JP2015221590A - 負圧ブースタ - Google Patents

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JP2015221590A JP2014106057A JP2014106057A JP2015221590A JP 2015221590 A JP2015221590 A JP 2015221590A JP 2014106057 A JP2014106057 A JP 2014106057A JP 2014106057 A JP2014106057 A JP 2014106057A JP 2015221590 A JP2015221590 A JP 2015221590A
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矢田部 修一
Shuichi Yatabe
修一 矢田部
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【課題】負圧ブースタの非作動状態で弁筒が出力ピストンに対し僅かに傾いても、作動ピストン前端面と弾性ピストンとの間の当接部のシール性を効果的に高め、併せて、耐久性の向上を図る。【解決手段】弁筒10内で入力杆20に連動して前後動する反力ピストン17と、この反力ピストンを囲繞するよう弁筒10に前向きに突設される作動ピストン15と、負圧室に臨む出力杆25の後端に連なり且つ弁筒10に前後摺動可能に嵌合されるカップ状の出力ピストン21と、その出力ピストン内に収納されて前面が出力ピストン21に、また後面が反力ピストン17及び作動ピストン15の前端面にそれぞれ対向する弾性ピストン22とを備える反力機構24を含む負圧ブースタにおいて、作動ピストン15及び弾性ピストン22の相対向面の一方には、それらピストンの軸線に沿う方向に突出して、相対向面の他方に当接する環状突起Pが一体に設けられる。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車のブレーキマスタシリンダの倍力作動のために好適な負圧ブースタに関し、特に、ブースタシェルに、その内部を負圧源に連なる前側の負圧室と後側の作動室とに区画するブースタピストンを収容し、このブースタピストンに、ブースタシェルの後壁に前後摺動自在に支承される弁筒を連設し、この弁筒内には、前後動可能な入力杆と、この入力杆を後退方向へ付勢する入力戻しばねと、入力杆の前後動に応じて作動室を負圧室と大気とに連通切換えする制御弁とを配設し、ブースタシェルの前壁と弁筒との間に、その弁筒を後退方向へ付勢するコイル状のブースタ戻しばねを縮設し、弁筒内で入力杆に連動して前後動する反力ピストンと、この反力ピストンを囲繞するよう弁筒に前向きに突設される円筒状の作動ピストンと、負圧室に臨む出力杆の後端に連なり且つ弁筒に前後摺動可能に嵌合されるカップ状の出力ピストンと、その出力ピストン内に収納されて前面が出力ピストンに、また後面が反力ピストン及び作動ピストンの各前端面にそれぞれ対向する弾性ピストンとを備える反力機構により、入力杆への操作入力と、作動室及び負圧室間の気圧差によるブースタピストンの推力との合力を出力杆に伝達可能としたものの改良に関する。
かゝる負圧ブースタは、例えば、下記特許文献1に開示されているように従来公知である。
特開2004−25911号公報
特許文献1に記載されるような従来の負圧ブースタでは、その反力機構の作動ピストン及び弾性ピストンの相対向面が、弁筒の軸線と直交する平面に各々形成されていて、負圧ブースタの非作動時には、弾性ピストンに対し作動ピストンの前端面全域が略均等な面圧で面接触するように構成されていた。
ところがブースタ戻しばねは、コイルばねであって中間部が浮動状であることから、これのブースタシェル内への組付け状態で、弁筒軸線に対して該ばねが僅かに傾いてしまう場合がある。またコイルばねより成るブースタ戻しばねは、その後端末を全周に亘り弁筒に均等に当接させることは難しく、即ち、その後端末の一部(一巻き目の終端付近)に弁筒に対する非接触部分が存在する場合もある。そして、それら場合には、ブースタ戻しばねの弾発力を弁筒に対し周方向均等に作用させることができず、これが弁筒を出力ピストン(従って弾性ピストン)に対し多少とも傾かせる原因となる。尚、出力ピストンは弁筒に摺動可能に嵌合しているが、その嵌合面間には、出力ピストンのスムーズな摺動確保のための摺動間隙が設定されていて、この摺動間隙分だけ弁筒が出力ピストンに対し僅かに傾倒可能な構造となっている。
そして、上記のように弁筒が出力ピストンに対し僅かに傾いた場合には、弁筒と一体の作動ピストンと、出力ピストン内の弾性ピストンとの当接部において、その接触面圧が周方向一様ではなくなるため、その面圧が小さい領域のシール性が低下する虞れがある。
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、従来のものの課題を簡単な構造で解決し得る前記負圧ブースタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ブースタシェルに、その内部を負圧源に連なる前側の負圧室と後側の作動室とに区画するブースタピストンを収容し、このブースタピストンに、ブースタシェルの後壁に前後摺動自在に支承される弁筒を連設し、この弁筒内には、前後動可能な入力杆と、この入力杆を後退方向へ付勢する入力戻しばねと、入力杆の前後動に応じて作動室を負圧室と大気とに連通切換えする制御弁とを配設し、ブースタシェルの前壁と弁筒との間に、その弁筒を後退方向へ付勢するコイル状のブースタ戻しばねを縮設し、弁筒内で入力杆に連動して前後動する反力ピストンと、この反力ピストンを囲繞するよう弁筒に前向きに突設される円筒状の作動ピストンと、負圧室に臨む出力杆の後端に連なり且つ弁筒に前後摺動可能に嵌合されるカップ状の出力ピストンと、その出力ピストン内に収納されて前面が出力ピストンに、また後面が反力ピストン及び作動ピストンの各前端面にそれぞれ対向する弾性ピストンとを備える反力機構により、入力杆への操作入力と、作動室及び負圧室間の気圧差によるブースタピストンの推力との合力を出力杆に伝達可能とした負圧ブースタにおいて、前記作動ピストン及び前記弾性ピストンの相対向面の一方に、それらピストンの軸線に沿う方向に突出して該相対向面の他方に当接する環状突起が一体に設けられることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記環状突起が、負圧ブースタの非作動状態から前記弁筒が前進を開始するのと同時に前記軸線に沿う方向の圧縮荷重を受けて、前記作動ピストンから前記弾性ピストン側へ推力を伝達することを第2の特徴とする。
また本発明は、第1又は第2の特徴に加えて、前記作動ピストン及び前記弾性ピストンの相対向面の前記他方に、前記環状突起に対応する環状凹部が形成され、その環状凹部の深さは、前記環状突起の高さよりも小さく設定されることを第3の特徴とする。
また本発明は、第1〜第3の特徴の何れかに加えて、前記環状突起が、前記弾性ピストンの前記作動ピストンとの対向面に形成されることを第4の特徴とする。
また本発明は、第1〜第3の特徴の何れかに加えて、前記環状突起が、前記作動ピストンの前記弾性ピストンとの対向面に形成されることを第5の特徴とする。
以上のように本発明の第1の特徴によれば、作動ピストン及び弾性ピストンの相対向面の一方に、それらピストンの軸線に沿う方向に突出して該相対向面の他方に当接する環状突起を一体に設けたので、負圧ブースタの非作動状態で弁筒が出力ピストンに対し僅かに傾いても、前記環状突起が前記相対向面の他方に対し比較的高い接触面圧を以て当接できて、弾性ピストンと作動ピストン間の当接部のシール性を効果的に高めることが可能となる。しかもピストンの軸線に沿う方向に突出する上記環状突起は、弁筒の前進時に相手面に突っ張り効果を発揮して倒れ変形しにくいことから、その倒れに因る耐久性の低下を効果的に抑えることができる。
また本発明の第2の特徴によれば、負圧ブースタの非作動状態から入力杆への操作入力に基づいて弁筒が前進を開始するのと同時に環状突起が圧縮荷重を受けて作動ピストンから弾性ピストン側へ推力を伝達するので、弁筒の前進開始時に環状突起が一層倒れにくくなって耐久性向上が図られ、しかも、その弁筒の前進開始に応じて作動ピストンから環状突起を介して弾性ピストン側に推力を迅速に作用させることができて、出力杆での出力の立ち上がりの応答性が良好である。
また本発明の第3の特徴によれば、作動ピストン及び弾性ピストンの相対向面の他方に、環状突起に対応する環状凹部が形成されるので、弁筒が出力ピストンに対し傾いていない場合に、環状突起及びその相手面に過度の応力集中が起きるのを回避できて、耐久性向上に寄与することができる。
また本発明の第4の特徴によれば、環状突起が、弾性ピストンの作動ピストンとの対向面に形成されるので、比較的小型部品である弾性ピストンに環状突起を形成するだけの簡単な構成で、前記シール性の確保が可能となる。
また本発明の第5の特徴によれば、環状突起が、作動ピストンの弾性ピストンとの対向面に形成されるので、環状突起を弾性ピストン側に設ける場合と比べて、弾性ピストンの変形を極力抑えることができて耐久性向上が図られ、また弾性ピストンが誤組される虞れがなく、組立作業性が良好となる。
本発明の第1実施形態に係るシングル型負圧ブースタの非作動状態で示す縦断面図 図1の2部拡大図 倍力作動状態を示す、図2に対応した作用説明図 倍力解除過程を示す、図2に対応した作用説明図 上記負圧ブースタの倍力特性線図 本発明の第2実施形態を示す、図2の一部と対応する拡大断面図 本発明の第3実施形態を示す、図2の一部と対応する拡大断面図 本発明の第4実施形態を示す、図2の一部と対応する拡大断面図
本発明の実施の形態を、添付図面に示す本発明の実施例に基づいて説明する。
先ず、第1実施形態の説明より始める。図1及び図2において、負圧ブースタBのブースタシェル1は、対向端を相互に結合する前後一対のシェル半体1a,1bとから構成される。その後部シェル半体1bが自動車の車室前壁Fに固着されると共に、ブレーキマスタシリンダMのシリンダボディMaが前部シェル半体1aに固着される。
ブースタシェル1の内部は、それに前後往復動可能に収容されるブースタピストン4と、その後面に重ねて結着されると共に両シェル半体1a,1b間に外周端部が気密に挟止されるダイヤフラム5とにより、前側の負圧室2と後側の作動室3とに区画される。負圧室2は、負圧導入管14を介して負圧源V(例えば内燃機関の吸気マニホールド内部)と接続される。
ブースタピストン4は鋼板により環状に成形されており、このブースタピストン4及びダイヤフラム5の中心部に合成樹脂製の弁筒10が一体的に結合される。この弁筒10は、後部シェル半体1bの中心部に後方へ突設された支持筒部12にシールリップ付き軸受部材13を介して前後摺動自在に支承される。
弁筒10内には、弁ピストン18と、この弁ピストン18に連結する入力杆20と、この入力杆20の前後動に応じて作動室3を負圧室2と大気とに連通切換えする制御弁38とが配設される。
弁ピストン18は、弁筒10に設けられたガイド孔11に前後摺動自在に嵌合されるもので、その前端には頸部18bを介して反力ピストン17が、また後端にはフランジ状の大気導入弁座31がそれぞれ形成される。その大気導入弁座31を囲繞するように同心配置される環状の負圧導入弁座30が弁筒10に形成される。
弁ピストン18には、大気導入弁座31の後端面に開口する連結孔18aが設けられ、この連結孔18aに入力杆20の球状前端部20aが嵌合されると共に、その抜け止めのために弁ピストン18の一部がかしめられ、こうして入力杆20は弁ピストン18に首振り可能に連結される。
また弁筒10には、前記負圧導入弁座30及び大気導入弁座31と協働する共通一個の弁体34が取り付けられる。この弁体34は全体がゴム等の弾性材で成形されたもので、環状の取り付けビード部34bと、この取り付けビード部34bから前方に延びる伸縮筒部34cと、この伸縮筒部34cの前端から半径方向外方に張り出したフランジ状の弁部34aとからなっており、その弁部34aには、その内周側から環状の補強板44が挿入され、モールド結合される。また弁部34aの外周には、後方へ屈曲した環状のシールリップ37が一体に形成される。
取り付けビード部34bは、負圧導入弁座30と共に弁筒10の内周側に一体に形成された環状隆起部10aの後端に当接する前後一対の弁ホルダ35A,35B間に次のようにして気密に挟持される。即ち、前部弁ホルダ35Aは合成樹脂製で、弁筒10の内周面に嵌合しながら環状隆起部10aの後端に当接する環状のフランジ部35Aaと、このフランジ部35Aaの内周縁から前方に屈曲する円筒状の挟持部35Abとから構成され、また後部弁ホルダ35Bも合成樹脂製で、前部弁ホルダ35Aのフランジ部35Aaの後部に並んで弁筒10の内周面に嵌合される円筒状の嵌合部35Bcと、この嵌合部35Bcの前端から半径方向内方に屈曲するフランジ部35Baと、このフランジ部35Baの内周縁から前方に屈曲して前記挟持部35Abに囲繞される円筒状の挟持部35Bbとから構成される。したがって前記両挟持部35Ab,35Bbは何れも弁筒10より小径になっており、これら挟持部35Ab,35Bbによって取り付けビード部34bは緊密に挟持される。
前部弁ホルダ35Aの挟持部35Abの内周面は、取り付けビード部34bの平坦な外周面の形状に対応して平坦に形成され、また後部弁ホルダ35Bの挟持部35Bbの外周面は、取り付けビード部34bの凸状の内周面の形状に対応して凹状に形成される。而して、組み立てに際しては、最初に取り付けビード部34bを両挟持部35Ab,35Bb間で挟持し、その状態で両弁ホルダ35A,35Bを弁筒10内に嵌合するもので、その嵌合後は、両挟持部35Ab,35Bb間からの取り付けビード部34bの抜け出しを阻止することができる。
後部弁ホルダ35Bの嵌合部35Bcには、弁筒10の内周面に密接するOリング等のシール部材43が装着される。
弁部34aは大気導入弁座31及び負圧導入弁座30に着座可能に対向して配置される。この弁部34aの補強板44と入力杆20との間には、弁部34aを両弁座30,31との着座方向へ付勢する弁ばね36が縮設される。而して、上記負圧導入弁座30、大気導入弁座31、弁体34及び弁ばね36によって制御弁38が構成される。
後部弁ホルダ35Bと入力杆20との間には入力戻しばね41が縮設され、これによって前後の弁ホルダ35A,35Bが弁筒10の環状隆起部10a後端に当接、保持されると共に、入力杆20が後退方向へ付勢される。
弁筒10の内周の環状隆起部10aには、負圧導入弁座30を囲繞する前部環状室45Aが形成され、該室45Aに弁部34aの前面が臨む。前部環状室45Aの半径方向外側の内周面は負圧導入弁座30よりも後方へ延びており、その内周面に弁部34a外周のシールリップ37が摺動可能に密接する。したがって、前部環状室45Aは、弁部34aが負圧導入弁座30に着座したとき閉じられるようになっている。
さらに環状隆起部10aの内側には、シールリップ37付き弁部34aによって、弁部34aの背面が臨む後部環状室45Bが画成される。
弁筒10には第1及び第2ポート28,29が設けられる。第1ポート28は、一端が負圧室2に、他端が前部環状室45Aに開口するように形成され、第2ポート29は、一端が作動室3に、他端が負圧導入弁座30及び大気導入弁座31間に開口するように形成される。また、この第2ポート29は、環状隆起部10aの根元に形成された、弁筒10の軸線と平行な連通孔47を介して後部環状室45Bとも連通する。弁筒10の軸線と平行な連通孔47は、弁筒10の成形時、中子ピンにより簡単に形成可能である。
前記後部シェル半体1bの支持筒部12の後端と入力杆20とに、弁筒10を被覆する伸縮可能のブーツ40の両端が取り付けられ、このブーツ40の後端部に、前記弁体34の内側に連通する大気導入口39が設けられる。この大気導入口39に流入する空気を濾過するフィルタ42が入力杆20の外周面と弁筒10の内周面との間に介裝される。このフィルタ42は、入力杆20及び弁筒10の相対移動を阻害しないよう、柔軟性を有する。
また弁筒10には、ブースタピストン4及び弁ピストン18の後退限を規定するキー32が一定距離の範囲で軸方向移動可能に取り付けられる。このキー32は、前記弁ピストン18及び反力ピストン17間の頸部18bを跨ぐフォーク部32bを内端に有すると共に、その外端32aが前記後部シェル半体1bの支持筒部12に設けられたストッパ壁19の前面に対向するように配置される。而して、キー32がストッパ壁19に当接することによりブースタピストン4及び弁筒10の後退限が規定され、また反力ピストン17の後端面がキー32に当接することにより弁ピストン18及び入力杆20の後退限が規定される。前記頸部18bの軸方向長さはキー32の板厚より大きく設定されていて、弁ピストン18とキー32とが僅かに相対移動ができるようになっている。
さらにまた弁筒10には、前方に突出する円筒状の作動ピストン15と、この作動ピストン15の中心部を貫通する小径シリンダ孔16aと、作動ピストン15を囲繞し弁筒10の前面に開口する大径シリンダ孔16bとが設けられ、その小径シリンダ孔16aに前記反力ピストン17が前後摺動自在に嵌合され、またその大径シリンダ孔16bに、後方に開放したカップ状に形成される出力ピストン21の外周部が前後摺動自在に嵌合される。そして、作動ピストン15の外周部は、前記出力ピストン21の凹所の内周面に摺動自在に嵌合され、この出力ピストン21の凹所の内奥部には、作動ピストン15及び反力ピストン17の各前端面に対向する偏平な円板状の弾性ピストン22が充填される。その際、反力ピストン17及び弾性ピストン22間には、負圧ブースタBの非作動時に一定の間隙ができるようになっている。尚、弾性ピストン22は、これを介してブースタピストン4の推力を出力ピストン21側に伝達し得るように比較的硬質のゴム材より構成される。
また、出力ピストン21の前面には、負圧室2に臨む出力杆25が突設され、この出力杆25は前記ブレーキマスタシリンダMのピストンMbに連接される。
以上において、作動ピストン15、反力ピストン17、弾性ピストン22及び出力ピストン21は、互いに協働して、入力杆20への操作入力と、作動室3及び負圧室2間の気圧差によるブースタピストン4の推力との合力を出力杆25に伝達する反力機構24を構成するものであって、その反力機構24により、出力杆25の出力の一部を入力杆20に操作反力としてフィードバックすることができる。
出力ピストン21及び弁筒10の前端面にリテーナ26が当接するように配設され、このリテーナ26とブースタシェル1の前壁との間には、ブースタピストン4及び弁筒10を後退方向へ付勢するコイルばねより成るブースタ戻しばね27が縮設される。尚、本実施形態では、軸方向中間部が両端部よりもやや大径のバレル型をなすコイルばねが使用される。
ところで作動ピストン15および弾性ピストン22の相対向面の一方(本実施形態では弾性ピストン22)には、それらピストン15,22の軸線に沿う方向に突出して該相対向面の他方(本実施形態では作動ピストン15の平坦な前端面15f)に当接する無端状の環状突起Pが一体に設けられる。この環状突起Pは、負圧ブースタBの非作動状態から弁筒10が前進を開始するのと同時に前記軸線に沿う方向の圧縮荷重を受けて作動ピストン15から弾性ピストン22側へ推力を伝達するものであって、本実施形態では、環状突起P自体や弾性ピストンPの環状突起P周辺部への応力集中を生じにくくすべく横断面半円弧状に形成される。尚、上記環状突起Pの特設により、負圧ブースタBの非作動状態においては作動ピストン15および弾性ピストン22の相対向面間に、環状突起Pの高さに相当する間隙が形成される。
次にこの実施形態の作用について説明する。
負圧ブースタBの非作動状態では、図1及び図2に示すように、弁筒10に取り付けられたキー32が後部シェル半体1bのストッパ壁19前面に当接し、このキー32に反力ピストン17の後端面が当接することにより、ブースタピストン4及び入力杆20が後退限に位置している。このとき、大気導入弁座31は弁体34の弁部34aに密着しながら、この弁部34aを押圧して負圧導入弁座30から僅かに離座させている。これによって大気導入口39及び第2ポート29間の連通が遮断される一方、第1及び第2ポート28,29間が連通され、したがって負圧室2の負圧が両ポート28,29を通して作動室3に伝達し、両室2,3は同圧となっているため、ブースタピストン4及び弁筒10はブースタ戻しばね27の付勢力により後退位置に保持される。
いま、車両を制動すべくブレーキペダルPを踏み込むことにより、入力戻しばね41のセット荷重に抗して入力杆20を弁ピストン18と共に前進させると、図3に示すように、弁ばね36の付勢力が伸縮筒部34cを伸ばしながら弁部34aを負圧導入弁座30に着座させると同時に、大気導入弁座31が弁体34から離れ、これにより第1及び第2ポート28,29間の連通が遮断されると共に、第2ポート29が弁体34の内側を通して大気導入口39と連通される。
その結果、大気導入口39から弁筒10内に流入した大気が大気導入弁座31を通過し、第2ポート29を経て作動室3に導入され、作動室3を負圧室2より高圧にするので、それらの気圧差に基づく前方推力を得てブースタピストン4は、弁筒10、作動ピストン15、弾性ピストン22、出力ピストン21及び出力杆25を伴いながらブースタ戻しばね27の力に抗して前進し、出力杆25によりブレーキマスタシリンダMのピストンMbを駆動するようになる。この駆動に伴い生ずる反力により弾性ピストン22が圧縮されて、その一部を小径シリンダ孔16aに膨出させるが、その膨出部が反力ピストン17の前面に当接するまでは、上記反力は入力杆20に伝わらないので、出力杆25の出力は、図5に線a−bで示すように急速に立ち上がるジャンピング特性を示す。
このような入力杆20の前進操作時には、弁筒10の前部環状室45Aに臨む弁部34aの前面には、第1ポート28から前部環状室45Aに伝達する負圧が作用するのに対して、弁筒10の後部環状室45Bに臨む弁部34aの背面には、第2ポート29から連通孔47を介して後部環状室45Bに伝達する大気圧が作用するので、弁部34aは、弁ばね36のセット荷重による他、前部及び後部環状室45A,45B間の気圧差によっても負圧導入弁座30との着座方向へ付勢されることになる。したがって、上記気圧差による付勢力分、弁ばね36のセット荷重を低減することが可能となり、それに伴い入力杆20を後退方向へ付勢する入力戻しばね41のセット荷重の低減も可能となり、その結果、比較的小さい初期操作入力によりジャンピング特性が得られるので、ブレーキマスタシリンダM及び各車輪ブレーキの無効ストロークを素早く排除して、各車輪ブレーキの応答性を高めることができる。
またこの状態において、弁部34a外周のシールリップ37は、後方に屈曲して、弁筒10の内周面に密接しているので、前部及び後部環状室45A,45B間の気圧差により、上記内周面への密接力が高められ、両環状室45A,45B間の気密を確保することができる。
弾性ピストン22が反力ピストン17に当接してからは、出力杆25の作動反力の一部が弾性ピストン22を介して入力杆20にフィードバックされることになるので、操縦者は出力杆25の出力の大きさを感受することができる。そして出力杆25の出力は、弾性ピストン22に当接する作動ピストン15及び反力ピストン17の受圧面積の比によって定まる倍力比をもって、図5の線b−cで示すように増加する。
負圧室2及び作動室3間の気圧差が最大となる倍力限界点cに達してからは、出力杆25の出力は、線c−dに示すように、ブースタピストン4の上記気圧差による最大推力と、入力杆20への操作入力との和となる。
車両の制動状態を解除すべく、ブレーキペダルPから踏力を解放すると、先ず入力杆20及び弁ピストン18が入力戻しばね41の力をもって後退する。これに伴い、弁ピストン18は、図4に示すように、大気導入弁座31を弁体34に着座させながら、その弁体34を負圧導入弁座30から大きく離間させるので、作動室3が第2ポート29及び第1ポート28を介して負圧室2と連通する。その結果、作動室3への大気の導入が阻止される一方、作動室3の空気が負圧室2を経て負圧限Vに吸入され、それらの気圧差が無くなるため、ブースタピストン4も、ブースタ戻しばね27の弾発力をもって後退し、マスタシリンダMの作動を解除していく。そして、ブースタピストン4及び入力杆20は、再び図1及び図2の非作動状態に戻る。
ところで本実施形態では、作動ピストン15および弾性ピストン22の相対向面の一方即ち弾性ピストン22の後面に、それらピストン15,22の軸線に沿う方向に突出して該相対向面の他方、即ち作動ピストン15の前端面15fに当接する環状突起Pが一体に設けられている。このため、負圧ブースタBの非作動状態において、コイルばねより成るブースタ戻しばね27からの偏荷重等(本明細書の第5段落を参照)に起因して弁筒15が出力ピストン21に対しその摺動間隙に対応して僅かに傾いたとしても、前記環状突起Pが前記相対向面の他方、即ち作動ピストン15の前端面15fに対し比較的高い接触面圧を以て当接できる。これにより、弾性ピストン22と作動ピストン15間の当接部のシール性を効果的に高めることが可能となる。しかもピストン軸線に沿う方向に突出する上記環状突起Pは、弁筒10の前進時に相手面に突っ張り効果を発揮して倒れ変形しにくいことから、その倒れ変形が繰り返されることに因る耐久性低下を効果的に抑えることができる。
その上、本実施形態のように圧縮変形で推力を受け止め得る断面形状の環状突起Pは、負圧ブースタBの非作動状態から弁筒10が前進を開始するのと同時に作動ピストン15から弾性ピストン22側へ推力を伝達可能であるため、弁筒10の前進開始時に環状突起Pが一層倒れにくくなって耐久性向上が図られ、しかも、その弁筒10の前進開始に応じて作動ピストン15から環状突起Pを介して弾性ピストン22側に推力を迅速に作用させることができて、出力杆25での出力の立ち上がりの応答性が良好である。尚、作動ピストン15の前端面15fは、弁筒10の前進開始当初は環状突起Pにのみ圧接するが、その後、弁筒10が前進するにつれて環状突起Pを押し潰すよう圧縮変形させ、最終的には作動ピストン15の前端面15fの略全面が弾性ピストン22の後面に圧接するようにして弁筒10の推力を弾性ピストン22側に伝達する(図3参照)。
また本実施形態の環状突起Pは、特に弾性ピストン22の後面に形成されるので、小型部品である弾性ピストン22に環状突起Pを一体成形するだけの簡単な構成で、前記シール性の確保が可能となる。
また図6には、本発明の第2実施形態が示される。第1実施形態では、作動ピストン15および弾性ピストン22の相対向面のうち特に弾性ピストン22の後面に環状突起Pを設けたものを示したが、本第2実施形態では、その相対向面の他方、即ち作動ピストン15の前端面15fに環状突起P′を一体に設けている。この環状突起P′の横断面形状や機能は、第1実施形態の環状突起Pのそれと基本的に同様である。尚、本実施形態では、負圧ブースタBの非作動状態から弁筒10を前進開始させる当初は弾性ピストン22の後面が作動ピストン15の前端面15fの特に環状突起P′にのみ圧接するが、その後、弁筒10が前進するにつれて弾性ピストン22はその後面に環状突起P′をめり込ませるよう弾性変形し、最終的には作動ピストン15の前端面15fの略全面が弾性ピストン22の後面に圧接するようにして弁筒10の推力を弾性ピストン22側に伝達する。
その上、本実施形態では、環状突起P′が特に作動ピストン15の前端面15fに形成されるので、第1実施形態のように環状突起Pを弾性ピストン22に設ける場合と比べて、弾性ピストン22の変形を極力抑えることができて耐久性向上が図られ、また弾性ピストン22が前後逆に誤組される虞れがなく、組立作業性が良好となる。
さらに図7には、本発明の第3実施形態が示される。第2実施形態では、環状突起P′の相手面(即ち本実施形態では弾性ピストン22の後面)が平坦面であるものを示したが、本第3実施形態では、前記相手面22に、環状突起P′に対応する横断面円弧状の環状凹部Rを形成している。そして、その環状凹部Rの深さは、環状突起P′の高さよりも小さく設定されるので、負圧ブースタBの非作動状態で作動ピストン15および弾性ピストン22の相対向面間に所定の間隙が設定される。
斯かる第3実施形態の構成によれば、上記環状凹部Rの特設により、弁筒10が出力ピストン25に対し傾いていない場合に環状突起P′及びその相手面(弾性ピストン22の後面)に過度の応力集中が起きるのを効果的に回避できて、耐久性向上が図られる。
尚、図示はしないが、上記第3実施形態の環状凹部Rの構造を第1実施形態に適用して、第1実施形態の作動ピストン15の前端面15fに、環状突起Pに対応した環状凹部を形成してもよい。
さらに図8には、本発明の第4実施形態が示される。第1〜第3実施形態では、環状突起P,P′を横断面半円弧状に形成したものを示したが、本実施形態では、作動ピストン15の前端面15fに設けた環状突起P′を横断面山形状(即ち三角形状)に形成し、その頂部に多少の丸みを付している。尚、図示はしないが、弾性ピストン22の後面に設けた環状突起Pを横断面山形状(即ち三角形状)に形成し、その頂部に多少の丸みを付してもよい。尚また、上記のように環状突起P,P′を横断面山形状とする場合において、その環状突起P,P′の相手面には第3実施形態と同様に環状凹部Rを設けてもよく、この場合に、環状凹部Rは、環状突起P,P′に対応する横断面谷形状に形成すればよい。
以上、本発明の実施形態を示したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、負圧ブースタBは、前後一対のブースタピストンを同一の弁筒に結合したタンデム型に構成することもできる。
B・・・・・・負圧ブースタ
P,P′・・・環状突起
R・・・・・・環状凹部
V・・・・・・負圧源
1・・・・・・ブースタシェル
2・・・・・・負圧室
3・・・・・・作動室
4・・・・・・ブースタピストン
10・・・・・弁筒
15・・・・・作動ピストン
17・・・・・反力ピストン
20・・・・・入力杆
21・・・・・出力ピストン
22・・・・・弾性ピストン
24・・・・・反力機構
25・・・・・出力杆
27・・・・・ブースタ戻しばね
38・・・・・制御弁
41・・・・・入力戻しばね

Claims (5)

  1. ブースタシェル(1)に、その内部を負圧源(V)に連なる前側の負圧室(2)と後側の作動室(3)とに区画するブースタピストン(4)を収容し、このブースタピストン(4)に、ブースタシェル(1)の後壁に前後摺動自在に支承される弁筒(10)を連設し、この弁筒(10)内には、前後動可能な入力杆(20)と、この入力杆(20)を後退方向へ付勢する入力戻しばね(41)と、入力杆(20)の前後動に応じて作動室(3)を負圧室(2)と大気とに連通切換えする制御弁(38)とを配設し、ブースタシェル(1)の前壁と弁筒(10)との間に、その弁筒(10)を後退方向へ付勢するコイル状のブースタ戻しばね(27)を縮設し、弁筒(10)内で入力杆(20)に連動して前後動する反力ピストン(17)と、この反力ピストン(17)を囲繞するよう弁筒(10)に前向きに突設される円筒状の作動ピストン(15)と、負圧室(2)に臨む出力杆(25)の後端に連なり且つ弁筒(10)に前後摺動可能に嵌合されるカップ状の出力ピストン(21)と、その出力ピストン(21)内に収納されて前面が出力ピストン(21)に、また後面が反力ピストン(17)及び作動ピストン(15)の各前端面にそれぞれ対向する弾性ピストン(22)とを備える反力機構(24)により、入力杆(20)への操作入力と、作動室(3)及び負圧室(2)間の気圧差によるブースタピストン(4)の推力との合力を出力杆(25)に伝達可能とした負圧ブースタにおいて、
    前記作動ピストン(15)及び前記弾性ピストン(22)の相対向面の一方に、それらピストン(15,22)の軸線に沿う方向に突出して該相対向面の他方に当接する環状突起(P,P′)が一体に設けられることを特徴とする負圧ブースタ。
  2. 前記環状突起(P,P′)は、負圧ブースタの非作動状態から前記弁筒(10)が前進を開始するのと同時に前記軸線に沿う方向の圧縮荷重を受けて、前記作動ピストン(15)から前記弾性ピストン(22)側へ推力を伝達することを特徴とする、請求項1に記載の負圧ブースタ。
  3. 前記作動ピストン(15)及び前記弾性ピストン(22)の相対向面の前記他方に、前記環状突起(P,P′)に対応する環状凹部(R)が形成され、その環状凹部(R)の深さは、前記環状突起(P,P′)の高さよりも小さく設定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の負圧ブースタ。
  4. 前記環状突起(P)が、前記弾性ピストン(22)の前記作動ピストン(15)との対向面に形成されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の負圧ブースタ。
  5. 前記環状突起(P′)が、前記作動ピストン(15)の前記弾性ピストン(22)との対向面に形成されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の負圧ブースタ。
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