上述した問題を克服するように、酸素遮蔽材料を含むSMDsの様々な実施形態が開示される。この様々な実施形態は、概して、酸素および他の不純物の影響からコア部品を保護するように絶縁材料を利用する。いくつかの実施形態では、この絶縁材料は、本出願と同時出願の米国特許出願第12/460,338号(Goldenら)に記載された酸素遮蔽材料の1つに相当してよく、当該特許出願は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。この酸素遮蔽材料は、1平方メートルの面積に亘って1ミリメートルの厚さを有する試料を浸透する酸素の立方センチメートルとして測定された、約0.4cm3・mm/m2・atm・day(1cm3・mil/100in2・atm・day)よりも小さい酸素透過率を有することができる。この浸透率は、1つの雰囲気の分圧差の下、24時間に亘って相対湿度0%および温度23℃で測定される。酸素浸透率は、アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリスのMocon,Incにより市販されている装置によりASTM F-1927を用いて測定されてよい。
この絶縁材料は、概して、1つまたはそれより多い、エポキシのような熱硬化性ポリマーを含む。この絶縁材料は、A段階状態、B段階状態およびC段階状態の3つの物理的状態のうちの1つで存在してよい。A段階状態は、直鎖構造、溶解性(solubility)および溶融性(fusibility)を有する組成物(composition)により特徴付けられる。いくつかの実施形態では、A段階の組成物は、高い粘性の液体であってよく、規定された分子量を有し、大部分の未反応化合物(compound)から成る。この状態において、この組成物は、最大の流れ(flow)を有するであろう(B段階の材料またはC段階の材料と比較して)。いくつかの実施形態では、A段階の組成物は、光誘起反応または熱的反応を介してA段階状態からB段階状態またはC段階状態に変化できる。
B段階状態は、A段階の材料を部分的に硬化させることにより達成され、A段階の組成物の少なくとも一部が架橋結合(cross-link)され、この材料の分子量が増加する。特段の指定のない限り、潜熱による硬化(thermal latent cure)またはUV硬化により、B段階であることができる組成物を得ることができる。いくつかの実施形態では、潜熱による硬化により、B段階であることができる組成物を得ることができる。B段階の反応は、生成物が、反応前よりも高い軟化点および溶融粘性を有するがしかし、該生成物がまだ溶融性および溶解性を有する状態で、止めることができる。B段階の組成物は、その後の加熱の際の架橋結合に影響を及ぼすのに十分な硬化剤を含む。いくつかの実施形態では、B段階の組成物は、流体または半固体であり、従って、所定の条件下で流れることができる。半固体形態では、熱硬化性ポリマーは、例えば、作業者によって、更なる処理のために取り扱われてよい。いくつかの実施形態では、B段階の組成物は、コンフォーマル(相似)不粘着性膜を含み、加工可能であり、十分に硬くなく、電気部品の周囲にこの組成物を成形または流すことができる。
C段階状態は、この組成物を完全に硬化させることにより達成される。いくつかの実施形態では、C段階の組成物を、A段階状態から完全に硬化させる。他の実施形態では、C段階の組成物を、B段階状態から完全に硬化させる。一般的に、C段階では、この組成物は、合理的な条件下で流れることはないであろう。この状態では、この組成物は、固体であってよく、概して、異なる形状へ再形成できない。
絶縁材料の別の構成(または調合、formulation)は、プリプレグ構成である。プリプレグ構成は、概して、強化材料を備えたB段階の構成に相当する。例えば、繊維ガラスまたは異なる強化材料がB段階の構成内に組み込まれてよい。このことは、B段階の絶縁材料のシートの製造を可能にする。
上述した絶縁材料は、低い酸素透過性を示す、表面実装部品または他の小さな部品の製造を可能にする。例えば、この絶縁材料は、0.35mm(0.014インチ)よりも小さい壁の厚さを有する低酸素透過性の表面実装部品の製造を可能にする。
図1Aおよび1Bは、それぞれ、表面実装部品(SMD)100の1つの実施形態の上面図および底面図である。SMD100は、上面105a、底面105b、第1の端部110a、第2の端部110b、第1の接触パッド115aおよび第2の接触パッド115bを有する概して長方形の本体を含む。第1の接触パッド115aおよび第2の接触パッド115bは、SMD100の上面105aから、それぞれ、第1の端部110aおよび第2の端部110bに亘って、および底面105bに亘って延在する。図1Aおよび1Bにそれぞれ示されるように、第1の接触パッド115aは、第1の組の開口部117aを規定し、第2の接触パッド115bは、第2の組の開口部117bを規定する。図1Cに示されるように、第1および第2の組の開口部117aおよび117bは、第1および第2の接触パッド115aおよび115bを、内部に位置したコア部品120と電気的に通じさせるように構成される。1つの実施形態では、SMD100のサイズは、X、YおよびZ方向に、それぞれ、約3.0mm×約2.5mm×約0.7mm(約0.120インチ×約0.100インチ×約0.028インチ)であってよい。
図1Cは、図1AのA−A断面に沿って切り取られた、図1AのSMD100の断面図である。SMD100は、第1の接触パッド115aと、第2の接触パッド115bと、コア部品120と、絶縁材料125と、を含む。コア部品120は、酸素の存在下で劣化する特性を有する部品に相当してよい。例えば、コア部品120は、導電性ポリマー組成物を含む、低抵抗の正の温度係数(PTC)の部品に相当してよい。導電性ポリマー組成物の電気特性は、経時的に劣化する傾向を有する。例えば、金属充填導電性ポリマー組成物(例えば、ニッケルを含有する導電性ポリマー組成物)において、この組成物が周囲の大気に接触した場合、この金属粒子の表面は酸化する傾向があり、得られた酸化層は、互いに接触した時の粒子の導電性を低下させる。多くの酸化した接触点は、PTC部品の電気抵抗の5倍またはそれ以上の増加をもたらし得る。このことによって、PTC部品は、その元の仕様の制限値を越える可能性がある。酸素に対するこの組成物の暴露を最小限にすることにより、導電性ポリマー組成物を含む部品の電気的性能を改善できる。
コア部品120は、本体120aと、上面120bと、底面120cとを含んでよい。本体120aは、概して長方形状を有してよく、いくつかの実施形態では、Y軸に沿って約0.3mm(0.012インチ)の厚さ、X軸に沿って約2mm(0.080インチ)の長さおよびZ軸に沿って約1.5mm(0.060インチ)の深さであってよい。上面120bおよび底面120cは、導電性材料を含んでよい。例えば、上面120bおよび底面120cは、0.025mm(0.001インチ)の厚さのニッケル(Ni)層および/または0.025mm(0.001インチ)の厚さの銅(Cu)層を含んでよい。導電性材料は、コア部品120の上面120bおよび底面120c全体を覆ってもよい。
いくつかの実施形態では、絶縁体125は、米国特許出願第12/460,338号に記載の酸素遮蔽材料の1つのような酸素遮蔽材料に相当してよい。この酸素遮蔽材料は、コア部品に酸素が浸透するのを防ぐことができ、従って、コア部品の特性の劣化を防ぐことができる。Y軸に沿った、コア部品120の上面120bからSMD100の上面100aまでの絶縁体125の厚さは、0.01mm〜0.125mm(0.0004〜0.005インチ)の範囲内、例えば、約0.056mm(0.0022インチ)であってよい。X軸に沿った、コア部品120dおよび120eの端部からSMD100の端部までの絶縁体125の厚さは、0.025mm〜0.63mm(0.001〜0.025)の範囲内、例えば、約0.056mm(0.0022インチ)であってよい。
第1および第2の接触パッド115aおよび115bは、プリント回路板または基板(図示せず)にSMD100を取り付けるように用いられる。例えば、第1および第2の接触パッド115aおよび115bの一方の表面を介して、プリント回路板および/または基板のパッドにSMD100をはんだ付けしてよい。上述したように、第1の接触パッド115aは、第1の組の開口部117aを規定してよく、第2の接触パッド115bは、第2の組の開口部117bを規定してよい。第1の接触パッド115aでは、第1の組の開口部117aは、SMD100の上面100aからコア部品120の上面120bまで延在してよい。第2の接触パッド115bでは、第2の組の開口部117bは、SMD100の底面100bからコア部品120の底面120cまで延在してよい。第1および第2の組の開口部117aおよび117bのそれぞれの開口部の内部は、銅のような導電性材料によりめっきされてよい。めっきは、SMD100の外側からコア部品120までの導電路を形成することができる。
図2は、図1A〜図1Cに記載したSMDを製造するように用いられてよい例示的な作業群を図示する。図2に示される作業群は、図3、4Aおよび4Bに図示される構造体を参照して説明される。ブロック200において、図3に示すように、C段階の中間層310を準備してよく、開口部312をこの中間層内で規定してよい。
図3を参照する。中間層310は、概して平面のシートのC段階の絶縁材料に相当してよい。このシートの厚さは、概して、少なくともコア部品120と同じ厚さであり、例えば、Y方向に約0.38mm(0.015インチ)であってよい。
このシートの開口部312は、図1Cの上述したコア部品120のようなコア部品305を受容するような寸法にしてよい。いくつかの実施形態では、開口部312のサイズは、X、YおよびZ軸方向に、それぞれ、約2.0mm×約1.5mm×約0.36mm(約0.080インチ×約0.060インチ×約0.014インチ)であってよい。
いくつかの実施形態では、中間層310から開口部312を切り抜く(cut out)。例えば、レーザーにより開口部312を切り抜く。他の実施形態では、中間層310は、開口部312を規定する金型を用いて製造される。更なる他の実施形態では、パンチが、中間層310内に開口部312を開ける(punch)ように用いられる。
図2に戻って参照する。ブロック205において、開口部312内にコア部品305を挿入してよい。それぞれのコア部品305は、図1A−1Cに関連して上述したコア部品120に相当してよい。図3に示すように、中間層310の対応する開口部312内にコア部品305を挿入してよい。コア部品305は、手により、開口部312内に挿入されてよく、ピックアンドプレイス機(pick-and-place machinery)、振動ふるい分けテーブル(vibratory sifting table)を用いて、および/または異なる方法により、開口部312内に配置されてよい。
図2に戻って参照する。ブロック210において、図3に示されるように、2つの絶縁層300および315の間に、挿入したコア部品305を備えた中間層310を配置してよい。
図3を参照する。上部絶縁層300と下部絶縁層315との間に、中間層310およびコア部品305を挿入してよい。上述したように、上部絶縁層300および下部絶縁層315は、プレプレグのB段階の構成に相当してよい。上部絶縁層300および下部絶縁層315は、概して平面形状を有してよく、Y方向に約0.056mm(0.0022インチ)の厚さを有してよい。上部絶縁層300および下部絶縁層315のX方向の幅およびZ方向の深さは、それぞれ、中間層310内で規定された全ての開口部312に重なるような寸法にしてよい。
図2に戻って参照する。ブロック215において、上層、中間層および下層300、310および315を硬化させてよい。いくつかの実施形態では、上部絶縁層300の上と、下部絶縁層315の下とに、金属層(図示せず)を配置してよい。この金属層は銅箔に相当してよい。それから、この様々な層を硬化温度に曝してよく、この様々な層に圧力を付与してこれらの層を圧縮してよい。例えば、真空プレス機または他の装置は、この様々な層を互いに対して圧縮するように用いられてよい。硬化温度は、約175℃であってよく、付与された圧力の大きさ(amount)は、約1.38MP(200psi)であってよい。
図4Aおよび4Bは、それぞれ、図3のZ−Z断面に沿って切り出された、様々な層を硬化させる前後の、上部絶縁層300、中間層310および下部絶縁層315の断面図400および410である。図4Aにおいて、上層300および下層315の間にギャップ405を規定して、中間層310の開口部にコア部品312を挿入する。図4Bにおいて、硬化させた後に上層300および下層315を圧縮し、強化材料のB段階のプリプレグの厚さにより、ギャップ404を減少させる。
硬化させた層の間において、PTC部品の端部に、最終的に対応するであろうめっき領域のための開口部を規定してよい。1つの実施形態では、部品の列の間に、これらの層の中を通って延在するスロット(slot)を形成する。例えば、図4Cを参照して、スロット420の方向は、Z方向に向かってよい。レーザー、機械的なフライス加工、押し抜きまたは他の方法により、スロット420を形成してよい。
異なる実施形態では、図4Dに示すように、X方向に向かう1列の部品の間において孔425を形成し、共有してよい。レーザー、機械的な穴開け機または他の方法により、孔425を形成してよい。その後の作業において、図8Aおよび8BのPTC部品800に示され、後述するチャンネル端部(channel end)835aおよび835bのようなチャンネル端部を形成するように、孔425の内面をめっきする。
ブロック220において、上層および下層300および315と、個々のPTC部品の端部を暴露する開口部とにも、メタライゼーション層(図示せず)を形成してよい。例えば、上層および下層に、銅層および/またはニッケル層を堆積してよい。このメタライゼーション層を腐食して、SMDのための接触パッドを規定してよい。この接触パッドは、図1の接触パッド115aおよび115bに相当してよい。めっき層内に開口部を規定してよい。この開口部は、図1の第1および第2の組の開口部117aおよび117bの開口部の1つまたはそれより多くに相当してよい。ドリル、レーザーまたは他の方法により、この開口部を規定してよい。この開口部の内部領域をめっきして、接触パッドとコア部品との間に導電路を形成してよい。図1Aおよび図1Bに示されるように、スロットが部品の列同士の間に形成されるPTC部品の端部110aおよび110b(図1A)をメタライズしてよい。孔が部品同士の間に形成されるこの孔の内面をメタライズしてよい。この場合、PTC部品の端部は、図8Aおよび8BのPTC部品800に示され、後述するチャンネル端部835aおよび835bと同様であってよい。
ブロック225において、のこぎり、レーザーまたは他のツールにより、硬化させた層の統合された構造体を切断して、個々のSMDsを作ることができる。
いくつかの実施形態において、上層、中間層および下層300、310および315は、上述したように、酸素遮蔽材料に相当する。上層、中間層および下層の酸素遮蔽性は、コア部品に酸素が侵入するのを防ぎ、従って、コア部品の特性の不都合な変化を防ぐ。例えば、酸素遮蔽絶縁材料は、上述した抵抗の5倍の増加を防ぐことができ、さもなければ、上述した抵抗の5倍の増加は、PTC部品に起こるであろう。
他の実施形態では、それらから絶縁体が成るこれらの層は、酸素遮蔽性を示さない材料を含んでよい。これらの実施形態では、コア部品は、2008年5月13日発行の米国特許公報第7,371,459号に記載した遮蔽材料の1つのような、液体形態の酸素遮蔽材料により覆われてよく、当該特許出願は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。液体形態の酸素遮蔽材料は、コア部品に酸素遮蔽材料を堆積させることを可能にする溶媒を含んでよい。そして、この溶媒を蒸発させることができ、コア部品の表面上に、硬化させた形態の酸素遮蔽材料を残すことができる。それから、上記の図2に記載したようにコア部品を包んでよい。
または、1982年2月9日発行の米国特許第4,315,237号に記載の遮蔽層は、コア部品を密閉するように用いられてよく、当該特許は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。
上述したSMDが特許請求の範囲の技術的範囲から逸脱せずに別の方法で製造されてよいことは当業者によって理解されるであろう。例えば、1つの他の実施形態では、開口部ではなく、コア部品を受容するための凹部を備えたC段階の下層を準備することにより、SMDを製造できる。それから、B段階の上層により、C段階の下層を覆い、上述したように硬化させてよい。
更なる他の実施形態では、上述したC段階の層により規定された、開口部および/または凹部内に、コア部品を配置してよい。それから、この開口部および/または凹部内にA段階の酸素遮蔽材料を押し付けてコア部品を覆ってよい。例えば、この開口部および/または凹部内にA段階の層を押し込ん(squeeze)でよい。最後に、C段階の層の上および/または下にB段階の層を配置して、上述したように、このアセンブリを硬化させてよい。
更なる別の実施形態では、上述したように、この開口部および/または凹部内にコア部品を密閉してよく、A段階、B段階、C段階または任意のこれらの組合せの酸素遮蔽材料は、コア部品を覆うアセンブリを覆うように構成されてよい。
更なる別の実施形態では、上述したように、この開口部および/または凹部内にコア部品を挿入してよく、紫外線(UV)放射硬化性酸素遮蔽材料は、コア部品を覆うアセンブリを覆うように構成されてよい。それから、このアセンブリを上述したように熱的に硬化させてよい。
当業者は、上述した様々な実施形態が様々な方法で組み合わされて、酸素遮蔽性を有するSMDを製造できることを理解するであろう。
図5Aは、別の実施形態の表面実装部品(SMD)500の底面斜視図である。SMD500は、上面505a、底面505b、第1の端部510a、第2の端部510b、第1の接触パッド515aおよび第2の接触パッド515bを備えた概して長方形の本体を含む。第1および第2の接触パッド515aおよび515bが、底面505aの向かい合った(または反対側の)端部に設置され、いくつかの実施形態では、約2.0mm(0.080インチ)の距離で互いに離れている。SMD100のサイズは、X、YおよびZ方向に、それぞれ、約3.0mm×約2.5mm×約0.71mm(約0.120インチ×約0.100インチ×約0.028インチ)であってよい。
図5Bは、A−A断面に沿って切り取られた、図5AのSMD500の断面図である。SMD500は、第1の接触パッド515a、接触相互接続部520、コア部品530、クリップ相互接続部525および絶縁材料535を含む。コア部品530は、上述したPTC部品のような、酸素の存在下で劣化する特性を有する部品に相当してよい。コア部品530は、上面530aおよび底面530bを含んでよい。コア部品530は、概して長方形であってよく、X、YおよびZ方向に、それぞれ、約2.0mm×約0.30mm×約1.5mm(約0.080インチ×約0.012インチ×約0.060インチ)の厚さを有してよい。上面530aおよび底面530bは、導電性材料を含んでよい。例えば、上面530aおよび底面530bは、0.025mm(0.001インチ)の厚さのニッケル(Ni)層および/または0.025mm(0.001インチ)の厚さの銅(Cu)層を含んでよい。導電性材料は、コア部品の上面530aおよび底面530b全体を覆ってよい。
いくつかの実施形態では、絶縁体535は、上述した酸素遮蔽材料のようなC段階の酸素遮蔽材料に相当してよい。この酸素遮蔽材料は、コア部品内に酸素が浸透するのを防ぐことができる。
接触相互接続部520は、接触パッド520a(以下、第2の接触パッド520aと言う)と、延長部520bとを含んでよい。延長部520bは、コア部品530の底面530bと電気的に接触する上面521を含む。延張部520bは、X方向に約2.0mm(0.080インチ)およびZ方向に約0.13mm(0.005インチ)であってよい。
第1および第2の接触パッド515aおよび520aは、SMD500をプリント回路板または基板(図示せず)に取り付けるのに用いられる。例えば、第1および第2の接触パッド515aおよび520aを介して、プリント回路板および/または基板のパッドにSMD500をはんだ付けしてよい。
クリップ相互接続部525は、概してL型であり、第1の接触パッド515aとコア部品530の上面530aとの間に導電路を形成する。クリップ相互接続部525は、水平部525aを含む。クリップ525の水平部525aは、コア部品530の上面530aと電気的に接触する底面526を含んでよい。水平部525aの底面526は、X方向に約2.5mm(0.100インチ)およびZ方向に約1.0mm(0.040インチ)であってよい。
図6は、図5Aおよび図5Bに記載のSMDを製造するのに用いられてよい例示的な作業群を示す。図6に示される作業群は、図7に図示した構造体を参照して説明される。ブロック600において、コア部品705を基板710に取り付けてよい。それぞれのコア部品705は、上述したように、PTC部品に相当してよい。コア部品705を基板705上に配置してよい。コア部品705は、手により、ピックアンドプレイス機を用いて、および/または別の方法により、取り付けられてよい。
基板710は、複数の接触パッド715および複数の接触相互接続部720を規定する、金属リードフレームまたはプリント回路板に相当してよい。接触パッド715および接触相互接続部720は、図5の接触パッド515aおよび接触相互接続部520に相当してよい。基板710の厚さは、Y方向に約0.2mm(0.008インチ)であってよい。基板710に規定された接触相互接続部720に、コア部品705を取り付けてよい。例えば、接触相互接続部720の拡張部の上面に、コア部品705の底面をはんだ付けしてよい。
ブロック605において、コア部品および基板にクリップ相互接続部705を取り付けてよい。コア部品705の上面にクリップ相互接続部700の水平部を取り付けてよい。接触パッド715にクリップ相互接続部700の反対側の端部を取り付けてよい。例えば、コア部品705の上面と接触パッド715とに、クリップ相互接続部700をはんだ付けしてよい。
ブロック610において、コア部品705とクリップ相互接続部700との周囲に絶縁材料を注入してよい。この絶縁材料は、A段階の材料に相当してよい。
ブロック615において、絶縁材料を硬化させてよい。例えば、150℃の硬化温度を絶縁材料に付与して、この材料をC段階の構成に変化させてよい。
ブロック620において、硬化させた構造体から個々のSMDsを分離してよい。例えば、のこぎり、レーザーまたは他のツールにより、硬化させた構造体からSMDsを分離してよい。
いくつかの実施形態において、絶縁材料は、上述した酸素遮蔽材料に相当してよい。他の実施形態では、絶縁材料は、酸素遮蔽性を示さない材料を含む。むしろ、絶縁材料をコア部品の周囲に注入する前に、上述した液体の形態の酸素遮蔽材料のような、液体の形態の酸素遮蔽材料によりコア部品を覆ってよい。
他の実施形態では、クリップ相互接続部705は、基板と一体化されてよい。例えば、クリップ相互接続部705は、金属リードフレームと一体化されてよい。
別の他の実施形態では、クリップ相互接続部705は、コア部品705に対して弾性的な力を付与するように構成されてよい。クリップ相互接続部705の水平部525a(図5)と、接触相互接続部720の接触パッド520a(図5)との間に、コア部品705を挿入してよい。クリップ相互接続部705の弾性的な力は、コア部品705を所定の位置に固定し、これにより、コア部品に固定した電気的接触を与えるのに十分な強さであってよい。コア部品705の挿入後、ブロック610(図6)以降の作業を実施してよい。
図8Aおよび8Bは、それぞれ、第3の実施形態の表面実装部品(SMD)800の上面図および底面図である。SMD800は、上面805a、底面805b、第1の端部810a、第2の端部810b、第1の接触パッド815aおよび第2の接触パッド815bを備えた概して長方形の本体を含む。第1および第2の接触パッド815aおよび815bは、SMD800の上面805aから、それぞれ、端部のチャンネル835aおよび835bを通って、底面805bに亘って延在する。SMD800のサイズは、X、YおよびZ方向に、それぞれ、約3.0mm×約2.5mm×約0.71mm(約0.120インチ×約0.100インチ×約0.028インチ)であってよい。
図8Cは、A−A断面に沿って切り出された、図8AのSMD800の断面図である。SMD800は、上部基板層820a、下部基板層820b、コア部品825、絶縁材料830、第1の端部のチャンネル835aおよび第2の端部のチャンネル835bを含む。コア部品825は、酸素の存在下で劣化する性質を有する部品に相当してよい。例えば、コア部品825は、上述したコア部品に相当してよい。
上部基板層820aおよび下部基板層820bのそれぞれは、第1の接触面821、接触相互接続部823および基板コア827を含む。接触相互接続部823は、概してL型の導電性材料であってよく、一方の端部に第2の接触面822を規定してよく、反対の端部に部品接触面829を規定してよい。接触相互接続部823の接触面822は、コア部品825と向かい合っていない、上部基板層820aまたは下部基板層820bの外側に規定されてよく、部品接触面829は、コア部品825と向かい合う、上部基板層820aまたは下部基板層820bの内側に規定されてよい。基板コア827は、硬化させたエポキシ充填材または繊維ガラス回路板材料に相当してよい。
上部基板層820aの部品接触面829は、コア部品825の上側を覆うような寸法にする。下部基板層820bの部品接触面829は、コア部品825の底部側を覆うような寸法にする。
SMD800の向かい合った(または反対側の)端部に、第1および第2のチャンネル835aおよび835bを設ける。第1のチャンネル835aは、上部基板820aの第1の接触面821から下部基板820bの第2の接触面まで延在してよい。第2のチャンネル835bは、下部基板820bの第1の接触面821から上部基板820aの第2の接触面822まで延在してよい。チャンネル835aおよび835bの内面をめっきして、上部基板820aおよび下部基板820bの接触パッドの間に導電路をそれぞれ形成してよい。
上部基板820aの第1の接触面821と、下部基板820bの第2の接触面822とは、図8Aの第1の接触パッド815aを規定してよい。下部基板820bの第1の接触面821と、上部基板820aの第2の接触面822とは、図8Aの第2の接触パッド815bを規定してよい。第1および第2の接触パッド815aおよび815bは、SMD800をプリント回路板または基板(図示せず)に取り付けるように用いられる。例えば、接触パッド815aおよび815bを介してプリント回路板および/または基板のパッドにSMD800をはんだ付けしてよい。
いくつかの実施形態では、絶縁体830は、上述したC段階の酸素遮蔽材料のようなC段階の酸素遮蔽材料に相当してよい。絶縁体830は、コア825部品の端部と、SMD800の端部との間の領域を満たすように用いられてよい。
図9は、図8A〜8Cに記載のSMDを製造するのに用いられてよい例示的な作業群を示す。ブロック900において、上部基板と下部基板との間にコア部品を取り付けてよい。コア部品は、上述したようなPTC部品に相当してよい。いくつかの実施形態では、上部基板および下部基板にコア部品の配列を取り付けてよい。コア部品は、手により、ピックアンドプレイス機を用いて、および/または別の方法により、取り付けられてよい。
この基板は、上述したような、両側に導電層を備えたプリント回路板に相当してよい。基板の厚さは、Y方向に約0.076mm(0.003インチ)であってよい。それぞれの基板上に規定された部品接触面にコア部品を取り付けてよい。
ブロック905において、コア部品とクリップ相互接続部との周囲に絶縁材料を注入してよい。絶縁材料は、上述したようなA段階の材料に相当してよい。
ブロック910において、硬化温度で絶縁材料を硬化させてよい。例えば、この絶縁材料に150℃の硬化温度を付与してこの材料をC段階の構成に変化させてよい。
ブロック915において、硬化させた構造体から個々のSMDsを分離してよい。例えば、のこぎり、レーザーまたは他のツールにより、硬化させた構造体からSMDsを切り取ってよい。
いくつかの実施形態では、この絶縁材料は、上述した酸素遮蔽材料に相当してよい。他の実施形態では、この絶縁材料は、酸素遮蔽性を示さない材料を含む。むしろ、絶縁材料をコア部品の周囲に注入する前に、上述した液体の形態の酸素遮蔽材料のような、液体の形態の酸素遮蔽材料により、コア部品を覆ってよい。
上述のように、様々な実施形態は、絶縁材料のための酸素遮蔽材料を含むSMDを提供することによって表面実装部品(SMD)の内側に設置されたコア部品の酸素によって引き起こされる問題を克服する。この絶縁材料は、酸素および他の不純物の影響からSMD内のコア部品を保護する。いくつかの実施形態では、この絶縁材料は、B段階の酸素遮蔽材料のシートとして構成され、他の実施形態では、A段階の酸素遮蔽材料が用いられる。
SMDおよびその製造方法は、所定の実施形態を参照して説明されているがしかし、本出願の特許請求の範囲の技術的範囲から逸脱せず、様々な変形が為されてよく、均等物に置換されてよいことが当業者によって理解されるであろう。多くの他の改良は、特許請求の範囲の技術的範囲から逸脱せずに、特定の状況または材料を教示に適合させるように為されてよい。従って、SMDおよびその製造方法は、開示された特定の実施形態に制限されるものではなく、特許請求の範囲の技術的範囲内に含まれる全ての実施形態であることを意図している。