JP2015222221A - 水中漏水部の止水方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器の損傷による漏水が生じ、水中に漏水部が存在する場合であっても、簡便な方法で確実に止水することが可能な水中漏水部の止水方法を提供する。【解決手段】容器1内に、少なくともダウンカマ6の開口部6aを覆うように水中不分離性モルタルM1を打設して止水層8を形成する一次打設工程と、次いで、止水層8が硬化した後、開口部6aの上流側から、一次打設工程の後に止水層8に生じた開口部6aに連通する水みち8Aを充填するように、水中不分離性モルタルM1に含有される骨材よりも平均粒子径の大きな骨材が含有された水中不分離性モルタルを打設する二次打設工程とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、水流が存在する箇所において漏水部を止水する、水中漏水部の止水方法に関する。
例えば、原子力発電所において、原子炉圧力容器や原子炉格納容器に損傷が生じたり、あるいは、原子炉圧力容器の内部に収容された核燃料が溶融したりする等、非常に過酷な事故が発生した場合には、これらを補修したり、除去したりする作業が必要となる。これらの過酷なトラブルは、同時又は複合的に発生することが考えられることから、核燃料が溶融することで発生する燃料デブリの取り出しにあたっては、各容器における損傷箇所を補修することが求められる。
ここで、例えば、原子炉圧力容器(以下、圧力容器と略称することがある)が損傷して冷却水の漏洩が生じている場合には、圧力容器が収容される原子炉格納容器(以下、格納容器と略称することがある)のドライウェルからベント管を通じて圧力抑制室に冷却水が流入する。さらに、圧力抑制室の一部から冷却水が流れ出すことで、格納容器が設置されている建屋の床部が冷却水で冠水するおそれもある。このような漏洩水が大量に発生することは、事故の収束作業を行う際の作業性や、環境保全の観点で好ましくないことから、直ちに漏水部の止水処理を行ったうえで、損傷箇所の補修作業を行う必要がある。
上述のような格納容器の損傷による漏洩水は、ベント管に連通されたダウンカマから流れ出し、圧力抑制室内が冠水した状態となる。このような場合、漏洩水を止水するためには、圧力抑制室内で冠水した漏洩水中において、漏水路であるダウンカマ等を閉塞させる必要がある。このような、水中に存在する漏水部を止水する方法としては、例えば、水中にモルタル材料を打設することで漏水部を埋め込み、止水する方法が挙げられ、例えば、水中において硬化する水中不分離性モルタル(例えば、特許文献1、2を参照)を使用することが考えられる。この場合、硬化前の水中不分離性モルタルが、漏水部において作用する水圧に対して十分な耐力を有している必要があるが、そのためには、水中不分離性モルタルの打設厚さを厚くして、水中不分離性モルタルの重量で水圧に対抗できる構成とする必要がある。
しかしながら、図4に示す格納容器100のように、ドライウェル102から圧力制御部103に冷却水W2が漏洩する際、冷却水WAの漏水部となるダウンカマ106の開口部106aにおいて、冷却水WRの水圧が非常に高くなる場合には、膨大な量の水中不分離性モルタルMRを打設して厚く形成することで、この水中不分離性モルタルMRの重量で水圧に十分に対抗させる必要が生じる。一方、格納容器100における漏水部106aの位置によっては、水中不分離性モルタルMRを厚く打設することが困難な場所もあることから、損傷状態によっては漏水部106aの止水が困難になり、ひいては、損傷箇所を補修するのが困難になるおそれもあった。
特開昭63−067311号公報 特開2009−184891号公報
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、万が一、容器の損傷による漏水が生じ、水中に漏水部が存在する場合であっても、簡便な方法で確実に止水することが可能な水中漏水部の止水方法を提供することを目的とする。
まず、本発明における第一の発明は、容器内において水中に存在する漏水部を止水する水中漏水部の止水方法であって、前記容器内に、少なくとも前記漏水部を覆うように水中不分離性モルタルM1を打設して止水層を形成する一次打設工程と、次いで、前記止水層が硬化した後、前記漏水部の上流側から、前記一次打設工程の後に前記止水層に生じた前記漏水部に連通する水みちを充填するように、前記水中不分離性モルタルM1に含有される骨材よりも平均粒子径の大きな骨材が含有された水中不分離性モルタルM2を打設する二次打設工程と、を備えることを特徴とする。
このような構成の水中漏水部の止水方法によれば、まず、一次打設工程において、漏水部を覆う程度の厚みで、容器内に水中不分離性モルタルM1を打設して止水層を形成した後、さらに、二次打設工程において、漏水部の上流側から、一次打設工程の後に止水層に生じた漏水部に連通する水みちを充填するように、水中不分離性モルタルM1に含有される骨材よりも平均粒子径の大きな骨材が含有された水中不分離性モルタルM2を打設する方法なので、水中不分離性モルタルの打設厚みを抑制しながら、漏水部において作用する水圧に対して十分な耐力を確保することができる。これにより、容器中において、水中不分離性モルタルを厚く打設することが困難な場所に漏水部が存在する場合であっても、水中不分離性モルタルを薄く打設することで、十分な耐力を備える止水層を容易に形成することができる。また、膨大な重量の水中不分離性モルタルを打設する必要が無いので、補修コストを削減することができる。従って、万が一、容器の損傷による漏水が生じ、水中に漏水部が存在する場合であっても、簡便な方法で確実に止水することが可能となる。
また、本発明における第二の発明は、上記構成とされた水中漏水部の止水方法において、 二次打設工程で用いる前記水中不分離性モルタルM2が、前記水みちの平均孔径よりも大きな平均粒子径とされた骨材を含有することを特徴とする。
このような構成の水中漏水部の止水方法によれば、二次打設工程において、一次打設工程の後に発生した水みちの平均孔径よりも大きな平均粒子径とされた骨材を含有する水中不分離性モルタルM2を用いることにより、水みちを確実に埋め込むことができるので、確実な止水処理が可能となる。
本発明に係る水中漏水部の止水方法によれば、上記構成により、まず、一次打設工程において、漏水部を覆う程度の厚みで、容器内に水中不分離性モルタルM1を打設して止水層を形成した後、さらに、二次打設工程において、漏水部の上流側から、一次打設工程の後に止水層に生じた漏水部に連通する水みちを充填するように、水中不分離性モルタルM1に含有される骨材よりも平均粒子径の大きな骨材が含有された水中不分離性モルタルM2を打設する方法なので、水中不分離性モルタルの打設厚みを抑制しながら、漏水部において作用する水圧に対して十分な耐力を確保することができる。これにより、容器中において、水中不分離性モルタルを厚く打設することが困難な場所に漏水部が存在する場合であっても、水中不分離性モルタルを薄く打設することで、十分な耐力を備える止水層を容易に形成することができる。また、膨大な重量の水中不分離性モルタルを打設する必要が無いので、補修コストを削減することができる。従って、万が一、容器の損傷による漏水が生じ、水中に漏水部が存在する場合であっても、簡便な方法で確実に止水することが可能になるという優れた効果を奏する。
本発明の一実施形態である水中漏水部の止水方法について模式的に説明する図であり、原子炉格納容器で水中に存在する漏水部を止水するにあたり、容器中に水中不分離性モルタルを打設する前の状態における、容器内の漏水経路を示す概略図である。 本発明の一実施形態である水中漏水部の止水方法について模式的に説明する図であり、一次打設工程において、水中に存在する漏水部を覆うように、容器中に水中不分離性モルタルを打設して止水層を形成した状態を示す概略図である。 本発明の一実施形態である水中漏水部の止水方法について模式的に説明する図であり、二次打設工程において、漏水部の上流側から、一次打設工程の後に止水層に生じた漏水部に連通する水みちを充填するように、骨材を含有する水中不分離性モルタルを打設した状態を示す概略図である。 従来の水中漏水部の止水方法について示す概略図である。
以下、本発明の実施形態である水中漏水部の止水方法の一例を挙げ、その構成について図1〜図3を参照しながら詳述する。
本実施形態の水中漏水部の止水方法は、容器1内において水中に存在する漏水部を止水する水中漏水部の止水方法である。そして、本実施形態の止水方法は、容器1内に、少なくとも漏水部を覆うように水中不分離性モルタルM1を打設して止水層8を形成する一次打設工程と、次いで、止水層8が硬化した後、漏水部の上流側から、一次打設工程の後に止水層8に生じた漏水部に連通する水みち8Aを充填するように、水中不分離性モルタルM1に含有される骨材よりも平均粒子径の大きな骨材が含有された水中不分離性モルタルM2を打設する二次打設工程とを備え、概略構成される。
ここで、本発明において説明する漏水部とは、詳細を後述するダウンカマ6の開口部6aであり、詳細な構成については後述するが、万が一、容器1を構成するドライウェル2から冷却水W2の漏水が生じた場合に、ベント管4を通じて圧力抑制室3の内部空間への吐水口となる部分である。
[容器(原子炉格納容器)]
本実施形態の止水方法において補修の対象となる容器1としては、例えば、図1に示すような、原子力発電所において、核燃料が収容された原子炉圧力容器7を内部に収容する原子炉格納容器(PCV:Primary Containment Vessel)が挙げられる。
この容器(格納容器)1は、図示例のように、内部に原子炉圧力容器7が収容されるドライウェル(Dry Well)2と、容器1の下部においてドライウェル2の周囲を囲むように配置される環状の圧力抑制室(Suppression Pool)3と、ドライウェル2と圧力抑制室3との間に連通して設けられるベント管4とから概略構成されている。また、容器1は、図示略の鉄筋コンクリート建造物等からなる原子炉建屋内に設置されており、この原子炉建屋内には、さらに、非常用の炉心冷却系ポンプの他、燃料プールや浄化設備等が収容・設置される。
ドライウェル2は、上述したように原子炉圧力容器7が収容される鋼鉄製の大型容器であり、図示例においては丸底のフラスコ状として構成されている。
圧力抑制室3は、鋼鉄製の容器であり、詳細な図示を省略するが、縦断面形状が円形であるとともに、平面視形状は、上述したように、ドライウェル2の下部を取り囲むように円形又は多角形の環状に構成される。なお、通常、圧力抑制室3の内部には所定量の貯留水W1が収容されている。圧力抑制室3は、万が一、容器1内において損傷が生じ、蒸気の発生によって内部圧力が上昇した場合に、後述のベント管4を通じて蒸気を圧力抑制室3に導いて冷却することにより、内部圧力を下げる機能を有する。さらに、万が一、過酷な事故によって原子炉の冷却機能が喪失された場合には、貯留水W1を非常用の冷却水として供給することも可能な構成とされている。
ベント管4は、上述したように、ドライウェル2と圧力抑制室3との間に設けられており、ドライウェル2から蒸気が漏出した場合に、この蒸気を圧力抑制室3に導く鋼鉄製の配管である。ベント管4は、詳細な図示を省略するが、平面視において、等間隔で複数配設されている。
また、圧力抑制室3に収容されたベント管4の先端近傍には、ベントヘッダ5が接続されている。ベントヘッダ5は、圧力抑制室3の内部において、この圧力抑制室3と略同心で環状に配置される配管であり、複数のベント管4との間で、このベント管4の先端近傍で連通するように接続されている。
さらに、ベントヘッダ5には、ダウンカマ6が取り付けられている。このダウンカマ6は、図示例においては、略逆U字状(略逆V字状)の管状部材とされており、下方を向く各両端が開口部6aとされるとともに、頂部(中間部)がベントヘッダ5と連通するように接続されている。また、ダウンカマ6は、詳細な図示を省略するが、平面視において、ベントヘッダ5に沿って等間隔で複数配設されている。これにより、容器1は、ダウンカマ6を通じて、圧力抑制室3の内部空間とベント管4とが連通するように構成されている。
また、圧力抑制室3内に貯留水W1が収容されている場合には、その水面下に開口部6aが配置される。そして、ダウンカマ6の開口部6aは、本実施形態の止水方法で水中不分離性モルタルによって覆われる漏水部となる。
上述したように、例えば、原子力発電所において過酷な事故が発生し、容器1にも損傷が生じた場合、損傷状態によっては圧力容器7の内部に収容された冷却水W2が容器外に漏れ出し、原子炉建屋内も冠水状態となる事態が想定される。この際、漏水部であるダウンカマ6の開口部6aは貯留水W1中に存在する状態であるが、事故の収束へ向けて、圧力容器7内の核燃料を取り出す作業を順調に進めるためには、この開口部6aを止水処理し、冷却水W2の漏洩を停止させたうえで、損傷箇所の補修を行う必要がある。
本実施形態の止水方法は、上述のように、貯留水W1中に存在する漏水部である開口部6aを止水するにあたり、従来の止水方法では、高圧力の漏水(冷却水W2)への耐力を増強させるために水中不分離性モルタルを厚く打設せざるを得なかったのに対し、薄い水中不分離性モルタル(止水層8)の打設で、漏水の圧力に対して十分な耐力が得られる方法である。即ち、容器1の圧力抑制室3内において、水中不分離性モルタルの厚い打設が困難な部位に漏水部となるダウンカマ6の開口部6aが存在する場合であっても、簡便な方法で確実に止水することができる方法である。
[止水方法]
以下に、本実施形態の水中層水部の止水方法に備えられる一次打設工程及び二次打設工程について、その手順並びに条件を詳述する。
(一次打設工程)
本実施形態の止水方法においては、図2に示すように、まず、一次打設工程において、漏水部となるダウンカマ6の開口部6aを覆う程度の厚みで、容器1の圧力抑制室3内に水中不分離性モルタルM1を打設して止水層8を形成する。この際、例えば、図2中に示すように、ドライウェル2の内部空間からベント管4に向けて打設管9を挿通させ、この打設管9を通じて水中不分離性モルタルM1を吐出して打設を行う方法を採用することができる。また、この際の水中不分離性モルタルM1の吐出速度については、適宜設定することができる。
図2に示すように、一次打設工程における水中不分離性モルタルM1の打設厚みとしては、下方を向いた開口部6aよりも止水層8の高さが僅かに上回る程度でよく、例えば、500〜1000mm程度、上回っていればよい。また、止水層8の全体厚みとしても特に限定されるものではなく、容器1、即ち圧力抑制室3のサイズや内部におけるダウンカマ6の配置等に応じて適宜設定することができる。
ここで、本実施形態の一次打設工程においては、止水層8を薄く形成することで、開口部6aに連通する水みち8Aが発生し易い条件を採用している。この水みち8とは、例えば、圧力容器7が損傷して冷却水W2が漏れ出した場合に、ドライウェル2からベント管4を通じて、ダウンカマ6の開口部6aから連通するように、冷却水W2の高圧によって止水層8に生じるものであり、仮に、そのままの状態とした場合には、漏水の原因となるものである。本実施形態の止水方法では、止水層8を薄く形成するという、水みち8Aが発生し易い条件とする一方、後述の二次打設工程において水みち8Aを埋め込むことで、ダウンカマ6の開口部6aに作用する冷却水W2の水圧に対して十分な耐力が得られる。
(二次打設工程)
本実施形態の水中層水部の止水方法においては、図3に示すように、上記手順の一次打設工程に次いで、さらに、二次打設工程を行う。この二次打設工程においては、一次打設工程で形成した止水層8が硬化した後、漏水部である開口部6aの上流側から、一次打設工程の後に止水層8に生じた水みち8Aを充填するように、水中不分離性モルタルM1に含有される骨材よりも平均粒子径の大きな骨材が含有された水中不分離性モルタルM2を打設する。
二次打設工程においては、上述した一次打設工程と同様に、ドライウェル2の内部空間からベント管4に向けて挿通させた打設管9を用いて、水中不分離性モルタルM2を吐出して打設を行うことができる。この際、図3中に示すように、吐出後の水中不分離性モルタルM2は、まず、開口部6aから連通するように形成された水みち8A内において自ら詰まりを起こすように埋め込まれてゆき、さらには、開口部6aよりもダウンカマ6の内部に入り込むように打設される。これにより、開口部6aは、水中不分離性モルタルM2から形成される止水層8によって完全に塞がれ、止水された状態となる。ここで、一次打設工程と同様、この際の水中不分離性モルタルM2の吐出速度についても適宜設定することができる。
(一次打設工程と二次打設工程の組み合わせ)
本実施形態では、上述のように、まず、一次打設工程において水中不分離性モルタルM1の打設厚みを抑制する一方、二次打設工程において水みち8Aを完全に埋め込む方法を採用している。これにより、従来(図4を参照)に比べて、止水層8を薄めに形成する条件であるのにも関わらず、漏水部である開口部6aにおいて作用する冷却水W2の水圧に対して、十分な耐力を備える止水層8を形成することが可能となる。
従って、圧力抑制室3内において、水中不分離性モルタルの厚い打設が困難な部位に、漏水部となるダウンカマ6の開口部6aが存在する場合であっても、水中不分離性モルタルM1(M2)を薄く打設することで、冷却水W2の水圧に対して十分な耐力を備える止水層8を容易に形成することが可能となる。また、従来のように、膨大な重量の水中不分離性モルタルM1(M2)を打設する必要が無いので、補修コストを削減することも可能となる。
(水中不分離性モルタル)
本実施形態において、漏水部の補修・止水に用いられる水中不分離性モルタルM1,M2としては、特に限定されず、水中で硬化させる目的で用いられる一般的な水中不分離性モルタル材料を何ら制限無く用いることができる。このような水中不分離性モルタルとしては、例えば、太平洋マテリアル(株)製:プレユーロレックス・LC−MIX(登録商標)等を挙げることができる。また、二次打設工程において用いられる水中不分離性モルタルM2は、一次打設工程において用いられる水中不分離性モルタルM1に含有される骨材よりも平均粒子径の大きな骨材を含有する。
さらに、本実施形態においては、二次打設工程において用いられる水中不分離性モルタルM2について、一次打設工程の後に止水層8に形成された水みち8Aの平均孔径よりも大きな平均粒子径とされた骨材を含有することが好ましい。このように、二次打設工程において、水みち8Aの平均孔径よりも大きな平均粒子径とされた骨材を含有する水中不分離性モルタルM2を用いることにより、水みち8Aを確実に埋め込むことができるので、確実な止水処理が可能となる。
ここで、止水層8に発生する水みち8Aの孔径は、一次打設工程における水中不分離性モルタルM1の厚み等の打設条件や硬化条件によって変化する。本実施形態においては、二次打設工程で用いる水中不分離性モルタルM2に含有される骨材の平均粒子径が、水みち8Aの平均孔径以上であれば、水みち8Aを確実に埋め込むことができる。
なお、上記のように、二次打設工程で用いる水中不分離性モルタルM2として、水みち8Aの平均孔径以上の骨材を含有するものを用いた場合、一次打設工程に用いる水中不分離性モルタルM1についても、水中不分離性モルタルM2と同様のものを用いても良い。
[作用効果]
以上説明したように、本実施形態の水中漏水部の止水方法によれば、上記構成により、まず、一次打設工程において、漏水部となるダウンカマ6の開口部6aを覆う程度の厚みで、容器1の圧力抑制室3内に水中不分離性モルタルM1を打設して止水層8を形成した後、さらに、二次打設工程において、開口部6aの上流側から、一次打設工程の後に止水層8に生じた開口部6aに連通する水みち8Aを充填するように、水中不分離性モルタルM1に含有される骨材よりも平均粒子径が大きな骨材が含有された水中不分離性モルタルM2を打設する方法なので、水中不分離性モルタルM1(M2)の打設厚みを抑制しながら、開口部6aにおいて作用する水圧に対して十分な耐力を確保することができる。これにより、圧力抑制室3内において、水中不分離性モルタルM1(M2)を厚く打設することが困難な場所にダウンカマ6の開口部6aが存在する場合であっても、水中不分離性モルタルM1(M2)を薄く打設することで、十分な耐力を備える止水層8を容易に形成することができる。また、膨大な重量の水中不分離性モルタルM1(M2)を打設する必要が無いので、補修コストを削減することができる。従って、万が一、容器1の損傷による漏水が生じ、水中に漏水部が存在する場合であっても、簡便な方法で確実に止水することが可能になるという優れた効果を奏する。
なお、以上説明した実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は上記の実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
本発明の水中漏水部の止水方法によれば、上記構成を採用することで、水流が存在する箇所における漏水部を確実に止水することが可能となるので、特に、原子力発電所において、万が一、過酷な事故が発生した場合でも、原子炉格納容器の補修を行う際の作業性が顕著に向上し、事故収束作業を効率的に進めることができることから、環境保護等の面からも寄与度が高いものである。
1…容器(原子炉格納容器、格納容器)
2…ドライウェル、
3…圧力抑制室、
4…ベント管、
5…ベントヘッダ、
6…ダウンカマ、
6a…開口部(水中漏水部、漏水部)、
7…原子炉圧力容器(圧力容器)、
8…止水層、
8A…水みち、
9…打設管、
M1,M2…水中不分離性モルタル、
W1…貯留水、
W2…冷却水。

Claims (2)

  1. 容器内において水中に存在する漏水部を止水する水中漏水部の止水方法であって、
    前記容器内に、少なくとも前記漏水部を覆うように水中不分離性モルタルM1を打設して止水層を形成する一次打設工程と、
    次いで、前記止水層が硬化した後、前記漏水部の上流側から、前記一次打設工程の後に前記止水層に生じた前記漏水部に連通する水みちを充填するように、前記水中不分離性モルタルM1に含有される骨材よりも平均粒子径が大きな骨材が含有された水中不分離性モルタルM2を打設する二次打設工程と、を備えることを特徴とする、水中漏水部の止水方法。
  2. 前記二次打設工程において用いる前記水中不分離性モルタルM2は、前記水みちの平均孔径よりも大きな平均粒子径とされた骨材を含有することを特徴とする請求項1に記載の水中漏水部の止水方法。
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