JP2015220726A - Pll回路 - Google Patents
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Abstract
Description
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るPLL回路の構成を示すブロック図である。
PLL回路は、図1に示すように、基準クロック信号入力端子1、位相比較器2、電圧分周値変換器3、VCO用クロック発振器4、VCO5、クロック分周器6及びクロック信号出力端子7から構成されている。なおPLL回路は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行される。
図2に示すように、VCO5の電圧対周波数特性は、階段状波形となる。そして、VCO5の出力クロック信号fvの基準周波数foからの周波数変化量gが入力電圧vの関数g(v)となるとすると、図2に示す特性から、下式(1)を満たすとき関数g(v)は下式(2)となる。
Eh>|VH−Vn|≧El,Eh>|VL−Vn|≧El,Eh>E≧El (1)
g(VH−Vn)=−g(VL−Vn)=df (2)
なお、Eh,El,Eは正の定数である。
El>K≧0 (3)
g(Vn±K)=0 (4)
なお、Kは定数である。
df=G (5)
なお、Gは定数である。
fv(バー)=fo=N×fr (8)
fr=fp(バー) (9)
なお、fv(バー)は基準クロック信号frの1周期分での基準クロック信号frの平均値を表し、fp(バー)は基準クロック信号frの1周期分での比較クロック信号fpの平均値を表す。また、Nは自然数を含む1以上の仮分数である。
PLL回路の動作では、図3に示すように、まず、位相比較器2は、基準クロック信号入力端子1からの基準クロック信号frと、クロック分周器6からの比較クロック信号fpとの位相比較を、基準クロック信号frの周期毎に行う。そして、位相比較器2は、その位相差に応じて、HレベルVHとLレベルVLの2値を持つ矩形波信号を位相差信号v(t)として生成する(ステップST1)。この位相差信号v(t)は、HレベルVHの時間幅とLレベルVLの時間幅との差が、位相差に比例している。この位相比較器2により生成された位相差信号v(t)は電圧分周値変換器3に出力される。
この図4に示すように、HレベルVHは基準電圧レベルVnより高い電位であり、LレベルVLは基準電圧レベルVnより低い電位であり、下式(10)の関係を満たしている。
VH>Vn>VL (10)
また、HレベルVH及びLレベルVLは、各々と基準電圧レベルVnとの差の絶対値について、式(1)の関係を満たしている。
電圧分周値変換器3では、図5に示すように、まず、基準クロック信号frの入力に伴い自身の動作を初期化し、出力する制御信号Pを分周値αに設定する(RESET)。なお、この初期化は、基準クロック信号frの周期毎に実行される。そのため、電圧分周値変換器3の動作は、基準クロック信号frの1周期分での動きを考えればよい。
Vn−El>VL>Vn−Eh (11)
β>1>α>0 (12)
また、電圧分周値変換器3による変換プロセスは、どのような場合でも同じにするのではなく、位相比較器2の種類によって使い分けられる。すなわち、位相比較器2からの位相差信号v(t)の出力電圧に対する分周値α,βの値は、位相比較器2の種類によって変更される。
電圧分周値変換器3では、図6に示すように、VCO用クロック発振器4からの基本動作クロック信号faをM×PカウンタでM×P分周し、出力クロック信号fvとして出力する。ここで、Pは電圧分周値変換器3からの制御信号P(Pの値はα又はβ)であり、Mは自然数を含む1より大きい仮分数である。
時刻t=0における基準クロック信号frと比較クロック信号fpとの位相差をθoとすると、時刻t>0における位相差ψ(t)は下式(16)で与えられる。
ここで、基準クロック信号frの周期をTとする(即ち、T=1/fr)。
なお、U(t)はステップ関数であり、下式(18)で表される。
この条件下で充分な時間が経過したときの位相差収束値は下式(26)となる。なお、負極性は位相遅れを示す。
また、位相比較器2の出力電圧が変動した場合でも、一定範囲内の変動に対してはVCO5の出力周波数が変動することはない。また、これにより数式モデルによる設計値との差異は僅少にでき、且つ、出力変動を考慮した複雑な数式モデルの必要がなくなり、設計コストを低減できる。
また、位相比較器2による信号出力からVCO5による信号出力までに経過する遅延時間は、アナログ構成されたVCOの応答遅延に比較すると、殆ど無視できる値となる。そのため、PLL回路の製造バラツキが抑えられ、数式モデルによる設計値との差異が低減できる。
また、使用する位相比較器2及び電圧分周値変換器3に合わせて最適な数式モデルを新規構築したので、システムとしての安定性やシステムパラメータを設計することができる。
図8はこの発明の実施の形態2に係るPLL回路の構成を示すブロック図である。この図8に示す実施の形態2に係るPLL回路は、図1に示す実施の形態1に係るPLL回路の位相比較器2及び電圧分周値変換器3を位相比較器2b及び電圧分周値変換器3bに変換したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
すなわち、位相比較器2bは、定常状態に達した場合に、その出力の基準クロック信号frの1周期分の時間積分が0となる特性を持っていればよい。この位相比較器2bとしては、一般に位相周波数比較器と呼ばれる位相比較器が使用でき、以下これを用いた場合を例に説明を行う。
また、位相比較器2bの動作としては、例えば、比較クロック信号fpが基準クロック信号frよりθだけ位相が進んでいるのを検出した場合、また、比較クロック信号fpが基準クロック信号frよりθだけ位相が遅れているのを検出した場合、その検出信号波形は図9となる。ここで、基準電圧レベルVnの位置を基準線として、検出信号波形のHレベルVH部分とLレベルVL部分を見たとき、図2に示す特性から、図10に示すように、HレベルVH部分は位相を進める要素となり、LレベルVL部分は位相を遅らせる要素となる。
電圧分周値変換器3bでは、図11に示すように、まず、基準クロック信号frの入力に伴い自身の動作を初期化し、出力する制御信号Pを1に設定する(RESET)。なお、この初期化は、基準クロック信号frの周期毎に実行される。そのため、電圧分周値変換器3bの動作は、基準クロック信号frの1周期分での動きを考えればよい。
Vn+Eh>VH>Vn+El (27)
の範囲を持つ値である。
この条件下で充分な時間が経過したときの位相差収束値は下式(30)となる。なお、負極性は位相遅れを示す。
また、位相比較器2bとしては、定常状態に達した場合にその出力の基準クロック信号frの1周期分の時間積分が0となる特性を持った、位相比較器の中で最も低コストな位相比較器を用いることが可能となる。
Claims (6)
- 基準電圧レベルより高い電圧範囲に属する高電圧レベル及び当該基準電圧レベルより低い電圧範囲に属する低電圧レベルから成り、当該高電圧レベル及び当該低電圧レベルの時間幅の差が基準クロック信号と比較クロック信号との位相差に比例した矩形波信号を生成する位相比較器と、
前記位相比較器により生成された矩形波信号を電圧範囲に応じた分周値に変換する電圧分周値変換器と、
前記電圧分周値変換器により変換された分周値に応じた周波数の出力クロック信号を生成するデジタル構成されたVCOと、
前記VCOにより生成された出力クロック信号を分周して前記比較クロック信号を生成するクロック分周器と
を備えたPLL回路。 - 前記電圧分周値変換器は、前記矩形波信号のうち、前記基準電圧レベルより低い電圧範囲の信号を基準値より高い分周値に変換し、それ以外の電圧範囲の信号を当該基準値より低い分周値に変換する
ことを特徴とする請求項1記載のPLL回路。 - 前記位相比較器及び前記電圧分周値変換器に応じて、前記VCO及び前記クロック分周器における分周量を設計する数式モデルを用いた
ことを特徴とする請求項1記載のPLL回路。 - 基準電圧レベル、当該基準電圧レベルより高い電圧範囲に属する高電圧レベル及び当該基準電圧レベルより低い電圧範囲に属する低電圧レベルから成り、当該高電圧レベル及び当該低電圧レベルの時間幅がそれぞれ基準クロック信号と比較クロック信号との位相差に比例した矩形波信号を生成する位相比較器と、
前記位相比較器により生成された矩形波信号を電圧範囲に応じた分周値に変換する電圧分周値変換器と、
前記電圧分周値変換器により変換された分周値に応じた周波数の出力クロック信号を生成するデジタル構成されたVCOと、
前記VCOにより生成された出力クロック信号を分周して前記比較クロック信号を生成するクロック分周器と
を備えたPLL回路。 - 前記電圧分周値変換器は、前記矩形波信号のうち、前記基準電圧レベルより低い電圧範囲の信号を基準値より高い分周値に変換し、当該基準電圧レベルより高い電圧範囲の信号を当該基準値より低い分周値に変換し、それ以外の電圧範囲の信号を当該基準値の分周値に変換する
ことを特徴とする請求項4記載のPLL回路。 - 前記位相比較器及び前記電圧分周値変換器に応じて、前記VCO及び前記クロック分周器における分周量を設計する数式モデルを用いた
ことを特徴とする請求項4記載のPLL回路。
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CN111837339A (zh) * | 2018-08-28 | 2020-10-27 | 华为技术有限公司 | 锁相环电路以及应用锁相环电路的设备 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001177407A (ja) * | 1999-10-26 | 2001-06-29 | Lucent Technol Inc | デジタル制御の周波数増倍発振器を備えた位相同期ループ |
JP2004040227A (ja) * | 2002-06-28 | 2004-02-05 | Mitsubishi Electric Corp | Pll回路およびその設計方法 |
WO2005112265A1 (ja) * | 2004-05-17 | 2005-11-24 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | フェイズ・ロックド・ループ(pll)回路及びその位相同期方法及びその動作解析方法 |
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