JP2015220939A - 車両の前後力推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造コストの低減を図ると共に、予期せぬトルク損失が発生しても、車輪に作用する前後力を精度良く推定することができる車両の前後力推定装置を提供する。【解決手段】 独立して駆動する複数の車輪2,3毎に車両速度を求める車両速度計算手段25と、求めた車両速度の差を車輪同士で互いに求める速度差計算手段26とを設ける。全ての車両速度の差が閾値以下の場合、全ての車輪2,3につき、定められた運動方程式より各車輪2,3の前後力を推定する正常時前後力推定手段28と、任意の車輪2,3と他の車輪2,3との車両速度の差が閾値より大の場合、任意の車輪2,3を異常輪として、他の車輪2,3の前後力を運動方程式より推定し、異常輪の前後力を、車両に働く前後力から他の車輪2,3の前後力の輪を減じて推定する異常時前後力推定手段29とを設けた。【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば、インホイールモータ駆動装置などを搭載した左右独立駆動車の前後力を推定する車両の前後力推定装置に関する。
従来、車両の姿勢を制御して車両の走行安定性を向上させるため、車両の前後力を推定する技術が公知である。この車両の前後力を推定もしくは検出する手法として、以下に挙げる手法(1),(2)が提案されている。
(1)前後力の計算に使用される車輪の慣性モーメントが変化しても前後力を精度良く推定する(特許文献1)。具体的には、車輪の回転運動方程式に基づく以下の式を用いて、車輪の前後力に相当するトルクTfxcを計算する。
Tfxc=T+α・Ic・dω/dt
Tは車輪のトルク、dω/dtは車輪の角加速度、Icは車輪の慣性モーメント、αは慣性モーメントを実際値に一致させるための補正係数である。補正係数αを求めるのに、(dω/dt)=0となる時点において、車輪の前後力に相当するトルクの実際値の時間微分が0になるという関係を利用する。
(2)車両のアンチロックブレーキ装置において、車輪または車軸周りのひずみを測定することにより、車輪に働く前後力を直接検出する(特許文献2)。
特開2007−191041号公報 特開平3−220056号公報
車輪の回転運動方程式に基づき車輪の前後力を計算する従来技術(1)では、駆動系を構成する部品、例えば、軸受、歯車などに異常が生じて、予期せぬトルク損失Tlossが発生すると、車輪の運動方程式は次式に置き換わる。
Tfxc=T−Tloss+α・Ic・dω/dt
しかし、発生したトルク損失を見積もることは困難であるため、上式より車輪の前後力に相当するTfxc、言い換えれば、車輪に作用する前後力を推定する精度は低下してしまう。
従来技術(2)の車輪の前後力を検出するセンサは一般に高価であり、車両の製造コストの増加につながるという問題がある。
この発明の目的は、製造コストの低減を図ると共に、予期せぬトルク損失が発生しても、車輪に作用する前後力を精度良く推定することができる車両の前後力推定装置を提供することである。
この発明の車両の前後力推定装置24は、複数の車輪2,3を独立して駆動する駆動源4を有する車両1に搭載される車両1の前後力推定装置24において、
前記車輪2,3毎にその車輪2,3の角速度を用いて車両速度を求める車両速度計算手段25と、
この車両速度計算手段25で求めた前記車輪毎の車両速度の差を車輪同士で互いに求める速度差計算手段26と、
この速度差計算手段26で求めた全ての車両速度の差が閾値以下または閾値未満の場合、全ての前記車輪2,3につき、定められた運動方程式より各車輪2,3の前後力を推定する正常時前後力推定手段28と、
任意の車輪2,3と他の車輪2,3との車両速度の差が閾値より大または閾値以上の場合、前記任意の車輪2,3を異常輪として、前記他の車輪2,3の前後力を前記運動方程式より推定し、前記異常輪の前後力を、車両1に働く前後力から前記他の車輪2,3の前後力の和を減じて推定する異常時前後力推定手段29とを設けたことを特徴とする。
前記車両速度は、車輪2,3の回転速度と車両1のヨー角速度等から前記車輪2,3毎に推定される。
前記閾値は、例えば、実験やシミュレーション等の結果により定められる。
前記定められた運動方程式は、例えば、次のように表される。
I(dω/dt)=T−RF
Iは車輪の回転部の慣性モーメント、ωは車輪の角速度、Tは駆動トルク、Rは車輪の半径、Fは前後力を表す。
前記「閾値以下」に対し前記「閾値より大」が対応し、前記「閾値未満」に対し前記「閾値以上」が対応する。
前記異常時前後力推定手段29は、車輪2,3が正常か異常かを判断する部分を含まなくても良く、特定された任意の車輪2,3を、他の車輪2,3とは異なる推定手段を用いて前後力を推定するために適用される。
この前後力推定装置24は、例えば、常時に、以下の各計算を行い、定められた条件で前後力の推定を行う。前記定められた条件は、試験やシミュレーション等の結果により適宜定められる。この構成によると、車両速度計算手段25は、先ず車両速度を前記車輪2,3毎に計算する。次に、速度差計算手段26は、前記車輪2,3毎に求めた車両速度の差を計算する。求めた全ての車両速度の差が閾値以下または閾値未満の場合、全ての車輪2,3に大きなトルク損失が発生していないと考えられる。この場合、正常時前後力推定手段28は、全ての前記車輪2,3につき、定められた運動方程式より各車輪2,3の前後力を推定する。
任意の車輪2,3と他の車輪2,3との車両速度の差が閾値より大または閾値以上の場合、任意の車輪2,3に大きなトルク損失が発生していると考えられる。この場合、前記運動方程式は成立しなくなり、この運動方程式では、前記任意の車輪2,3の前後力を正しく推定できなくなる。ただし、他の車輪2,3の前後力は前記運動方程式より推定し得る。そこで、異常時前後力推定手段29は、車両1に働く前後力から前記他の車輪2,3の前後力の和を減じて、任意の車輪2,3の前後力を推定する。
前記車両1に働く前後力は、全ての車輪2,3に働く前後力の和に相当し、例えば、車両1の重量に車両の前後加速度を乗じて求められる。なお、トルク損失が大きくなるといった異常は、1輪毎に発生して複数輪同時に発生するとは考えにくい。よって、異常時前後力推定手段29は、前述のように、他の車輪2,3の前後力だけでなく異常輪の前後力を精度良く推定し得る。正常時前後力推定手段28も各車輪2,3の前後力を精度良く推定し得る。したがって、車輪2,3に予期せぬトルク損失が発生していても、車輪2,3の前後力を直接検出するセンサ等を用いることなく、各車輪2,3の前後力を精度良く推定し得る。このため、例えば、車輪の前後力を直接検出する従来技術(2)よりも製造コストの低減を図れる。
前記正常時前後力推定手段28および前記異常時前後力推定手段29は、独立して駆動する各車輪2,3に与える駆動トルクを一時的に等しくする指令を、前記駆動源4を制御する制御手段22に与えるものとしても良い。このように各車輪2,3に与える駆動トルクを一時的に等しくすることで、異常輪の有無を判定し易くなる。
前記正常時前後力推定手段28および前記異常時前後力推定手段29は、独立して駆動する各車輪2,3に与える駆動トルクを一時的に零とする指令を、前記駆動源4を制御する制御手段22に与えるものとしても良い。この場合、路面の摩擦係数に依存せずに異常輪の有無を判定できる。
前記車両速度計算手段25は、前記車輪2,3毎に検出される角速度と、車両1のヨー角速度と、定められた車両固有のパラメータとに基づいて、前記車輪毎の車両速度を求めても良い。前記車両固有のパラメータは、例えば、車輪半径R、トレッドd等である。
前記駆動源4は電動式のモータ4であっても良い。この場合、モータ4の電流を観測することで、駆動トルクを正確に把握することができる。
前記駆動源4は、インホイールモータ駆動装置7を構成する前記モータ4であっても良い。
この発明の車両の前後力推定装置は、複数の車輪を独立して駆動する駆動源を有する車両に搭載される車両の前後力推定装置において、前記車輪毎にその車輪の角速度を用いて車両速度を求める車両速度計算手段と、この車両速度計算手段で求めた前記車輪毎の車両速度の差を車輪同士で互いに求める速度差計算手段と、この速度差計算手段で求めた全ての車両速度の差が閾値以下または閾値未満の場合、全ての前記車輪につき、定められた運動方程式より各車輪の前後力を推定する正常時前後力推定手段と、任意の車輪と他の車輪との車両速度の差が閾値より大または閾値以上の場合、前記任意の車輪を異常輪として、前記他の車輪の前後力を前記運動方程式より推定し、前記異常輪の前後力を、車両に働く前後力から前記他の車輪の前後力の和を減じて推定する異常時前後力推定手段とを設けたため、製造コストの低減を図ると共に、予期せぬトルク損失が発生しても、車輪に作用する前後力を精度良く推定することができる。
この発明の実施形態に係る車両の前後力推定装置の概念構成を示すブロック図である。 同車両の車輪の運動モデルを示す図である。 同前後力推定装置の前後力推定手順を示すフローチャートである。 同前後力推定装置により車輪毎に車両速度を推定した例を示す図である。
この発明の第1の実施形態に係る車両の前後力推定装置を図1ないし図4と共に説明する。図1に示すように、この前後力推定装置が搭載される車両1として、例えば、左右の前輪(車輪)2,2および後輪(車輪)3,3が、それぞれ駆動源であるモータ4によって独立して駆動される四輪独立駆動車が適用される。各モータ4は、車輪用軸受5、および、モータ4の回転を減速して車輪用軸受5の図示外の回転側軌道輪に伝達する減速機6と共に、インホイールモータ駆動装置7を構成する。左右の前輪2,2は、転舵機構8により転舵可能であり、操舵入力手段であるハンドル9により転舵機構8を介して操舵される。
車両1の制御系について説明する。
車両1の制御系は、メインのECU21と、各モータ4をそれぞれ駆動するインバータ装置22とを有する。ECU21は、車両全体の協調制御,統括制御を行う電気制御ユニットであり、トルク分配手段23が設けられている。トルク分配手段23は、アクセルペダル13等のアクセル操作手段からの加速指令、およびブレーキペダル14等のブレーキ操作手段からの減速指令が入力され、前記加速指令と減速指令の差に応じた駆動指令を、各モータ4に分配する。前記駆動指令は、例えば、トルク指令である。
トルク分配手段23から分配して出力される駆動指令は、各輪2,3の各インバータ装置22に与えられる。各インバータ装置22は、図示外のバッテリの直流電力をモータ4の駆動用の交流電力に変換する図示外のインバータと、このインバータを制御するモータコントロール回路部(図示せず)とを有する。このモータコントロール回路部には、例えば、マイクロコンピュータおよびモータ制御プログラムが含まれる。各インバータ装置22は、与えられたトルク指令等の駆動指令に応じて、前記インバータを制御し、モータ4に与える電力を制御する。
この前後力推定装置24は、前記構成を有する車両のECU21に設けられる。なお前後力推定装置24を、前記メインのECU21とは別のECUに設けても良い。前後力推定装置24は、車両速度計算手段25と、速度差計算手段26と、判定部27と、正常時前後力推定手段28と、異常時前後力推定手段29と、記憶手段30と、報知手段31とを有する。正常時前後力推定手段28および異常時前後力推定手段29は、各車輪2,3の前後力を推定するとき、例えば、独立して駆動する各車輪2,3に与える駆動トルクを一時的に等しくする指令を、各モータ4をそれぞれ制御するインバータ装置(制御手段)22に与える。
車両速度計算手段25は、車輪2,3毎に次式で車両速度Vをそれぞれ求める。
=Rω±(d/2)r …(1)
Rは車輪半径、ωは車輪の角速度、dは前後輪のトレッド、rはヨー角速度を表す。式(1)の符号は、左側の車輪では正、右側の車輪では負とする。添え字jは車輪の番号を表す。例えば、添え字j=1が左前輪、j=2が右前輪、j=3が左後輪、j=4が右後輪を表す。車輪半径R、トレッドdは、車両固有のパラメータであり、例えば、記憶手段30に記憶されてこの記憶手段30から取得し得る。
角速度ωは、例えば、各車輪2,3に設けた回転センサ15より取得される。ヨー角速度rは、ヨー角速度センサより取得してもよいし、ハンドル9の操舵角を検出する操舵検出センサ11から演算により求めてもよい。演算により求める場合、具体的には、例えば、車両試験により、操舵角に対するヨー角速度rの伝達特性を予め求めておき、車両速度計算手段25は、求めた伝達特性に基づき、操舵検出センサ11で検出された操舵角から相応なヨー角速度rを求める。
速度差計算手段26は、車両速度計算手段25で求めた車両速度の差を車輪同士で互いに求める。例えば、4番目の車輪3の角速度より求めた車両速度を、他の車輪2,3の角速度より求めた車両速度と比較するときは、その車両速度の差を次式で計算する。
ΔVj4=V−V(j=1〜3) …(2)
ここで表1は、各車輪2,3の車両速度の差と閾値との関係を示す表である。この例では、4番目の車輪3が異常輪と判断される場合の例を示す。
Figure 2015220939

表1に示すように、式(2)と同様の計算を1〜3番目の車輪についても行う。判定部27は、計算の結果、車両速度の差ΔVの大きさに応じて次のように前後力推定手段を変える。
A.(判定部27により、全ての車両速度の差が閾値以下と判定された場合)
この場合は4輪全てに大きなトルク損失が発生していないと考える。この場合、正常時前後力推定手段28が、全ての車輪2,3につき、定められた運動方程式より各車輪2,3の前後力を推定する。前記閾値は、記憶手段30に書換え可能に記憶される。
ここで図2は、この車両1の車輪2,3の運動モデルを示す図である。
前記定められた運動方程式は、例えば、次のように表される。
I(dω/dt)=T−RF …(3)
Iは車輪2,3の回転部の慣性モーメント、ωは車輪2,3の角速度、Tは駆動トルク、Rは車輪2,3の半径、Fは前後力を表す。図2に示すように、慣性モーメントIと車輪2,3の半径Rは、車両固有のパラメータであり、例えば、記憶手段30から容易に取得し得る。角速度ωは、例えば、各車輪2,3に設けた回転センサ15より取得し得る(図1参照)。
また駆動源がモータ4であるため、図1に示すように、各モータ4に流れる電流を観測する電流検出手段32を設け、この電流検出手段32により電流を観測することでこの電流と比例関係にある駆動トルクTを正確に把握し得る。したがって、全ての車両速度の差が閾値以下と判定された場合、式(3)を用いて各車輪2,3の前後力を推定し得る。
B.(任意の車輪と他の車輪との車両速度の差が閾値より大と判定された場合)
例えば、表1の太枠内に示したように、車両速度の差ΔV14、ΔV24、ΔV34が設定した閾値εより大きいと判定部27で判定された場合、4番目の車輪3に大きなトルク損失が発生している、すなわち4番目の車輪3が異常輪であると判断する。このとき、前述の式(3)は成立しなくなり、前後力Fを正しく推定できなくなる。この場合、異常時前後力推定手段29が、次式(4)により、異常輪の前後力を推定する。但し、他の1〜3番目の車輪2,3については、前記A.と同様に式(3)を使って、前後力Fを推定する。
Figure 2015220939


mは車両重量、aは車両の前後加速度、maは車両に働く前後力(4輪に働く前後力の和)に相当する。車両重量mは、例えば、記憶手段30より取得する。前後加速度aは、例えば、車両1に取り付けた加速度センサ33より取得する。なおトルク損失が大きくなるといった異常は、1輪毎に発生して複数輪同時に発生するとは考えにくい。よって、B.の異常時前後力推定手段29により、異常が生じた車輪2,3の前後力を推定し得る。したがって、車輪2,3に予期せぬトルク損失が発生していても、車輪2,3の前後力を直接検出するセンサ等を用いることなく、各車輪2,3の前後力を精度良く推定し得る。このため、例えば、車輪の前後力を直接検出する従来技術よりも製造コストの低減を図れる。
報知手段31は、判定部27で異常輪があると判定したときに、例えば、異常が発生した車輪2,3を運転席のモニター等(図示せず)に表示して、運転者の注意を喚起する。トルク損失が大きくなる異常の原因は、例えば、インホイールモータ駆動装置7の構成部品(歯車や軸受)等の異常に起因する。
図3は、前後力推定装置の前後力推定手順を示すフローチャートである。以後、図1,図2も適宜参照しつつ説明する。例えば、この車両1の電源を投入後、前後力の推定を開始し、速度差計算手段26は、車両速度計算手段25で求めた車両速度の差ΔVを車輪同士で互いに求める(ステップS1)。次に、判定部27がΔVが全て閾値以下か否かを判定する(ステップS2)。ΔVが全て閾値以下のとき(ステップS2:Yes)、正常時前後力推定手段28は、式(3)より各車輪2,3の前後力を推定する(ステップS3)。その後、本処理を終了する。
ステップS2において、判定部27は、閾値以下でないΔVがあると判定したとき(ステップS2:No)、表1より異常輪の特定を行う(ステップS4)。次に、異常時前後力推定手段29は、式(3)より異常輪以外の三輪の前後力を推定する(ステップS5)。次に、異常時前後力推定手段29は、式(4)より異常輪の前後力を推定する(ステップS6)。その後本処理を終了する。
実際の車両走行中に1輪だけにトルク損失を発生させ、車輪毎に車両速度を推定した例を図4に示す。異常輪の有無を判定するために、駆動輪に同じ駆動トルクを加えて式(1)より車輪毎の車両速度を計算するのが適切であるが、より簡単な方法としては、駆動トルクを与えずに惰性で走行しているときの車両速度を調べるのが良い。正常時前後力推定手段28および異常時前後力推定手段29は、独立して駆動する各車輪2,3に与える駆動トルクを一時的に零とする指令を各インバータ装置22に与える。この場合、路面の摩擦係数に依存せずに異常輪の有無を判定できる。
インホイールモータ駆動装置7においては、サイクロイド式の減速機、遊星減速機、2軸並行減速機、その他の減速機を適用可能であり、また、減速機を採用しない、所謂ダイレクトモータタイプであってもよい。
車両は四輪独立駆動車に限定されず、左右輪が独立して駆動する二輪独立駆動車であっても良い。前後輪のいずれか一方を1モータで駆動するオンボード式の駆動輪とし、いずれか他方の左右輪を独立して駆動する駆動輪としても良い。また、車両を四輪車だけでなく三輪車に適用し、この三輪車の左右輪を独立して駆動する駆動輪としても良い。
1…車両
2…前輪(車輪)
3…後輪(車輪)
4…モータ(駆動源)
7…インホイールモータ駆動装置
24…前後力推定装置
25…車両速度計算手段
26…速度差計算手段
28…正常時前後力推定手段
29…異常時前後力推定手段

Claims (6)

  1. 複数の車輪を独立して駆動する駆動源を有する車両に搭載される車両の前後力推定装置において、
    前記車輪毎にその車輪の角速度を用いて車両速度を求める車両速度計算手段と、
    この車両速度計算手段で求めた前記車輪毎の車両速度の差を車輪同士で互いに求める速度差計算手段と、
    この速度差計算手段で求めた全ての車両速度の差が閾値以下または閾値未満の場合、全ての前記車輪につき、定められた運動方程式より各車輪の前後力を推定する正常時前後力推定手段と、
    任意の車輪と他の車輪との車両速度の差が閾値より大または閾値以上の場合、前記任意の車輪を異常輪として、前記他の車輪の前後力を前記運動方程式より推定し、前記異常輪の前後力を、車両に働く前後力から前記他の車輪の前後力の和を減じて推定する異常時前後力推定手段と、
    を設けたことを特徴とする車両の前後力推定装置。
  2. 請求項1記載の車両の前後力推定装置において、前記正常時前後力推定手段および前記異常時前後力推定手段は、独立して駆動する各車輪に与える駆動トルクを一時的に等しくする指令を、前記駆動源を制御する制御手段に与える車両の前後力推定装置。
  3. 請求項1記載の車両の前後力推定装置において、前記正常時前後力推定手段および前記異常時前後力推定手段は、独立して駆動する各車輪に与える駆動トルクを一時的に零とする指令を、前記駆動源を制御する制御手段に与える車両の前後力推定装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両の前後力推定装置において、前記車両速度計算手段は、前記車輪毎に検出される角速度と、車両のヨー角速度と、定められた車両固有のパラメータとに基づいて、前記車輪毎の車両速度を求める車両の前後力推定装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両の前後力推定装置において、前記駆動源は電動式のモータである車両の前後力推定装置。
  6. 請求項5記載の車両の前後力推定装置において、前記駆動源は、インホイールモータ駆動装置を構成する前記モータである車両の前後力推定装置。
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