JP3196318U - 原子炉廃炉支援施設 - Google Patents

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Abstract

【課題】メルトダウンを起こした原子炉施設を、地下水や海水を汚染することなく、恒久的に外界から完全に遮蔽し放射線の影響を受けることなく施設の撤去作業を安全に行うことを可能とする原子炉廃炉支援施設を提供する。【解決手段】メルトダウンを含む事故を起こした原子炉施設10の全体をプール12により冠水する。プール12内には、浸水領域に配置した配管により構成したプール内熱交換器26を設置し、配管内を流動する媒体液とプール水との間で熱交換して、プール水の温度を媒体液の温度に近づける。原子力施設10の近傍の海中に配置した配管により構成する海中熱交換器24を設置し、配管内を流動する媒体液と海水の間で熱交換して、媒体液の温度を海水温度とする。ポンプ設備20は媒体液をプール内熱交換器26と海中熱交換器24との間で循環させ、恒久的にプール水の温度を海水温度に近い温度に維持可能とする。【選択図】図1

Description

本考案は、震災等の事故によりメルトダウンを起こした原子炉施設の廃炉作業を恒久的に可能とする原子炉廃炉支援施設に関する。
東日本大震災による施設の破壊を受けて原子炉のメルトダウンを起こしている福島第一原子力発電所にあっては、施設の再稼働は困難なことから廃炉を決定し、策定した廃炉計画に従って日夜廃炉作業の努力が続けられている。
現在の廃炉計画では、メルトダウンを起こしている原子炉圧力容器を収納している原子炉格納容器を水で満たす冠水方式を採用してメルトダウンした溶融燃料(燃料デブリ)を取り出すようにしている。
また、事故を起こした原子炉の溶融燃料は現在でも崩壊熱を出し続けているため、溶融燃料がどこにあるか不明のまま注水を続けて冷やしている。更に、原子炉建屋の地下から毎日400トン程度の地下水が浸入し、汚染水を増やし続けており、凍土遮水壁により地下水を遮断して抜き取る作業を進めているが、良好な結果が得られておらず、地下水が溜まっているトレンチに特殊コンクリートを注入して封鎖しようとする試みが計画されている。
特開2001−116876号公報 特開2011−252800号公報 実用新案登録第3170066号公報
しかしながら、現在行われている廃炉計画は、歴史的にみても過去に経験したことのないものであり、特に、問題となるのは、メルトダウンした溶融燃料が原子炉圧力容器の底を突き破り、外側の原子炉格納容器の底を抜けて地中に落ち込んおり、これに接触した地下水が地盤に浸潤して汚染地下水となって原子炉建屋の地下に浸入していることが予想され、係る状況においては、原子炉格納容器を冠水して溶融燃料を取り出すことは不可能であり、廃炉計画そのものが頓挫する可能性をもっている。
また、メルトダウンした溶融燃料が幸運にも原子炉格納容器を突き破ることなく底に溜まっていたとしても、原子炉格納容器は鉄板が薄く溶接だらけで腐食もあり、水素爆発等による影響で亀裂や破損を起こしている可能性もあり、原子炉建屋の高さまでの水を蓄え続けるには強度が不足し、冠水方式による溶融燃料の取出しには、多くの困難と危険を伴い、確実な見通しは立たないといえる。
このような様々な状況を考慮すると、溶融燃料を取り除いた後に施設を全て撤去して更地に戻すという廃炉計画は、実現不可能に近いと推定され、廃炉の道を選ぶよりは、原子炉施設からの放射能漏れ、特に汚染水の流出を食い止めた状態で恒久的に施設を外界から遮蔽した状態とし、この遮蔽状態の中で50年100年といった長期計画により、原子炉周辺の建屋等の施設を取り除いて原子炉を撤去する環境を作り、続いて、原子炉格納容器及び原子炉圧力容器を切断分解しながら、燃料棒の取出しを行い、その過程で溶融燃料の所在が確認できることから、原子炉格納容器の底にあれば取出し撤去を行い、不運にも地中に落ちている場合は、放射能漏れを阻止した封じ込めを行うといったことが現実的な解決策として望まれる。
本考案は、上記に鑑みてなされたもので、メルトダウンを起こした原子炉施設を、地下水や海水を汚染することなく、恒久的に外界から完全に遮蔽し、更に、恒久的な遮蔽状態を維持しながら、放射線の影響を受けることなく施設の撤去作業を安全に行うことを可能とする原子炉廃炉支援施設を提供することを目的とする。
(原子炉廃炉支援施設)
本考案は、メルトダウンを含む事故を起こした原子炉廃炉に用いる原子炉廃炉支援施設に於いて、
原子炉圧力容器を収納した原子炉格納容器の建屋を含む原子炉施設の全体を冠水するプール構造と、
プール構造の内側の浸水領域に配置した配管により構成し、配管内を流動する媒体液とプール水との間で熱交換して、プール水の温度を媒体液の温度に近づけるプール内熱交換器と、
原子力施設の近傍の海中に配置した配管により構成し、配管内を流動する媒体液と海水の間で熱交換して、媒体液の温度を海水温度とする海中熱交換器と、
媒体液をプール内熱交換器と海中熱交換器との間で循環させるポンプ設備と、
を備えたことを特徴とする。
(プール内熱交換器)
プール内熱交換器は、プールの内周壁に沿って、熱交換用の配管を波形状又はスパイラル状に配置し、配管の最上部又は最上部に近い位置に、エアー抜きバルブを設ける。
(海中熱交換器)
海中熱交換器は、原子炉施設に設けた取水路の海中に、所定長の熱交換用の配管を配置する。
(循環ポンプ設備)
ポンプ設備は、
媒体液を加圧して送り出す循環ポンプと、
循環ポンプによる媒体液を循環している配管中に、外部から媒体液を高圧注入する高圧ポンプと、
媒体液を導入して内部の空気を圧縮し、媒体液の容積変動を吸収するリザーバタンクと、
循環ポンプ及び高圧ポンプを制御する制御盤と、
を備える。
(ポンプ2系統)
ポンプ設備は、循環ポンプを少なくとも2系統設ける。
(循環ポンプの制御)
制御盤は、プール内熱交換器及び海中熱交換器を含む循環系統を流れる媒体液の流量を検出し、所定の設定流量となるように循環ポンプを制御する。
(プール温度と海水温度に基づく循環ポンプの制御)
制御盤は、プール内熱交換器を設置したプール水の温度と海中熱交換器を設置した海水温度を検出し、プール水温度が海水温度より高い場合は、温度差を無くすように循環ポンプにより循環流量を制御し、プール水温度が海水温度より低い場合は、所定の最小流量となるように循環ポンプにより循環流量を制御する。
(高圧注入の制御)
制御盤は、リザーバタンク内の液面レベルを検出し、検出した液面レベルが漏水及び又は温度変化により所定レベル以下に低下した場合に、液面レベルが所定レベルに回復するまで外部から配管内に媒体液を高圧注入するように高圧ポンプを制御する。
(プール上部に門型クレーンを配置)
プール構造は、平面から見て、原子炉施設の周囲を囲むように略矩形のプール側壁を構築しており、相対したプール側壁の登頂部にクレーン移動路を形成して自走可能な門型クレーンを配置する。
(門型クレーンの揚げ降ろしヤード)
プール構造は、クレーン移動路を頭頂部に形成した一対のプール側壁を、プール外に延在して門型クレーンの外部との揚げ降ろしに使用する作業ヤードを設ける。
(汚染水処理施設)
プール構造は、原子炉施設の汚染水発生場所となる所定位置に取水口を配置してプール外部にプール水を取り出す取出配管を設け、取出配管を汚染水処理施設に供給して処理させる。
(処理水のプール戻し)
汚染水処理施設で処理した処理水をプール内に戻す戻し配管を設ける。
(基本的な効果)
本考案は、メルトダウンを含む事故を起こした原子炉廃炉に用いる原子炉廃炉支援施設に於いて、原子炉圧力容器を収納した原子炉格納容器の建屋を含む原子炉施設の全体を冠水するプール構造と、プール構造の内側の浸水領域に配置した配管により構成し、配管内を流動する媒体液とプール水との間で熱交換して、プール水の温度を媒体液の温度に近づけるプール内熱交換器と、原子力施設の近傍の海中に配置した配管により構成し、配管内を流動する媒体液と海水の間で熱交換して、媒体液の温度を海水温度とする海中熱交換器と、媒体液をプール内熱交換器と海中熱交換器との間で循環させる循環ポンプ設備とを設けるようにしたため、メルトダウンに至る事故を起こした原子炉及びその建屋等の付帯施設は、その周囲に構築したプール構造の水張りにより完全に冠水した状態となり、プール水により放射線は完全に遮蔽されて外部に漏れることはなく、この状態で海中熱交換器とプール内熱交換器との間を循環ポンプにより媒体液を循環することで、海水で冷やされた媒体液によりプール水を冷却し、プール水を海水温度に近い温度に保つことで、メルトダウンした溶融燃料の崩壊熱によるプール水の温度上昇を抑えることを可能とする。
また、プール水の冷却に使用する媒体液は、配管で構成したプール内熱交換器と海中熱交換器の間をループ状に循環しているだけで、媒体液が外部に出ることはなく、プール水が放射線により汚染していても、汚染水はプール内に留まって海に流れ出すことはなく、地下水や海水を汚染することなく、恒久的にプール水との海水との間の熱交換を行って、プール水を海水温度に近い温度に保つことを可能とする。
また、プール水により冠水することで、原子炉周辺の建屋等の施設を取り除いて原子炉を水中作業により撤去可能とする放射線遮蔽環境を作り、この状態で遠隔操作可能な水中溶断装置等を使用して原子炉格納容器及び原子炉圧力容器を切断分解しながら、燃料棒の取出しを十分に長い年数を掛けて順次行い、その過程で溶融燃料が原子炉格納容器の底にあれば水中作業を通じて取出し撤去を行い、万一、地中に落ち込んでいる場合は、放射能漏れを阻止した封じ込めを行うといった対応を可能とする。
また、ポンプ設備は、海水熱交換器とプール内熱交換器を含むループ状に接続した配管内に充満した非圧縮性の媒体液を循環させるだけで良いことから、循環ポンプの送水能力としては、循環ループ形成する配管の流路抵抗を上回る吐出圧力が得られれば良く、比較的小型の循環ポンプで済み、消費電力も少ないことから運用コストを低減可能とする。
(プール内熱交換器の効果)
また、プール内熱交換器は、プールの内周壁に沿って、熱交換用の配管を波形状又はスパイラル状に配置し、配管の最上部又は最上部に近い位置に、エアー抜きバルブを設けるようにしたため、プール内の側壁に沿って配管を設置するという簡単な構成で済み、また、配管の最上部側にエアー抜きバルブを設けることで、プール内熱交換器を含む配管内に媒体液を入れる場合のエアー抜きを確実にして、配管内にエアーが残らない充満状態を形成可能とする。
(海中熱交換器の効果)
また、海中熱交換器は、原子炉施設に設けた取水路の海中に、所定長の熱交換用の配管を配置するようにしたため、取水路は防波堤等により波の影響を受けないようにしており、海中熱交換器を設置しても波浪による影響を受けることなく、安定した熱交換を可能とする。
(循環ポンプ設備の効果)
また、ポンプ設備は、媒体液を加圧して送り出す循環ポンプと、循環ポンプによる媒体液を循環している配管中に、外部から媒体液を高圧注入する高圧ポンプと、媒体液を導入して内部の空気を圧縮し、媒体液の容積変動を吸収するリザーバタンクと、循環ポンプ及び高圧ポンプを制御する制御盤とを備えるようにしたため、循環ポンプにより海中熱交換器とプール内熱交換器との間に媒体液を循環することで、プール内を海水温度に使い温度に保って溶融燃料の崩壊熱により上昇するプール水を冷却し、また、リザーバタンクを設けることで、温度変化により配管容積が変動しても、リザーバタンクにより配管容積の変動を吸収し、配管内に媒体液を充満して循環する状態を安定的に維持可能とする。
また、循環ポンプによる媒体液の循環中に、配管からの漏水により媒体液の量が減少した場合には、高圧ポンプにより外部から媒体液を配管内に注入することで、配管内の媒体液の減少を補い、配管内に媒体液を充満して循環する状態を安定的に維持可能とする。
(ポンプ2系統)
また、ポンプ設備は、循環ポンプを少なくとも2系統設けるようにしたため、可動中の循環ポンプに故障が発生した場合や点検等を必要とする場合に、別系統に切り替えることで、海中熱交換器とプール内熱交換器との間の媒体液の循環が停止することを確実に防止可能とする。
(循環ポンプの制御による効果)
また、制御盤は、プール内熱交換器を設置したプール水の温度と海中熱交換器を設置した海水温度を検出し、プール水温度が海水温度より高い場合は、温度差を無くすように循環ポンプにより循環流量を制御し、プール水温度が海水温度より低い場合は、所定の最小流量となるように循環ポンプにより循環流量を制御するようにしたため、海中熱交換器で冷却しプール内熱交換器でプール水を冷却するに必要な流量の媒体液を循環することで、確実且つ安定してプール水を海水温度に近い温度に保つことを可能とする。
(プール温度と海水温度に基づく循環ポンプの制御の効果)
また、制御盤は、プール内熱交換器を設置したプール水の温度と海中熱交換器を設置した海水温度を検出し、プール水温度が海水温度より高い場合は、温度差を無くすように循環ポンプにより循環流量を制御し、プール水温度が海水温度より低い場合は、所定の最小流量となるように循環ポンプにより循環流量を制御するようにしたため、プール水が海水温度より高いほど媒体液の循環流量を増やしてプール水を冷却する熱交換の効率を高め、プール水の温度が低下して海水温度に近づいたら媒体液の循環流量を低下させ、逆にプール水の温度が海水温度より低くなったら海水温度による冷却は必要ないことから、最小設定流量とすることで、プール温度と海水温度の温度差に応じた熱交換を可能とする効率的な循環ポンプの運転を可能とし、循環ポンプの運転に必要な消費電力を節減し、運用コストを低減可能とする。
(高圧注入の制御による効果)
また、制御盤は、リザーバタンク内の液面レベルを検出し、検出した液面レベルが漏水及び又は温度変化により所定レベル以下に低下した場合に、液面レベルが所定レベルに回復するまで外部から配管内に媒体液を高圧注入するように高圧ポンプを制御するようにしたため、配管内を循環する媒体液の減少を外部からの媒体液の高圧注入により補い、安定した熱交換のための媒体液の循環を可能とする。
(プール上部に門型クレーンを配置する効果)
また、プール構造は、平面から見て、原子炉施設の周囲を囲むように略矩形のプール側壁を構築しており、相対したプール側壁の登頂部にクレーン移動路を形成して自走可能な門型クレーンを配置するようにしたため、原子炉及びその建屋を含むプール内で冠水している原子炉施設に対し、門型クレーンに吊り下げた水中作業機器等を使用して、原子炉周辺の建屋等の施設を取り除いき、続いて、原子炉格納容器及び原子炉圧力容器を切断分解しながら、燃料棒の取出す撤去作業を、放射線の影響を受けることなく安全に行うことを可能とする。
(門型クレーンの揚げ降ろしヤードによる効果)
また、プール構造は、クレーン移動路を頭頂部に形成した一対のプール側壁を、プール外に延在して門型クレーンの外部との揚げ降ろしに使用する作業ヤードを設けるようにしたため、門型クレーンにより水中から撤去した資材を引き揚げた後に作業ヤードに移動して、そこに待機している運搬車両に搭載することで、プール内から撤去した資材の運びだしを効率良く行うことを可能とする。また、プール内での撤去作業に使用する各種の設備機器を作業ヤードに門型クレーンを移動して引き揚げることで、簡単且つ容易にプール内に作業場所に移動して使用又は設置可能とする。
(汚染水処理施設による効果)
また、プール構造は、原子炉施設の汚染水発生場所となる所定位置に取水口を配置してプール外部にプール水を取り出す取出配管を設け、取出配管を汚染水処理施設に供給して処理させるようにしたため、例えばプール内の原子炉格納容器の底部に近い汚染水の発生が予想される場所から取出配管によりプール水を取り出して汚染水処理施設で処理することで、溶融燃料により汚染されているプール水を浄化することを可能とする。
また、汚染水処理施設で処理した処理水をプール内に戻す戻し配管を設けるようにしたため、プール内と汚染水処理施設との間でプール水を循環しながら浄化を可能とし、プール水の汚染度合を継続的に低減可能とする。
メルトダウンを起こした原子炉施設に設置した原子炉廃炉支援施設の概略を平面で示した説明図 原子炉廃炉支援施設の縦断面をメルトダウンした原子炉施設と共に示した説明図 プール内に設置するプール内熱交換器の概要を示した説明図 プール内熱交換器と海中熱交換器との間で媒体液を循環させるポンプ設備の実施形態を示した説明図
[原子炉施設の概要]
図1はメルトダウンを起こした原子炉施設に設置した原子炉廃炉支援施設の概略を平面で示した説明図、図2は原子炉廃炉支援施設の縦断面をメルトダウンした原子炉施設と共に示した説明図である。
図1に示すように、原子炉廃炉支援施設を設置する原子炉施設10は、例えば東日本大震災によりメルトダウンに至る事故を起こした福島第一原子力発電所の1号機から4号機であり、原子力施設10は、原子炉建屋10aとタービン建屋10bを一組として4棟を並べて築いている。
図2に示すように、原子炉建屋10aの中には原子炉圧力容器10cを収納した原子炉格納容器10dを設置しており、また、タービン建屋10bには図示しないタービン発電機と共に復水器10cを設置しており、原子炉圧力容器10cで加熱した蒸気をタービン建屋10bに送ってタービンを回転することで発電し、タービンを通った水蒸気を復水器10eで復水して原子炉圧力容器10cに戻すようにしている。
このような原子炉施設10は、震災により原子炉圧力容器10c内の燃料棒がメルトダウンを起こして底部から流れ出し、溶融燃料(燃料デブリ)15として原子炉格納容器10dの底に溜まっている可能性がある。また、溶融燃料がどこにあるかは外部からは分からないため、最悪の場合には、原子炉格納容器10dの底を破ってその下の地中に溶融燃料15aが存在していることも想定される。
また、原子炉施設10は海11に面した海岸に設置しており、原子炉施設10の海11側には、防波堤13で仕切った取水路22を設置しており、正常な運転状態では、取水路22に設けた取水口22aから海水を取り込んで原子炉格納容器10d内に噴霧し、原子炉圧力容器10cを冷却し、冷却の済んだ海水を再び海11に戻すようにしている。
[原子炉廃炉支援施設の概要]
図1に示すように、事故を起こして廃炉対象となった原子炉施設10に対し本考案の原子炉廃炉支援施設は、まず、原子炉施設10に設置している1号機から4号機の原子炉建屋10a及びタービン建屋10bを収納するプール12を形成するプール構造を構築している。
プール12のプール構造は、1号機から4号機の原子炉建屋10a及びタービン建屋10bの周囲を囲んで平面から見て矩形となるように鉄筋コンクリート構造等によりプール側壁12aを構築する。また、プール側壁12aは図2の断面に示すように、プール12内に収納した水の重量に耐えるように、下部に向かって外側に拡がるように厚みを増加している。
プール底部12bについては、建屋コンクリート床10fを補強すると共に、その下の地中に特殊コンクリート等の凝固剤を注入して隙間がなくなるように固形化する。このプール底部10fは、水漏れのないプール12を構築するために重要な工事であり、プール側壁12aの高さが低い段階で、プール12内に水張り行って漏水の有無を確認し、漏水がある場合には、建屋コンクリート床10fの更なる補強やその下の地中に対する凝固剤の注入を繰り返し、水漏れが完全にないか、あっても極く僅かで済むようにプール底部12bを構築する。
この場合、メルトダウンした溶融燃料15aが地中に存在したような場合には、溶融燃料15aを含む形で凝固剤を注入してプール底部12bを固めることとなり、このための凝固剤の注入作業には放射能汚染の危険が高いことから、建屋から十分離れた位置から建屋底部の地中に向けて斜め下向きにボーリングを行った後に、凝固剤を注入する工法が望ましい。
プール側壁12aの高さは、ビルの5階建てに相当する原子炉建屋10aが完全に冠水するに十分な高さとする。
図1に示すように、平面から見て矩形に形成したプール側壁12aの例えば図示上側となる北側に向けてプール側壁12aを延在してヤード側壁12dを構築し、ヤード側壁12dの間を作業ヤード16としている。プール側壁12a及びヤード側壁12dに至る側壁登頂部には、レール14を設置しており、このレール14上に、移動自在な門型クレーン18を配置している。
門型クレーン18は、図2に示すように、両側の側壁頭頂部に配置したレール14を自走する走行部18bに門型のフレーム18aを搭載しており、フレーム18の横梁の部分には、横方向に移動自在に荷吊機構18cを設けている。
門型クレーン18は、プール12が完成した後に設置し、プール12内に水を張って冠水状態とした原子炉施設10の撤去作業に必要な機材の搬入、溶断装置を吊り下げて水中で原子炉施設を溶断分解する作業、分解した施設廃材を取り出して作業ヤードの運搬車両に降ろす撤去作業等に使用可能とする。
また、プール12に対しては共用プール30から給水ポンプ32を介して給水管34を配置しており、プール12が完成した後に、共用プール30を経由してプール12内に水を供給して原子炉施設10が冠水するように水張りする。ここで、プール12の水張りには大量の水が必要になることから、海水を共用プール30に汲み上げてごみ等の不純物を取り除いた後に、給水ポンプ32によりプール12に給水して水張りする。
また、プール12の底部に近いプール側壁12aの位置から共用プール30に排水管35を引き出し、例えば、大雨などでプール12内の水が所定の上限水位を超えた場合に、電動型の仕切弁35aの開動作により、プール12から共用プール30に排水して、プール12の水位上昇を抑えることを可能とする。
また、図2に示すように、原子炉建屋10aに設置している原子炉格納容器10dの底部には溶融燃料15が存在している可能があり、プール12に冠水した場合、原子炉格納容器10dの周囲の水が放射能により汚染される可能性が高い。
そこで、プール12内の原子炉建屋10aの床面に近い汚染水の発生が予想される位置に取水口38aを配置した取出配管38を配置し、取出配管38はプール側壁12aを介して外部に取出し、現在までの廃炉作業を通じて構築して稼働している汚染水処理施設36に導入し、汚染水を処理して放射能成分を除いて浄化し、処理の済んだ浄化水を戻し配管40によりプール12に戻すようにしている。また、汚染水処理施設36で処理した浄化水は、必要に応じて戻し配管40により共用プール30に戻すことも可能としている。
[プール温度を海水温度に保つ熱交換機能]
(プール内熱交換器)
プール12の内部には、プール内側の冠水領域に配置した配管により構成し、配管内を流動する媒体液とプール水との間で熱交換して、プール水の温度を媒体液の温度に近づけるプール内熱交換器26を設置している。
プール内熱交換器26は、図3(A)に示すように、プール12の内部側壁に沿って所定口径の配管を上下に曲がる略波形に配置した波形プール内熱交換器26aとする。
また、図3(B)に示すように、プール12の内部側壁に沿って矩形スパイラル状に下降するスパイラル形プール内熱交換器26bとしても良い。スパイラル形プール内熱交換器26bは、プール水面から所定深さまでの上層に配置し、プール水の上層側を冷却して熱対流によるプール水の上下移動による循環を可能とする。
プール内熱交換器26はその口径と配管長により熱交換能力が決まり、必要があれば、配管外側に複数のフィンを設けて熱交換面積を増やすことで、熱交換の効率を高めることを可能とする。また、プール内熱交換器26の配管の配置形状は、必要に応じて適宜の配置形状でよい。
(海中熱交換器)
一方、図1に示すように、取水路22の海中に設置した海中熱交換器24は、プール12に設置したプール内熱交換器26の熱交換でプール水温度に近い温度に上昇した媒体液と海水との間で熱交換し、媒体液の温度を海水温度とするもので、媒体水を海水温度に熱交換するに必要な十分な配管長、例えば数十メートルから百メートルといった配管長をもっている。
海中熱交換器24もその口径と配管長により熱交換能力が決まり、必要があれば、配管外側に複数のフィンを設けて熱交換面積を増やすことで、熱交換の効率を高めることを可能とする。
また、海中熱交換器24の配管には貝や海草がついて冷却効率が下がることから、定期的に付着物を清掃除去作業が容易な水深や防波堤13から清掃可能な位置な設置する。
(ポンプ設備の概要)
図1に示すポンプ設備20は、プール内熱交換器26と海中熱交換器24との間で媒体液を循環し、海水で冷やされた媒体液によりプール水を冷却し、プール水を海水温度に近い温度に保つことで、メルトダウンした溶融燃料の崩壊熱により温度が上昇するプール水を冷却して温度上昇を抑えることを可能とする。
(ポンプ設備の機能構成)
図4はプール内熱交換器と海中熱交換器との間で媒体液を循環させるポンプ設備の実施形態を示した説明図である。
図4に示すように、ポンプ設備20は、2系統の循環ポンプ42a,42b、高圧ポンプ44、貯水槽45、リザーバタンク46及び制御盤60を備える。
循環ポンプ42a,42bは、バルブの開閉選択による切替により、何れか一方、例えば循環ポンプ42aを主系統とし、循環ポンプ42bを予備系統としている。
循環ポンプ42aを介して連結しているプール内熱交換器26及び海中熱交換器24を含む循環ループの配管は、例えば口径が50cmであり、循環運転に先立ち、配管内に、媒体水として例えば上水道水等の水を充満している。
循環ループの配管内に対する水の充填は、貯水槽45から汲み上げた水を高圧ポンプ44を使用して配管内に注入して行う。この場合、プール内熱交換器26の最上部又は最上部に近い位置に設けたエアー抜きバルブ28は全て開放しておき、高圧ポンプ44の運転による注水でエアー抜きバルブ28からエアーが抜けて水が噴き出すようになった順に、エアー抜きバルブ28を閉鎖し、これにより循環ループを構成する配管内を、エアー抜き状態として媒体水を充満した状態とする。
プール内熱交換器26及び海中熱交換器24を含む循環ループの配管に対し媒体液が充満できたならば、制御盤60により主系統の循環ポンプ42aの運転を開始する。
制御盤60により循環ポンプ42aの運転制御を行うため、循環ポンプ42aの吐出側の配管に流量検出器48を設けて循環流量を検出している。また、プール12にはプール水の温度を検出する温度検出器52を設け、また海中熱交換器24を設置した取水路22には海水温度を検出する温度検出器54を設けている。
制御盤60は、循環ポンプ42aにより循環ループの配管内に媒体液を循環させるためには、循環ループを構成する配管の流路損失を超える吐出圧力となるように媒体液を加圧して送り出すように制御すればよい。これに加え制御盤60は、温度検出器52で検出しているプール水温度T1と温度検出器54で検出している海水温度T2に基づく流量制御を行う。なお、プール水温度T1を検出する温度検出器52の設置位置は、水深方向でのプール水温度の分布をみた場合に高くなる水面に近い上層部の任意の位置に設置すれば良い。
制御盤60による循環制御は、例えば、プール水温度T1が海水温度T1より高い場合は、温度差(T1−T2)を検出し、温度差(T1−T2)を無くすように循環ポンプ42aにより流量検出器48で検出している循環流量Qを変化させる制御を行う。即ち、制御盤60は温度差(T1−T2)が大きい場合は循環流量Qを増加させ、温度差(T1−T2)が小さくなると循環流量Qを減少させるように制御し、これによりプール水温度T1を海水温度T2に近い温度に保つようにする。
また、季節や天候によっては、プール水温度T1より海水温度T2が高い場合があり、この場合、媒体液を循環させるとプール温度T1を海水温度T2に温めてしまうことから、媒体液の循環流量を所定の最小流量Qminとする循環制御を行う。この場合、制御盤60は循環ポンプ42aの運転を停止して媒体液の循環を停止してもよいが、循環ポンプ42aの運転と運転停止を繰り返すと、起動又停止に伴い水撃(ウォータハンマ)を発生して配管に衝撃が加わる可能性があることから、これを抑止するために、運転を停止せずに所定の最小流量による媒体液の循環を維持する。
また制御盤60は、リザーバタンク46に設けた水位検出器50の検出水位に基づき高圧ポンプ44を運転して媒体液を循環ループの配管内に補充する制御を行う。ここでリザーバタンク46は循環ポンプ42aの運転で配管内を循環する加圧された媒体液を導入して内部の空気を圧縮している。この状態で循環ループの配管容積が温度上昇よる膨張で増加したとすると、リザーバタンク50に導入している媒体液が配管容積の増加に応じて配管側に押し出され、リザーバタンク46内の水位が低下する。また、循環ループの配管に僅かでも漏水があると、長い間に配管内の媒体液の量が減少し、リザーバタンク46の液面が低下する。
制御盤60は、水位検出器50で検出している液面レベルが所定の下限レベル以下に低下したことを検出した場合、高圧ポンプ44を運転し、媒体液を循環している循環ループの配管内に、貯水槽45からの水を加圧注入して補給する。この外部からの媒体液の高圧注入により配管内の媒体液の量が増加し、リザーバタンク46の液面が上昇する。そこで制御盤60は高圧ポンプ44の運転中に、水位検出器50で検出した液面レベルが所定の上限レベルに達したことを検出すると、高圧ポンプ44の運転を停止する制御を行う。
このようなポンプ設備20によるプール内熱交換器26と海中熱交換器24の間で媒体液を循環させることにより、原子炉施設10を冠水しているプール12の水温を海水温度に近い温度に維持し、メルトダウンした溶融燃料の崩壊熱によるプール水の温度上昇を抑えることを可能とする。
また、プール内熱交換器26と海中熱交換器24の間で循環する媒体液は、配管内に封じ込められて外部に出ることはなく、また、プール水が放射線能汚染を受けても、汚染水はプール12内に留まって地中や海に流れ出さず、地下水や海水を汚染することなく、恒久的にプール水との海水との間の熱交換を行って、プール水を海水温度に近い温度に保つことを可能とする。
[原子炉施設の撤去作業]
上記の実施形態のように、メルトダウンを起こした原子炉施設10に対しプール12を構築してプール水により冠水し、プール内熱交換器26と海中熱交換器24の間で媒体液を循環してプール水温を海水温度に近い温度に維持する状態とすることで、原子炉施設10からの放射線漏れを完全に遮蔽した放射線遮蔽環境が構築できる。
このようなプール12による冠水で放射線遮蔽環境が構築できた後は、図2に示すように、プール12の上部を移動する門型クレーン18を使用し、例えば荷吊機構18cに破砕機や水中溶断装置等をセットしてプール12の水面から水中に降ろし、原子炉建屋10a及びタービン建屋10bを破砕しながら引き揚げて撤去する作業を行う。
原子炉建屋10a及びタービン建屋10bの撤去が完了すると原子炉格納容器10dが水中にむき出しになることから、門型クレーン18により水中溶断装置等を降ろして原子炉格納容器10dの上部から溶断により分解しながら引き揚げて撤去する作業を進め、原子炉格納容器10dの上部を撤去すると原子炉圧力容器10cが露出することから、同様にして原子炉圧力容器10c上部から溶断により分解しながら引き揚げて撤去する作業を進める。
なお、溶断により分解した原子炉圧力容器10c及び原子炉圧力容器10dの廃材は、プール12内から直ぐには引き揚げず、プール12内の別場所に冠水した状態で保管するか、或いは門型クレーン18で作業ヤード16の運搬車両に降ろして積み込んだ後、別の場所に構築している保管プールに入れて放射線遮蔽状態として保管する。
このように原子炉施設10の撤去作業は全て水中作業となり、プール12の水により放射線を完全に遮蔽して安全に作業をすすめることができる。
また、撤去作業に伴いプール12により冠水している原子力施設10の状況を外部から監視する必要があり、そのためテレビカメラを搭載した撮影ロボットとして機能するロボット潜水艇を使用し、遠隔操作で水中を移動しながら目的とする場所の映像をモニタ装置に送って表示する。この場合、陸上を移動する場合に比べ、ロボット潜水艇による水中移動は簡単で移動の自由度も高く、水中の施設の状態を明確にモニタすることが可能である。
また、原子炉施設10の撤去は施設の上部から行うため、撤去が進んで残っている施設の高さが下がった場合には、プール水を汚染水処理施設36の処理を行った後に排水してプール12の水位を下げ、水深を浅くすることで、残っている原子炉施設10の撤去作業を行い易くできる。
原子炉施設10の撤去作業が進み、分解している原子炉格納容器10dの底部に溶融燃料が存在することが確認できた場合は、門型クレーン18により水中に放射能遮蔽構造の燃料格納容器を降ろし、その中に溶融燃料を取り出して収納し、開口部を閉じて放射線を遮蔽した状態で門型クレーン18により引き上げ、所定の場所に運んで保管する。
しかしながら、分解した原子炉格納容器10dの底部に溶融燃料が存在せず、原子炉格納容器10dの底を突き破ってその下の地中に落ち込んでいる場合、溶融燃料の取出しは不可能に近いことから、原子炉格納容器10dを含む原子炉施設10を略完全に撤去した後、プール12の底の溶融燃料の落ち込み穴に対し特殊コンクリート等を注入して完全にその周囲を固め、地中埋設にして封じ込める。
このように地中に溶融燃料を封じ込めた状態で、プール12内に溶融燃料の崩壊熱による加熱を冷却するためにプール水を張り、プール内熱交換器26と海中熱交換器24の間でポンプ設備20により媒体液を循環して冷却する恒久設備とし、施設を維持管理する。
なお、本考案は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値等による限定は受けない。
10:原子炉施設
10a:原子炉建屋
10b:タービン建屋
10c:原子炉圧力容器
10d:原子炉格納容器
10e:復水器
10f:建屋コンクリート床
12:プール
12a:プール側壁
12b:プール底部
12c:ヤード側壁
14:レール
15,15a:溶融燃料
16:作業ヤード
18:門型クレーン
20:ポンプ設備
22:取水路
24:海中熱交換器
26:プール内熱交換器
28:エアー抜きバルブ
30:共用プール
32:給水ポンプ
34:給水管
34:排水管
36:汚染水処理施設
38:取出配管
38a:取水口
40:戻し配管
42a,42b:循環ポンプ
44:高圧ポンプ
46:リザーバタンク
48:流量検出器
50:水位検出器
52,54:温度検出器
60:制御盤

Claims (12)

  1. メルトダウンを含む事故を起こした原子炉廃炉に用いる原子炉廃炉支援施設に於いて、
    原子炉圧力容器を収納した原子炉格納容器の建屋を含む原子炉施設の全体を冠水するプール構造と、
    前記プール構造の内側の浸水領域に配置した配管により構成し、前記配管内を流動する媒体液とプール水との間で熱交換して、前記プール水の温度を前記媒体液の温度に近づけるプール内熱交換器と、
    前記原子力施設の近傍の海中に配置した配管により構成し、前記配管内を流動する媒体液と海水の間で熱交換して、前記媒体液の温度を海水温度とする海中熱交換器と、
    前記媒体液を前記プール内熱交換器と前記海中熱交換器との間で循環させるポンプ設備と、
    を備えたことを特徴とする原子炉廃炉支援施設。
  2. 請求項1記載の原子炉廃炉支援施設に於いて、前記プール内熱交換器は、前記プールの内周壁に沿って、熱交換用の配管を波形状又はスパイラル状に配置し、前記配管の最上部又は最上部に近い位置に、エアー抜きバルブを設けたことを特徴とする原子炉廃炉支援施設。
  3. 請求項1記載の原子炉廃炉支援施設に於いて、前記海中熱交換器は、前記原子炉施設に設けた取水路の海中に、所定長の熱交換用の配管を配置したことを特徴とする原子炉廃炉支援施設。
  4. 請求項1記載の原子炉廃炉支援施設に於いて、前記ポンプ設備は、
    前記媒体液を加圧して送り出す循環ポンプと、
    前記循環ポンプによる前記媒体液を循環している配管中に外部から媒体液を供給する高圧ポンプと、
    前記媒体液を導入して内部の空気を圧縮し、前記媒体液の容積変動を吸収するリザーバタンクと、
    前記循環ポンプ及び高圧ポンプを制御する制御盤と、
    を備えたことを特徴とする原子炉廃炉支援施設。
  5. 請求項4記載の原子炉廃炉支援施設に於いて、前記循環ポンプ設備は、前記循環ポンプを少なくとも2系統の設けたことを特徴とする原子炉廃炉支援施設。
  6. 請求項4記載の原子炉廃炉支援施設に於いて、前記制御盤は、前記プール内熱交換器及び前記海中熱交換器を含む循環系統を流れる前記媒体液の流量を検出し、所定の設定流量となるように前記循環ポンプを制御することを特徴とする原子炉廃炉支援施設。
  7. 請求項4記載の原子炉廃炉支援施設に於いて、前記制御盤は、前記プール内熱交換器を設置したプール水の温度と前記海中熱交換器を設置した海水温度を検出し、前記プール水温度が前記海水温度より高い場合は、温度差を無くすように前記循環ポンプにより循環流量を制御し、前記プール水温度が前記海水温度より低い場合は、所定の最小流量となるように前記循環ポンプにより循環流量を制御することを特徴とする原子炉廃炉支援施設。
  8. 請求項4記載の原子炉廃炉支援施設に於いて、前記制御盤は、リザーバタンク内の液面レベルを検出し、検出した液面レベルが所定レベル以下に低下した場合に、前記液面レベルが前記所定レベルに回復するまで外部から配管内に媒体液を高圧注入するように前記高圧ポンプの回転数を制御することを特徴とする原子炉廃炉支援施設。
  9. 請求項1記載の原子炉廃炉支援施設に於いて、前記プール構造は、平面から見て、前記原子炉施設の周囲を囲むように略矩形のプール側壁を構築しており、相対した前記プール側壁の登頂部にクレーン移動路を形成して自走可能な門型クレーンを配置したことを特徴とする原子炉廃炉支援施設。
  10. 請求項1記載の原子炉廃炉支援施設に於いて、前記プール構造は、前記クレーン移動路を頭頂部に形成したプール側壁をプール外に延在して前記門型クレーンの外部との揚げ降ろしに使用する作業ヤードを設けたことを特徴とする原子炉廃炉支援施設。
  11. 請求項1記載の原子炉廃炉支援施設に於いて、前記プール構造は、前記原子炉施設の汚染水発生場所となる所定位置に取水口を配置してプール外部にプール水を取り出す取出配管を設け、前記取出配管を汚染水処理施設に供給して処理させることを特徴とする原子炉廃炉支援施設。
  12. 請求項11記載の原子炉廃炉支援施設に於いて、前記汚染水処理施設で処理した処理水を前記プール内に戻す戻し配管を設けたことを特徴とする原子炉廃炉支援施設。
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