JP2015224938A - 力センサ及びそれを用いた力検知装置 - Google Patents

力センサ及びそれを用いた力検知装置 Download PDF

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Abstract

【課題】薄型化を図ることのできる力センサ及びそれを用いた力検知装置を提供する。
【解決手段】力センサ2は、検知部20と、第1プレート21及び第2プレート22と、弾性体23とを備える。検知部20は、コア4と、コア4と磁気的に結合するコイル5とを有する。第1プレート21及び第2プレート22は、所定の検知方向の両側から検知部20を挟むように配置される。弾性体23は、コア4よりも弾性率の低い材料で形成され、第1プレート21及び第2プレート22の両者間を位置決めする。そして、検知部20は、検知方向に沿う向きに第1プレート21及び第2プレート22からかかる荷重を受けるように構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般に力センサ及び力検知装置、より詳細には磁性体の逆磁歪効果を利用して磁性体に加わる荷重を検知する力センサ及びそれを用いた力検知装置に関する。
従来、ストレインゲージ(ひずみゲージ)を用いて荷重を検知するロードセル(力センサ)が知られており、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の従来例は、平面視で円環形状の外周固定部と、外周固定部の内側の中央に位置する荷重印加部と、外周固定部と荷重印加部とを結合する複数の起歪部とを備えている。各起歪部には、それぞれストレインゲージが貼り付けられている。各ストレインゲージは、荷重印加部に加えられた荷重を検知して電気信号に変換する。
実開平6−74942号公報
しかしながら、上記従来例は、起歪部と共にストレインゲージが変形することで荷重を検知する構成となっているため、板状部材(プレート)を加工することで起歪部を設ける必要がある。このため、上記従来例では、起歪部が設計可能な厚さを有するプレートを必要とし、薄型化を図ることが困難であるという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みて為されており、薄型化を図ることのできる力センサ及びそれを用いた力検知装置を提供することを目的とする。
本発明の力センサは、磁性体で形成されるコア、及び前記コアと磁気的に結合するコイルを有する検知部と、所定の検知方向の両側から前記検知部を挟むように配置される第1プレート及び第2プレートと、前記コアよりも弾性率の低い材料で形成され、前記第1プレート及び前記第2プレートの両者間を位置決めする弾性体とを備え、前記検知部は、前記検知方向に沿う向きに前記第1プレート及び前記第2プレートからかかる荷重を受けるように構成されることを特徴とする。
この力センサにおいて、前記検知部を複数備え、前記複数の検知部は、前記検知方向と直交する平面に沿って配置されることが好ましい。
この力センサにおいて、前記複数の検知部は、前記平面における基準線に対して線対称、又は前記平面における基準点に対して点対称に配置されることが好ましい。
この力センサにおいて、前記第1プレート及び前記第2プレートは、それぞれ前記検知方向に貫通する通孔を有し、前記複数の検知部は、前記通孔の周囲に配置されることが好ましい。
この力センサにおいて、前記複数の検知部は、複数の検知位置の中から選択された2以上の検知位置に1対1に対応して配置されることが好ましい。
この力センサにおいて、前記複数の検知部の各々の有する前記コアは、前記検知方向の寸法が互いに等しいことが好ましい。
この力センサにおいて、前記第1プレート及び前記第2プレートの間に配置され、前記検知部を位置決めする構造体を備えることが好ましい。
この力センサにおいて、前記構造体は、前記検知方向に貫通する位置決め孔を有し、前記コアは、前記位置決め孔の内側に配置されることが好ましい。
この力センサにおいて、前記構造体は、回路が形成された基板であることが好ましい。
この力センサにおいて、前記第1プレート及び前記第2プレートの少なくとも一方を含む外郭と前記基板との間に配置されて、前記外郭と前記基板との間を電気的に絶縁する絶縁体を備えることが好ましい。
この力センサにおいて、前記コイルは、前記基板の何れかの層に導体をパターン形成することで構成されることが好ましい。
この力センサにおいて、前記コア及び前記コイルは、それぞれ前記コイルの通電時に開磁路を形成するように配置されることが好ましい。
この力センサにおいて、前記コア及び前記コイルは、それぞれ前記コイルの通電時に閉磁路を形成するように配置されることが好ましい。
本発明の力検知装置は、上記何れかの力センサと、前記コイルの磁気特性の変化に基づいて荷重を検知する検知回路とを備えることを特徴とする。
本発明は、第1プレートと第2プレートとで検知部を挟み、第1プレート及び第2プレートの両者間を弾性体で位置決めした構成となっている。このため、本発明では、第1プレート及び第2プレートに従来例のような起歪部を設ける加工が必要ではないので、第1プレート及び第2プレートの厚さ方向の寸法を小さくすることができる。したがって、本発明は、第1プレート及び第2プレートの厚さ方向の寸法を小さくすることで、薄型化を図ることができる。
図1Aは、実施形態1に係る力センサ及び力検知装置を示す概略図で、図1Bは、実施形態1に係る力センサの平面図で、図1Cは、実施形態1に係る力センサの断面図である。 実施形態1に係る力検知装置における検知回路の概略図である。 図3Aは、中空部を有するコアにおける開磁路の磁束分布を示す図で、図3Bは、中空部を有さないコアにおける開磁路の磁束分布を示す図である。 実施形態1に係る力センサにおいて、基板以外の構造体を用いた構成を示す断面図である。 図5Aは、実施形態2に係る力センサの断面図で、図5Bは、実施形態2に係る力センサの平面図である。 図6Aは、実施形態2に係る力センサにおける基板の一例を示す平面図である。図6Bは、実施形態2に係る力センサにおける基板の一例を示す平面図である。 図7Aは、実施形態2に係る力検知装置において、各検知部を検知回路に個別に接続した一例を示す概略図で、図7Bは、実施形態2に係る力検知装置において、各検知部を検知回路に個別に接続した一例を示す概略図である。 実施形態2に係る力検知装置において、各検知部を検知回路に直列に接続した一例を示す概略図である。 実施形態2に係る力センサの使用例を示す概略図である。 図10Aは、実施形態2に係る力センサにおける検知部の配置の一例を示す平面図で、図10Bは、実施形態2に係る力センサにおける検知部の配置の一例を示す平面図である。 図11Aは、実施形態2に係る力センサにおいて、正方形状の基板に検知部を配置した一例を示す平面図で、図11Bは、実施形態2に係る力センサにおいて、平面視で半円環形状の基板に検知部を配置した一例を示す平面図で、図11Cは、実施形態2に係る力センサにおいて、平面視で円環形状の基板に検知部を配置した一例を示す平面図である。 実施形態2に係る力センサにおいて、絶縁体を配置した一例を示す断面図である。 実施形態2に係る力センサにおいて、コイルを基板に形成した一例を示す平面図である。 実施形態2に係る力センサにおいて、位置決め孔の代わりに凹部を設けた一例を示す断面図である。 実施形態2に係る力センサにおいて、剛性体を配置した一例を示す断面図である。 図16Aは、実施形態2に係る力センサにおいて、基板以外の構造体を用いた構成を示す断面図で、図16Bは、実施形態2に係る力センサにおいて、基板以外の構造体を用いた構成を示す平面図である。 図17Aは、実施形態2に係る力センサにおいて、基板以外の構造体を用いた他の構成を示す断面図で、図17Bは、実施形態2に係る力センサにおいて、基板以外の構造体を用いた他の構成を示す平面図である。
(実施形態1)
本発明の実施形態に係る力センサ2は、図1A〜図1Cに示すように、検知部20と、第1プレート21及び第2プレート22と、弾性体23とを備えている。検知部20は、磁性体で形成されるコア4と、コア4と磁気的に結合するコイル5とを有する。第1プレート21及び第2プレート22は、所定の検知方向の両側から検知部20を挟むように配置される。弾性体23は、コア4よりも弾性率の低い材料で形成され、第1プレート21及び第2プレート22の両者間を位置決めする。そして、検知部20は、検知方向に沿う向きに第1プレート21及び第2プレート22からかかる荷重を受けるように構成される。
また、本発明の実施形態に係る力検知装置1は、図1Aに示すように、力センサ2と、検知回路3とを備えている。検知回路3は、コイル5の磁気特性(インダクタンスまたはコンダクタンス)の変化に基づいて荷重を検知する。
以下、本実施形態の力センサ2及び力検知装置1について詳細に説明する。但し、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は下記の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、以下の説明では、コア4の厚さ方向(検知方向)を上下方向とし、コア4から見て第1プレート21側を下方、第2プレート22側を上方として説明するが、力センサ2及び力検知装置1の使用形態を限定する趣旨ではない。
本実施形態の力検知装置1は、図1Aに示すように、力センサ2と、検知回路3とを備えている。また、本実施形態の力センサ2は、図1A〜図1Cに示すように、検知部20と、第1プレート21と、第2プレート22と、弾性体23と、基板(構造体)24とを備えている。なお、図1Bでは、第2プレート22及び弾性体23の図示を省略している。
検知部20は、図1Aに示すように、磁性体で形成されるコア4と、コア4と磁気的に結合するコイル5とを備える。コア4は、例えばNi(ニッケル)−Zn(亜鉛)フェライト等の磁性体により形成されている。本実施形態の力センサ2では、コア4は平面視で円環状に形成されており、中空部40を有している。なお、コア4は、コア4に荷重が加わると逆磁歪効果を奏する磁性体で形成されていればよい。逆磁歪効果とは、磁化されたコア4が荷重を加えられることで歪み、この歪みによりコア4の透磁率が変化する効果をいう。
コイル5は、コア4の中空部40と外側とを交互に通るように、導線をコア4の一部に巻き付けることで構成されている。なお、導線としては、絶縁材料で被覆した銅線(例えば、エナメル線など)を用いるのが好ましい。ここで、コア4において導線が巻き付けられる部位(図1B参照)を「取付部41」と称する。
取付部41は、図1Cに示すように、その上下方向の寸法が、コア4の他の部位の上下方向の寸法内にコイル5が収まるように設計されている。このため、本実施形態の力センサ2では、コイル5の一部がコア4の上面(または下面)よりも突出することがないので、コア4に荷重が加わってもコイル5に荷重が加わらず、コイル5の断線を防止することができる。なお、取付部41を上記の寸法で設計するか否かは任意である。
コア4の内部には、図1Bに示すように、コイル5の通電時に生じる磁束が通る。このため、コア4には、中空部40の周方向に沿った磁路(磁気回路)M1が形成される。この磁路M1は、閉磁路である。したがって、本実施形態の力センサ2では、コア4から外部への磁束の漏れが生じ難いので、磁束の漏れを防ぐために強磁性体のケースを設ける必要がない。
第1プレート21及び第2プレート22は、何れも例えば金属材料で形成される板状の部材である。第1プレート21は、図1Bに示すように、平面視で円形状に形成されている。また、図示しないが、第2プレート22は、第1プレート21と同様に平面視で円形状に形成されている。第1プレート21は、図1Cに示すように、コア4の下面に接する形でコア4の下側に配置される。また、第2プレート22は、図1Cに示すように、コア4の上面に接する形でコア4の上側に配置される。つまり、第1プレート21及び第2プレート22は、上下方向(検知方向)の両側からコア4を挟むように配置される。
なお、第1プレート21及び第2プレート22の形状は、平面視で円形状に限定されず、例えば平面視で矩形状や円環形状であってもよい。また、第1プレート21及び第2プレート22は、想定される荷重に耐え得る強度を有していればよい。さらに、第1プレート21及び第2プレート22は金属材料で形成されていなくてもよく、例えばCFRP(Carbon-Fiber-Reinforced Plastic:炭素繊維強化プラスチック)等の樹脂材料で形成されていてもよい。
弾性体23は、例えばエポキシ樹脂やシリコーン樹脂を主成分とする接着剤である。弾性体23は、第1プレート21の上面の外周縁と、第2プレート22の下面の外周縁とに接着することで、第1プレート21及び第2プレート22を互いに結合する。弾性体23は、接着剤に限定されず、コア4を形成する材料よりも弾性率の低い材料で形成されていればよい。また、弾性体23は、第1プレート21及び第2プレート22の両者間を位置決めする構成であればよい。
基板24は、図1Cに示すように、第1プレート21及び第2プレート22、並びに弾性体23で囲まれる空間内に収納されている。基板24は、その外周縁が弾性体23に接することで固定されている。また、基板24は、図1Cに示すように平面視で円環形状に形成されており、その中央部は、コア4の径寸法よりも僅かに大きい径寸法を有する平面視で円形状の位置決め孔240となっている。この位置決め孔240にコア4が嵌まり込むことで、コア4が所定の位置に位置決めされる。言い換えれば、基板(構造体)24は、第1プレート21及び第2プレート22の間に配置され、検知部20を所定の位置に位置決めするための部材である。また、基板(構造体)24は、上下方向(検知方向)に貫通する位置決め孔240を有している。そして、コア4が、位置決め孔240の内側に配置される。なお、位置決め孔240の形状は、平面視で円形状に限定されず、例えば平面視で矩形状であってもよい。つまり、位置決め孔240は、コア4が嵌まり込む形状であればよい。
検知回路3は、図2に示すように、発振回路30と、周期計測回路31と、二乗回路32と、温度補償回路33と、信号処理回路34とを備えている。発振回路30は、コイル5を含む共振回路50の発振を維持するように構成されている。また、発振回路30は、共振回路50の共振周波数に対応する周波数で発振する発振信号を出力するように構成されている。周期計測回路31は、発振回路30から出力される発振信号の周期を計測し、計測した周期に対応する信号を出力するように構成されている。二乗回路32は、周期計測回路31から出力される信号の二乗値を演算して出力するように構成されている。温度補償回路33は、温度補償処理により、二乗回路32から出力される信号の温度変動を抑制するように構成されている。信号処理回路34は、温度補償回路33から出力される信号に基づいて、コア4に加わる荷重の変化を検知するように構成されている。
共振回路50の等価回路は、図2に示すように、インダクタL1及び抵抗R1の直列回路と、キャパシタC1との並列回路とで構成される。ここでは、インダクタL1のインダクタンスは、コイル5のインダクタンスと等価である。また、抵抗R1の抵抗値は、コイル5の巻線抵抗の抵抗値と等価である。また、キャパシタC1の容量値は、コイル5の寄生容量の容量値と等価である。なお、共振回路50は、コイル5と並列にキャパシタ(図示せず)を電気的に接続することで構成してもよい。
本実施形態の力センサ2では、検知回路3は、基板24に電子部品を実装することで構成されている。言い換えれば、基板(構造体)24には、回路(検知回路3)が形成されている。つまり、本実施形態の力検知装置1では、力センサ2と一体に検知回路3が設けられている。なお、検知回路3は基板24に設けられる必要はなく、基板24とは別体で設けられていてもよい。更に、検知回路3は、例えば力センサ2の外部の基板(図示せず)に設けられていてもよい。すなわち、本実施形態の力検知装置1では、力センサ2と別体に検知回路3が設けられていてもよい。
以下、本実施形態の力センサ2及び力検知装置1の動作について説明する。先ず、外部の電源(図示せず)からコイル5に電流を供給することで、コア4が磁化され、磁路M1が形成される。ここでは、検知回路3の発振回路30がコイル5に電流を供給する。
次に、第1プレート21の下面に上向きに荷重(図1Cに示す上向きの矢印参照)が加わると、弾性体23が撓むことにより第1プレート21が押し上げられ、第1プレート21を介してコア4に荷重が加わる。すると、逆磁歪効果により、荷重の大きさに応じてコア4の透磁率が変化するため、コイル5のインダクタンスが変化する。同様に、第2プレート22の上面に下向きに荷重(図1Cに示す下向きの矢印参照)が加わると、弾性体23が撓むことにより第2プレート22が押し下げられ、第2プレート22を介してコア4に荷重が加わる。この場合も、荷重の大きさに応じてコイル5のインダクタンスが変化する。つまり、本実施形態の力センサ2では、コア4(検知部20)は、上下方向(検知方向)に沿う向きに第1プレート21及び第2プレート22からかかる荷重を受けるように構成されている。
コイル5のインダクタンスが変化すると、コイル5を含む共振回路50の共振周波数が変化する。このため、発振回路30が共振回路50の共振周波数に対応する周波数の発振信号を出力し、周期計測回路31が発振信号の周期に対応する信号を出力する。ここで、発振信号の周期は、等価回路におけるインダクタL1のインダクタンスとキャパシタC1の容量値との積の平方根で表される。そして、二乗回路32が周期計測回路31の出力信号の二乗値を演算して出力するため、二乗回路32の出力信号は、コイル5のインダクタンスの変化に対して直線的に変化する。二乗回路32の出力信号は、温度補償回路33により温度変動分が補正される。そして、信号処理回路34は、温度補償回路33の出力信号に基づいてコイル5のインダクタンスを演算し、コイル5のインダクタンスの変化量からコア4に加わる荷重を演算する。つまり、検知回路3は、コイル5のインダクタンスの変化に基づいてコア4に加わる荷重を検知する。
上述のように、本実施形態の力センサ2は、第1プレート21と第2プレート22とで検知部20を挟み、第1プレート21及び第2プレート22の両者間を弾性体23で位置決めした構成となっている。このため、本実施形態の力センサ2では、第1プレート21及び第2プレート22に従来例のような起歪部を設ける加工が必要ではないので、第1プレート21及び第2プレート22の厚さ方向の寸法を小さくすることができる。したがって、本実施形態の力センサ2は、第1プレート21及び第2プレート22の厚さ方向の寸法を小さくすることで、薄型化を図ることができる。また、本実施形態の力センサ2は、弾性体23を備えている。このため、本実施形態の力センサ2は、第1プレート21又は第2プレート22に荷重が加わると、コア4に荷重が適正に伝わり易いので、荷重の検知精度を向上させることができる。
また、本実施形態の力センサ2では、コイル5の通電時に形成される磁路M1が閉磁路となるようにコイル5を設けているが、コイル5は、図3Aに示すように、導線をコア4の外周に沿って巻き付けることで構成されていてもよい。この構成では、コイル5の通電時に生じる磁束は、コア4の内側のみならずコア4の外側も通る磁路M2を形成する。つまり、この構成では、磁路M2は開磁路となる。この構成では、取付部41を設ける等してコア4を加工する必要がないので、コア4を製作し易いという利点がある。また、この構成では、コア4の外周に導線を巻き付けるだけでコイル5を製作することができるので、コイル5を製作し易いという利点がある。つまり、この構成では、コア4及びコイル5の設計が容易であることから、力センサ2の小型化や薄型化を図り易い。なお、導線をコア4の外周に沿って巻き付けることでコイル5を構成する場合は、図3Bに示すように、コア4は中空部40を有していなくてもよい。
また、本実施形態の力センサ2では、基板24を用いてコア4を位置決めしているが、例えば図4に示すように、基板24以外の構造体27でコア4を位置決めする構成であってもよい。なお、この構成では、第1プレート21は、その中央部に平面視で円形状の通孔210が設けられている。同様に、この構成では、第2プレート22は、その中央部に平面視で円形状の通孔220が設けられている。これらの通孔210,220は、例えばボルト(図示せず)の締付軸力を検知する際に、ボルトの軸部をコア4の中空部40に通すために用いられる。また、これらの通孔210,220は、アンカー100(図9参照)の引張り力を検知する際に、アンカー100のテンドン(tendon)102A(図9参照)をコア4の中空部40に通すために用いられる。勿論、通孔210,220の形状は、平面視で円形状に限定されず、ボルトの軸部やテンドン102Aを通すことが可能な形状であればよい。
構造体27は、例えば金属材料や樹脂材料によりシート状に形成され、第1プレート21及び第2プレート22、並びに弾性体23で囲まれる空間内に収納されている。構造体27は、上記の空間の一部に弾性体23を充填することで固定されている。また、構造体27は、基板24と同様に平面視で円環形状に形成されており、その中央部は平面視で円環形状の位置決め孔270となっている。この位置決め孔270にコア4が嵌まり込むことで、コア4が所定の位置に位置決めされる。なお、位置決め孔270の形状は、平面視で円形状に限定されず、例えば平面視で矩形状であってもよい。つまり、位置決め孔270は、コア4が嵌まり込む形状であればよい。
この構成では、力センサ2は基板24を備えていない。つまり、検知回路3は、力センサ2の外部に配置されている。したがって、この構成では、構造体27に検知回路3などの回路を設計する必要がないことから、基板24と比較して構造体27の厚さ方向の寸法を小さくすることができるので、力センサ2の薄型化を図ることができる。
なお、本実施形態の力センサ2では、基板24や構造体27を備えるか否かは任意である。すなわち、本実施形態の力センサ2は、第1プレート21及び第2プレート22、並びに弾性体23によりコア4を位置決めする構造であれば、基板24や構造体27を設けなくてもよい。但し、基板24や構造体27を備える構成であれば、第1プレート21及び第2プレート22を加工してコア4を位置決めするための構造を設ける必要がなく、第1プレート21及び第2プレート22の厚さ寸法を小さくすることができるという利点がある。
また、本実施形態の力検知装置1では、検知回路3は、二乗回路32及び温度補償回路33を備えずに、周期計測回路31から出力される信号に基づいて信号処理回路34が荷重の変化を検知する構成であってもよい。また、図2に示す検知回路3の構成は一例であり、検知回路3は、コイル5の磁気特性(インダクタンスまたはコンダクタンス)の変化に基づいて荷重を検知する構成であれば、その他の構成であってもよい。
(実施形態2)
本実施形態の力センサ2及び力検知装置1は、例えばグラウンドアンカー(ground anchor)工法に用いられる。ここで、グラウンドアンカー工法について簡単に説明する。例えば地山の掘削や盛土等により法面が形成される場合、法面に設けられる構造物を安定させるために、グラウンドアンカー工法が一般的に用いられている。このグラウンドアンカー工法で使用するアンカーの引張り力を検知して監視するために、実施形態1の力センサ2及び力検知装置1を用いることが考えられる。
ここで、アンカーのように大型の部材に実施形態1の力センサ2を用いる場合、大型の部材に合わせて径寸法の大きいコア4を用いる必要がある。しかしながら、コア4の厚さ方向の寸法を大きくすることなくコア4の径寸法を大きくする加工は困難であり、実施形態1の力センサ2では、コア4の厚さ方向の大型化を避けられない。そこで、大型の部材の荷重を検知する場合、力センサ2は、複数の検知部20を備えるのが好ましい。
以下、複数の検知部20を備える本実施形態の力センサ2及び力検知装置1について図面を用いて説明する。なお、本実施形態の力センサ2及び力検知装置1において、実施形態1と共通する構成要素については適宜説明を省略する。
本実施形態の力センサ2は、図5A,図5Bに示すように、複数(ここでは、12個)の検知部20と、第1プレート21と、第2プレート22と、弾性体23と、基板(構造体)24とを備えている。また、複数の検知部20は、上下方向(検知方向)と直交する平面に沿って配置される。なお、図5Bでは、第2プレート22及び弾性体23の図示を省略している。また、「直交」とは、完全な「直交」のみではなく、「ほぼ直交」を含む表現である。
第1プレート21は、図5Bに示すように平面視で正方形状に形成されている。また、図示しないが、第2プレート22は、第1プレート21と同様に平面視で正方形状に形成されている。第1プレート21は、図5Aに示すように、複数(図示では2つ)のコア4の下面に接する形で複数のコア4の下側に配置される。また、第2プレート22は、図5Aに示すように、複数(図示では2つ)のコア4の上面に接する形で複数のコア4の上側に配置される。つまり、第1プレート21及び第2プレート22は、上下方向(検知方向)の両側から複数のコア4を挟むように配置される。
第1プレート21には、図5A,図5Bに示すように、その中央部を上下方向(検知方向)に貫通する平面視で円形状の通孔210が設けられている。また、第2プレート22には、図5Aに示すように、その中央部を上下方向(検知方向)に貫通する平面視で円形状の通孔220が設けられている。勿論、通孔210,220の形状は、平面視で円形状に限定されず、ボルトの軸部やテンドン102Aを通すことが可能な形状であればよい。
なお、本実施形態の力センサ2では、第1プレート21の中央部に通孔210を、第2プレート22の中央部に通孔220をそれぞれ設けているが、通孔210,220を設ける位置を限定する趣旨ではない。つまり、通孔210は、第1プレート21を上下方向(検知方向)に貫通する形で設けられていればよく、その位置は中央部に限定されない。同様に、通孔220は、第2プレート22を上下方向(検知方向)に貫通する形で設けられていればよく、その位置は中央部に限定されない。
弾性体23は、図5Aに示すように、第1プレート21の上面の外周縁と、第2プレート22の下面の外周縁とに接着することで、第1プレート21及び第2プレート22を互いに結合する。また、弾性体23は、図5Aに示すように、第1プレート21の上面における通孔210の周縁と、第2プレート22の下面における通孔220の周縁とに接着することで、第1プレート21及び第2プレート22を互いに結合する。
つまり、弾性体23は、第1プレート21及び第2プレート21の両者間を位置決めする構成であればよい。
基板24は、図5Aに示すように、第1プレート21及び第2プレート22、並びに弾性体23で囲まれる空間内に収納されている。基板24は、図5Bに示すように平面視で正方形状に形成されている。また、基板24の中央部には、通孔210,220の径寸法よりも僅かに大きい径寸法(例えば、直径140mm)を有する平面視で円形状の通孔241が設けられている。この通孔241は、通孔210,220と同様に、ボルトの軸部やテンドン102Aを通すことが可能な形状であればよい。基板24は、その外周縁と、通孔241の内周縁とがそれぞれ弾性体23に接することで固定されている。
また、基板24には、図5B,図6Aに示すように、通孔241の周囲に複数(図示では12個)の位置決め孔240が設けられている。各位置決め孔240は、平面視で円形状に形成され、通孔241の周方向に沿って等間隔に設けられている。なお、位置決め孔240の形状は、平面視で円形状に限定されず、例えば図6Bに示すように平面視で矩形状であってもよい。つまり、位置決め孔240は、コア4が嵌まり込む形状であればよい。
本実施形態の力センサ2では、図5Bに示すように、各位置決め孔240は、上下方向(検知方向)と直交する平面において、通孔241の中心を通る基準線R1に対して線対称となるように配置される。また、各位置決め孔240は、上下方向(検知方向)と直交する平面において、通孔241の中心を基準点R2として、基準点R2に対して点対称となるように配置されている。したがって、各位置決め孔240にそれぞれコア4を配置することで、各検知部20も基準線R1に対して線対称となるように配置され、且つ基準点R2に対して点対称となるように配置される。また、言い換えれば、複数の検知部20は、通孔210,220の周囲に配置されている。
本実施形態の力検知装置1では、図7Aに示すように、各検知部20が検知回路3に個別に電気的に接続されている。つまり、各コイル5の両端が、それぞれ検知回路3に個別に電気的に接続されている。検知回路3は、各検知部20の出力信号のレベルの合計値に基づいて演算することで、全てのコア4に加わる荷重(すなわち、力センサ2に加わる荷重)を検知することができる。
また、検知回路3は、各検知部20の出力信号のレベルに基づいて検知部20毎に加わる荷重を演算することも可能である。この構成では、検知回路3は、各検知部20に加わる荷重を比較することで、第1プレート21又は第2プレート22に加わる荷重の分布を検知することができる。つまり、この構成では、第1プレート21又は第2プレート22に均一に荷重が加わっているか否かを検知することができる。
なお、この構成では、図7Bに示すように、検知回路3は、コイル5を備えていない検知部20がある場合でも荷重を検知することが可能である。したがって、この構成では、検知対象に応じて検知部20の個数を減らすことができ、製作コストの低減を図ることができる。
また、本実施形態の力検知装置1は、図8に示すように、各検知部20を検知回路3に直列に電気的に接続した構成であってもよい。つまり、各コイル5の直列回路の両端が、検知回路3に電気的に接続されている。この構成では、1つの検知部20の出力信号のレベルが微小であっても、全ての検知部20の出力信号のレベルの合計値に基づいて検知回路3が荷重を演算するので、荷重の検知精度が向上するという利点がある。また、この構成では、隣り合うコイル5の間で相互干渉が起こり難いという利点がある。
以下、本実施形態の力センサ2及び力検知装置1を用いて、グラウンドアンカー工法で用いられるアンカー100の引張り力を検知する実施例について図9を参照して説明する。なお、図9では、検知回路3の図示を省略している。アンカー100は、構造物A1からの引張り力を地盤(図示せず)に伝達するために用いられる。アンカー100は、引張り力を地盤に伝達させる機能を持つアンカー体(図示せず)と、アンカー100を構造物A1に結合するためのアンカー頭部101と、アンカー頭部101からの引張り力をアンカー体に伝える引張り部102とで構成される。
アンカー頭部101は、定着具であるナット101Aと、構造物A1の上に配置される支圧板であるアンカープレート101Bとで構成されている。アンカープレート101Bには、テンドン102Aを通すことが可能な孔101Cが設けられている。引張り部102は、例えばPC(Prestressed Concrete)鋼撚り線で構成される棒状のテンドン102Aを備えている。テンドン102Aの長手方向の第1端には、アンカー体が機械的に接続されている。また、テンドン102Aの長手方向の第2端は、アンカープレート101Bの孔101C、及び本実施形態の力センサ2の通孔210,220,241に通された状態で、ナット101Aが締め付けられている。
本実施形態の力センサ2は、ナット101Aとアンカープレート101Bとで挟まれる形で配置されている。したがって、本実施形態の力検知装置1は、ナット101Aが力センサ2の一面を押し下げる荷重を検知回路3が検知することで、アンカー100の引張り力を検知することができる。
上述のように、本実施形態の力センサ2及び力検知装置1は、1つの検知部20ではなく複数の検知部20を用いて荷重を検知する構成となっている。したがって、本実施形態の力センサ2及び力検知装置1は、1つの検知部20のみを備える場合と比較して、各検知部20のコア4の径寸法を小さくすることができ、結果としてコア4の厚さ方向の寸法も小さくすることができる。したがって、本実施形態の力センサ2及び力検知装置1は、アンカー100のような大型の部材に用いる場合でも、薄型化を図ることができる。
また、本実施形態の力センサ2では、各コア4(すなわち、複数の検知部20の各々の有するコア4)は、厚さ方向の寸法(図5Aの‘T1’参照)が互いに等しくなっている。このため、本実施形態の力センサ2は、各コア4の厚さ方向と直交する面が互いに揃うため、各コア4に均等に荷重がかかり易く、偏荷重が生じ難いという利点がある。なお、「等しく」とは、なお、「等しく」とは、「同一」、若しくは「ほぼ同一」を含む表現である。したがって、製造上の誤差により各コア4の厚さ方向の寸法が互いに僅かに異なるのは、許容範囲内の誤差である。なお、各コア4の厚さ方向の寸法を互いに等しくするか否かは、任意である。
また、本実施形態の力センサ2では、図5Bに示すように、各検知部20を基準線R1に対して線対称となるように配置し、且つ基準点R2に対して点対称となるように配置している。このため、本実施形態の力センサ2は、各コア4が上下方向(検知方向)と直交する平面(例えば、第1プレート21の下面や第2プレート22の上面に平行な面)において均等に配置されるので、各コア4に均等に荷重がかかり易く、偏荷重が生じ難いという利点がある。
なお、本実施形態の力センサ2では、例えば図10Aに示すように、基板24の対角線に沿って各検知部20が配置されていてもよい。この構成でも、各検知部20が基準線R1に対して線対称に配置され、且つ基準点R2に対して点対称に配置される。また、各検知部20は、基準線R1に対して線対称ではあるが、基準点R2に対しては点対称ではないように配置されていてもよい。更に、各検知部20は、基準線R1に対しては線対称ではないが、基準点R2に対して点対称となるように配置されていてもよい。
その他、各検知部20は、例えば図10Bに示すように、複数の位置決め孔240の何れかに選択的に配置されていてもよい。言い換えれば、複数の検知部20は、複数の検知位置(ここでは、位置決め孔240)の中から選択された2以上の検知位置に1対1に対応して配置されていてもよい。また、各検知部20は、同じく図10Bに示すように、基準線R1及び基準点R2の何れに対しても非対称に配置されていてもよい。なお、図10A,図10Bでは、それぞれ第2プレート22及び弾性体23の図示を省略している。
また、本実施形態の力センサ2では、第1プレート21に通孔210、第2プレート22に通孔220、基板24に通孔241がそれぞれ設けられているが、通孔210,220,241を設けるか否かは任意である。すなわち、本実施形態の力センサ2は、例えば図11Aに示すように、通孔241を有さない平面視で正方形状の基板24に複数(図示では9個)の検知部20を配置した構成であってもよい。この構成では、第1プレート21及び第2プレート22もそれぞれ通孔210,220を有していない。
また、本実施形態の力センサ2は、平面視で正方形状の第1プレート21及び第2プレート22、並びに基板24を備えているが、第1プレート21及び第2プレート22、並びに基板24の形状を限定する趣旨ではない。すなわち、本実施形態の力センサ2は、例えば図11Bに示すように、平面視で半円環形状の第1プレート21及び第2プレート22、並びに基板24を備えていてもよい。その他、本実施形態の力センサ2は、図11Cに示すように、平面視で円環形状の第1プレート21及び第2プレート22、並びに基板24を備えていてもよい。なお、図11A〜図11Cでは、それぞれ第2プレート22及び弾性体23の図示を省略している。
また、本実施形態の力センサ2は、図12に示すように、第1プレート21及び第2プレート22の少なくとも一方を含む外郭と基板24との間に配置されて、外郭と基板24との間を電気的に絶縁する絶縁体25を備えた構成であってもよい。図12に示す例では、外郭は第1プレート21である。絶縁体25は、例えば弾性及び絶縁性を有する材料から成る接着剤である。この構成では、第1プレート21(または第2プレート22)と、検知回路3などの回路が設計された基板24との間の絶縁性を向上させることができる。特に、第1プレート21(または第2プレート22)が金属材料で形成されている場合に有効である。したがって、この構成では、第1プレート21(または第2プレート22)と基板24との間の絶縁距離を確保するためにスペーサを設ける必要がなく、また、スペーサを固定するためのボルトも不要となるので、力センサ2の大型化を回避することができる。
なお、絶縁体25は、絶縁性を有する材料で形成された絶縁シートであってもよいし、絶縁性を有する材料で形成されて基板24の一面に塗布されるコーティング剤であってもよい。また、第1プレート21と基板24との間、及び第2プレート22と基板24との間の両方に絶縁体25を設けた構成であってもよい。つまり、第1プレート21と第2プレート22との両方が外郭であってもよい。なお、絶縁体25を設けるか否かは任意である。例えば、本実施形態の力センサ2が、検知回路3などの回路が設計された基板24を備えない構成であれば、絶縁体25を設ける必要はない。
また、本実施形態の力センサ2は、図13に示すように、基板24の位置決め孔240の周方向に沿って導体をパターン形成することでコイル5を設けた構成であってもよい。コイル5は、基板24の上面又は下面の何れかに導体をパターン形成することで構成される。また、基板24が多層基板であれば、コイル5は、基板24の何れかの層に導体をパターン形成することで構成される。この構成では、基板24にコイル5が設けられているため、コア4に導線を巻き付ける必要がない。このため、コア4は、導線を巻き付けるために必要な厚さ寸法を有していなくてもよい。つまり、この構成は、コア4の薄型化を図ることができる。なお、この構成では、導線をコア4に巻き付ける必要がないため、中空部40を有さないコア4を用いているが、中空部40を有するコア4を用いてもよい。
なお、本実施形態の力センサ2は、基板24に位置決め孔240を設けた構成であるが、図14に示すように、位置決め孔240の代わりに凹部242を設けた構成であってもよい。凹部242は、図14に示すように、基板24の上面から下方に窪んだ形状に形成されている。なお、凹部242の形状は、コア4が嵌り込む形状であればよく、その開口が平面視で円形状であってもよいし他の形状であってもよい。この構成でも、凹部242の内側にコア4を配置することで、コア4を所定の位置に位置決めすることが可能である。なお、実施形態1の力センサ2も、位置決め孔240の代わりに凹部242を基板24に設けた構成であってもよい。
また、本実施形態の力センサ2は、図15に示すように、剛性体26を上下方向(検知方向)の両側から挟むように弾性体23を設けた構成であってもよい。剛性体26は、例えば金属材料などの弾性体23よりも剛性の高い材料で構成される。この構成では、剛性体26を備えない場合と比較して、荷重に対する弾性体23の強度を向上させることができる。なお、剛性体26の厚さ寸法は、コア4の厚さ寸法に応じて調整可能であるのが好ましい。また、図15に示す構成は、外側の弾性体23に剛性体26を設けた構成であるが、内側の弾性体23にも剛性体26を設けた構成であってもよい。
更に、本実施形態の力センサ2は、実施形態1の力センサ2と同様に、基板24以外の構造体27でコア4を位置決めする構成であってもよい(図16A,図16B参照)。なお、図16Bでは、第2プレート22及び弾性体23の図示を省略している。構造体27は、第1プレート21及び第2プレート22、並びに弾性体23で囲まれる空間内に収納されている。構造体27は、上記の空間の一部に弾性体23を充填することで固定されている。
構造体27は、基板24と同様に、平面視で正方形状に形成されている。構造体27の中央部には、図16Bに示すように、通孔210,220の径寸法よりも僅かに大きい径寸法(例えば、直径140mm)を有する平面視で円形状の通孔271が設けられている。この通孔271は、通孔210,220と同様に、ボルトの軸部やテンドン102Aを通すことが可能な形状であればよい。また、構造体27には、図16Bに示すように、通孔271の周囲に複数(図示では12個)の位置決め孔270が設けられている。各位置決め孔270は、平面視で円形状に形成され、通孔271の周方向に沿って等間隔に設けられている。なお、位置決め孔270の形状は、平面視で円形状に限定されず、例えば平面視で矩形状であってもよい。つまり、位置決め孔270は、コア4が嵌まり込む形状であればよい。
この構成では、実施形態1の力センサ2と同様に、構造体27に検知回路3などの回路を設計する必要がないことから、基板24と比較して構造体27の厚さ方向の寸法を小さくすることができるので、力センサ2の薄型化を図ることができる。
更に、本実施形態の力センサ2は、図17A,図17Bに示すように、構造体27を第1プレート21(または第2プレート22)に一体に形成した構成であってもよい。なお、図17Bでは、第2プレート22及び弾性体23の図示を省略している。構造体27は、例えば溶接などの加工技術により、第1プレート21(または第2プレート22)と一体に形成される。この構成でも、力センサ2の薄型化を図ることができる。
なお、本実施形態の力センサ2では、実施形態1の力センサ2と同様に、基板24や構造体27を備えるか否かは任意である。すなわち、本実施形態の力センサ2は、第1プレート21及び第2プレート22、並びに弾性体23によりコア4を位置決めする構造であれば、基板24や構造体27を設けなくてもよい。但し、基板24や構造体27を備える構成であれば、第1プレート21及び第2プレート22を加工してコア4を位置決めするための構造を設ける必要がなく、第1プレート21及び第2プレート22の厚さ寸法を小さくすることができるという利点がある。
1 力検知装置
2 力センサ
20 検知部
21 第1プレート
210 通孔
22 第2プレート
220 通孔
23 弾性体
24 基板(構造体)
240 位置決め孔
25 絶縁体
27 構造体
270 位置決め孔
3 検知回路
4 コア
5 コイル
M1 閉磁路
M2 開磁路
R1 基準線
R2 基準点
本発明の力センサは、磁性体で形成されて中空部を有するコア、及び前記コアと磁気的に結合するコイルを有する検知部と、所定の検知方向の両側から前記検知部を挟むように配置される第1プレート及び第2プレートと、前記コアよりも弾性率の低い材料で形成され、前記第1プレート及び前記第2プレートの両者間を位置決めする弾性体とを備え、前記検知部は、前記検知方向に沿う向きに前記第1プレート及び前記第2プレートからかかる荷重を受けるように構成され、前記コアには、前記コイルを流れる電流によって生じる磁束の通る磁路が、前記中空部の周方向に沿って形成され、前記弾性体は、前記第1プレートの外周縁と、前記第2プレートの外周縁とに接着することで、前記第1プレートと前記第2プレートとによって前記検知方向の両側から挟まれるように、前記第1プレートと前記第2プレートとの間に設けられることを特徴とする。

Claims (14)

  1. 磁性体で形成されるコア、及び前記コアと磁気的に結合するコイルを有する検知部と、
    所定の検知方向の両側から前記検知部を挟むように配置される第1プレート及び第2プレートと、
    前記コアよりも弾性率の低い材料で形成され、前記第1プレート及び前記第2プレートの両者間を位置決めする弾性体とを備え、
    前記検知部は、前記検知方向に沿う向きに前記第1プレート及び前記第2プレートからかかる荷重を受けるように構成されることを特徴とする力センサ。
  2. 前記検知部を複数備え、
    前記複数の検知部は、前記検知方向と直交する平面に沿って配置されることを特徴とする請求項1記載の力センサ。
  3. 前記複数の検知部は、前記平面における基準線に対して線対称、又は前記平面における基準点に対して点対称に配置されることを特徴とする請求項2記載の力センサ。
  4. 前記第1プレート及び前記第2プレートは、それぞれ前記検知方向に貫通する通孔を有し、
    前記複数の検知部は、前記通孔の周囲に配置されることを特徴とする請求項2又は3記載の力センサ。
  5. 前記複数の検知部は、複数の検知位置の中から選択された2以上の検知位置に1対1に対応して配置されることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の力センサ。
  6. 前記複数の検知部の各々の有する前記コアは、前記検知方向の寸法が互いに等しいことを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の力センサ。
  7. 前記第1プレート及び前記第2プレートの間に配置され、前記検知部を位置決めする構造体を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の力センサ。
  8. 前記構造体は、前記検知方向に貫通する位置決め孔を有し、
    前記コアは、前記位置決め孔の内側に配置されることを特徴とする請求項7記載の力センサ。
  9. 前記構造体は、回路が形成された基板であることを特徴とする請求項7又は8記載の力センサ。
  10. 前記第1プレート及び前記第2プレートの少なくとも一方を含む外郭と前記基板との間に配置されて、前記外郭と前記基板との間を電気的に絶縁する絶縁体を備えることを特徴とする請求項9記載の力センサ。
  11. 前記コイルは、前記基板の何れかの層に導体をパターン形成することで構成されることを特徴とする請求項9又は10記載の力センサ。
  12. 前記コア及び前記コイルは、それぞれ前記コイルの通電時に開磁路を形成するように配置されることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の力センサ。
  13. 前記コア及び前記コイルは、それぞれ前記コイルの通電時に閉磁路を形成するように配置されることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の力センサ。
  14. 請求項1乃至13の何れか1項に記載の力センサと、前記コイルの磁気特性の変化に基づいて荷重を検知する検知回路とを備えることを特徴とする力検知装置。
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