JP2015224264A - 樹脂添加用の複合粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 hーBNを含む複合粒子を樹脂に添加し混合する時やその後の成形時において複合粒子が崩壊したり複合粒子からh−BNの一次粒子が脱落することを防止又は減少することができる複合粒子を提供する。
【解決手段】樹脂添加用の複合粒子であって、hーBNの複数の一次粒子が互いに焼結して形成された二次粒子と、該一次粒子の表面の少なくとも一部と焼結し、該二次粒子を形成する該一次粒子同士を互いに結合する、無機物により形成されたバインダー相と、を備えてなる、複合粒子である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂添加用の複合粒子に関し、より詳細には、六方晶窒化ホウ素(以下、「h−BN」と言うこともある)を含む複合粒子であり、この複合粒子を樹脂材料に添加することで該複合粒子と該樹脂材料とが混合された複合材の熱伝導性を向上させることができる複合粒子に関する。
樹脂材料は、成形加工が容易で安定した品質のものが多数供給されていることから種々の分野に広く用いられてきた。しかしながら、用いられる用途や目的等によっては、高い熱伝導性を要求される場合がある。例えば、動作に伴い発熱する半導体の保護材や保持材として樹脂材料を用いる場合、樹脂材料の熱伝導性が低いと半導体自身の発熱によって半導体の温度が上昇し(発熱量に比して放熱量が小さく蓄熱する)、該半導体の性能が低下したり、場合によっては該半導体の破損を引き起こすこともあり得る。このため半導体から十分に放熱を促すため、半導体の保護材や保持材として用いる樹脂材料は熱伝導性が高いものを要求されることが多く、半導体の高集積化や高速化が著しい今日では、その傾向が顕著になってきている。
かかる高熱伝導性の樹脂材料への要求に応じ、h−BNを含む複合粒子を樹脂材料に添加することで、該複合粒子と該樹脂材料とが混合された複合材の熱伝導性を向上させる(該複合材の熱伝導性を該樹脂材料の熱伝導性よりも向上させる)試みが行われてきた(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、『窒化ホウ素、特に六方晶窒化ホウ素は、熱伝導材、潤滑材等としての使用に適した特性を備えている。六方晶窒化ホウ素は、黒鉛に似た層構造を有し、平板状の微粒子として市販されている。平板状の微粒子は、樹脂その他のマトリックス材料に配合されると、主面が互いに平行となるように揃う(言い換えると「配向」する)傾向がある。六方晶窒化ホウ素の厚み方向(c軸方向)についての熱伝導率は、その面内方向(a軸方向)についての熱伝導率の50分の1程度に止まる。このような特性と上述した配向傾向とが相俟って、窒化ホウ素微粒子を熱伝導性フィラーとして添加した樹脂シート、樹脂フィルム等の板状成形体は、熱拡散が要求される方向がその厚み方向であることが多いにもかかわらず、厚み方向については期待された程度に熱伝導特性を発揮できていないのが現状である。窒化ホウ素微粒子の配向に伴う熱伝導特性の異方性の解消に寄与する複合粒子が提案されている。この複合粒子は、コアとなる母材粒子の表面に窒化ホウ素微粒子を付着または析出させたものである(例えば特許文献1)。窒化ホウ素微粒子を母材粒子の表面に担持させた状態で配合すれば、窒化ホウ素微粒子を配向させることなくマトリックス材料に添加することが可能となる。しかし、従来の複合粒子には、マトリックス材料への配合の際、あるいは配合されたマトリックス材料の成形の際に加わることがある強い応力を受けると、窒化ホウ素微粒子が複合粒子から脱落しやすいという問題があった。母材粒子から脱落した窒化ホウ素微粒子は、再び配向しやすい平板状の微粒子となってマトリックス材料中に存在することになる。そこで、本発明の目的は、窒化ホウ素微粒子の複合粒子を改良することにより、特性が改善された新たな熱伝導性フィラーを提供すること』(特許文献1の段落番号0002〜0006)を目的としてなされたものを開示している。
特許文献1開示の発明は、具体的には、『複合粒子を含む熱伝導性フィラーであって、前記複合粒子が、平板状の窒化ホウ素微粒子と、前記窒化ホウ素微粒子を互いに結合して一体化するバインダーとを有し、前記窒化ホウ素微粒子および前記バインダーにより構成されている中実のコア部を備え、前記コア部において前記窒化ホウ素微粒子が非配向状態で含まれており、前記バインダーが実質的に無機物により構成されている、熱伝導性フィラー。ここで、非配向状態とは、前記コア部の断面を観察したときに、前記窒化ホウ素微粒子のそれぞれについて、当該微粒子の最長辺と当該微粒子を除く残余の微粒子の過半の最長辺とが互いに異なる方向に沿って伸びている状態をいう。』(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1)ものであり、それによれば、『本発明では複合粒子のコア部に窒化ホウ素微粒子が含まれている。コア部に配置された窒化ホウ素微粒子は、表面に付着した窒化ホウ素微粒子よりも脱落しにくい。また、このコア部は中実の構造を有するため、外部からの応力に対する耐性に優れている。しかも、複合粒子のバインダーは実質的に無機物により構成されているため、有機物からなるバインダーを用いた場合と比較して、応力に対する耐性のみならず、例えばマトリックス材料である樹脂を成形する際に加えられ、あるいは応力印加に伴って発生することが多い熱に対する耐性にも優れている。そして、このコア部において窒化ホウ素微粒子は非配向状態で含まれている。したがって、本発明によれば、マトリックス材料に添加される際に、あるいは添加された後に加えられる、応力または熱を受けても窒化ホウ素微粒子が脱落しにくく、それ故、窒化ホウ素微粒子の非配向状態を維持したままマトリックス材料に分散させる上で有利である熱伝導性フィラーが提供される。』(特許文献1の段落番号0008)というものである。
また、本願発明者は、以前からh−BNに関し種々研究を行い特許出願をなしてきた(特許文献2〜特許文献6)。
特開2013−136658号公報(例えば、要約、発明の詳細な説明中の段落番号0002〜0008、第1図、第2図等) 特開2014−28749号公報 特開2012−176910号公報 特開2011−98882号公報 特開2007−308360号公報 特開2006−240940号公報
特許文献1に開示の熱伝導性フィラーに含まれる複合粒子は、平板状の窒化ホウ素微粒子と、前記窒化ホウ素微粒子を互いに結合して一体化するバインダーとを有し、前記窒化ホウ素微粒子および前記バインダーにより構成されている中実のコア部を備え、前記コア部において前記窒化ホウ素微粒子が非配向状態で含まれており、前記バインダーが実質的に無機物により構成されているものである。しかしながら、かかる複合粒子を樹脂に添加し混合する時やその後の成形時において該複合粒子が崩壊したり該複合粒子からh−BNの一次粒子が脱落することで、該複合粒子を樹脂に添加した複合材において、脱落した一次粒子が配向し該複合材が異方性を呈する問題があった。
そこで、本発明では、複合粒子を樹脂に添加し混合する時やその後の成形時において複合粒子が崩壊したり複合粒子からh−BNの一次粒子が脱落することを防止又は減少することができるh−BNを含む複合粒子を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を行った。その結果、本発明者は、h−BNとそれを結合するバインダー相とを含む複合粒子であり、該hーBNが複数の一次粒子を焼結させた二次粒子として存在し、バインダー相が無機物により形成されると共に該二次粒子を形成する該一次粒子の表面にバインダー相が焼結することで該一次粒子同士を互いに結合することで、複合粒子を樹脂に添加し混合する時やその後の成形時において複合粒子が崩壊したり複合粒子からh−BNの一次粒子が脱落することを顕著に防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の複合粒子(以下、「本複合粒子」という。)は、樹脂添加用の複合粒子であって、hーBNの複数の一次粒子が互いに焼結して形成された二次粒子と、該一次粒子の表面の少なくとも一部と焼結し、該二次粒子を形成する該一次粒子同士を互いに結合する、無機物により形成されたバインダー相と、
を備えてなる、複合粒子である。
本複合粒子には、以下(1)〜(4)の態様が含まれる。
(1)前記複合粒子の嵩密度が0.3〜1.9g/cmである、上記複合粒子。
(2)前記複合粒子の圧壊強度が5MPa以上である、上記複合粒子。
(3)前記複合粒子の比表面積が50m/g以下である、上記複合粒子。
(4)前記複合粒子が水と接触した際の水への硼素の溶解量w(g)の、前記複合粒子の質量W(g)に対する割合(w/W)が5000ppm以下である、上記複合粒子。
また、本発明は、本複合粒子の製造方法(以下、「本製造方法」という。)を提供する。
即ち、本製造方法は、本複合粒子の製造方法であって、h−BNと、焼結することで前記バインダー相を形成するバインダー原料と、が混合された焼成原料を準備する焼成原料準備ステップと、焼成原料準備ステップにより準備された焼成原料を焼成し、バインダー原料自体を焼結させると共にバインダー原料とh−BNとを焼結させる焼結ステップと、を含んでなる、製造方法である。
本製造方法には、以下(a)〜(f)の態様が含まれる。
(a)前記バインダー原料が、焼成によりガラス相を生じるものである、上記製造方法。
(b)前記焼成原料中のh−BNが一次粒子が焼結して形成された二次粒子を含んでなり、焼結ステップが、バインダー原料は焼結するが、hーBNは焼結しない温度で焼成原料を焼結するものである、上記製造方法。
(c)前記焼成原料中のh−BNが一次粒子を含んでなり、焼結ステップが、バインダー原料が焼結すると共にh−BN同士も焼結する温度で焼成原料を焼結するものである、上記製造方法。
(d)前記焼成原料中のh−BNが、比表面積5〜70m/gであると共に含有酸素量が0.5〜5.0重量%である、上記(c)の製造方法。
(e)焼成原料準備ステップが、h−BNとバインダー原料とが液相にて混合されたスラリー液を調製するスラリー調製ステップと、スラリー調製ステップにより調製された該スラリー液を乾燥し所定形状の前記焼成原料を調製する乾燥ステップと、を含んでなる、上記製造方法。
(f)焼結ステップにおいて得られた焼結物を粉砕し粉砕物とする粉砕ステップと、粉砕ステップにおいて得られた該粉砕物を分級して分級物とする分級ステップと、を備えてなるものである、上記製造方法。
さらに、本発明は、本製造方法により製造され得る複合粒子を提供する。
そして、本発明は、本複合粒子を含んでなる樹脂添加材を提供する。
加えて、本発明は、本複合粒子を含んでなる樹脂組成物を提供する。
実施例1における実験操作を示すフローチャートである。 実施例2における実験操作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。しかしながら、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。
本発明の複合粒子(本複合粒子)は、樹脂添加用の複合粒子であって、hーBNの複数の一次粒子が互いに焼結して形成された二次粒子と、該一次粒子の表面の少なくとも一部と焼結し、該二次粒子を形成する該一次粒子同士を互いに結合する、無機物により形成されたバインダー相と、を備えてなる、複合粒子である。
かかる本複合粒子によれば、本複合粒子中ではh−BNの一次粒子同士が互いに焼結されると共にバインダー相と該一次粒子とが焼結することにより本複合粒子中で該一次粒子が結合され(一次粒子同士間も焼結されると共に一次粒子とバインダー相とも焼結されるので本複合粒子中では一次粒子が強固に結合固定される。)、本複合粒子中に一次粒子が確実かつ強固に保持される。このため本複合粒子を樹脂に添加し混合する時やその後の成形時において本複合粒子から一次粒子が脱落することを顕著に防止又は減少させることができる。かかるh−BNの一次粒子の脱落の防止や減少により、脱落した一次粒子が配向し、本複合粒子と樹脂とを混合した複合材が異方性を呈することを防止又は減少させることができる。加えてh−BNの一次粒子同士が互いに焼結されているので、一次粒子間での伝熱が促進され、本複合粒子を樹脂に混合した際の複合材の伝熱性を向上させ、複合材を高伝熱性とし該複合材により形成された物に高放熱性を付与することができる。バインダー相としては、一次粒子の表面と焼結し、二次粒子を形成する該一次粒子同士を互いに結合することができるものを用いることができるが、例えば、ケイ酸塩ガラス、ソーダライムガラス、石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、カルシア・アルミナシリケートガラス等のような高温で溶融してガラスとなる組成のh−BNの剥離を防止する効果のある無機バインダーを挙げることができる。また、バインダー相が無機物により形成されたとは、バインダー相が実質的に無機物により構成されていることをいい、1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、の無機物以外のものを含むものも包含する概念である(無論、無機物以外のものが0重量%であってもよい)。例えば、バインダー相が1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下の有機物を含む場合も許容するものである。なお、本複合粒子中のバインダー相の割合(本複合粒子の質量をQ1とし、そのQ1の本複合粒子に含まれるバインダー相の質量をQ2としたときの(Q2/Q1)をいう。)は、あまり高いと本複合粒子の熱伝導性が低くなるという問題(複合材の熱伝導性が低くなる)があり、逆にあまり低いと本複合粒子から一次粒子が脱落することを防止又は減少させる効果が小さくなるので、これらを両立する範囲としてもよく、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.02以上であり、最も好ましくは0.05以上であり、そして好ましくは0.7以下であり、より好ましくは0.6以下であり、最も好ましくは0.5以下である(好ましくは0.01〜0.7、より好ましくは0.02〜0.6、最も好ましくは0.05〜0.5)。
また、本複合粒子は、それが樹脂材料に添加された際に調製される複合材に問題を生じないh−BN及びバインダー相以外の成分(例えば、樹脂材料に本複合粒子が添加された際、両者の密着性を向上させると共に熱伝導率の低下の原因となるボイドの生成を低減させるためのコーティング物(本複合粒子の表面を被覆することで樹脂材料と本複合粒子との密着性を向上させる))が含まれてもよいし、本複合粒子は実質的にh−BN及びバインダー相のみからなるものであってもよい。
そして、本複合粒子の粒径は、株式会社堀場製作所製の粒子分布測定装置LA-920により測定した値をいうが、この粒径があまり大きいと樹脂に添加することが困難となったり、添加して形成された複合材の強度が低下する問題が生じ、逆にあまり小さいと本複合粒子を樹脂材料に添加した際の放熱性を向上させる効果が低下する問題が生じるので、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、最も好ましくは1.0μm以上であり、そして好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、最も好ましくは150μm以下である(好ましくは0.1μm〜500μm、より好ましくは0.5μm〜300μm、最も好ましくは1.0μm〜150μm)。
本複合粒子においては、本複合粒子の嵩密度が0.3〜1.9g/cmであってもよい。
ここにいう「本複合粒子の嵩密度」は、JIS R1628(1997)のファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法に従って測定された値をいう。
本複合粒子の嵩密度は、あまり低いと本複合粒子を樹脂に混合(充填)したときの混合割合を十分高くできないという問題があり、あまり高いとバインダー相の割合が多いことから(嵩密度が高いことは本複合粒子中のバインダー相の割合が高いことを意味する)本複合粒子の熱伝導性が低くなるという問題(複合材の熱伝導性が低くなる)があるので、これらを両立する範囲としてもよく、好ましくは0.3g/cm以上であり、より好ましくは0.5g/cm以上であり、最も好ましくは0.7g/cm以上であり、そして好ましくは1.9g/cm以下であり、より好ましくは1.7g/cm以下であり、最も好ましくは1.5g/cm以下である(好ましくは0.3〜1.9g/cm、より好ましくは0.5〜1.7g/cm、最も好ましくは0.7〜1.5g/cm)。
また、本複合粒子の嵩密度を増加させるには、本複合粒子中のバインダー相の割合を増加させればよく、減少させるには該割合を減少させればよい。
本複合粒子においては、本複合粒子の圧壊強度が5MPa以上であってもよい。
ここにいう「本複合粒子の圧壊強度」は、島津製作所株式会社製の圧壊試験機「MCTM-500」を用いて、任意に選んだ20個の本複合粒子の圧壊強度を測定し、その20個の平均値(算術平均)をいう。
本複合粒子の圧壊強度は、あまり低いと本複合粒子を樹脂に添加し混合する時やその後の成形時において本複合粒子が崩れやすいという問題(本複合粒子が崩れると、それに含まれていたh−BNが脱落し、本複合粒子と樹脂とを混合した複合材の内部において脱落したh−BNが配向することで複合材が異方性を呈する問題を生じる。)があり、あまり高いとバインダー相の割合が多いことから(圧壊強度が高いことは本複合粒子中のバインダー相の割合が高いことを意味する)本複合粒子の熱伝導性が低くなるという問題(複合材の熱伝導性が低くなる)があるので、これらを両立する範囲としてもよく、好ましくは5MPa以上であり、より好ましくは7MPa以上であり、最も好ましくは10MPa以上であり、そして好ましくは100MPa以下であり、より好ましくは80MPa以下であり、最も好ましくは50MPa以下である(好ましくは5〜100MPa、より好ましくは7〜80MPa、最も好ましくは10〜50MPa)。
本複合粒子の圧壊強度を増加させるには本複合粒子中のバインダー相の割合を増加させればよく、減少させるには該割合を減少させればよい。
本複合粒子においては、本複合粒子の比表面積が50m/g以下であってもよい。
ここにいう「本複合粒子の比表面積」は、JISZ8830(2013)ガス吸着による粉体の比表面積測定法に準じて測定したものをいう。
本複合粒子の比表面積は、あまり小さいとバインダー相の割合が多いことから(該比表面積が小さいことは本複合粒子中のバインダー相の割合が高いことを意味する)本複合粒子の熱伝導性が低くなるという問題(複合材の熱伝導性が低くなる)があり、あまり大きいと樹脂と混合した時や成形時において表面から一次粒子が脱落することを防止又は減少させる効果が小さくなる問題があるので(本複合粒子が球状に近く比表面積が小さいことで、樹脂と混合した時や成形時において表面における劣化を少なくして特性変化を防止又は減少し品質を安定させることができる。)、これらを両立する範囲としてもよく、好ましくは0.1m/g以上であり、より好ましくは0.5m/g以上であり、最も好ましくは1m/g以上であり、そして好ましくは50m/g以下であり、より好ましくは30m/g以下であり、最も好ましくは15m/g以下である(好ましくは0.1〜50m/g、より好ましくは0.5〜30m/g、最も好ましくは1〜15m/g)。
本複合粒子の比表面積を増加させるには本複合粒子中のバインダー相の割合を減少させればよく、減少させるには該割合を増加させればよい。
本複合粒子においては、本複合粒子が水と接触した際の水への硼素の溶解量w(g)の、前記複合粒子の質量W(g)に対する割合(w/W)が5000ppm以下であってもよい。
該割合(w/W)の測定は、溶解量w(g)を「医薬部外品原料規格2006」に基づき測定(具体的な操作は後で詳述する)し、その測定したw(g)をその測定に用いた本複合粒子の質量W(g)によって除する。
該割合(w/W)は、あまり大きいと、本複合粒子を樹脂に添加した複合材が吸水(複合材の絶縁性低下の原因となる)することによる経時変化が大きくなる問題があるので、好ましくは5000ppm以下であり、より好ましくは3000ppm以下であり、最も好ましくは1000ppm以下である(なお、該割合(w/W)の加減は特にないが、通常は50ppm以上である。)。
該割合(w/W)を減少させるには、バインダー相中の酸化硼素の含有量を減らせばよい。
本複合粒子の製造方法(本製造方法)は、本複合粒子の製造方法であって、h−BNと、焼結することで前記バインダー相を形成するバインダー原料と、が混合された焼成原料を準備する焼成原料準備ステップと、焼成原料準備ステップにより準備された焼成原料を焼成し、バインダー原料自体を焼結させると共にバインダー原料とh−BNとを焼結させる焼結ステップと、を含んでなる、製造方法である。
本製造方法は焼成原料準備ステップと焼結ステップとを含んでなる。
焼成原料準備ステップにおいては焼成原料を準備する。焼成原料はh−BNとバインダー原料とが混合されたものであり、バインダー原料は焼結により本複合粒子の前記バインダー相を形成することができるものを用いることができ、例えば、ケイ酸塩ガラス、ソーダライムガラス、石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、カルシア・アルミナシリケートガラス等のような高温で溶融してガラスとなる組成のh−BNの剥離を防止する効果のある無機バインダーを用いることができる。また、焼成原料中のh−BNとしては、一次粒子として含まれていても、また一次粒子が焼結して形成された二次粒子として含まれていても、そして一次粒子と二次粒子とが混合して含まれていてもよい。本複合粒子中のバインダー相の割合が高いと本複合粒子の熱伝導性が低くなり(複合材の熱伝導性が低くなる)、該割合が低いと本複合粒子の熱伝導性が高くなるので(複合材の熱伝導性が高くなる)、主として本複合粒子に要求される熱伝導性を考慮して焼成原料を構成するh−BNとバインダー原料との比率を決定することができる。
焼結ステップにおいては、焼成原料準備ステップにより準備された焼成原料を焼成することで、焼成原料に含まれているバインダー原料自体を焼結させると共にバインダー原料とh−BNとを焼結させる。このため焼結ステップでは、焼成原料に含まれるh−BNが一次粒子であれば一次粒子を二次粒子に焼結させる条件(通常、焼結温度1400〜2200℃)とする必要があるが、焼成原料に含まれるh−BNが二次粒子であればバインダー原料自体を焼結させると共にバインダー原料とh−BNとを焼結させることができる条件(通常、焼結温度800〜1400℃)であればよい(通常、h−BNの一次粒子を二次粒子に焼結させる温度は、バインダー原料自体を焼結させると共にバインダー原料とh−BNとを焼結させる温度よりも高い。)。
このような本製造方法によれば、h−BNとバインダー原料とが混合された焼成原料を焼成する焼結ステップにより、バインダー原料自体の焼結と、バインダー原料とh−BNとの焼結と、を一緒に実施することができ、本複合粒子を容易かつ効率的に製造することができる。
本製造方法においては、前記バインダー原料が、焼成によりガラス相を生じるものであってもよい。
このように焼結ステップにおいてバインダー原料がガラス相を生じることで、焼結により放出された導電性の不純物がガラス相に包含され固定されることで、本複合粒子と樹脂とを混合した複合材において樹脂と本複合粒子との界面における電気絶縁性の低下や絶縁破壊の危険性を低減することができる(該界面に導電性の不純物が遊離状態で存すると、電気絶縁性の低下や絶縁破壊の原因となる。)。
本製造方法においては、前記焼成原料中のh−BNが一次粒子が焼結して形成された二次粒子を含んでなり、焼結ステップが、バインダー原料は焼結するが、hーBNは焼結しない温度で焼成原料を焼結するものであってもよい。
このように焼成原料中のh−BNが二次粒子であれば、焼結ステップにおいてはバインダー原料が焼結する程度の温度で焼結することで、バインダー原料自体を焼結させると共にバインダー原料とh−BNとを焼結させることができる(通常、バインダー原料を焼結させる温度は、h−BNの一次粒子を二次粒子に焼結させるための温度よりも低いので、焼結ステップを低温で容易に行うことができる。)。
なお、かかる場合の焼成原料中のh−BNのうち二次粒子の割合(h−BNの二次粒子の質量/h−BN全体の質量)は、本複合粒子と樹脂とを混合した複合材における遊離の一次粒子(本複合粒子から脱落しやすい)を減少させることができるので高い方が好ましく、該割合(h−BNの二次粒子の質量/h−BN全体の質量)は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは60%以上であり、最も好ましくは70%以上である(上限は、無論、100%である)。
そして、焼結ステップの焼結温度は、バインダー原料は焼結するが、hーBNは焼結しない温度とされればよいが、通常800℃〜1400℃である。
本製造方法においては、前記焼成原料中のh−BNが一次粒子を含んでなり、焼結ステップが、バインダー原料が焼結すると共にh−BN同士も焼結する温度で焼成原料を焼結するもの(以下、「一次粒子使用本製造方法」という。)であってもよい。
こうすることで焼結ステップにおいて、バインダー原料の焼結、h−BN同士の焼結、そしてバインダー原料とh−BNとの焼結を生じるので、本複合粒子を構成するh−BN同士の結合、バインダー相の結合そしてバインダー相とh−BNとの結合を強固にすることで、本複合粒子からh−BNの一次粒子の脱落を効果的に防止や減少させることができる。
なお、かかる場合の焼成原料中のh−BNのうち一次粒子の割合(h−BNの一次粒子の質量/h−BN全体の質量)は、一次粒子同士を強固に焼結させることからは高い方が好ましく、該割合(h−BNの一次粒子の質量/h−BN全体の質量)は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは60%以上であり、最も好ましくは70%以上である(上限は、無論、100%である)。
そして、焼結ステップの焼結温度は、バインダー原料が焼結すると共にh−BN同士も焼結する温度とされればよいが、通常1400℃〜2200℃である。
一次粒子使用本製造方法の場合、前記焼成原料中のh−BNが、比表面積5〜70m/gであると共に含有酸素量が0.5〜5.0重量%であってもよい。
こうすることで一次粒子使用本製造方法により製造される本複合粒子において、h−BNの配向性(複合材の異方性を引き起こす)を低くすると共に、一次粒子同士の結合力を高めることができる(本複合粒子から一次粒子が脱落することを顕著に防止又は減少させることができ、本複合粒子と樹脂とを混合した複合材が異方性を呈することを防止又は減少させることができると共に一次粒子間での伝熱が促進され複合材の伝熱性を向上させることができる。)。
なお、ここにいう比表面積は、JISZ8830(2013)ガス吸着による粉体の比表面積測定法に準じて測定するものをいう。そして、含有酸素量は、LECOジャパン合同会社製の酸素・窒素・水素分析装置(型番:ONH836)により測定した酸素量(少量のサンプルをスズ−ニッケルのカプセルに入れて封入した後に黒鉛坩堝にセットして標準測定方法にて酸素量を測定する。)をいう。
なお、比表面積は好ましくは20〜50m/gであり、含有酸素量は好ましくは1〜4重量%である。
本製造方法においては、焼成原料準備ステップが、h−BNとバインダー原料とが液相にて混合されたスラリー液を調製するスラリー調製ステップと、スラリー調製ステップにより調製された該スラリー液を乾燥し所定形状の前記焼成原料を調製する乾燥ステップと、を含んでなるものであってもよい。
こうすることでスラリー調製ステップにおいてh−BNとバインダー原料とを液相にて混合しスラリー液とするので均一に混合しやすく、乾燥ステップにおいてスラリー液を乾燥し所定形状(例えば、粒状や粉状)の前記焼成原料を調製する際の該焼成原料のばらつきを小さくすることができるので、本複合粒子それぞれの品質や特性等のばらつきを小さくすることができる。
本製造方法においては、焼結ステップにおいて得られた焼結物を粉砕し粉砕物とする粉砕ステップと、粉砕ステップにおいて得られた該粉砕物を分級して分級物とする分級ステップと、を備えてなるものであってもよい。
焼結ステップでは、焼結により焼成原料の全体が大きな塊としての焼結物を形成することが多いので、そのままでは樹脂に添加することが難しい場合が多い。このため焼成ステップにより形成された塊状を呈した焼結物を粉砕ステップにて粉砕物に粉砕し、その後、分級ステップにおいて粉砕物をその粒径に基づき分級し粒径がある程度の範囲に含まれる分級物とすることで、分級物たる複合粒子を円滑かつ容易に樹脂に添加し用いることができる。
本製造方法により製造され得る複合粒子は、本複合粒子と同様、h−BNの一次粒子同士が互いに焼結されると共にバインダー相と該一次粒子とが焼結することにより該一次粒子が結合され(一次粒子同士間も焼結されると共に一次粒子とバインダー相とも焼結されるので一次粒子が強固に結合固定される。)、該複合粒子中に一次粒子が確実かつ強固に保持される。このため該複合粒子を樹脂に添加し混合する時やその後の成形時において該複合粒子から一次粒子が脱落することを顕著に防止又は減少させることができる(脱落した一次粒子が配向し複合材が異方性を呈することを防止又は減少させることができる。加えてh−BNの一次粒子同士が互いに焼結されているので、一次粒子間での伝熱が促進されることで該複合粒子内の伝熱を向上させ、複合材の伝熱性を向上させることができる。)。
本複合粒子を含んでなる樹脂添加材(以下、「本添加材」という。)は、樹脂材料に添加することで、本複合粒子と樹脂材料とが混合された複合材を容易に調製できる(本添加材には、本添加材が樹脂材料に添加された際に調製される複合材に問題を生じない本複合粒子以外の成分が含まれてもよいし、本添加材は実質的に本複合粒子のみからなるものであってもよい。)。
従来のh−BNを含む樹脂添加材に比し、本添加材を樹脂に添加して調製された複合材が異方性を呈することを防止又は減少させることができる。加えてh−BNの一次粒子同士が互いに焼結されているので、複合材の伝熱性を向上させることができる。
なお、本添加材を添加する樹脂としては、高熱伝導性を要求する大きな分野である電子材料に使用する樹脂に対する要求(従来から要求されてきた寸法安定性、耐水性、電気絶縁性等に加え、近年の電子部品の高速化や集積度の向上に伴い耐熱性、放熱性、誘電率の要求が顕著になってきている。)からは、好ましくは、(1)フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、(2)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂、(3)ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、環状ポリオレフィンなどのエンジニアリング・プラスチックス、(4)ポリフェニレンスルファイド、ポリテトラフロロエチレン、ポリサルフォン、非晶ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミドなどのスーパーエンジニアリングプラスティクス、(5)イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの合成ゴム等を挙げることができる。
そして、樹脂に添加する本添加材の量としては所望の物性を発揮する程度とされればよく特に限定されるものではないが、該添加される本添加材中の本複合粒子の質量(wp(g))が、本添加材が樹脂材料に添加された複合材全体の質量(wr(g))に対する割合(wp/wr)として、20%〜80%程度である。
本複合粒子を含んでなる樹脂組成物(以下、「本組成物」という。)は、それが含む本複合粒子中でh−BNの一次粒子が強固に保持されていることから異方性を呈することを防止又は減少させることができることに加え、h−BNの一次粒子同士が互いに焼結されているので本組成物により形成されたものの伝熱性を向上させることができる。
本組成物には、樹脂材料と本複合粒子との両者以外の成分が含まれてもよいし、本組成物は実質的に該両者のみからなるものであってもよい。
本組成物は、電子材料として使用される機能材や構造材に限定されるものではなく放熱特性と絶縁性を要求される部材として好適に使用することができる。
なお、本組成物を構成する樹脂としては、高熱伝導性を要求する大きな分野である電子材料に使用する樹脂に対する要求(従来から要求されてきた寸法安定性、耐水性、電気絶縁性等に加え、近年の電子部品の高速化や集積度の向上に伴い耐熱性、放熱性、誘電率の要求が顕著になってきている。)からは、好ましくは、(1)フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、(2)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂、(3)ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、環状ポリオレフィンなどのエンジニアリング・プラスチックス、(4)ポリフェニレンスルファイド、ポリテトラフロロエチレン、ポリサルフォン、非晶ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミドなどのスーパーエンジニアリングプラスティクス、(5)イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの合成ゴム等を挙げることができる。
そして、本組成物(wh(g))に含まれる本複合粒子の量としては本組成物が所望の物性を発揮する程度とされればよく特に限定されるものではないが、本組成物中の本複合粒子の質量(wp(g))の割合(wp/wh)として、20%〜80%程度である。
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例を挙げる。しかしながら、これら実施例によって、本発明は何ら制限されるものではない。
(実施例1:複合粒子製造例)
図1は、実施例1における実験操作を示すフローチャートである。図1を参照して、実施例1を説明する。
まず、品川ファインセラミックス株式会社製のBN−Al複合焼結体(商品名:BN−Al複合焼結体)101を粉砕111し、その粉砕物を篩い(目開き:106μm)により篩別121して得られた篩下131(該篩いを通過したもの)を調製した。なお、BN−Al複合焼結体101及び篩下131のいずれも、鱗片状のhーBNの一次粒子が互いに焼結して形成された二次粒子を含んでおり(h−BNとしてはほとんどが二次粒子として存する)、Al分はh−BN二次粒子に付着しているがh−BN二次粒子とは別の相として存在している。
1000gの篩下131と5リットルの純水141とを混合し撹拌151することで、篩下131が純水に分散した分散液を調製した。そして、該分散液の撹拌161を継続しつつ、300gのコロイダルシリカ171(日産化学工業株式会社製、商品名:スノーテックス。無水珪酸の超微粒子を水中に分散させたコロイド溶液)と500gの硼酸173(ボラックス社(U.S. Borax Inc.)製、商品名:Optibor)を該分散液に添加し、その後、脱泡のため減圧(約0.01MPa)下で24時間撹拌163した(減圧下で撹拌163することで、該分散液に含まれる篩下131が有する気孔にコロイダルシリカ171及び硼酸173の進入を促進し、該気孔にこれらの成分171、173が十分充填されるようにする。)。この24時間の撹拌163によりスラリー181を得た。
スラリー181を噴霧造粒機(大川原化工機株式会社製、商品名:スプレードライヤー、型番:L−8)にかけ、噴霧造粒183により乾燥し造粒物たる中間体185を得た。なお、該噴霧造粒機の運転条件は、入り口温度200℃、スラリー供給速度0.5kg/時間、アトマイズのロータリーディスクの回転数2000rpm(回転/分)で噴霧造粒し、中間体185の平均粒径(株式会社堀場製作所製の粒子分布測定装置LA-920により測定)は40μmであった。
さらに中間体185を黒鉛坩堝に充填し、窒素雰囲気中、1200℃で10時間焼成187した。
焼成187により得られた試料は、中間体185が形成していた粒子同士が弱く焼結している状態(多孔体)であったので、これら粒子を解きほぐすため解砕機で軽粉砕189した。軽粉砕189の操作は、ホソカワミクロン株式会社製フェザーミルFMを使用してスクリーン径0.2mmで軽粉砕を実施した。
軽粉砕189された粉砕物は振動篩(目開き:106μm)により篩別191し篩下193(該篩いを通過したもの。複合粒子)を得た。
篩下193のうち600gを分取194し、その600gの篩下193をヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製、商品名:高性能5RC/T流動式混合機)に装入し、該ヘンシェルミキサーの回転数:600回転/分(rpm)にて撹拌しつつコーティング剤195(クラリアントジャパン株式会社製、商品名:パーヒドロシラザン、型番:NP−110)を150g添加しながら30分間混合196して目的物197を得た。なお、コーティング剤195を篩下193に添加(混合196)したのは、コーティング剤によって篩下193(複合粒子)をコーティングすることで、目的物197を樹脂材料に添加した際、カプリング作用により樹脂との密着性を向上させ熱伝導率の低下の原因となるボイドの生成を低減させるためである(後述の実施例2において篩下281にコーティング剤285を添加(混合287)するのも同様の理由である。)。
その後、目的物197をX線回折及びEPMA(電子線マイクロアナライザ)により分析したところ、目的物197はh−BNとAl−SiO−B系のガラスとを含んでなり、不純物はガラス相に均一に分散していた。
(実施例2:複合粒子製造例)
図2は、実施例2における実験操作を示すフローチャートである。図2を参照して、実施例2を説明する。
ここではh−BN201として水島合金鉄株式会社製、純度96%、焼結用、商品名:窒化ホウ素粉末、型番FS−1を用いた。なお、h−BN201は鱗片状のhーBNの一次粒子を含んでいる(h−BNはほとんどが0.1〜0.5μmの一次粒子が凝集した1〜10μmの凝集体として存する)。
1000gのh−BN201と5リットルの純水211とを混合し撹拌221することで、h−BNが純水に分散した分散液231を調製した。そして、分散液231の撹拌241を継続しつつ、500gのアルミナゾル251(日産化学工業株式会社製、商品名:無機コロイド材料、型番AS−520)と500gのホウケイ酸ガラス253(関谷理化株式会社製、商品名:ホウケイ酸塩ガラスフリット、型番:4960F)を分散液231に添加し、その後、撹拌243を1時間継続してスラリー252を得た。
スラリー252を噴霧造粒機(大川原化工機株式会社製、商品名:スプレードライヤー、型番:L−8)にかけ、噴霧造粒256により乾燥し造粒物たる中間体261を得た。なお、該噴霧造粒機の運転条件は、入り口温度200℃、スラリー供給速度0.5kg/時間、アトマイズのロータリーディスクの回転数2000rpm(回転/分)で噴霧造粒し、中間体261の平均粒径(株式会社堀場製作所製の粒子分布測定装置LA-920により測定)は50μmであった。
さらに中間体261を黒鉛坩堝に充填し、窒素雰囲気中、1850℃で3時間焼成271した。
焼成271により得られた試料は、中間体261が形成していた粒子同士が弱く焼結している状態(多孔体)であるので、これら粒子を解きほぐすため解砕機で軽粉砕273した。軽粉砕273の操作は、ホソカワミクロン株式会社製フェザーミルFMを使用してスクリーン径0.2mmで軽粉砕を実施した。
軽粉砕273された粉砕物275は振動篩(目開き:106μm)により篩別277して篩下281(該篩いを通過したもの。複合粒子)を得た。
篩下281のうち600gを分取283し、その600gの篩下281をヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製、商品名:高性能5RC/T流動式混合機)に装入し、該ヘンシェルミキサーの運転条件(回転数:600回転/分(rpm))にて撹拌しつつコーティング剤285(クラリアントジャパン株式会社製、商品名:パーヒドロシラザン、型番:NP−110)を150g(篩下281の600gに対してコーティング剤285の固形分が5重量%となるように決定した。)添加しながら30分間混合287して前駆体289を得た。
その後、前駆体289を150℃で24時間加熱することにより乾燥291し、目的物293を得た。
目的物293をX線回折により分析したところ、目的物293は、h−BNとAl−SiO−B系のガラスとを含む球状物であり、h−BNを骨格としたガラスを含んだ凝集体が形成されていることが明らかになった。目的物293をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、目的物293の表面に均一にシリカのナノ粒子が付着していることが観察された。加えて、目的物293の導電性不純物をEPMAにより測定したところ、目的物293のガラス部分に均一に分散していることが明らかになった。
(実施例3:樹脂シート作製例)
実施例1の目的物197及び実施例2の目的物293を樹脂材料に添加し、樹脂シートを作製した。なお、参考例としては、目的物197、293に替え、水島合金鉄株式会社製の商品名:窒化ホウ素粉末(型番HP−1。以下、単に「HP−1」ということもある。)と、住友化学株式会社製の商品名:スミコランダム(型番AA−03。以下、単に「AA−03」ということもある。)と、を用いた。HP−1は鱗片状の結晶を有する一次粒子のh−BN粉末であり、AA−03はアルミナ粉末である。
そして、樹脂シートを作製するための樹脂材料としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製のエポキシ樹脂「エピコート807」をベース樹脂とし、ジャパンエポキシレジン株式会社製の変性脂環族アミングレード「エピキュア113」を硬化剤として用いた。
具体的な樹脂シートの作製は、溶剤として2−メトキシエタノール(メチルセロソルブ)40gに、上述したエポキシ樹脂「エピコート807」15gと変性脂環族アミングレード「エピキュア113」5gとを予め混合した20gの混合液と、添加物(具体的には、目的物197(後述の表1における実験番号1)、目的物293(表1における実験番号2)、HP−1(表1における実験番号3)及びAA−03(表1における実験番号4))30g(該混合液と添加物との混合物全体において添加物の質量割合が60質量%となるように決定した。)と、を混合し、回転型ボールミル(ヤマト科学株式会社製、ユニバーサルボールミル、UB32)を用い、回転数100回転/分にて60分混練し混練物を得た。該混練物を膜厚が200μmとなるハンドコーターを使用し、ポリイミドフィルム上に塗布した。130℃、10分間で乾燥し、乾燥した一対のシート物を互いのポリイミドフィルムが面するように重ね合わせた状態で熱プレス成形(圧力:80kgf/cm、170℃、30分間)した。熱プレス成形後、該一対のシート物を分離し、各シート物のポリイミドフィルムから樹脂シートを剥離し、樹脂シートを形成した。
これら4種類の樹脂シートそれぞれについて、熱伝導率、絶縁破壊電圧(表1中では「耐電圧」として示す)、比誘電率(真空との誘電率比である比誘電率。表1中では「誘電率」として示す。なお単位は無次元である。)、Tピール強度を測定した。測定結果を表1に示す。これら熱伝導率、絶縁破壊電圧、比誘電率、Tピール強度の測定方法を以下に示す。
<熱伝導率>
ASTM E1461 に準じて測定した。レーザーフラシュ法により測定した。
<耐電圧>
固体電気絶縁材が電圧に耐えれる能力を示す絶縁破壊電力は、JIS C2110 に準じて測定した。
<比誘電率>
2端子法で室温(26℃、湿度40%)、大気中で周波数1MHz で評価した。
<T ピール強度>
複合材シートを厚み105μmの電解銅箔とアルミニウム板との間で熱プレスして評価用の試験材を作成した。この試験材をJIS C6481 に準じて銅箔の90度ピール強度を測定した。
Figure 2015224264
そして、目的物197(後述の表2における実験番号1)、目的物293(表2における実験番号2)、HP−1(表2における実験番号3)それぞれについて、平均径、BNの質量%(表2中では「BN」)、圧壊強度(表2中では「強度」)、比表面積、質量W(g)の粒子が水と接触した際の水への硼素の溶解量w(g)の割合(w/W)をppmにて表した値(表2中では「可溶B」)を測定し、その結果を表2に示した。
これら平均径、BNの質量%、圧壊強度、比表面積、水への硼素の溶解量w(g)の割合(w/W)の測定方法を次に示す。
平均径は、株式会社堀場製作所製の粒子分布測定装置LA-920により測定した。
BNの質量%は、LECOジャパン合同会社製の酸素・窒素・水素分析装置(型番:ONH836)を使用し不活性ガス融解法にて窒素を測定し、測定した窒素量(重量%)に測定された窒素が全量h−BN由来と仮定し(BN/N=(14+10.8)/14=1.771 を掛けて)換算して求めた。
圧壊強度は、島津製作所株式会社製の圧壊試験機「MCTM-500」を用いて、任意に選んだ20個の粒子の圧壊強度を測定し、その平均値(算術平均)を圧壊強度とした。
比表面積は、JISZ8830(2013)ガス吸着による粉黛の比表面積測定法に準じて測定した。
水への硼素の溶解量w(g)の割合(w/W)は、溶解量w(g)を「医薬部外品原料規格2006」に基づき次のように測定する。本複合粒子2.5g(即ちW(g)=2.5g)をテフロン(登録商標)製ビーカーにとり、エタノール:10mlを加えてよくかき混ぜ、さらに水:40mlを加えてよくかき混ぜたのち、テフロン(登録商標)製時計皿にのせ、50℃で1時間加温する。冷却後、ろ過し、残留物を少量の水で洗い、洗液をろ液に合わせる。この液をさらにメンブランフィルター(0.22μm)でろ過する。ろ液全量をテフロン(登録商標)製ビーカーにとり、硫酸:1mlを加え、ホットプレート上で10分間煮沸する。冷却後、この液をポリエチレン製メスフラスコに入れ、テフロン(登録商標)製ビーカーを少量の水で洗い、ポリエチレン製メスフラスコに合わせたのち、水を加えて正確に50mlとし、これを試料溶液とする。別にホウ素標準液:1mlを正確にとり、水を加えて正確に100mlとし、標準溶液とする。試料溶液および標準溶液各1mlをポリエチレン製ビンに正確にとり、硫酸および酢酸の等容量混液:6mlを加えて、振り混ぜる。ついで、クルクミン・酢酸試液:6mlを加えて振り混ぜたのち、80分間放置する。これを酢酸・酢酸アンモニウム緩衝液:30mlを加えて振り混ぜ、5分間放置したのち、水を対照とし、吸光度測定法により、溶出ホウ素量w(g)を求める。この試験を行うとき、波長:543nm付近の吸収の最大波長における試料溶液の吸光度は、標準溶液の吸光度以下である。ただし、試料溶液の吸光度は、前処理法を含め、同様に操作して得た空試験液の吸光度で補正する。
Figure 2015224264
以上説明の通り、目的物197及び目的物293は、樹脂(ここの実施例ではエポキシ樹脂)添加用の複合粒子であって、hーBNの複数の一次粒子が互いに焼結して形成された二次粒子と、該一次粒子の表面の少なくとも一部と焼結し、該二次粒子を形成する該一次粒子同士を互いに結合する、無機物により形成されたバインダー相(ここではAl−SiO−B系のガラス)と、を備えてなる、複合粒子である。目的物197及び目的物293は、圧壊強度(表2中では「強度」)がそれぞれ13MPa及び34MPaであり、目的物197及び目的物293のようにhーBNが複数の一次粒子を焼結させた二次粒子として存在すると共に無機物のバインダー相が該二次粒子を形成する該一次粒子の表面に焼結することで該一次粒子同士を互いに結合し、複合粒子の強度を高めることができることが明らかになった(なお、HP−1の50μm程度の凝集粒の圧壊強度を測定したところ1MPa以下であり、これに比し、目的物197及び目的物293の圧壊強度は顕著に高かった。このように複合粒子の強度を高めることで、複合粒子を樹脂に添加し混合する時やその後の成形時において複合粒子が崩壊したり複合粒子からh−BNの一次粒子が脱落することを防止できる。)。また、目的物197及び目的物293は、それらに含まれるh−BN(二次粒子を構成する各々のh−BN粒子)は非配向状態で含まれていた。なお、非配向状態とは、ある特定の複合粒子をその重心が存する平面にて切断した断面において、その複合粒子に含まれるある特定のh−BN粒子の最長辺が伸びる方向と、該ある特定のhーBN粒子を除く他のh−BN粒子の過半(個数ベースで50%超)、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、の最長辺が伸びる方向と、が互いに異なる方向に沿って伸びていることをいう。なお、互いに異なる方向とは5度以上方向が異なることをいう。
そして、目的物197及び目的物293の嵩密度は0.9g/cmであり、0.7〜1.5g/cmの範囲である。
目的物197及び目的物293の圧壊強度はそれぞれ13MPaと34MPaであり、10〜50MPaの範囲である。
目的物197及び目的物293の比表面積はそれぞれ6.5m/g及び11.2m/gであり、1〜15m/gの範囲である。
目的物197及び目的物293が水と接触した際の水への硼素の溶解量w(g)の、前記複合粒子の質量W(g)に対する割合(w/W)はそれぞれ472ppm及び376ppmであり、50ppm〜1000ppmである。
実施例1及び実施例2は、本複合粒子(目的物197、目的物293)の製造方法であって、h−BN(BN−Al複合焼結体101に含まれるh−BN、h−BN201に含まれるh−BN)と、焼結することで前記バインダー相を形成するバインダー原料(実施例1においてはBN−Al複合焼結体101に含まれるAlとコロイダルシリカ171と硼酸173とであり、実施例2においてはアルミナゾル251とホウケイ酸ガラス253とである。)と、が混合された焼成原料(中間体185、中間体261)を準備する焼成原料準備ステップ(実施例1では撹拌161、撹拌163及び噴霧造粒183を含んでなり、実施例2では撹拌241、撹拌243及び噴霧造粒256を含んでなる。)と、焼成原料準備ステップにより準備された焼成原料(中間体185、中間体261)を焼成し、バインダー原料自体を焼結させると共にバインダー原料とh−BNとを焼結させる焼結ステップ(焼成187、焼成271)と、を含んでなる、製造方法である。
実施例1及び実施例2は、前記バインダー原料(実施例1においてはBN−Al複合焼結体101に含まれるAlとコロイダルシリカ171と硼酸173とであり、実施例2においてはアルミナゾル251とホウケイ酸ガラス253とである。)が、焼成(焼成187、焼成271)によりガラス相(Al−SiO−B系のガラス相)を生じるものである。
実施例1においては、前記焼成原料(中間体185)中のh−BN(BN−Al複合焼結体101に含まれるh−BN)が一次粒子が焼結して形成された二次粒子を含んでなり(ここでは(h−BNの二次粒子の質量/h−BN全体の質量)の割合は70%以上)、焼結ステップ(焼成187)が、バインダー原料(BN−Al複合焼結体101に含まれるAlとコロイダルシリカ171と硼酸173)は焼結するが、hーBNは焼結しない温度(1200℃)で焼成原料(中間体185)を焼結するものである。
実施例2においては、前記焼成原料(中間体261)中のh−BN(h−BN201に含まれるh−BN)が一次粒子を含んでなり(ここでは(h−BNの一次粒子の質量/h−BN全体の質量)の割合は70%以上)、焼結ステップ(焼成271)が、バインダー原料(アルミナゾル251とホウケイ酸ガラス253)が焼結すると共にh−BN同士も焼結する温度(1850℃)で焼成原料(中間体261)を焼結するものである。
実施例2においては、前記焼成原料(中間体261)中のh−BN(h−BN201に含まれるh−BN)が、比表面積は32m/g(20〜50m/g)であると共に含有酸素量が2.9重量%(1〜4重量%)である。
実施例1及び実施例2は、焼成原料準備ステップ(実施例1では撹拌161、撹拌163及び噴霧造粒183を含んでなり、実施例2では撹拌241、撹拌243及び噴霧造粒256を含んでなる。)が、h−BNとバインダー原料とが液相にて混合されたスラリー液(スラリー181、スラリー252)を調製するスラリー調製ステップ(実施例1では撹拌161、撹拌163を含んでなり、実施例2では撹拌241、撹拌243を含んでなる。)と、スラリー調製ステップにより調製された該スラリー液(スラリー181、スラリー252)を乾燥し所定形状の前記焼成原料(中間体185、中間体261)を調製する乾燥ステップ(噴霧造粒183、噴霧造粒256)と、を含んでなる。
実施例1及び実施例2は、焼結ステップ(焼成187、焼成271)において得られた焼結物を粉砕し粉砕物とする粉砕ステップ(軽粉砕189、軽粉砕273)と、粉砕ステップ(軽粉砕189、軽粉砕273)において得られた該粉砕物を分級して分級物(篩下193、篩下281)とする分級ステップ(篩別191、篩別277)と、を備えてなるものである。
目的物197及び目的物293は、それぞれ実施例1及び実施例2の製造方法により製造され得る複合粒子であり、かかる複合粒子は該複合粒子を含んでなる樹脂添加材を形成するために用いることや、該複合粒子を含んでなる樹脂組成物を形成するために用いることができる。
101 BN−Al複合焼結体
111 粉砕
121 篩別
131 篩下
141 純水
151 撹拌
161 撹拌
163 撹拌
171 コロイダルシリカ
173 硼酸
181 スラリー
183 噴霧造粒
185 中間体
187 焼成
189 軽粉砕
191 篩別
193 篩下
194 分取
195 コーティング剤
196 混合
197 目的物
201 h−BN
211 純水
221 撹拌
231 分散液
241 撹拌
243 撹拌
251 アルミナゾル
252 スラリー
253 ホウケイ酸ガラス
256 噴霧造粒
261 中間体
271 焼成
273 軽粉砕
275 粉砕物
277 篩別
281 篩下
285 コーティング剤
287 混合
289 前駆体
291 乾燥
293 目的物

Claims (15)

  1. 樹脂添加用の複合粒子であって、
    hーBNの複数の一次粒子が互いに焼結して形成された二次粒子と、
    該一次粒子の表面の少なくとも一部と焼結し、該二次粒子を形成する該一次粒子同士を互いに結合する、無機物により形成されたバインダー相と、
    を備えてなる、複合粒子。
  2. 前記複合粒子の嵩密度が0.3〜1.9g/cmである、請求項1に記載の複合粒子。
  3. 前記複合粒子の圧壊強度が5MPa以上である、請求項1又は2に記載の複合粒子。
  4. 前記複合粒子の比表面積が50m/g以下である、請求項1乃至3のいずれか1に記載の複合粒子。
  5. 前記複合粒子が水と接触した際の水への硼素の溶解量w(g)の、前記複合粒子の質量W(g)に対する割合(w/W)が5000ppm以下である、請求項1乃至4のいずれか1に記載の複合粒子。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1に記載の複合粒子の製造方法であって、
    h−BNと、焼結することで前記バインダー相を形成するバインダー原料と、が混合された焼成原料を準備する焼成原料準備ステップと、
    焼成原料準備ステップにより準備された焼成原料を焼成し、バインダー原料自体を焼結させると共にバインダー原料とh−BNとを焼結させる焼結ステップと、を含んでなる、製造方法。
  7. 前記バインダー原料が、焼成によりガラス相を生じるものである、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記焼成原料中のh−BNが一次粒子が焼結して形成された二次粒子を含んでなり、
    焼結ステップが、バインダー原料は焼結するが、hーBNは焼結しない温度で焼成原料を焼結するものである、請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 前記焼成原料中のh−BNが一次粒子を含んでなり、
    焼結ステップが、バインダー原料が焼結すると共にh−BN同士も焼結する温度で焼成原料を焼結するものである、請求項6又は7に記載の製造方法。
  10. 前記焼成原料中のh−BNが、比表面積5〜70m/gであると共に含有酸素量が0.5〜5.0重量%である、請求項9に記載の製造方法。
  11. 焼成原料準備ステップが、h−BNとバインダー原料とが液相にて混合されたスラリー液を調製するスラリー調製ステップと、スラリー調製ステップにより調製された該スラリー液を乾燥し所定形状の前記焼成原料を調製する乾燥ステップと、を含んでなる、請求項6乃至10のいずれか1に記載の製造方法。
  12. 焼結ステップにおいて得られた焼結物を粉砕し粉砕物とする粉砕ステップと、
    粉砕ステップにおいて得られた該粉砕物を分級して分級物とする分級ステップと、を備えてなるものである、請求項6乃至11のいずれか1に記載の製造方法。
  13. 請求項6乃至12のいずれか1の製造方法により製造され得る複合粒子。
  14. 請求項1乃至5のいずれか1に記載の複合粒子を含んでなる樹脂添加材。
  15. 請求項1乃至5のいずれか1に記載の複合粒子を含んでなる樹脂組成物。
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