JP2015224849A - 溶解炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶解炉の底部に堆積した介在物が溶湯に混入して鋳造設備等の次工程に供給されてしまうのを防止することができる溶解炉を提供する。
【解決手段】貯留した溶湯Y内で金属塊Kを溶解する炉本体10を備えた溶解炉であって、炉本体10は、金属塊Kが投入される第1室11と、次工程へ供給するために溶湯Yが取り出される第2室12と、第1室11と第2室12との間に設けられ、両室11,12の間の熱対流を抑制する中間室13と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋳造設備等に供給される金属の溶湯を生成し、貯留するための溶解炉に関する。
軽量で、比強度・比剛性が高く、衝撃吸収性に優れているマグネシウム合金は、近年、携帯電話やノート型コンピュータ等のポータブル製品の筐体や、自動車用部品等の各種部材の構成材料として利用されつつある。
また、鋳造設備に供給されるマグネシウム合金の溶湯は、例えば、特許文献1に開示されているように、予熱されたマグネシウム合金のインゴットを溶解炉で溶解することによって生成される。
特開2012−24786号公報
溶湯を貯留した溶解炉の底部には、通常、炉内で生じた酸化物や溶湯から析出した化合物等(以下、これらを「介在物」と総称する)が堆積している。しかし、この介在物が混入した溶湯が鋳造装置に供給されると鋳造品の品質が低下するため、溶解炉の上部側の溶湯のみを取り出して鋳造装置に供給することが必要となる。
ところが、溶解炉に投入されるインゴットは、溶解炉内の溶湯よりも低温であるので、投入されたインゴットの周りの溶湯の温度が低下し、さらにその周りの高温の溶湯との間で熱対流が生じる。そして、この熱対流によって介在物が巻き上がり、溶湯と共に介在物が鋳造装置に供給されてしまう場合がある。
また、溶湯の熱対流だけでなく、インゴットが溶解炉の底部に沈み落ちたときの衝撃によって、介在物が勢いよく巻き上がってしまうこともある。
一方、金属の種類によってはインゴットの投入による溶湯の温度低下で化合物が析出してしまう場合がある。したがって、溶湯の温度低下を抑制することは、間接的に製品の品質低下を防止することに繋がる。
本発明は、介在物が混入した溶湯が鋳造設備等の次工程に供給されてしまうのを防止することができる溶解炉を提供することを主な目的とする。
本発明の一形態に係る溶解炉は、
貯留した溶湯内で金属塊を溶解する炉本体を備えた溶解炉であって、
前記炉本体は、
前記金属塊が投入される第1室と、
次工程へ供給するために溶湯が取り出される第2室と、
前記第1室と前記第2室との間に設けられ、両室の間の熱対流を抑制する中間室と、
を備えたものである。
本発明によれば、介在物が混入した溶湯が鋳造設備等の次工程に供給されてしまうのを防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る溶解炉の概略図である。 本発明の第2実施形態に係る溶解炉の概略図である。 本発明の第3実施形態に係る溶解炉の概略図である。 比較例に係る溶解炉を示す概略図である。 比較例に係る溶解炉を示す概略図である。
[本発明の実施形態の要旨]
最初に本発明の実施形態の要旨を列記して説明する。なお、以下に記載する各実施形態は、その一部を任意に組み合わせることも可能である。
(1)本発明の実施形態に係る溶解炉は、
貯留した溶湯内で金属塊を溶解する炉本体を備えた溶解炉であって、
前記炉本体は、
前記金属塊が投入される第1室と、
次工程へ供給するために溶湯が取り出される第2室と、
前記第1室と前記第2室との間に設けられ、両室の間の熱対流を抑制する中間室と、
を備えている。
この実施形態によれば、第1室と第2室との間には、両室間の熱対流を抑制する中間室が設けられているので、第1室に投入されたインゴットの周りで溶湯の温度が低下し、第1室内で熱対流が生じたとしても、中間室によって第2室との間の熱対流が抑制され、第2室に堆積している介在物が巻き上がってしまうのを防止することができる。したがって、介在物が混入した溶湯が第2室から鋳造設備等に供給されるのを防止することができる。
(2)前記各室は、前記炉本体の内部を隔壁で区画することによって形成されていてもよい。
このような構成によって、炉本体の構造の簡素化を図ることができる。
(3)前記中間室には、溶湯の流れを蛇行させる蛇行流路が形成されていることが好ましい。
このような構成によって、中間室における溶湯の流れの抵抗を大きくし、第1室と第2室との間の熱対流を好適に抑制することができるとともに、小さいスペースであっても第1室と第2室との間で流路の長さを確保することができる。
(4)上記(2)の構成において、前記第1室の下方に、水平方向に延びる第1の隔壁を介して前記中間室が配置され、
前記第1室及び前記中間室の水平方向側方に、上下方向に延びる第2の隔壁を介して前記第2室が配置され、
前記第1の隔壁と前記第2の隔壁との間に、前記第1室と前記中間室とを流通させる第1流通口が形成され、
前記第2の隔壁と前記炉本体の底壁との間に、前記中間室と前記第2室とを流通させる第2流通口が形成され、
前記中間室内には、前記第1流通口と前記第2流通口との間で溶湯の流れを蛇行させる蛇行流路を形成する、水平方向に延びる第3の隔壁が設けられていることが好ましい。
このような構成によって、隔壁を用いて第1室、第2室、及び中間室を炉本体の内部に容易に形成することができ、しかも中間室内に蛇行流路をも形成することができる。
(5)上記の(2)の構成において、前記第1室と前記中間室と前記第2室とが水平方向に並べて配置されるとともに、前記第1室と前記中間室との間、及び前記中間室と前記第2室との間にそれぞれ上下方向に延びる第4の隔壁及び第5の隔壁が設けられ、
前記第4の隔壁の下部側に、前記第1室と前記中間室とを流通する第1流通口が設けられ、
前記第5の隔壁の上部側に、前記中間室と前記第2室とを流通する第2流通口が設けられていてもよい。
このような構成によって、隔壁を用いて第1室、第2室、及び中間室を炉本体の内部に容易に形成することができる。
また、炉本体に投入される金属塊は炉本体内の溶湯よりも低温であるため、第1室に投入された金属塊の周りで溶湯の温度が低下し、第1室内で熱対流が生じ、次第に第1室の全体又は下部側の溶湯が中間室や第2室の溶湯よりも低温となる。この実施形態では、第1室と中間室との間の第1流通口が第4の隔壁の下部側に配置され、中間室と第2室との間の第2流通口が第5の隔壁の上部側に配置されているので、より低温の溶湯が第1室から第1流通口を介して中間室に流入したとしても、より高温の第2流通口側へ向けて上方には流れ難く、熱対流が抑制される。したがって、第1室と第2室との間の熱対流が中間室で好適に抑制され、第2室における介在物の巻き上げを防止することができる。
(6)上記(1)の構成において、前記炉本体は、前記第1室を構成する第1の炉体と、前記第2室を構成する第2の炉体と、前記中間室を構成し、かつ前記第1の炉体と前記第2の炉体とを接続する接続管とを備え、前記接続管内に、溶湯の流れを蛇行させる蛇行流路が形成されていてもよい。
この構成によれば、2つの炉体を接続管で接続することによって炉本体を構成し、第1の炉体から第2の炉体への溶湯の流れを接続管内に形成された蛇行流路によって抑制することができる。
(7)前記溶解炉には、当該第1室内の上位で金属塊を支持する支持部材が設けられていることが好ましい。
これにより、金属塊の周りで低温となった溶湯は第1室内の下方へ向けて流れつつ温度が高まり、第1室内の溶湯全体が迅速に均熱化される。したがって、溶湯が低温状態で保持されることに起因する化合物の析出を防止することができる。また、介在物が堆積した炉本体の底部に金属塊が沈み落ちることがないので、介在物に与える衝撃を緩和することができる。
(8)前記溶解炉には、前記第1室内で溶湯を撹拌する撹拌機構が設けられていることが好ましい。
これによって第1室内の溶湯の均熱化をより促進することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
次に、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る溶解炉を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る溶解炉を示す概略図である。
溶解炉は、投入されたインゴットKを加熱して溶解し、その溶湯Yを貯留する炉本体10を備えている。炉本体10は、底壁10a、前後壁10b,10c、側壁(図示略)、炉蓋10dを有する略直方体形状に形成されている。
金属の素材であるインゴット(金属塊)Kは、炉本体10の前後方向(図1における左右方向)の一側部において炉蓋10dの一部を開放することによって炉本体10内に投入される。また、炉本体10の他側部上端には、ポンプ(吸引装置)Pが設けられている。インゴットKを溶解することによって生成された溶湯YはポンプPによって吸い出され、次工程の鋳造設備等へ供給される。なお、本実施形態では、図1の左側を前側とし、右側を後側としている。
炉本体10の内部には、複数の隔壁21〜23が設けられている。そして、これら隔壁21〜23によって炉本体10の内部が3つの部屋11〜13に区画されている。
具体的に、炉本体10の前後方向の略中央には上下方向に延びる縦壁(第2の隔壁)22が設けられている。この縦壁22の上端は炉蓋10dに達し、縦壁22の下端は底壁10aの上方に間隔をあけて配置されている。そして、この縦壁22の前側には、インゴットKが投入される取入室(第1室)11が形成され、縦壁22の後側には、ポンプPによって溶湯Yが吸い出される取出室(第2室)12が形成されている。
取入室11の下部には、前後方向に延びる上側横壁(第1の隔壁)21が設けられている。そして、この上側横壁21の下方の領域が中間室13とされている。この中間室13は、縦壁22によって取出室12と区画されている。
上側横壁21の下方には、前後方向に延びる下側横壁(第3の隔壁)23が設けられている。この下側横壁23の後端部と、縦壁22の下端部とは互いに接続されている。また、下側横壁23の前端部は、前壁10bの後方に間隔をあけて配置されている。
縦壁22と上側横壁21との間に設けられた間隔は、第1流通口31とされ、縦壁22と底壁10aとの間に設けられた間隔は、第2流通口32とされている。そして、第1流通口31と第2流通口32との間には、下側横壁23で上側流路14aと下側流路14bとに区画されることによって前後方向に蛇行する蛇行流路14a,14bが形成されている。この蛇行流路14a,14bを有する部屋が中間室13を構成している。
したがって、本実施形態の炉本体10は、取入室11と中間室13と取出室12とを備えており、取入室11と取出室12とが中間室13内で蛇行する流路14a,14bを介して接続された構成となっている。なお、各隔壁21〜23は、断熱性を有する素材から形成されており、隔壁21〜23を通じた熱伝達が抑制されるようになっている。
取入室11には、投入されたインゴットKを上側横壁21の上方に離間した位置で支持する支持台42が設けられている。この支持台42は、金網等から形成することができる。そして、支持台42上のインゴットKは取入室11において溶解され、その溶湯Yは中間室13を通って取出室12へ流れ、ポンプPによって吸い出される。
炉本体10内の溶湯YやインゴットKが空気に触れることによって生じる酸化物や、溶湯Yから析出した化合物等(以下、これらを「介在物」ともいう)は、時間をかけて沈むことによって炉本体10の底部に堆積する。本実施形態の場合、中間室13における下側流路14b内と、取出室12の底部とに介在物Aが堆積した状態となっている。この介在物Aは不純物であるため、次工程で製造される鋳造材に混入してしまうと品質低下の原因となる。そのため、取出室12の底部に堆積した介在物Aを吸い出さないようにポンプPは取出室12の上部に配置されている。
溶解される金属がマグネシウム合金である場合、炉本体10内部で溶湯Yは例えば650℃〜700℃程度に加熱される。一方、インゴットKは、例えば150℃〜350℃程度に予熱される。したがって、取入室11にインゴットKが投入されると、その周囲の溶湯Yの温度が低下する。そのため、取入室11においては、支持台42で支持されたインゴットKの回りの低温の溶湯Yと、その下方にある高温の溶湯Yとの間で熱対流が生じ(矢印a参照)、次第に均熱化する。
中間室13には蛇行流路14a,14bが形成されているため、取入室11と取出室12との間には十分に長い間隔が確保されている。したがって、取入室11で生じている熱対流は取出室12には及び難くなっており、中間室13内、特に第1流通口31付近の上側流路14a内で留まるようになる。そのため、下側流路14bの底部や取出室12の底部に堆積した介在物Aが熱対流による溶湯Yの流れによって巻き上がってしまうのを抑制することができる。したがって、ポンプPから吸い出した溶湯Yに介在物Aが混入するのを好適に防止することができ、次工程の鋳造設備において高品質な鋳造材を製造することができる。
また、溶湯Yは、炉本体10内で所定の温度で加熱されているが、金属の種類によっては溶湯Yが低温の状態に保持されると化合物が析出し、それが介在物Aとなって堆積してしまう場合がある。本実施形態では、取入室11の上部側でインゴットKが支持されているので、温度が低下したインゴットKの周りの溶湯Yは積極的に下方に流れ、取入室11内での熱対流が促進される。したがって、取入室11において迅速に溶湯Yを均熱化することができ、溶湯Yの温度が低下することに起因する化合物の析出を好適に防止することができる。
また、取入室11、取出室12、及び中間室13は、炉本体10内に隔壁を設けることによって形成されているので、炉本体10の構造を簡素化し、容易に各室11〜13を形成することができる。また、下側横壁23によって中間室13内に蛇行流路14a,14bを形成しているので、炉本体10内の小さいスペースを利用して可及的に長い流路を形成することができ、取入室11と取出室12との間の距離を長く確保することができる。
なお、本実施形態においては、支持台42を省略し、インゴットKを取入室11内に沈ませるようにしてもよい。この場合であっても、取入室11の下方には上側横壁21が配置されているので、中間室13の底部に溜まった介在物AにインゴットKが直接的に沈み落ちることはなく、当該介在物Aの巻き上げを防止することができる。
また、図1に2点鎖線で示すように、取出室12には、堰部材41を別途設けてもよい。この堰部材41は、底壁10aから上方に延びる下堰部材41Aと、炉本体10の上端から下方に延びる上堰部材41Bとを備え、下堰部材41Aと上堰部材41Bとの間に流通口41Cが形成されている。このような堰部材41を設けることによって、ポンプPから吸い出される溶湯Yに介在物が混入するのをより確実に抑制することができる。
図4には、比較例として、中間室13がなく、取入室11と取出室12との間に前述のような堰部材41が設けられた溶解炉の炉本体101が示されている。また、この炉本体101には、上記実施形態のような支持台42も設けられていない。この比較例においては、取入室11にインゴットKが投入されると、インゴットKの周囲の湯炉の温度が低下することによって生じる熱対流と、インゴットKが炉本体101の底部に沈み落ちるときの衝撃によって、取入室11内の介在物Aが勢いよく巻き上がる。そして、その流れは堰部材41の流通口41Cを通して取出室12にも及び、取出室12内の介在物Aをも巻き上げてしまう。
これに対して、図1に示される第1の実施形態は、蛇行流路14a,14bを備えた中間室13の存在により、図4の比較例に比べて取出室12内における介在物Aの巻き上げを良好に防止することができる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る溶解炉の概略図である。
本実施形態では、炉本体10の内部に、上下方向に延びる前縦壁(第4の隔壁)24と後縦壁(第5の隔壁)25とが設けられている。前縦壁24の上端は炉蓋10dに達しており、前縦壁24の下端は底壁10aの上方に間隔をあけて配置されている。
後縦壁25は、前縦壁24の後方に間隔をあけて配置されている。後縦壁25の下端は底壁10aに達しており、後縦壁25の上端は、炉蓋10dの下方に間隔をあけて配置されている。
本実施形態では、前縦壁24の前側に取入室11が形成され、後縦壁25の後側に取出室12が形成され、取入室11と取出室12との間に中間室13が形成されている。また、前縦壁24の下部側(前縦壁24と底壁10aとの間)には第1流通口31が設けられ、後縦壁25の上部側(後縦壁25と炉蓋10dとの間)には第2流通口32が設けられている。
また、取入室11の内部には、第1の実施形態と同様に、インゴットKを取入室11の上位で支持するための支持台42が設けられている。この支持台42は、例えば、周囲の前壁10bや側壁に取り付けてもよいし、底壁10aに取り付けてもよい。
本実施形態の中間室13は、第1実施形態のように蛇行した流路を備えていないが、取入室11との間の第1流通口31がより低位置に配置され、取出室12との間の第2流通口がより高位置に配置されており、第1流通口31と第2流通口32とが上下にずれた位置に配置されている。
取入室11にインゴットKが投入されると、インゴットKの周りで低温となった溶湯Yが熱対流によって下方に流れ、次第に取入室11全体の温度が中間室13や取出室12の溶湯Yよりも低温になる。そして、取入室11内の溶湯Yは、熱対流により第1流通口31を介して中間室13に流入するが、より高温となる中間室13の上部側へは熱対流によって上昇しなくなる。したがって、熱対流による溶湯Yの流れが取出室12に及ぶことはなく、取出室12内の介在物Aが巻き上げられるのを好適に防止することができる。なお、取入室11内の熱対流(矢印a参照)によって、取入室11の底部に堆積した介在物Aは巻き上がるが(矢印b参照)、上記のように中間室13では熱対流が生じないため、中間室13内における介在物Aの巻き上げは抑制される。
図5には、比較例として、前縦壁24’と後縦壁25’とを第2の実施形態とは上下方向に関して逆の配置にした炉本体102を示している。すなわち、炉本体102の内部において、前縦壁24’の下端が底壁10aに達し、前縦壁24’の上端が、炉蓋10dの下方に間隔をあけて配置されている。また、後縦壁25’の上端は炉蓋10dに達し、後縦壁25’の下端は底壁10aの上方に間隔をあけて配置されている。
このように前後縦壁24’,25’が配置されていると、インゴットKの周りで温度が低下した溶湯Yは、取入室11内を下方に流れると同時に、第1流通口31’を介して中間室13内にも流入し、この中間室13内を下方に流れるように熱対流が生じ、その流れは第2流通口32’を介して取出室12にも及ぶ。そのため、中間室13や取出室12内の底部に堆積した介在物Aが巻き上がり、溶湯YとともにポンプPから吸い出される可能性が高くなる。
これに対して、図2に示される第2の実施形態の場合、比較例と同様に2枚の縦壁24,25を用いているにも関わらず、取入室11内で生じる熱対流を中間室13において留めることができるので、取出室12内の介在物Aの巻き上げを好適に防止することができる。
また、本実施形態では、中間室13内に蛇行した流通路は形成されていないものの、2枚の縦壁24,25の配置を工夫することによって取入室11から取出室12への溶湯Yの流れを好適に抑制することができる。したがって、第1の実施形態と略同様の作用効果を奏した上で炉本体10内を区画する隔壁の数を少なくすることができ、第1の実施形態と比較して炉本体10の構造の簡素化及びコストの低減を図ることができる。
なお、本実施形態においても第1の実施形態で説明したような堰部材41を取出室12内に設けてもよい。
(第3実施形態)
図3は、本発明の第3実施形態に係る溶解炉の概略図である。
本実施形態の溶解炉は、炉本体10を構成する第1室11及び第2室12がそれぞれ独立した炉体10A,10Bとして構成されている。また、中間室13は、取入室11と取出室12とを繋ぐ接続管10Cにより構成されている。中間室13の内部には、複数の隔壁26,27が設けられている。これらの隔壁26,27は、いずれも上下方向に延びており、中間室13の上壁に上端が接続され、下端が底壁の上方に間隔をあけて設けられた隔壁26と、中間室13の底壁に下端が接続され、上端が上壁の下方に間隔をあけて設けられた隔壁27とが前後方向に交互に配置されている。これらの隔壁26,27によって中間室13内には蛇行した流路が形成されている。また、取入室11内には、インゴットKを支持するための支持台42が設けられている。
したがって、本実施形態においては、取入室11内に投入されたインゴットKの周囲で溶湯Yの温度が低下し、下方に流れることによって熱対流(矢印a参照)が生じたとしても、その熱対流は、中間室13内で蛇行する流路によって緩和され、取出室12には及び難くなる。そのため、取出室12における介在物Aの巻き上げを好適に抑制することが可能となる。
なお、接続管10Cは、円管状であってもよいし角管状であってもよい。また、隔壁26,27の数も適宜変更することができる。
本発明に関して、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、本発明の溶解炉を用いて溶解される金属は、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の軽金属(非鉄金属)をはじめ、介在物Aの問題が生じうるあらゆる金属を対象とすることができる。
また、上記各実施形態では、インゴットKを取入室11の上位で支持する支持台(支持部材)41が設けられていたが、これを省略してもよい。この場合、インゴットKが取入室11の底部に沈み落ちるときの衝撃で取入室11内の介在物Aが巻き上がりやすくなるが、中間室13の存在によって取出室12への流れが抑制されるため、取出室12内の介在物Aの巻き上げは好適に防止することができる。
また、支持台42を省略する場合には、取入室11内の溶湯Yを撹拌する撹拌機構(図示省略)を備えることがより好ましい。支持台42がなくインゴットKが取入室11の底部に沈んでしまうと、インゴットKの周りで低温となった溶湯Yは上方に熱対流し難くなるが、撹拌機構によって取入室11内を強制的に撹拌することによって取入室11内の均熱化を好適に図ることができる。もっとも、取入室11内に支持台42を備えている場合であっても、さらに撹拌機構を備えることによってより一層の均熱化を図ることができる。
10 :炉本体
10a :底壁
10b :前壁
10c :後壁
10d :炉蓋
11 :取入室(第1室)
12 :取出室(第2室)
13 :中間室
14a :上側流路(蛇行流路)
14b :下側流路(蛇行流路)
21 :上側横壁(第1の隔壁)
22 :縦壁(第2の隔壁)
23 :下側横壁(第3の隔壁)
24 :前縦壁(第4の隔壁)
24’ :前縦壁
25 :後縦壁(第5の隔壁)
25’ :後縦壁
31 :第1流通口
31’ :第1流通口
32 :第2流通口
32’ :第2流通口
41 :堰部材
41A :下堰部材
41B :上堰部材
41C :流通口
42 :支持台(支持部材)
101 :炉本体
102 :炉本体
A :介在物
K :インゴット(金属塊)
P :ポンプ

Claims (8)

  1. 貯留した溶湯内で金属塊を溶解する炉本体を備えている溶解炉であって、
    前記炉本体は、
    前記金属塊が投入される第1室と、
    次工程へ供給するために溶湯が取り出される第2室と、
    前記第1室と前記第2室との間に設けられ、両室の間の熱対流を抑制する中間室と、
    を備えている、溶解炉。
  2. 前記各室は、前記炉本体の内部を隔壁で区画することによって形成されている、請求項1に記載の溶解炉。
  3. 前記中間室には、溶湯の流れを蛇行させる蛇行流路が形成されている、請求項1又は請求項2に記載の溶解炉。
  4. 前記第1室の下方に、水平方向に延びる第1の隔壁を介して前記中間室が配置され、
    前記第1室及び前記中間室の水平方向側方に、上下方向に延びる第2の隔壁を介して前記第2室が配置され、
    前記第1の隔壁と前記第2の隔壁との間に、前記第1室と前記中間室とを流通させる第1流通口が形成され、
    前記第2の隔壁と前記炉本体の底壁との間に、前記中間室と前記第2室とを流通させる第2流通口が形成され、
    前記中間室内には、前記第1流通口と前記第2流通口との間で溶湯の流れを蛇行させる蛇行流路を形成する、水平方向に延びる第3の隔壁が設けられている、請求項2に記載の溶解炉。
  5. 前記第1室と前記中間室と前記第2室とが水平方向に並べて配置されるとともに、前記第1室と前記中間室との間、及び前記中間室と前記第2室との間にそれぞれ上下方向に延びる第4の隔壁及び第5の隔壁が設けられ、
    前記第4の隔壁の下部側に、前記第1室と前記中間室とを流通する第1流通口が設けられ、
    前記第5の隔壁の上部側に、前記中間室と前記第2室とを流通する第2流通口が設けられている、請求項2に記載の溶解炉。
  6. 前記炉本体が、前記第1室を構成する第1の炉体と、前記第2室を構成する第2の炉体と、前記中間室を構成し、かつ前記第1の炉体と前記第2の炉体とを接続する接続管とを備え、前記接続管内に、溶湯の流れを蛇行させる蛇行流路が形成されている、請求項1に記載の溶解炉。
  7. 前記第1室内の上位で金属塊を支持する支持部材が設けられている、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の溶解炉。
  8. 前記第1室内で溶湯を撹拌する撹拌機構が設けられている、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の溶解炉。
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