JP2015221639A - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両全体として重量を増加させることなく、前面衝突時のフロントフレームの後部からフロアトンネルの前部に衝突荷重を円滑に伝達することができる車両の前部車体構造を提供する。【解決手段】ダッシュパネル20には、平面視で車幅方向中央部230に車両後方側へ突出する突出部210を備え、該突出部210は、略車幅方向に延びる中央部230と、該中央部230の両端部に接続され、ダッシュパネル20の両側部に接続される傾斜部220とで形成され、ダッシュクロスメンバ30は、ダッシュパネル20の両側部の一方かつフロントサイドフレーム50の後方側に形成されたステアリングシャフト貫通孔21の上方に配置して、傾斜部220を通ってフロアトンネル41に連結するよう配設されており、ステアリングシャフト貫通孔21の後方の傾斜部220に車幅方向に延びるビード225(225u,225m,225d)が形成されたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

この発明は、車幅方向に延び、平面視で車幅方向中央部に車両後方側へ突出する突出部を有するダッシュパネルと、上記突出部の後方に接続され車両前後方向に延びるフロアトンネルと、上記突出部の両側においてダッシュパネルの前方に接続して車両前後方向に延びるフロントフレームと、該フロントフレームの後部と上記フロアトンネルの前部とを連結するダッシュクロスメンバとを備えた車両の前部車体構造に関する。
オフセット衝突などの前面衝突時の車両の衝突性能を確保するために、従来より、車両の前部車体構造には、前突荷重伝達のためのメンバとして、フロントフレーム、ダッシュクロスメンバ、フロアトンネルというロードパスが形成されている。
特に、いわゆるオープンカーの場合には、衝突荷重を全てアンダロードパスにて受ける必要があるため、上述した車両前後方向に延びる複数のメンバにより荷重の分散を図ることが重要となる。
例えば、上述のようなロードパス機能を有する複数のメンバを備えた車両の前部車体構造は、特許文献1において提案されている。
特許文献1の車両の前部車体構造は、該特許文献1中の図4に相当する図6に示すように、車両前方側に左右一対設けたフロントフレーム50と、該フロントフレーム50の後端に接合され、ダッシュパネル200に接合した車幅方向に延びる内方側メンバ部材、すなわち車室外側のダッシュクロスメンバ300と、該ダッシュクロスメンバ300の車幅方向中央の端部において接合され、車両の前後方向に延びるトンネル部410とで一体的に構成することで、前面衝突時の車両の衝突性能の向上を図っている。
ところで、車両の操縦安定性向上の観点からエンジンを車両前方に対して車両前後方向の中央に寄せて配置させたいという要求がある。このため、エンジンの配置スペース確保のため、平面視でダッシュパネルの車幅方向中央部に車両後方側へ突出する突出部を設けることがある。このとき、ダッシュパネルの突出部(略車幅方向に延びる中央部と、該中央部の両端部に接続され前方かつ車幅方向外方に延びるダッシュパネルの両側部に接続される傾斜部とから形成)を有するダッシュパネルの両側部の車幅方向の一方には、ステアリングシャフトを挿通するためのステアリングシャフト貫通孔が形成されるが、レイアウト上、ダッシュクロスメンバの接合箇所とステアリングシャフト貫通穴の形成箇所とがオーバーラップし、ステアリングシャフト貫通孔をダッシュパネルだけでなく、ダッシュクロスメンバをも貫通するように形成する必要のある場合があった。
しかし、このような場合、ダッシュクロスメンバのステアリングシャフト貫通孔の周辺箇所の強度確保のため、ダッシュクロスメンバの板厚を厚くする等が必要であり、結果的に車両重量が増加するという課題があった。
特許第4304449号公報
そこでこの発明は、車両全体として重量を増加させることなく、前面衝突時のフロントフレームの後部からフロアトンネルの前部に衝突荷重を円滑に伝達することができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
この発明による車両の前部車体構造は、車幅方向に延び、平面視で車幅方向中央部に車両後方側へ突出する突出部を有するダッシュパネルと、上記突出部の後方に接続され車両前後方向に延びるフロアトンネルと、上記突出部の両側においてダッシュパネルの前方に接続して車両前後方向に延びるフロントフレームと、上記フロントフレームの後部と上記フロアトンネルの前部とを連結するダッシュクロスメンバとを備えた車両の前部車体構造であって、上記突出部は、略車幅方向に延びる中央部と、該中央部の両端部に接続され前方かつ車幅方向外方に延びるダッシュパネルの両側部に接続される傾斜部とから形成されており、ステアリングシャフトを貫通させるためのステアリングシャフト貫通孔が、上記ダッシュパネルの両側部の一方かつ上記フロントフレームの後方側に形成されており、上記ダッシュクロスメンバは、上記ステアリングシャフト貫通孔の上方に配置して、上記傾斜部を通って上記フロアトンネルに連結するよう配設されており、上記ステアリングシャフト貫通孔の後方の上記傾斜部に車幅方向に延びるビードが形成されたものである。
上記構成によれば、車両全体として重量を増加させることなく、前面衝突時のダッシュパネルの傾斜部の折れを抑制でき、フロントフレームの後部からフロアトンネルの前部に衝突荷重を円滑に伝達することができる。
この発明の一態様においては、上記ビードが、上下方向に並んで複数設けられており、上記ビードの下方に上下方向に延びる稜線部を有する部品取付用の座面が形成されており、少なくとも1つの上記ビードの車幅方向の中央側の端部が、上記稜線部と車幅方向の位置がオフセットするよう形成されたものである。
上記構成によれば、上記稜線部と上記ビードの車幅方向の中央側の端部の位置が車幅方向において揃うと、そこを起点に傾斜部の折れが発生する可能性があるため、板厚を厚くする等の車両重量が増加する対策が必要になるが、上記構成によれば、少なくとも1つの上記ビードの車幅方向の中央側の端部が、上記稜線部と車幅方向の位置がオフセットするよう形成されているため、車両全体として重量を増加させることなく、上記稜線部と上記ビードの上記端部の位置が車幅方向において揃うことによる傾斜部の折れを抑制することが可能となる。
ここで、上記稜線部と車幅方向の位置がオフセットするとは、少なくとも1つの上記ビードの車幅方向の中央側の端部の位置が車幅方向において揃わないようにすることを示す。
この発明の一態様においては、上記ダッシュクロスメンバは、上記フロントフレームの後部から上方かつ内方に延び、上記ビードの上方で略水平方向に延び、その後方で下方かつ内方に延びて上記ステアリングシャフト貫通孔の上方を迂回しているものである。
上記構成によれば、上記ダッシュクロスメンバは、ダッシュパネルの傾斜部におけるビードの上方において水平方向に延びることにより、ダッシュクロスメンバの延びる方向とビードの延びる方向とが略一致するため、ダッシュパネルの傾斜部での折れをより一層抑制することが可能となる。
この発明によれば、車両全体として重量を増加させることなく、前面衝突時のダッシュパネルの傾斜部の折れを抑制し、フロントフレームの後部からフロアトンネルの前部に衝突荷重を円滑に伝達することができる効果がある。
本実施形態の車両の前部車体構造を示す斜視図。 図1の要部拡大図。 本実施形態の車両の前部車体構造を示す平面図。 本実施形態の車両の前部車体構造を平面視から前方へ傾けた斜視図。 本実施形態の車両の前部車体構造を示す底面図。 従来の車両の前部車体構造を示す斜視図。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向内方を示し、矢印OUTは車幅方向外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
図面は車両の前部車体構造1を示し、図1は本実施形態の車両の前部車体構造1の車両右側を前方から見た斜視図であり、図2は図1の要部拡大図であり、詳しくは、ダッシュパネル20の後述する突出部210の車両右側に有する傾斜部220、及びその周辺部分の斜視図である。図3は本実施形態の車両の前部車体構造1の平面図である。図4は、本実施形態の車両の前部車体構造1を平面視から前方へ傾けた方向から見た斜視図であり、図5は、本実施形態の車両の前部車体構造1の底面図である。
なお、以下の実施例においては車両の前部車体構造1について車両右側の構造を説明するが、特に示す場合を除き、車両左側の構造は右側のそれと左右対称に構成されている。
本実施形態の車両の前部車体構造1を備えた自動車は、いわゆるオープンカーであり、図1、及び図3に示すように、エンジンルーム130と車室140とを前後方向に仕切るダッシュパネル20が設けられている。
ダッシュパネル20は、図1〜図5に示すように、車幅方向に延び、車幅方向中央に車両後方側へ突出する突出部210を有し、突出部210は、略車幅方向に延びる中央部230と、該中央部230の両端部に接続され前方かつ車幅方向外方に延びるダッシュパネル20の両側部に接続される傾斜部220とから形成され、突出部210の中央部230の下端には、図1、図2、及び図5に示すように、上方に隆起したトンネル部231が一体に形成されている。
また、ダッシュパネル20の両側部の一方、すなわち、本実施形態では、車幅方向の右側には、図1中仮想線で示したステアリングシャフト110を貫通させるためのステアリングシャフト貫通孔21が形成されている。
ステアリングシャフト貫通孔21は、図1、図2、及び図4に示すように、後述する左右一対のフロントサイドフレーム50のうち右側のフロントサイドフレーム50の後方側、かつ傾斜部220に対して車幅方向の外側に形成している。
ステアリングシャフト貫通孔21の周辺部分には、図1、図2、及び図4に示すように、ダッシュパネル20の外面側から補強板242を接合している。
上述のダッシュパネル20の下部は、後方へ湾曲して、図3、図4、及び図5に示すように、下端後部が、該下端後部から後方に向けて略水平に延設されたフロアパネル40に接合している。
上述のフロアパネル40は車室140の底面(床面)を構成するものであり、フロアパネル40の車幅方向の中央部230には上方に隆起したフロアトンネル41を車両の前後方向に延びるように設けている。図3〜図5に示すように、フロアトンネル41は、上述したダッシュパネル20のトンネル部231と車両前後方向に連続して配設し、内部にエンジンの排気管や、FR方式の車両であればドライブシャフト等が格納される。
図3、及び図4に示すように、フロアトンネル41の車室内側上面にはトンネルメンバ42を取り付けて、トンネル部231とトンネルメンバ42との間には車両の前後方向に延びる閉断面を形成して、車体剛性の向上を図っている。
また、図3、及び図4に示すように、フロアパネル40におけるトンネルメンバ42よりも前方には、ダッシュパネル20の突出部210の中央部230とトンネルメンバ42前端とを車両前後方向に延びて連結するトンネル補強部材としてのトンネルレインフォースメント43を設けている。このトンネルレインフォースメント43により、前面衝突時の衝突荷重をトンネルメンバ42に伝達する。
上述のダッシュパネル20の上部には、車幅方向に延びる図示しないカウルパネルを設ける一方、図1〜図5に示すように、ダッシュパネル20における突出部210の両側からエンジンルーム130の左右両サイドにおいて車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム50を設けている。
なお、このフロントサイドフレーム50、及び後述するダッシュクロスメンバ30については車両幅方向において左右一対設けているが、図1〜図5では車両右側のみフロントサイドフレーム50、及びダッシュクロスメンバ30を図示している。
左右一対のフロントサイドフレーム50の前端には、図示しないクラッシュカン(衝撃エネルギ吸収部材)を介して車幅方向に延びる図示しないバンパレインフォースメントが取り付けられている。クラッシュカンは車体前後方向の衝撃荷重が作用した時に、車体前後方向に圧縮変形するように構成している。
なお、図1、図4、および図5中の符号52は、クラッシュカンを取り付ける取付けプレートを示しており、符号51は、サスペンションタワーを示している。
ダッシュパネル20の車幅方向の左右各側には、左右一対のそれぞれのフロントサイドフレーム50の後部とフロアトンネル41部とを連結するダッシュクロスメンバ30を設けている。
このダッシュクロスメンバ30は、ダッシュパネル20の車室外側の面との間に閉断面を形成している。
また、フロアパネル40の左右両側には、車体前後方向に沿って延びる閉断面形状のサイドシル60を設けている。図3〜図5に示すように、トンネル部231とサイドシル60との車幅方向の間には、フロアフレーム46が車体前後方向に沿って配置されている。
なお、上述したように、フロアフレーム46は左右一対設けているが、図5では車両右側のみを図示している。
左右一対設けられたフロアフレーム46は、断面ハット形状の断面を有しており、フロアフレーム46とフロアパネル40との間には、車体前後方向に延びる閉断面形状を形成している。
ダッシュパネル20の車幅方向の外側には、上下方向に延び、図示しないフロントドアを枢支する閉断面形状のフロントヒンジピラー80(車体剛性部材)を設けている。
フロントヒンジピラー80の上端部から前方に、図5に示すように、エプロンレインフォースメント70を車体前後方向に設けている。エプロンレインフォースメント70は、フロントサイドフレーム50に対して平面視略平行、かつ車幅方向外方に離間した位置に延びている。
上述した車両の前部車体構造1は、車幅方向の左右各側において、フロントサイドフレーム50と、ダッシュパネル20に設けたダッシュクロスメンバ30と、フロアトンネル41に設けたトンネルメンバ42、及びトンネルレインフォースメント43とを連結することで、車両の前面衝突時にフロントサイドフレーム50に作用する衝突荷重をダッシュクロスメンバ30、該ダッシュクロスメンバ30を介してトンネルレインフォースメント43からトンネルメンバ42に伝達でき、衝突エネルギを分散吸収する構成としている。
特に、ダッシュパネル20の車幅方向の右側に形成したステアリングシャフト貫通孔21の形成箇所は、右側に配置するダッシュクロスメンバ30の配置経路上に相当するため、ダッシュパネル20に左右一対設けたダッシュクロスメンバ30のうち、車幅方向の右側のダッシュクロスメンバ30は、ステアリングシャフト貫通孔21の上方をアーチ状に迂回するように延びている。
具体的には、図1、図2、図4、及び図5に示すように、上記ダッシュクロスメンバ30は、フロントサイドフレーム50の後部から上方かつ内方に延び、傾斜部220においては後述するビード225(225u,225m,225d)の上方で略水平方向に延び、その後方である中央部230においては下方かつ内方に延びてステアリングシャフト貫通孔21の上方を迂回している。
また、図1、及び図2に示すように、ステアリングシャフト貫通孔21に対して後方に有する傾斜部220には、車幅方向に延びるビード225(225u,225m,225d)が形成され、傾斜部220におけるビード225の下方には、スピーカー取付用の座面21を形成している。
座面21は、図1、及び図2に示すように、傾斜部220の下部であって、傾斜部220の幅方向における中央部230側に形成されるとともに、傾斜部220における他の部分に対して凹状に窪んだ平坦な面で形成している。座面21の正面視略中央箇所には、スピーカー取り付け用のボルトを挿通するボルト挿通孔222を形成している。
傾斜部220における座面21とその周辺部分との車幅方向の外側の境界部分には、図1、及び図2に示すように、上下方向に延びる稜線部223(上下方向稜線部223)が段差状に形成されるとともに、上方の境界部分には、車幅方向に延びる稜線部224(車幅方向稜線部224)が段差状に形成されている。
なお、ダッシュパネル20における傾斜部220よりも下部には、図示しない排気管キャタリストを配置可能に車室内側へ膨出させて車室外側から視て凹状に窪んだ凹部241を形成している(図2、及び図5参照)。
上記ビード225は、図1、及び図2に示すように、平坦な面状に形成した傾斜部220に上下方向に並んで3つ設けられており、それぞれ正面視車幅方向に沿った直線状に形成するとともに、リブ状に突出して形成している。これら3つのビード225は、互いに平行に配設している。
3つのビード225は、図2に示すように、ステアリングシャフト貫通孔21と略同じ高さに形成され、3つのビード225のうち上側のビード225u(上側ビード225u)と上下方向の中間のビード225m(中間ビード225m)との2つのビード225u,225mにおける車幅方向の中央側、すなわち、中央部230側の端部225aが、座面21の上下方向稜線部223と車幅方向の位置が一致しないようにずらして形成、すなわちオフセットするように形成されている。
換言すると、図2に示すように、傾斜部220における座面21よりも上方に位置する上側ビード225uと中間ビード225mは、これら2つのビード225u,225mの車幅方向の中央側の端部225aが、上下方向稜線部223を通過して上方向に延びる仮想ラインL上に揃わないように該仮想ラインLを跨ぐように形成している。
なお、3つのビード225のうち下側のビード225d(下側ビード225d)は、上側ビード225u、および中間ビード225mの長さよりも短小に形成している。
このように、上記実施例の車両の前部車体構造1は、図1、及び図2に示すように、車幅方向に延び、平面視で車幅方向中央部に車両後方側へ突出する突出部210を有するダッシュパネル20と、突出部210の後方に接続され車両前後方向に延びるフロアトンネル41(図3〜図5参照)と、突出部210の両側においてダッシュパネル20の前方に接続して車両前後方向に延びるフロントサイドフレーム50と、フロントサイドフレーム50の後部とフロアトンネル41の前部とを連結するダッシュクロスメンバ30とを備えた車両の前部車体構造であって、突出部210は、略車幅方向に延びる中央部230と、該中央部230の両端部に接続され前方かつ車幅方向外方に延びるダッシュパネル20の両側部に接続される傾斜部220とから形成されており、ステアリングシャフト110を貫通させるためのステアリングシャフト貫通孔21が、ダッシュパネル20の車両右側、かつフロントサイドフレーム50の後方側に形成されており、ダッシュクロスメンバ30は、ステアリングシャフト貫通孔21の上方に配置して、傾斜部220を通ってフロアトンネル41に連結するよう配設されており、ステアリングシャフト貫通孔21の後方の傾斜部220に車幅方向に延びるビード225(225u,225m,225d)が形成されたものである。
この構成によれば、図1、図2、及び図4に示すように、ダッシュクロスメンバ30を、ステアリングシャフト貫通孔21の上方に配置したため、ダッシュクロスメンバ30とともにダッシュクロスメンバ30にも貫通するようにステアリングシャフト貫通孔21を形成した場合のように、ダッシュクロスメンバ30の強度を確保するために板厚を厚くするなどの補強をする必要がなく、車両全体として重量が増加することもない。
さらに、図1、及び図2に示すように、ステアリングシャフト貫通孔21の後方の傾斜部220、すなわち、車両右側の傾斜部220に車幅方向に延びるビード225を形成したため、ダッシュクロスメンバ30をステアリングシャフト貫通孔21に対して車両上方に配置しても、前面衝突時のダッシュパネル20の傾斜部220の折れを抑制して、フロントフレーム50の後部からフロアトンネル41の前部に衝突荷重を円滑に伝達することができる。
詳述すると、上述したように、ダッシュクロスメンバ30にステアリングシャフト貫通孔21を形成した場合、該ダッシュクロスメンバ30の板厚を厚くするなどの補強をすることにより車両全体として重量が増加するという課題が生じる。しかし、その一方で、このような課題を回避するために、ダッシュクロスメンバ30にステアリングシャフト貫通孔21を形成せずに、上述したように、ダッシュクロスメンバ30を、ステアリングシャフト貫通孔21に対して車両上方に迂回するようにダッシュパネル20に配置した場合、ステアリングシャフト貫通孔21よりも車幅方向内側に有する傾斜部220は、ダッシュクロスメンバ30を配置した場合と比較して強度的に弱くなるため、板厚を厚くする等の車両重量が増加する対策が必要になる。
これに対して、本実施例の車両の前部車体構造1によれば、ダッシュクロスメンバ30を、ステアリングシャフト貫通孔21の上方に迂回させても傾斜部220にビード225を配置することで、傾斜部220の強度を高めることができ、たとえ、前面衝突時に作用する衝突荷重が傾斜部220に集中しても、前面衝突時のダッシュパネル20の傾斜部220の折れを抑制して、フロントフレーム50の後部からフロアトンネル41の前部に衝突荷重を円滑に伝達することができる。
また、ダッシュパネル20におけるフロントサイドフレーム50の後部とフロアトンネル41(図5参照)の前部との間部分に関して、上述したように、ステアリングシャフト貫通孔21の周辺箇所には、該周辺箇所を補強する補強板242が接合され(図1、図2、及び図4参照)、排気管キャタリストを配置する凹部241などの角部や稜線部が形成されている(図2、及び図5参照)。
さらに、ステアリングシャフト貫通孔21の上方には、ダッシュクロスメンバ30を迂回して配置し、該ステアリングシャフト貫通孔21の上方の強度を確保している。
しかし、その一方で、ステアリングシャフト貫通孔21の上方にダッシュクロスメンバ30を迂回して配置したことにより、ステアリングシャフト貫通孔21の後方の傾斜部220は、元々、角部や稜線のない平坦状であることから強度面で難点を有する箇所になる。
これに対して、本実施例の車両の前部車体構造1によれば、このようなステアリングシャフト貫通孔21の後方の傾斜部220に、ビード225を配置することで、該傾斜部220の強度を効果的に高めることができ、ダッシュクロスメンバ30を、ステアリングシャフト貫通孔21の上方に迂回させても前面衝突時のダッシュパネル20の傾斜部220の折れを抑制して、フロントフレーム50の後部からフロアトンネル41の前部に衝突荷重を円滑に伝達することができる。
この発明の一実施形態においては、図2に示すように、ビード225(225u,225m,225d)が、上下方向に並んで3つ設けられており、ビード225の下方に上下方向に延びる上下方向稜線部223を有するスピーカー取付用の座面21が形成されており、3つのビード225のうち、少なくとも1つのビード225、すなわち、本実施例では上側ビード225uと中間ビード225mのそれぞれの車幅方向の中央側の端部225aが、上下方向稜線部223と車幅方向の位置がオフセットするよう形成されたものである。
この構成によれば、上側ビード225uと中間ビード225mのそれぞれの車幅方向の中央側の端部225aが、上下方向稜線部223と車幅方向の位置がオフセットするよう形成したため、上下方向稜線部223とビード225u,225mの端部225aの位置が車幅方向において揃うことによる傾斜部220の折れをより一層抑制することができる。
詳述すると、上下方向稜線部223とビード225の車幅方向の中央側の端部225aの位置が車幅方向において揃うと、そこを起点に傾斜部220の折れが発生する可能性があるため、板厚を厚くする等の車両重量が増加する対策が必要になるが、上記構成によれば、上側ビード225uと中間ビード225mとは、いずれも上下方向稜線部223を通過する上下方向の仮想ラインLを跨ぐ長さで形成している(図2参照)。
このように、3つのビード225のうち、例えば、上側ビード225uと中間ビード225mのそれぞれの車幅方向の中央側の端部225aが、上下方向稜線部223と車幅方向の位置がオフセットするよう形成されているため、上下方向稜線部223と、上側ビード225u、及び中間ビード225mのそれぞれの車幅方向の中央側の端部225aの位置が車幅方向において揃うことがなく、上下方向稜線部223とビード225の端部225aの位置が車幅方向において揃うことによる傾斜部220の折れを、車両全体として重量を増加させることなく抑制することができる。
この発明の一実施形態においては、図1〜図5に示すように、ダッシュクロスメンバ30は、フロントサイドフレーム50の後部から上方かつ内方に延び、ビード225の上方で略水平方向に延び、その後方で下方かつ内方に延びてステアリングシャフト貫通孔21の上方を迂回したものである。
上記構成によれば、ダッシュクロスメンバ30は、ダッシュパネル20の傾斜部220におけるビード225の上方において水平方向に延びることにより、ダッシュクロスメンバの延びる方向とビードの延びる方向とが略一致するため、ダッシュパネルの傾斜部での折れをより一層抑制することが可能となる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のフロントフレームは、実施例のフロントサイドフレーム50に対応し、以下、同様に、
部品取付用の座面は、スピーカー取付用の座面21に対応し、
稜線部は、上下方向稜線部223に対応し、
ダッシュパネルの両側部の一方は、ダッシュパネル20の車両右側に対応するも、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、ビード225は、傾斜部220に上下方向に並んで3つ設けたが、これに限らず、3つ以外の複数設けてもよく、また、3つのビード225のうち、上側ビード225uと中間ビード225mとの2つのビード225の車幅方向の中央側の端部225aが、上下方向稜線部223と車幅方向の位置がオフセットするように形成したが、これに限らず、複数設けたビード225のうち任意のビード225の車幅方向の中央側の端部225aが、上下方向稜線部223と車幅方向の位置がオフセットするように形成してもよい。
またこの実施例では、図3に示すように、フロアパネル40に設けたフロアトンネル41と、トンネルメンバ42、及びトンネルレインフォースメント43とは、互いに別部材により構成しているが、この構成に代えて、トンネルレインフォースメント43、及びトンネルメンバ42をフロアトンネル41の一部として、互いに一体に形成した構造を採用してもよく、或いはトンネルメンバ42を備えずに、ダッシュクロスメンバ30からの荷重をフロアトンネル41によって直接、受ける構成であってもよい。
なお、この発明の一実施形態においては、ダッシュパネル20における車幅方向の右側にステアリングシャフト貫通孔21が形成された構成であるが、例えば、ダッシュパネル20における車幅方向の左側にステアリングシャフト貫通孔21が形成された構成の場合には、車両左側のダッシュクロスメンバを、ステアリングシャフト貫通孔21に対して車両上方に配置して、車両左側の傾斜部220を通ってフロアトンネル41に連結するよう配設するとともに、車両左側の傾斜部220に車幅方向に延びるビード225(225u,225m,225d)を形成した構成とすることができる。
以上説明したように、本発明は、例えば、車幅方向に延び、平面視で車幅方向中央部に車両後方側へ突出する突出部を有するダッシュパネルと、上記突出部の後方に接続され車両前後方向に延びるフロアトンネルと、上記突出部の両側においてダッシュパネルの前方に接続して車両前後方向に延びるフロントフレームと、上記フロントフレームの後部と上記フロアトンネルの前部とを連結するダッシュクロスメンバとを備えた車両の前部車体構造について有用である。
1…車両の前部車体構造
20…ダッシュパネル
21…ステアリングシャフト貫通孔
30…ダッシュクロスメンバ
41…フロアトンネル
50…フロントサイドフレーム(フロントフレーム)
210…突出部
220…傾斜部
221…スピーカー取付用の座面(部品取付用の座面)
223…上下方向稜線部(稜線部)
225(225u,225m,225d)…ビード
225a…ビードの車幅方向の中央側の端部
230…中央部

Claims (3)

  1. 車幅方向に延び、平面視で車幅方向中央部に車両後方側へ突出する突出部を有するダッシュパネルと、上記突出部の後方に接続され車両前後方向に延びるフロアトンネルと、上記突出部の両側においてダッシュパネルの前方に接続して車両前後方向に延びるフロントフレームと、上記フロントフレームの後部と上記フロアトンネルの前部とを連結するダッシュクロスメンバとを備えた車両の前部車体構造であって、
    上記突出部は、略車幅方向に延びる中央部と、該中央部の両端部に接続され前方かつ車幅方向外方に延びるダッシュパネルの両側部に接続される傾斜部とから形成されており、
    ステアリングシャフトを貫通させるためのステアリングシャフト貫通孔が、上記ダッシュパネルの両側部の一方かつ上記フロントフレームの後方側に形成されており、
    上記ダッシュクロスメンバは、上記ステアリングシャフト貫通孔の上方に配置して、上記傾斜部を通って上記フロアトンネルに連結するよう配設されており、
    上記ステアリングシャフト貫通孔の後方の上記傾斜部に車幅方向に延びるビードが形成された
    車両の前部車体構造。
  2. 上記ビードが、上下方向に並んで複数設けられており、上記ビードの下方に上下方向に延びる稜線部を有する部品取付用の座面が形成されており、少なくとも1つの上記ビードの車幅方向の中央側の端部が、上記稜線部と車幅方向の位置がオフセットするよう形成された
    請求項1に記載の車両の前部車体構造。
  3. 上記ダッシュクロスメンバは、上記フロントフレームの後部から上方かつ内方に延び、上記ビードの上方で略水平方向に延び、その後方で下方かつ内方に延びて上記ステアリングシャフト貫通孔の上方を迂回している
    請求項1、又は2に記載の車両の前部車体構造。
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