JP2015221766A - スライム防止用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高いpHを有する水に対しても高い殺菌効果を有し、冷却水系等におけるスライム障害をより確実に防止できるスライム防止用組成物を提供すること。
【解決手段】臭素、次亜臭素酸塩、亜臭素酸塩、及び臭素酸塩からなる群から少なくとも一つ選択される臭素系酸化剤、スルファミン酸化合物、及びアニオン性高分子を含むスライム防止用組成物。
【選択図】なし
【解決手段】臭素、次亜臭素酸塩、亜臭素酸塩、及び臭素酸塩からなる群から少なくとも一つ選択される臭素系酸化剤、スルファミン酸化合物、及びアニオン性高分子を含むスライム防止用組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、冷却水系等におけるスライム障害を防止するためのスライム防止用組成物に関する。
従来のスライム防止用組成物としては、例えば、以下の特許文献1に記載されるものを挙げることができる。この文献に記載されるスライム防止用組成物は、酸化性抗菌剤としての塩素系酸化剤と、スルファミン酸化合物と、アニオン系ポリマーとを含んでおり、塩素系酸化剤が安定でスライムに対する浸透力が強いため、細菌や藻類などのスライムを構成する微生物に対して高い殺菌効果を発揮し得る。
しかしながら、特許文献1に記載のスライム防止用組成物に使用される塩素系酸化剤は、比較的高いpH(およそpH>8)を有する水(例えば、開放循環冷却水系など)に対する殺菌効果が弱く、そのような高pH水の中に存在する藻類やレジオネラ属菌などの浮遊細菌を必ずしも十分に殺菌し得るものではなかった。尚、次亜臭素酸塩等の臭素系酸化剤が高pH水においても高い殺菌効果を有することについては以前から知られていた。しかし、臭素系酸化剤はアニオン性ポリマーと組み合わせて適用することが困難であると考えられていたためこれまで使用されていなかった。
本発明の目的は、高いpHを有する被処理水に対しても高い殺菌効果を有し、冷却水系等におけるスライム障害をより確実に防止できるスライム防止用組成物を提供することにある。
本発明のスライム防止用組成物における第1特徴構成は、臭素、次亜臭素酸塩、亜臭素酸塩、及び臭素酸塩からなる群から少なくとも一つ選択される臭素系酸化剤、スルファミン酸化合物、及びポリマレイン酸、ポリアクリル酸ナトリウム、マレイン酸とアクリル酸アルキルビニルアセテート共重合物、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合物、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合物・次亜リン酸ナトリウム付加重合物、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1,ジホスホン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸、カルボキシル基とスルホン基と非イオン性基を持つ三元共重合体もしくはその塩、及びビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスホン酸ナトリウムからなる群より少なくとも一つ選択されるアニオン性高分子を含む点にある。
〔作用及び効果〕
本構成によれば、臭素系酸化剤は、高いpHを有する被処理水に対しても高い殺菌効果を有するため、例えば、開放循環冷却水系等で使用される高pH水におけるスライム障害を防止することができる。また、上記アニオン性高分子を使用することによって、スライムに対する浸透力が高められ、より確実にスライム障害を防止することができる。
本構成によれば、臭素系酸化剤は、高いpHを有する被処理水に対しても高い殺菌効果を有するため、例えば、開放循環冷却水系等で使用される高pH水におけるスライム障害を防止することができる。また、上記アニオン性高分子を使用することによって、スライムに対する浸透力が高められ、より確実にスライム障害を防止することができる。
第2特徴構成は、前記アニオン性高分子として、前記カルボキシル基とスルホン基と非イオン性基を持つ三元共重合体もしくはその塩を含む点にある。
〔作用及び効果〕
本構成のごとく、カルボキシル基とスルホン基と非イオン性基を持つ三元共重合体もしくはその塩を使用することによって、保存安定性がさらにより向上して濁りが発生し難くなると共に、スライムに対する浸透力がさらにより高められ、さらにより確実にスライム障害を防止することができる。
本構成のごとく、カルボキシル基とスルホン基と非イオン性基を持つ三元共重合体もしくはその塩を使用することによって、保存安定性がさらにより向上して濁りが発生し難くなると共に、スライムに対する浸透力がさらにより高められ、さらにより確実にスライム障害を防止することができる。
第3特徴構成は、スライム防止用組成物が、12以上のpHを有し、且つ該組成物の総重量に対し、有効臭素含有量1〜8重量%の前記臭素系酸化剤、1〜10重量%の前記スルファミン酸化合物、1〜20重量%の水酸化物、及び0.5〜20重量%の前記アニオン性高分子を含む点にある。
〔作用及び効果〕
pHを12以上とすることで保存安定性と浮遊細菌に対する殺菌効果がさらに向上し、より確実にスライム障害を防止することができる。
pHを12以上とすることで保存安定性と浮遊細菌に対する殺菌効果がさらに向上し、より確実にスライム障害を防止することができる。
[実施形態]
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のスライム防止用組成物は、酸化性抗菌剤としての臭素系酸化剤、スルファミン酸化合物、及びアニオン性高分子を含有する。また本発明のスライム防止用組成物には、pH調整剤、添加剤、純水等を適宜含ませるようにしても良い。pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム等の水酸化物が挙げられる。添加剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等の防錆剤が挙げられる。またさらに本発明のスライム防止用組成物には、臭化ナトリウムのような臭化物、塩化ナトリウムのような塩化物、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩、次亜塩素酸イオン、次亜ヨウ素酸、次亜ヨウ素酸塩、次亜ヨウ素酸イオン等が含まれていても良い。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のスライム防止用組成物は、酸化性抗菌剤としての臭素系酸化剤、スルファミン酸化合物、及びアニオン性高分子を含有する。また本発明のスライム防止用組成物には、pH調整剤、添加剤、純水等を適宜含ませるようにしても良い。pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム等の水酸化物が挙げられる。添加剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等の防錆剤が挙げられる。またさらに本発明のスライム防止用組成物には、臭化ナトリウムのような臭化物、塩化ナトリウムのような塩化物、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩、次亜塩素酸イオン、次亜ヨウ素酸、次亜ヨウ素酸塩、次亜ヨウ素酸イオン等が含まれていても良い。
〔臭素系酸化物〕
本発明に適用可能な臭素系酸化剤としては、例えば、臭素、次亜臭素酸塩、亜臭素酸塩、臭素酸塩などを挙げることができる。
本発明に適用可能な臭素系酸化剤としては、例えば、臭素、次亜臭素酸塩、亜臭素酸塩、臭素酸塩などを挙げることができる。
次亜臭素酸塩としては、例えば、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウムなどの次亜臭素酸アルカリ金属塩、次亜臭素酸カルシウム、次亜臭素酸バリウムなどの次亜臭素酸アルカリ土類金属塩などを挙げることができる。
亜臭素酸塩としては、例えば、亜臭素酸ナトリウム、亜臭素酸カリウムなどの亜臭素酸アルカリ金属塩、亜臭素酸バリウムなどの亜臭素酸アルカリ土類金属塩、亜臭素酸ニッケルなどの他の亜臭素酸金属塩などを挙げることができる。
臭素酸塩としては、例えば、臭素酸アンモニウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウムなどの臭素酸アルカリ金属塩、臭素酸カルシウム、臭素酸バリウムなどの臭素酸アルカリ土類金属塩などを挙げることができる。
上述の臭素系酸化剤の一つを単独で用いても良いし、あるいは、2つ以上を組み合わせて用いても良い。尚、これらの臭素系酸化剤の中で、次亜臭素酸塩は取り扱いが容易であるため、より好適に用いることができる。
尚、本明細書中において、有効臭素とは、殺菌効果のある、臭素(Br2)、次亜臭素酸(HBrO)、次亜臭素酸イオン(BrO-)、亜臭素酸(HBrO2)、亜臭素酸イオン(BrO2 -)、臭素酸(HBrO3)、臭素酸イオン(BrO3 -)等を意味する。また、有効臭素含有量とは、本発明のスライム防止用組成物の総重量に対して、有効臭素に係る臭素の量を、重量%で表したものと定義する。
〔スルファミン酸化合物〕
本発明に適用可能なスルファミン酸化合物は、以下の一般式[1]で表される化合物またはその塩である。
本発明に適用可能なスルファミン酸化合物は、以下の一般式[1]で表される化合物またはその塩である。
ただし、上記一般式[1]において、R1及びR2は、水素又は炭素数1〜8の炭化水素基である。このようなスルファミン酸化合物としては、例えば、R1とR2がともに水素であるスルファミン酸のほかに、N−メチルスルファミン酸、N,N−ジメチルスルファミン酸、N−フェニルスルファミン酸などを挙げることができる。本発明に適用可能なスルファミン酸化合物のうち、当該化合物の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩、マンガン塩、銅塩、亜鉛塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩などの他の金属塩、アンモニウム塩及びグアニジン塩などを挙げることができる。
〔アニオン性高分子〕
本発明に適用可能なアニオン性高分子としては、例えば、ポリマレイン酸、ポリアクリル酸ナトリウム、マレイン酸とアクリル酸アルキルビニルアセテート共重合物、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合物、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合物・次亜リン酸ナトリウム付加重合物、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1,ジホスホン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸、カルボキシル基とスルホン基と非イオン性基を持つ三元共重合体もしくはその塩、及びビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスホン酸ナトリウム等を挙げることができる。これらのアニオン性高分子の一つを単独で用いても良いし、あるいは、2つ以上を組み合わせて用いても良い。
本発明に適用可能なアニオン性高分子としては、例えば、ポリマレイン酸、ポリアクリル酸ナトリウム、マレイン酸とアクリル酸アルキルビニルアセテート共重合物、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合物、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合物・次亜リン酸ナトリウム付加重合物、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1,ジホスホン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸、カルボキシル基とスルホン基と非イオン性基を持つ三元共重合体もしくはその塩、及びビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスホン酸ナトリウム等を挙げることができる。これらのアニオン性高分子の一つを単独で用いても良いし、あるいは、2つ以上を組み合わせて用いても良い。
より好適なアニオン性高分子としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスホン酸ナトリウム、及びカルボキシル基とスルホン基と非イオン性基を持つ三元共重合体もしくはその塩を挙げることができる。これらのアニオン性高分子の一つを単独で用いても良いし、あるいは、2つ以上を組み合わせて用いても良い。これらのアニオン性高分子を使用したスライム防止用組成物は、他のアニオン性高分子を使用したスライム防止用組成物と比べて、保存安定性が良い。
最も好適なアニオン性高分子としては、カルボキシル基とスルホン基と非イオン性基を持つ三元共重合体もしくはその塩を使用することが望ましい。当該三元共重合体もしくはその塩を使用したスライム防止用組成物の保存安定性は、ポリアクリル酸ナトリウム、及びビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスホン酸ナトリウムを使用したスライム防止用組成物よりもさらに優れる。
尚、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合物・次亜リン酸ナトリウム付加重合物とは、以下の化学構造式で表される化合物である。
また、カルボキシル基とスルホン基と非イオン性基を持つ三元共重合体とは、カルボキシル基を含む第1成分が、(メタ)アクリル酸であり、スルホン基を含む第2成分が、アリールスルホネート、アクリルアミドスルホネート、アクリルアミドアリールスルホネート、および、2ーアクリルアミドー2ーメチルプロパンスルホン酸からなる群から選ばれた少なくとも一種であり、非イオン性基を含む第3成分が、ビニルエステル、酢酸ビニル、および、置換アクリルアミドから成る群から選ばれた少なくとも一種であるものを意味する。当該三元共重合体は、第1成分を10〜84重量部、第2成分を11〜40重量部、第3成分を5〜50重量部含有する水溶性重合体である。また、当該三元共重合体の塩とは、ナトリウム、カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニウム等との塩を意味する。
また、被処理水中のアニオン性高分子の濃度は固形分として、1mg/L以上、好ましくは3mg/L以上である。
〔スライム防止用組成物の剤型〕
本発明のスライム防止用組成物の剤型に特に制限はなく、例えば、臭素系酸化剤、スルファミン酸化合物、及びアニオン性高分子を全て含む1液型薬剤としても良いし、あるいは、これらの成分を2液に分けた2液型薬剤としても良い。2液型薬剤としては、例えば、臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物を含むA成分と、アニオン性高分子を含むB成分とからなる2液型薬剤などを挙げることができる。
本発明のスライム防止用組成物の剤型に特に制限はなく、例えば、臭素系酸化剤、スルファミン酸化合物、及びアニオン性高分子を全て含む1液型薬剤としても良いし、あるいは、これらの成分を2液に分けた2液型薬剤としても良い。2液型薬剤としては、例えば、臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物を含むA成分と、アニオン性高分子を含むB成分とからなる2液型薬剤などを挙げることができる。
本発明のスライム防止用組成物の1液型薬剤の一態様としては、例えば、該組成物のpHが12以上であり、且つ該組成物の総重量に対し、有効臭素含有量1〜8重量%の臭素系酸化剤、1〜10重量%のスルファミン酸化合物、1〜20重量%の水酸化物、及び0.5〜20重量%のアニオン性高分子を含むものが挙げられる。また特に、スライム防止用組成物のpHが12以上であり、且つ該組成物の総重量に対し、有効臭素含有量3〜5重量%の臭素系酸化剤、5〜10重量%のスルファミン酸化合物、8〜12重量%の水酸化物、及び5〜15重量%のアニオン性高分子を含むものについては、保存安定性がより向上するため好適である。尚、臭素系酸化剤としては、次亜塩素酸塩と臭化物とを混合して得られる次亜臭素酸塩が好適である。
本発明のスライム防止用組成物の2液型薬剤の一態様としては、該組成物がA成分及びB成分の2成分からなり、成分Aが該組成物の総重量に対し、有効臭素含有量1〜8重量%の臭素系酸化剤、1〜8重量%のスルファミン酸化合物、及び1〜20重量%の水酸化物を含有し、B成分が該組成物の総重量に対し1〜20重量%のアニオン性高分子を含有し、成分AのpHが12以上であるものが挙げられる。また特に、成分Aがスライム防止用組成物の総重量に対し、有効臭素含有量3〜5重量%の臭素系酸化剤、5〜10重量%のスルファミン酸化合物、及び8〜12重量%の水酸化物を含有し、B成分が該組成物の総重量に対し10〜20重量%のアニオン性高分子を含有し、且つ成分AのpHが12以上であるものについては、A成分の保存安定性がより向上し、且つB成分の被処理水への適下量を抑制できるため好適である。尚、臭素系酸化剤としては、次亜塩素酸塩と臭化物とを混合して得られる次亜臭素酸塩が好適である。
〔適用可能な被処理水〕
本発明のスライム防止用組成物を適用可能な被処理水としては、特に限定されるものでなく、蓄熱水系、紙パルプ工程水系、集塵水系、スクラバー水系等、種々の水系において使用可能である。また、被処理水のpHについても特に限定されるものではないが、本発明のスライム防止用組成物は、pHが約8〜10という、比較的高いpHを有する被処理水に対しても使用することが可能であり、例えば、pH8〜9を有する開放循環冷却水系等で好適に使用することができる。
本発明のスライム防止用組成物を適用可能な被処理水としては、特に限定されるものでなく、蓄熱水系、紙パルプ工程水系、集塵水系、スクラバー水系等、種々の水系において使用可能である。また、被処理水のpHについても特に限定されるものではないが、本発明のスライム防止用組成物は、pHが約8〜10という、比較的高いpHを有する被処理水に対しても使用することが可能であり、例えば、pH8〜9を有する開放循環冷却水系等で好適に使用することができる。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明する。但し、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
(安定性試験)
12重量%濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液40重量%と、臭化ナトリウム7.5重量%とを混合して調製した次亜臭素酸ナトリウム水溶液47.5重量%(有効臭素含有量は組成物総重量の4.8重量%)、スルファミン酸8重量%、各種アニオン性高分子10重量%、ベンゾトリアゾール1重量%、25重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液32重量%、純水1.5重量%を配合して本発明のスライム防止用組成物に係る試料1〜10を調製した。
12重量%濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液40重量%と、臭化ナトリウム7.5重量%とを混合して調製した次亜臭素酸ナトリウム水溶液47.5重量%(有効臭素含有量は組成物総重量の4.8重量%)、スルファミン酸8重量%、各種アニオン性高分子10重量%、ベンゾトリアゾール1重量%、25重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液32重量%、純水1.5重量%を配合して本発明のスライム防止用組成物に係る試料1〜10を調製した。
また、比較例として、臭素系酸化剤の替わりに塩素系酸化剤を含む試料11〜20を、上記試料1〜10と同様に調製した。即ち、12重量%濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液40重量%と、スルファミン酸8重量%、各種アニオン性高分子10重量%、ベンゾトリアゾール1重量%、25重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液32重量%、純水9重量%を配合して試料11〜20を調製した。
尚、試料1〜20のそれぞれに使用したアニオン性高分子は以下の表1の通りである。
試料1〜20を遮光して、20℃及び50℃の恒温槽内で静置保存し、10日後、20日後、30日後のそれぞれの残留ハロゲン濃度を測定し、残存率(%)を計算した。残留ハロゲン濃度は、東西化学産業株式会社製のデジタル水質管理計オンサイトラボの残留塩素測定法であるSBT法並びに専用試薬を使用した。実施例の試料1〜10に関する測定結果を以下の表2に示す。尚、濁りが生じた試料については、残留ハロゲン濃度を測定しなかった。
表2に示すように、試料1、3〜8の試料は、実験を開始して10日までに濁りが発生した。試料2、9、10については、実験を開始して30日を経過した後も濁りは発生せず安定であり、特に試料9の安定性が高かった。尚、比較例の試料11〜20についてはいずれも、実験を開始して30日を経過した後も濁りは発生せず安定であった。
(殺菌効果比較試験)
上記試料1〜20について、殺菌効果の比較を行った。
草津市水を用いて120mS/mまで空調用冷却塔で濃縮させた冷却水を採取し、細菌数が1mL当たり1.0×105個の冷却水を試験水として用いた。
上記試料1〜20について、殺菌効果の比較を行った。
草津市水を用いて120mS/mまで空調用冷却塔で濃縮させた冷却水を採取し、細菌数が1mL当たり1.0×105個の冷却水を試験水として用いた。
上記冷却水を50mLの三角フラスコに30mL分取し、有効ハロゲン濃度が5ppmになるように上記試料1〜20を添加し、37℃、50rpmで振とう培養し、24時間後、及び48時間後の一般細菌数(個/mL)をそれぞれ測定した。結果を以下の表3に示す。
表3に示すように、本発明に係る試料1〜10は、比較例の試料11〜20と比べて、より高い殺菌効果を有することが分かる。
本発明は、比較的高いpHを有する水を使用する冷却水系、蓄熱水系、紙パルプ工程水系、集塵水系、スクラバー水系等におけるスライム発生防止に好適に利用することができる。
本発明のスライム防止用組成物における第1特徴構成は、臭素、次亜臭素酸塩、亜臭素酸塩、及び臭素酸塩からなる群から少なくとも一つ選択される臭素系酸化剤、スルファミン酸化合物、及びポリマレイン酸、ポリアクリル酸ナトリウム、マレイン酸とアクリル酸アルキルビニルアセテート共重合物、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合物、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合物・次亜リン酸ナトリウム付加重合物、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1,ジホスホン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸、カルボキシル基とスルホン基と非イオン性基を持つ三元共重合体もしくはその塩、及びビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスホン酸ナトリウムからなる群より少なくとも一つ選択される化合物を含む点にある。
〔作用及び効果〕
本構成によれば、臭素系酸化剤は、高いpHを有する被処理水に対しても高い殺菌効果を有するため、例えば、開放循環冷却水系等で使用される高pH水におけるスライム障害を防止することができる。また、上記化合物を使用することによって、スライムに対する浸透力が高められ、より確実にスライム障害を防止することができる。
本構成によれば、臭素系酸化剤は、高いpHを有する被処理水に対しても高い殺菌効果を有するため、例えば、開放循環冷却水系等で使用される高pH水におけるスライム障害を防止することができる。また、上記化合物を使用することによって、スライムに対する浸透力が高められ、より確実にスライム障害を防止することができる。
第2特徴構成は、前記化合物として、前記カルボキシル基とスルホン基と非イオン性基を持つ三元共重合体もしくはその塩を含む点にある。
第3特徴構成は、スライム防止用組成物が、12以上のpHを有し、且つ該組成物の総重量に対し、有効臭素含有量1〜8重量%の前記臭素系酸化剤、1〜10重量%の前記スルファミン酸化合物、1〜20重量%の水酸化物、及び0.5〜20重量%の前記化合物を含む点にある。
Claims (3)
- 臭素、次亜臭素酸塩、亜臭素酸塩、及び臭素酸塩からなる群から少なくとも一つ選択される臭素系酸化剤、
スルファミン酸化合物、及び
ポリマレイン酸、ポリアクリル酸ナトリウム、マレイン酸とアクリル酸アルキルビニルアセテート共重合物、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合物、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合物・次亜リン酸ナトリウム付加重合物、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1,ジホスホン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸、カルボキシル基とスルホン基と非イオン性基を持つ三元共重合体もしくはその塩、及びビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスホン酸ナトリウムからなる群より少なくとも一つ選択されるアニオン性高分子を含む、スライム防止用組成物。 - 前記アニオン性高分子として、前記カルボキシル基とスルホン基と非イオン性基を持つ三元共重合体もしくはその塩を含む請求項1に記載のスライム防止用組成物。
- スライム防止用組成物が、12以上のpHを有し、且つ該組成物の総重量に対し、有効臭素含有量1〜8重量%の前記臭素系酸化剤、1〜10重量%の前記スルファミン酸化合物、1〜20重量%の水酸化物、及び0.5〜20重量%の前記アニオン性高分子を含む請求項1又は2に記載のスライム防止用組成物。
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