べた。また第4の実施形態では,2つの中性点電位を検出して,その差分を用いて位置推定を行うことで,さらに精度が向上することを述べた。
これらの動作は,実運転モード時にも制御器にて実現する必要があり,その具体的な手法について,本第6の実施形態にて説明する。
図19は,制御器2におけるパルス幅変調発生器10におけるPWMパルスの作成の様子を示す原理図である。三角波キャリアの下り期間をTc1,上り期間をTc2とし,その三角波キャリアと三相電圧指令Vu0,Vv0,Vw0を比較することで,PWMパルス列PVu,PVv,PVwが生成される。三相電圧指令は正弦波状に変化するが,三角波キャリア周期に対しては図のように一定とみなすことができる。
通常のPWM(図19(a))では,三相電圧指令は最大相(Max),中間相(Mid),最小相(Min)のいずれかに割り当てられる。図19(a)のように,Vu0>Vv0>Vw0の関係にある場合,出力される電圧ベクトルは,零ベクトル以外にはVAとVBとなる。よって,このVAならびにVBが出力された瞬間に中性点電位をサンプリングすれば,中性点電位VnA,VnBが取得できる。このように,通常のPWM波形によって,二つの中性点電位が得られることが,特許文献4にて大きな特長として述べられている。さらに2種類の中性点電位が得られば,簡単な演算(座標変換とアークタンジェント演算など)によって回転子位相が推定演算できることが特許文献4に記されている。
しかしながら,キャリア周期の半周期内(Tc1期間,あるいはTc2期間)で,任意のタイミングで中性点電位を検出するには,それが実現できる機能を制御器が備える必要がある。具体的には,32bit系の高機能マクロプロセッサーでないとこの機能は見当たらない。また,単純な処理とはいえ,アークタンジェントや座標変換などは安価なマイコンでの実現は困難(処理時間を要する)である。
さらに,特許文献4では,モータの特性ばらつき,特に三相アンバランス等の対策は不可能であり,モータ定数を必要としない反面,モータ定数にばらつきが生じた場合に対策ができない欠点がある。
本実施形態では,この課題を解決する手法について述べる。
第4の実施形態にて述べたように,逆向きの2種類の電圧ベクトルに対してそれぞれの中性点電位を検出し,その差を取ることは精度向上の上で有利である。そこで,元の電圧指令に対して補正を行い,強制的に所望の電圧ベクトルを出力する。
図19(b)は,パルスシフトの実施例の波形である。Tc1期間にて,U相電圧指令Vu0を増加させ(補正結果はVu1である),その分をTc2期間で減少させている(Vu2)。Tc1期間の増分をTc2期間にて減少させており,両者の平均値は元のVu0と一致するように補正している。また,中間相(Mid)が零になるように,三相指令に共通の直流バイアスを加算している(尚「三相共通の直流バイアス」は,モータに対して零相成分となるため,モータへの影響はない)。
図19(b)のような補正を行った結果,出力されるPWMパルスは位相がシフトされ,VAだけでなく,逆方向の電圧であるVDも出力されるようになる。さらに,VnA,VnDの検出は,キャリア波が零クロスする時刻にて中性点電位をサンプリングすればよい。また,それぞれの中性点電位の検出は,Tc1期間,ならびにTc2期間で1回ずつ実施すればよく,特許文献4記載のように,キャリアの半周期内で所定のタイミングにて2回サンプリングする必要はなく,高機能な制御器(マイコン)は必要なく,安価なマイコンによる実現が可能である。
図20は,パルスシフトを実現するための制御器2Dのブロック構成図である。図において,ほとんどの部品は図1における制御器2と同じものであり,新たに指令値補正器22が追加されている。指令値補正器22では,三相電圧指令Vu0,Vv0,Vw0に対して,Tc1期間,ならびにTc2期間への補正を実施し,指令電圧をVu1,Vv1,Vw1,ならびにVu2,Vv2,Vw2として出力する。
以下,具体的なパルスシフト方法について説明する。
図21(a)は,回転子位置(磁石磁束Φmの位置)を6つの領域に分けたものであり,例えば,M1は225 < θd < 285[deg]の範囲,M2は285 < θd < 345[deg]の範囲のように定義している。この定義は,第3の実施形態にて示したように,中性点電位の線形性を考慮した上で定義したものである(15度位相をずらしている)。また,電圧指令V*の領域は,図21(b)のようにV1〜V6の6つの領域に分類できる。電圧指令V*は,三相電圧指令をαβ軸上で表記したものであり,例えば,図のようにV2の領域にV*が存在する場合,原則的にはこのV2の領域である三角形の頂点に位置する電圧ベクトル,VA,VB,ならびに零ベクトルを用いてV*を出力する。
ここで重要な点は,回転子の位置領域M1〜M6と,モータへの印加電圧の領域V1〜V6は,それぞれ独立に変化するという点である。原則的には,回転子位置に対して直交方向に速度起電圧が発生するため,回転子位置が定まれば,出力すべき電圧もほぼ一義的に定まるはずである。しかしながら,低速域では誘起電圧は少なく,また,過渡的に様々な方向に電圧指令は変化するため,如何なる条件も想定して,パルスシフトを行う必要がある。
図22は,回転子の位置領域M1〜M6と,それら各々の領域にて中性点電位検出のために必要な2つの電圧ベクトルを示している。すなわち,回転子位置の領域(M1〜M6のいずれか)が特定されれば,電圧指令が如何なる値であっても,図22に示す2つの電圧ベクトルの出力は必須となる。よって,これらの検出用電圧ベクトルが必ず出力されるように,元の電圧指令に対してパルスシフトを行う必要がある。
そのようなパルスシフトの実現方法を,図23,ならびに図24に示す。図23の横軸は,回転子の位置領域を示し,縦軸は電圧領域を示している。図23にて,回転子位置領域と電圧領域が特定されれば,それに必要な電圧指令補正方法[A],[B],[C]が決定される。電圧補正方法[A],[B],[C]は,図24に具体的な手法が示されている。元々の三相電圧指令を最大相(Max),中間相(Mid),最小相(Min)に割り当て,それぞれの指令に対して図24の補正を実施すれば,必要な電圧ベクトルを出力することが可能になる。尚,図24における「Vsh」がVn検出用の電圧ベクトルに相当する電圧値であり,この値を大きく設定すれば,検出用の電圧ベクトルの出力期間が長くなる。
また,図24によると,[A],[B]の補正では,中間相Midの補正は行わず,最大相Maxと最小相Minの補正を行っている。[C]の補正では,最大相Maxの補正は行わず,中間相Mid,ならびに最小相Minの補正が施される。また,中性点電位のサンプリングのタイミングは,[A],[B]は補正後の中間相Mid1,Mid2が三角波キャリアに接触するタイミング,[C]は最大相Max1,Max2が三角波キャリアに接するタイミングに一致する。
尚,[A],[B],[C]の補正によって電圧指令は修正されるが,キャリア周波数は変化していないため,スイッチング回数が増減することはない。すなわち,インバータのスイッチング損失等を増加させることなく,所望の電圧パルスを印加できる点が,本実施形態の大きなメリットでもある。
以下,その具体的な方法を述べる。
回転子の位置領域は,制御器内のその時点の位相角θdcから判別することができる。また,電圧領域は,dq逆変換後の電圧指令Vu0,Vv0,Vw0の大小関係を比較することで特定することができる。例えば,回転子位置領域がM1であり,かつ,その時の三相交流電圧指令が,Vu0>Vv0>Vw0の順番(Max=Vu0,Mid=Vv0,Min=Vw0)であれば,電圧領域としてV2が特定される。よって,M1ならびにV2の条件より,図23からパルスシフト方法として[C]の電圧補正を行えばよいことになる。すなわち,[C]の補正を実施することで,M1で必須となるVCならびにVFの電圧が出力されることになる。具体的な電圧指令の補正は,図24に示すように,元の電圧指令Max,Mid,Minに対してTc1期間,Tc2期間の補正を行い,Max1,Mid1,Min1,ならびにMax2,Mid2,Min2として出力する。これらの補正結果の平均値は,元の指令Max,Mid,Minに一致している。図23,ならびに図24の補正作業は,複雑そうに見えるが,実際には大小判別と分岐命令のみの単純な信号処理であり,安価マイコンでも十分実現が可能である。
以上のように,本発明によれば,回転子位置,ならびに電圧指令に応じたパルスシフトを実現することが可能となり,PMモータの定常状態に限らず,過渡的な変化に対しても回転子位置情報を見失うことなく,連続的に安定駆動することが可能になる。
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。
図25は、本実施の形態に関わる同期電動機の駆動システムの実態図である。この図においては、同期電動機駆動システム23が一つのシステムとして、モータ4の内部にパッケージしている。このようにすべてを一体化することで、モータとインバータ間の配線をなくすことができる。図25に示すように、一体化された駆動システムの配線は、インバータ3への電源線と、回転数指令や動作状態を戻すなどの通信線のみとなる。
本発明では、モータ4の中性点電位を引き出す必要があるが、このようにモータと駆動回路部分を一体化することで、中性点電位の配線は容易となる。また、位置センサレスを実現できるために、一体化したシステムは極めてコンパクトにまとめ上げることができ、小型化を実現できる。
(第8の実施の形態)
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。
図26は、油圧駆動システムであり、自動車内部のトランスミッション油圧や、ブレーキ油圧などに用いられるものである。図26において、部品番号23は、図25における同期電動機駆動システムであり、モータにオイルポンプ24が取り付けられている。オイルポンプ24によって、油圧回路50の油圧を制御する。油圧回路50は、油を貯蔵するタンク51、油圧を設定値以下に保つリリーフバルブ52、油圧回路を切り替えるソレノイドバルブ53、油圧アクチュエータとして動作するシリンダ54で構成される。
オイルポンプ24は、同期電動機駆動システム23によって油圧を生成し、油圧アクチュエータであるシリンダ54を駆動する。油圧回路では、ソレノイドバルブ53により回路が切り替わることで、オイルポンプ24の負荷が変化し、同期電動機駆動システム23に負荷外乱が発生する。油圧回路では、定常状態の圧力に対し、数倍以上の負荷が加わることもあり、モータは停止してしまうことがある。しかし、本実施形態による同期電動機駆動システムでは、停止状態であっても回転子位置を推定可能であるため、何ら問題が生じない。これまでのセンサレスでは、中高速域以上でしか適用が難しかったため、リリーフバルブ52によってモータの多大な負荷となる油圧を逃がすことが必須であったが、本実施形態によれば、図27のように、リリーフバルブ52を排除することも可能である。すなわち、モータへの過大負荷を避けるための機械的な保護装置であるリリーフバルブなしで、油圧のコントロールが可能となる。
尚,本実施形態では油圧のコントロールシステムとして説明したが,その他の液体ポンプ用としても勿論適用可能である。
(第9の実施の形態)
最後に、本発明の第9の実施の形態について説明する。
図28は、モータを用いた位置決め装置であり、その全体ブロック構成を示したものである。図28において、位置決め装置70がモータ4の負荷として接続されている。Iq*発生器1Eは、ここでは速度制御器として機能している。また、速度指令ωr*は、上位の制御ブロックである位置制御器71の出力として与えられている。減算器6Eにて、実際の速度ωrとの比較を行い、その偏差が零になるように、Iq*が演算される。位置決め装置70は、例えばボールねじなどを利用した装置であり、所定の位置θ*に位置が制御されるように、位置制御器71によって調整される。位置センサとしては、位置決め装置70には取り付けられておらず、制御器2における位置推定値θdcをそのまま用いる。これによって、位置決め装置に位置センサを取り付ける必要はなく、位置制御を行うことが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは言うまでもない。
既述の通り,本発明は位置センサレスを前提とした同期電動機の制御装置およびそれを用いたドライブシステムを構築するための技術である。このモータの適用範囲は,ファン,ポンプ(油圧ポンプ,水ポンプ),圧縮機,スピンドルモータや,冷暖房機器,などの回転速度制御を初め,コンベア,昇降機,押し出し機,工作機械としても利用可能である。
1…Iq*発生器,2…制御器,3…インバータ,31…直流電源,32…インバータ主回路,
33…ゲートドライバ,34…仮想中性点電位発生器,35…電流検出器,4…PMモータ,
5…Id*発生器,6…加算器6,7…d軸電流制御器IdACR,8…q軸電流制御器IqACR,
9…dq逆変換器,10…パルス幅変調器,11…電流再現器,12…dq変換器,
13…中性点電位増幅器,14…サンプル/ホールダー,15…位置推定器,16…速度演算器,
17…位相設定器,18…推定パラメータ設定器,19…零発生器,20…Vn検出電圧発生器,
21…切替器

Claims (14)

  1. 三相固定子巻線がY接続された三相同期電動機と,該電動機を駆動するインバータを備え,前記同期電動機に直流通電して回転子を所定位置に移動させ,移動させた状態で,インバータからパルス状の電圧を印加し,該パルス電圧印加時において,前記Y接続点の電位である中性点電位を取得し,該取得した値に基づいて前記同期電動機を駆動する同期電動機の制御装置。
  2. 請求項1における同期電動機の制御装置において,
    前記同期電動機への直流通電による回転子の移動を,少なくとも2回実施し,該直流通電を行う位相は,前記同期電動機の電気角に対して60度の範囲内で実施し,それぞれの位置において前記中性点電位を取得することを特徴とした同期電動機の制御装置。
  3. 請求項1における同期電動機の制御装置において,
    前記同期電動機への直流通電による回転子の移動を,少なくとも3回実施し,該直流通電を行う位相は,前記同期電動機の電気角に対して120度の範囲内で実施し,それぞれの位置において前記中性点電位を取得することを特徴とした同期電動機の制御装置。
  4. 請求項2,乃至3における同期電動機の制御装置において,
    前記同期電動機への直流通電位相は,U相固定子巻線の位置を電気角位相の零度と定義し,該零度に対して15度ずらした位相を基準にして,60度間隔にて通電することを特徴とした同期電動機の制御装置。
  5. 請求項1乃至4における同期電動機の制御装置において,
    前記インバータから印加されるパルス状の電圧は,前記インバータによって少なくとも2種類のスイッチ状態によって生成するものとし,該2種類のスイッチ状態の第1のスイッチ状態は,三相のうち1つの相が残り2相とは異なるスイッチ状態とし,該第2のスイッチ状態は,前記第1のスイッチ状態を反転させた状態を含むことを特徴とした同期電動機の制御装置。
  6. 請求項1乃至5における同期電動機の制御装置において,
    前記同期電動機への直流通電,ならびに前記中性点電位の取得の際,予め前記インバータを用いてスイッチング動作を行うことで前記同期電動機への通電を行い,その後,前記記載の直流通電,ならびに中性点電位の取得を行うことを特徴とした同期電動機の制御装置。
  7. 請求項1乃至6における同期電動機の制御装置において,
    前記中性点電位を取得後に前記同期電動機を駆動する際,前記同期電動機の駆動中の中性点電位を観測するため,前記インバータによって中性点電位観測用の電圧パルスを印加し,各々の電圧パルス印加時の中性点電位を用いて,前記予め取得した中性点電位の値から前記同期電動機の回転位置を推定演算し,これに基づき前記同期電動機を駆動する同期電動機の制御装置。
  8. 請求項7における同期電動機の制御装置において,
    前記同期電動機駆動中の前記中性点電位観測用の電圧パルスは,前記インバータのパルス幅変調時の三角波キャリア波に対して,前記三角波の上り期間,ならびに下り期間にて,それぞれ逆方向となる電圧パルスを印加して,各々の電圧パルス印加時の中性点電位を用いることを特徴とした同期電動機の制御装置。
  9. 請求項7乃至8における同期電動機の制御装置において,
    前記同期電動機駆動中の前記中性点電位観測用の電圧パルスは,前記同期電動機の回転位相が変化するに伴い,電圧パルスの方向が変化することを特徴とした同期電動機の制御装置。
  10. 請求項9における同期電動機の制御装置において,
    前記同期電動機の回転位相が変化に伴い,前記電圧パルスの方向が変化すると同時に,前記インバータのスイッチング周波数を維持することを特徴とした同期電動機の制御装置。
  11. 請求項1乃至10における同期電動機の制御装置において,
    前記同期電動機の回転子位置推定演算は,前記予め取得した中性点電位に基づいた一次関数によって演算することを特徴とした同期電動機の制御装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の同期電動機の制御装置と,前記同期電動機の制御装置によって駆動される前記三相同期電動機の回転子および固定子とを共通の筐体に収納した,一体型電動機システム。
  13. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の同期電動機の制御装置と,前記同期電動機の制御装置によって駆動される前記三相同期電動機と,前記三相同期電動機により駆動される液体用ポンプと,を備えたポンプシステム。
  14. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の同期電動機の制御装置と,前記同期電動機の制御装置によって駆動される前記三相同期電動機と,該電動機によって物体を移動させ,該物体の位置を制御すること特長とした位置決めシステム。
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