JP6421448B2 - 複合粒子、その製造方法及び樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱伝導性に優れた複合粒子とその製造方法、及び該粒子を含有する樹脂組成物および樹脂成形体に関するものである。
近年、パソコン、テレビ、携帯電話などに代表される電子機器の発展は目まぐるしく、より高密度、高出力、軽量化を目指した開発が進められている。高性能化に伴い、単位面積あたりの発熱量は増大しており、電子部品は長時間高温環境にあると、動作が不安定となり、誤動作、性能低下、故障へと繋がるため、発生した熱を効率良く放熱する要求が高まっている。また、白熱電灯や蛍光灯に対し長寿命で低消費電力かつ低環境負荷であることから、急激に需要が拡大している発光ダイオード(LED)を光源とする照明装置においても放熱対策は必須となっている。
また、電気自動車やスマートフォンなどの電費向上として、リチウムイオン電池やモーター、インバーター等、絶縁部材の熱伝導性が特に強く求められている。
放熱性を高めるには、熱伝導性が高い材料を使用する必要がある。これまで、高い熱伝導性を必要とする部材には、主に金属材料が用いられてきたが、電気・電子部品の小型化に適合する上で金属材料は、軽量性や成形加工性の面で難があり、なおかつ絶縁性に劣ることから、樹脂材料への代替が進みつつある。特に、熱可塑性樹脂は、成形加工の容易さ、外観、経済性、機械的強度、その他、物理的、化学的特性に優れているが、樹脂系材料は一般に熱伝導性が低いため、熱可塑性樹脂に、熱伝導性の無機フィラーを配合し、熱伝導性を高める事が検討されている。
熱伝導性の無機フィラーとしては、例えば窒化ホウ素、窒化アルミ、アルミナ、酸化マグネシウム等が挙げられるが、その中でも高い熱伝導性を有するのが窒化ホウ素や窒化ケイ素である。しかし、窒化ホウ素は六方晶の薄片状結晶構造であり、窒化ケイ素は棒状の結晶であることから、熱伝導性に異方性があるうえ、成形時にフィラーが配向しやすいために、得られる樹脂成形体の熱伝導性も異方性が生じてしまうという問題があった。このような課題に対し、例えば特許文献1、2においては、窒化ホウ素の凝集体をフィラーとして用いる発明が開示されているが、凝集粒子は機械強度が低く、加工時の衝撃で粒子が崩壊してしまう為、高熱伝導性が付与できないという問題があった。
また、無機粒子と異方性のある材料とを付着あるいは被覆し、無機粒子の表面特性を変える方法が多く検討されている。例えば特許文献3においては、窒化ホウ素表面にシリコーンオイルあるいはシリコーンゲルを介して酸化亜鉛やアルミナを被覆させる発明が開示されている。しかし、シリコーンオイルやシリコーンゲルは、成形時にブリードアウトする問題があった。また、無機粒子の表面に窒化ホウ素を噴霧させたうえ、焼成して得られる複合粒子が特許文献4に開示されている。しかし、このような方法で得られる複合粒子も強度が不足するうえ、熱伝導性が向上されるかどうかは不明であった。
特開平10−67507号公報 特表2007−502770号公報 特開2001−2830号公報 特開平8−113514号公報
セラミックス,34(1999)No.10,844−847
本発明の課題は、熱伝導性と粒子強度に優れた複合粒子とその製造方法、及び該複合粒子を含有する樹脂組成物及び成形体を提供するものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、無機粒子の表面に、板状粒子または棒状粒子である熱伝導性フィラーを、メカノケミカル処理にて結合させてなる複合粒子が、熱伝導性と粒子強度を兼ね備えた熱伝導性複合粒子であることを見出した。
また、該複合粒子を含有する樹脂組成物及び成形体が、熱伝導性に優れることを見出した。
本発明者らは、無機粒子に、高せん断の機械的衝撃を与えるメカノケミカル処理によって、板状粒子または棒状粒子である熱伝導性フィラーを結合させることにより、高熱伝導かつ高強度である粒子が得られること見出したものである。
本発明は、板状粒子または棒状粒子である熱伝導性フィラーと、無機粒子とをメカノケミカル処理を行うことで、複合粒子を形成するものである。メカノケミカル処理とは、複数種類の物質を乾式あるいは湿式で同時に粉砕すると、物質同士の表面結合状態が変化して複合粒子が形成される処理方法のことである(非特許文献1)。特に乾式メカノケミカル処理の場合、均一混合と複合化合物の直接合成が同時進行することが知られており、例えばCaOとTiO2にメカノケミカル処理を行うことで、CaTiO2が直接合成できることなどが報告されている。メカノケミカル処理は単なる混合ではなく、界面で化学反応がおこることから、得られる本発明の複合粒子は、異方性粒子の単なる凝集体に比べ、機械的強度に優れる。
また、複合粒子が機械的強度に優れることから、成形時の衝撃でも粒子形態が保持されるため、得られる成形体の熱伝導率は異方性が大きく低減する。
(無機粒子)
本発明で使用する無機粒子としては、公知慣用の金属系ファイラー、無機化合物フィラー等が使用される。具体的には、例えば、銀、銅、アルミニウム、鉄等の金属系フィラー、アルミナ、マグネシア、ベリリア、シリカ、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン等の無機系フィラー、ステアタイト、エンステタイト、ウレイマイト、ディオブサイド、コーディエライト、フォルステライト、ジルコン、ムライト、ペタライト、スポジュメン、ワラストナイト、アノーサイト、アルバイト等の複合酸化物などが挙げられ、好ましくは熱伝導性フィラーである。用いる無機粒子は結晶形、粒子サイズ等が異なる1種あるいは複数種の無機粒子を組み合わせて使用する事も可能である。
電子機器等の用途で放熱性が必要とされる場合には、電気絶縁性が求められる事が多く、これらのフィラーの内、体積固有抵抗の高いアルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ベリリア、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、コーディエライト、フォルステライト、ジルコン、ムライトから選択される少なくとも1種の熱伝導性フィラーの使用が好ましい。
これらの無機粒子として、表面処理を行ったものを使用する事もできる。例えば、無機酸化物粒子などは、シラン系およびまたはチタネート系カップリング剤などで表面改質されたものを使用する事ができる。
無機粒子の粒径は、好ましくは10〜100μmであり、さらに好ましくは20〜50μmである。
また、無機粒子は複合粒子のコアとなるため、アスペクト比が低い粒子であることが好ましく、平均アスペクト比が2以下であることが好ましい。形状としては、多面体状、塊状等でもよいが、球状がより好ましい。
(板状粒子)
本発明の板状粒子とは、熱伝導性フィラーであって、粒子の形状が長さ又は幅方向に比べて厚みが少ない形状の粒子であり、板状・薄片状・鱗片状・フレーク状とも言われる。板状粒子の平均アスペクト比は8以上であることが好ましく、より好ましくは10以上である。
板状粒子の大きさは、長軸方向での平均粒子径が3〜50μmであり、好ましくは10〜30μmである。この場合の長軸方向での平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定方法で求めることができる。
本発明の板状粒子は、熱伝導性フィラーであって、例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化珪素、二酸化チタン、マイカ、チタン酸カリウム、酸化鉄、タルク等の酸化物粒子、窒化ホウ素、窒化珪素、窒化アルミニウム等の窒化物粒子、炭化珪素等の炭化物粒子、銅、アルミニウム等の金属粒子、炭酸マグネシウムが挙げられる。これらの板状熱伝導性粒子は、単独で用いても二種以上を混合して用いてもよい。好ましくは、窒化ホウ素であり、特に好ましくは六方晶窒化ホウ素である。
(棒状粒子)
本発明の棒状粒子とは、粒子の形状が長さ方向に比べて幅及び厚みが少ない形状の熱伝導フィラーであり、棒状、針状、糸状、ロッド状とも言われる。棒状粒子としては、例えば、繊維径が平均0.1〜10μmで短繊維長が平均1〜100μm、好ましくは平均10〜50μmの微細な繊維形状のものが挙げられる。棒状粒子の平均アスペクト比は10以上であることが好ましく、より好ましくは50以上である。
本発明の棒状粒子は、熱伝導性フィラーであって、例えば炭化珪素、黒鉛、窒化珪素等の無機非酸化物系針状単結晶体無機物粉体、及びアルミナ、チタン酸カリウム、ウォラストナイト、ホウ酸アルミニウム、酸化亜鉛等の無機酸化物系針状単結晶体無機物粉体等が挙げられる。これらの棒状熱伝導性粒子は、単独で用いても二種以上を混合して用いてもよい。好ましくは、窒化珪素である。
板状粒子と棒状粒子はそれぞれ単独で用いても、両方を混合して用いてもかまわない。
(メカノケミカル処理)
本発明のメカノケミカル処理とは、前記板状粒子または棒状粒子と、無機粒子とに高せん断力を与えつつ混合する処理のことである。
メカノケミカル処理を行うための機器としては、板状粒子または棒状粒子にせん断力を加え、無機粒子に固着させる事ができる装置が好ましく、エッジランナーミル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等のホイール型混練機、遊星ボールミル、転動ボールミル、遠心ボールミル、振動ボールミル等のボール型混練機、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウターミキサー等のブレード型混練機、エクストルーダー等のロール型混練機が挙げられる。
旋回流型ジェットミル、流動層型ジェットミル等のジェット型粉砕機、ハンマミル、ピンミル、スクリーンミル、ターボ型ミル、遠心分級型ミル等の衝撃式粉砕機、リングローラミル、遠心ローラミル等のローラミル、攪拌槽型ミル、流通管型ミル、アニュラミル等の攪拌ミルも使用が可能であり、さらに、ホソカワミクロンのノビルタ、メカノフュージョン、奈良製作所のハイブリダイゼーションシステム、ミラーロ等の粉体の表面処理に特化した機器を使用する事も可能である。
メカノケミカル処理は上記の機器を用いて、板状粒子または棒状粒子を無機粒子に固着させることによって、紛体の複合粒子を得ることができる。メカノケミカル処理には乾式と湿式とあるが、本発明の場合乾式処理が好ましい。メカノケミカル処理の条件により、無機粒子が粉砕し形状変化を起こし、逆に空隙が多くなる事で界面熱抵抗が大きくなり、熱伝導性が低下する場合もあるため、好ましくは、無機粒子が破砕しない条件を選択し、メカノケミカル処理を行った方が良い。
例えば、遊星ボールミルを用いて、窒化ホウ素をアルミナ粒子の様な高硬度の無機粒子に固着させる場合には、ジルコニアビーズの様に高硬度のメディアを用いて、高シェアーを加えても、アルミナ粒子の粉砕は殆ど起こらず、複合粒子が得られるが、板状粒子または棒状粒子を破砕され易い無機粒子に固着させる場合には、ナイロンビーズの様なソフトなメディアを使用するか、あるいは低シェアーの条件でメカノケミカル処理を行うことで、窒化ホウ素の層状構造の破砕を抑制し、空隙を含まない複合粒子が形成され、熱伝導率が向上する。
メカノケミカル処理の時間に特に制限は無く、選択される無機粒子の種類、メカノケミカル処理を行う機器により決定される。
(熱伝導性複合粒子)
本発明の熱伝導性複合粒子は、無機粒子に、高せん断の機械的衝撃を与えるメカノケミカル処理によって、熱伝導性フィラーである板状粒子または棒状粒子を結合させることで、得られることができる。本発明の熱伝導性複合粒子は、無機粒子表面に熱伝導性フィラーである板状粒子または棒状粒子が化学結合していることが特徴であり、複合粒子の平均粒径は好ましくは10〜100μmであり、さらに好ましくは20〜50μmである。
複合粒子において、無機粒子と結合している板状粒子と棒状粒子は、それぞれ単独で結合されていても複数種結合されていてもよく、複数の板状粒子あるいは複数の棒状粒子が同時に結合していてもかまわない。
本発明の複合粒子は、無機粒子に板状粒子または棒状粒子が結合されており、さらに無機粒子表面が板状粒子または棒状粒子で強固に被覆されていることで、異方性が大きい板状粒子または棒状粒子のアスペクト比の大きい方向の物性を均質化できることが特徴である。この特性により本発明の複合粒子は異方性の小さい高熱伝導フィラーとして有効に機能する。なお複合粒子としての異方性の確認は板状粒子または棒状粒子由来のピークをX線解析などで測定することで確認することが出来る。
本発明の熱伝導性複合粒子において、無機粒子と板状粒子または棒状粒子の割合は、重量比で70:30より無機粒子が多い配合が好ましく、特に好ましくは90:10より無機粒子が多い場合である。
本発明の熱伝導性複合粒子は、無機粒子表面に板状粒子または棒状粒子が結合しているものであるが、好ましくは無機粒子表面に対する板状粒子または棒状粒子による被覆率が、50%〜100%であることが好ましい。これは、無機粒子表面を熱伝導性の高い粒子でなるべく隙間無く被覆することで、熱伝導率を向上させることができるからである。このときの板状粒子または棒状粒子による被覆率は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた元素マッピングによって測定することが可能である。
本発明の熱伝導性複合粒子は、熱伝導性に優れるため、熱伝導性材料として好適に使用可能である。熱伝導性材料としては、本発明の熱伝導性複合粒子単独で用いてもよいし、他の材料と組み合わせてもかまわない。例えば、他の熱伝導性フィラーと配合した熱伝導性材料としてもよいし、後述のように樹脂組成物としてもかまわない。
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物は、本発明の熱伝導性複合粒子を含有する。熱伝導性複合粒子が必須である以外に特に制限はなく、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、反応性のモノマーやオリゴマー、各種添加剤等を含有してかまわない。
本発明の樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知慣用の樹脂組成物の製造方法を広く使用できる。熱可塑性樹脂組成物の場合は、複合粒子を必須として、必要に応じて、熱可塑性樹脂およびその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダー、混合ロールなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240〜320℃の範囲である。
熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて外部滑剤、内部滑剤、酸化防止剤、難燃剤、光安
定剤、紫外線吸収剤、ガラス繊維、カーボン繊維等の補強材、各色着色剤等を添加する事ができる。
熱可塑性樹脂組成物中の複合粒子、熱可塑性樹脂の構成比に特に制限は無く、用途で必要とされる熱伝導率に応じた構成比で配合される。通常、樹脂組成物中の全部の熱可塑性樹脂に対する無機粒子の比は容量比で75/25〜35/65が好ましく、熱可塑性樹脂の量が75容量%より少なければ、充分な熱伝導性が得られ、35容量%より多ければ樹脂組成物の製造が容易であるため、好ましい。
熱硬化性樹脂組成物の場合も、複合粒子を必須として、必要に応じて、熱硬化性樹脂、硬化剤およびその他の成分を、公知慣用の方法で、混合し、作製される。
その際、必要に応じて、熱可塑性樹脂組成物と同様にその他の成分を配合する事ができる。
熱硬化性樹脂組成物中の複合粒子、熱硬化性樹脂の構成比に特に制限は無く、用途で必要とされる熱伝導率に応じた構成比で配合される。通常、樹脂組成物中の硬化剤等を含む全樹脂成分に対する複合粒子の比は体積比で85/15〜25/75が好ましく、80/20〜60/40がより好ましく、樹脂成分の量が75体積%より少なければ、充分な熱伝導性が得られ、15体積%より多ければ樹脂組成物の製造が容易であるため、好ましい。
また、反応性モノマーや反応性オリゴマー、反応性マクロモノマーといった、反応性基を有する化合物と複合粒子を混合することでも、樹脂組成物を得ることができる。
(樹脂成形体)
本発明の樹脂組成物は、各種の成形法で成形して成形物として用いることができる。その成形法は、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を成形する公知慣用の方法が利用でき、例えば、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、活性エネルギー線成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などが挙げられる。また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることも出来る。成形品の形状、模様、色彩、寸法などに制限はなく、その成形品の用途に応じて任意に設定すればよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみ
に限定されるものではない。なお、以下ことわりのない場合、「%」は「体積%」を、「
部」は「体積部」を表す。
(実施例1)
熱伝導性複合粒子の製造
球状アルミナ(電気化学工業社製、デンカ球状アルミナDAW45)270部と窒化ホウ素(電気化学工業社製、デンカボロンナイトライドSGP)30部を、流動式混合器型複合化機(日本コークス工業株式会社製、MP5型)に投入し、回転数6000rpm、10分間のメカノケミカル処理を行い、複合粒子(C−1)を得た。
樹脂組成物及び成形体
ビスフェノールAのグリシジルエーテル(DIC株式会社製、EPICLON850−S、エポキシ当量188g/eq.)45.5重量部、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル30(阪本薬品株式会社製、エポキシ当量412g/eq.)50重量部、ジシアンジアミド(味の素ファインテクノ株式会社製、アミキュアAH−154)4.5重量部を混合し、樹脂混合液を調整した。得られた樹脂混合液40部に対し、複合粒子(C−1)を60部配合し、三本ロールで混練・脱泡することで、樹脂組成物1を得た。得られた樹脂組成物1にたいし、加熱プレス成形(仮硬化条件170℃20分、本硬化条件170℃2時間)を行い、60×110×0.8mmの樹脂成形体1−1、及び110×70×1.0mmの樹脂成形体1−2を得た。
得られた樹脂組成物及び樹脂成形体に対し、以下の評価を行った。
<樹脂硬化物の熱伝導性評価(厚み方向)>
得られた樹脂成形体1−1(60×110×0.8mm)から、10×10×0.8mmの試験片を切り出し、熱伝導率の測定を行った。熱伝導率の測定は、熱伝導率測定装置(LFA447nanoflash、NETZSCH社製)を用い、室温25℃において、25℃における熱伝導率をキセノンフラッシュ法によって測定した。
<樹脂硬化物の熱伝導性評価(面内方向)>
得られた樹脂成形体1−2(110×70×1.0mm)を、熱線方式熱伝導率測定装置(QTM−500、京都電子工業製)を用いて、室温25℃において、25℃における熱伝導率を熱線方式によって測定した。
<樹脂組成物の接着性評価>
樹脂組成物を用いて、引っ張り剪断接着強さの測定を行った。被着体は幅25mm×長さ100mm×厚み1.5mmのアルミ板(A1050)を用いて、引張試験機(ストログラフAPII、東洋精機(株)製)を用いて、引張速度10mm/min、つかみ具間隔120mmで引っ張り剪断接着強さの測定を行った。20℃における接着強度が5MPa以上であった場合を○、3MPa以上5MPa未満であった場合を△、3MPa未満であった場合を×とした。
(実施例2〜7)
実施例1において、配合量を下記表1の通りに変更した以外は同様にして、熱伝導性複合粒子(C−2)〜(C−7)、樹脂組成物2−7、及び樹脂成形体2−7を作製した。
(比較例1−15)
実施例1において、メカノケミカル処理を行わない粒子を表2の配合量に従い樹脂混合液に配合し、三本ロールで混練・脱泡する以外は同様にして、比較樹脂組成物及び比較樹脂成形体を作製した。
配合量及び結果を表1に示す。
Figure 0006421448
Figure 0006421448
表中の略語は以下の通りである。
DAW45 アルミナ(電気化学工業社製、デンカ球状アルミナDAW45、粒径50μm、アスペクト比1.1)
DAW20 アルミナ(電気化学工業社製、デンカ球状アルミナDAW20、粒径20μm、アスペクト比1.1)
MSPS 炭酸マグネシウム(神島化学製、粒径30μm、アスペクト比2.5)
SGP 窒化ホウ素(電気化学工業社製、デンカボロンナイトライドSGP、粒径18μm、アスペクト比20)
PCTP30 窒化ホウ素(サンゴバン製、粒径30μm、アスペクト比30)
SP3 窒化ホウ素(電気化学工業社製、デンカボロンナイトライドSP3、粒径3μm、アスペクト比10)
CTSM2 凝集窒化ホウ素(サンゴバン製、粒径35μm、アスペクト比1.2)
SIN 窒化珪素 (タテホ化学製 窒化珪素ウィスカ 粒径50μm、アスペクト比100)
比較例11−15においては、フィラーの混合物を用いた。
<複合粒子のアスペクト比測定>
複合粒子のSEM観察を行い、複合粒子を10個任意に選定し、各複合粒子形状を計測し最も長い辺の長さと最も短い辺の長さを除した値を算出し、その平均値をフィラーのアスペクト比とした。
<複合粒子の形状評価>
混練した樹脂組成物を空気中600℃で2時間脱脂処理を行うことで樹脂成分を除去して得た灰分をSEM観察した。実施例1などの樹脂組成物の灰分は無機粒子表面に板状・棒状粒子が固着された複合粒子C−1が形態変化せずそのままの状態で観察された。比較例7などの樹脂組成物の灰分は、無機粒子と板状・棒状粒子が混在している状態で観察された。
<棒状・板状粒子被覆率測定>
複合粒子10wt%水溶液を超音波処理し減圧乾燥した。上記処理品でSEM−EDS観察を行い、複合粒子を5個任意に選定し、各複合粒子の元素マッピングを計測し、棒状・板状粒子由来の元素の面積が複合粒子面積に占める比率を算出し、その平均値を棒状・板状粒子被覆率とした。例えば無機粒子がアルミナ、棒状・板状粒子が窒化ホウ素の場合、NまたはBを計測対象元素として計測を行った。
本発明の熱伝導性複合粒子を含有する樹脂組成物及び樹脂成形体は熱伝導性に優れることから、熱伝導性材料、特に放熱材料として好適に利用することができ、接着剤、封止材、半導体部材、電子基板等の各種電子機器部材、包装資材、建築材料、運搬機器部材等に好適に使用することが可能である。

Claims (8)

  1. 板状粒子または棒状粒子である熱伝導性フィラーと、無機粒子とを混合し、メカノケミカル処理を行って複合粒子を得る工程を有することを特徴とする、熱伝導性複合粒子の製造方法であって、板状粒子または棒状粒子の平均アスペクト比が10以上であり、無機粒子の平均アスペクト比が2以下である、熱伝導性複合粒子の製造方法
  2. 無機粒子の平均粒径が10〜100μmである、請求項1に記載の熱伝導性複合粒子の製造方法。
  3. 板状粒子が窒化ホウ素である、請求項1または2に記載の熱伝導性複合粒子の製造方法。
  4. 棒状粒子が窒化ケイ素である、請求項1〜3のいずれかに記載の熱伝導性複合粒子の製造方法。
  5. 無機粒子が熱伝導性フィラーである、請求項1〜5のいずれかに記載の熱伝導性複合粒子の製造方法。
  6. 無機粒子が、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ベリリア、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、コーディエライト、フォルステライト、ジルコン、ムライト、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタンから選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の熱伝導性複合粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法で得られた熱伝導性複合粒子と、樹脂とを配合する工程を特徴とする、樹脂組成物の製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法で得られた樹脂組成物を成形する工程を有する、樹脂成形体の製造方法。
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