JP2015224193A - 記憶学習機能を向上する医薬、食品、組成物 - Google Patents

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【課題】記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための組成物、医薬、食品の提供。【解決手段】ホップに含まれる、フムロン類、或いは異性化ホップエキスに含まれるイソフムロン類。更にDHAと併用することにより単独投与による記憶学習機能がさらに増強する。有効成分が式(I)で表わされる化合物等を含む。[R1及びR2はC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基;R3及びR4は水酸基、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基;R3とR4が同時に水酸基を表すことはない]【選択図】図1

Description

本発明は、学習能力向上及び記憶力増強等の脳機能を維持、向上、改善させる作用を有する組成物、及び該組成物を有効成分として含む医薬、機能性飲食品に関する。
近年、脳機能の解明が進むにつれ、学習能力や記憶力等の脳機能の改善に作用する物質を探索する試みが盛んに行われている。
中学生や高校生のような学生にとっては、試験勉強や受験等に際し、記憶力、学習能力の向上等を脳機能の面からサポートすることが望まれている。また、脳の発育期である若年層や、覚える事の多い現代社会で生活を送る社会人など、幅広い世代において、学習能力や記憶力の増強のニーズが高まってきている。
これらの観点から、日常的に手軽に摂取し得る食品としての天然物に学習能力や記憶力を維持、向上、改善可能な物質が含まれていないか、その探索が盛んに行われている。今までにニシンやイワシの魚油に多く含まれるドコサヘキサエン酸や、乳酸菌発酵乳等に含まれる成分に脳の発育および脳機能を改善する効果があることが開示されている(特許文献1、2)。
本発明者は、ビールに苦み、香りを加える原料であるホップ抽出物に学習能力や記憶力等の脳機能を増強する成分が含まれていることを見出した。ホップ(学名:Humulus luplus)は、アサ科のつる性の多年草であり、欧米では古くからハーブとして使用されており、健胃、鎮静効果、入眠・安眠効果、食欲増進、脂質代謝改善等、生薬、民間薬として用いられてきた。
脳神経系に与える効果に限っても、例えば、ホップ抽出物に含まれるキサントフモールは脳内の神経成長因子(NGF)の産生を促す事が報告されている。(特許文献3)。また、イソフムロン類には、転写因子Nrf2の活性化、自律神経の調節等様々な効果を有することが知られている(特許文献4、5)。
しかしながら、これまでにホップ抽出物に含まれるイソフムロン類に記憶学習機能への効果、及び海馬でのドーパミン産生への効果は全く知られていなかった。本発明者らはホップ抽出物に含まれるフムロン類、及びこれを異性化したイソフムロン類に、ドーパミン産生を介した脳機能、特に記憶学習機能の維持、向上、改善効果を見出し、本発明を完成した。
特開平7−17855号公報 特開平9−23848号公報 国際公開2003/006037号 国際公開2006/043671号 特開2013−124237号公報 特開2010−018631号公報
Bethus, I., et al., J.Neurosci., 2010, Vol.30(5), pp.1610-1618. Borta, A., & Hoglinger, G. U., J. Neurochem., 2007, Vol.100, pp.587-595. Money, K.M., & Stanwood, G.D., Front. Cell. Neurosci., 2013, Vol.7, Article 260 Bustos G., et al., Brain Res. Brain Res. Rev. Vol. 47, pp.126-144. Savitz J, et al., Genes Brain Behav., 2006, Vol.5, pp.311-328. Guillin,O. et al., Int. Rev. Neurobiol., 2004, Vol. 59, pp.425-444 三上 俊夫、日医大医会誌、2012, Vol.8, pp.168-173. Yajima, H., et al., J. Biol. Chem., 2004, Vol.279, pp.33456-33462 Taniguchi, Y. et al., J. Agric. Food Chem., 2013, Vol.61, pp.3121-3130
本発明は、記憶学習機能を向上させる組成物、及びこれを含む医薬、飲食品を提供することを課題とする。特に、日常的に摂取し得る食品として、天然物に含まれる成分を有効成分とすることにより、副作用等の危険性が少ない医薬、手軽に摂取可能な飲食品を提供することを課題とする。
本発明は、記憶学習機能を維持、向上、及び改善させるための組成物であって、有効成分が式(I):

[上記式中、R及びRはC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表し、R及びRは水酸基、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表すが、RとRが同時に水酸基を表すことはない。]、
式(II):
[上記式中、R、R、及びRは水素原子、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表し、R及びRは水素原子、水酸基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、−C(=O)R10、又は−CH(−OH)R10を表し、R10はC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表すが、RとRが同時に水酸基を表すことはない。]、
式(III):
[上記式中、R11及びR12は水素原子、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表し、R13及びR14は水酸基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、−C(=O)R15、又は−CH(−OH)R15を表し、R15はC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表すが、R13とR14が同時に水酸基を表すことはない。]、
式(IV):
[上記式中、R16、R17、及びR18は水素原子、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表す。]、又は
式(V):
[上記式中、R19はC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表す。]
のうち少なくともいずれか一つの化合物又はこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物であることを特徴とする。
本発明で、記憶学習機能の維持とは、例えばシニア層等において、加齢による記憶力の低下を防止し、記憶力や学習能力を維持することを意味する。また、記憶学習機能の向上とは、特に若年層において脳の発育や神経細胞の増殖を促し、ひいては記憶学習能力を現状より高めることを意味する。さらに、記憶学習機能の改善とは、いったん低下した機能や低下の兆しがある機能についても神経細胞の増殖やシナプス間の情報伝達の向上を促すことによって回復を目指すことをいう。
本発明者らは、マウスを用いた実験によって、上記化合物を摂取させることにより海馬でのドーパミン、BDNF(Brain-derived neurotrophic factor)及びIGF−1(insulin-like growth factor)の産生が増加することを見出した。海馬におけるドーパミン産生は記憶学習機能を増強することが知られている(非特許文献1)。さらに、マウスでのY字迷路を用いた実験結果からも記憶学習機能の増強を示す結果が得られた。
また、ドーパミン、BDNF、IGF−1は、神経細胞の増殖を促し、脳の発育、発達に寄与し、記憶学習機能を増強することが示されている(非特許文献2〜7)。
上記化学式で表される化合物は、ホップ抽出物、あるいは異性化ホップエキス中に含まれる化合物、及びその誘導体である(特許文献6)。したがって、これら化合物を抽出、あるいは合成することによって、記憶学習機能を向上させるための組成物を得ることができる。
本発明の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための組成物は、前記有効成分が、ホップ抽出物、あるいは異性化ホップエキスに含まれることを特徴とする。
上述のように、本発明者らは、ホップ抽出物、あるいは異性化ホップエキス中に記憶学習機能を向上、増強する成分が含まれることを見出した。本発明の組成物はホップ抽出物、あるいは異性化ホップエキス中の成分であり、本来ビール等に含まれているものであることから、副作用を心配することなく摂取することができる。
さらに、本発明の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための組成物は、前記有効成分がフムロン類、イソフムロン類、又はその薬理学的に許容される塩もしくは溶媒和物の少なくともいずれか1つ以上であることを特徴とする。
上記化合物のうち、異性化ホップエキスに含まれる有効成分はイソフムロン類と総称される。ホップの毬花に含まれるフムロン酸は、ビールの醸造過程においてビールの苦み成分であるイソフムロンへと変換される。
イソフムロン類は、脂質代謝改善、ミクログリア貪食活性の亢進等、今までにも様々な生理機能を有することが報告されている。しかしながら、記憶学習機能の維持、向上、及び改善に関する報告はこれまでなされていない。
本発明の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための組成物は、前記記憶学習機能の向上が、ドーパミン産生の上昇によることを特徴とする。
本発明者は、イソフムロン類が、ドーパミン産生を上昇させることにより、記憶学習機能を維持、向上、及び改善することを見出した。ドーパミンの海馬での産生上昇は記憶力を増強することが報告されているが、イソフムロン類は海馬でのドーパミン産生を上昇させることを明らかにした。したがって、ドーパミン産生の上昇による記憶学習機能の維持、向上、及び改善に特に効果があるものと認められる。
本発明の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための組成物は、さらに、ドコサヘキサエン酸(DHA)を含むことを特徴とする。
本発明の有効成分とDHAとを併用することにより、異性化ホップエキスの効果が増強されることが明らかとなったからである。
本発明の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための医薬、又は食品は、有効成分が式(I):
[上記式中、R及びRはC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表し、R及びRは水酸基、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表すが、RとRが同時に水酸基を表すことはない。]、
式(II):
[上記式中、R、R、及びRは水素原子、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表し、R及びRは水素原子、水酸基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、−C(=O)R10、又はCH(−OH)R10を表し、R10はC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表すが、RとRが同時に水酸基を表すことはない。]、
式(III):
[上記式中、R11及びR12は水素原子、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表し、R13及びR14は水酸基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、−C(=O)R15、又はCH(−OH)R15を表し、R15はC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表すが、R13とR14が同時に水酸基を表すことはない。]、
式(IV):
[上記式中、R16、R17、及びR18は水素原子、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表す。]、又は
式(V):
[上記式中、R19はC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表す。]
のうち少なくともいずれか一つの化合物又はこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物であることを特徴とする。
医薬、又は食品として提供することにより、様々な世代のニーズに合わせて、記憶学習機能を維持、向上、及び改善させる製品とすることができる。特に、食品として提供することにより、日常的に摂取できるようになり、若年層では脳の発育や記憶学習機能の向上、シニア層では記憶学習機能の維持、改善と、幅広い世代の記憶力や集中力といった脳機能を向上させたいというニーズに応えるものである。
本発明の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための医薬、又は食品は、前記有効成分が、ホップ抽出物、あるいは異性化ホップエキスに含まれることを特徴とする。
記憶学習機能を維持、向上、及び改善するため有効成分が、ホップ抽出物、あるいは異性化ホップエキス、すなわちビール等の食品に含まれる成分であることは、本発明の組成物が安全な医薬、又は食品を提供し得ることを示している。
本発明の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための医薬、又は食品は、前記有効成分がフムロン類、イソフムロン類、又はその薬理学的に許容される塩もしくは溶媒和物の少なくともいずれか1つ以上であることを特徴とする。
上記化学式で示す化合物の中でも、ビールの苦み成分として知られているイソフムロン類は、記憶学習機能を向上、増強させる効果が高いことが明らかとなったことから、イソフムロン類を添加した食品を、いわゆる機能性飲食品として提供し得ることを示している。
本発明の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための医薬、又は食品は、前記記憶学習機能の向上が、ドーパミン産生の上昇によることを特徴とする。
本発明者により、上記化合物が海馬におけるドーパミン産生を増加することが確認された。したがって、ドーパミン産生上昇により、維持、向上、改善する記憶学習機能の増強に特に効果があるものと考えられる。
本発明の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための医薬、又は食品は、さらに、ドコサヘキサエン酸(DHA)を含むことを特徴とする。
DHAは単独でも記憶学習機能を増強することが知られているが、本発明の組成物と一緒に摂取することにより、併用効果を有することが明らかとなった。DHA単独では効果が期待できない用量でも、本発明の組成物と併用することにより、DHAの効果を増強、発揮させる事が可能である。
Y字迷路試験による異性化ホップエキスの効果を示す図。 新奇物体認識試験による異性化ホップエキスの効果を示す図。 Y字迷路試験によるイソフムロンの効果を示す図。 新奇物体認識試験によるイソフムロンの効果を示す図。 Y字迷路試験によるフムロンの効果を示す図。 Y字迷路試験による異性化ホップエキスとドコサヘキサエン酸の相加作用を示す図。 新奇物体認識試験による異性化ホップエキスとドコサヘキサエン酸の相加作用を示す図。 Y字迷路試験によるアルコール誘導健忘モデルにおける異性化ホップエキスの効果を示す図。 異性化ホップエキスによる神経伝達物質産生誘導を示す図。 異性化ホップエキスによる神経伝達物質産生、及び代謝への影響を示す図。 異性化ホップエキスによるBDNF,及びIGF−1産生誘導を示す図。
本発明者は、ホップに由来する苦味成分であるイソフムロン類等がドーパミン、BDNF、IGF−1の産生を上昇させる作用を有することを見出した。イソフムロン類は、これまでに高血圧に伴う腎障害、及び転写因子Nrf2の活性化により治療し得る疾患の治療、症状の改善、また、脂質代謝、自律神経調節に有用であることが示されている(特許文献4〜6)。しかしながら、ドーパミン、BDNF、IGF−1の産生を上昇させることについては、本発明者らが初めて見出し、これにより、記憶学習機能を向上、改善する組成物、医薬、食品を提供することができる。
本発明において、「組成物」とは、式(I)〜(V)で表される化合物又はこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物のうち少なくともいずれか一つを有効成分として含むものである。本組成物は、ドーパミン産生を増加させることによって記憶学習機能を維持、向上、及び改善する作用がある。
本発明において、前記式(I)〜(V)の中には、幾何異性体、光学異性体等の立体異性体、互変異性体等が存在し得るものもあるが、本発明は、これらを含め、全ての可能な異性体及びそれらの混合物を包含する。
また、本発明において、前記式(I)〜(V)で表される化合物の薬学上許容される塩としては、例えば薬学上許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等が挙げられる。
前記式(I)〜(V)で表される化合物の薬学上許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられ、薬学上許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられ、薬学上許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩が挙げられ、薬学上許容される有機アミン付加塩としては、例えば、モルホリン、ピペリジン等の付加塩が挙げられ、薬学上許容されるアミノ酸付加塩としては、例えば、リジン、グリシン、フェニルアラニン等の付加塩が挙げられる。
本発明において、「医薬」とは、式(I)〜(V)で表される化合物のうち少なくともいずれか一つを有効成分として含み、担体、賦形剤、結合剤、希釈剤等を混合することにより製造できる。経口、非経口的に投与することが可能であり、経口投与する場合には、顆粒剤、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、シロップ剤等、どのような形態であってもかまわない。また、非経口用の投与形態としては、注射剤、点滴剤、経鼻投与製剤等の外用剤等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
また、製剤化にあたっては、本発明による有効成分以外に1種以上の有効成分をさらに添加してもよい。特に、DHAは、異性化ホップエキスとともに投与することにより、短期記憶、長期記憶ともに増強効果を示したことから、異性化ホップエキスの成分は、DHAとは異なる作用機作をもつものと考えられた。したがって、本発明の有効成分とDHAを併用できるように製剤化あるいは摂取すると、それぞれを単独に摂取する場合よりも効果の増強が期待できる。
また、本発明の化合物を医薬として投与する場合には、下記実施例を考慮すれば、式(I)〜(V)で表す化合物又はそれらの薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物の投与量及び投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度等により異なるが、通常、経口の場合、成人1人当たり0.01mg〜1g、好ましくは0.05〜100mgを1日1回ないし数回投与する。静脈内投与等の非経口投与の場合、成人1人当たり0.001〜100mg、好ましくは0.01〜10mgを1日1回ないし数回投与する。しかしながら、これら投与量及び投与回数に関しては、前述の種々の条件により変動する。
本発明において、「食品」とは、医薬以外のものであって、摂取可能なものであれば、その形態に特に制限はなく、液状、半液体状、固体状のいずれであってもよく、飲料のような形態も包含する。
また、「食品」には、健康食品、機能性食品、特定保険用食品、栄養補助食品、疾病リスク低減表示を付した食品、病者用食品、又、いわゆるサプリメントのようなものも包含される。
本発明において、異性化ホップエキスに主成分として含まれているイソフムロン類には、イソフムロン、イソアドフムロン、イソコフムロン、イソポストフムロン、イソプレフムロン、テトラハイドロイソフムロン、アロイソフムロン、パライソフムロン、フムニリック酸、ヘキサハイドロイソフムロン、アンチイソフムロン、フルポン等が包含されるが、公知のものであれば特に制限なく用いることができる。
本発明を以下の例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
≪異性化ホップエキス投与による短期記憶の増強≫
6週齢雄のCD−1マウスにイソフムロンの用量として0,0.02,0.2,2.0mg/kgとなるように調製した異性化ホップエキス(IHE、Hopsteiner社製)を胃内へ強制経口投与し、40分後に健忘を誘発するために0.75mg/kgのスコポラミン塩酸塩(SCP)を腹腔内投与した。スコポラミンの投与20分後に自発的交替行動を評価するY字迷路試験を実施した(図1(C))。
マウスは本来、直前に選択したルートとは異なるルートを選択する性質がある。そのため、幅、長さ等が等価の3本のアームを持つY字迷路にマウスを入れた場合、通常は直前に進入したアームとは異なるアームに進入する。Y字迷路試験は、マウスのその性質を利用し、短期記憶の評価に利用する試験である。
Y字迷路試験では、一本のアームの長さが25cm、壁の高さが20cm、床の幅が5cmの3本のアームが各々120度の角度で接続されたY字迷路を実験装置として使用した。
マウスをY字迷路のいずれかのアームの先端へ入れて自由に8分間探索させた際に移動したアームの順を記録した。3回連続で異なるアームを選択し、進入した場合を自発的交替行動と呼ぶ。時間内のアームへの総進入数及び、自発的交替行動数をカウントし、下記式(1)で自発的交替行動変動率(%)を算出した。
自発的交替行動変動率(%)=自発的交替行動数/(総進入数−2)×100
・・・・・式(1)
自発的交替行動変動率が高いほど、短期記憶が保持されている事を示す。
結果を図1に示す。一群10匹で試験を行い、測定値は平均値±標準誤差で示している。図1(A)は自発的交替行動変動率(spontaneous alteration)、(B)は総進入数(number of entries)を示す。スコポラミン(SCP)投与では、総進入数に有意な変動は生じず、異性化ホップエキス投与によっても、行動量に大きな変化がないことを示す。
一方、図1(A)に示すように、スコポラミンを投与した群(SCP+)では、コントロール群(SCP−)に比べて、自発的交替行動変動率が減少している。しかしながら、スコポラミン投与した群であっても、異性化ホップエキスを投与することによって、投与量依存的に自発的交替行動変動率が回復しており、異性化ホップエキスに短期記憶を改善する作用が見られた。異性化ホップエキスは、0.02mg/kgのイソフムロン投与で有意に改善効果が見られたことから、ごく少量の異性化ホップエキスであっても短期記憶の改善に作用することが明らかとなった。
〔実施例2〕
≪異性化ホップエキス投与による長期記憶の増強≫
次に、新奇物体認識試験を行い、長期記憶に対する異性化ホップエキスの効果を解析した。
マウスは本来新奇物体と認識すると接近し、形状の確認、匂いを嗅ぐなどの探索行動を行う。このとき、記憶している物体に対しては探索行動をとらないか、新奇物体に比べて短い時間しか探索しない。この性質を利用するのが新奇物体認識試験である。
図2(C)に実験の概要を示す。容器(床が38.5cmx38.5cm、高さが40cm)の隣り合った角から4cmずつ中央へ離れた場所に2つの同じ形をしたゴルフボール程度の大きさの積み木X及びYを設置する。6週齢雄のCD−1マウスに、イソフムロンの用量として0,0.02,0.2,2.0mg/kgとなるように調製した異性化ホップエキス(IHE、Hopsteiner社製)を胃内へ強制経口投与した。投与60分後にマウスをこの容器に入れて、10分間自由探索を実施し、終了後は飼育ケージへ戻した。これを獲得試行とする。
24時間後に各個体に同用量の異性化ホップエキスを経口投与し、24時間前に呈示した積み木YをゴルフボールZに置換した容器の中へ再度入れ、5分間自由探索を行わせて2つの物体への接触時間を各々測定した。これをテスト試行とする。両物体XとZへの探索行動の時間の長さの違いから、記憶の保持を評価する。
マウスは獲得試行とテスト試行の間隔が短い場合、新奇性のある物体(本試験におけるゴルフボールZ)により長い時間探索行動を示し、その嗜好性は獲得試行とテスト試行の間隔の拡大に伴って減弱する。そのため、新奇性に対する行動変化は「獲得試行時の物体の形状の記憶」を反映していると一般的に考えられている。
各群10匹のマウスを用い、獲得試行時の物質の探索時間及び、テスト試行時の新奇物質の探索時間を計測し、Discrimination indexを式(2)により算出した。結果を図2(A)に示す。
Discrimination index=(新奇物質の探索時間(秒)−獲得試行時の物質の探索時間(秒))/総探索時間(秒) ・・・式(2)
Discrimination indexが高いほど、獲得試行時の物体の形状を記憶していることを示す。
図2(A)に示すように、異性化ホップエキスを投与することにより投与量依存的に、Discrimination indexが増加した。異性化ホップエキス投与によって、獲得試行時の物体の形状の記憶が保持され、すなわち、長期記憶が増強していることが示された。
テスト試行時の新奇物体(novel)、非新奇物体(familiar)に対する探索時間を計測し、下記式(3)、(4)により探索時間割合(exploration time (%))を算出し、グラフにしたのが図2(B)である。
探索時間割合(familiar)=物体X探索時間/総探索時間×100
・・・式(3)
探索時間割合(novel)=物体Z探索時間/総探索時間×100
・・・式(4)
異性化ホップエキスの投与によって、新奇物体(novel)に対する探索時間割合が投与量に依存して増加していることが明らかである。
〔実施例3〕
≪イソフムロンの短期記憶に対する効果≫
異性化ホップエキス中にはα酸(フムロン類)、β酸(ルプロン類)等、様々な物質が含まれている。そこで、記憶に対する効果が異性化ホップエキス中のどの成分に由来するのかを解析するために、シス‐イソNフムロン(cIH)、トランス‐イソNフムロン(tIH)の短期記憶に対する効果を調べた。シス‐イソNフムロン、トランス‐イソNフムロンは、非特許文献8の方法により精製して用いた。
6週齢雄のCD−1マウスへイソフムロンの用量として0.2mg/kgとなるように調製した異性化ホップエキス(IHE)、若しくは0.2mg/kgシス‐イソNフムロン(cIH)、0.2mg/kgトランス‐イソNフムロン(tIH)を胃内へ強制経口投与した他は実施例1と同様にしてY字迷路試験を行った。結果を図3に示す。
シス−イソNフムロン、トランス−イソNフムロンには、異性化ホップエキス同様、スコポラミンが誘発する健忘を回復させる効果が見られた。また、その効果は異性化ホップエキスと同等であることも示された。したがって、異性化ホップエキス中のイソフムロンに記憶学習機能を改善する作用があるものと考えられた。
〔実施例4〕
≪イソフムロンの長期記憶に対する効果≫
次に、長期記憶に対するイソフムロンの効果を調べた。6週齢雄のCD−1マウスへイソフムロンとして0.2mg/kgとなるように調製した異性化ホップエキス(IHE)、若しくは0.2mg/kgシス‐イソNフムロン、0.2mg/kgトランス‐イソNフムロンを胃内へ強制経口投与して獲得試行を行った他は実施例2と同様にして新奇物体認識試験を行った。結果を図4に示す。
シス−イソNフムロン(cIH)、トランス−イソNフムロン(tIH)は、異性化ホップエキス(IHE)同様、長期記憶を増強させる効果が見られた。これらの結果を鑑みると、異性化ホップエキスに見られる記憶学習機能を維持、向上、改善させる成分はイソフムロンであり、シス体とトランス体はほぼ同等の効果であると考えられた。
〔実施例5〕
≪フムロンの効果≫
ホップエキスを異性化処理する前のフムロンが記憶学習機能に対して、同様の効果を有するか解析した。フムロンは非特許文献9の方法により精製して用いた。
6週齢雄のCD−1マウスへイソフムロンとして0.5mg/kgとなるように調製した異性化ホップエキス(IHE)、若しくは0.5mg/kg、5.0mg/kgのフムロン(Humulone)を胃内へ強制経口投与した他は実施例1と同様にしてY字迷路試験を行った。結果を図5に示す。
フムロンは、異性化ホップエキスと比較すると効果は弱いものの5.0mg/kg投与により、記憶学習機能を改善させる効果が認められた。
〔実施例6〕
≪異性化ホップエキスとドコサヘキサエン酸投与による短期記憶の増強≫
ドコサヘキサエン酸(DHA)には、脳機能を改善し、学習能力、記憶力を増強する効果があることが開示されている(特許文献1)。そこで、DHAと異性化ホップエキスとを併用した場合の短期記憶に対する効果を解析した。
0.5 w/v%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁させたDHA5.0mg/kg、イソフムロンとして0.5mg/kgとなるように調製した異性化ホップエキスを夫々単独あるいは併用して投与した他は実施例1と同様にしてY字迷路試験を行った。なお、溶媒であるメチルセルロース溶液のみを投与したものをコントロールとした。結果を図6に示す。
DHA、異性化ホップエキスどちらも単独で短期記憶を改善する効果が認められたが、併用投与により、その効果が増強することを確認した。したがって、DHAと異性化ホップエキスの作用機序は異なることが示唆された。また、本実験で投与したDHAの量は、通常記憶に対して効果があるとされている量であるが、異性化ホップエキスの方が、自発的交替行動変動率の顕著な改善が認められた。短期記憶に対して異性化ホップエキスが優れた効果を有することが示された。
〔実施例7〕
≪異性化ホップエキスとドコサヘキサエン酸投与による長期記憶の増強≫
次に、DHAと異性化ホップエキスを併用投与した際の長期記憶の増強に対する効果について検討した。メチルセルロース(MC)溶液に懸濁させたDHA5.0mg/kg、イソフムロンとして0.5mg/kgとなるように調製した異性化ホップエキスを夫々単独あるいは併用して投与した他は実施例2と同様にして新奇物体認識試験を行った。なお、溶媒であるメチルセルロース溶液のみを投与したものをコントロールとした。結果を図7に示す。
DHA、異性化ホップエキスどちらも単独で長期記憶を増強する効果が認められたが、併用投与により、その効果は増強した。したがって、長期記憶に対する効果についても、DHAと異性化ホップエキスの作用機序は異なることが示唆された。また、DHAと比較して、異性化ホップエキスの方がより顕著な効果を示した。
〔実施例8〕
≪アルコール酩酊モデルを用いた実験≫
SCPとは異なる作用機作の健忘モデルとして知られるエタノール誘導健忘症モデルを用いて、異性化ホップエキスの効果を検討した。エタノール自体はGABA受容体にアゴニストとして作用し、健忘状態を誘発することが知られている。
6週齢雄のCD−1マウスへ健忘を誘導するために0.75g/kgのエタノールを経口投与し、その40分後にイソフムロンとして0,0.25,0.5mg/kgとなるように調製した異性化ホップエキスを胃内へ強制経口投与し、実施例1と同様にY字迷路試験を行い、短期記憶を評価した。結果を図8に示す。
図8に示すように、異性化ホップエキスにより投与量依存的にエタノールにより誘導される健忘の改善が見られた。SCP投与による健忘モデルとは異なるモデルで短期記憶の改善効果が認められたことから、異性化ホップエキスは種々の記憶学習効果を向上させたいニーズに応用が可能であることが示唆された。
〔実施例9〕
≪異性化ホップエキスによる神経伝達物質の産生誘導≫
異性化ホップエキスの記憶学習機能への作用機序を解析するために、海馬における神経伝達物質の産生を解析した。
ソムノペンチル麻酔処置した8週齢雄のSDラットを用いて、試験3日前にマイクロダイアリシスプローブ(A−I−8−03、エイコム社)を海馬へ挿入した。プローブの位置は海馬ブレグマから後位−5.8mm、側位−4.8mm、腹位4mmとした。2本のステンレス製ネジをアンカーとして頭蓋骨に埋め込み、これをプローブと共にデンタルセメントで頭蓋骨に固定した。
3日間の安静期間後、専用ケージ内で自由行動のもとリンゲル液を2μl/minの流速で3時間灌流してその後、20分ごとに還流液を回収した。そしてイソフムロンとして0、0.5、1.5mg/kgとなるように調製した異性化ホップエキスを経口投与し、投与の前50分間、投与後100分間の灌流液を回収した。回収した脳灌流液は、HPLC−ECDシステム(700 series,エイコム社)でドーパミン及びアセチルコリンの計測を実施した。結果を図9に示す。
一群4匹のラットを用い、実験を行った。溶媒のみ(0mg/kg)投与した場合の20分ごとに回収したサンプルの総数値を100としたときに、1.5mg/kgのイソフムロンを投与した場合の相対値が、189.84±50.31であったことから、イソフムロン投与が海馬でのドーパミン産生に効果があることが示された。一方、アセチルコリンに対しては効果が認められなかった。
海馬でのドーパミン産生の増強は記憶学習機能に対して効果があることが示されていることから(非特許文献1)、異性化ホップエキスで認められる記憶学習機能の増強効果はドーパミン産生上昇によるものであることが示唆された。
そこで、異性化ホップエキスを10日間連続投与、あるいは単回投与し、ドーパミン、及びドーパミンの代謝産物産生への影響を解析した。
イソフムロンとして0、0.2、0.6、1.8mg/kgとなるように調製した異性化ホップエキスを1群7匹で6週齢のCD−1マウスへ1日1回、10日間連続投与、もしくは、同じく0、0.2、0.6mg/kg単回投与を行い、最終投与1時間後に海馬を摘出した。摘出した海馬の除タンパク質処理を行い、前処理した後にHPLC−ECDシステム(700 series,エイコム社)でドーパミン(DA)、及びその代謝物であるジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、3−メトキシチラミン(3−MT)、ホモバリニン酸(HVA)を定量した。結果を図10に示す。
海馬中のドーパミン(DA)、及びその代謝物であるジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、3−メトキシチラミン(3−MT)、ホモバリニン酸(HVA)はいずれも異性化ホップエキスを連続、あるいは単回投与することによって、投与量依存的に増加した。
ドーパミンだけではなくその代謝産物の増加が認められたことから、ドーパミンの産生とともにその代謝も増強しており、産生されたドーパミンは機能的に作用していることが明らかとなった。
近年ドーパミンは、神経伝達物質としてだけではなく、成体における神経細胞の増殖や脳の発達に関与することが示唆されている(非特許文献2、3)。上記実験結果によって、海馬でのドーパミンの産生の増強が示されたことにより、本組成物はドーパミンの産生誘導を介して脳機能の維持、向上、及び改善に有効であると考えられた。
したがって、フムロン類、イソフムロン類を成分として含む医薬、食品を摂取することによって、記憶学習能の維持、向上及び改善を期待することができる。連続投与によっても、単回投与によってもドーパミン、及びその代謝産物の増加が見られたことから、日常的に摂取した場合でも、単回で摂取した場合でも効果は期待される。
〔実施例10〕
≪異性化ホップエキスのBDNF,IGF−1産生に及ぼす効果≫
ドーパミンは、さらに脳の発育を促すBDNF(Brain-derived neurotrophic factor)、IGF−1(insulin-like growth factor)といった液性因子の産生を促すことによって、神経細胞の生存や成長、新生を促す作用があるといわれている(非特許文献4〜7)。
そこで、異性化ホップエキスによるこれらの成長因子の産生に対する効果の解析を行った。
一群7匹、6週齢雄のCD−1マウスに、イソフムロンとして0.6mg/kgとなるように調製した異性化ホップエキスを1日1回、10日間経口投与を実施した。最終投与の3時間後に海馬を摘出し、海馬に含まれるBDNF(Promega社製),IGF−1(R&D Systems社製)をELISA キットによって定量した。結果を図11に示す。
BDNF、IGF−1ともにコントロールに比べ産生が上昇していることが示された。異性化ホップエキスに含まれるイソフムロンにより、ドーパミン産生が誘導され、さらに、BDNF,IGF−1の産生を誘導するものと考えられた。
上記結果から、イソフムロンによるドーパミンの産生及び、ドーパミンによって誘導されるBDNF,IGF−1の産生によって、記憶学習機能の維持、向上及び改善が期待される。
したがって、本組成物を日常的に摂取することによって、若年層からシニア層にいたるまで、記憶学習機能の維持、向上、及び改善に対するニーズを満たすことが期待される。

Claims (10)

  1. 記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための組成物であって、
    有効成分が式(I):

    [上記式中、R及びRはC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表し、R及びRは水酸基、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表すが、RとRが同時に水酸基を表すことはない。]、
    式(II):
    [上記式中、R、R、及びRは水素原子、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表し、R及びRは水素原子、水酸基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、−C(=O)R10、又は−CH(−OH)R10を表し、R10はC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表すが、RとRが同時に水酸基を表すことはない。]、
    式(III):
    [上記式中、R11及びR12は水素原子、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表し、R13及びR14は水酸基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、−C(=O)R15、又は−CH(−OH)R15を表し、R15はC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表すが、R13とR14が同時に水酸基を表すことはない。]、
    式(IV):
    [上記式中、R16、R17、及びR18は水素原子、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表す。]、又は
    式(V):
    [上記式中、R19はC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表す。]
    のうち少なくともいずれか一つの化合物又はこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物であることを特徴とする組成物。
  2. 請求項1に記載の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための組成物において、
    前記有効成分が、異性化ホップエキスに含まれることを特徴とする組成物。
  3. 請求項1又は2のいずれか1項に記載の記憶学習機能を維持、向上及び改善するための組成物において、
    前記有効成分がフムロン類、イソフムロン類、又はその薬理学的に許容される塩もしくは溶媒和物の少なくともいずれか1つ以上であることを特徴とする組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか1項記載の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための組成物において、
    前記記憶学習機能の維持、向上、及び改善が、ドーパミン産生の上昇によることを特徴とする組成物。
  5. 請求項1〜4いずれか1項記載の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための組成物において、
    さらに、ドコサヘキサエン酸(DHA)又はこれらの薬学上許容される塩と併用投与するためのものであることを特徴とする組成物。
  6. 記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための医薬、又は食品であって、
    有効成分が式(I):
    [上記式中、R及びRはC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表し、R及びRは水酸基、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表すが、RとRが同時に水酸基を表すことはない。]、
    式(II):
    [上記式中、R、R、及びRは水素原子、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表し、R及びRは水素原子、水酸基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、−C(=O)R10、又は−CH(−OH)R10を表し、R10はC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表すが、RとRが同時に水酸基を表すことはない。]、
    式(III):
    [上記式中、R11及びR12は水素原子、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表し、R13及びR14は水酸基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、−C(=O)R15、又は−CH(−OH)R15を表し、R15はC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表すが、R13とR14が同時に水酸基を表すことはない。]、
    式(IV):
    [上記式中、R16、R17、及びR18は水素原子、C1−6アルキル基、又はC2−6アルケニル基を表す。]、又は
    式(V):
    [上記式中、R19はC1−6アルキル基又はC2−6アルケニル基を表す。]
    のうち少なくともいずれか一つの化合物又はこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物であることを特徴とする医薬、又は食品。
  7. 請求項6記載の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための医薬、又は食品において、
    前記有効成分が、異性化ホップエキスに含まれることを特徴とする医薬、又は食品。
  8. 請求項6又は7いずれか1項記載の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための医薬、又は食品において、
    前記有効成分がフムロン類、イソフムロン類、又はその薬理学的に許容される塩もしくは溶媒和物の少なくともいずれか1つ以上であることを特徴とする医薬、又は食品。
  9. 請求項6〜8いずれか1項記載の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための医薬、又は食品において、
    前記記憶学習機能の維持、向上、及び改善が、ドーパミン産生の上昇によることを特徴とする医薬、又は食品。
  10. 請求項6〜9いずれか1項記載の記憶学習機能を維持、向上、及び改善するための医薬、又は食品において、
    さらに、ドコサヘキサエン酸(DHA)又はこれらの薬学上許容される塩と併用投与するためのものであることを特徴とする医薬、又は食品。
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