JP2015033291A - 車両制御装置 - Google Patents

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平田 淳一
Junichi Hirata
淳一 平田
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】 全駆動輪のうち一部の駆動輪のみが路面摩擦係数の小さな路面上を走行する条件でも車両の走行安定性を確保することができる車両制御装置を提供する。
【解決手段】 この車両制御装置は、車両7に支持された複数の駆動輪1,2,3,4に与える制駆動力を独立して制御するものであり、タイヤ負荷率計算手段18と、相互差均等化制御手段23とを有する。タイヤ負荷率計算手段18は、各輪1,2,3,4における路面との摩擦係数と垂直方向荷重との積に対する、各輪1,2,3,4における制駆動力と横力の合力の比であるタイヤ負荷率を計算する。相互差均等化制御手段23は、タイヤ負荷率計算手段18で計算される各輪1,2,3,4のタイヤ負荷率の相互差が小さくなるように各輪1,2,3,4における制駆動力を制御する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両の各駆動輪に付与する制駆動力および舵角を独立して制御することにより、駆動輪で生じる前後力および横力を制御し得る車両制御装置に関する。
従来、車両の挙動を安定化させる技術(1)〜(3)等が提案されている。
(1)車両の走行時において、路面摩擦係数の減少等によって全車輪のタイヤ負荷率が増大すると、駆動力配分比のマップに従って各輪駆動力が配分される(特許文献1)。この構成において、例えば、さらにタイヤ負荷率を増大しようとする作用が車両に加わり、旋回外側前輪がその限界を超えたとしても、その他の車輪が、限界を超えずにグリップ状態を維持する。
(2)各タイヤの使用負荷総量を算出して、各タイヤへのタイヤ力の配分を、各タイヤの使用負荷総量に応じて補正する(特許文献2)。
(3)全ての車輪のタイヤ負荷率が所定値以上となっているときは、タイヤに作用する横力と前後力と合成した力を減少させることにより、車両が急激に不安定となる事態を防止する(特許文献3)。
特開2008−144788号公報 特開2008−247064号公報 特開2008−247065号公報
前述の従来技術では、全車輪のうち一部の車輪のみが路面摩擦係数の小さな路面上を走行する条件の場合、車両の走行安定性を確保することができない場合がある。また従来技術において、例えば、路面摩擦係数の推定値に誤差があると、安定した制御を行えない。
この発明の目的は、全駆動輪のうち一部の駆動輪のみが路面摩擦係数の小さな路面上を走行する条件でも車両の走行安定性を確保することができる車両制御装置を提供することである。その他の発明の目的は、路面摩擦係数の推定誤差の影響を少なくし、安定した制御を行うことである。
この発明の車両制御装置は、車両7に支持された複数の駆動輪1,2,3,4に与える制駆動力を独立して制御する車両制御装置であって、
前記駆動輪1,2,3,4の駆動トルクおよび制動トルクを、各駆動輪毎に独立して制御可能な複数のトルク付与手段5と、
前記車両7の前後方向および横方向の加速度を検出する加速度検出手段16と、
前記車両7の速度を検出する車速検出手段21と、
車輪1,2,3,4の操舵角を検出する操舵角度検出手段11aと、
アクセル操作量およびブレーキ操作量をそれぞれ検出するアクセル量検出手段14aおよびブレーキ量検出手段15aと、
を備え、
前記アクセル量検出手段14aおよびブレーキ量検出手段15aで検出されるアクセル操作量およびブレーキ操作量と、前記加速度検出手段16で検出される前記車両7の前後方向の加速度および横方向の加速度とから、各駆動輪1,2,3,4における垂直方向荷重および制駆動力をそれぞれ求め、
前記操舵角度検出手段11aで検出される操舵角および前記垂直方向荷重から横力を求め、
各駆動輪1,2,3,4における路面との摩擦係数と前記垂直方向荷重との積に対する、前記各駆動輪1,2,3,4における前記制駆動力と前記横力の合力の比であるタイヤ負荷率を計算するタイヤ負荷率計算手段18と、
このタイヤ負荷率計算手段18で計算される各駆動輪1,2,3,4のタイヤ負荷率の相互差が小さくなるように各駆動輪1,2,3,4における前記トルク付与手段5の制駆動力を制御する相互差均等化制御手段23と、
を設けたことを特徴とする。
この明細書において、前記「垂直方向荷重」は、各駆動輪1,2,3,4が路面に対し垂直方向に作用する荷重を言う。この「垂直方向荷重」を「軸荷重」という場合もある。前記「摩擦係数」を「路面摩擦係数」という場合もある。
この構成によると、タイヤ負荷率計算手段18は、車両7の走行時において、検出されるアクセル操作量およびブレーキ操作量と、車両7の前後方向の加速度および横方向の加速度とから、各駆動輪1,2,3,4における垂直方向荷重および制駆動力をそれぞれ求める。タイヤ負荷率計算手段18は、さらに検出される操舵角および垂直方向荷重から横力を求めて、タイヤ負荷率を計算する。
駆動輪1,2,3,4にかかる垂直方向荷重Zと路面摩擦係数μとの積が、いわゆる摩擦円の半径μZである。駆動輪1,2,3,4に発生しようとしている力は、前後方向の力である制駆動力Xと、駆動輪1,2,3,4の横滑り角により生じる横力Yとの合力になる。駆動輪1,2,3,4は摩擦円の半径μZを超える力を発生することができないため、この摩擦円の半径μZと駆動輪1,2,3,4に発生しようとしている力の比は、しばしば「タイヤ負荷率」と表現される。
相互差均等化制御手段23は、計算される各駆動輪1,2,3,4のタイヤ負荷率の相互差が小さくなるように各駆動輪1,2,3,4における制駆動力を制御する。例えば、各駆動輪1,2,3,4の制駆動力Xと横力Yを調整することで、各駆動輪1,2,3,4のタイヤ負荷率の相互差を小さくする。具体的には、複数の駆動輪1,2,3,4のうち1つの駆動輪のみが路面摩擦係数の小さな路面上に進入すると、この1つの駆動輪の摩擦円の半径μZが小さくなる。この小さくなった摩擦円の半径μZに対して、前記駆動輪の制駆動力Xと横力Yとの合力を原則小さくする。これにより前記駆動輪のタイヤ負荷率と他の駆動輪のタイヤ負荷率との相互差を小さくし得る。
従来例のように全車輪のタイヤ負荷率の増大を判断するのではなく、本願では、各輪のタイヤ負荷率の相対的な差をみて各トルク付与手段5の制駆動力を制御するため、全車輪1,2,3,4のうち一部の駆動輪のみが路面摩擦係数の小さな路面上を走行する条件でも、他の駆動輪のタイヤ負荷率に応じて一部の駆動輪の合力を調整することで、車両7の走行安定性を確保することができる。
前記車両7は、運転者の操舵する操舵手段11とは機械的に独立した転舵が可能な転舵機構9aを有し、前記相互差均等化制御手段23は、前記各駆動輪1,2,3,4のタイヤ負荷率の相互差が小さくなるように各駆動輪1,2,3,4における制駆動力または転舵角を決定するものとしても良い。この場合、各駆動輪1,2,3,4の転舵角を決定することで、各駆動輪1,2,3,4の横力を調整し得る。各駆動輪1,2,3,4の制駆動力および横力を調整することで、例えば、旋回時など走行条件にかかわらず、各駆動輪1,2,3,4のタイヤ負荷率の相互差を小さくすることができる。これにより、車両7の走行安定性を確保することができる。
前記タイヤ負荷率計算手段18は、各駆動輪1,2,3,4における駆動輪と路面との前記摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段24を備え、この路面摩擦係数推定手段24で推定される摩擦係数を用いて、各駆動輪1,2,3,4における制駆動力および転舵角を決定するものとしても良い。
この場合、路面摩擦係数推定手段24が各駆動輪1,2,3,4における路面摩擦係数を推定したうえで、この路面摩擦係数を用いて、各駆動輪1,2,3,4における制駆動力および転舵角が決定されるため、各駆動輪毎に制駆動力および転舵角を木目細かく決定することができる。
スリップ率と前記摩擦係数との関係が複数のパターンとして設定された関係設定手段25を設け、前記路面摩擦係数推定手段24は、前記関係設定手段25に設定された複数のパターンと、推定したスリップ率および摩擦係数とを比較することで前記複数のパターンから最も近似するパターンを選択し、パターン毎に設定された摩擦係数を各駆動輪1,2,3,4における摩擦係数とするものであっても良い。この場合、車両7の走行時において、関係設定手段25に照らして選択されたパターンから、時々刻々と変化し得る路面摩擦係数を精度良く定めることができる。したがって、路面摩擦係数の推定誤差の影響を少なくし、安定した制御を行うことができる。前記「パターン」を「路面パターン」という場合がある。
前記路面摩擦係数推定手段24は、前記各パターンの摩擦係数として決定する値を、前記各パターンにおける摩擦係数の平均値よりも小さい値としても良い。この場合、路面摩擦係数は、タイヤ負荷率の計算結果が過少とならないようにすることができる。
前記路面摩擦係数推定手段24は、現在選択されている前記パターンとは別のパターンが、定められた閾値以上の時間連続して識別されたとき路面状態が変化したと判断し、現在のパターンに対して設定された摩擦係数を、前記別のパターンに対して設定された摩擦係数に変更するものとしても良い。この場合、タイヤ負荷率が実際よりも過少に評価されることを防ぐことができる。
前記路面摩擦係数推定手段24は、摩擦係数が低い路面のパターンから高い路面のパターンに変わる場合よりも、摩擦係数が高い路面のパターンから低い路面のパターンに変わる場合の方が、前記閾値が小さいものとしても良い。このように路面のパターンの変化に応じて、閾値を変化させることで、路面状態の変化を的確に判断して、より走行安定性の高い制御を実施することができる。
前記トルク付与手段5の前記駆動源が電気モータ5aであっても良い。
この発明の車両制御装置は、車両に支持された複数の駆動輪に与える制駆動力を独立して制御する車両制御装置であって、前記駆動輪の駆動トルクおよび制動トルクを、各駆動輪毎に独立して制御可能な複数のトルク付与手段と、前記車両の前後方向および横方向の加速度を検出する加速度検出手段と、前記車両の速度を検出する車速検出手段と、車輪の操舵角を検出する操舵角度検出手段と、アクセル操作量およびブレーキ操作量をそれぞれ検出するアクセル量検出手段およびブレーキ量検出手段とを備え、
前記アクセル量検出手段およびブレーキ量検出手段で検出されるアクセル操作量およびブレーキ操作量と、前記加速度検出手段で検出される前記車両の前後方向の加速度および横方向の加速度とから、各駆動輪における垂直方向荷重および制駆動力をそれぞれ求め、前記操舵角度検出手段で検出される操舵角および前記垂直方向荷重から横力を求め、各駆動輪における路面との摩擦係数と前記垂直方向荷重との積に対する、前記各駆動輪における前記制駆動力と前記横力の合力の比であるタイヤ負荷率を計算するタイヤ負荷率計算手段と、このタイヤ負荷率計算手段で計算される各駆動輪のタイヤ負荷率の相互差が小さくなるように各駆動輪における前記トルク付与手段の制駆動力を制御する相互差均等化制御手段とを設けたため、全駆動輪のうち一部の駆動輪のみが路面摩擦係数の小さな路面上を走行する条件でも車両の走行安定性を確保することができる。
この発明の第1の実施形態における制御対象となる車両の平面図、および車両制御装置の概念構成のブロック図を組み合わせた説明図である。 同車両制御装置のタイヤ負荷率の説明図である。 スリップ率と路面摩擦係数との関係を示す図である。 路面パターン例を示す図である。 路面パターンと路面摩擦係数との関係の一例を示す図である。
この発明の第1の実施形態を図面と共に説明する。各輪の制駆動力および転舵角が自由に制御できる4輪車両を例にして実施形態を説明する。図1は、この実施形態における制御対象となる車両の平面図、および車両制御装置の概念構成のブロック図を組み合わせた説明図である。同図1に示すように、前輪となる左右の車輪1,2および後輪となる左右の車輪3,4は、いずれもインホイールモータ装置からなるトルク付与手段5に取付けられており、図示しないサスペンションによってトルク付与手段5と共に車両7の車体8に支持されている。
トルク付与手段5となるインホイールモータ装置は、車輪1,2,3,4を支持した車輪用軸受(図示せず)と、駆動源となる電気モータ5aと、この電気モータ5aの回転を前記車輪用軸受の回転輪に減速して伝える減速機とを有する。このトルク付与手段5は、駆動源が電気モータ5aであるため、駆動力および制動力の両方が制御可能であり、また各車輪1,2,3,4に対して個別に設けられているため、各輪の駆動トルクおよび制動トルクをそれぞれ独立して制御可能である。電気モータ5aは、同期モータまたは誘導モータからなる。各車輪(駆動輪)1,2,3,4には、電気モータ5aによる制動力とは別に制動を行う図示外のブレーキが設けられている。なお、前記トルク付与手段5は、内燃機関とブレーキとであっても良い。
前輪となる左右の車輪1,2に対しては、左右の車輪1,2を独立に転舵可能な転舵機構9aが備えられている。この転舵機構9aは、運転者の操舵する操舵手段11であるハンドルとは機械的に独立した形式であり、いわゆるステアバイワイヤ形式である。転舵機構9aは、例えば、転舵用のモータおよびトー角調整用のモータ(いずれも図示せず)を備えていて、これらのモータ駆動より、左右の車輪1,2を独立に転舵可能である。
後輪となる左右の車輪3,4に対しては、それぞれに転舵機構9bが備えられることで、左右独立に転舵可能となっている。これら前後の転舵機構9a,9bにより車両7の全体の転舵手段9が構成される。
運転者の操舵手段11の操作による操舵角は、操舵手段11に設けた操舵角センサからなる操舵角度検出手段11aによって検出され、転舵コントローラ12からECU13に送られる。ECU13は、車両7の全体を統合制御,協調制御するメインの電気制御ユニットであり、プログラムされたマイクロコンピュータと電子回路(図示せず)とで構成される。これと同様に、それぞれペダル等で構成されるアクセル操作手段14とブレーキ操作手段15のそれぞれの操作量も、これらの操作量をそれぞれ検出するアクセル量検出手段14aおよびブレーキ量検出手段15aからECU13に送られる。
車両7に生じる前後および左右の加速度の情報は、車両7に備えたGセンサからなる加速度検出手段16により検出され、ECU13に送られる。車速は、車両7に設けられた車速センサ等の車速検出手段21からECU13に送られる。車速検出手段21は、各電気モータ5aまたは前記車輪用軸受等に設けられた回転センサの回転検出値等から車速を計算するものであっても良い。
ECU13は、これらの送られてきた情報を元に、各輪1,2,3,4の制駆動力および転舵角を決定し、トルク付与手段5や転舵機構9a,9bを制御する。各転舵機構9a,9bの転舵量は、ECU13から送られる転舵量の指令に基づき、転舵コントローラ12に設けられた転舵量制御手段12aで制御される。
ECU13は、基本駆動制御手段17と、タイヤ負荷率計算手段18と、相互差均等化制御手段23とを有する。基本駆動制御手段17は、アクセル量検出手段14aおよびブレーキ量検出手段15aから送られたアクセル操作量およびブレーキ操作量から、基本のトルク指令を各駆動輪のトルク付与手段5に対して分配して与える。ECU13から出力されたトルク指令は、インバータ装置19を介して、それぞれ各トルク付与手段5の電気モータ5aに駆動電流として与えられる。インバータ装置19は、バッテリ20の直流電力を、電気モータ5aに応じた3相交流電流に変換する図示外のインバータと、このインバータをPWM制御およびベクトル制御等で電流制御するモータコントローラである制駆動力制御手段19aとを有する。
また基本駆動制御手段17は、操舵角度検出手段11aで検出され転舵コントローラ12を介して送られた操舵角情報から、基本となる転舵量の指令を転舵量制御手段12aに送る。転舵量制御手段12aは、前記転舵量の指令に基づき前記転舵用のモータおよび前記トー角調整用のモータへ所望のトルク指令を与える。
図2は、この車両制御装置のタイヤ負荷率の説明図である。
各輪にかかる垂直方向荷重Zと路面摩擦係数μとの積が、いわゆる摩擦円の半径μZである。車輪に発生しようとしている力は、前後方向の力である制駆動力Xと、車輪の横滑り角により生じる横力Yとの合力になる。車輪は摩擦円の半径μZを超える力を発生することができないため、この摩擦円の半径μZと駆動輪に発生しようとしている力の比が、「タイヤ負荷率」と表現される。
図1に示すように、タイヤ負荷率計算手段18は、検出されるアクセル操作量およびブレーキ操作量と、加速度検出手段16で検出される車両7の前後方向の加速度および横方向の加速度とから、各輪1,2,3,4における垂直方向荷重および制駆動力をそれぞれ求める。またタイヤ負荷率計算手段18は、操舵角度検出手段11aで検出される操舵角および前記垂直方向荷重から横力を求める。タイヤ負荷率計算手段18は、路面摩擦係数推定手段24と、関係設定手段25とを有する。タイヤ負荷率計算手段18は、各輪1,2,3,4における後述の路面摩擦係数と前記垂直方向荷重との積に対する、前記各輪1,2,3,4における前記制駆動力と前記横力の合力の比であるタイヤ負荷率を計算する。
相互差均等化制御手段23は、タイヤ負荷率計算手段18で計算される各輪1,2,3,4のタイヤ負荷率の相互差が小さくなるように各輪1,2,3,4における制駆動力および転舵角を決定する。
各輪1,2,3,4のタイヤ負荷率を調整する場合、各輪1,2,3,4の制駆動力もしくは転舵角を制御するが、運転者は、アクセル操作手段14やブレーキ操作手段15、そして操舵手段11の操作によって車両運動を調整しようとするため、運転者の各操作に応じた車両運動を実現するように、各輪1,2,3,4の制駆動力もしくは転舵角を制御する必要がある。
ここで、車両重心点の前後・横方向、Z軸周りの回転方向の運動を支配する力の関係を、平面2自由度モデルを例に示す。
車両重心点の前後・横方向,Z軸周りの回転方向の運動を支配する力に関し、車両の全制駆動力、すなわち運転者のアクセル操作あるいはブレーキ操作から判断される要求前後加速度から決められる力をX、全横力、すなわち運転者の操舵に対して必要な横力をY、ヨーモーメントをMとした場合、各輪1,2,3,4の制駆動力をX(i=1〜4)、各輪1,2,3,4の横力をY、前後輪トレッドをd,dr 、前後輪の車軸間距離をlf ,rとすると、各輪1,2,3,4が満たすべき関係式は以下のように示される。
Figure 2015033291
次に、各輪のタイヤ負荷率の式は次のようになる。
Figure 2015033291
式(4)の右辺において、分母は各輪1,2,3,4の路面摩擦係数μと各輪1,2,3,4の垂直方向荷重Zとの積を示し、分子は各輪1,2,3,4の制駆動力Xと横力Yの合力を示している。各輪1,2,3,4の垂直方向荷重Zは、車両の前後加速度G,横加速度GをGセンサで測定し、各加速度により生じる荷重移動の影響を考慮した値として算出される。
ここで各輪1,2,3,4の路面摩擦係数μを推定する場合の一例として式(5),(6),(7)を示す。
Figure 2015033291
前記式(5)におけるIは、電気モータ5aによって駆動されるホイールおよびモータ等を含めた1輪分の慣性モーメントである。また、式(5)におけるωは各輪の回転速度であり、Tmiは各輪のモータ駆動トルク、rはタイヤ回転半径を示す。式(7)におけるλはスリップ率を示す。式(5),(6),(7)から逐次スリップ率λと摩擦係数μを求める。
スリップ率λと摩擦係数μとの関係は、一般的に図3のような曲線で表される。本実施形態では、代表的な路面のスリップ率λと摩擦係数μとの関係を用いて、図4に示すように路面パターンを予め区分し登録しておく。図1に示す例では、タイヤ負荷率計算手段18は、各輪1,2,3,4の路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段24と、スリップ率と摩擦係数との関係が複数の路面パターンとして設定された関係設定手段25とを有する。路面摩擦係数推定手段24は、前記関係設定手段25に設定された複数の路面パターンと、推定したスリップ率および摩擦係数とを比較することで複数の路面パターンから最も近似する路面パターンを選択し、路面パターン毎に設定された摩擦係数を各輪1,2,3,4における摩擦係数とする。
具体的には、路面摩擦係数推定手段24は、式(7)で求めたスリップ率と、式(6)で求めた摩擦係数から、現在車輪が走行している路面が、複数の路面パターンにおけるいずれの路面パターンで示す範囲に入るか判定する。関係設定手段25には、各路面パターン毎の路面摩擦係数が図5の表のように登録されている。したがって、路面摩擦係数推定手段25は、推定したスリップ率と摩擦係数の関係から現在の路面パターンを選択し、この路面パターンを関係設定手段25に照らして路面摩擦係数を選択する。タイヤ負荷率計算手段18は、この選択された路面摩擦係数をタイヤ負荷率の計算に使用する。前記関係設定手段25に登録する路面摩擦係数は、タイヤ負荷率の計算結果が過少とならないよう、各路面パターンにおける路面摩擦係数の平均値よりも低い値を設定したほうが良い。
次に、車両走行中に路面状況が変化し、推定される路面パターンが変わる場合について説明する。
例えば、路面摩擦係数が高い路面パターンから低い路面パターンに変わる場合、タイヤ負荷率の計算に使用する路面摩擦係数を直ちに変更したほうが良い。しかしながら、路面摩擦係数が低い路面パターンから高い路面パターンに変わる場合には、タイヤ負荷率の計算に使用する路面摩擦係数は、ある一定時間以上、路面摩擦係数が高い路面パターンとして判定された後に変更したほうが良い。
そこで路面摩擦係数推定手段24は、現在選択されている路面パターンとは別の路面パターンが、定められた閾値以上の時間連続して識別されたとき路面状態が変化したと判断し、現在の路面パターンに対して設定された路面摩擦係数を、前記別の路面パターンに対して設定された路面摩擦係数に変更する。この場合において、路面摩擦係数推定手段24は、路面摩擦係数が低い路面パターンから高い路面パターンに変わる場合よりも、路面摩擦係数が高い路面パターンから低い路面パターンに変わる場合の方が、前記閾値が小さい。路面パターンの変化に応じて、閾値を変化させることで、路面状態の変化を的確に判断して、より走行安定性の高い制御を実施することができる。
このように路面パターンを代表的な路面パターン毎に区分することで、ある路面パターンとして判定されている間は、一定の路面摩擦係数を使用することができる。そのため、測定データのノイズ等の影響によって、路面摩擦係数の推定値がばらつくことが避けられるので、制御が振動的になる等の問題を回避することができる。
次に、式(4)で示されるタイヤ負荷率を4輪で均等化するための方法として、以下にその一例を示す。
評価関数Jを次の式(8)のように定める。式(8)の右辺は各輪のタイヤ負荷率の自乗和を示している。
Figure 2015033291
ここで求めた横力Yを発生するために必要な舵角δは、ブラッシュモデル等のタイヤモデルから計算される。これらの計算を逐次実行し、求められる各輪の制駆動力Xと舵角δを用いて車両を制御することで、路面摩擦係数の変化に対応しつつタイヤ負荷率を均等化することができる。
作用効果について説明する。
タイヤ負荷率計算手段18は、車両の走行時において、検出されるアクセル操作量およびブレーキ操作量と、車両の前後方向の加速度および横方向の加速度とから、各輪1,2,3,4における垂直方向荷重および制駆動力をそれぞれ求める。タイヤ負荷率計算手段18は、さらに検出される操舵角および垂直方向荷重から横力を求めて、タイヤ負荷率を計算する。
相互差均等化制御手段23は、計算される各輪1,2,3,4のタイヤ負荷率の相互差が小さくなるように各輪1,2,3,4における制駆動力を制御する。例えば、各輪1,2,3,4の制駆動力Xと横力Yを調整することで、各輪1,2,3,4のタイヤ負荷率の相互差を小さくする。具体的には、複数の車輪1,2,3,4のうち1つの車輪のみが路面摩擦係数の小さな路面上に進入すると、この1つの車輪の摩擦円の半径μZが小さくなる。この小さくなった摩擦円の半径μZに対して、前記車輪の制駆動力Xと横力Yとの合力を原則小さくする。従来例のように全車輪のタイヤ負荷率の増大を判断するのではなく、本実施形態では、各輪1,2,3,4のタイヤ負荷率の相対的な差をみて各トルク付与手段5の制駆動力および転舵角を制御するため、全車輪1,2,3,4のうち一部の車輪のみが路面摩擦係数の小さな路面上を走行する条件でも、他の車輪のタイヤ負荷率に応じて一部の車輪の合力を調整することで、車両の走行安定性を確保することができる。
路面摩擦係数推定手段24は、各車輪1,2,3,4における路面摩擦係数を推定したうえで、この路面摩擦係数を用いて、各車輪1,2,3,4における制駆動力および転舵角が決定されるため、各車輪毎に制駆動力および転舵角を木目細かく決定することができる。
路面摩擦係数推定手段24は、関係設定手段25に設定された複数の路面パターンと、推定したスリップ率および摩擦係数とを比較することで前記複数の路面パターンから最も近似する路面パターンを選択し、路面パターン毎に設定された摩擦係数を各車輪1,2,3,4における摩擦係数とする。この場合、車両の走行時において、関係設定手段25に照らして選択された路面パターンから、時々刻々と変化し得る路面摩擦係数を精度良く定めることができる。したがって、路面摩擦係数の推定誤差の影響を少なくし、安定した制御を行うことができる。
なお前輪または後輪のいずれか一方が駆動される2輪駆動の車両に、本車両制御装置を適用しても良い。またインホイールモータを搭載した車両への適用に限ったものではなく、各輪の制駆動力を独立に制御できる車両であれば良い。例えば、一つの動力源から各輪に駆動力を任意の比率で配分できる駆動システムと、4輪の制動力を独立に制御できる制動システムを搭載した車両であっても良い。
1,2,3,4…車輪
5…トルク付与手段
5a…電気モータ
7…車両
9a…転舵機構
11…操舵手段
11a…操舵角度検出手段
14a…アクセル量検出手段
15a…ブレーキ量検出手段
16…加速度検出手段
18…タイヤ負荷率計算手段
21…車速検出手段
23…相互差均等化制御手段
24…路面摩擦係数推定手段
25…関係設定手段

Claims (8)

  1. 車両に支持された複数の駆動輪に与える制駆動力を独立して制御する車両制御装置であって、
    前記駆動輪の駆動トルクおよび制動トルクを、各駆動輪毎に独立して制御可能な複数のトルク付与手段と、
    前記車両の前後方向および横方向の加速度を検出する加速度検出手段と、
    前記車両の速度を検出する車速検出手段と、
    車輪の操舵角を検出する操舵角度検出手段と、
    アクセル操作量およびブレーキ操作量をそれぞれ検出するアクセル量検出手段およびブレーキ量検出手段と、
    を備え、
    前記アクセル量検出手段およびブレーキ量検出手段で検出されるアクセル操作量およびブレーキ操作量と、前記加速度検出手段で検出される前記車両の前後方向の加速度および横方向の加速度とから、各駆動輪における垂直方向荷重および制駆動力をそれぞれ求め、
    前記操舵角度検出手段で検出される操舵角および前記垂直方向荷重から横力を求め、
    各駆動輪における路面との摩擦係数と前記垂直方向荷重との積に対する、前記各駆動輪における前記制駆動力と前記横力の合力の比であるタイヤ負荷率を計算するタイヤ負荷率計算手段と、
    このタイヤ負荷率計算手段で計算される各駆動輪のタイヤ負荷率の相互差が小さくなるように各駆動輪における前記トルク付与手段の制駆動力を制御する相互差均等化制御手段と、
    を設けたことを特徴とする車両制御装置。
  2. 請求項1記載の車両制御装置において、前記車両は、運転者の操舵する操舵手段とは機械的に独立した転舵が可能な転舵機構を有し、前記相互差均等化制御手段は、前記各駆動輪のタイヤ負荷率の相互差が小さくなるように各駆動輪における制駆動力または転舵角を決定する車両制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両制御装置において、前記タイヤ負荷率計算手段は、各駆動輪における駆動輪と路面との前記摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段を備え、この路面摩擦係数推定手段で推定される摩擦係数を用いて、各駆動輪における制駆動力および転舵角を決定する車両制御装置。
  4. 請求項3記載の車両制御装置において、スリップ率と前記摩擦係数との関係が複数のパターンとして設定された関係設定手段を設け、前記路面摩擦係数推定手段は、前記関係設定手段に設定された複数のパターンと、推定したスリップ率および摩擦係数とを比較することで前記複数のパターンから最も近似するパターンを選択し、パターン毎に設定された摩擦係数を各駆動輪における摩擦係数とする車両制御装置。
  5. 請求項4記載の車両制御装置において、前記路面摩擦係数推定手段は、前記各パターンの摩擦係数として決定する値を、前記各パターンにおける摩擦係数の平均値よりも小さい値とした車両制御装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の車両制御装置において、前記路面摩擦係数推定手段は、現在選択されている前記パターンとは別のパターンが、定められた閾値以上の時間連続して識別されたとき路面状態が変化したと判断し、現在のパターンに対して設定された摩擦係数を、前記別のパターンに対して設定された摩擦係数に変更する車両制御装置。
  7. 請求項6記載の車両制御装置において、前記路面摩擦係数推定手段は、摩擦係数が低い路面のパターンから高い路面のパターンに変わる場合よりも、摩擦係数が高い路面のパターンから低い路面のパターンに変わる場合の方が、前記閾値が小さい車両制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両制御装置において、前記トルク付与手段の前記駆動源が電気モータである車両制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105599739A (zh) * 2016-02-02 2016-05-25 北京汽车研究总院有限公司 一种汽车爆胎处理系统
WO2024075260A1 (ja) * 2022-10-06 2024-04-11 日産自動車株式会社 車両駆動力制御方法及び車両駆動力制御装置

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