JP2015224048A - タグホルダー及びパレット - Google Patents

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Kenji Sakata
健治 酒田
篤史 小島
Atsushi Kojima
篤史 小島
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Abstract

【課題】保持されたICタグに不具合が生じ難いタグホルダーを提供する。【解決手段】タグホルダー20は、ICタグを保持するタグ保持部27と、タグ保持部27の上方に配置される天板部22と、タグ保持部27に天板部22を接続する接続部(側壁21における区画壁26よりも上側の部位)とを備えている。タグ保持部27の上面(区画壁26の上面)と天板部22との間には隙間(第2空間S2)が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、パレットに設けられた収容部にICタグを取り付けるためのタグホルダー、及びパレットに関する。
近年、電波を利用した自動認識技術(RFID:Radio Frequency Identification)が乗車券等において実用化されている。こうしたRFIDをパレットに利用することにより、パレット自体の管理、パレットの載置物の管理等の物流管理について効率化を図ることができる。RFIDを利用したパレットには、パレット自体の情報や載置物の情報等について無線通信で読み書き可能なICタグが装着される。
特許文献1には、タグホルダーを利用してパレットにICタグを装着する技術が開示されている。特許文献1のタグホルダーは、パレットにおける隣接する桟の間に挿入可能に構成されるものであって、隣接する桟の間の隙間に相当する大きさに形成される頭部と、頭部の下側に接続される本体部とから構成されている。本体部には、ICタグを保持するための保持部、及び抜け止め用の弾性片が設けられている。
そして、特許文献1のタグホルダーは、ICタグを保持した状態として、パレットの一面側から隣接する桟の間に挿入されることによりパレットに取り付けられる。このとき、タグホルダーの頭部が、パレットにおける隣接する桟の間に嵌合することよって、水平方向におけるタグホルダーのガタツキが抑制されている。また、タグホルダーの本体部の下端がパレットの他面側に位置するデッキ部分に当接するとともに、本体部に設けられた弾性片がパレットの桟に係合することによって、上下方向におけるタグホルダーのガタツキが抑制されている。
特開2011−57260号公報
ところで、パレットの使用時や運搬時等においては、パレットに取り付けられたタグホルダー内のICタグに様々な衝撃が伝えられる。こうした衝撃に起因して、タグホルダーに保持されたICタグに破損や読み取りエラー等の不具合が生じる場合がある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、保持されたICタグに不具合が生じ難いタグホルダー及びパレットを提供することにある。
上記の目的を達成するためのタグホルダーは、パレットに設けられた収容部にICタグを取り付けるためのタグホルダーであって、前記ICタグを保持するタグ保持部と、前記タグ保持部の上方に配置される天板部と、前記タグ保持部と前記天板部とを接続する接続部とを備え、前記接続部は、前記タグ保持部の外周部分に配置され、前記タグ保持部の上面と前記天板部との間、又は前記タグ保持部に保持された前記ICタグの上面と前記天板部との間に隙間が設けられている。
上記構成によれば、天板部に載置物等が当接した場合に、天板部に加えられた衝撃が分散してタグ保持部に保持されたICタグに伝えられることによって、ICタグに伝えられる衝撃が緩和される。また、天板部が撓んで衝撃が吸収されることによって、タグ保持部に保持されたICタグに伝えられる衝撃が緩和される。その結果、タグ保持部に保持されたICタグに不具合が生じることを抑制できる。
また、上記の目的を達成するためのタグホルダーは、パレットに設けられた収容部にICタグを取り付けるためのタグホルダーであって、前記ICタグを保持するタグ保持部を備え、前記タグ保持部は、前記ICタグの側部を支持する一対の側壁と、前記ICタグの上部を支持する上支持部と、前記ICタグの下部を支持する下支持部とを備え、前記側壁の内面には、側方からの前記ICタグの脱落を防止する係止突部が設けられ、前記側壁には、前記係止突部が設けられた部位における前記側壁間の間隔の広がりを規制する規制部が設けられている。
また、上記の目的を達成するためのパレットは、ICタグを保持するタグホルダーと、前記タグホルダーが収容される収容部とを備えるパレットであって、前記タグホルダーは、前記ICタグを保持するタグ保持部を備え、前記タグ保持部は、前記ICタグの側部を支持する一対の側壁と、前記ICタグの上部を支持する上支持部と、前記ICタグの下部を支持する下支持部とを備え、前記側壁の内面には、側方からの前記ICタグの脱落を防止する係止突部が設けられ、前記収容部は、載置面側に開口する凹部として形成されるとともに、前記収容部の周壁には、前記係止突部が設けられた部位における前記タグホルダーの前記側壁間の間隔の広がりを規制する規制部が設けられている。
パレット内において、タグホルダーからICタグが脱落してしまうと、パレットの運搬時等に、脱落したICタグがタグホルダーやパレットの内壁に衝突して、ICタグに衝撃が加えられることにより、ICタグTに不具合が生じるおそれがある。上記各構成によれば、タグホルダーの側壁又は収容部の周壁に設けられた規制部によって、一対の側壁間の間隔が広がることが規制されることにより、係止突部を乗り越えてICタグが脱落することが起こり難くなる。その結果、タグホルダーからICタグが脱落することに起因して生じるICタグの不具合を抑制することができる。
本発明のタグホルダー及びパレットによれば、保持されたICタグに不具合が生じることを抑制できる。
パレット及びタグホルダーの斜視図。 タグホルダーの斜視図。 タグホルダーの正面図。 タグホルダーの斜視図。 タグホルダーが取り付けられたパレットの部分断面図。 変更例におけるタグホルダーが取り付けられたパレットの部分断面図。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
まず、タグホルダー20が取り付けられるパレット10について説明する。
図1に示すように、パレット10は、平面四角形状をなす上面デッキ11と、同じく平面四角形状をなす下面デッキ12とが筒状をなす桁で連結されてなり、上面デッキ11の面を載置面として使用することができるように構成されている。上記桁として、各デッキの四隅部を連結する隅部桁13aと、各デッキの四側部における中間部を連結する中間桁13bと、各デッキの中央部を連結する中央桁13cとが設けられている。なお、パレット10は、合成樹脂材料により構成されている。
パレット10の中央桁13cには、上面デッキ11側に開口する収容部14が設けられている。収容部14は、平面視四角形状に配置される四枚の周壁15と、各周壁15に接続される底壁16とから構成されている。底壁16は、パレット10の厚さ方向における中間部分に設けられている(図5参照)。収容部14を構成する周壁15及び底壁16は、中央桁13cの一部として中央桁13cと一体に形成されている。
四枚の周壁15のうち対向する一対の周壁15の開口側の端部には、タグホルダー20を係合するための切欠状の第1被係合部17が設けられている。また、図5に示すように、底壁16には、タグホルダー20を係合するための孔状の第2被係合部18が設けられている。そして、第1被係合部17が設けられていない側の一対の周壁15の開口側の端部には、タグホルダー20を係止するための係止凹部15aが設けられている。
次に、タグホルダー20について説明する。
図2〜図4に示すように、合成樹脂材料により構成されるタグホルダー20は、所定の間隔をあけて平行に配置される一対の側壁21と、側壁21の上端に連設される天板部22と、側壁21の下端に連設される下壁23とを備え、全体として四角枠状に形成されている。
側壁21は、上下方向に延びる長四角板状に形成されている。側壁21の上下方向における長さは、パレット10の収容部14の深さより僅かに小さい値に設定されるとともに、側壁21の前後方向の長さ(図3における紙面手前奥方向)は、収容部14の一方側の対向する周壁15間の距離より僅かに小さい値に設定されている。また、一対の側壁21は、一方の側壁21の外面と他方の側壁21の外面との距離が、パレット10の収容部14における他方側の対向する周壁15間の距離より僅かに小さい値となるように配置されている。また、各側壁21の下端縁には、下方へ延びる第2係合部24が設けられている。第2係合部24は、パレット10の収容部14に設けられた第2被係合部18に係合される部位である。
天板部22は、パレット10の収容部14の開口部分と略同形状の四角形状をなしている。天板部22における側壁21が連設される側の各側縁(左右に位置する側縁)には、側方へ延びるとともに先端が下方へ延びるL字形状の第1係合部25が設けられている。第1係合部25は、パレット10の収容部14に設けられた第1被係合部17に係合される部位である。
また、天板部22における側壁21が連設されていない側の各側縁(前後に位置する側縁)の中央部には、側方へ突出する係止部22aが設けられている。係止部22aは、パレット10の収容部14に設けられた係止凹部15aに係止される部位であり、係止凹部15aよりも僅かに小さい大きさ(外形)に形成されている。
下壁23は、一対の側壁21の下端同士を接続する四角板状の部位である。下壁23の中央部分には、前後方向の全体にわたって上側へ屈曲する屈曲部23aが設けられている。下壁23は、屈曲部23aにおいて上下方向に僅かに弾性変形可能に形成されている。
一対の側壁21の内面側には、側壁21と天板部22と下壁23とにより囲まれる空間を、下壁23側に位置する第1空間S1と、天板部22側に位置する第2空間S2とに区画する区画壁26が設けられている。区画壁26は、その前面側の中央部分が切り欠かれた平面視U字状の壁として形成されている。具体的には、区画壁26は、各側壁21の内面に立設される第1壁部26aと、後面側(図3における紙面奥側)において第1壁部26a同士を接続する第2壁部26bとから構成されている。
第1空間S1は、タグホルダー20内にICタグを収容して保持するための空間である。したがって、本実施形態においては、一対の側壁21における区画壁26よりも下側の部分と、区画壁26と、下壁23とによってタグ保持部27が構成されるとともに、タグ保持部27に第1空間S1が設けられている。そして、区画壁26は、タグ保持部27に保持されたICタグの上部を支持する上支持部として機能するとともに、下壁23は、タグ保持部27に保持されたICタグの下部を支持する下支持部として機能する。
また、一対の側壁21における第1空間S1に位置する部分の後面側の縁部には、タグ保持部27に保持されたICタグの後部を支持する後支持部28が設けられている。後支持部28は、一対の側壁21間を接続する板状の部位であり、本実施形態では、上下に二つの後支持部28が設けられている。
後支持部28は、上下方向において、その厚さを異ならせている。上側に位置する後支持部28については、天板部22側よりも中央側(下壁23側)を薄く形成するとともに、下側に位置する後支持部28については、下壁23側よりも中央側(天板部22側)を薄く形成している。そして、各後支持部28において、薄く形成されている中央側の部位の内面に平面視円形状の突部28aがそれぞれ設けられている。
側壁21の内面において、第1空間S1に位置する部分の前面側には、タグ保持部27に保持されたICタグの脱落を防止するための係止突部29が設けられている。係止突部29は、上下方向に延びる断面三角形状の突条として形成されている。また、側壁21において、係止突部29が設けられている部位の外面側には、前後方向に延びる突条形状をなす規制部30が設けられている。
一方、第2空間S2は、天板部22とタグ保持部27の上面(区画壁26の上面)との間に設けられる隙間である。つまり、天板部22は、タグ保持部27に対して、側壁21における区画壁26よりも上側の部位のみによって支持されており、天板部22の中央部分については、タグ保持部27から浮いた状態となっている。本実施形態においては、側壁21における区画壁26よりも上側の部位が、タグ保持部27と天板部22とを接続する接続部を構成している。
図3及び図4に示すように、天板部22の下面には、天板部22を補強するための縦リブ31a及び横リブ31bが十字状に交差して設けられている。横リブ31bは、側壁21の内面にも連続して形成され、その端部が区画壁26(第1壁部26a)の上面に接続されている。なお、縦リブ31a及び横リブ31bにおいて、天板部22の中央部に対応して位置する部分(横リブ31bの端部以外の部分)と、区画壁26との間には、隙間(第2空間S2)が設けられている。
次に、パレット10の収容部14にタグホルダー20を取り付ける方法について説明する。
図1に示すように、まず、タグホルダー20に対するICタグTの取り付けを行う。ICタグTは四角箱形状をなし、その内部にはICチップ、アンテナ、電源電池等が収容されている。タグホルダー20に対するICタグTの取り付けは、タグホルダー20の前面側からタグ保持部27の第1空間S1内にICタグTを挿入することにより行われる。そして、各側壁21に設けられた係止突部29の奥側までICタグTが挿入されることによって、タグ保持部27にICタグTが保持される。
タグ保持部27に保持されたICタグTは、一対の側壁21に挟まれることにより左右方向の移動が規制され、後支持部28と係止突部29とに挟まれることにより前後方向の移動が規制されている。このとき、ICタグTは、各後支持部28に設けられている突部28aに当接して前方側へ付勢されることによって、前後方向のガタツキが抑制されている。なお、後支持部28は、突部28aが形成されている中央側を薄く形成しているため、後支持部28中央側の部位については、前後方向における若干の弾性変形が許容されている。
また、タグ保持部27に保持されたICタグTは、区画壁26と下壁23とに挟まれることにより上下方向の移動が規制されている。このとき、ICタグTは、下壁23に設けられている屈曲部23aによって上方へ付勢されることによって、上下方向のガタツキが抑制されている(図5参照)。
次いで、ICタグTを保持させたタグホルダー20を、下壁23側を先端側として、パレット10の収容部14に挿入する。そして、図5に示すように、側壁21の下端に設けられた第2係合部24を、収容部14の底壁16に設けられた第2被係合部18に係合させるとともに、天板部22に設けられた第1係合部25を、収容部14の周壁15の上端に設けられた第1被係合部17に係合させる。また、天板部22に設けられた係止部22aを、収容部14の周壁15の上端に設けられた係止凹部15a内に収容させる(図1及び図2参照)。これにより、収容部14内にタグホルダー20が固定される。このとき、タグホルダー20の天板部22の上面は、パレット10の上面デッキ11の上面と略同一平面上に位置し、側壁21の下端は、収容部14の底壁16に当接している。
次に、本実施形態の作用について、図5に基づいて説明する。
上記のように、パレット10の収容部14に取り付けられたタグホルダー20の天板部22が、パレット10の上面と略同一平面上に位置する構成とした場合、パレット10の使用時等に、載置物等がタグホルダー20の天板部22に当接しやすくなる。本実施形態のタグホルダー20は、天板部22とタグ保持部27との間に第2空間S2(隙間)が設けられ、天板部22は一対の側壁21においてのみタグ保持部27に接続されている。
そのため、載置物等が当接することにより天板部22の中央部分に加えられた衝撃は、天板部22をその左右の縁部に向かって伝わるとともに、一対の側壁21を通じてタグ保持部27に保持されたICタグTへと伝わる。つまり、天板部22の中央部分に加えられた衝撃が、各側壁21に分散されてタグ保持部27に保持されたICタグTへと伝わる。これにより、ICタグTに伝わる衝撃が緩和される。
さらに、天板部22とタグ保持部27との間に第2空間S2(隙間)が設けられていることから、天板部22に載置物等が当接した際に、天板部22が下方へ撓むことができる。天板部22が撓んで天板部22にて衝撃が吸収されることによっても、ICタグTに伝わる衝撃が緩和される。このように、タグ保持部27に保持されたICタグTに伝わる衝撃が緩和されることによって、ICタグTに破損や読み取りエラー等の不具合が生じることが抑制される。
また、パレット10の収容部14内において、タグホルダー20からICタグTが脱落してしまうと、パレット10の運搬時等に、脱落したICタグTがタグホルダー20や収容部14の周壁15に衝突することにより、ICタグTに不具合が生じるおそれがある。
ここで、本実施形態のタグホルダー20は、側壁21の内面の前方側に係止突部29が設けられており、この係止突部29によって、タグ保持部27に保持されたICタグTの前方への移動、即ち前方からのICタグTの脱落を規制している。そのため、タグ保持部27からのICタグTの脱落は、一対の側壁21間の間隔(係止突部29が設けられている部位の間隔)が広がって、ICタグTが係止突部29を乗り越えてしまうことにより生じる。
そこで、本実施形態のタグホルダー20では、側壁21における係止突部29が設けられている部位の外面側に対して、突条形状の規制部30が設けられている。そのため、一対の側壁21に対して、側壁21間の間隔を広げる力が作用したとしても、側壁21の外面側に設けられた規制部30が、パレット10の収容部14の周壁15に当接することにより、それ以上に各側壁21が外側へ膨らむことが規制される。
そして、一対の側壁21間の間隔が広がることが規制されることにより、係止突部29を乗り越えてICタグTが脱落することが起こり難くなる。その結果、タグホルダー20からICタグTが脱落することに起因して生じるICタグTの不具合を抑制することができる。
次に、本実施形態の効果について記載する。
(1)タグホルダー20は、ICタグTを保持するタグ保持部27と、タグ保持部27の上方に配置される天板部22と、タグ保持部27に天板部22を接続する接続部(側壁21における区画壁26よりも上側の部位)とを備えている。タグ保持部27の上面(区画壁26の上面)と天板部22との間には隙間(第2空間S2)が設けられている。
上記構成によれば、天板部22に載置物等が当接した場合に、天板部22に加えられた衝撃が分散してICタグTに伝えられること、及び天板部22が撓んで衝撃が吸収されることによって、ICタグTに伝えられる衝撃が緩和される。その結果、タグ保持部27に保持されたICタグTに不具合が生じることを抑制できる。
また、本実施形態においては、天板部22に設けられた第1係合部25を、収容部14の周壁15に設けられた第1被係合部17に係合させることによって、パレット10にタグホルダー20を取り付けている。天板部22に載置物等が当接したときに、天板部22が撓んで衝撃が吸収されることによって、第1被係合部17から第1係合部25が外れ難くなるという効果も得られる。
(2)タグホルダー20は、ICタグTを保持するタグ保持部27を備えている。タグ保持部27は、ICタグTの側部を支持する一対の側壁21と、ICタグTの上部を支持する上支持部(区画壁26)と、ICタグTの下部を支持する下支持部(下壁23)とを備えている。側壁21の内面には、側方(前方)からのICタグTの脱落を防止する係止突部29が設けられている。側壁21には、係止突部29が設けられた部位における側壁21間の間隔の広がりを規制する規制部30が設けられている。
上記構成によれば、パレット10の収容部14内において、タグホルダー20からタグが脱落することが抑制される。その結果、タグ保持部27に保持されたICタグTに不具合が生じることを抑制できる。
(3)側壁21間の間隔の広がりを規制する規制部30として、前後方向に延びる突条形状の規制部を採用している。
上記構成によれば、規制部30を設けていない場合と比較して、側壁21そのものの撓みやすさが大きく変化することはない。つまり、側壁21自体が撓み難くなることはない。そのため、タグ保持部27の第1空間S1にICタグTを挿入する際には、側壁21間の間隔が容易に広げられて、スムーズに係止突部29を乗り越えさせることができる。したがって、タグホルダー20に対して、ICタグTを簡単に保持させることができる。
(4)後支持部28の内面に突部28aを設けて、タグ保持部27に保持されたICタグTを前方側へ付勢する構成を採用している。また、下壁23に屈曲部23aを設けて、タグ保持部27に保持されたICタグTを上方側へ付勢する構成を採用している。
上記構成によれば、タグ保持部27に保持されたICタグTの前後方向及び上下方向のガタツキを抑制できる。特に、合成樹脂製のタグホルダー20は、多少の寸法のバラつきが生じることがあるが、ICタグTが前方側及び上方側へ付勢されることにより、寸法のバラつきに起因するICタグTのガタツキを効果的に抑制できる。
(5)天板部22の左右の側縁に第1係合部25を設けるとともに、天板部22の前後の側縁に係止部22aを設けている。
上記構成によれば、パレット10に取り付けられたタグホルダー20の天板部22に上方から衝撃が加えられた場合に、天板部22は、パレット10の収容部14(周壁15)に四箇所で支持されることになる。これにより、負荷が分散されて、タグホルダー20に破損等が生じ難くなる。特に、係止部22aを設けていない構成と比較して、第1係合部25に作用する負荷が軽減されることから、第1係合部25における破損等が生じ難くなる。その結果、パレット10に対するタグホルダー20の固定状態が安定化する。
なお、パレット10の収容部14にタグホルダー20が取り付けられた状態において、係止部22aは、その下面が係止凹部15aの底面に当接していなくても、天板部22に上方から衝撃が加えられたときに、係止凹部15aの底面に当接して、係止凹部15aに係止される構成であれば、上記の効果を得ることができる。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 上記実施形態では、側壁21における区画壁26よりも上側の部位を、タグ保持部27と天板部22とを接続する接続部としていた、即ち側壁21がタグ保持部27の一部と接続部とを兼ねる構成であったが、接続部の構成はこれに限定されるものではない。接続部は、タグ保持部27の上面中央部を避けつつ、タグ保持部27の外周部分に配置されて、タグ保持部27の上面と天板部22との間に隙間(第2空間S2)を形成可能な構成であればよい。
例えば、接続部として、タグ保持部27の上面(区画壁27の上面)の周縁部やその近傍位置に複数の柱状部を設けて、その柱状部の上端に天板部22を支持させる構成としてもよい。また、接続部として、タグ保持部27の外周面(側壁21の外面)に対して、側方に延びるとともに先端が上方へ延びるL字状の壁部を設けて、その壁部の上端に天板部22を支持させる構成としてもよい。
・ 上記実施形態では、タグ保持部27について、ICタグTの上部を支持する上支持部として、前面側の中央部分が切り欠かれた平面視U字状の区画壁26を設けていたが、上支持部の構成はこれに限定されるものではない。例えば、上支持部として、側壁21の内面に前後方向へ延びるリブを形成して、同リブの側面にてICタグTの上部を支持する構成としてもよい。つまり、区画壁26における第2壁部26bを省略した構成としてもよい。
また、上支持部として、側壁21の内面に上下方向に延びるリブを形成して、同リブの下端にてICタグTの上部を支持する構成としてもよい。つまり、区画壁26を省略して、横リブ31bの下端にてICタグTの上部を支持する構成としてもよい。なお、この場合には、タグ保持部27に保持されたICタグTの上面と、天板部22の下面との間に第2空間S2に相当する隙間が設けられることになる。
・ 上記実施形態では、タグ保持部27について、ICタグTの下部を支持する下支持部として下壁23を設けていたが、下支持部の構成はこれに限定されるものではない。例えば、下支持部として、側壁21の内面に前後方向へ延びるリブを形成して、同リブの側面にてICタグTの下部を支持する構成としてもよいし、側壁21の内面に上下方向に延びるリブを形成して、同リブの上端にてICタグTの下部を支持する構成としてもよい。
・ 後支持部28を省略して、側壁21の内面後側にも係止突部29を設ける構成としてもよい。この場合には、タグホルダー20の前後どちら側からでも、ICタグTの取り付け・取り外しを行うことが可能になる。
・ 係止突部29が設けられている部位における側壁21間の間隔の広がりを規制可能な構成であれば、規制部30の具体的構成は特に限定されるものではない。
例えば、側壁21における係止突部29が設けられている部位の外面側には規制部30を設けずに、係止突部29が設けられている部位の上部及び下部の外面側にそれぞれ突条形状の規制部30を設けてもよい。この場合にも、上記(2),(3)の効果を得ることができる。また、突条形状の規制部30を複数設けてもよいし、突条形状の規制部30に代えて、単数又は複数の突起状の規制部30としてもよい。また、側壁21の外面に上下方向に延びるリブを設けて、同リブを規制部30としてもよい。
・ 上記実施形態では、片側に一つずつの係止突部29を設けていたが、片側に二つ以上の係止突部29を設けてもよい。
・ 上記実施形態では、天板部22の前後の側縁に係止部22aを設けていたが、この係止部22aを省略してもよい。また、係止部22aに代えて、天板部22の前後の側縁にも第1係合部25を設けてもよい。
・ 上記実施形態では、各後支持部28の内面に突部28aを設けていたが、外面に突部28aを設けてもよい。
・ 隙間(第2空間S2)を設けて、天板部22に加えられた衝撃を分散・緩和させる構成、及び規制部30を設けて、係止突部29が設けられた部位における側壁21間の間隔の広がりを規制する構成のうちの一方を省略してもよい。
・ 上記実施形態では、タグホルダー20における側壁21間の間隔の広がりを規制する規制部30を側壁21の外面に設けていたが、パレット10の収容部14における周壁15の内面に同様の規制部を設けてもよい。
例えば、図6に示す例では、収容部14の周壁15のうち、第1被係合部17が設けられている側の周壁15の内面に対して、上下方向に延びる突条形状の規制部15bを設けている。この規制部15bは、少なくとも一部が、(収容部14に収容された)タグホルダー20の側壁21における係止突部29が設けられている部位に対向して位置するように設けられている。
上記構成によれば、タグホルダー20に対して側壁21間の間隔を広げる力が作用したとしても、側壁21の外面が、パレット10の収容部14の周壁15の内面に設けられた規制部15bに当接することにより、それ以上に各側壁21が外側へ膨らむことが規制される。その結果、上記(2)と同様の効果が得られる。なお、図6に示す例では、タグホルダー20側の規制部30を省略しているが、タグホルダー20側の規制部30と、収容部14側の規制部15bとを併用してもよい。
・ タグホルダー20の天板部22の上面は、パレット10にタグホルダー20を取り付けたときに、パレット10の上面よりも下側に位置していてもよい。
・ 上記実施形態では、箱形状のICタグTを用いていたが、箱形状以外の形状のICタグTを用いることも可能である。この場合には、ICタグTの形状に応じて、タグホルダー20におけるタグ保持部27の形状を適宜変更すればよい。
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)ICタグを保持するタグホルダーと、前記タグホルダーが収容される収容部とを備えるパレットであって、前記タグホルダーは、前記ICタグを保持するタグ保持部と、前記タグ保持部の上方に配置される天板部と、前記タグ保持部と前記天板部とを接続する接続部とを備え、前記接続部は、前記タグ保持部の外周部分に配置され、前記タグ保持部の上面と前記天板部との間、又は前記タグ保持部に保持された前記ICタグの上面と前記天板部との間に隙間が設けられているパレット。
(ロ)ICタグを保持するタグホルダーと、前記タグホルダーが収容される収容部とを備えるパレットであって、前記タグホルダーは、前記ICタグを保持するタグ保持部を備え、前記タグ保持部は、前記ICタグの側部を支持する一対の側壁と、前記ICタグの上部を支持する上支持部と、前記ICタグの下部を支持する下支持部とを備え、前記側壁の内面には、側方からの前記ICタグの脱落を防止する係止突部が設けられ、前記側壁には、前記係止突部が設けられた部位における前記側壁間の間隔の広がりを規制する規制部が設けられているパレット。
S1…第1空間、S2…第2空間(隙間)、T…ICタグ、10…パレット、14…収容部、15b,30…規制部、20…タグホルダー、21…側壁、22…天板部、23…下壁(下支持部)、26…区画壁(上支持部)、27…タグ保持部、29…係止突部。

Claims (3)

  1. パレットに設けられた収容部にICタグを取り付けるためのタグホルダーであって、
    前記ICタグを保持するタグ保持部と、
    前記タグ保持部の上方に配置される天板部と、
    前記タグ保持部と前記天板部とを接続する接続部とを備え、
    前記接続部は、前記タグ保持部の外周部分に配置され、
    前記タグ保持部の上面と前記天板部との間、又は前記タグ保持部に保持された前記ICタグの上面と前記天板部との間に隙間が設けられていることを特徴とするタグホルダー。
  2. パレットに設けられた収容部にICタグを取り付けるためのタグホルダーであって、
    前記ICタグを保持するタグ保持部を備え、
    前記タグ保持部は、前記ICタグの側部を支持する一対の側壁と、前記ICタグの上部を支持する上支持部と、前記ICタグの下部を支持する下支持部とを備え、
    前記側壁の内面には、側方からの前記ICタグの脱落を防止する係止突部が設けられ、
    前記側壁には、前記係止突部が設けられた部位における前記側壁間の間隔の広がりを規制する規制部が設けられていることを特徴とするタグホルダー。
  3. ICタグを保持するタグホルダーと、前記タグホルダーが収容される収容部とを備えるパレットであって、
    前記タグホルダーは、前記ICタグを保持するタグ保持部を備え、前記タグ保持部は、前記ICタグの側部を支持する一対の側壁と、前記ICタグの上部を支持する上支持部と、前記ICタグの下部を支持する下支持部とを備え、前記側壁の内面には、側方からの前記ICタグの脱落を防止する係止突部が設けられ、
    前記収容部は、載置面側に開口する凹部として形成されるとともに、前記収容部の周壁には、前記係止突部が設けられた部位における前記タグホルダーの前記側壁間の間隔の広がりを規制する規制部が設けられていることを特徴とするパレット。
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