JP2019211350A - 磁歪式の力センサ及びセンサシステム - Google Patents

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昌利 野村
新保 努武
Tsutomu Shinpo
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Abstract

【課題】コアとヨークとの相対的な位置関係に依らず、コアに掛かる荷重の検知精度が低下しにくい磁歪式の力センサ及びセンサシステムを提供する。【解決手段】力センサ1は、コア2と、コイル3と、第1ヨーク41と、第2ヨーク42と、を備える。コア2は、軸20を有し、軸20に沿った荷重を受ける。コイル3は、軸20周りに配置され、コア2と磁気的に結合する。第1ヨーク41は、軸20の長手方向におけるコア2の第1端にある第1磁極21に磁気的に結合される。第2ヨーク42は、軸20の長手方向におけるコア2の第2端にある第2磁極22に磁気的に結合される。コア2、第1ヨーク41、及び第2ヨーク42は、通電によりコイル3の発生する磁束が通る磁気回路を形成する。磁気回路は、軸20の長手方向において第1ヨーク41と第2ヨーク42との間に隙間G1を有する。【選択図】図6

Description

本開示は、一般に磁歪式の力センサ及びセンサシステムに関し、より詳細には、コアに掛かる荷重を検知する磁歪式の力センサ及びセンサシステムに関する。
特許文献1には、磁性材料の逆磁歪効果を利用した荷重センサが記載されている。特許文献1に記載の荷重センサは、軸方向から荷重を受ける機械構造用鋼からなる検出対象材の周囲を、磁気特性を有する材料で構成されたヨークで囲む構造を有している。検出対象材とヨークとの間には、軸方向に間隔を空けて、外部磁界を印加する励磁コイルと検出コイルとが配設されている。この荷重センサでは、励磁コイルにより外部磁界を印加し、検出対象材に作用する荷重による逆磁歪に基づく材料特性変化を、検出コイルの自己インダクタンス変化として検出する。
特開2000−155056号公報
特許文献1に記載の荷重センサ(磁歪式の力センサ)では、検出対象材(コア)とヨークとの相対的な位置関係が基準位置からずれると、コアを通る磁束に偏りが生じ、コアに掛かる荷重の検知精度が低下する可能性がある、という問題があった。
本開示は、コアとヨークとの相対的な位置関係に依らず、コアに掛かる荷重の検知精度が低下しにくい磁歪式の力センサ及びセンサシステムを提供する。
本開示の一態様に係る磁歪式の力センサは、コアと、コイルと、第1ヨークと、第2ヨークと、を備える。前記コアは、軸を有し、前記軸に沿った荷重を受ける。前記コイルは、前記軸周りに配置され、前記コアと磁気的に結合する。前記第1ヨークは、前記軸の長手方向における前記コアの第1端にある第1磁極に磁気的に結合される。前記第2ヨークは、前記軸の長手方向における前記コアの第2端にある第2磁極に磁気的に結合される。前記コア、前記第1ヨーク、及び前記第2ヨークは、通電により前記コイルの発生する磁束が通る磁気回路を形成する。前記磁気回路は、前記軸の長手方向において前記第1ヨークと前記第2ヨークとの間に隙間を有する。
本開示の一態様に係るセンサシステムは、上記の磁歪式の力センサを複数備える。
本開示は、コアとヨークとの相対的な位置関係に依らず、コアに掛かる荷重の検知精度が低下しにくい、という利点がある。
図1は、本開示の一実施形態に係る磁歪式の力センサの斜視図である。 図2は、同上の力センサの断面図である。 図3は、同上の力センサの分解斜視図である。 図4は、同上の力センサの検知部の概要を示すブロック図である。 図5A〜図5Dは、それぞれ本開示の一実施形態に係るセンサシステムの概要を示すブロック図である。 図6は、同上の力センサにて形成される磁気回路の概要を示す断面図である。 図7は、比較例の力センサにて形成される磁気回路の概要を示す断面図である。 図8は、本開示の一実施形態の第1変形例に係る力センサの断面図である。 図9は、本開示の一実施形態の第2変形例に係る力センサの斜視図である。 図10は、同上の力センサの断面図である。 図11は、本開示の一実施形態の第3変形例に係る力センサの斜視図である。 図12は、同上の力センサの断面図である。
(1)詳細
以下、本開示の一実施形態に係る磁歪式の力センサ1(以下、単に「力センサ」という)の構成について説明する。以下では、特に断りのない限り、筐体10のうち一対の孔113(後述する)が設けられた面を筐体10の前面とし、この面に垂直な方向を「前後方向」として説明する。また、以下では、コア2の軸20(後述する)の長手方向を「上下方向」として説明する。つまり、図1等において、「上」、「下」、「前」、「後」の矢印で示す通りに上、下、前、後の各方向を規定する。ただし、これらの方向は力センサ1の使用方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。また、図2等において、ドットで表された矢印は、コア2に掛かる荷重の向きを表しており、実体を伴わない。
力センサ1は、図1〜図3に示すように、コア2と、コイル3と、第1ヨーク41としての第1プレート51と、第2ヨーク42としての第2プレート52及び磁性体6と、基板7と、を備えている。これらの部品は、いずれも筐体10に収容されている。つまり、力センサ1は、コア2、コイル3、第1ヨーク41、及び第2ヨーク42を収容する筐体10を備えている。また、力センサ1は、筐体10に収容される基板7を更に備えている。
筐体10は、例えば直方体状であって、ボディ11と、カバー12と、を有している。ボディ11は、上面を開口した矩形箱状であって、例えば金属材料で形成されている。ボディ11は、底壁111と、底壁111の4つの辺からそれぞれ上向きに突出する4つの側壁112と、で構成されている。本実施形態では、ボディ11の底壁111の下面114は、荷重を受ける受圧面となっている。本実施形態では、ボディ11の底壁111は、第2プレート52を介してコア2に力を伝えるように配置されている。したがって、ボディ11の底壁111の下面114に上向きの荷重が掛かると、底壁111及び第2プレート52を介してコア2に荷重が掛かる。
4つの側壁112のうち前壁を構成する側壁112には、厚さ方向(前後方向)に側壁112を貫通する一対の円形状の孔113が設けられている。一対の孔113は、それぞれ検知部9(後述する)の入力用のコネクタと、検知部9の出力用のコネクタとを筐体10内に通すために用いられる。なお、一対の孔113は、例えば後述するように複数の力センサ1を備えるセンサシステム100を構成する場合(図5A〜図5D参照)、他の力センサ1に送り配線するために用いられてもよい。
カバー12は、例えば矩形板状であって、例えば金属材料で形成されている。本実施形態では、カバー12の上面121は、荷重を受ける受圧面となっている。本実施形態では、カバー12は、第1プレート51を介してコア2に力を伝えるように配置されている。したがって、カバー12の上面121に下向きの荷重が掛かると、カバー12及び第1プレート51を介してコア2に荷重が掛かる。
カバー12には、下面から下向きに突出する段部122が一体に形成されている(図2参照)。段部122は、ボディ11の上面の開口に嵌まり込む寸法で形成されている。段部122の中央部には、上向きに窪んだ平面視で矩形状の凹部123が設けられている。本開示でいう「平面視」は、コア2の軸20の長手方向(上下方向)から見ることをいう。凹部123の底面の面積は、第1プレート51の上面の面積とほぼ同じである。したがって、凹部123の底面に第1プレート51の上面が接する形で、凹部123に第1プレート51が嵌め込まれている。
本実施形態では、ボディ11とカバー12とは、弾性体13(図2参照)により互いに結合されている。弾性体13は、例えばエポキシ樹脂又はシリコーン樹脂を主成分とする接着剤である。弾性体13は、カバー12の段部122がボディ11の上面の開口に嵌め込まれた状態で、ボディ11の上端縁と、カバー12の下端縁とに接着することで、ボディ11及びカバー12を互いに結合する。弾性体13は、接着剤に限定されず、コア2を形成する材料よりも弾性率の低い材料で形成されていて、外部から埃及び水が入らないような防塵機能及び防水機能を有していることが望ましい。
コア2は、円柱状の磁性体であって、例えば金属材料で形成されている。コア2は、単一の金属材料で形成されていてもよいし、複数の金属材料を含む合金で形成されていてもよい。コア2は、上下方向を長手方向とする軸20を有しており、軸20に沿った荷重を受けるように、筐体10内に収容されている。本実施形態では、既に述べたように、コア2は、第1プレート51を介して、カバー12の上面121に掛かる下向きの荷重を受ける。また、コア2は、第2プレート52を介して、ボディ11の底壁111の下面114に掛かる上向きの荷重を受ける。コア2は、コア2に荷重が掛かると逆磁歪効果(いわゆるビラリ(Villari)効果)を奏する磁性体であればよい。ここでいう「逆磁歪効果」とは、磁化されたコア2が荷重を加えられることで歪み、この歪みによりコア2の磁気特性(ここでは、透磁率)が変化する効果をいう。
コイル3は、コア2の周囲に導線を配置することで構成されている。言い換えれば、コイル3は、コア2の軸20周りに配置されており、コア2と磁気的に結合している。導線としては、例えばエナメル線など、絶縁材料で被覆した銅線を用いるのが好ましい。コイル3の導線の両端は、例えば半田付けにより、基板7に設けられた回路(ここでは、後述する測定部91)に電気的に接続されている。したがって、コイル3は、測定部91から電流を供給されることにより、磁束φ1を発生する。
コイル3が通電することにより、コア2には、コア2の軸20の長手方向(上下方向)に沿った磁束φ1が通る(図6参照)。
第1プレート51は、矩形板状の磁性体であって、例えば金属材料で形成されている。第1プレート51は、上面がカバー12の凹部123の底面に接する形で、配置されている。また、第1プレート51の下面は、コア2の上面に接している。つまり、第1プレート51は、コア2の上面に磁気的に結合される第1ヨーク41に相当する。
第2プレート52は、矩形板状の磁性体であって、例えば金属材料により形成されている。第2プレート52は、下面がボディ11の底面に接する形で、ボディ11に収容されている。また、第2プレート52の上面は、コア2の下面に接している。つまり、第2プレート52は、コア2の下面に磁気的に結合される第2ヨーク42に相当する。
磁性体6は、円筒状であって、例えば金属材料で形成されている。磁性体6の径寸法は、コア2(コイル3を含む)の径寸法よりも大きくなっている。磁性体6は、内側にコア2及びコイル3が位置するように、第2プレート52の凹部522の底面に載せ置かれている。そして、磁性体6は、接着剤を用いて第2プレート52に接着することで、第2プレート52に固定されている。つまり、磁性体6は、第2プレート52に磁気的に結合されている。ここで、既に述べたように、第2プレート52は、コア2の下面に磁気的に結合されている。したがって、磁性体6は、第2プレート52を介して、コア2の下面に磁気的に結合されており、第2ヨーク42に相当する。つまり、本実施形態では、第2ヨーク42は、第2プレート52と、磁性体6と、を含む。言い換えれば、第2ヨーク42は、コア2の径方向(コア2の軸20と直交する方向)において、コア2との間にコイル3が位置するように配置される磁性体6を含んでいる。
磁性体6の高さ寸法(上下方向の寸法)は、コア2の高さ寸法よりも僅かに小さくなっている。したがって、コア2及び磁性体6を同一平面(第2プレート52の凹部522の底面)上に載せ置き、かつ、コア2の上面に第1プレート51を載せ置いた状態では、第1プレート51の下端縁と、磁性体6の上端縁との間に隙間G1が形成される。隙間G1の高さ寸法(上下方向の寸法)は、第1プレート51の下端縁と第2プレート52の上端縁との間の隙間の高さ寸法よりも小さい。
本実施形態では、コイル3が発生する磁束φ1は、図6に示すように、コア2の上面(第1磁極21)、第1プレート51(第1ヨーク41)、隙間G1、磁性体6(第2ヨーク42)、第2プレート52(第2ヨーク42)、及びコア2の下面(第2磁極22)の順に通る。このように、コア2、第1ヨーク41、及び第2ヨーク42は、通電によりコイル3の発生する磁束φ1が通る磁気回路M1を形成する。そして、磁気回路M1は、コア2の軸20の長手方向(上下方向)において、第1ヨーク41(第1プレート51)と第2ヨーク42(磁性体6)との間に隙間G1を有している。言い換えれば、磁気回路M1は、コア2が荷重を受ける方向(上下方向)において、第1ヨーク41と第2ヨーク42との間に隙間G1を有している。
第2プレート52の上面の中央部には、下向きに窪んだ平面視で円形状の位置決め凹部522が設けられている。位置決め凹部522の径寸法は、磁性体6の径寸法とほぼ同じである。したがって、位置決め凹部522に磁性体6を載せ置くことで、凹部522内に磁性体6が位置決めされる。また、凹部522の底面には、上向きに突出する平面視で円環状の位置決め突起521が設けられている。位置決め突起521で囲まれる円形状の領域の径寸法は、コア2の径寸法とほぼ同じである。したがって、位置決め突起521で囲まれる領域にコア2を載せ置くことで、この領域内にコア2が位置決めされる。
このように、本実施形態では、コア2と、第2ヨーク42(第2プレート52及び磁性体6)とは、相対的に位置決めされている。ここで、コア2は、第2プレート52に対して位置決めされることにより、筐体10内で位置決めされている。そして、第1プレート51も、既に述べたようにカバー12に嵌め込まれることにより、筐体10内で位置決めされている。したがって、コア2と、第1ヨーク41(第1プレート51)とは、相対的に位置決めされている。つまり、コア2と、第1ヨーク41及び第2ヨーク42の少なくとも一方(ここでは、両方)とは、相対的に位置決めされている。
更に、磁性体6は、第2プレート52に対して位置決めされることにより、筐体10内で位置決めされている。また、第2プレート52も、ボディ11に殆ど隙間なく収容されることにより、筐体10内で位置決めされている。つまり、第1ヨーク41(第1プレート51)と、第2ヨーク42(第2プレート52及び磁性体6)とは、コア2の軸20に直交する平面(上下方向と直交する平面)内で相対的に位置決めされている。
基板7は、例えば矩形板状である。基板7には、電子部品が実装されている。基板7に実装された電子部品の一部は、検知部9(図4参照)を構成している。言い換えれば、基板7は、検知部9を有している。検知部9を構成する電子部品は、例えばキャパシタC1(図4参照)などのディスクリート部品の他、マイクロコントローラなどのIC(Integrated Circuit)チップを含む。基板7の中央部には、厚さ方向(上下方向)に基板7を貫通する平面視で円形状の通孔71が設けられている。通孔71の径寸法は、磁性体6の径寸法よりも僅かに大きくなっている。したがって、コア2、コイル3、及び磁性体6は、基板7の通孔71の内側に位置するようにして筐体10に収容される(図2参照)。
本実施形態では、基板7と第2プレート52との間には、3つのスペーサ8が配置されている。3つのスペーサ8は、いずれも円筒状であり、電気絶縁性を有する材料により形成されている。3つのスペーサ8は、例えば第2プレート52の凹部522を囲むようにして、平面視で正三角形の頂点にそれぞれ位置するように第2プレート52上に載せ置かれる。3つのスペーサ8は、基板7を支持することにより、上下方向において基板7と第2プレート52とを互いに電気的に絶縁している。基板7と第2プレート52との間の電気的な絶縁を確保できれば、スペーサ8の位置、形状、及び大きさは自由に設定してもよい。
検知部9は、コイル3に電気的に接続されており、コア2の磁気特性(ここでは、透磁率)の変化に伴うコイル3の電気特性(ここでは、インピーダンス)の変化に基づいて、コア2に掛かる荷重を検知する。検知部9は、図4に示すように、測定部91と、A/D変換部92と、補正部93と、を有している。
測定部91は、コイル3に電流を供給することにより、コア2に掛かる荷重の変化で生じるインピーダンス変化を計測する。また、測定部91は、計測したインピーダンス変化をアナログ電圧に変換し、変換したアナログ電圧を出力する。つまり、測定部91の出力するアナログ電圧は、コア2に掛かる荷重に応じたアナログ信号に相当する。
A/D変換部92は、測定部91の出力するアナログ電圧をディジタル値に変換し、変換したディジタル値を補正部93へ出力する。つまり、検知部9は、コア2に掛かる荷重に応じたアナログ信号をディジタル信号(ディジタル値)に変換して出力するA/D変換部92を有している。
補正部93は、A/D変換部92の出力するディジタル値に対して、非直線性を補正する補正処理を実行する。補正処理を実行するために必要なパラメータは、例えば力センサ1の製造時のキャリブレーション工程において予め求めておき、メモリに記憶させておく。メモリは、例えばマイクロコントローラのEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)である。補正処理後のディジタル値(以下、「検知データ」ともいう)は、コア2に掛かる荷重の大きさに応じた値となる。このようにして、検知部9は、コイル3の電気特性の変化に基づいて、コア2に掛かる荷重を検知する。
本実施形態の力センサ1は、センサシステム100として用いることが可能である。センサシステム100は、図5A〜図5Dに示すように、複数の力センサ1を備えている。図5Aに示す例では、複数(ここでは、n個)の力センサ1は、複数(ここでは、n個)の対象物A1,A2,…,Anにそれぞれ取り付けられている。ここでいう「対象物」は、力センサ1により荷重を検知する対象である。力センサ1は、対象物に掛かる荷重がコア2に掛かるように配置される。したがって、力センサ1は、コア2に掛かる荷重を検知することにより、対象物に掛かる荷重を検知することが可能である。
図5Aに示す例では、複数の力センサ1は、それぞれ電源線及び信号線を介して収集装置200に電気的に接続されている。図5Aに示す例では、電源線及び信号線を1線で表している。つまり、本実施形態では、複数の力センサ1と収集装置200とは、スター型配線により接続されている。もちろん、この場合、通信の形態によっては、複数の力センサ1と、収集装置200とを直列に接続して使用することも可能である(図5C参照)。
収集装置200は、例えばデータロガ(data logger)である。収集装置200は、例えば商用電源からAC/DCコンバータを介して直流電圧を供給されることで動作する。複数の力センサ1は、それぞれ収集装置200から電源線を介して直流電圧を供給されることで動作する。複数の力センサ1は、それぞれ信号線を介して検知データを出力する。収集装置200は、複数の力センサ1から検知データを収集する。なお、センサシステム100としては、収集装置200を更にインターネット等のネットワークに接続することにより、収集装置200で収集した検知データをサーバに集めることもできる。この場合、ユーザは、ネットワーク経由でサーバにアクセスすることで、力センサ1及び収集装置200の設置場所から離れた場所において、力センサ1の検知データを確認することが可能になる。
図5Bに示す例では、複数の力センサ1は、それぞれ1つの対象物A1の複数箇所に取り付けられている。この態様では、複数の力センサ1は、それぞれ対象物A1の対応する箇所に掛かる荷重を検知する。このため、この態様では、複数の力センサ1の検知結果に基づいて、1つの対象物A1に掛かる荷重の分布を把握することが可能である。もちろん、この場合も、通信の形態によっては、複数の力センサ1と、収集装置200とを直列に接続して使用することも可能である(図5D参照)。
(2)動作
以下、本実施形態の力センサ1の動作について説明する。先ず、外部の電源からコイル3に電流を供給することで、磁気回路M1が形成される。ここでは、検知部9の測定部91がコイル3に電流を供給する。次に、カバー12の上面121に下向きの荷重が掛かると、カバー12及び第1プレート51を介してコア2に荷重が掛かる。同様に、ボディ11の底壁111の下面114に上向きの荷重が掛かると、底壁111及び第2プレート52を介してコア2に荷重が掛かる。すると、逆磁歪効果により、コア2に掛かる荷重の大きさに応じてコア2の磁気特性(ここでは、透磁率)が変化するため、これに伴いコイル3の電気特性(ここでは、インピーダンス)が変化する。
コイル3のインピーダンスが変化すると、測定部91は、インピーダンス変化に応じたアナログ電圧をA/D変換部92へ出力する。A/D変換部92は、入力されたアナログ電圧をディジタル値に変換し、変換したディジタル値を補正部93へ出力する。補正部93は、入力されたディジタル値に対して補正処理を実行する。
このように、力センサ1は、補正処理後のディジタル値(検知データ)を算出することにより、コア2に掛かる荷重を検知する。力センサ1は、例えば収集装置200等の外部機器からの要求に応じて検知データを出力してもよいし、要求の有無に依らず定期的に外部機器へ検知データを出力してもよい。
上述のように、本実施形態の力センサ1では、磁気回路M1は、コア2の軸20の長手方向(上下方向)において第1ヨーク41(第1プレート51)と第2ヨーク42(磁性体6)との間に隙間G1を有している。つまり、本実施形態では、コア2に荷重が掛かる方向において、第1ヨーク41と第2ヨーク42との間に隙間G1を有している。このため、本実施形態では、コア2とヨーク(第1ヨーク41又は第2ヨーク42)との相対的な位置関係に依らず、コア2に掛かる荷重の検知精度が低下しにくい、という利点がある。
つまり、本実施形態では、コア2とヨーク(第1ヨーク41又は第2ヨーク42)との相対的な位置関係がずれても、隙間G1の高さ寸法(上下方向の寸法)に偏りが生じにくい。このため、本実施形態では、隙間G1の高さ寸法に起因する磁束φ1の偏りも生じにくいことから、コア2に掛かる荷重の検知感度にばらつきが生じにくく、結果としてコア2に掛かる荷重の検知精度が低下しにくい。ここでいう「隙間G1の高さ寸法の偏り」とは、隙間G1の高さ寸法が小さい箇所と、隙間G1の高さ寸法が大きい箇所とが混在することをいう。
ここで、図2に示すコア2、第1ヨーク41、及び第2ヨーク42の位置をそれぞれの基準位置とする。例えば、コア2の径方向において第1プレート51(第1ヨーク41)が基準位置からずれたと仮定する。この場合、隙間G1の高さ寸法は変化しないことから、隙間G1の高さ寸法に偏りが生じにくく、磁束φ1の偏りも生じにくい。また、例えば、コア2の径方向において磁性体6(第2ヨーク42)が基準位置からずれたと仮定する。この場合も、隙間G1の高さ寸法は変化しないことから、隙間G1の高さ寸法に偏りが生じにくく、磁束φ1の偏りも生じにくい。
なお、コア2に荷重が掛かる場合、隙間G1の高さ寸法は変化し得る。しかしながら、この場合、隙間G1の高さ寸法は、コア2の軸20周りの全周にわたって均一に変化するため、やはり隙間G1の高さ寸法に偏りが生じにくく、磁束φ1の偏りも生じにくい。このように、本実施形態では、コア2とヨーク(第1ヨーク41又は第2ヨーク42)との相対的な位置関係のずれが生じたとしても、コア2の磁気特性に殆ど影響を与えない、という利点がある。
また、本実施形態の力センサ1では、コア2の径方向(コア2の軸20と直交する方向)において、コア2との間にコイル3が位置するように磁性体6を配置している。以下、この態様の利点について、比較例の力センサ300との比較を交えて説明する。比較例の力センサ300は、図7に示すように、磁性体6を有していない点で本実施形態の力センサ1と相違する。
図7に示すように、比較例の力センサ300では、コイル3が発生する磁束φ2は、コア2の第1磁極21、第1プレート51、カバー12、ボディ11の側壁112、第2プレート52、及びコア2の第2磁極22の順に通る。このように、比較例の力センサ300では、筐体10が、通電によりコイル3の発生する磁束φ2が通る磁気回路M2の一部を形成する。または、比較例の力センサ300では、コイル3が発生する磁束φ2は、ボディ11の側壁112を通らない場合、筐体10内の空気層を通る。
このように、比較例の力センサ300では、本実施形態の力センサ1と比較して、磁気回路M2の磁路長が長くなる。このため、比較例の力センサ300では、本実施形態の力センサ1と比較して、磁束φ2が漏れやすく、また、渦電流損の影響を受けて損失が大きくなりやすい。したがって、比較例の力センサ300では、本実施形態の力センサ1と比較して、コア2の磁気特性の変化に伴うコイル3の電気特性の変化が小さくなり、結果としてコア2に掛かる荷重の検知感度が低下する、という問題がある。
一方、本実施形態の力センサ1では、上述のように磁性体6を配置しているので、コイル3の発生する磁束φ1が磁性体6を通る。このため、本実施形態の力センサ1では、比較例の力センサ300と比較して、磁気回路M1の磁路長が短くなり、磁気回路M1は殆ど閉磁路となる。したがって、本実施形態の力センサ1では、比較例の力センサ300と比較して、磁束φ1の漏れを少なくすることができ、かつ、渦電流損の影響を受けにくいことから損失を低減することができる。結果として、本実施形態の力センサ1では、比較例の力センサ300と比較して、コア2の磁気特性の変化に伴うコイル3の電気特性の変化が大きくなり、結果としてコア2に掛かる荷重の検知感度が向上する、という利点がある。
また、本実施形態の力センサ1では、上述のようにコア2に掛かる荷重の検知感度を向上できることから、以下の利点も享受し得る。すなわち、本実施形態の力センサ1では、フェライト等の磁性材料と比較して逆磁歪効果を奏しにくい金属材料をコア2の材料として採用しても、コア2に掛かる荷重を検知するために必要な検知感度を確保し得る。このため、本実施形態の力センサ1では、コア2にフェライト等の磁性材料を採用する場合と比較して、コア2の荷重に対する強度を向上することができる、という利点がある。また、本実施形態の力センサ1では、超磁歪素子をコア2の材料として採用せずとも、一般的な磁歪材料を用いてコア2に掛かる荷重を検知するために必要な検知感度を確保し得る。このため、本実施形態の力センサ1では、レアメタルを含む高価な超磁歪素子を採用する場合と比較して、原材料コスト、及び製造コストを低減することができる、という利点がある。
ここで、超磁歪素子とは、一般的に磁歪素子のうち変位量が特に大きい素子をいう。代表的な超磁歪素子の磁歪量としては、例えば0.1〔%〕程度である(一般的な磁歪素子の磁歪量は、約0.0001〜0.01〔%〕程度)。そして、超磁歪素子は、外部から応力を加えることによって透磁率が変化するが、外部から磁界を印加することによって磁歪量が変化してしまう。したがって、本実施形態では、このような特性を有する超磁歪素子を採用するよりも、一般的な磁歪素子を採用する方が好ましい。
ところで、本実施形態において、第1プレート51、第2プレート52、及び筐体10には、いずれも鉄又はステンレス等の材料を用いることが好ましい。これらの部材は、外部からの力を受ける受圧部を構成する部材であるので、縦弾性係数が大きく、かつ弾性限界が高い材料を用いることが好ましい。仮に、第1プレート51、第2プレート52、又は筐体10に塑性変形が生じた場合、コア2に対して力が正しく伝わらない、或いは力センサ1の特性が初期特性からずれる可能性があるため、上記のように塑性変形の生じにくい材料を用いることが好ましい。なお、力センサ1に掛かる荷重は、これらの部材の弾性変形の範囲内に収まる。また、これらの部材は、磁気回路M1の一部も構成しているので、磁性材料を用いることが好ましい。
一方、本実施形態において、磁性体6には荷重が掛からない構造となっているため、磁性体6の強度の条件は重要ではない。したがって、磁性体6は、第1プレート51、第2プレート52、又は筐体10と同じ材料で形成されてもよい。また、磁性体6は、より磁束漏れの少ない磁路を形成するために、第1プレート51、第2プレート52、及び筐体10よりも強磁性の材料(例えば、フェライト等)によって形成されてもよい。
(3)力センサの利用例
以下、本実施形態の力センサ1の利用例について列挙する。なお、以下に列挙する力センサ1の利用例はあくまで一例である。つまり、力センサ1は、対象物に掛かる荷重をコア2に掛かる荷重として検知することができればよく、以下に列挙する利用例に限られないことは言うまでもない。
本実施形態の力センサ1は、例えば、ボルト又はシャフトなどの締付軸力を検知することで、ボルト又はシャフトに締め付けられるナットの緩み、破断、又は腐食といった異常の有無を監視するために用いることができる。ここでいう「締付軸力」とは、ボルトに対してナットを締め付ける際に、構造物(例えば、壁又は天井など)に加わるボルトの軸方向に沿った荷重をいう。
また、力センサ1は、対象物に加えられる張力を検知する用途にも適している。具体例として、力センサ1は、ケーブルなどにより吊り下げられている物体が正常に固定されているか否かの監視、又は吊り橋ケーブルの監視などに用いることができる。
また、力センサ1は、対象物の重量を検知する用途にも適している。具体例として、力センサ1は、ボトル、バッグ、又はタンクなどの内部に納められている物体(流体を含む)の重量の検知などに用いることができる。
また、力センサ1は、対象物に加えられる圧力を検知する用途にも適している。具体例として、力センサ1は、プレス機械が対象物に加える圧力の検知、又は押出機が対象物を溶融して押し出す際の圧力の検知などに用いることができる。
また、力センサ1は、対象物に加わる荷重を検知する用途にも適している。具体例として、力センサ1は、温水便座、介護用ベッド、タッチペン、又はスイッチに加わる荷重の検知に用いることができる。
また、力センサ1は、対象物に加わる握力を検知する用途にも適している。具体例として、力センサ1は、電動ドライバ、電動歯ブラシ、パチンコのハンドル、釣竿、自動二輪車のブレーキ、又は自動二輪車のスロットルに加わる握力の検知などに用いることができる。
その他、力センサ1は、対象物に加えられる踏力を検知する用途にも適している。具体例として、力センサ1は、自動車のアクセル又はブレーキに加わる踏力の検知などに用いることができる。
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下の種々の変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(4.1)第1変形例
第1変形例の力センサ1Aは、図8に示すように、筐体10が、第1ヨーク41及び第2ヨーク42の少なくとも一部と一体である点で、上述の実施形態の力センサ1と相違する。具体的には、本変形例では、筐体10のカバー12は、凹部123を有しておらず、代わりに、第1ヨーク41である第1プレート51と一体に形成されている。また、本変形例では、筐体10のボディ11の底壁111及び4つの側壁112は、第2ヨーク42の一部である第2プレート52と一体に形成されている。
上述のように、本変形例では、筐体10、第1ヨーク41、及び第2ヨーク42がそれぞれ別体である場合と比較して、部品点数が減る。このため、本変形例では、力センサ1Aを組み立てやすくなる、という利点がある。
(4.2)第2変形例
第2変形例の力センサ1Bは、図9及び図10に示すように、突起115,124を更に備える点で、第1変形例の力センサ1Aと相違する。突起124は、円柱状、円錐台状、又は表面が球面状であって、カバー12の上面121の中央部から上向きに突出している。突起124は、カバー12及び第1プレート51を介して、コア2の軸20の長手方向(上下方向)においてコア2と対向しており、力センサ1Bの上方から下向きに掛かる荷重を受ける。つまり、突起124は、コア2の軸20の長手方向(上下方向)の少なくとも一端面(ここでは、カバー12の上面121)から突出し、コア2に掛かる荷重を受ける。
突起115は、円盤状であって、ボディ11の下面114の中央部から下向きに突出している。突起115の高さ寸法(上下方向の寸法)は、突起124の高さ寸法よりも小さい。突起115は、ボディ11の底壁111及び第2プレート52を介して、コア2の軸20の長手方向(上下方向)においてコア2と対向しており、力センサ1Bの下方から上向きに掛かる荷重を受ける。つまり、突起115は、コア2の軸20の長手方向(上下方向)の少なくとも一端面(ここでは、ボディ11の下面114)から突出し、コア2に掛かる荷重を受ける。
上述のように、本変形例では、突起115,124を備えていることから、突起115,124に荷重が集中しやすい。このため、本変形例では、突起115,124を備えない場合と比較して、コア2に荷重が集中しやすく、コア2に掛かる荷重の検知精度を向上することができる、という利点がある。つまり、突起115,124を備えていない場合、カバー12の上面121、又はボディ11の底壁111の下面114に荷重が掛かるが、この場合、上面121又は下面114に均一に荷重が掛からない可能性がある。この場合、コア2において、荷重が大きく掛かる箇所と、荷重が小さく掛かる箇所とが混在することにより、コア2に掛かる荷重の検知感度にばらつきが生じやすくなる可能性がある。一方、本変形例では、上面121の代わりに突起124が、又は下面114の代わりに突起115が荷重を受けるため、コア2に荷重が集中しやすくなり、コア2に均一に荷重が掛かりやすくなる。したがって、本変形例では、コア2に掛かる荷重の検知感度にばらつきが生じにくく、結果としてコア2に掛かる荷重の検知精度を向上することができる。
(4.3)第3変形例
第3変形例の力センサ1Cは、図11及び図12に示すように、コア2が中空部23を有している点で、上述の実施形態の力センサ1と相違する。中空部23は、平面視で円形状であって、コア2の軸20の長手方向(上下方向)にコア2を貫通している。また、本変形例では、カバー12及び第1プレート51は、それぞれ中空部125,511を有している。中空部125は、平面視で円形状であって、コア2の軸20の長手方向(上下方向)にカバー12を貫通している。中空部511は、平面視で円形状であって、コア2の軸20の長手方向(上下方向)に第1プレート51を貫通している。
また、本変形例では、ボディ11の底壁111は、中央部から上向きに突出する円筒状の筒部116を一体に有している。筒部116は、コア2の中空部23に挿入されている。また、筒部116の一端(上端)は、第1プレート51の中空部511に挿入されている。
そして、カバー12の中空部125及びボディ11の筒部116の内側空間は、コア2の軸20の長手方向(上下方向)に沿って繋がっており、挿入孔14を構成している。挿入孔14は、平面視で円形状であって、コア2の軸20の長手方向(上下方向)にカバー12、第1プレート51、コア2、第2プレート52、及びボディ11の底壁111を貫通している。
上述のように、本変形例では、挿入孔14(つまり、コア2の中空部23)に対象物の一部を通すことができる。このため、本変形例では、例えばシリンダ、ボルト又はシャフト等の棒状の部位を有する対象物に掛かる荷重を検知することができる、という利点がある。
(4.4)その他の変形例
以下、上記の第1変形例〜第3変形例以外の変形例を列挙する。以下の種々の変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。また、以下の種々の変形例のうち、上述の実施形態の力センサ1の変形例については、第1変形例〜第3変形例の力センサ1A〜1Cにも適用可能である。
第1変形例では、筐体10は、第1ヨーク41(第1プレート51)及び第2ヨーク42(第2プレート52)の両方と一体であるが、これに限定する趣旨ではない。例えば、筐体10は、第1ヨーク41及び第2ヨーク42のいずれか一方のみと一体であってもよい。また、第1変形例において、筐体10は、第2プレート52のみならず、磁性体6と一体であってもよい。
第2変形例では、突起115,124は、カバー12の上面121及びボディ11の下面114にそれぞれ設けられているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、突起115,124のうちいずれか一方の突起のみが設けられていてもよい。
第3変形例では、第1ヨーク41及び第2ヨーク42は、筐体10と一体ではないが、第1変形例及び第2変形例と同様に、筐体10と一体であってもよい。
上述の実施形態では、コイル3は、例えば樹脂などを用いて封止されているのが好ましい。この態様では、結露が生じた場合でも、コイル3を構成する導線に水分が付着しにくくなるので、結露の影響によるコイル3の電気特性(インダクタンス)の変化が生じにくくなる、という利点がある。
上述の実施形態では、弾性体13自体が接着剤であるが、これに限定する趣旨ではない。例えば、弾性体13は、両面テープなどの他の接着剤を介してボディ11及びカバー12の両方に接合される構成であってもよい。
上述の実施形態では、検知部9は、A/D変換部92を有しているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、検知部9は、A/D変換部92を有さずに、測定部91が出力するアナログ電圧に対して、補正部93が補正処理を実行するように構成されていてもよい。また、図4に示す検知部9の構成は一例であり、検知部9は、コア2の磁気特性の変化に伴うコイル3の電気特性(インピーダンス)の変化に基づいて荷重を検知する構成であればよい。
上述の実施形態では、検知部9を有する基板7を筐体10に収容しているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、検知部9は、筐体10の外側にあってもよい。この場合、コイル3の両端を、ケーブルを介して筐体10外にある検知部9に電気的に接続すればよい。
上述の実施形態では、基板7は、通孔71の内側にコア2及び磁性体6が位置するように筐体10内に配置されているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、基板7は、上述の実施形態よりも小型であれば、コア2の径方向において、コア2及び磁性体6を挟んだ両側のうちの片側に配置されていてもよい。この態様では、コア2及び磁性体6を通孔71の内側に配置する必要がないので、基板7が通孔71を有する必要がない。
上述の実施形態では、筐体10は直方体状であるが、筐体10の形状を限定する趣旨ではない。例えば、筐体10は、円柱状であってもよいし、筐体10の形状は、直方体状に限定されず、例えば平面視で円形状、三角形状、又は更に角の多い多角形状であってもよい。また、上述の実施形態では、筐体10は金属材料で形成されているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、筐体10は、CFRP(Carbon-Fiber-Reinforced Plastic:炭素繊維強化プラスチック)等の樹脂材料で形成されていてもよい。
上述の実施形態では、センサシステム100は、上述の実施形態の力センサ1を複数備えているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、センサシステム100は、第1変形例の力センサ1A、第2変形例の力センサ1B、及び第3変形例の力センサ1Cのいずれかの力センサを複数備えていてもよい。また、センサシステム100は、上述の実施形態の力センサ1、第1変形例の力センサ1A、第2変形例の力センサ1B、及び第3変形例の力センサ1Cのうちの2以上の力センサを備えていてもよい。
(まとめ)
以上述べたように、第1の態様に係る磁歪式の力センサ(1,1A,1B,1C)は、コア(2)と、コイル(3)と、第1ヨーク(41)と、第2ヨーク(42)と、を備える。コア(2)は、軸(20)を有し、軸(20)に沿った荷重を受ける。コイル(3)は、軸(20)周りに配置され、コア(2)と磁気的に結合する。第1ヨーク(41)は、軸(20)の長手方向におけるコア(2)の第1端にある第1磁極(21)に磁気的に結合される。第2ヨーク(42)は、軸(20)の長手方向におけるコア(2)の第2端にある第2磁極(22)に磁気的に結合される。コア(2)、第1ヨーク(41)、及び第2ヨーク(42)は、通電によりコイル(3)の発生する磁束(φ1)が通る磁気回路(M1)を形成する。磁気回路(M1)は、軸(20)の長手方向において第1ヨーク(41)と第2ヨーク(42)との間に隙間(G1)を有する。
この態様によれば、コア(2)とヨーク(第1ヨーク(41)又は第2ヨーク(42))との相対的な位置関係に依らず、コア(2)に掛かる荷重の検知精度が低下しにくい、という利点がある。
第2の態様に係る磁歪式の力センサ(1,1A,1B,1C)は、第1の態様において、筐体(10)を更に備える。筐体(10)は、コア(2)、コイル(3)、第1ヨーク(41)、及び第2ヨーク(42)を収容する。
この態様によれば、筐体(10)により、筐体(10)の外部からのノイズを遮蔽し、ノイズの影響を低減することができる、という利点がある。
第3の態様に係る磁歪式の力センサ(1A,1B)では、第2の態様において、筐体(10)は、第1ヨーク(41)及び第2ヨーク(42)の少なくとも一部と一体である。
この態様によれば、筐体(10)、第1ヨーク(41)、及び第2ヨーク(42)がそれぞれ別体である場合と比較して、部品点数が減るので、組み立てやすくなる、という利点がある。
第4の態様に係る磁歪式の力センサ(1,1A,1B,1C)は、第2又は第3の態様において、筐体(10)に収容される基板(7)を更に備える。基板(7)は、コイル(3)の電気特性の変化に基づいて荷重を検知する検知部(9)を有する。
この態様によれば、コア(2)に掛かる荷重に応じて得られる信号を、筐体(10)内で処理できるので、筐体(10)の外部からのノイズの影響を小さくすることができ、荷重検知の安定化を図りやすい、という利点がある。
第5の態様に係る磁歪式の力センサ(1,1A,1B,1C)では、第4の態様において、検知部(9)は、A/D変換部(92)を有する。A/D変換部(92)は、荷重に応じたアナログ信号をディジタル信号に変換して出力する。
この態様によれば、検知部(9)の出力信号がアナログ信号である場合と比較して、ノイズの影響を受けにくくなる、という利点がある。
第6の態様に係る磁歪式の力センサ(1C)では、第1〜第5のいずれかの態様において、コア(2)は、軸(20)の長手方向にコア(2)を貫通する中空部(23)を有する。
この態様によれば、中空部(23)に対象物の一部を通すことができるので、例えばシリンダ、ボルト又はシャフト等の棒状の部位を有する対象物に掛かる荷重を検知することができる、という利点がある。
第7の態様に係る磁歪式の力センサ(1,1A,1B,1C)では、第1〜第6のいずれかの態様において、コア(2)と、第1ヨーク(41)及び第2ヨーク(42)の少なくとも一方とは、相対的に位置決めされている。
この態様によれば、荷重検知のばらつきを抑制することができ、荷重検知の安定化を図りやすい、という利点がある。
第8の態様に係る磁歪式の力センサ(1,1A,1B,1C)では、第7の態様において、第1ヨーク(41)と、第2ヨーク(42)とは、軸(20)に直交する平面内で相対的に位置決めされている。
この態様によれば、荷重検知のばらつきを抑制することができ、荷重検知の安定化を図りやすい、という利点がある。
第9の態様に係る磁歪式の力センサ(1B)は、第1〜第8のいずれかの態様において、突起(115,124)を更に備える。突起(115,124)は、軸(20)の長手方向の少なくとも一端面から突出し、コア(2)に掛かる荷重を受ける。
この態様によれば、突起(115,124)に荷重が集中しやすくなることから、コア(2)に荷重が集中しやすく、荷重の検知精度を向上することができる、という利点がある。
第10の態様に係る磁歪式の力センサ(1,1A,1B,1C)では、第1〜第9のいずれかの態様において、第2ヨーク(42)は、磁性体(6)を含む。磁性体(6)は、軸(20)と直交する方向において、コア(2)との間にコイル(3)が位置するように配置される。
この態様によれば、磁性体(6)を有さない場合と比較して、磁気回路(M1)の磁路長が短くなり、磁束(φ1)の漏れを少なくすることができるので、コア(2)に掛かる荷重の検知感度が向上する、という利点がある。
第11の態様に係るセンサシステム(100)は、第1〜第10のいずれかの態様の磁歪式の力センサ(1,1A,1B,1C)を複数備える。
この態様によれば、コア(2)とヨーク(第1ヨーク(41)又は第2ヨーク(42))との相対的な位置関係に依らず、コア(2)に掛かる荷重の検知精度が低下しにくい、という利点がある。
第2〜第10の態様に係る構成は、磁歪式の力センサ(1,1A,1B,1C)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1,1A,1B,1C 磁歪式の力センサ
2 コア
20 軸
21 第1磁極
22 第2磁極
23 中空部
3 コイル
41 第1ヨーク
42 第2ヨーク
6 磁性体
7 基板
9 検知部
92 A/D変換部
10 筐体
115,124 突起
100 センサシステム
G1 隙間
M1 磁気回路
φ1 磁束

Claims (11)

  1. 軸を有し、前記軸に沿った荷重を受けるコアと、
    前記軸周りに配置され、前記コアと磁気的に結合するコイルと、
    前記軸の長手方向における前記コアの第1端にある第1磁極に磁気的に結合される第1ヨークと、
    前記軸の長手方向における前記コアの第2端にある第2磁極に磁気的に結合される第2ヨークと、を備え、
    前記コア、前記第1ヨーク、及び前記第2ヨークは、通電により前記コイルの発生する磁束が通る磁気回路を形成し、
    前記磁気回路は、前記軸の長手方向において前記第1ヨークと前記第2ヨークとの間に隙間を有する、
    磁歪式の力センサ。
  2. 前記コア、前記コイル、前記第1ヨーク、及び前記第2ヨークを収容する筐体を更に備える、
    請求項1記載の磁歪式の力センサ。
  3. 前記筐体は、前記第1ヨーク及び前記第2ヨークの少なくとも一部と一体である、
    請求項2記載の磁歪式の力センサ。
  4. 前記筐体に収容される基板を更に備え、
    前記基板は、前記コイルの電気特性の変化に基づいて前記荷重を検知する検知部を有する、
    請求項2又は3に記載の磁歪式の力センサ。
  5. 前記検知部は、前記荷重に応じたアナログ信号をディジタル信号に変換して出力するA/D変換部を有する、
    請求項4記載の磁歪式の力センサ。
  6. 前記コアは、前記軸の長手方向に前記コアを貫通する中空部を有する、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁歪式の力センサ。
  7. 前記コアと、前記第1ヨーク及び前記第2ヨークの少なくとも一方とは、相対的に位置決めされている、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁歪式の力センサ。
  8. 前記第1ヨークと、前記第2ヨークとは、前記軸に直交する平面内で相対的に位置決めされている、
    請求項7記載の磁歪式の力センサ。
  9. 前記軸の長手方向の少なくとも一端面から突出し、前記コアに掛かる荷重を受ける突起を更に備える、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁歪式の力センサ。
  10. 前記第2ヨークは、前記軸と直交する方向において、前記コアとの間に前記コイルが位置するように配置される磁性体を含む、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁歪式の力センサ。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の磁歪式の力センサを複数備える、
    センサシステム。
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