JPWO2010016301A1 - 位相比較器、pll回路およびdll回路 - Google Patents

位相比較器、pll回路およびdll回路 Download PDF

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Abstract

消費電力および回路面積の増加を抑制しながら、位相差を判別することができないという問題を解決する位相比較器を提供する。可変遅延回路3は、信号φ2の位相を調整して、遅延信号φ2’を生成する。バイナリ型位相比較器4は、信号φ1の位相と遅延信号φ2’の位相との前後関係を判別し、その前後関係を示す判別結果を出力する。制御ロジック回路9は、その判別結果に基づいて、可変遅延回路3の遅延量を調節し、その調節した遅延量に応じて、その判別結果に付与する重み値を決定する。重み付け回路は、その判別結果にその決定された重み値を付与する。出力部は、重み付け回路が重み値を付与した判別結果を、信号φ1の位相と信号φ2の位相との前後関係と、信号φ1およびφ2の位相差とを示す誤差信号として出力する。

Description

本発明は、デジタル型の位相比較器、PLL回路およびDLL回路に関し、特には、二つの入力信号の位相差を判別するデジタル型の位相比較器、PLL回路およびDLL回路に関する。
位相固定ループ回路(Phase-Locked Loop:PLL)、遅延固定ループ回路(Delay-Locked Loop:DLL)およびクロックデータ再生回路(Clock and Data Recovery:CDR)などのクロック生成回路は、位相比較器を有している。このようなクロック生成回路では、この位相比較器から出力された信号に基づいて、フィードバック制御を行うことで、クロック信号を参照信号に同期させることができる。
位相比較器は、2つの入力信号の位相の前後関係(位相の進みまたは遅れ)や、その2つの入力信号の位相差(位相の進みまたは遅れの大きさ)を判別する。なお、位相比較器は、クロック生成回路に用いられる場合、クロック生成回路が生成したクロック信号と、参照信号(参照クロック信号または参照データ信号)の位相の前後関係や位相差を判別する。
このような位相比較器には、アナログ型とデジタル型がある。なお、アナログ型位相比較器は、アナログ型クロック生成回路で用いられ、デジタル型位相比較器は、デジタル型クロック生成回路で用いられる。
アナログ型位相比較器は、2つの入力信号の位相差を、電圧、電流またはパルス幅などの物理量で出力する。また、アナログ型位相比較器を用いるアナログ型のクロック生成回路では、チャージポンプ回路、フィルタ回路および発振器がアナログ回路で構成される。これらのアナログ回路では、設計、微細化、および、フィードバック制御のためのループパラメータの変更などが困難である。このため、近年では、デジタル型クロック生成回路が多く用いられており、これに伴い、デジタル型位相比較器の需要も多くなっている。
以下では、デジタル型位相比較器について説明する。
デジタル型位相比較器は、2つの入力信号の位相の前後関係だけを判別可能なバイナリ型と、2つの入力信号の位相の前後関係だけでなく、その位相差を判別可能な多ビット型がある。なお、バイナリ型位相比較器は、2つの信号の位相の前後関係を示す2ビットのデジタル信号を出力する。また、多ビット型位相比較器は、2つの信号の位相差を示す複数ビットのデジタル信号を出力する。
バイナリ型位相比較器がPLL回路などに用いられると、クロック信号と参照信号との位相差が検出できないため、クロック生成回路における、2つの入力信号の位相差を0に収束させるフィードバックループの利得が一定にならないという問題があった。つまり、フィードバックループでは、位相差の大きさに応じてフィードバック量を変えることができないため、位相差が大きくても小さくても、フィードバック量が一定になるという問題があった。
より具体的には、位相差が大きい場合には、フィードバックループの利得が低くなり、位相差が小さい場合には、フィードバックループの利得が高くなる。したがって、位相差が大きい場合には、利得が低いために、フィードバックループにおける位相差の収束が遅くなり、位相差が小さい場合には、利得が高いために、フィードバックループの安定性が確保されず、クロック信号にジッタが発生するなどの問題が生じる。
したがって、クロック生成回路には、多ビット型位相比較器が用いられることが望ましい。
しかしながら、多ビット型位相比較器を用いて、位相差をN段階の分解能で判別するためには、少なくともN個のフリップフロップ回路と、N個の遅延回路と、Nビットのサーモメータコードをlog2Nビットのバイナリコードに変換するエンコーダとが必要となる。
このため、位相比較器内の回路数が増加するので、位相比較器の消費電力および回路面積が増加する。したがって、クロック生成回路の消費電力および回路面積も増加するという問題があった。特に、位相差のダイナミックレンジを広く確保することと、位相差の分解能を細かくすることの両方を行う場合、Nが非常に大きくなるので、クロック生成回路の消費電力および回路面積が非常に大きくなる。
特許文献1には、クロック生成回路の消費電力および回路面積の増加を抑制することが可能なタイミング調整器が記載されている。このタイミング調整回路は、遅延調整回路と、3個のラッチ回路を含み、以下のように動作する。
遅延調整回路は、タイミング信号を遅延して第一のクロック信号を生成する。
また、第一のラッチ回路は、第一クロック信号に基づいてデータ信号をラッチする。第二のラッチ回路は、第一のクロック信号が第一の遅延時間だけ遅延された第二のクロック信号に基づいて、データ信号をラッチする。第三のラッチ回路は、第一のクロック信号が第一の遅延時間より長い第二の遅延時間だけ遅延された第三のクロック信号に基づいて、データ信号をラッチする。
また、タイミング調整回路は、第一ないし第三のラッチ回路から出力される信号が全て等しくなるように、遅延調整回路によるタイミング信号の遅延時間を調整する。
これにより、タイミング信号とデータ信号の位相差が小さくなる。
このタイミング調整器を、クロック生成回路のバイナリ型位相比較器の前段に設ければ、クロック信号と参照信号との位相差が小さくなるので、一定のフィードバック量でも、フィードバックループの収束が遅くなるという問題や、フィードバックループの安定性が確保されないなどの問題を解決することができる。また、回路数も抑制できるので、クロック生成回路の消費電力および回路面積を抑制することが可能になる。
特開2007−202033号公報
特許文献1に記載のタイミング調整回路は、消費電力および回路面積の増加を抑制しながら、二つの信号のタイミングを調整することはできるが、位相差を判別することができないという問題があった。このため、例えば、クロック生成回路では、このタイミング調整回路とは別に、位相比較器を用いる必要があった。このため、装置構成が複雑になったり、タイミングの調整が終了するまで、フィードバックループの安定性が確保されなかったりする。
本発明の目的は、上記の課題である、消費電力および回路面積の増加を抑制しながら、位相差を判別することができないという問題を解決する位相比較器、PLL回路およびDLL回路を提供することである。
本発明による位相比較器は、第一入力信号が入力される第一入力手段と、第二入力信号が入力される第二入力手段と、前記第二入力手段に入力された第二入力信号の位相を調整して、調整入力信号を生成する調整手段と、前記第一入力手段に入力された第一入力信号の位相と、前記調整手段が生成した調整入力信号の位相との前後関係を判別し、該前後関係を示す判別結果を出力する判別手段と、前記判別手段から出力された判別結果が示す前後関係が変化するように、前記調整手段の調整量を調節していき、該調節した調整量に応じて、前記判別結果に付与する重み値を決定する制御手段と、前記判別手段から出力された判別結果に前記制御手段が決定した重み値を付与する重み付け手段と、前記重み付け手段が前記重み値を付与した判別結果を、前記第一入力信号の位相と前記第二入力信号の位相との前後関係と、前記第一入力信号および前記第二入力信号の位相差とを示す誤差信号として出力する出力手段と、を含む。
また、本発明によるPLL回路は、前記位相比較器から出力された誤差信号を平滑化するフィルタ手段と、前記フィルタ手段が平滑化した誤差信号に応じた周波数で発振し、該発振した周波数の信号を前記第一入力信号または前記第二入力信号として前記位相比較器に入力する発振手段と、を含む。
また、本発明によるDLL回路は、前記位相比較器と、クロック信号が入力されるクロック入力手段と、前記位相比較器から出力された誤差信号を平滑化するフィルタ手段と、前記フィルタ手段が平滑化した誤差信号に応じて、前記クロック入力手段に入力されたクロック信号を遅延し、該遅延したクロック信号を前記第一の入力信号または前記第二入力信号として前記位相比較器に入力する制御遅延手段と、を含む。
本発明によれば、消費電力および回路面積の増加を抑制しながら、位相差を判別することが可能になる。
本発明の第一の実施形態の位相比較器の構成を示した回路図である。 バイナリ型位相比較器の構成例を示した回路図である。 バイナリ型位相比較器の動作例を示した説明図である。 位相比較器の動作例を示した説明図である。 バイナリ型位相比較器単体の動作と、本発明の第一の実施形態の位相比較器の動作とを比較するための説明図である。 本発明の第二の実施形態の位相比較器の構成を示した回路図である。 位相比較器の他の動作例を示した説明図である。 本発明の第二の実施形態の位相比較器の他の構成を示した回路図である。 本発明の第三の実施形態の位相比較器の構成を示した回路図である。 バイナリ型位相比較器の他の構成例を示した回路図である。 バイナリ型位相比較器の他の動作例を示した説明図である。 本発明の第三の実施形態の位相比較器のより詳細な構成を示した回路図である。 本発明の第三の実施形態の位相比較器の他の構成を示した回路図である。 本発明の第三の実施形態の位相比較器の他の構成を示した回路図である。 本発明の第四の実施形態の位相比較器の他の構成を示した回路図である。 多ビット型位相比較器の構成例を示した回路図である。 多ビット型位相比較器の動作例を示した説明図である。 本発明の第四の実施形態の位相比較器のより詳細な構成を示した回路図である。 本発明の第五の実施形態の位相比較器の構成を示した回路図である。 本発明の第五の実施形態の位相比較器の動作例を示した説明図である。 本発明の第五の実施形態の位相比較器のより詳細な構成を示した回路図である。 本発明の第六の実施形態の位相比較器の構成を示した回路図である。 信号変換回路の構成例を示した回路図である。 信号変換回路の他の構成例を示した回路図である。 信号変換回路の動作例を示した回路図である。 可変遅延回路の構成例を示した回路図である。 制御ロジック回路の構成例を示した回路図である。 制御ロジック回路の動作例を説明するためのフローチャートである。 図20で示した制御ロジック回路が用いられた位相比較器の動作例を示した説明図である。 本発明の第十の実施形態の位相比較器の構成例を示した回路図である。 本発明の第十の実施形態の位相比較器の動作例を示した説明図である。 本発明の第十の実施形態の位相比較器の動作例を説明するためのフローチャートである。 本発明の第十の実施形態の位相比較器の動作例を示した説明図である。 本発明の第十一の実施形態の位相比較器の動作を示した説明図である。 本発明の第十一の実施形態の位相比較器の動作を示した説明図である。 本発明の第十一の実施形態の位相比較器の動作を示した説明図である。 本発明の第十二の実施形態のPLL回路の構成を示したブロック図である。 本発明の第十三の実施形態のDLL回路の構成を示したブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同じ機能を有する構成には同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の第一の実施形態の位相比較器の構成を示した回路図である。図1において、位相比較器は、入力端子1および2と、可変遅延回路3と、バイナリ型位相比較器4と、乗算器5および6を有する重み付け回路と、出力端子7および8を有する出力部と、制御ロジック回路9とを含む。
入力端子1には、信号φ1が入力され、その入力された信号φ1が出力される。入力端子2には、信号φ2が入力され、その入力された信号φ2が出力される。信号φ1およびφ2は、クロック信号である。
なお、入力端子1は、第一入力手段の一例であり、信号φ1は、第一入力信号の一例である。また、入力端子2は、第二入力手段の一例であり、信号φ2は、第二入力信号の一例である。
可変遅延回路3は、調整手段の一例である。可変遅延回路3の入力端子には、入力端子2が接続され、信号φ2が入力される。また、可変遅延回路3の制御端子には、制御ロジック回路9から、遅延制御信号DLYが入力される。遅延制御信号DLYの値は、可変遅延回路3の遅延量を示す。なお、遅延制御信号DLYは、複数ビットの信号である。また、遅延量は、調整量の一例である。遅延量は、正の値でもよいし、0でもよいし、負の値でもよい。
可変遅延回路3は、信号φ2を遅延制御信号DLYが示す遅延量だけ遅延させることで、信号φ2の位相を調整して、遅延信号φ2’を生成する。具体的には、可変遅延回路3は、遅延量が正の場合、信号φ2の位相をその遅延量だけ遅らせ、遅延量が負の場合、信号φ2の位相をその遅延量の絶対値だけ進ませる。なお、遅延信号φ2’は、調整入力信号の一例である。
可変遅延回路3は、その生成した遅延信号φ2’を自己の出力端子から出力する。
バイナリ型位相比較器4は、判別手段の一例である。バイナリ型位相比較器4の第一の入力端子には、入力端子1が接続され、信号φ1が入力される。また、バイナリ型位相比較器4の第二の入力端子には、可変遅延回路3の出力端子が接続され、遅延信号φ2’が入力される。
バイナリ型位相比較器4は、その入力された信号φ1の位相と遅延信号φ2’の位相とを比較して、信号φ1の位相と遅延信号φ2’の位相との前後関係を判別する。具体的には、バイナリ型位相比較器4は、信号φ1のエッジのタイミングと、遅延信号φ2’のエッジのタイミングとの前後関係を比較し、それらのタイミングの前後関係を、信号φ1の位相と遅延信号φ2’の位相との前後関係として判別する。
バイナリ型位相比較器4は、その位相の前後関係を示す判別結果をEarly信号およびLate信号として出力する。具体的には、バイナリ型位相比較器4は、Early信号を自己の第一の出力端子から出力し、Late信号を自己の第二の出力端子から出力する。なお、Early信号およびLate信号のそれぞれは、1ビットのバイナリ値である。
ここで、HレベルのEarly信号が、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より進んでいることを示し、HレベルのLate信号が、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より遅れていることを示す。
図2Aは、バイナリ型位相比較器4の構成例を示した回路図である。図2Aにおいて、バイナリ型位相比較器4は、入力端子4aおよび4bと、フリップフロップ回路4cおよび4dと、出力端子4eおよび4fとを含む。
入力端子4aには、信号φ1が入力され、その入力された信号φ1が出力される。入力端子4bには、遅延信号φ2’が入力され、その入力された遅延信号φ2’が出力される。
フリップフロップ回路4cのD入力端子には、入力端子4aが接続され、信号φ1が入力される。また、フリップフロップ回路4cのCK入力端子には、入力端子4bが接続され、遅延信号φ2’が入力される。フリップフロップ回路4cは、その入力された信号φ1を、その入力された遅延信号φ2’のエッジのタイミングで保持し、その保持した信号φ1をEarly信号として自己のQ端子から出力する。なお、エッジは、立ち上がりエッジでもよいし、立ち下がりエッジでもよい。以下では、エッジは、全て立ち上がりエッジとする。
また、フリップフロップ回路4dのD入力端子には、入力端子4bが接続され、遅延信号φ2’が入力される。また、フリップフロップ回路4dのCK入力端子には、入力端子4aが接続され、信号φ1が入力される。フリップフロップ回路4dは、遅延信号φ2’を信号φ1のエッジのタイミングで保持し、その保持した遅延信号φ2’をLate信号として自己のQ端子から出力する。
出力端子4eには、フリップフロップ回路4cのQ端子が接続され、Early信号が入力される。出力端子4eは、その入力されたEarly信号を出力する。
出力端子4fには、フリップフロップ回路4dのQ端子が接続され、Late信号が入力される。出力端子4fは、その入力されたLate信号を出力する。
これにより、図2Bで示すように、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より遅れている場合、Late信号がHレベルになり、Early信号がLレベルになる。また、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より進んでいる場合、Late信号がLレベルになり、Early信号がHレベルになる。
図1に戻る。乗算器5および6を有する重み付け回路は、バイナリ型位相比較器4から出力された判別結果に重み値を付与して、信号φ1の位相と信号φ2の位相との前後関係と、信号φ1およびφ2の位相差とを示す誤差信号を生成する。
乗算器5の入力端子には、バイナリ型位相比較器4の第一の出力端子が接続され、Early信号が入力される。また、乗算器5の制御端子には、制御ロジック回路9から重み付け制御信号MEが入力される。
乗算器5は、その入力されたEarly信号に、その入力された重み付け制御信号MEの値を重み値として乗算して、Early’信号を生成する。乗算器5は、その生成したEarly’信号を自己の出力端子から出力する。
乗算器6の入力端子には、バイナリ型位相比較器4の第二の出力端子が接続され、Late信号が入力される。また、乗算器6の制御端子には、制御ロジック回路9から重み付け制御信号MLが入力される。
乗算器6は、その入力されたLate信号に、その入力された重み付け制御信号MLの値を重み値として乗算して、Late’信号を生成する。乗算器5は、その生成したLate’信号を自己の出力端子から出力する。
Early’信号およびLate’信号が誤差信号となる。また、Early’信号またはLate’信号の値が、信号φ1およびφ2の位相差を示す。重み付け制御信号MEおよびMLは、複数ビットの信号である。したがって、誤差信号も複数ビットの信号である。
なお、重み付け回路は、Early信号およびLate信号に重み値を乗算していたが、Early信号およびLate信号に重み値を付与する方法は、乗算に限らず適宜変更可能である。例えば、重み付け回路は、算術積や算術加算などを行う算術回路や、論理積(AND)回路、否定論理積(NAND)回路、論理和(OR)回路および否定論理和(NOR)回路などの論理回路のうち少なくともいずれか一つを含み、その重み付け回路に含まれる回路を使用して、判別結果に重み値を付与する。
出力端子7および8を有する出力部は、重み付け回路から出力された誤差信号を出力する。具体的には、出力端子7には、乗算器5の出力端子が接続され、Early信号が入力される。出力端子7は、その入力されたEarly信号を出力する。また、出力端子8には、乗算器6の出力端子が接続され、Late信号が入力される。出力端子8は、その入力されたLate信号を出力する。
制御ロジック回路9は、制御手段の一例である。制御ロジック回路9は、遅延制御信号DLYを可変遅延回路3の制御端子に入力する。また、制御ロジック回路9は、重み付け制御信号MEを乗算器5の制御端子に入力し、重み付け制御信号MLを乗算器6の制御端子に入力する。
また、制御ロジック回路9には、Early信号およびLate信号が入力される。制御ロジック回路9は、そのEarly信号およびLate信号に基づいて、遅延制御信号DLYが示す遅延量を調節する。
具体的には、制御ロジック回路9は、遅延量を、Early信号およびLate信号が示す前後関係が変化するような値に調節する。このとき、信号φ1と遅延信号φ2’の位相が最も近づくので、そのときの遅延量が、信号φ1およびφ2の位相差を表わすためである。
例えば、Early信号がHレベルの場合、制御ロジック回路9は、遅延量を、Early信号がLレベルに変化するまで徐々に小さくしていく。また、Late信号がHレベルの場合、制御ロジック回路9は、遅延量を、Late信号がLレベルに変化するまで、徐々に大きくしていく。
また、制御ロジック回路9は、遅延制御信号DLYが示す遅延量に応じて、重み付け制御信号MEおよびMLの値を調節する。これにより、制御ロジック回路9は、遅延制御信号DLYが示す遅延量に応じて、重み付け回路が付与する重み値を調節することになる。
具体的には、遅延制御信号DLYが示す遅延量が正の場合、制御ロジック回路9は、その遅延量が大きいほど、重み付け制御信号MLの値を大きくしていく。また、制御ロジック回路9は、重み付け制御信号MEの値を0にする。
また、遅延制御信号DLYが示す遅延量が負または0の場合、制御ロジック回路9は、その遅延量の絶対値が大きいほど、重み付け制御信号MEの値を大きくしていく。また、制御ロジック回路9は、重み付け制御信号MLの値を0にする。
次に動作を説明する。
図3は、位相比較器の動作の一例を説明するための説明図である。なお、制御ロジック回路9は、遅延制御信号DLYが示す遅延量を0にした場合、重み付け制御信号MEおよびMLの値を1にするものとする。
また、制御ロジック回路9が遅延制御信号DLYの示す遅延量を正にした場合に、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より遅れていると、信号φ1の位相は、信号φ2の位相より大きく遅れていることになる。この場合、バイナリ型位相比較器4から出力されるLate信号がHレベルになる。
このとき、制御ロジック回路9は、重み付け制御信号MLの値を1より大きくして、Late’信号の値を大きくする。ここで、制御ロジック回路9は、遅延量が大きいほど、重み付け制御信号MLの値を大きくする。なお、制御ロジック回路9は、重み付け制御信号MEを0にする。
また、制御ロジック回路9が遅延制御信号DLYの示す遅延量を0より小さくした場合に、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より進んでいると、信号φ1の位相は、信号φ2の位相より大きく進んでいることになる。この場合、バイナリ型位相比較器4から出力されるEarly信号がHレベルになる。
このとき、制御ロジック回路9は、重み付け制御信号MEの値を1より大きくして、Early’信号の値を大きくする。ここで、制御ロジック回路9は、遅延量の絶対値が大きいほど、重み付け制御信号MEの値を大きくする。なお、制御ロジック回路9は、重み付け制御信号MLを0にする。
制御ロジック回路9がこのような制御を行うことで、Late’信号およびEarly’信号が、信号φ1の位相と信号φ2の位相と前後関係だけでなく、信号φ1およびφ2の位相差を示す多ビット信号になる。このため、位相比較器は、信号φ1とφ2の位相差を示す誤差信号を出力することが可能になる。
図4は、バイナリ型位相比較器4単体の動作と、図1で示した位相比較器との動作を比較するための説明図である。
バイナリ型位相比較器4単体では、信号φ1およびφ2の位相差の大きさに関わらず、Early信号およびLate信号は、LレベルまたはHレベルになる。
一方、図1で示した位相比較器では、可変遅延回路3の遅延量の絶対値が大きくなるほど、判別結果に付与される重み値が大きくなるので、信号φ1およびφ2の位相差が大きくなるほど、Early’信号またはLate’信号の値が大きくなる。したがって、Early’信号またはLate’の値が位相差を示すことになる。
次に効果を説明する。
本実施形態では、可変遅延回路3は、信号φ2の位相を調整して、遅延信号φ2’を生成する。バイナリ型位相比較器4は、信号φ1の位相と遅延信号φ2’の位相との前後関係を判別し、その前後関係を示す判別結果を出力する。制御ロジック回路9は、その判別結果が示す前後関係が変化するように、可変遅延回路3の遅延量を調節していき、その調節した遅延量に応じて、その判別結果に付与する重み値を決定する。重み付け回路は、その判別結果にその決定された重み値を付与する。出力部は、重み付け回路が重み値を付与した判別結果を、信号φ1の位相と信号φ2の位相との前後関係と、信号φ1およびφ2の位相差とを示す誤差信号として出力する。
この場合、可変遅延回路3の遅延量が、判別結果が示す前後関係が変化するように調節される。また、その遅延量に応じた重み値がその判別結果に付与される。この遅延量は、信号φ1およびφ2の位相差を表わすため、重み値が乗算された判別結果は、信号φ1およびφ2の位相差を示す。位相差をN段階の分解能で判別するためには、遅延量をN段階に調節すればよいので、N個のフリップフロップ回路やN個の遅延回路を設けなくてもよくなる。よって、回路数を抑制することが可能になるので、消費電力および回路面積を抑制することが可能になる。したがって、消費電力および回路面積の増加を抑制しながら、位相差を判別することが可能になる。
次に第二の実施形態について説明する。
図5Aは、本実施形態の位相比較器の構成を示した回路図である。図5Aにおいて、位相比較器は、図1で示した構成に加え、論理ゲート10および11を有する出力制御部をさらに含む。また、乗算器5および6の制御端子に入力される重み付け制御信号MEおよびMLには、共通の信号が用いられる。以下、この共通の信号を、重み付け制御信号Mと称する。
論理ゲート10の第一の入力端子には、乗算器5の出力端子が接続され、Early’信号が入力される。また、論理ゲート10の第二の入力端子には、制御ロジック回路9からイネーブル信号ENEが入力される。
論理ゲート10は、その入力されたイネーブル信号ENEのレベルが所定のレベルであると、Early’信号の値を0にする。なお、所定のレベルは、論理ゲート10の種類に応じて定められる。
論理ゲート11の第一の入力端子には、乗算器6の出力端子が接続され、Late’信号が入力される。また、論理ゲート11の第二の入力端子には、制御ロジック回路9からイネーブル信号ENLが入力される。
論理ゲート11は、その入力されたイネーブル信号ENLのレベルが特定のレベルであると、Late’信号の値を0にする。なお、特定のレベルは、論理ゲート11の種類に応じて定められる。
制御ロジック回路9は、本実施形態では、可変遅延回路3の遅延量の絶対値に応じて、重み付け信号Mの値を調整する。具体的には、制御ロジック回路9は、可変遅延回路3の遅延量の絶対値が大きいほど、重み付け信号Mの値を大きくする。
ここで、図5Bで示すように、可変遅延回路3が信号φ2の位相を遅らせている場合、つまり、遅延制御信号DLYの値が正の場合に、Early信号がHレベルになっても、信号φ1の位相が信号φ2の位相より進んでいるとは判別できない。
このとき、制御ロジック回路9は、出力端子7から出力されるEarly’信号の値が0になるように、論理ゲート10を制御する。具体的には、遅延制御信号DLYが正の値の場合にEarly信号がHレベルであると、制御ロジック回路9は、所定のレベルのイネーブル信号ENEを論理ゲート10に入力して、論理ゲート10にEarly’信号の値を0にさせる。例えば、論理ゲート10が論理積回路の場合、制御ロジック回路9は、Lレベルのイネーブル信号ENEを論理ゲート10に入力する。
また、可変遅延回路3が信号φ2の位相を進ませている場合、つまり、遅延制御信号DLYの値が負の場合に、Late信号がHレベルになっても、信号φ1の位相が信号φ2の位相より遅れているとは判別できない。
このとき、制御ロジック回路9は、出力端子8から出力されるLate’信号の値が0になるように、論理ゲート11を制御する。具体的には、遅延制御信号DLYが負の値の場合にLate信号がHレベルであると、制御ロジック回路9は、特定のレベルのイネーブル信号ENEを論理ゲート11に出力して、論理ゲート11にLate’信号の値を0にさせる。例えば、論理ゲート11が論理積回路の場合、制御ロジック回路9は、Lレベルのイネーブル信号ENLを論理ゲート11に入力する。
これにより、論理ゲート10および11を有する出力制御部は、可変遅延回路3が信号φ2の位相を遅らせている場合に、信号φ1の位相が信号φ2の位相より進んでいることを示す誤差信号が出力部から出力されるのを停止する。また、出力制御部は、可変遅延回路3が信号φ2の位相を進ませている場合に、信号φ1の位相が信号φ2の位相より遅れていることを示す誤差信号が出力部から出力されるのを停止することになる。
なお、論理ゲート10および11は、図5Aでは、重み付け回路の後段に存在していたが、バイナリ型位相比較器4と重み付け回路とに介在してもよい。
図5Cは、論理ゲート10および11がバイナリ型位相比較器4と重み付け回路とに介在する位相比較器の構成を示した回路図である。
この場合、論理ゲート10の第一の入力端子には、バイナリ型位相比較器4の第一の出力端子が接続され、Early信号が入力される。論理ゲート10の第二の入力端子には、制御ロジック回路9からイネーブル信号ENEが入力される。
また、論理ゲート11の第一の入力端子には、バイナリ型位相比較器4の第二の出力端子が接続され、Late信号が入力される。論理ゲート11の第二の入力端子には、制御ロジック回路9からイネーブル信号ENLが入力される。
遅延制御信号DLYが正の値の場合にEarly信号がHレベルであると、制御ロジック回路9は、所定のレベルのイネーブル信号ENEを論理ゲート10に出力して、論理ゲート10にEarly信号をLレベルにさせる。
また、遅延制御信号DLYが負の値の場合にLate信号がLレベルであると、制御ロジック回路9は、特定のレベルのイネーブル信号ENEを論理ゲート11に出力して、論理ゲート11にLate信号をLレベルにさせる。
この場合でも、出力制御部は、可変遅延回路3が信号φ2の位相を遅らせている場合に、信号φ1の位相が信号φ2の位相より進んでいることを示す誤差信号が出力部から出力されるのを停止する。また、出力制御部は、可変遅延回路3が信号φ2の位相を進ませている場合に、信号φ1の位相が信号φ2の位相より遅れていることを示す誤差信号が出力部から出力されるのを停止することになる。
次に効果を説明する。
本実施形態では、出力制御部は、可変遅延回路3が信号φ2の位相を遅らせている場合に、信号φ1の位相が信号φ2の位相より進んでいることを示す誤差信号が出力部から出力されるのを停止する。また、出力制御部は、可変遅延回路3が信号φ2の位相を進ませている場合に、信号φ1の位相が信号φ2の位相より遅れていることを示す誤差信号が出力部から出力されるのを停止する。
この場合、信号φ1およびφ2の前後関係の判別が不確かなときに、その前後関係を示す判別結果が出力されることを抑制することが可能になる。
次に第三の実施形態について説明する。
図6は、本実施形態の位相比較器の構成を示した回路図である。図6において、位相比較器は、可変遅延回路3と、バイナリ型位相比較器41とを含む。
図1で示したバイナリ型位相比較器4は、誤差信号として、Early信号およびLate信号を出力していたが、図6で示したバイナリ型位相比較器41は、誤差信号として、Early/Late信号を出力する。Early/Late信号は、Hレベルの場合、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より進んでいることを示し、Lレベルの場合、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より遅れいていることを示す。なお、Early/Late信号は、Hレベルの場合、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より遅れていることを示し、Lレベルの場合、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より進んでいることを示してもよい。
図7Aは、バイナリ型位相比較器41の構成例を示した回路図である。図7Aにおいて、バイナリ型位相比較器41は、入力端子41aおよび41bと、フリップフロップ回路41cと、出力端子41dとを含む。
入力端子41aには、信号φ1が入力され、その入力された信号φ1を出力する。入力端子41bには、遅延信号φ2’が入力され、その入力された遅延信号φ2’を出力する。
フリップフロップ回路41cのD入力端子には、入力端子4aが接続され、信号φ1が入力される。また、フリップフロップ回路41cのCK入力端子には、入力端子4bが接続され、遅延信号φ2’が入力される。フリップフロップ回路41cは、その入力された信号φ1を、その入力された遅延信号φ2’のエッジのタイミングで保持し、その保持した信号φ1を、Early/Late信号として自己のQ端子から出力する。
出力端子41dは、フリップフロップ回路41cのQ端子が接続され、Early/Late信号が入力される。出力端子41dは、その入力されたEarly/Late信号を出力する。
これにより、図7Bで示すように、Early/Late信号は、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より遅れている場合に、Lレベルになり、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より進んでいる場合に、Hレベルになる。
図8は、本実施形態の位相比較器のより詳細な構成を示した回路図である。図8において、位相比較器は、入力端子1および2と、可変遅延回路3と、乗算器5および6と、出力端子7および8と、制御ロジック回路9と、分離部12と、バイナリ型位相比較器41とを含む。
バイナリ型位相比較器41は、判別手段の一例である。バイナリ型位相比較器41の第一の入力端子には、入力端子1が接続され、信号φ1が入力される。また、バイナリ型位相比較器41の第二の入力端子には、可変遅延回路3の出力端子が接続され、遅延信号φ2’が入力される。
バイナリ型位相比較器41は、その入力された信号φ1の位相と遅延信号φ2’の位相とを比較して、信号φ1の位相と遅延信号φ2’の位相の前後関係を判別する。バイナリ型位相比較器4は、その前後関係を示す判別結果を、Early/Late信号として自己の出力端子から出力する。
分離部12の入力端子には、バイナリ型位相比較器41の出力端子が接続され、Early/Late信号が入力される。
分離部12は、その入力されたEarly/Late信号から、Early信号とLate信号とを生成する。例えば、分離部12は、Early/Late信号をEarly信号として生成し、Early/Late信号のレベルを反転させた信号をLate信号として生成する。
分離部12は、その生成したEarly信号を、自己の第一の出力端子から出力し、その生成したLate信号を、自己の第二の出力端子から出力する。
乗算器5の入力端子には、分離部12の第一の出力端子が接続され、Early信号が入力される。また、乗算器6の入力端子には、分離部12の第二の出力端子が接続され、Late信号が入力される。
なお、分離部12は、Early/Late信号は、単純に二つに分離し、その一方のEarly/Late信号を自己の第一の出力端子から出力し、他方のEarly/Late信号を自己の第二の出力端子から出力してもよい。この場合、乗算器6は、自己の入力端子に入力されたEarly/Late信号を反転させて、Late信号を生成する。
また、本実施形態で説明した位相比較器は、図9Aで示すように、第二の実施形態で説明した、論理ゲート10および11を有する出力制御部をさらに含んでいてもよい。さらに、出力制御部は、図9Bで示すように、分離部12と重み付け回路とに介在してもよい。この場合、論理ゲート10の第一の入力端子には、分離部12の第一の出力端子が接続され、Early信号が入力される。また、論理ゲート11の第一の入力端子には、分離部12の第二の出力端子が接続され、Late信号が入力される。
次に効果を説明する。
本実施形態でも、第一の実施形態と同様に、消費電力および回路面積を抑制しながら、位相差を判別することが可能になる。また、バイナリ型位相比較器41内のフリップフロップ回路の数が、図1で示したバイナリ型位相比較器4内のフリップフロップ回路の数より少ないので、消費電力および回路面積の増加をさらに抑制することが可能になる。
次に第四の実施形態について説明する。
図10は、本実施形態の位相比較器の構成を示した回路図である。図10において、位相比較器は、可変遅延回路3と、多ビット型位相比較器42とを含む。
多ビット型位相比較器42は、単体でも、信号φ1およびφ2の位相差を判別することが可能であるが、本実施形態では、可変遅延回路3を導入することで、その判別可能な位相差の分解能を向上させることと、その判別可能な位相差の範囲を大きくすることが可能になる。
図11Aは、多ビット型位相比較器42の構成例を示した回路図である。図11Aにおいて、多ビット型位相比較器42は、入力端子42aおよび42bと、遅延回路42c1ないし42c5と、フリップフロップ回路42d1ないし42d6と、エンコーダ42eと、出力端子42fとを含む。
入力端子42aには、信号φ1が入力され、その入力された信号φ1が出力される。入力端子42bには、遅延信号φ2’が入力され、その入力された遅延信号φ2’が出力される。
遅延回路42c1ないし42c5のそれぞれは、互いに直列に接続される。遅延回路42c1ないし42c5のそれぞれは、入力端子42に入力された信号φ1を、予め定められた定遅延量だけ遅延する。以下、遅延回路42c1ないし42c5のそれぞれで遅延された信号φ1を、遅延量の少ない方(遅延回路42c1)から順に、信号φ1’、信号φ1’’、信号φ1’’’、信号φ1’’’’および信号φ1’’’’’と称する。
フリップフロップ回路42d1ないし42d6のそれぞれのD入力端子には、フリップフロップ回路42d1から順に、信号φ1、信号φ1’、信号φ1’’、信号φ1’’’、信号φ1’’’’および信号φ1’’’’’のそれぞれが入力される。
また、フリップフロップ回路42d1ないし42d6のそれぞれのCK入力端子には、入力端子42bが接続され、遅延信号φ2’が入力される。
フリップフロップ回路42d1ないし42d6のそれぞれは、自己のD入力端子に入力された信号を、自己のCK入力端子に入力された遅延信号φ2’のエッジのタイミングで保持し、その保持した信号を、自己のQ端子から出力する。
これにより、フリップフロップ回路42d1ないし42d6のそれぞれは、その入力された信号の位相が遅延信号φ2’の位相よりも進んでいる場合には、Hレベルの信号を出力し、その入力された信号の位相が遅延信号φ2’の位相よりも遅れている場合には、Lレベルの信号を出力する。
以下、フリップフロップ回路42dnから出力された信号を出力信号Qmと称する。mは、1から6までの整数である。
この出力信号Q1ないしQ6は、信号φ1および遅延信号φ2’の位相差を、サーモメータコードで表したものになる。なお、サーモメータコードとは、Hレベルの信号の数で値を表したコードである。
エンコーダ42eは、少なくともフリップフロップ回路の段数と同じ数の入力端子を有し、各入力端子には、フリップフロップ回路42d1ないし42d6のそれぞれのQ端子が接続され、出力信号Q1ないしQ6のそれぞれが入力される。
エンコーダ42eは、そのサーモメータコードである出力信号Q1ないしQ6をバイナリコードに変換して、出力信号Code生成する。エンコーダ42eは、出力信号Codeを自己の出力端子から出力する。
なお、位相比較器が位相差を示す信号をサーモメータコードで出力する場合には、エンコーダ42eはなくてもよい。また、サーモメータコードである出力信号Q1ないしQ6、または、出力信号Codeが、信号φ1の位相と信号φ2の位相との前後関係と、信号φ1および遅延信号φ2’の位相差を示す判別結果となる。
図11Bは、多ビット型位相比較器42の動作例を示した説明図である。図11Bで示したように、遅延信号φ2’のエッジが、信号φ1’’のエッジと信号φ1’’’のエッジとの間にある場合、出力信号Q1ないしQ3は、Hレベルになり、出力信号Q4ないしQ6は、Lレベルになる。この場合、Hレベルの数が3なので、エンコーダ42eは、3を位相差として示す出力信号Codeを生成する。
また、可変遅延回路3の遅延量は、信号φ2と遅延信号φ2’の位相差を示すので、この出力信号Codeに、可変遅延回路3の遅延量に応じた重み値が加算されれば、その重み値が加算された出力信号Code(出力信号Code’と称する)の値が、信号φ1およびφ2の位相差を示すことになる。
多ビット型位相比較器42が判別する位相差の分解能は、多ビット型位相比較器42に含まれる遅延回路の1段あたりの遅延量(定遅延量)で決定される。このため、可変遅延回路3の遅延量が定遅延量よりも小さい単位で調整されれば、出力信号Code’の値は、多ビット型位相比較器42が判別する位相差の分解能より細かい値を有することになる。したがって、信号φ1およびφ2の位相差をより精度よく判別することが可能になる。
また、多ビット型位相比較器42が検出可能な位相差の範囲は、多ビット型位相比較器42に含まれる遅延回路の1段あたりの遅延量と遅延回路の段数との積で算出される値となる。以下、この値を検出可能範囲と称する。
例えば、信号φ1の位相が遅延信号φ2の位相より遅れていると、出力信号Q1ないしQ6の全てがLレベルになるので、信号φ1およびφ2の位相差を判別することができない。
このような場合、可変遅延回路3が、遅延信号φ2’の位相を信号φ1の位相より遅らせることで、フリップフロップ回路42d1ないし42d6の出力信号Q1ないしQ6のいずれかをHレベルにすれば、出力信号Codeが位相差を示すことになる。したがって、出力信号Code’にて信号φ1およびφ2の位相差を判別することが可能になる。
また、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より検出可能範囲以上に進んでいると、つまり、信号φ1’’’’’が遅延信号φ2’より進んでいると、そのフリップフロップ回路42d1ないし42d6の出力信号Q1ないしQ6の全てがHレベルになるので、信号φ1およびφ2の位相差を判別することができない。
このような場合、可変遅延回路3が、遅延信号φ2’の位相を信号φ1’’’’’の位相より進ませることで、フリップフロップ回路42d1ないし42d6の出力信号Q1ないしQ6のいずれかをLレベルにすれば、出力信号Codeが位相差を示すことになる。したがって、出力信号Code’にて、信号φ1およびφ2の位相差を判別することが可能になる。
図12は、本実施形態の位相比較器のより詳細な構成を示した回路図である。図12において、位相比較器は、入力端子1および2と、可変遅延回路3と、制御ロジック回路9と、加算器13と、出力端子14と、多ビット型位相比較器42とを含む。
可変遅延回路3の遅延量は、多ビット型位相比較器42が判別する位相差の分解能より小さい単位で設定可能である。
多ビット型位相比較器42は、判別手段の一例である。多ビット型位相比較器42の第一の入力端子には、入力端子1が接続され、信号φ1が入力される。また、多ビット型位相比較器42の第二の入力端子には、可変遅延回路3の出力端子が接続され、遅延信号φ2’が入力される。
多ビット型位相比較器42は、その入力された信号φ1および遅延信号φ2’の位相差と、信号φ1の位相と遅延信号φ2’の位相の前後関係とを判別し、その判別した位相差および前後関係を示す出力信号Codeを自己の出力端子から出力する。なお、出力信号Codeは、複数ビットの信号である。
加算器13は、重み付け手段の一例である。加算器13の入力端子には、多ビット型位相比較器42の出力端子が接続され、出力信号Codeが入力される。また、加算器13の制御端子には、制御ロジック回路9からバイアス信号Biasが入力される。
加算器13は、その入力された出力信号Codeに、その入力されたバイアス信号Bias信号の値を重み値として加算することで、出力信号Codeに重み値を付与する。加算器13は、その重み値を付与した出力信号Codeを、出力信号Code’として自己の出力端子から出力する。
出力端子14には、加算器13の出力手段が接続され、出力信号Code’が入力される。出力端子14は、その入力された出力信号Code’を出力する。
制御ロジック回路9は、バイアス信号Biasを加算器13の制御端子に入力する。また、第一の実施形態と同様に、制御ロジック回路9は、遅延制御信号DLYを可変遅延回路3の制御端子に入力する。
また、制御ロジック回路9には、多ビット型位相比較器42から出力信号Codeが入力される。制御ロジック回路9は、その入力された出力信号Codeに応じて、遅延制御信号DLYが示す遅延量を、多ビット型位相比較器42が判別する位相差の分解能より小さい単位で調整する。
さらに、制御ロジック回路9は、信号φ1および遅延信号φ2’の位相差が、多ビット型位相比較器42にて判別可能な検出可能範囲を超えている場合、その位相差がその検出可能範囲に含まれるように、可変遅延回路3の遅延量を調節する。
例えば、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より検出可能範囲以上に進んでいる場合、出力信号Codeの値が最大値(図11Aで示した例では、6)になり、出力信号Codeが、その位相差が検出可能範囲を超えていることを示すことになる。この場合、制御ロジック回路9は、出力信号Codeの値が最大値より小さくなるまで、遅延制御信号DLYが示す遅延量を小さくしていく。
また、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より遅れていている場合、出力信号Codeの値が0になり、出力信号が、その位相差が検出可能範囲を超えていることを示すことになる。この場合、制御ロジック回路9は、出力信号Codeの値が0より大きくなるまで、遅延制御信号DLYが示す遅延量を大きくしていく。
次に効果を説明する。
本実施形態では、多ビット型位相比較器42は、信号φ1の位相と遅延信号φ2の位相の前後関係に加え、信号φ1および遅延信号φ2’の位相差をさらに判別し、その判別した前後関係および位相差を示す出力信号Codeを出力する。加算器13は、その出力信号Codeに重み値を加算して、出力信号Code’を生成する。制御ロジック回路9は、出力信号Codeに基づいて、可変遅延回路3の遅延量を、多ビット型位相比較器42が判別する位相差の分解能より小さい単位で調節する。
この場合、出力信号Code’の値を、多ビット型位相比較器42が判別する位相差の分解能より細かい値にすることが可能になる。したがって、信号φ1およびφ2の位相差を、多ビット型位相比較器42が判別する位相差の分解能より細かい値で判別することが可能になる。
また、制御ロジック回路9は、信号φ1および遅延信号φ2’の位相差が、多ビット型位相比較器42にて判別可能な検出可能範囲を超えている場合、その位相差がその検出可能範囲に含まれるように、可変遅延回路3の遅延量を調節する。
この場合、多ビット型位相比較器42が判別する位相差のダイナミックレンジより広い範囲で、信号φ1およびφ2の位相差を判別することができる。
また、本実施形態では、位相差のダイナミックレンジを広く確保することと、位相差の分解能を細かくすることの両方を行う場合でも、多ビット型位相比較器42内のフリップフロップ回路の増加を抑制することができる。よって、消費電力および回路面積の増加を抑制することができる。
次に第五の実施形態について説明する。本実施形態では、データ信号と、クロック信号の位相差を検出することが可能な位相比較器について説明する。
図13Aは、本実施形態の位相比較器を示した回路図である。図13Aにおいて、位相比較器は、可変遅延回路3と、バイナリ型位相比較器43とを含む。また、この位相比較器には、データ信号Dinと、クロック信号ψ1、ψ2およびψ3とが入力される。クロック信号ψ1の位相は、クロック信号ψ2の位相より進んでおり、クロック信号ψ3の位相は、クロック信号ψ2の位相より遅れている。なお、データ信号Dinは、第一信号の一例である。また、クロック信号ψ1は、先行信号の一例であり、クロック信号ψ2は、第二入力信号の一例であり、クロック信号ψ3は、後行信号の一例である。
可変遅延回路3は、クロック信号ψ2を遅延して、遅延クロック信号ψ2’を生成する。
バイナリ型位相比較器43は、図13Bのように遅延クロック信号ψ2’を用いて、データ信号Dinの位相と遅延クロック信号ψ2’の位相の前後関係と、データ信号Dinおよび遅延クロック信号ψ2’の位相差を判別する。
図14は、本実施形態の位相比較器のより詳細な構成を示した回路図である。図14において、位相比較器は、入力端子1、2a、2bおよび2cと、可変遅延回路3と、乗算器5および6と、制御ロジック回路9と、バイナリ型位相比較器43とを含む。
入力端子1には、データ信号Dinが入力される。入力端子2aには、クロック信号ψ1が入力され、入力端子2bには、クロック信号ψ2が入力され、入力端子2cには、クロック信号ψ3が入力される。なお、データ信号Dinは、本実施形態では、差動信号であるとしている。
可変遅延回路3の入力端子には、入力端子2bが接続され、クロック信号ψ2が入力される。可変遅延回路3は、クロック信号ψ2を自己の制御端子に入力された遅延制御信号DLYが示す遅延量だけ遅延させることで、クロック信号φ2の位相を調整して、遅延クロック信号ψ2’を生成する。可変遅延回路3は、その生成した遅延クロック信号ψ2’を自己の出力端子から出力する。
バイナリ型位相比較器43は、保持回路43aないし43cと、排他的論理和回路43dおよび43eを有する選択出力部とを含む。
保持回路43aないし43cのそれぞれは、例えば、フリップフロップ回路やサンプリングラッチ回路などである。
保持回路43aの第一の入力端子には、入力端子1が接続され、データ信号Dinが入力される。保持回路43aの第二の入力端子には、入力端子2aが接続され、クロック信号ψ1が入力される。保持回路43aは、データ信号Dinをクロック信号ψ1のエッジのタイミングで保持し、その保持したデータ信号Dinを自己の出力端子から出力する。
保持回路43bの第一の入力端子には、入力端子1が接続され、データ信号Dinが入力される。保持回路43bの第二の入力端子には、可変遅延回路3の出力端子が接続され、遅延クロック信号ψ2’が入力される。保持回路43bは、データ信号Dinを遅延クロック信号ψ2’のエッジのタイミングで保持し、その保持したデータ信号Dinを自己の出力端子から出力する。
保持回路43cの第一の入力端子には、入力端子1が接続され、データ信号Dinが入力される。保持回路43cの第二の入力端子には、入力端子2cが接続され、クロック信号ψ3が入力される。保持回路43cは、データ信号Dinをクロック信号ψ3のエッジのタイミングで保持し、その保持したデータ信号Dinを自己の出力端子から出力する。
なお、保持回路43aは、第一保持手段の一例であり、保持回路43bは、第二保持手段の一例であり、保持回路43cは、第三保持手段の一例である。
排他的論理和回路43dおよび43eを有する選択出力部は、保持回路43aから出力されたデータ信号Dinと、保持回路43bから出力されたデータ信号Dinとが互いに異なっていると、HレベルのEarly信号を出力する。また、選択出力部は、保持回路43bから出力されたデータ信号Dinと、保持回路43cから出力されたデータ信号Dinと、が互いに異なっていると、HレベルのLate信号を出力する。
排他的論理和回路43dの第一の入力端子には、保持回路43aの出力端子が接続され、クロック信号ψ1で保持されたデータ信号Dinが入力される。排他的論理和回路43dの第二の入力端子には、保持回路43bの出力端子が接続され、遅延クロック信号ψ2’で保持されたデータ信号Dinが入力される。
排他的論理和回路43dは、自己の第一の入力端子に入力されたデータ信号Dinと、自己の第二の入力端子に入力されたデータ信号Dinとの排他的論理和を算出し、その算出結果を自己の出力端子からEarly信号として出力する。
排他的論理和回路43eの第一の入力端子には、保持回路43bの出力端子が接続され、遅延クロック信号ψ2’で保持されたデータ信号Dinが入力される。排他的論理和回路43eの第二の入力端子には、保持回路43cの出力端子が接続され、クロック信号ψ3で保持されたデータ信号Dinが入力される。
排他的論理和回路43eは、自己の第一の入力端子に入力されたデータ信号Dinと、自己の第二の入力端子に入力されたデータ信号Dinとの排他的論理和を算出し、その算出結果を自己の出力端子からLate信号として出力する。
ここで、遅延クロック信号ψ2’で保持されたデータ信号の値と、クロック信号ψ3で保持されたデータ信号の値とが異なっている場合、Late信号がHレベルになるとする。
ここで、クロック信号ψ1で保持されたデータ信号Dinの値と、遅延クロック信号ψ2’で保持されたデータ信号の値Dinとが異なっている場合、データ信号Dinのエッジのタイミングは、クロック信号ψ1のエッジのタイミングと、遅延クロック信号ψ2’のエッジのタイミングと間にあることになる。したがって、データ信号Dinの位相が遅延クロック信号ψ2’の位相より進んでいることになる。
また、遅延クロック信号ψ2’で保持されたデータ信号の値と、クロック信号ψ3で保持されたデータ信号の値とが異なっている場合、データ信号Dinのエッジのタイミングは、遅延クロック信号ψ2’のエッジのタイミングと、クロック信号ψ3のエッジのタイミングと間にあることになる。したがって、データ信号Dinの位相が遅延クロック信号ψ2’の位相より遅れていることになる。
したがって、選択出力部は、データ信号Dinの位相が遅延クロック信号ψ2’の位相より進んでいると、HレベルのEarly信号を出力し、データ信号Dinの位相が遅延クロック信号ψ2’の位相より遅れていると、HレベルのLate信号を出力することになる。
このため、第一の実施形態と同様に、制御ロジック回路9が可変遅延回路3の遅延量に応じて、重み付け制御信号の値を調整することで、重み付け部から、データ信号Dinの位相とクロック信号ψ2の位相の前後関係と、データ信号Dinおよびクロック信号ψ2の位相差とを示すEarly’信号およびLate’信号を出力することができる。
次に効果について説明する。
本実施形態では、保持回路43aは、データ信号Dinをクロック信号ψ1のエッジのタイミングで保持し、その保持したデータ信号Dinを出力する。保持回路43bは、データ信号Dinを遅延クロック信号ψ2’のエッジのタイミングで保持し、その保持したデータ信号Dinを出力する。保持回路43cは、データ信号Dinをクロック信号ψ3のエッジのタイミングで保持し、その保持したデータ信号Dinを出力する。選択出力部は、保持回路43aから出力されたデータ信号Dinと、保持回路43bから出力されたデータ信号Dinとが互いに異なっていると、HレベルのEarly信号を出力する。また、選択出力部は、保持回路43bから出力されたデータ信号Dinと、保持回路43cから出力されたデータ信号Dinと、が互いに異なっていると、HレベルのLate信号を出力する。
この場合、データ信号およびクロック信号の位相差を判別することができる。
次に第六の実施形態について説明する。
図15は、本実施形態の位相比較器の構成を示した回路図である。図15において、位相比較器は、図14で示した構成に加えて、入力端子15を含む。また、バイナリ型位相比較器43は、図14で示した構成に加えて、保持回路43fないし43hを含む。
入力端子15には、クロック信号ψ4が入力される。なお、入力端子15は、第三入力手段の一例である。
保持回路43fの第一の入力端子には、保持回路43aの出力端子が接続され、クロック信号ψ1で保持されたデータ信号Dinが入力される。保持回路43hの第二の入力端子には、入力端子15が接続され、クロック信号ψ4が入力される。保持回路43hは、その入力されたデータ信号Dinをクロック信号ψ4のエッジのタイミングで保持し、その保持したデータ信号Dinを自己の出力端子から出力する。
保持回路43gの第一の入力端子には、保持回路43bの出力端子が接続され、遅延クロック信号ψ2’で保持されたデータ信号Dinが入力される。保持回路43gの第二の入力端子には、入力端子15が接続され、クロック信号ψ4が入力される。保持回路43gは、その入力されたデータ信号Dinをクロック信号ψ4のエッジのタイミングで保持し、その保持したデータ信号Dinを自己の出力端子から出力する。
保持回路43hの第一の入力端子には、保持回路43cの出力端子が接続され、クロック信号ψ3で保持されたデータ信号Dinが入力される。保持回路43hの第二の入力端子には、入力端子15が接続され、クロック信号ψ4が入力される。保持回路43hは、その入力されたデータ信号Dinをクロック信号ψ4で保持し、その保持したデータ信号Dinを自己の出力端子から出力する。
なお、保持回路43eは、第四保持手段の一例であり、保持回路43gは、第五保持手段の一例であり、保持回路43hは、第六保持手段の一例である。
選択出力部の機能は、図14で説明した機能において、保持回路43aを保持回路43fに読み替え、保持回路43bを保持回路43gに読み替え、保持回路43cを保持回路43hに読み替えればよい。
次に効果を説明する。
本実施形態では、排他的論理和回路43dおよび43eに入力されるデータ信号Dinのタイミングが揃う。このため、位相比較器から出力される出力信号Early’とLate’が有効となる時間範囲を広くすることが可能になる。
次に、第七の実施形態について説明する。
本実施形態では、図1、図5A、図5B、図6、図8、図9Aおよび図9Bで示した位相比較器が生成したEarly’信号およびLate’信号を、図10および図12で示した位相比較器が生成した出力信号Code’に変換するための信号変換回路を説明する。
図16Aおよび図16Bは、信号変換回路の構成例を示した回路図である。なお、この信号変換回路は、図1、図5A、図5B、図6、図8、図9Aおよび図9Bで示した位相比較器の、乗算器5および6と、出力端子7および8とに介在させることができる。この場合、この位相比較器は、出力端子7および8の代わりに、図12で示した位相比較器のように、出力端子14を含む。
図16Aでは、信号変換回路は、セレクタ16で構成される。
セレクタ16の第一の入力端子には、乗算器5の出力端子が接続され、Early’信号が入力される。セレクタ16の第二の入力端子には、乗算器6の出力端子が接続され、Late’信号が入力される。セレクタ16は、その入力されたLate’信号の値を反転させる。
値が反転されたLate’信号の値が0より小さい場合、つまり、Late’信号の値が0より大きい場合、セレクタ16は、値が反転されたLate’信号を、出力信号Code’として自己の出力端子から出力する。
一方、Early’信号の値が0より大きい場合、セレクタ16は、そのEarly’信号を、出力信号Code’として自己の出力端子から出力する。
図16Bでは、信号変換回路は、加算器17で構成される。
加算器17の第一の入力端子には、乗算器5の出力端子が接続され、Early’信号が入力される。加算器17の第二の入力端子には、乗算器6の出力端子が接続され、Late’信号が入力される。
加算器17は、Late’信号の値を反転する。加算器17は、その値を反転したLate’信号と、Early’信号とを加算し、その加算結果を、出力信号Code’として自己の出力端子から出力する。
なお、セレクタ16および加算器17は、Late’信号の値を反転させていたが、Early’信号とLate’信号のどちらか一方の値を反転させればよい。
図16Aおよび図16Bで示した信号変換回路を用いることで、図17で示すように、Early’信号およびLate’信号を、一つの出力信号Code’に変換することができる。なお、図17では、横軸は、信号φ1およびφ2の位相差を示し、縦軸は、位相比較器から出力される信号の値を示す。
次に、第八の実施形態について説明する。本実施形態では、可変遅延回路3の構成例を説明する。
図18は、可変遅延回路3の構成例を示した回路図である。図18において、可変遅延回路3では、複数のトライ(3)ステートインバータ31を含む。トライステートインバータ31のそれぞれは、互いに並列に接続されている。
トライステートインバータ31の入力端子には、可変遅延回路3の入力端子が接続され、信号φ2(または信号ψ2)が入力される。また、トライステートインバータ31の出力端子には、可変遅延回路3の出力端子が接続される。さらに、トライステートインバータ31は、二つの遅延制御端子を有し、各遅延制御端子には、制御ロジック回路9が接続され、遅延制御信号DLYが入力される。なお、トライステートインバータ31のそれぞれが有する遅延制御端子が、可変遅延回路3の制御端子となる。
トライステートインバータ31は、pMOSトランジスタ32および33と、nMOSトランジスタ34および35とを含む。
pMosトランジスタ32では、ソース端子が電源と接続され、ドレイン端子がpMosトランジスタ33のソース端子に接続される。pMosトランジスタ33では、ドレイン端子が、トライステートインバータ31の出力端子とnMosトランジスタ34のドレイン端子とに接続される。nMosトランジスタ34では、ソース端子が、nMosトランジスタ35のドレイン端子に接続される。nMosトランジスタ35では、ソース端子が接地される。
また、pMosトランジスタ33のゲート端子と、nMosトランジスタ34のゲート端子とが、トライステートインバータ31の入力端子と接続される。pMosトランジスタ32のゲート端子が、トライステートインバータ31の一方の遅延制御端子と接続され、nMosトランジスタ35のゲート端子が、トライステートインバータ31の他方の遅延制御端子と接続される。
なお、pMosトランジスタ32のゲート端子と、nMosトランジスタ35のゲート端子とが、トライステートインバータ31の入力端子と接続され、pMosトランジスタ33のゲート端子が、トライステートインバータ31の一方の遅延制御端子と接続され、nMosトランジスタ34のゲート端子が、トライステートインバータ31の他方の遅延制御端子と接続されてもよい。
これにより、トライステートインバータ31のそれぞれの遅延制御端子に入力される遅延制御信号DLYの値に応じて、遅延量が変化する。制御ロジック回路9は、トライステートインバータ31のそれぞれの遅延制御端子に入力する遅延制御信号DLYの値を調節して、可変遅延回路3の遅延量を調節する。
次に、第九の実施形態について説明する。本実施形態では、制御ロジック回路9の構成例を説明する。
図19は、制御ロジック回路9の構成例を示した回路図である。図19において、制御ロジック回路9は、n−bitUP/Downカウンタ91と、論理回路92および93とを有する決定部とを含む。
n−bitUP/Downカウンタ(以下、カウンタと略す)91は、カウント部の一例である。カウンタ91の第一の入力端子には、バイナリ型位相比較器4の第一の出力端子が接続され、Early信号が入力される。カウンタ91の第二の入力端子には、バイナリ型位相比較器4の第二の出力端子が接続され、Late信号が入力される。
カウンタ91は、カウント値を保持する。なお、カウンタ91は、遅延制御信号の値が0の場合に、カウント値を0に設定する。また、カウント値は、nビットで表され、負の値は、補数表現で表される。
カウンタ91は、入力されたEarly信号およびLate信号に基づいて、保持しているカウント値をカウントアップまたはカウントダウンさせる。
具体的には、カウンタ91は、HレベルのLate信号が入力された場合には、カウント値をカウントアップし、HレベルのEarly信号が入力された場合には、カウント値をカウントダウンする。
カウンタ91は、そのカウントアップまたはカウントダウンしたカウント値に応じて、可変遅延回路3の遅延量Xを求める。具体的には、カウンタ91は、そのカウント値が大きいほど、遅延量Xを大きく求める。本実施形態では、カウント値を可変遅延回路3の遅延量Xとして求める。なお、可変遅延回路3の遅延量を求める方法は、適宜変更可能である。例えば、カウンタ91は、そのカウント値を定数倍した値を可変遅延回路3の遅延量Xを求めてもよい。
カウンタ91は、その求めた遅延量Xを示すカウント信号nを自己の出力端子から出力する。なお、本実施形態では、カウンタ91の出力端子と、可変遅延回路3の制御端子とが接続され、カウント信号nが、遅延制御信号DLYとして用いられる。
ここで、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より遅れている場合、Late信号がHレベルになる。この場合、カウント値がカウントアップされる。したがって、遅延制御信号の値が大きくなり、可変遅延回路3の遅延量Xが大きくなる。よって、遅延信号φ2’の位相が遅れるので、信号φ1および遅延信号φ2’の位相差が小さくなる。
また、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より進んでいる場合、Early信号がHレベルになる。この場合、カウント値がカウントダウンされる。したがって、遅延制御信号の値が小さくなり、可変遅延回路の遅延量Xが小さくなる。よって、遅延信号φ2’の位相が進むので、信号φ1および遅延信号φ2’の位相差が小さくなる。
論理回路92の入力端子には、カウンタ91の出力端子が接続され、カウント信号nが入力される。論理回路92は、そのカウント信号nが示す遅延量Xに応じて重み付け制御信号MEの値を決定し、その値を有する重み付け制御信号MEを乗算器5の制御端子に入力する。
具体的には、遅延量Xが負の場合、論理回路92は、遅延量Xの絶対値が大きくなるほど、重み付け制御信号MEの値を大きくする。例えば、論理回路92は、遅延量Xの絶対値を、重み付け制御信号MEの値にする。
また、遅延量Xが0または正の場合、論理回路92は、重み付け制御信号MEの値を0に決定する。
論理回路93の入力端子には、カウンタ91の出力端子が接続され、カウント信号nが入力される。論理回路93は、そのカウント信号nが示す遅延量Xに応じて重み付け制御信号MLの値を決定し、その値の重み付け制御信号MLを乗算器6の制御端子に入力する。
具体的には、遅延量Xが正の場合、論理回路93は、遅延量Xが大きくなるほど、重み付け制御信号MLの値を大きくする。例えば、論理回路93は、遅延量Xを、重み付け制御信号MLの値にする。
また、遅延量Xが負または0の場合、論理回路93は、重み付け制御信号MLの値を0に決定する。
次に制御ロジック回路9の動作を説明する。
図20は、制御ロジック回路9の動作例を説明するためのフローチャートである。なお、図20において、DLYは、カウント値であり、可変遅延回路3に入力される遅延制御信号の値である。また、MEは、Early信号に付与される重み付け値であり、MLはLate信号に付与する重み付け値である。
ステップS1では、制御ロジック回路9のカウンタ91に、バイナリ型位相比較器4からEarly信号およびLate信号が入力される。カウンタ91は、そのEarly信号およびLate信号のどちらがHレベルかを判断する。カウンタ91は、Early信号がHレベルであると、ステップS2を実行し、カウンタ91は、Late信号がHレベルであると、ステップS3を実行する。
ステップS2では、カウンタ91は、保持しているカウント値をカウントアップする。カウンタ91は、そのカウントアップしたカウント値を遅延量Xとして求める。カウンタ91は、遅延量Xを示すカウント信号nを遅延制御信号として可変遅延回路3の制御端子に入力すると共に、そのカウント信号nを論理回路92および93のそれぞれの入力端子に入力する。その後、ステップS4が実行される。
ステップS3では、カウンタ91は、保持しているカウント値をカウントダウンする。カウンタ91は、そのカウントダウンしたカウント値に応じて遅延量Xを求める。カウンタ91は、遅延量Xを示すカウント信号nを遅延制御信号として可変遅延回路3の制御端子に入力すると共に、そのカウント信号nを論理回路92および93のそれぞれの入力端子に入力する。その後、ステップS4が実行される。
ステップ4では、論理回路92は、そのカウント信号nが示す遅延量Xが負か否かを判断する。
遅延量Xが負の場合、論理回路92は、遅延量Xの絶対値を値として有する重み付け制御信号MLを生成する。一方、論理回路92は、そのカウント信号nの値が0または正であると、値として0を有する重みづけ制御信号MLを生成する。論理回路92は、その生成した重みづけ制御信号を乗算器5の制御端子に入力する。
また、論理回路93は、そのカウント信号nが示す遅延量Xが正か否かを判断する。論理回路92は、遅延量Xが正であると、その遅延量を値として有する重み付け制御信号MLを生成し、そのカウント信号nの値が負または0であると、値として0を有する重みづけ制御信号MLを生成する。論理回路92は、その生成した重みづけ制御信号MLを乗算器6の制御端子に入力する。
以上の処理を、制御ロジック回路9がLate信号およびEarly信号のレベルが変わるまで繰り返すことで、信号φ1と信号φ2の位相差の大きさに応じたEarly’信号またはLate’信号を得ることができる。
次に効果を説明する。
本実施形態では、カウンタ91は、カウント値を保持し、Early信号およびLate信号に基づいて、そのカウント値をカウントアップまたはカウントダウンする。また、カウンタ91は、そのカウントアップまたはカウントダウンしたカウント値に応じて、可変遅延回路3の遅延量を調節する。決定部は、カウンタ91が調節した遅延量に応じて重み値を決定する。
この場合、カウント値が、信号φ1の位相と遅延信号φ2の位相との前後関係を反映する。したがって、容易に、遅延量を、判別結果が示す前後関係が変化するような値に調節することができる。
図21は、図20で示した制御ロジック回路9が用いられた位相比較器の動作例を示した説明図である。図21は、信号φ1の位相が信号φ2の位相より遅れている場合を示している。さらに、信号φ1およびφ2の位相差は、フィードバックループなどにより、徐々に小さくなっている。
先ず、信号φ1が信号φ2より遅れているので、Late信号がHレベルになる。したがって、カウンタ91は、カウンタ値をカウントアップしていく。これにより、可変遅延回路3の遅延量が徐々に大きくなっていくので、遅延信号φ2’の位相は、徐々に遅れていき信号φ1の位相に近づいていく。
これと同時に、Late信号に付与される重み値が増加していくので、Late’信号の値が大きくなっていく。これにより、Late’信号は、信号φ1の位相が信号φ2の位相より大きく遅れていることを示すことになる。
その後、遅延信号φ2’の位相は、遅れていき、信号φ1の位相を超えて、信号φ1の位相より遅れる。すると、Early信号がHレベルとなり、Late信号がLレベルとなる。このとき、カウンタ91は、カウント値をカウントダウンする。これにより、可変遅延回路3の遅延量が小さくなり、遅延信号φ2’の位相が信号φ1より進み、Early信号がLレベルとなり、Late信号がHレベルとなる。
以降、Early信号とLate信号が交互にHレベルになる。
このような状況では、Late信号がHレベルのときのLate’信号が信号φ1およびφ2の位相差を示す。しかしながら、Early信号がHレベルになっているときには、Late信号がLレベルになるので、Late’信号の値が0になる。したがって、信号φ1の位相が信号φ2の位相より遅れている場合でも、Late’信号の値が0となり、Late’信号が、信号φ1およびφ2の位相差を示さなくなるという問題が生じる。
次に、第十の実施形態として、上記の問題を解決することが可能な位相比較器について説明する。
図22Aは、本実施形態の位相比較器を示した回路図である。図22Aにおいて、位相比較器は、入力端子1および2と、可変遅延回路3と、乗算器5aないし5cと、乗算器6aないし6cと、出力端子7および8と、制御ロジック回路9と、分離部12aないし12cと、遅延回路18および19と、マルチプレクサ20および21とを有する選択部と、バイナリ型位相比較器44ないし46とを含む。また、制御ロジック回路9は、カウンタ91と、論理回路92および93とを含む。なお、乗算器5aないし5cと、乗算器6aないし6cとが重み付け部を構成する。出力端子7および8と、マルチプレクサ20および21とが出力部を構成する。
遅延回路18の入力端子には、可変遅延回路3の出力端子が接続され、遅延信号φ2’が入力される。遅延回路18は、その遅延信号φ2’を予め定められた所定遅延量だけ遅延して、遅延信号φ2’’を生成する。遅延回路18は、その生成した遅延信号φ2’’を自己の出力端子から出力する。
遅延回路19の入力端子には、遅延回路18の出力端子が接続され、遅延信号φ2’が入力される。遅延回路19は、その遅延信号φ2’’を予め定められた特定遅延量だけ遅延して、遅延信号φ2’’’を生成する。遅延回路19は、その生成した遅延信号φ2’’’を自己の出力端子から出力する。なお、特定遅延量および所定遅延量は、互いに等しく、かつ、可変遅延回路3の遅延量の調節可能な単位と等しいことが望ましい。
遅延信号φ2’、φ2’’およびφ2’’’の位相は、図22Bで示すように、可変遅延回路3の遅延量に応じて変動する。なお、遅延回路18は、第一遅延手段の一例であり、遅延回路19は、第二遅延手段の一例である。
バイナリ型位相比較器44の第一の入力端子には、入力端子1が接続され、信号φ1が入力される。バイナリ型位相比較器44の第二の入力端子には、可変遅延回路3の出力端子が接続され、遅延信号φ2’が入力される。
バイナリ型位相比較器44は、その信号φ1の位相と、遅延信号φ2’の位相との前後関係を判別し、その前後関係を示すEarly/Late1信号を自己の出力端子から出力する。なお、Early/Late1信号は、Hレベルの場合、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より進んでいることを示し、Lレベルの場合、信号φ1の位相が遅延信号φ2’の位相より遅れいていることを示す。
バイナリ型位相比較器45の第一の入力端子には、入力端子1が接続され、信号φ1が入力される。バイナリ型位相比較器45の第二の入力端子には、遅延回路18の出力端子が接続され、遅延信号φ2’’が入力される。
バイナリ型位相比較器45は、その信号φ1の位相と、遅延信号φ2’’の位相との前後関係を判別し、その前後関係を示すEarly/Late2信号を自己の出力端子から出力する。なお、Early/Late2信号は、Hレベルの場合、信号φ1の位相が遅延信号φ2’’の位相より進んでいることを示し、Lレベルの場合、信号φ1の位相が遅延信号φ2’’の位相より遅れいていることを示す。
バイナリ型位相比較器46の第一の入力端子には、入力端子1が接続され、信号φ1が入力される。バイナリ型位相比較器46の第二の入力端子には、遅延回路19の出力端子が接続され、遅延信号φ2’’’が入力される。
バイナリ型位相比較器46は、その信号φ1の位相と、遅延信号φ2’’’の位相との前後関係を判別し、その前後関係を示すEarly/Late3信号を自己の出力端子から出力する。なお、Early/Late3信号は、Hレベルの場合、信号φ1の位相が遅延信号φ2’’’の位相より進んでいることを示し、Lレベルの場合、信号φ1の位相が遅延信号φ2’’’の位相より遅れいていることを示す。
なお、バイナリ型位相比較器44は、第一判定手段の一例であり、バイナリ型位相比較器45は、第二判定手段の一例であり、バイナリ型位相比較器46は、第三判定手段の一例である。また、Early/Late1信号は、第一判別結果の一例であり、Early/Late2信号は、第二判別結果の一例であり、Early/Late3信号は、第三判別結果の一例である。
分離部12aの入力端子は、バイナリ型位相比較器44の出力端子が接続され、Early/Late1信号が入力される。分離部12aは、その入力されたEarly/Late1信号から、Early1信号とLate1信号とを生成し、その生成したEarly1信号を、自己の第一の出力端子から出力し、その生成したLate1信号を、自己の第二の出力端子から出力する。
分離部12bの入力端子は、バイナリ型位相比較器45の出力端子が接続され、Early/Late2信号が入力される。分離部12bは、その入力されたEarly/Late2信号から、Early2信号とLate2信号とを生成し、その生成したEarly2信号を、自己の第一の出力端子から出力し、その生成したLate2信号を、自己の第二の出力端子から出力する。
分離部12cの入力端子は、バイナリ型位相比較器46の出力端子が接続され、Early/Late3信号が入力される。分離部12cは、その入力されたEarly/Late3信号から、Early3信号とLate3信号とを生成し、その生成したEarly3信号を、自己の第一の出力端子から出力し、その生成したLate3信号を、自己の第二の出力端子から出力する。
なお、分離部12aないし12cは、Early1信号およびLate1信号、Early2信号およびLate2信号、または、Early3信号およびLate3信号を、分離部12がEarly信号およびLate信号を生成する方法と同じ方法で生成することができる。
乗算器5aの入力端子には、分離部12aの第一の出力端子が接続され、Early1信号が入力される。乗算器5aの制御端子には、制御ロジック回路9から重み付け制御信号ME1が入力される。乗算器5aは、その入力されたEarly1信号に、その入力された重み付け制御信号ME1の値を重み値として乗算して、Early1’信号を生成する。乗算器5aは、その生成したEarly1’信号を自己の出力端子から出力する。
乗算器5bの入力端子には、分離部12bの第一の出力端子が接続され、Early2信号が入力される。乗算器5bの制御端子には、制御ロジック回路9から重み付け制御信号ME2が入力される。乗算器5bは、その入力されたEarly2信号に、その入力された重み付け制御信号ME2の値を重み値として乗算して、Early2’信号を生成する。乗算器5bは、その生成したEarly2’信号を自己の出力端子から出力する。
乗算器5cの入力端子には、分離部12cの第一の出力端子が接続され、Early3信号が入力される。乗算器5cの制御端子には、制御ロジック回路9から重み付け制御信号ME3が入力される。乗算器5cは、その入力されたEarly3信号に、その入力された重み付け制御信号ME3の値を重み値として乗算して、Early3’信号を生成する。乗算器5cは、その生成したEarly3’信号を自己の出力端子から出力する。
乗算器6aの入力端子には、分離部12aの第二の出力端子が接続され、Late1信号が入力される。乗算器6aの制御端子には、制御ロジック回路9から重み付け制御信号ML1が入力される。乗算器6aは、その入力されたLate1信号に、その入力された重み付け制御信号ML1の値を重み値として乗算して、Late1’信号を生成する。乗算器6aは、その生成したLate1’信号を自己の出力端子から出力する。
乗算器6bの入力端子には、分離部12bの第二の出力端子が接続され、Late2信号が入力される。乗算器6bの制御端子には、制御ロジック回路9から重み付け制御信号ML2が入力される。乗算器6bは、その入力されたLate2信号に、その入力された重み付け制御信号ML2の値を重み値として乗算して、Late2’信号を生成する。乗算器6bは、その生成したLate2’信号を自己の出力端子から出力する。
乗算器6cの入力端子には、分離部12cの第二の出力端子が接続され、Late3信号が入力される。乗算器6cの制御端子には、制御ロジック回路9から重み付け制御信号ML3が入力される。乗算器6cは、その入力されたLate3信号に、その入力された重み付け制御信号ML3の値を重み値として乗算して、Late3’信号を生成する。乗算器6cは、その生成したLate3’信号を自己の出力端子から出力する。
これにより、重み付け部は、第一判別結果、第二判別結果および第三判別結果のそれぞれに制御ロジック回路が決定した重み値を付与することになる。
マルチプレクサ20の第一の入力端子には、乗算器5aの出力端子が接続され、Early1信号が入力される。マルチプレクサ20の第二の入力端子には、乗算器5bの出力端子が接続され、Early2信号が入力される。マルチプレクサ20の第三の入力端子には、乗算器5cの出力端子が接続され、Early3信号が入力される。
マルチプレクサ20は、その入力されたEarly1信号ないしEarly3信号のうち、最も値の大きい信号を、Early信号として自己の出力端子から出力する。
マルチプレクサ21の第一の入力端子には、乗算器6aの出力端子が接続され、Late1信号が入力される。マルチプレクサ21の第二の入力端子には、乗算器6bの出力端子が接続され、Late2信号が入力される。マルチプレクサ21の第三の入力端子には、乗算器6cの出力端子が接続され、Late3信号が入力される。
マルチプレクサ21は、その入力されたLate1信号ないしLate3信号のうち、最も値の大きい信号を、Late信号として自己の出力端子から出力する。
出力端子7は、マルチプレクサ20の出力端子が接続され、Early信号が入力される。また、出力端子8は、マルチプレクサ21の出力端子が接続され、Late信号が入力される。
これにより、出力端子7および8と、マルチプレクサ20および21を有する出力部は、重み付け部が重み値を付与した第一判別結果、第二判別結果および第三判別結果のうち、最も位相差が大きいことを示し信号を誤差信号として出力することになる。
カウンタ91の第一の入力端子には、バイナリ型位相比較器45の第一の出力端子が接続され、Early/Late2信号が入力される。
カウンタ91は、Early/Late2信号がHレベルの場合には、カウント値をカウントアップし、Early/Late2信号がLレベルの場合には、カウント値をカウントダウンする。
論理回路92は、カウント信号nが示す遅延量Xに応じて重み付け制御信号ME1ないしME3の値を決定する。
具体的には、遅延量Xが負の場合、論理回路92は、遅延量Xの絶対値が大きくなるほど、重み付け制御信号ME1ないしME3の値を大きくする。このとき、重み付け制御信号ME1の値より重み付け制御信号ME2の値を大きくし、重み付け制御信号ME2の値より重み付け制御信号ME3の値を大きくすることが望ましい。
例えば、論理回路92は、重み付け制御信号ME1の値を、遅延量Xの絶対値から1を引いた値に決定し、重み付け制御信号ME2の値を、遅延量Xの絶対値に決定し、重み付け制御信号ME3の値を、遅延量Xの絶対値に1を加えた値に決定する。
また、遅延量Xが0または正の場合、論理回路92は、重み付け制御信号ME1ないしME3のそれぞれの値を0に決定する。
論理回路92は、その値を決定した重み付け制御信号ME1を乗算器5aの制御端子に入力し、その値を決定した重み付け制御信号ME2を乗算器5bの制御端子に入力し、その値を決定した重み付け制御信号ME3を乗算器5cの制御端子に入力する。
論理回路93は、カウント信号nが示す遅延量Xに応じて重み付け制御信号ML1ないしML3の値を決定する。
具体的には、遅延量Xが正の場合、論理回路93は、遅延量Xが大きくなるほど、重み付け制御信号ML1ないしML3の値を大きくする。このとき、重み付け制御信号ML3の値より重み付け制御信号ME2の値を大きくし、重み付け制御信号ME2の値より重み付け制御信号ME1の値を大きくすることが望ましい。
例えば、論理回路93は、重み付け制御信号ML1の値を、遅延量Xに1を加えた値に決定し、重み付け制御信号ML2の値を、遅延量Xに決定し、重み付け制御信号ML3の値を、遅延量Xから1を引いた値に決定する。
また、遅延量Xが負または0の場合、論理回路92は、重み付け制御信号ME1ないしME3のそれぞれの値を0に決定する。
論理回路93は、その値を決定した重み付け制御信号ML1を乗算器6aの制御端子に入力し、その値を決定した重み付け制御信号ML2を乗算器6bの制御端子に入力し、その値を決定した重み付け制御信号ML3を乗算器6cの制御端子に入力する。
次に動作を説明する。図23は、本実施形態の位相比較器の動作を説明するためのフローチャートである。
ステップT1では、制御ロジック回路9のカウンタ91に、バイナリ型位相比較器45からEarly/Late2信号が入力される。カウンタ91は、そのEarly/Late2信号がHレベルかLレベルかを判断する。カウンタ91は、Early/Late2信号がHレベルであると、ステップT2を実行し、カウンタ91は、Early/Late2信号がLレベルであると、ステップT3を実行する。
ステップT2では、カウンタ91は、保持しているカウント値をカウントアップする。カウンタ91は、そのカウントアップしたカウント値に応じて遅延量Xを求める。カウンタ91は、遅延量Xを示すカウント信号nを遅延制御信号DLYとして可変遅延回路3の制御端子に入力すると共に、そのカウント信号nを論理回路92および93のそれぞれの入力端子に入力する。その後、ステップT4が実行される。
ステップT3では、カウンタ91は、保持しているカウント値をカウントダウンする。カウンタ91は、そのカウントダウンしたカウント値に応じて遅延量Xを求める。カウンタ91は、遅延量Xを示すカウント信号nを遅延制御信号DLYとして可変遅延回路3の制御端子に入力すると共に、そのカウント信号nを論理回路92および93のそれぞれの入力端子に入力する。その後、ステップT4が実行される。
ステップT4では、論理回路92は、そのカウント信号nが示す遅延量Xが負か否かを判断する。
遅延量Xが負の場合、論理回路92は、重み付け制御信号ME1の値を、遅延量Xの絶対値から1を引いた値に決定し、重み付け制御信号ME2の値を、遅延量Xの絶対値に決定し、重み付け制御信号ME3の値を、遅延量Xの絶対値に1を加えた値に決定する。一方、遅延量Xが0または正の場合、論理回路92は、重み付け制御信号ME1ないしME3のそれぞれの値を0に決定する。
論理回路92は、その決定した値を有する重み付け制御信号ME1ないしME3を生成し、重み付け制御信号ME1を乗算器5aの制御端子に入力し、重み付け制御信号ME2を乗算器5bの制御端子に入力し、重み付け制御信号ME3を乗算器6cの制御端子に入力する。
また、論理回路93は、そのカウント信号nが示す遅延量Xが正か否かを判断する。
遅延量Xが正の場合、論理回路93は、重み付け制御信号ML1の値を、遅延量Xから1を引いた値に決定し、重み付け制御信号ML2の値を、遅延量Xに決定し、重み付け制御信号ML3の値を、遅延量Xに1を加えた値に決定する。一方、遅延量Xが負または0の場合、論理回路93は、重み付け制御信号ML1ないしML3のそれぞれの値を0に決定する。
論理回路93は、その決定した値を有する重み付け制御信号ML1ないしML3を生成し、重み付け制御信号ML1を乗算器6aの制御端子に入力し、重み付け制御信号ML2を乗算器6bの制御端子に入力し、重み付け制御信号ML3を乗算器6cの制御端子に入力する。
図24は、本実施形態の動作例を示した説明図である。図24は、信号φ1の位相が信号φ2の位相より遅れている場合を示している。
遅延信号φ2’、φ2’’およびφ2’’’の位相が遅れていき、信号φ2’’の位相が信号φ1の位相より遅れると、その後、Early2信号とLate2信号が交互にHレベルになる。
このとき、Late2信号がLレベルになっても、Late1信号がHレベルになるので、Late2’信号の値が0になっても、Late1’信号の値が0より大きくなる。したがって、マルチプレクサ21からそのLate1’信号がLate’信号として出力される。よって、Late’信号が、信号φ1およびφ2の位相差を示さなくなるという問題を解決することができる。
次に効果を説明する。
本実施形態では、遅延回路18は、遅延信号φ2’を所定遅延量だけ遅延して、遅延信号φ2’’を生成する。遅延回路19は、その遅延信号φ2’’を予め定められた特定遅延量だけ遅延して、遅延信号φ2’’’を生成する。バイナリ型位相比較器44は、信号φ1の位相と、遅延信号φ2’の位相との前後関係を判別し、その前後関係を示すEarly/Late1信号を出力する。バイナリ型位相比較器45は、信号φ1の位相と、遅延信号φ2’’の位相との前後関係を判別し、その前後関係を示すEarly/Late2信号を出力する。バイナリ型位相比較器46は、その信号φ1の位相と、遅延信号φ2’’’の位相との前後関係を判別し、その前後関係を示すEarly/Late3信号を出力する。重み付け部は、第一判別結果、第二判別結果および第三判別結果のそれぞれに制御ロジック回路が決定した重み値を付与する。出力端子7および8と、マルチプレクサ20および21を有する出力部は、重み付け部が重み値を付与した第一判別結果、第二判別結果および第三判別結果のうち、最も位相差が大きいことを示し信号を誤差信号として出力することになる。
この場合、重み値を付与された第二判別結果が信号φ1およびφ2の位相差を示さなくなる場合でも、信号φ1およびφ2の位相差を示すような誤差信号を出力することができる。
次に第十一の実施形態について説明する。
位相比較器がPLL回路などクロック生成回路で用いられると、フィードバックループ信号φ1およびφ2の位相差がなくなるように、信号φ1およびφ2の位相がロックされる。このような状況では、遅延信号φ2’の位相を故意に変動させることで、信号φ1およびφ2の位相差をより細かく判別することができる。
これを実現するために、制御ロジック回路9のカウンタ91は、遅延信号φ2’の位相を変動する変動制御信号が入力されると、可変遅延回路3の遅延量を変動させる。このとき、その遅延量の平均値は0であることが望ましい。
例えば、制御ロジック回路9は、図25Aに示すように、その遅延量をランダムに変動させる。
また、制御ロジック回路9は、その遅延量を、第一の閾値まで徐々に変動させ、その後、第二の閾値まで徐々に変動させる処理を繰り返してもよい。例えば、制御ロジック回路9は、図25Bに示すように、その遅延量を三角波状に変動させてもよいし、図25Cに示すように、その遅延量を正弦波状に変動させてもよい。
この場合、遅延制御信号DLYが示す遅延量を変動させた場合に、Early信号がHレベルとなる回数と、Late信号がHレベルとなる回数との大小関係から、信号φ1およびφ2の位相差をより細かく判別することができる。例えば、Late信号がHレベルとなる回数が、Early信号がHレベルとなる回数より少しだけ多いと、信号φ1は、信号φ2より少しだけ遅れていることになる。このように故意に遅延信号φ2の位相を変動させることで、信号φ1とφ2の位相差をより細かく判別することができる。
次に効果を説明する。
本実施形態では、制御ロジック回路9は、変動制御信号が入力された場合、可変遅延回路3の遅延量の平均値が0になるように、その遅延量を変動させる。
この場合、信号φ1およびφ2の位相差をより細かく判別することができる。
次に第十二の実施形態を説明する。本実施形態では、上述の各実施形態で説明した位相比較器を用いたPLL回路を説明する。
図26は、本実施形態のPLL回路を示したブロック図である。図26において、PLL回路は、位相比較器101と、デジタルフィルタ102と、DCO(Digital Controlled Oscillator:デジタル制御発振器)103と、分周器104とを含む。
位相比較器101は、第一の実施形態から第十一の実施形態で説明した位相比較器のいずれかの構成を有する。
位相比較器101には、信号φ1(またはデータ信号Din)として参照信号が入力される。デジタルフィルタ102は、位相比較器101から出力された誤差信号を平滑化し、その平滑化した誤差信号をDCO103に入力する。
DCO103は、その入力された誤差信号に応じた周波数で発振し、その発振した周波数の信号を制御クロック信号として出力するとともに、その制御クロック信号を分周器104に入力する。分周器104は、その入力された制御クロック信号をN分周し、そのN分周した制御クロック信号を信号φ2(またはクロック信号ψ2)として位相比較器101に入力する。
なお、CDR回路も図26で示したPLL回路と同様な構成で実現することができる。
本実施形態によれば、消費電力および回路面積の増加を抑制しながら、位相差を判別することが可能になる。したがって、消費電力および回路面積の増加を抑制しながら、2つの入力信号の位相差を0に収束させるフィードバックループの利得を一定にすることが可能になる。
次に第十三の実施形態を説明する。本実施形態では、上述の各実施形態で説明した位相比較器を用いたDLL回路を説明する。
図27は、本実施形態のDLL回路を示したブロック図である。図27において、DLL回路は、位相比較器101と、デジタルフィルタ102と、分周器104と、入力端子201と、DCDL(Digital Voltage Controlled Delay Line:デジタル制御遅延ライン)202とを含む。
デジタルフィルタ102は、位相比較器101から出力された誤差信号を平滑化し、その平滑化した誤差信号をDCDL202に入力する。
入力端子201には、基準クロック信号が入力され、その基準クロック信号をDCDL202に入力する。なお、入力端子201は、クロック入力手段の一例である。
DCDL202は、その入力された誤差信号に応じて、その入力された基準クロック信号を遅延し、その遅延した基準クロック信号を制御クロック信号として出力するとともに、その制御クロック信号を分周器104に入力する。
なお、CDR回路も図27で示したDLL回路と同様な構成で実現することができる。
本実施形態によれば、消費電力および回路面積の増加を抑制しながら、位相差を判別することが可能になる。したがって、消費電力および回路面積の増加を抑制しながら、2つの入力信号の位相差を0に収束させるフィードバックループの利得を一定にすることが可能になる。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されたものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更を行うことができる。
例えば、可変遅延回路3は、信号φ2を遅延させていたが、信号φ1およびφ2のどちらか一方を遅延させればよい。
この出願は、2008年8月7日に出願された日本出願特願2008−204494号公報を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (11)

  1. 第一入力信号が入力される第一入力手段と、
    第二入力信号が入力される第二入力手段と、
    前記第二入力手段に入力された第二入力信号の位相を調整して、調整入力信号を生成する調整手段と、
    前記第一入力手段に入力された第一入力信号の位相と、前記調整手段が生成した調整入力信号の位相との前後関係を判別し、該前後関係を示す判別結果を出力する判別手段と、
    前記判別手段から出力された判別結果が示す前後関係が変化するように、前記調整手段の調整量を調節していき、該調節した調整量に応じて、前記判別結果に付与する重み値を決定する制御手段と、
    前記判別手段から出力された判別結果に前記制御手段が決定した重み値を付与する重み付け手段と、
    前記重み付け手段が前記重み値を付与した判別結果を、前記第一入力信号の位相と前記第二入力信号の位相との前後関係と、前記第一入力信号および前記第二入力信号の位相差とを示す誤差信号として出力する出力手段と、を含む位相比較器。
  2. 請求の範囲第1項に記載の位相比較器において、
    前記調整手段が前記第二入力信号の位相を遅らせている場合に、前記第一入力信号の位相が前記第二入力信号の位相より進んでいることを示す誤差信号が前記出力手段から出力されるのを停止し、前記調整手段が前記第二入力信号の位相を進ませている場合に、前記第一入力信号の位相が前記第二入力信号の位相より遅れていることを示す誤差信号が前記出力手段から出力されるのを停止する出力制御手段と、を含む位相比較器。
  3. 請求の範囲第1項または第2項に記載の位相比較器において、
    前記第二入力手段には、前記第二入力信号より位相が進んだ先行信号と、前記第二入力信号より位相が遅れた後行信号とがさらに入力され、
    前記判別手段は、
    前記第一入力手段に入力された第一入力信号を、前記第二入力手段に入力された先行信号のエッジのタイミングで保持し、該保持した第一入力信号を出力する第一保持手段と、
    前記第一入力手段に入力された第一入力信号を、前記調整手段が生成した調整入力信号のエッジのタイミングで保持し、該保持した第一入力信号を出力する第二保持手段と、
    前記第一入力手段に入力された第一入力信号を、前記第二入力手段に入力された後行信号のエッジのタイミングで保持し、該保持した第一入力信号を出力する第三保持手段と、
    前記第一保持手段から出力された第一入力信号と、前記第二保持手段から出力された第一入力信号と、が互いに異なっていると、前記第一入力信号の位相が前記調整入力信号の位相より進んでいることを示す判別結果を出力し、前記第二保持手段から出力された第一入力信号と、前記第三保持手段から出力された第一入力信号と、が互いに異なっていると、前記第一入力信号の位相が前記調整入力信号の位相より遅れていることを示す判別結果を出力する選択出力手段と、を含む、位相比較器。
  4. 請求の範囲第3項に記載の位相比較器において、
    クロック信号が入力される第三入力手段を含み、
    前記判別手段は、
    前記第一保持手段から出力された第一入力信号を、前記第三入力手段に入力されたクロック信号のエッジのタイミングで保持し、該保持した第一入力信号を出力する第四保持手段と、
    前記第二保持手段から出力された第一入力信号を、前記第三入力手段に入力されたクロック信号のエッジのタイミングで保持し、該保持した第一入力信号を出力する第五保持手段と、
    前記第三保持手段から出力された第一入力信号を、前記第三入力手段に入力されたクロック信号のエッジのタイミングで保持し、該保持した第一入力信号を出力する第六保持手段と、を含み、
    前記選択出力手段は、前記第四保持手段から出力された第一入力信号と、前記第五保持手段から出力された第一入力信号と、が互いに異なっていると、前記第一入力信号の位相が前記調整入力信号の位相より進んでいることを示す判別結果を出力し、前記第五保持手段から出力された第一入力信号と、前記第六保持手段から出力された第一入力信号と、が互いに異なっていると、前記第一入力信号の位相が前記調整入力信号の位相より遅れていることを示す判別結果を出力する、位相比較器。
  5. 請求の範囲第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の位相比較器において、
    前記制御手段は、
    カウント値を保持し、前記判別結果に基づいて、前記カウント値をカウントアップまたはカウントダウンし、該カウントアップまたはカウントダウンしたカウント値に応じて、前記調整量を調節するカウント手段と、
    前記カウント手段が調節した調整量に応じて前記重み値を決定する決定手段と、を含む、位相比較器。
  6. 請求の範囲第5項に記載の位相比較器において、
    前記調整手段が生成した調整入力信号を所定遅延量だけ遅延する第一遅延手段と、
    前記第一遅延手段が遅延した調整入力信号を特定遅延量だけ遅延する第二遅延手段と、を含み、
    前記判別手段は、
    前記第一入力手段に入力された第一入力信号の位相と、前記調整手段が生成した調整入力信号の位相との前後関係を判別し、該前後関係を示す第一判別結果を前記判別結果として出力する第一判定手段と、
    前記第一入力手段に入力された第一入力信号の位相と、前記第一遅延手段が遅延した調整入力信号の位相との前後関係を判別し、該前後関係を示す第二判別結果を前記判別結果として出力する第二判定手段と、
    前記第一入力手段に入力された第一入力信号の位相と、前記第一遅延手段が遅延した調整入力信号の位相との前後関係を判別し、該前後関係を示す第三判別結果を前記判別結果として出力する第三判定手段と、を含み、
    前記重み付け手段は、前記第一判別結果、前記第二判別結果および前記第三判別結果のそれぞれに前記制御手段が決定した重み値を付与し、
    前記出力手段は、前記重み付け手段が前記重み値を付与した第一判別結果、第二判別結果および第三判別結果のうち、最も位相差が大きいことを示す信号を前記誤差信号として出力する、位相比較器。
  7. 請求の範囲第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の位相比較器において、
    前記制御手段は、前記調整入力信号の位相を変動する変動制御信号が入力された場合、前記調整量の平均値が0になるように、前記調整量を変動させる、位相比較器。
  8. 請求の範囲第1項または第2項に記載の位相比較器において、
    前記判別手段は、前記第一入力信号および前記調整入力信号の位相差をさらに判別し、該位相差をさらに示す判別結果を出力し、
    前記重み付け手段は、前記判別手段が出力した判別結果に前記重み値を加算し、
    前記制御手段は、前記判別結果に基づいて、前記調整量を、前記判別手段が判別する位相差の分解能より小さい単位で調節する、位相比較器。
  9. 請求の範囲第8項に記載の位相比較器において、
    前記制御手段は、前記第一入力信号および前記調整入力信号の位相差が、前記判別手段にて判別可能な範囲を超えている場合、該位相差が前記範囲に含まれるように、前記調整量を調節する、位相比較器。
  10. 請求の範囲第1項ないし第9項のいずれか1項に記載の位相比較器と、
    前記位相比較器から出力された誤差信号を平滑化するフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段が平滑化した誤差信号に応じた周波数で発振し、該発振した周波数の信号を前記第一入力信号または前記第二入力信号として前記位相比較器に入力する発振手段と、を含むPLL回路。
  11. 請求の範囲第1項ないし第9項のいずれか1項に記載の位相比較器と、
    クロック信号が入力されるクロック入力手段と、
    前記位相比較器から出力された誤差信号を平滑化するフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段が平滑化した誤差信号に応じて、前記クロック入力手段に入力されたクロック信号を遅延し、該遅延したクロック信号を前記第一の入力信号または前記第二入力信号として前記位相比較器に入力する制御遅延手段と、を含むDLL回路。
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