JP2023024056A - 窒化ホウ素複合粒子、及び、樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂と窒化ホウ素とで構成される成形体と、異種材料とを接続して得られる積層体において、優れたピール強度を発揮し得る窒化ホウ素複合粒子を提供すること。【解決手段】本開示の一側面は、六方晶窒化ホウ素の第一粒子と、上記第一粒子よりも粒径が小さい、六方晶窒化ホウ素の複数の第二粒子と、を含み、複数の上記第二粒子の少なくとも一部は、上記第二粒子の主面において、上記第一粒子の主面に付着している、窒化ホウ素複合粒子を提供する。【選択図】図1

Description

本開示は、窒化ホウ素複合粒子、及び、樹脂組成物に関する。
トランジスタ、サイリスタ、及びCPU等の電子部品においては、使用時に発生する熱を効率良く放熱することが求められている。このような電子部品と共に、高い熱伝導性を有する放熱部材が用いられる。一方、窒化ホウ素粒子は、高熱伝導性及び高絶縁性を有しているため、放熱部材における充填材として幅広く利用されている。例えば、特許文献1では、樹脂等の絶縁性放熱材の充填材として用いた場合に、上記樹脂等の熱伝導率及び耐電圧(絶縁破壊電圧)を高めることができる六方晶窒化ホウ素粉末及びその製造方法が提案されている。
近年、電子部品を搭載したデバイスでは信号の高速伝送化や大容量化が進んでいる。このため、放熱部材にも上述の傾向に対応できる特性が求められている。具体的には誘電正接の小さい放熱部材が望ましい。放熱部材の誘電正接を低下させる方法としては、例えば、使用する樹脂として誘電正接の小さな樹脂を用いることが考えられる。しかし、低誘電正接の樹脂として知られる液晶性ポリマーやフッ素樹脂等は、低誘電正接であるものの、加工性、熱的特性、機械特性等が当該用途においては不足している。そこで熱的特性の向上の観点から、一般には充填材が使用されている。
窒化ホウ素は比誘電率が比較的小さな材料であるため、低誘電正接の放熱部材を得るための充填材としての利用が検討されている。例えば、特許文献2には、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂中に分散された無機物質を含む誘電体用樹脂組成物であって、上記無機物質は、板状の無機粒子を含み、該無機粒子は、六方晶窒化ホウ素、酸化アルミニウム、タルク、および雲母からなる群から選定された材料を有し、当該誘電体用樹脂組成物は、1GHz以上の周波数および25℃の温度において、比誘電率εが5以下であり、誘電正接tanδが5×10-4以下であることを特徴とする誘電体用樹脂組成物が提案されている。
特開2019-116401号公報 特開2015-040296号公報
しかしながら、六方晶窒化ホウ素はそれ自体が安定性に優れることもあり、樹脂との親和性が必ずしも高くない。本発明者らの検討によれば、上述のような六方晶窒化ホウ素を含む樹脂組成物を用いてシート状の成形体を形成し、これを金属板のような異種材料と接着して調製される積層体においては、例えば、ヒートサイクル試験等によって積層体内部に熱応力が生じた場合、成形体と積層体との界面でのはく離が発生する以前に、成形体の内部で樹脂と六方晶窒化ホウ素の一次粒子との間ではく離が生じ得ることが判明した。六方晶窒化ホウ素を含む樹脂組成物を用いて調製された放熱部材においては、放熱部材として十分な耐久性を発揮し得ない場合が生じ得る。
六方晶窒化ホウ素の一次粒子と、樹脂との親和性を向上させる方法としては、例えば、六方晶窒化ホウ素の一次粒子の側面が官能基を有することから、一粒子あたりの側面の割合を増加させるために、一次粒子の厚さを向上させる方法が考えられる。しかし、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を厚み方向に成長させ、直接所定以上の厚さを有する六方晶窒化ホウ素の粒子を得ることは容易でない。
本開示は、樹脂と窒化ホウ素とで構成される成形体と、異種材料とを接続して得られる積層体において、優れた接着性を発揮し得る窒化ホウ素複合粒子を提供することを目的とする。本開示はまた、上述の複合粒子を含む樹脂組成物を提供することを目的とする。
本開示の一側面は、六方晶窒化ホウ素の第一粒子と、上記第一粒子よりも粒径が小さい、六方晶窒化ホウ素の複数の第二粒子と、を含み、複数の上記第二粒子の少なくとも一部は、上記第二粒子の主面において、上記第一粒子の主面に付着している、窒化ホウ素複合粒子を提供する。
上記窒化ホウ素複合粒子は、六方晶窒化ホウ素の第一粒子の主面上に、平均粒径が比較的小さい六方晶窒化ホウ素の第二粒子がその主面において付着している。主面同士で付着した第一粒子と複数の第二粒子とを有することで、上記窒化ホウ素複合粒子は、窒化ホウ素の複合粒子1個当たりの側面が十分確保されており、樹脂との親和性を向上し得る。そのため、当該窒化ホウ素複合粒子を含む樹脂組成物で構成される成形体と、異種材料とを接続して得られる積層体において優れた接着性が発揮され得る。
上記第一粒子及び上記第二粒子が付着する面の割合が、上記第一粒子の主面の面積を基準として、15面積%以上であってよい。
上記第一粒子の平均粒径が20.0μm以下であってよい。
上記第一粒子に対して付着した上記第二粒子の数が、上記第一粒子1個あたり50個以上であってよい。
本開示の一側面は、樹脂と、上述の窒化ホウ素複合粒子と、を含む、樹脂組成物を提供する。
上記樹脂組成物は、上述の窒化ホウ素複合粒子を含むことから、樹脂と、窒化ホウ素複合粒子との親和性に優れたものとなっている。そのため、例えば、当該樹脂組成物を用いてシート状の成形体を形成し、これを金属板のような異種材料と接着して調製される積層体においては、熱応力等が生じた場合であっても、成形体内部での破壊が抑制され得る。つまり、上記樹脂組成物を使用することによって、耐久性に優れる放熱部材を成形し得る。
本開示によれば、樹脂と窒化ホウ素とで構成される成形体と、異種材料とを接続して得られる積層体において、優れた接着性を発揮し得る窒化ホウ素複合粒子を提供できる。本開示によればまた、上述の複合粒子を含む樹脂組成物を提供できる。
図1は、窒化ホウ素複合粒子の一例を示す模式断面図である。
以下、場合によって図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合によって重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、各要素の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本明細書において例示する材料は特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中の各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
窒化ホウ素複合粒子の一実施形態は、六方晶窒化ホウ素の第一粒子と、上記第一粒子よりも粒径が小さい、六方晶窒化ホウ素の複数の第二粒子と、を含む。上記窒化ホウ素複合粒子において、複数の上記第二粒子の少なくとも一部は、上記第二粒子の主面において、上記第一粒子の主面に付着している。
図1は、窒化ホウ素複合粒子の一例を示す模式断面図である。図1に示す模式断面図は、窒化ホウ素複合粒子100を構成する六方晶窒化ホウ素の第一粒子10の主面に垂直な断面である。窒化ホウ素複合粒子100は、六方晶窒化ホウ素の第一粒子10と、六方晶窒化ホウ素の第二粒子20と、を有しており、第一粒子10に対して複数の第二粒子20が、主面同士で付着している。
六方晶窒化ホウ素の第一粒子10及び第二粒子20は、いずれも六方晶窒化ホウ素の一次粒子であり、鱗片形状の粒子である。六方晶窒化ホウ素粉末の純度はより高いものであってよく、例えば、99.5質量%以上、又は99.8質量%以上であってよい。
本明細書における六方晶窒化ホウ素の純度は、滴定によって算出される値を意味する。より具体的には、まず窒化ホウ素を水酸化ナトリウムでアルカリ分解させ、水蒸気蒸留法によって分解液からアンモニアを蒸留して、ホウ酸水溶液に捕集する。この捕集液を対象として、硫酸規定液で滴定を行う。滴定の結果から窒化ホウ素粉末中の窒素原子(N)の含有量を算出する。得られた窒素原子の含有量から、以下の式(1)に基づいて、窒化ホウ素中の六方晶窒化ホウ素(hBN)の含有量を決定し、六方晶窒化ホウ素の純度を算出することができる。なお、六方晶窒化ホウ素の式量は24.818g/molを用い、窒素原子の原子量は14.006g/molを用いるものとする。
試料中の六方晶窒化ホウ素(hBN)の含有量[質量%]=窒素原子(N)の含有量[質量%]×1.772・・・(1)
上記第一粒子10及び上記第二粒子20が付着する面の割合は、樹脂と窒化ホウ素とで構成される成形体と、異種材料とを接続して得られる積層体におけるピール強度をより向上させる観点から調整することができる。上記面積の割合の下限値は、上記第一粒子10の主面の面積を基準として、例えば、5面積%以上、又は10面積%以上であってよいが、第二粒子を付着させることによる効果をより向上させる観点から、15面積%以上、20面積%以上、又は30面積%以上であってよい。上記面積の割合の下限値が上記範囲内であることで、窒化ホウ素複合粒子の側面、すなわち樹脂との親和性を向上し得る官能基を有する面の割合を向上し得る。上記官能基としては、例えば、OH基、及びNH基等が挙げられる。上記面積の割合の上限値は、上記第一粒子10の主面の面積を基準として、例えば、60面積%以下、55面積%以下、50面積%以下、又は45面積%以下であってよい。上記面積の割合の上限値が上記範囲内であることで、樹脂に窒化ホウ素を添加した時の粘度を抑制することができる。上記第一粒子10及び上記第二粒子20が付着する面の割合は上述の範囲内で調整でき、上記第一粒子10の主面の面積を基準として、例えば、5~60面積%、15~60面積%、20~55面積%、20~45面積%、又は30~45面積%であってよい。
本明細書における上述の面積の割合は、以下の方法によって測定される値を意味する。六方晶窒化ホウ素の一次粒子のような鱗片形状を有する粒子で構成される複合粒子の場合、一次粒子の主面である(100)面の面積、及び第一粒子と第二粒子との付着面積の割合を測定する際に、例えば、電子顕微鏡によって撮影された粒子像を含む画像をそのまま解析する方法では誤差が生じ易く(例えば、粒子が傾いていると誤差が生じる)、正確な測定が困難である。そこで、本明細書における、窒化ホウ素複合粒子における第一粒子の主面の面積、並びに、同面積を基準とした第一粒子及び第二粒子が付着する面の割合の測定は以下の方法によって行うものとする。まず、3gの窒化ホウ素粉末をプレス成型機によって5MPaの圧力で30mmφに成形し、樹脂を用いて包埋させることによって成形体を形成する。得られる成形体に対して圧力をかけた方向と並行方向に断面ミリング加工を行うことによって、窒化ホウ素複合粒子の断面を得る。プレス成型によって窒化ホウ素複合粒子が一方向に配向した状態が得られることから、粒子が測定面に対して傾くことによつ測定誤差を抑えることができる。断面ミリング加工によって得られた断面を走査型電子顕微鏡によって撮影し、得られた粒子像を含むSEM画像を画像解析ソフトウェアに取り込む。次いで、取り込んだ画像から、第一粒子の(100)面の長さ(二つの(100)面の長さの合計値を用いる)をAとし、第一粒子と第二粒子とが互いに(100)面で接している長さ(複数の第二粒子が接している場合は、それぞれの接している長さを測定し、その合計値を用いる)をBとして、以下の式(2)から、第一粒子の主面の面積を基準とした第一粒子及び第二粒子が付着する面の割合を算出する。
(B/A)×100=第一粒子及び第二粒子付着する面の割合[面積%]・・・(2)
上述と同様の測定を、複合粒子100個について行い、得られた値の算術平均値を求める第一粒子の主面の面積を基準とした第一粒子及び第二粒子が付着する面の割合とする。プレス成型機としては、例えば、株式会社リガク製の「BRE-32」(商品名)等を使用することができる。樹脂としては、例えば、GATAN社製の「G2エポキシ」(商品名)等を使用することができる。走査型電子顕微鏡としては、例えば、日本電子株式会社製の「JSM-6010LA」(商品名)等を用いることができる。画像解析ソフトウェアとしては、例えば、マウンテック社製の「Mac-View」(商品名)等を用いることができる。
上記第一粒子10の平均粒径は、例えば、20.0μm以下、18.0μm以下、15.0μm以下、又は10.0μm以下であってよい。上記第一粒子10の平均粒径の上限値が上記範囲内であることで、窒化ホウ素複合粒子100を樹脂へ分散させ、成形した際に、窒化ホウ素複合粒子100が配向し、成形体表面の表面平滑性をより向上できる。上記第一粒子10の平均粒径の下限値は、例えば、2.0μm以上、3.0μm以上、4.0μm以上、又は5.0μm以上であってよい。上記第一粒子10の平均粒径の下限値が上記範囲内であることで、より良好な低誘電正接を発現することができる。上記第一粒子10の平均粒径は上述の範囲内で調整してよく、例えば、2.0~20.0μm、3.0~18.0μm、又は3.0~15.0μmであってよい。
上記第一粒子10の平均粒径と上記第二粒子20の平均粒子との差が大きいことが望ましい。上記第一粒子10の平均粒径と上記第二粒子20の平均粒子との比の下限値は、例えば、50%以上、60%以上、又は70%以上であってよい。上記差の下限値が上記範囲内であることによって、第一粒子と第二粒子の複合化を促進させることができる。上記第一粒子10の平均粒径と上記第二粒子20の平均粒子との比の上限値は、例えば、99%以下、95%以下、又は90%以下であってよい。上記差の上限値が上記範囲内であることによって、第二粒子20同士の凝集を防ぎ第一粒子への複合化を促進させることができる。
本明細書における第一粒子10及び第二粒子20の平均粒径は、ISO 13320:2009に準拠し、粒度分布測定装置を用いて測定される値を意味する。上記測定で得られる平均粒径は、体積統計値による平均粒径であり、平均粒径はメジアン値(d50)である。粒度分布測定に際し、該凝集体を分散させる溶媒には水を、分散剤にはヘキサメタリン酸を用いる。このとき水の屈折率には1.33を用い、また、六方晶窒化ホウ素粉末の屈折率には1.80の数値を用いる。粒度分布測定装置としては、例えば、日機装株式会社製の「MT3300EX」(商品名)等を用いることができる。
上記第一粒子10の1個あたりに付着する上記第二粒子20の個数は、窒化ホウ素複合粒子100の用途に応じて調整することができる。上記第一粒子10に対して付着した上記第二粒子20の数の下限値は、上記第一粒子1個あたり、例えば、15個以上、又は30個以上であってよいが、第二粒子を付着させることによる効果をより向上させる観点からは、50個以上、75個以上、又は100個以上であってよい。上記第一粒子10に対して付着した上記第二粒子20の数の下限値が上記範囲内であることで、窒化ホウ素複合粒子100の平均厚さが上昇する傾向にあり、また窒化ホウ素複合粒子100における側面の存在割合が向上することから、樹脂等への親和性をより向上させることができる。上記第一粒子10に対して付着した上記第二粒子20の数の上限値は、上記第一粒子1個あたり、例えば、200個以下、175個以下、150個以下、又は125個以下であってよい。上記第一粒子10に対して付着した上記第二粒子20の数の上限値が上記範囲内であることで、窒化ホウ素複合粒子100の比表面積の上昇が抑制され、窒化ホウ素複合粒子100の樹脂への分散性の低下を抑制できる。上記第一粒子10に対して付着した上記第二粒子20の数は上述の範囲内で調整してよく、上記第一粒子1個あたり、例えば、15~200個、50~200個、70~150個、75~150個、又は100~125個であってよい。
上記第一粒子10の1個あたりに付着する上記第二粒子20の個数は、以下の方法によって測定される値を意味する。具体的には、走査型電子顕微鏡によって窒化ホウ素複合粒子のSEM画像を取得し、窒化ホウ素複合粒子の1個あたりに付着する第二粒子の個数を測定する。窒化ホウ素複合粒子50個に対して同様の測定を行い、その算術平均値を第一粒子の1個あたりに付着する第二粒子の個数とする。測定は、上記方法によって取得されたSEM画像において観察される第一粒子の一方の主面上について、行うものとする。走査型電子顕微鏡としては、例えば、日本電子株式会社製の「JSM-6010LA」(商品名)等を用いることができる。
上述の窒化ホウ素複合粒子は、例えば、以下のような方法で製造することができる。窒化ホウ素複合粒子の製造方法の一実施形態は、六方晶窒化ホウ素の第一粒子、及び上記第一粒子よりも粒子径が小さい、六方晶窒化ホウ素の第二粒子を含む粉末を、炭素数が5以下のアルコールを含む溶媒中に分散させ分散液を得る工程(以下、分散工程ともいう)と、上記分散液から上記溶媒の含有量を低減させ、上記第一粒子の主面上に上記第二粒子の1以上を付着させることによって、複合粒子を得る工程(以下、複合化工程ともいう)と、を有する。
六方晶窒化ホウ素の第一粒子及び第二粒子は、市販の六方晶窒化ホウ素の一次粒子を用いてもよく、別途調製したものを用いてもよい。六方晶窒化ホウ素の一次粒子は、例えば、以下のような方法で調製したものを用いることができる。六方晶窒化ホウ素の一次粒子の調製方法は、例えば、ホウ素を含む化合物の粉末と窒素を含む化合物の粉末を含有する原料粉末を、不活性ガス雰囲気中、アンモニアガス雰囲気中、又はこれらの混合ガス雰囲気中において600~1300℃の温度で焼成することによって、低結晶性の六方晶窒化ホウ素、及び非晶質の六方晶窒化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも一方を含む仮焼物を得る仮焼工程と、仮焼物と助剤とを含む混合粉末を、不活性ガス及びアンモニアガスの少なくとも一方を含む雰囲気中において1600℃以上2100℃未満の温度で焼成して焼成物を得る焼成工程と、焼成物を粉砕、洗浄、及び乾燥し、乾燥粉末を得る精製工程を含む。粉砕工程では焼成工程で焼き固まった窒化ホウ素を解砕又は粉砕する。粉砕装置としては、例えば、グラインダーミル、及びローラーミル等を使用できる。粉砕工程では上記粉砕装置を用いて、せん断力又は圧縮力等を加えることによって、窒化ホウ素の一次粒子の一枚一枚の形状を保ちつつ解砕又は粉砕することができる。上述の調製方法によれば、窒化ホウ素の割れや欠けの発生を抑え、比表面積の増加による樹脂中の分散性低下をも抑制することができる。
上記第二粒子の配合量の下限値は、上記第一粒子100質量部に対して、例えば、10質量部以上、15質量部以上、又は20質量部以上であってよい。上記第二粒子の配合量の下限値が上記範囲内とすることによって、第一粒子に付着する第二粒子の割合を向上させることができる。上記第二粒子の配合量の上限値は、上記第一粒子100質量部に対して、例えば、50質量部以下、40質量部以下、又は30質量部以下であってよい。上記第二粒子の配合量の上限値が上記範囲内とすることによって、第二粒子同士の付着を抑制することができる。上記第二粒子の配合量は上述の範囲内で調整でき、上記第一粒子100質量部に対して、例えば、10~50質量部であってよい。
上記溶媒における上記アルコールの含有量は、例えば、50体積%以上、又は75体積%以上であってよく、100体積%(すなわち、上記溶媒が上記アルコールからなる)であってもよい。溶媒における上記アルコールの含有量が上記範囲内であることによって、窒化ホウ素の第二粒子の分散状態をより一層均一なものとすることができ、複合粒子の製造がより容易なものとなる。
炭素数が5以下のアルコールを構成する炭素部は、直鎖状であっても、分岐を有してよく、環状であってもよいが、六方晶窒化ホウ素の一次粒子の分散性を向上する観点から、直鎖状であることがより好ましい。上記アルコールを構成する炭素数は、例えば、4以下、3以下、又は2以下であってよく、2であってよい。上記アルコールは、より具体的には、例えば、エタノール、1-プロパノール、及び2-ブタノールからなる群より選択される少なくとも1種を含んでよく、エタノールを含んでよく、エタノールであってもよい。上記分散液を調製する際のアルコールとして上述のようなアルコールを含むことで、粒径が小さい第二粒子の分散液中における凝集を抑制し、第一粒子と第二粒子との主面同士での付着をより容易なものとすることができる。
上記分散液を得る工程が、上記粉末と上記溶媒とを混合し、30分間以上の分散処理を行う工程であってよい。分散処理は、例えば、超音波処理、及び湿式混合等であってよい。
複合化工程では、上記分散液から上記溶媒の含有量を低減させ、上記第一粒子の主面上に上記第二粒子の1以上を付着させる工程である。溶媒を除去する手段は、例えば、加熱、減圧乾燥、及び凍結乾燥等であってよい。
上述の窒化ホウ素複合粒子は、樹脂との親和性を向上し得ることから、樹脂組成物に対する充填材としても使用できる。樹脂組成物の一実施形態は、樹脂と、上述の窒化ホウ素複合粒子と、を含む。
樹脂としては、例えば、液晶性ポリマー、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アクリル樹脂、ポリオレフィン(ポリエチレン等)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、マレイミド変性樹脂、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)樹脂、AAS(アクリロニトリル-アクリルゴム・スチレン)樹脂、及びAES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム-スチレン)樹脂が挙げられる。
窒化ホウ素複合粒子の含有量の下限値は、樹脂組成物の全体積を基準として、例えば、5体積%以上、10体積%以上、15体積%以上、又は20体積%以上であってよい。窒化ホウ素複合粒子の含有量の上限値は、樹脂組成物の全体積を基準として、例えば、85体積%以下、80体積%以下、75体積%以下、又は70体積%以下であってよい。
上記樹脂組成物は、樹脂及び窒化ホウ素複合粒子に加えて、その他の成分を含んでもよい。その他の成分は、例えば、樹脂を硬化させる硬化剤、金属カップリング剤、及び無機フィラー等であってよい。
硬化剤は、樹脂の種類によって適宜選択してよい。例えば、樹脂がエポキシ樹脂である場合、硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック化合物、酸無水物、アミノ化合物、及びイミダゾール化合物等が挙げられる。硬化剤の含有量は、樹脂100体積部に対して、例えば、0.5体積部以上、又は1.0体積部以上であってよく、15体積部以下、又は10体積部以下であってよい。
上記樹脂組成物は本開示に係る窒化ホウ素複合粒子を含むことから、必ずしも金属カップリング剤を含む必要はないが、樹脂組成物の用途によってその他成分を含むことが許容される場合には、樹脂と窒化ホウ素複合粒子との親和性をより向上させる観点から、金属カップリング剤を含むことが望ましい。金属カップリング剤は、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、及びアルミネートカップリング剤等が挙げられる。金属カップリング剤の含有量は、窒化ホウ素複合粒子100質量部に対して、0.1質量部以上、又は0.2質量部以上であってよく、3.0質量部以下、又は2.0質量部以下であってよい。
上述の樹脂組成物は、例えば、シート状に成形し、得られた成形板を金属板のような異種材料と接着して積層体を形成するために使用することができる。異種材料とは、樹脂組成物によって成形される成形材とは異なる材料であることを意味する。異種材料としては、例えば、金属、及びセラミック焼結体等が挙げられる。異種材料の形状は特に制限されるものでは無いが、板状等であってよい。
上記積層体は、例えば、放熱部材、プリプレグ、及び金属箔張積層板等に用いることができる。上記積層体は、樹脂組成物の成形によって得られた成形体中における樹脂と窒化ホウ素複合粒子との親和性が高いことから、外部からの応力や熱応力等が生じた場合であっても、成形体内部での破壊が抑制され得る。つまり、上記樹脂組成物を使用することによって、強度、耐久性に優れる部材を成形し得る。また、窒化ホウ素複合粒子が低誘電正接であることから高周波材料にも使用される。
以上、本開示の幾つかの実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。また、上述した実施形態についての説明内容は、互いに適用することができる。
以下、本開示について、実施例及び比較例を用いてより詳細に説明する。なお、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[六方晶窒化ホウ素の第一粒子の調製]
ホウ酸粉末(純度:99.8質量%以上、関東化学株式会社製)100.0質量部、及びメラミン粉末(純度:99.0質量%以上、富士フイルム和光純薬株式会社製)90.0質量部を、アルミナ製乳鉢を用いて10分間混合し混合原料を得た。乾燥後の混合原料を、六方晶窒化ホウ素製の容器に入れ、電気炉内に配置した。電気炉内に窒素ガスを流通させながら、10℃/分の速度で室温から1000℃に昇温した。1000℃で2時間保持した後、加熱を止めて自然冷却した。温度が100℃以下になった時点で電気炉を開放した。このようにして、低結晶性の六方晶窒化ホウ素を含む仮焼物を得た。
上記仮焼物100.0質量部に、助剤として炭酸ナトリウム(純度:99.5質量%以上)を3.0質量部添加し、アルミナ製乳鉢を用いて10分間混合し混合物を得た。上記混合物を、六方晶窒化ホウ素製の容器に入れ、上述の電気炉内に配置した。電気炉内に窒素ガスを流通させながら、10℃/分の速度で室温から1700℃に昇温した。1700℃の焼成温度で4時間保持した後、加熱を止めて自然冷却した。温度が100℃以下になった時点で電気炉を開放した。得られた焼成物を回収し、アルミナ製乳鉢で3分間粉砕して、六方晶窒化ホウ素の粗粉を得た。
さらに、六方晶窒化ホウ素中に含まれる不純物を取り除くため、30質量部の粗粉に対して、5質量%の希硝酸500質量部となるように、希硝酸に上記粗粉を投入し、室温で60分間攪拌した。その後、吸引濾過によって固液分離し、ろ液が中性になるまで(電気伝導度が1ms/m以下になるまで)、水を入れ替えて洗浄した。洗浄後の粉末は乾燥機によって、170℃で12時間乾燥して、六方晶窒化ホウ素の第一粒子を調製した。得られた六方晶窒化ホウ素の第一粒子は、平均粒径が6.0μmであった。
[六方晶窒化ホウ素の第二粒子の調製]
ホウ酸粉末(純度:99.8質量%以上、関東化学株式会社製)100.0質量部、及びメラミン粉末(純度:99.0質量%以上、富士フイルム和光純薬株式会社製)90.0質量部を、アルミナ製乳鉢を用いて10分間混合し混合原料を得た。乾燥後の混合原料を、六方晶窒化ホウ素製の容器に入れ、電気炉内に配置した。電気炉内に窒素ガスを流通させながら、10℃/分の速度で室温から1000℃に昇温した。1000℃で2時間保持した後、加熱を止めて自然冷却した。温度が100℃以下になった時点で電気炉を開放した。このようにして、低結晶性の六方晶窒化ホウ素を含む仮焼物を得た。
上記仮焼物100.0質量部に、助剤として炭酸ナトリウム(純度:99.5質量%以上)を3.0質量部添加し、アルミナ製乳鉢を用いて10分間混合し混合物を得た。上記混合物を、六方晶窒化ホウ素製の容器に入れ、上述の電気炉内に配置した。電気炉内に窒素ガスを流通させながら、10℃/分の速度で室温から1600℃に昇温した。1600℃の焼成温度で4時間保持した後、加熱を止めて自然冷却した。温度が100℃以下になった時点で電気炉を開放した。得られた焼成物を回収し、ジェットミルで粉砕し、六方晶窒化ホウ素の粗粉を得た。
さらに、六方晶窒化ホウ素中に含まれる不純物を取り除くため、30質量部の粗粉に対して、5質量%の希硝酸500質量部となるように、希硝酸に上記粗粉を投入し、室温で60分間攪拌した。その後、吸引濾過によって固液分離し、ろ液が中性になるまで(電気伝導度が1ms/m以下になるまで)、水を入れ替えて洗浄した。洗浄後の粉末は乾燥機によって、170℃で12時間乾燥して、六方晶窒化ホウ素の第二粒子を調製した。得られた六方晶窒化ホウ素の第二粒子は、平均粒径が1.0μmであった。
[分散液の調製]
容器に、六方晶窒化ホウ素の第一粒子100質量部と、六方晶窒化ホウ素の第一粒子30質量部と、を測り取り、混合粉末を調製した。上記混合粉末100質量部に対して、分散媒(エタノールと水とを1:1(体積比)で混合したもの)500質量部添加し混合液を調製した。次に、混合液100mLを300mLビーカーに測り取り、ホモジナイザー(SONICS社製、商品名:VC-505)によって、2分間超音波分散させた。その後、スリーワンモータ撹拌機で300rpm、30分間攪拌し分散させることによって、分散液を調製した。
[窒化ホウ素複合粒子の調製]
上述のように調製した分散液を、大気雰囲気下で、100℃、24時間加熱することによって溶媒を除去し、粉末状の窒化ホウ素複合粒子を得た。
<窒化ホウ素複合粒子の評価>
得られた窒化ホウ素複合粒子について、後述する方法に基づいて、第一粒子及び第二粒子が付着する面積の割合、及び第一粒子1個あたりの第二粒子の付着個数を決定した。
[第一粒子及び第二粒子が付着する面積の割合]
走査型電子顕微鏡を用いて、上記窒化ホウ素複合粒子の断面についてのSEM画像を取得し、画像解析によって、第一粒子及び第二粒子が付着する面積の割合を決定した。具体的には、3gの窒化ホウ素複合粒子をプレス成型機(株式会社リガク製、商品名:BRE-32)によって5MPaの圧力で30mmφに成形し、樹脂(GATAN社製、商品名:G2エポキシ)を用いて包埋させることで成形体を得た。得られた成形体に対して圧力をかけた方向と並行方向に断面ミリング加工を行い、窒化ホウ素複合粒子の断面を得て、これを測定対象とした。断面ミリング加工によって得られた断面を、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、商品名:JSM-6010LA)によって撮影し、得られた粒子像を含むSEM画像を画像解析ソフトウェア(マウンテック社製、商品名:Mac-View)に取り込んだ。次いで、取り込んだ画像から、第一粒子の(100)面の長さ(二つの(100)面の長さの合計値)をAとし、第一粒子と第二粒子とが互いに(100)面で接している長さ(複数の第二粒子が接している場合は、それぞれの接している長さの合計値)をBとして、以下の式(2)から、第一粒子の主面の面積を基準とした第一粒子及び第二粒子が付着する面の割合を算出した。
(B/A)×100=第一粒子及び第二粒子付着する面の割合[面積%]・・・(2)
上述と同様の測定を、複合粒子100個について行い、得られた値の算術平均値を求める第一粒子の主面の面積を基準とした第一粒子及び第二粒子が付着する面の割合とした。結果を表1に示す。
[第二粒子の付着個数の決定]
走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、商品名:JSM-6010LA)によって窒化ホウ素複合粒子のSEM画像を取得し、取得したSEM画像にて観察される第一粒子の一方の主面上について、窒化ホウ素複合粒子の1個あたりに付着する第二粒子の個数を測定した。同様の測定を、無作為に選んだ50個の窒化ホウ素複合粒子に対して行い、その算術平均値を、第一粒子1個あたりに付着する第二粒子の個数とした。
<窒化ホウ素複合粒子を含む樹脂組成物の評価:接着性評価>
得られた窒化ホウ素複合粒子を用いて、接着性の評価を行った。具体的には、まず窒化ホウ素複合粒子が30体積%、エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、商品名:エピコート806)が57.3体積%、硬化剤(三菱ケミカル株式会社製、商品名:エポキシ樹脂硬化剤、変性脂環族アミングレード グレード113)12.7体積%となるように配合し、さらに、上記窒化ホウ素複合粒子100質量部に対して1質量部となるようにシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM-4803)を配合した混合物を調製した。得られた混合物を自転・公転方式ミキサー(株式会社シンキー製、商品名:あわとり練太郎)によって混練混合させた混練物を得た。混練物を銅箔上に展開し、150℃で1時間、150kg/cmの圧力条件で加圧成型を行い、銅箔と接続した積層体を用意し、当該積層体のピール強度を測定し、評価した。ピール強度の測定は、JIS K 6854-1:1999「接着剤-はく離接着強さ試験方法」に記載の方法に準拠して90°はく離試験を行い、20℃における上記積層体のピール強度を、万能試験機(株式会社エーアンドディ製、商品名:RTG-1310)を用いて求めた。試験速度:50mm/分、ロードセル:5kN、測定温度:室温(20℃)の条件で測定を行って、凝集破壊部分の面積を測定した。測定結果から、以下の基準で、窒化ホウ素複合粒子の性能を評価した。結果を表1に示す。なお、凝集破壊部分とは、成形体と金属板の界面におけるはく離ではなく、成形体内部で破壊が生じた部分の面積である。
A:凝集破壊部分の面積比率が15面積%未満である。
B:凝集破壊部分の面積比率が15面積%以上30面積%未満である。
C:凝集破壊部分の面積比率が30面積%以上45面積%未満である。
D:凝集破壊部分の面積比率が45面積%以上である。
(実施例2)
第一粒子を調製する際の焼成温度を1850℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、粉末状の窒化ホウ素複合粒子を得た。なお、上記変更によって、得られた第一粒子の平均粒径は、14.0μmであった。得られた窒化ホウ素複合粒子について、実施例1と同様に、第一粒子及び第二粒子が付着する面積の割合、及び第二粒子の付着個数の測定を行い、接着性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
六方晶窒化ホウ素の第一粒子100質量部に対して、六方晶窒化ホウ素の第二粒子の配合量を50質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、粉末状の窒化ホウ素複合粒子を得た。得られた窒化ホウ素複合粒子について、実施例1と同様に、第一粒子及び第二粒子が付着する面積の割合、及び第二粒子の付着個数の測定を行い、接着性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
第二粒子を調製する際の焼成温度を1650℃にしたこと以外は、実施例1と同様にして、粉末状の窒化ホウ素複合粒子を得た。なお、上記変更によって、得られた第二粒子の平均粒径は、2.0μmであった。得られた窒化ホウ素複合粒子について、実施例1と同様に、第一粒子及び第二粒子が付着する面積の割合、及び第二粒子の付着個数の測定を行い、接着性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
六方晶窒化ホウ素の第一粒子100質量部に対する第二粒子の配合量を10質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、粉末状の窒化ホウ素複合粒子を得た。得られた窒化ホウ素複合粒子について、実施例1と同様に、第一粒子及び第二粒子が付着する面積の割合、及び第二粒子の付着個数の測定を行い、接着性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
複合粒子を調製する際の混合粉末100質量部に対して加える分散媒をエタノールと水とを1:9(体積比)で混合したもの500質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、粉末状の窒化ホウ素複合粒子を得た。得られた窒化ホウ素複合粒子について、実施例1と同様に、第一粒子及び第二粒子が付着する面積の割合、及び第二粒子の付着個数の測定を行い、接着性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
複合粒子を調製する際の分散液の調製において超音波処理を行わないように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、粉末状の窒化ホウ素複合粒子を得た。得られた窒化ホウ素複合粒子について、実施例1と同様に、第一粒子及び第二粒子が付着する面積の割合、及び第二粒子の付着個数の測定を行い、接着性の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
第二粒子を加えず、実施例1で調製した第一粒子単体を比較例1として、接着性の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2023024056000002
本開示によれば、樹脂と窒化ホウ素とで構成される成形体と、異種材料とを接続して得られる積層体において、優れた接着性を発揮し得る窒化ホウ素複合粒子を提供できる。本開示によればまた、上述の複合粒子を含む樹脂組成物を提供できる。
10…第一粒子、20…第二粒子、100…窒化ホウ素複合粒子。

Claims (5)

  1. 六方晶窒化ホウ素の第一粒子と、
    前記第一粒子よりも粒径が小さい、六方晶窒化ホウ素の複数の第二粒子と、を含み、
    複数の前記第二粒子の少なくとも一部は、前記第二粒子の主面において、前記第一粒子の主面に付着している、窒化ホウ素複合粒子。
  2. 前記第一粒子及び前記第二粒子が付着する面の割合が、前記第一粒子の主面の面積を基準として、15面積%以上である、請求項1に記載の窒化ホウ素複合粒子。
  3. 第一粒子の平均粒径が20.0μm以下である、請求項1又は2に記載の窒化ホウ素複合粒子。
  4. 前記第一粒子に対して付着した前記第二粒子の数が、前記第一粒子1個あたり50個以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の窒化ホウ素複合粒子。
  5. 樹脂と、請求項1~4のいずれか一項に記載の窒化ホウ素複合粒子と、を含む、樹脂組成物。
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