JP2015224473A - 粉塵飛散防止装置及び粉塵飛散防止方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1包囲体10は、構造物に対する作業の対象部位4に接する作業空間を包囲する。第1包囲体10は、第1開口部11と、第2開口部12と、対象部位4を作業空間に露出させる第3開口部13とを有する。作業者の手を作業空間に挿し入れるための手袋30が、第1開口部11を塞ぐように設けられる。作業空間で発生した粉塵を収容するための袋31が、第2開口部12を塞ぐように設けられる。袋31は、第2開口部12から取り外し自在である。
【選択図】図1
Description
そこで、本発明は、粉塵が発生する作業を行う場合に、粉塵を飛散させずに容易に処理することのできる技術を提供する。
上記の構成において、前記第1包囲体の重心よりも前記対象部位から遠い位置で前記第1包囲体を下方から支持する支柱を備えていてもよい。
上記の構成において、前記対象部位を含む部材の裏側における前記対象部位に対応する部位を包囲する第2包囲体を備えていてもよい。
上記の構成において、前記作業空間を陰圧に保つ陰圧保持手段を備えていてもよい。
また、本発明は、構造物に対する作業の対象部位に接する作業空間を包囲し、第1開口部と、第2開口部と、前記対象部位を前記作業空間に露出させる第3開口部とを有する第1包囲体と、前記第1開口部を塞ぐように設けられた、作業者の手を前記作業空間に挿し入れるための手袋と、前記第2開口部を塞ぐように設けられた、前記第2開口部から取り外し自在な袋とを備えた粉塵飛散防止装置を設置する第1ステップと、前記作業空間における前記対象部位に対する作業によって発生した粉塵を前記袋に収容する第2ステップと、前記粉塵が収容された前記袋を前記第2開口部から取り外して密封する第3ステップと、前記粉塵飛散防止装置を撤去する第4ステップとを有する粉塵飛散防止方法を提供する。
最初に、作業者が、吹き付け面3において石綿除去の対象部位4を確認し、対象部位4の輪郭をマーキングする。図4は、吹き付け面3を示す図であり、(a)が断面図、(b)が正面図である。次に、作業者は、吹き付け面3に霧吹きで粉塵飛散抑制剤を噴霧し、吹き付け面3の包囲体10が接触する部位に耐火パテ40を塗布する。図5は、耐火パテ40が塗布された吹き付け面3を示す図であり、(a)が断面図、(b)が正面図である。包囲体10の第1開口部11には、予め手袋30が設けられている。作業者は、石綿除去に使用する資材(スクレーパなどの工具、粉塵飛散抑制剤又は防止剤の入った霧吹き、ウェスなど)を包囲体10に収容し、第3開口部13を吹き付け面3に対向させ、耐火パテ40を塗布した部位に包囲体10が接触するように位置決めして粉塵飛散防止装置1を設置する。すると、吹き付け面3の凹凸と包囲体10との隙間が、耐火パテ40によって埋められる。次に、作業者は、包囲体10の第2開口部12に袋31を装着し、第4開口部14にホース33を接続し、真空掃除機34を作動させて作業空間を陰圧に保つ。
次に、作業者は、第1開口部11に設けられた手袋30に手を挿し入れ、包囲体10に収容しておいた工具を用いて、対象部位4の石綿を除去する。この作業により、石綿の塊や粉塵が包囲体10の底面に落下する。対象部位4の石綿の除去が完了したならば、作業者は、底面に堆積した石綿を第2開口部12に掻き集め、袋31に収容する。次に、作業者は、対象部位4の外側の石綿に粉塵飛散抑制剤又は防止剤を噴霧し、工具などの表面に付着した粉塵をウェスで拭き取り、使用済みのウェスを袋31に収容する。除去された石綿、除去作業によって発生した粉塵、使用済みのウェスは、すべて廃棄物として取り扱われる。
次に、作業者は、手袋30から手を引き抜き、廃棄物の収容された袋31を第2開口部12から取り外し、袋31の口を結束バンドなどで密封する。作業者は、密封された袋31をこの袋31よりも大きな袋に収容して二重に密封する。密封された廃棄物は、定められた処理施設に搬送され、処理される。
第2開口部12を開放したまま、数分間、真空掃除機34を作動させ続けることにより、作業空間の換気を行う。最後に、作業者は、真空掃除機34を停止させ、粉塵飛散防止剤を噴霧した後に、すべての資機材を撤去する。
以上が、本実施形態の作業手順である。
上記の実施形態を次のように変形してもよい。また、複数の変形例を組み合わせもよい。
<第1変形例>
図6は、第1変形例を示す斜視図である(支持体は、図示省略)。図7は、第1変形例を示す平面図である。この例は、石綿除去の対象部位4が壁の隅角部である例であり、包囲体10Aの互いに隣接する2つの側面にそれぞれ第1開口部11及び手袋30が設けられている。第3開口部13は、対象部位4に接する包囲体10Aの複数の側面にまたがって形成されている。このように、本発明は、対象部位4に対応する形状及び寸法の包囲体を作製することにより、隅角部、段差のある壁、曲面を有する壁、柱など、あらゆる形状の対象部位に対して適用され得る。
図8は、第2変形例を示す斜視図である(支持体は、図示省略)。図9は、第2変形例を示す平面図である。この例は、対象部位4の水平方向の幅が上記実施形態の例よりも広い例であり、上記実施形態よりも水平方向の幅が広い包囲体10Bを設置した例である。また、包囲体10Bの中央部15は、板材ではなく、シート状の素材(例えば、ポリエチレン等のシート)で構成されており、さらに、その部分に第1開口部11及び手袋30が増設されている。
また、板材を用いずに、骨組みとシートによって包囲体10が構成されていてもよい。要するに、作業空間を陰圧に保持した場合に包囲体10の元の形状が概ね保たれて作業空間が確保される構造であればよい。
また、対象部位4が部分的に包囲体10の外側にはみ出している場合、はみ出した部分よりも大きな寸法のシートを用意し、当該部分をシートで覆うとともに、シートの縁部を包囲体10及び壁2に粘着テープ等で固定する。この構成によれば、対象部位4が部分的に包囲体10の外側にはみ出している場合でも、粉塵を飛散させることなく、石綿を除去することができる。
図10は、第3変形例を示す図である。この例では、壁2の両面に石綿の吹き付け面3が設けられている。この壁2に穴を貫通させる工事を行う場合、上記実施形態で示した構成では、壁2の裏側に石綿が飛散するおそれがある。このような事態を防ぐために、本変形例では、上記実施形態で示した包囲体10(第1包囲体)に加えて、第2包囲体50を備える(第2包囲体50を支持する支持体は、図示省略)。第2包囲体50は、対象部位4を含む壁2の裏側における対象部位4に対応する部位を包含する寸法の開口部51を有し、当該部位を包囲する。この構成によれば、対象部位4の裏側の空間に粉塵が飛散することを防ぐことができる。また、壁2の両面に石綿の吹き付け面3が設けられている場合、壁2に穴を貫通させない工事であっても、振動などによって壁2の裏側の石綿が飛散するおそれがあるから、壁2に穴を貫通させない工事に第3変形例を適用してもよい。
上記実施形態で示した支持体20は、必須ではない。例えば、支柱22だけで支持体を構成してもよいし、ロープなどで包囲体10を上方から吊り下げることによって支持する構成でもよい。あるいは、包囲体10を人力で構造物に押し付けて、石綿除去を行うようにしてもよい。要するに、包囲体10が構造物から離れないように安定的に支持されていれば、いかなる形態で包囲体10を支持してもよい。第3変形例における第2包囲体50についても同様である。
第2開口部12と袋31は、包囲体10の底面以外の位置に設けられてもよい。例えば、対象部位4の下方に障害物がある場合には、側面に第2開口部12を設けた包囲体を作製し、この第2開口部12に袋31を取り付けてもよい。
上記実施形態では、石綿などの耐火・断熱材を局所的に除去する作業に本発明を適用した例を示したが、石綿や耐火・断熱材はあくまでも一例であり、部材の除去に伴って粉塵が発生し得る作業であれば、いかなる作業に本発明を適用してもよい。また、有害な物質を含有した部材の封じ込めや囲い込みの作業に本発明を適用してもよい。また、塗料や薬剤など、飛散を防ぐ必要のある物質の塗布や噴霧の作業に本発明を適用してもよい。要するに、粉塵が発生する作業であれば、いかなる作業に本発明を適用してもよい。
Claims (5)
- 構造物に対する作業の対象部位に接する作業空間を包囲し、第1開口部と、第2開口部と、前記対象部位を前記作業空間に露出させる第3開口部とを有する第1包囲体と、
前記第1開口部を塞ぐように設けられた、作業者の手を前記作業空間に挿し入れるための手袋と、
前記第2開口部を塞ぐように設けられた、前記第2開口部から取り外し自在な袋と
を備えた粉塵飛散防止装置。 - 前記第1包囲体の重心よりも前記対象部位から遠い位置で前記第1包囲体を下方から支持する支柱を備えた請求項1に記載の粉塵飛散防止装置。
- 前記対象部位を含む部材の裏側における前記対象部位に対応する部位を包囲する第2包囲体を備えた請求項1又は2に記載の粉塵飛散防止装置。
- 前記作業空間を陰圧に保つ陰圧保持手段を備えた請求項1乃至3のいずれか1項に記載の粉塵飛散防止装置。
- 構造物に対する作業の対象部位に接する作業空間を包囲し、第1開口部と、第2開口部と、前記対象部位を前記作業空間に露出させる第3開口部とを有する第1包囲体と、前記第1開口部を塞ぐように設けられた、作業者の手を前記作業空間に挿し入れるための手袋と、前記第2開口部を塞ぐように設けられた、前記第2開口部から取り外し自在な袋とを備えた粉塵飛散防止装置を設置する第1ステップと、
前記作業空間における前記対象部位に対する作業によって発生した粉塵を前記袋に収容する第2ステップと、
前記粉塵が収容された前記袋を前記第2開口部から取り外して密封する第3ステップと、
前記粉塵飛散防止装置を撤去する第4ステップと
を有する粉塵飛散防止方法。
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