以下、本発明の実施の形態について、以下詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(概要)
まず、本実施の形態に係るパターン形成用積層体について説明する。本実施の形態に係るパターン形成用積層体は、感光性樹脂で構成される樹脂層に所望のパターンを形成するものである。
ここで、樹脂層を構成する感光性樹脂は、一般的なフォトリソグラフィで用いられるものと同様である。
図1は、本実施の形態に係るパターン形成用積層体を示す断面模式図である。図1Aに示すように、パターン形成用積層体10において、樹脂層11(以下、樹脂層Aともいう)の一方の主面に、第1の基材(以下、基材Bともいう)12が接着されている。また、樹脂層11の他方の主面に、第2の基材13(以下、基材Cともいう)が接着されている。
パターン形成用積層体10を、所望のパターンを有するフォトマスク(図示せず)を介して、露光すると、図1Bに示すように、樹脂層11に未露光部11aと露光部11bとが形成される。
本実施の形態に係るパターン形成用積層体10においては、樹脂層Aの未露光部11aにおいて、樹脂層Aと基材Bとの密着性(以下、F(A−B1)と記す)と、樹脂層Aと基材Cとの密着性(以下、F(A−C1)と記す)とが、以下のような関係を示す。
F(A−B1)>F(A−C1)
これと同時に、樹脂層Aの露光部11bにおいて、樹脂層Aと基材Bとの密着性(以下、F(A−B2)と記す)と、樹脂層Aと基材Cとの密着性(以下、F(A−C2)と記す)とが、以下のような関係を示す。
F(A−B2)<F(A−C2)
すなわち、樹脂層11を所望のパターンで露光して未露光部11a及び露光部11bを形成した場合、未露光部11aにおいて、第1の基材12との密着性F(A−B1)が、第2の基材13との密着性F(A−C1)よりも大きくなり、且つ、樹脂層11の露光部11bにおいて、第1の基材12との密着性F(A−B2)が、第2の基材13との密着性F(A−C2)よりも小さくなる。
このような密着性の差は、例えば、第1の基材12と第2の基材13の材質の変更、表面の改質等により実現可能である。なお、基材の材質については後述する。
表面改質の方法としては、ベーク、紫外光照射、オゾン処理、コロナ放電、プラズマ等が挙げられる。これらの処理により、表面に付着している有機物の除去、基材の表面における化学的構造、ガラスや結晶の状態などを変化させることができる。
異種表面改質の方法としては、他の材料をスピンコート、スパッタ、蒸着等によりナノオーダーで体積する方法がある。
例えば、スピンコートとしてはシランカップリング剤、クロロシランや、フッ素系化合物が挙げられる。シランカップリング剤としてはテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、2−メタクリロキシエチルメチルジメトキシシラン、2−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−アクリロキシエチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシメチルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシメチルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシジメチルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシジメチルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメトキシジメチルシシラン、3−グリシドキシプロピルエトキシジメチルシシランN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、トリ−i−プロピルクロロシラン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、複数種類混ぜて使用してもよい。
フッ素系化合物の例としては、フッ素原子を一つ以上有している化合物であり、酸性基、塩基性基、又は反応性基を有する化合物であることが好ましい。フッ素含有基としては、フッ素、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−プロピル、テトラフルオロエチレンオキシ、ヘキサフルオロプロピレンオキシ等が挙げられる。酸性基としては、カルボン酸、フェノール基、リン酸、亜リン酸、硫酸基等が挙げられる。塩基性基としては、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ピリジル基等が挙げられる。反応性基としては、ヒドロキシ基、トリアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、モノアルコキシシリル基、アクリロキシ基、ビニル基、アリル基、クロロシリル基、アシルクロライド基、イソシアネート基等が挙げられる。市販されている離型剤の例としては、ダイキン工業社製のオプツールDSX、デュラサーフHD1101やHD2101、住友スリーエム社製のノベック、トリフルオロメチル(トリメトキシ)シラン、トリフルオロメチル(トリエトキシ)シラン等が挙げられる。
上述の構成により、第1の基材12と第2の基材13の密着性の差を利用して、以下のように、パターン付き基材の製造を行うことが可能となる。
第1の基材12及び第2の基材13を互いに引き剥すと、上述のような未露光部11a及び露光部11bにおける密着性の差によって、未露光部11aは、第1の基材12に接着したまま残り、第2の基材13側で剥離が起こる。一方、露光部11bは、第2の基材13に接着したまま残り、第1の基材12側で剥離が起こる。この結果、第1の基材12側には、未露光部11aで構成されるパターンが形成され、第2の基材13側には、露光部11bで構成されるパターンが形成される。
互いに引きはがした際、それぞれ剥離が起こる場所に残渣が残っていてもよい。残渣とは、樹脂層11の初期膜厚よりも薄い膜厚の残存樹脂を指す。残渣の厚さは、後にアッシングや短時間の現像等で除去する際、プロセス時間を短くできることから、好ましくは樹脂層11の初期膜厚の2分の1以下、より好ましくは5分の1以下、さらに好ましくは10分の1以下である。
密着性については、剥離試験機や引張試験機により測定することもできる。密着力の差については、少しでも差があればよいが、引張試験機等により密着力(剥離力)を測定することができる。ただし、樹脂層11が10μm以下の薄膜であったり、粘性樹脂で構成される場合、密着力を測定したり、することは困難である。そのため、実際に露光することにより、密着力に差が出ればよい。
次に、本実施の形態に係るパターン形成用積層体の製造方法、及び、パターン形成用積層体を用いたパターン付き基材の製造方法について説明する。図2は、本実施の形態に係るパターン形成用積層体の製造方法、及び、パターン付き基材の製造方法の各工程を示す断面概略図である。
図2Aに示すように、まず、いずれか一方の基材、例えば、第1の基材12の表面上に感光性樹脂材を塗布し、樹脂層11を形成する。
次に、図2Bに示すように、樹脂層11の第1の基材12とは反対側の表面上に第2の基材13を貼り合わせ、パターン形成用積層体10を得る。
このようにして得られたパターン形成用積層体10に対して露光処理を施す。図2Cに示すように、第1の基材12の樹脂層11とは反対側の表面上にパターニング用マスク21を配置する。パターニング用マスク21は、光、例えばUV等を透過する露光領域21aと、UVを透過しない非露光領域21bとが設けられ、露光領域21aは、パターニング用マスク21の一部分にだけ設けられている。
パターニング用マスク21は、第1の基材12の表面に接触させても良いし、やや離しても良い。
上述のようなパターニング用マスク21を介して、UVを照射して樹脂層11を露光する。ここで、樹脂層11を露光するために、2つの基材のいずれか一方、この例では、第1の基材12が光透過性である必要があるが、特に限定されず、パターニング用マスク21を配置する側、すなわちUVを照射する側が光透過であれば良い。
露光により、パターニング用マスク21の露光領域21aの下側の樹脂層11が露光され、露光部11bが形成され、一方、非露光領域21bの下側の樹脂層11は露光されず、未露光部11aが形成される(図1B参照)。
この後、第1の基材12及び第2の基材13を互いに引き剥す。これにより、図2Dに示すように、上述のような未露光部11a及び露光部11bにおける密着性の差によって、未露光部11aは、第1の基材12に接着したまま残り、第2の基材13側で剥離が起こる。一方、露光部11bは、第2の基材13に接着したまま残り、第1の基材12側で剥離が起こる。この結果、第1の基材12側には、未露光部11aで構成されるパターン22が形成され、第2の基材13側には、露光部11bで構成されるパターン23が形成される。この結果、パターン付き基材24、25が得られる。
以上説明したように本実施の形態に係るパターン形成用積層体10を用いれば、現像工程なしで、樹脂層を容易にパターニングすることが可能であるので、環境や人体に悪影響を与える心配がなく、工程数を削減でき、パターン付き基材24、25を安価に製造することができる。
例えば、パターン付き基材24では未露光部11aに露光部11bの一部分が残渣として残ることや、パターン付き基材25では露光部11bの一部分が残渣として残ることがあり得る。このような場合には、残渣を取り除くために、従来の方法と同様に、現像液を用いての残渣を除去することも可能である。樹脂層11の未露光部11a又は露光部11bを現像する場合に比べて、残渣の量は少量であるため、現像液の使用量は少なく、かつ、現像時間も短いので、従来の方法に比べて、環境や人体に悪影響を与える心配がなく、工程数を削減でき、パターン付き基材24、25を安価に製造することができる。
(詳細)
以下、本実施の形態に係るパターン形成用積層体について、より詳細に説明する。
(基材)
第1の基材12及び第2の基材13の材質としては、有機材料、有機無機ハイブリッド材料又は無機材料のいずれであっても良い。第1の基材12及び第2の基材13は、複数の材料又は複数の層で構成されていても良い。
例えば、有機材料からなる支持体やカバーフィルムとして基材がある場合、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン又はスチレン−イソプレンを主体とするブロック共重合樹脂、ブタジエン−スチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂、ナイロン、ポリウレタン、ポリウレタン・塩化ビニル共重合体、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート共重合体、ポリビニルアセタール、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体等のフッ素化ポリマー、ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系ポリマー、ポリアミド、レイヨン等のセルロース誘導体等の合成樹脂、綿、麻、パルプ、織布、編布、不織布等が挙げられる。
有機無機ハイブリッド材料としては、有機基を有するシロキサンポリマー、有機ポリマーとシロキサンユニットの共重合体、シリカ、チタニア、ジルコニア等の微粒子を混合した有機ポリマー等が挙げられる。
第1の基材12及び第2の基材13の少なくともいずれか一方が無機材料で少なくとも一部が構成されていても良い。より具体的には、上記有機材料又は上記有機無機ハイブリット材料に無機材料を成膜しても良い。無機材料層は、樹脂層11側にあっても良く、反対側にあっても良い。
無機材料としては、例えば、金属、金属酸化物、金属窒化物、又は半導体材料が挙げられる。
金属としては、Al、Mo、Au、Ag、Cu及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
金属酸化物としては、透明導電体、酸化ケイ素(SiO2、無アルカリガラス、石英ガラスを含む)、酸化アルミニウム(Al2O3、サファイアを含む)、酸化チタン(TiO2)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、チタン酸バリウム(BaTiO3)及びチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タンタル(Ta2O5)からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
透明導電体が、ITO(スズドープ酸化インジウムスズ)、IZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化スズ)、TTO(タンタルドープ酸化スズ)及びNTO(ニオブドープ酸化チタン)、酸化スズ、及び酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
半導体材料が、Si、SiC、Ge又はIII−V族化合物であることが好ましい。
III−V族化合物としては、Si3N4、GaN、InN、AlN、GaP、InP、AlP、GaAs、InAs、AlAs等であることが好ましい。
上述の無機材料は、それ単体で基材となっても良く、複数層積層されていても良い。
第1の基材12及び第2の基材13の少なくともいずれか一方の樹脂層11側に、第1の基材12及び第2の基材13の材質とは異なる有機材料層、又は有機無機ハイブリッド材料層が形成されていてもよい。単独膜又は自立フィルムを作成できない場合、支持体として基材を用いることができる。
第1の基材12及び第2の基材13の材質とは異なる有機材料層、又は有機無機ハイブリッド材料としては、光硬化樹脂が挙げられる。光硬化樹脂を用いることにより、添加するモノマーや添加剤を幅広く選択することが可能であり、任意の表面状態を有する基材を作製することができる。
光硬化樹脂は、光によって活性化することにより発生したラジカル、酸、又は塩基により重合、硬化したもの、及び光によって活性化された反応部位が他の分子と結合することにより硬化したものである。光とは任意の波長の光を用いることができるが、好ましくはUV光である。
光硬化樹脂として好ましい例としては、フッ素含有化合物、及び/又はシリコーン含有化合物が挙げられる。
第1の基材12及び第2の基材13の少なくとも一方が、露光時に必要なUV光を透過することが好ましい。365nmの透過率で10%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、50%以上がさらに好ましく、70%以上が最も好ましい。露光部11bと未露光部11aとのコントラストの差をつけるために、少なからず透過すればよいが、コントラストをより鮮明につけるためには透過率が高いほど好ましい。
(ナノインプリト法への応用)
第1の基材12及び第2の基材13は、一方が、光感光性ドライフィルムにおけるカバーフィルム側に、他方が支持体(ベースフィルム)側になるのが好ましい。カバーフィルムとは樹脂層11に傷等がつかないように保護するフィルムのことである。
さらに、カバーフィルム側を、ナノインプリント法において、転写樹脂層に凹凸パターンを転写する際のナノインプリントモールドとして使用しても構わない。すなわち、カバーフィルム側となる基材は所望の凹凸構造を備えている。
凹凸構造は、周期的な配列であっても、なくても良いが、周期的な配列であることがより好ましい。
凹凸構造は、ラインアンドスペース(L/S)、ドット(凸又は凹)、四角(凸又は凹)、多角形(凸又は凹)等が挙げられる。
凹凸構造の凹部の少なくとも一部に樹脂層11を構成する感光性樹脂材とは異なる材料が存在しても良い。
異なる材料としては、樹脂層11と屈折率、透過率等の光学特性、ドライエッチング耐性、弾性率、粘度等の物性や機械強度等の異なる材料を用いることが好ましい。例えば、ドライエッチング耐性の異なる物性の材料を用いた場合、樹脂積層体をラミネートした基材を加工する際に、単独では形成が困難な、二段階のスロープを持つ形状に加工可能である。
図3は、本実施の形態に係るパターン形成用積層体における凹凸構造を説明するための説明図である。例えば、凹凸構造がドットの場合、図3Aに示すように、各ドット31が一定のピッチPで形成されていてもよいし、図3Bに示すように、複数のドット31を組み合わせたドット群32が一定の周期性を持つように、各ドット31が配列されていてもよい。
例えば、各ドット31が、正六方配列、六方配列、準六方配列、準四方配列、四方配列及び正四方配列等で配列されていてもよい。また、全てのドット31に周期性がなくてもよく、一部のドット31に周期性があるように配列され、残りのドット31がランダムに配列されていてもよい。
ドットからなる凹凸構造(ドットパターン)に周期性がある場合、基材との密着性の面内均一性が保たれるため好ましい。また、ドットパターンへの感光性樹脂材の埋め込み性や、塗布後の膜厚均一性の観点から、ドット31間(最も近いドット31同士の間)の距離(ピッチP)の下限値は50nm以上であることが好ましく、100nm以上がより好ましく、150nm以上がさらに好ましい。またピッチPの上限値は、10000nm以下が好ましく、3000nm以下がより好ましく、2000nm以下がさらに好ましく、1000nm以下がさらに好ましい。図3Aに示すように、ピッチPとは、最も近いドット同士の頂点又は中心間の距離を示す。
樹脂層11の厚さは所望の厚さにすることが可能である。
各ドット31の幅の下限値は、ドットパターンへの感光性樹脂材の埋め込み性や、塗布後の膜厚均一性の観点から、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましく、200nm以上がさらに好ましく、300nm以上が最も好ましい。また幅の上限値は、1000nm以下が好ましく、800nm以下がより好ましく、700nm以下がさらに好ましく、500nm以下が最も好ましい。ドット31の幅とは、ドット31が凸部の場合、ドット31の底部の幅を示し、ドット31が凹部の場合、開口幅を示す。
凹凸構造を構成するドット31は、凸部でも凹部でもよく、ドット31の形状は使用する樹脂モールドの設計による。
凹凸構造のドット31の最適な形状やサイズについては、使用する材質の屈折率、アッシング耐性、エッチング耐性、光取出し向上性等の光学特性、物理特性等により種々選択できる。
また、パターン形成用積層体10が、ナノインプリント法に適用される場合、第1の基材12及び第2の基材13との間で密着性の差を出すために、一方の基材が、ポリジメチルシロキサン等のシロキサンポリマー及びフッ素系化合物を含む化合物が塗布されている基材、ポリジメチルシロキサン等のシロキサンポリマー、及びフッ素系化合物を含む樹脂層を有する基材、又は、ポリジメチルシロキサン等のシロキサンポリマー及びフッ素系化合物を含む基材であるとより好ましい。それらの化合物が樹脂層11に接する部分に存在していれば良い。他の素材をマスターモールドとして用いる場合は、フッ素系化合物やケイ素化合物を用いて離形処理を施しても良い。
以下の説明では、本実施の形態に係るパターン形成用積層体10を、ナノインプリント法に適用する場合について説明する。
(樹脂層)
樹脂層11を構成する感光性樹脂材としては、光重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤等、光に反応して、活性物質を生成する化合物を用いることができる。好ましくは、感光性化合物の光への反応性、感光性化合物から発生した活性物質の反応性の観点から、光重合開始剤が好ましい。
感光性樹脂材は、無機材料であっても、有機材料であっても構わない。無機材料は、耐熱性、耐光性等の耐久性、エッチング耐性、透明性の観点から好ましく、有機材料、及び有機無機ハイブリッド材料は、樹脂層11を形成するうえで、材料や溶剤を種々選択できることから好ましい。さらに、有機材料を用いることにより、アッシング、エッチングにより、基材そのものを加工することが容易である。樹脂層11は、複数の材料又は複数の層から構成されてもよい。
<光重合開始剤を用いた感光性樹脂材>
光重合開始剤を用いた感光性樹脂材としては、エチレン性不飽和付加重合性モノマー含有組成物が挙げられる。光重合開始剤として好ましいものとしては、光によりラジカルを発生する化合物であり、以下の化合物が挙げられる。
(1)ベンゾフェノン誘導体:例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン
(2)アセトフェノン誘導体:例えば、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(BASF社製、Irgacure(登録商標)651)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、Irgacure184)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF社製、Irgacure907)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(BASF社製、Irgacure127)、フェニルグリオキシル酸メチル
(3)チオキサントン誘導体:例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン
(4)ベンジル誘導体:例えば、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール
(5)ベンゾイン誘導体:例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オン(BASF社製、Darocur(登録商標)1173)
(6)オキシム系化合物:例えば、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)] (BASF社製、IrgacureOXE01)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(BASF社製、IrgacureOXE02)
(7)α−ヒドロキシケトン系化合物:例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン
(8)α−アミノアルキルフェノン系化合物:例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(BASF社製、Irgacure369)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン(BASF社製、Irgacure379)
(9)フォスフィンオキサイド系化合物:例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製、Irgacure819)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF社製、Darocur(登録商標) TPO)
(10)チタノセン化合物:例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム(BASF社製、Irgacure784)
また、これらの光重合開始剤の使用にあたっては、単独でも2種以上の混合物でもかまわない。
光重合開始剤の中では、特に光感度の点で、(5)のベンゾイン誘導体又は(9)のフォスフィンオキサイド系化合物がより好ましく、光への安定性への観点からは、(1)のベンゾフェノン誘導体、(2)のアセトフェノン誘導体、又は(7)のα−ヒドロキシケトン系化合物が好ましい。その添加量は、アクリル/メタクリル化合物(100質量部)に対して、0.01〜30質量部であり、好ましくは0.1〜5質量部であり、より好ましくは0.2〜2質量部であり、さらに好ましくは0.3〜1.5質量部である。ナノインプリント法に本実施の形態に係るパターン形成方法を適用する場合、実用的な硬度の微細凹凸構造を得る観点から、光重合開始剤の添加量は、0.01質量部以上であり、また組成物の安定性の観点から、30質量部以下であることが好ましい。
感光性樹脂材は、エチレン性不飽和付加重合性モノマー(以下、「アクリル系モノマー」とも呼ぶ)を含むことが好ましい。感光性樹脂材に添加するアクリル系モノマーとしては、耐エッチング性、硬度、耐熱性を向上させる観点から、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を含む化合物を使用することが好適である。
耐アッシング性、耐エッチング性、膜強度、硬度、耐熱性の観点から、芳香族基、多環状基、又は複素環基を含有するモノマーを感光性樹脂材に含むことが好ましい(1つの化合物が芳香族基、多環状基、又は複素環基のうち、二種類以上に分類される化合物もある)。芳香族基としてはフェニル、ナフタレン、又はアントラセン骨格を有する化合物が挙げられる。また、フェニル基を含有する骨格としては、ビフェニルのような複数の芳香族基同士が直接結合した化合物や、ビスフェノールA骨格のような、複数の芳香族基が炭素、酸素、窒素、ケイ素及び硫黄のうち少なくとも一種を含む架橋基で結合した化合物を含む。
芳香族基が付加されている化合物例としては、フェニル、ナフタレン、アントラセンに置換基として、−R1−O(C=O)−CR2=CH2基(R1は炭素、酸素、窒素、ケイ素及び硫黄のうち少なくとも一種の元素を含有する置換基であり、好ましくは、炭素及び/又は酸素で構成された置換基であり、R2は水素又はメチル基である。)が結合しているものが挙げられる。それらの具体例としては、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、1−ナフタレンアクリレート、1−ナフタレンメタクリレート、2−ナフタレンアクリレート、2−ナフタレンメタクリレート、1−アントラセンアクリレート、1−アントラセンメタクリレート、2−アントラセンアクリレート、2−アントラセンメタクリレート、9−アントラセンアクリレート、9−アントラセンメタクリレート等が挙げられる。フェニル、ナフタレン、アントラセンに置換基として、これらの化合物に複数個のアクリロイル基、又はメタクリロイル基が結合していてもよい。また、他の水素原子を炭素、酸素、窒素、ケイ素、硫黄、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を含む官能基で置換された構造でもよい。それらの化合物の置換基としてカルボン酸基、無水カルボン酸基、又はヒドロキシ基等のアルカリ水溶液への溶解性を向上させるような置換基を有していると、アルカリ水溶液での現像を可能にするため好ましい。
複数の芳香族基同士が直接結合した化合物としては、下記の構造Aを含む化合物群Aのうち少なくともいずれか1つが挙げられる。
複数の芳香族基が炭素、酸素、窒素、ケイ素及び硫黄のうち少なくとも一種を含む架橋基で結合した化合物としては、下記の構造Bを含む化合物群Bのうち少なくともいずれか1つが挙げられる。
多環状化合物としては、下記の構造Cを含む化合物群Cのうち少なくともいずれか1つが挙げられる。
複素環化合物としては、下記の構造Dを含む化合物群Dのうち少なくともいずれか1つが挙げられる。
上記芳香族基、多環状基、又は複素環基の置換位置としては、結合でき得る部位であればどこで置換されていても良く、複数置換されていても良い。
以上、耐アッシング性、耐エッチング性、耐熱性等の良好なアクリル系モノマーを挙げたが、組成全体として芳香族基、多環状基、又は複素環基を含有していれば良く、脂肪族系のアクリレート系モノマー、エチレンオキシド鎖を有するアクリル系モノマーを添加しても良い。
添加量は、耐アッシング性、耐エッチング性、膜強度、硬度、耐熱性の観点から、アクリル系モノマー化合物(100質量部)に対して、芳香族基、多環状基又は複素環基含有モノマーが20質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることがさらに好ましく、70質量部以上であることが最も好ましい。
粘度調整、アッシング耐性、エッチング耐性のために、オリゴマー又はポリマーを樹脂材中に添加しても良い。添加するオリゴマー又はポリマーとしてはアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するオリゴマー又はポリマーを用いるとより好ましい。
好ましい構造としては、上述のフェノールノボラック系オリゴマー/ポリマー、クレゾールノボラック系オリゴマー/ポリマー、スチレン系オリゴマー/ポリマー、ノルボルネン系開環重合物オリゴマー/ポリマー、ノルボルネン系付加重合物オリゴマー/ポリマー、ノルボルナジエン系開環重合物オリゴマー/ポリマー、ノルボルナジエン系付加重合物オリゴマー/ポリマー、上述のアクリル系モノマーのオリゴマー/ポリマー等が挙げられる。さらに、それらオリゴマー/ポリマーの側鎖にアクリロイル基、又はメタクリロイル基が結合していると、より耐アッシング性、耐エッチング性、硬度等の物性が向上するため好ましい。また、それらオリゴマー/ポリマーの側鎖にカルボン酸基、無水カルボン酸基又はヒドロキシ基等のアルカリ水溶液への溶解性を向上させるような置換基を有していると、アルカリ水溶液での現像を可能にするため好ましい。
添加量は、耐アッシング性、耐エッチング性、膜強度、硬度、耐熱性の観点から、アクリル系モノマー化合物(100質量部)に対して、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることがさらに好ましく、組成物の硬化性の観点から1000質量部以下であることが好ましく、500質量部以下であることがより好ましい。
また、アッシング耐性、エッチング耐性、耐熱性、透明性の観点から、無機材料、有機無機ハイブリッド材料を用いることができる。あるいは、有機材料に無機材料や、有機無機ハイブリッド材料を添加することが可能である。
無機材料としては、例えば、ゾルゲル材料や無機フィラー(無機微粒子)を含むことができる。また無機材料としては、ゾルゲル材料のみで構成されてもよい。また無機材料としては、シリカ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛等の無機酸化物、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム及びITO等の金属複合酸化物、金、銀、銅、アルミ及びクロム等の金属が挙げられる。
また、Al、Si、P、Ti、Ga、Ge、Zr、Nb、Ta、In及びSnから選ばれる少なくとも一種の元素を含有することが好ましい。特に、Ti、Zr、Siであることが好ましい。
有機無機ハイブリッド材料としては、金属アルコキシド、金属塩化物、及びそれらの加水分解物、加水分解縮合物を用いてもよい。耐クラック性、安定性の観点から、縮合物を用いることが好ましい。
金属アルコキシドとしては、シランアルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、タンタルアルコキシド等が挙げられるが、安定性の観点からシランアルコキシド、チタンアルコキシド、又はジルコニウムアルコキシドが好ましく、シランアルコキシドがより好ましい。金属塩化物としてはテトラクロロシラン、塩化チタン、塩化ジルコニウム、塩化タンタル等を挙げられる。
シランアルコキシド又はクロロシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、2−メタクリロキシエチルメチルジメトキシシラン、2−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−アクリロキシエチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシメチルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシメチルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシジメチルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシジメチルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメトキシジメチルシシラン、3−グリシドキシプロピルエトキシジメチルシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、トリ−i−プロピルクロロシラン等を挙げることができる。
硬化物の安定性、硬度、アッシング耐性、エッチング耐性の観点から、光重合開始剤により反応し得る官能基を有していることが好ましく、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、2−メタクリロキシエチルメチルジメトキシシラン、2−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−アクリロキシエチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
その他の金属アルコキシド又は金属塩化物としては、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラn−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラn−ブトキシド、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn−ブトキシド、タンタルペンタメトキシド、タンタルペンタエトキシド、タンタルペンタn−プロポキシド、タンタルペンタイソプロポキシド、タンタルペンタn−ブトキシド等が挙げられる。
酸化チタン、酸化ジルコニウム、シリカ、ITO、ZnO、SnO、IZO、ATO、AZO等の微粒子を含有していてもよい。その場合、膜物性、透明性の観点から、粒径は1000nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、50nm以下がさらに好ましい。これらは、それぞれ単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いても良い。
組成物の耐エッチング性、耐アッシング性を向上又は制御する目的をもって、金属酸化物、金属複合酸化物、金属又は有機無機ハイブリッド材料を添加する場合、複数の凸部又は凹部から構成されるドットを含む凹凸構造中の組成物全体でバランスよく配合することが必要とされる。一方、耐熱性、透明性等の物性を向上させるためは、感光性樹脂材の組成物(100質量部)に対して、添加量を10質量部以上とすることが好ましく、20質量部以上とすることがより好ましく、30質量部以上とすることがさらに好ましく、50質量部以上とすることがさらに好ましく、70質量部以上とすることがさらに好ましく、90質量部以上とすることが最も好ましい。
<光酸発生剤を用いた感光性樹脂材>
光酸発生剤は、光照射により光酸を発生すれば、特に限定されるものではない。例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩といった芳香族オニウム塩が挙げられる。光酸発生剤としては、例えば、スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾイントシレート、アデカオプトマー(登録商標)sp−170(ADEKA社製)、アデカオプトマー(登録商標)sp−172(ADEKA社製)、WPAG−145(和光純薬工業社製)、WPAG−170(和光純薬工業社製)、WPAG−199(和光純薬工業社製)、WPAG−281(和光純薬工業社製)、WPAG−336(和光純薬工業社製)、WPAG−367(和光純薬工業社製)、CPI−100P(サンアプロ社製)、CPI−101A(サンアプロ社製)、CPI−200K(サンアプロ社製)、CPI−210S(サンアプロ社製)、DTS−102(みどり化学社製)、TPS−TF(東洋合成工業社製)、DTBPI−PFBS(東洋合成工業社製)が挙げられる。
光酸発生剤の添加量は、カチオン硬化性モノマー化合物(100質量部)に対して、0.01〜30質量部であり、好ましくは0.1〜20質量部であり、より好ましくは0.2〜10質量部であり、さらに好ましくは0.3〜5質量部である。実用的な硬度のドットパターンを得る観点から、光酸発生剤の添加量は、0.01質量部以上であり、また組成物の安定性の観点から、30質量部以下である。
光酸発生剤組成物中に、カチオン硬化性モノマー及び/又はポリマーを添加することが好ましい。
耐アッシング性、耐エッチング性、膜強度、硬度、耐熱性の観点から、芳香族基、多環状基、又は複素環基を含有するモノマーを感光性樹脂材に含むことが好ましい(1つの化合物が芳香族基、多環状基、又は複素環基のうち、二種類以上に分類される化合物もある)。芳香族基としてはフェニル、ナフタレン又はアントラセン骨格を有する化合物が挙げられる。また、フェニル基を含有する骨格としては、ビフェニルのような複数の芳香族基同士が直接結合した化合物や、ビスフェノールA骨格のような複数の芳香族基が炭素、酸素、窒素、ケイ素及び硫黄のうち少なくとも一種を含む架橋基で結合した化合物を含む。
芳香族基がついている例としては、フェニル、ナフタレン、アントラセンに置換基として、−R1−R4が挙げられる(R1は、炭素、酸素、窒素、ケイ素及び硫黄のうち少なくとも一種の元素を含有する置換基であり、好ましくは、炭素、及び/又は酸素で構成された置換基であり、R4は、エポキシシクロヘキシル基、グリシジル基又はビニルエーテル基である)。他の水素原子を炭素、酸素、窒素、ケイ素、硫黄、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を含む官能基で置換された構造でも良い。また、それらの化合物の置換基としてカルボン酸基、無水カルボン酸基、又は、ヒドロキシ基等のアルカリ水溶液への溶解性を向上させるような置換基を有していると、アルカリ水溶液での現像を可能にするため好ましい。
複数の芳香族基同士が直接結合した化合物としては、上記化合物群Aのうち少なくともいずれか1つが挙げられる。
複数の芳香族基が炭素、酸素、窒素、ケイ素及び硫黄のうち少なくとも一種を含む架橋基で結合した化合物としては、上記化合物群Bのうち少なくともいずれか1つが挙げられる。
多環状化合物としては、上記化合物群Cのうち少なくともいずれか1つが挙げられる。
複素環化合物としては、上記化合物Dのうち少なくともいずれか1つが挙げられる。
上述の芳香族基、多環状基又は複素環基の置換位置としては、結合でき得る部位であればどこで置換されていてもよく、複数置換されていてもよい。
以上、耐アッシング性、耐エッチング性、耐熱性等の良好なアクリル系モノマーを挙げたが、組成全体として芳香族基、多環状基、又は複素環基を含有していればよく、脂肪族系のカチオン硬化性モノマー、エチレンオキシド鎖を有するカチオン硬化性モノマーを添加してもよい。
カチオン硬化性モノマーの具体例は、以下のものが挙げられる。脂環式エポキシ化合物としては、例えば、3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボン酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボン酸−3,4−エポキシ−6’−シクロヘキシルメチル、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。
グリシジルエーテルとしては、例えば、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールFグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
オキセタン化合物としては、例えば、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、3−エチル−3アリルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタンが挙げられる。
ビニルエーテルとしては、例えば、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテルが挙げられる。
これらの中でも脂環式エポキシ化合物は、重合開始速度が向上し、オキセタン化合物は重合率の向上効果があるので、使用することが好ましく、グリシジルエーテルはカチオン硬化性樹脂材の粘度を低下させ、塗工性に効果があるので使用することが好ましい。より好ましくは、開始反応の及び反応初期の反応速度を上げる観点から、脂環式エポキシ化合物とオキセタン化合物とを併用することであり、さらに好ましくは脂環式エポキシ化合物とオキセタン化合物との重量比率が99:1〜51:49の範囲で併用することである。硬化物の耐熱性を上げる観点からSi、Ti原子等の無機化合物を含むことが好ましい。
添加量は、耐アッシング性、耐エッチング性、膜強度、硬度、耐熱性の観点から、カチオン硬化性モノマー化合物(100質量部)に対して、上記芳香族基、多環状基、又は複素環基含有モノマーが20質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることがさらに好ましく、70質量部以上であることが最も好ましい。
粘度調整、アッシング耐性、エッチング耐性のために、上述の光重合開始剤を用いた感光性樹脂材と同様に、オリゴマー又はポリマーを樹脂材中に添加しても良い。
組成物の耐エッチング性、耐アッシング性を向上又は制御する目的をもって、金属酸化物、金属複合酸化物、金属又は有機無機ハイブリッド材料を添加する場合、複数の凸部又は凹部から構成されるドットを含む微細構造層中の組成物全体でバランスよく配合することが必要とされる。一方、耐熱性、透明性等の物性を向上させるためは、添加量は、微細構造層の組成物(100質量部)に対して、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることがさらに好ましく、50質量部以上であることがさらに好ましく、70質量部以上であることがさらに好ましく、90質量部以上であることが最も好ましい。
<光塩基発生剤を用いた感光性樹脂材>
光塩基発生剤は、光照射により塩基を発生すれば、特に限定されるものではない。例えば、WPBG−018(和光純薬工業社製)、WPBG−027(和光純薬工業社製)、WPBG−082(和光純薬工業社製)、WPBG−140(和光純薬工業社製)等が挙げられる。
光塩基発生剤を用いた感光性樹脂材中で用いられる反応性モノマーとしては、エポキシ基、オキセタン基、金属アルコキシド、その加水分解物、加水分解縮合物等を用いることができる。
光塩基発生剤の添加量は、反応性モノマー化合物(100質量部)に対して、0.01〜30質量部であり、好ましくは0.1〜20質量部であり、より好ましくは0.2〜10質量部であり、さらに好ましくは0.3〜5質量部である。実用的な硬度のドットパターンを得る観点から、光酸発生剤の添加量は、0.01質量部以上であり、また組成物の安定性の観点から、30質量部以下である。
(積層構造)
樹脂層11については、複数の樹脂層を順番に積層した構造でも良い。アッシング及びエッチング工程を経る場合、樹脂層11の表面(ドットパターン面)側にアッシング耐性の優れたものを、前記表面とは反対面側にエッチング耐性に優れたものを使用すると良い。例えば、樹脂層11の表面側にチタン系の化合物を含有する感光性樹脂材、樹脂層11の反対面側に炭素割合の高い感光性樹脂材を用いる。
(有機溶剤)
感光性樹脂材中に、以下のような有機溶剤を含有していても良い。
(1)脂肪族アルコール:メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、イソアミルアルコール、s−アミルアルコール、t−アミルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、2−エチル−1−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、イソヘキシルアルコール、メチル−1−ペンタノール、s−ヘキサノール、1−ヘプタノール、イソヘプチルアルコール、2,3−ジメチル−1−ペンタノール、1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、イソオクチルアルコール、2−オクタノール、3−オクタノール、1−ノナノール、イソノニルアルコール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、1−デカノール、イソデシルアルコール、3,7−ジメチル−1−オクタノール、1−ヘンデカノール、1−ドデカノール、イソドデシルアルコール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ヘキシノール
(2)芳香族アルコール:ベンジルアルコール、(2−ヒドロキシフェニル)メタノール、(メトキシフェニル)メタノール、(3,4−ジヒドロキシフェニル)メタノール、4−(ヒドロキシメチル)ベンゼン−1,2−ジオール、(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)メタノール、(3,4−ジメトキシフェニル)メタノール、(4−イソプロピルフェニル)メタノール、2−フェニルエタノール、1−フェニルエタノール、2−フェニル−1−プロパノール、p−トリルアルコール、2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)エタン−1−オール、2−(3,4−ジメトキシフェニル)エタン−1−オール、3−フェニルプロパン−1−オール、2−フェニルプロパン−2−オール、シンナミルアルコール、3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オール、3−(4−ヒドロキシ−3,5−メトキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オール、ジフェニルメタノール、トリチルアルコール、1,2−ジフェニルエタン−1,2−ジオール、1,1,2,2−テトラフェニルエタン−1,2−ジオール、ベンゼン−1,2−ジメタノール、ベンゼン−1、3−ジメタノール、ベンゼン−1、4−ジメタノール
(3)脂環式アルコール:シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、テトラヒドロ−2−フランメタノール
(4)グリコール及びその誘導体:例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノアルキル(炭素原子数1〜8)エーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジオキサン、ジエチレングリコールモノアルキル(炭素原子数1〜6)エーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキル(炭素原子数1〜3)エーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアルキル(炭素原子数1〜4)エーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキル(炭素原子数1〜3)エーテル、エチレングリコールモノアセタート、プロピレングリコールモノアクリラート、プロピレングリコールモノアセタート
(5)ケトン化合物:アセトン、メチルエチルケトン、3−ブチン−2−オン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、3−ペンチン−2−オン、メチルイソプロペニルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メシチルオキシド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、2−オクタノン、3−オクタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、5−ノナノン、ジイソブチルケトン、トリメチルノナノン、2,4−ペンタンジオン、2,5−ヘキサンジオン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、プロピオフェノン、イソホロン
(6)その他:N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン
これらの有機溶剤は、単独で、又は二種以上の組合せで用いることができる。これらの中でも、アセトン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ガンマブチロラクトン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が好ましい。
これらの有機溶剤は、塗布膜厚及び粘度に応じて、感光性樹脂材に適宜加えることができるが、感光性樹脂材中の溶剤以外の全成分の質量基準で、50〜10,000質量%の範囲で用いることが好ましい。
(その他の添加剤)
また、感光性樹脂材は、紫外線吸収剤、光安定剤、接着助剤、重合禁止剤、増感剤、酸化防止剤又は平滑性付与剤を含有していても良い。
(組成)
感光性樹脂材は、アッシング耐性、エッチング耐性の観点から、感光性樹脂材に含まれる全原子の数における炭素原子の数の割合が大きいことが好ましい。
(パターン形成用積層体の製造方法)
以下、本実施の形態に係るパターン形成用積層体について、より詳細に説明する。図2Aに示すように、まず一方の第1の基材12に感光性樹脂材を塗布し、樹脂層11を形成する。次に、図2Bに示すように、もう一方の第2の基材13に樹脂層11を貼合する。
塗布の方法としては、スピンコート、バーコート、ディップ、スプレー塗布、ダイコート、グラビアコート、グラビアオフセット等を用いることができる。なお、面内均一性及び大面積塗布の観点から、スピンコート、バーコート、ダイコート、又はグラビアコートを用いることが好ましい。第1の基材12側に凹凸構造がある場合、凹凸形状への充填の観点から、バーコート又はダイコートを用いることが好ましい。
スピンコートの場合、感光性樹脂材の固形分又は粘度にも依存するが、膜厚均一性の観点からメインの回転数としては300rpm以上が好ましく、500rpm以上がより好ましく、1000rpm以上がさらに好ましく、1500rpm以上が最も好ましい。なお塗布時の安全性の観点から5000rmp以下が好ましい。メインの回転時間としては、3秒以上が好ましく、5秒以上がより好ましく、10秒以上がさらに好ましい。
バーコートやダイコートの場合、感光性樹脂材の固形分又は粘度にも依存するが、膜厚均一性の観点から、塗布ウェット膜厚としては1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、3μm以上がさらに好ましく、また、200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましい。
感光性樹脂材を第1の基材12へ塗布した後、有機溶剤を除去するために、又は、第1の基材12との密着性を向上させるために、加熱、乾燥してもよい。
スピンコートで塗布した場合は、回転数と時間にもよるが、有機溶剤がすでにある程度除去されている場合もあるので、室温で数十秒から数時間静置することにより溶剤を除去してもよい。
加熱、乾燥させる場合は、使用溶剤の種類、残存溶剤量にもよるが、40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。特に、第1の基材12が樹脂製である場合は、感光性樹脂材を均一な膜厚で塗布し且つ第1の基材12に感光性樹脂材を安定して保持させるために、200℃以下が好ましく、150℃以下が好ましい。乾燥時間としては、乾燥温度にもよるが、1分以上が好ましく、3分以上がより好ましく、5分以上がさらに好ましい。
樹脂層11を第2の基材13に貼合する時に加圧してもよい。加圧する際の圧力は、感光性樹脂材の物性や状態(例えば乾燥状態等)にもよるが、加圧したほうが、第2の基材13と樹脂層11との間にエアー等の不純物の混入が最小限に抑えられるため好ましい。また、貼合される側の第2の基材13に凹凸構造がある場合にも、凹凸構造内への感光性樹脂材の充填の観点から、加圧したほうが好ましい。
また、貼合時に、加温してもよい。加温する対象は、貼合雰囲気であっても、第1の基材12及び/又は第2の基材13であってもよいが、プロセス上の簡便さの観点から貼合される側の第2の基材13を加温することが好ましい。加温することにより、感光性樹脂材との密着性の向上や、貼合時のエアー巻き込みを最小化することができる。
パターニング用マスク21の露光領域21a又は非露光領域21bの形状は、円形、正方形、長方形、台形、ラインアンドスペース等、任意の形状を用いることができる。それらの形状は、抜きパターン(その形状の外部の感光性樹脂材が露光される)であっても、残しパターン(その形状の内部の感光性樹脂材が露光される)であってもよい。それらの形状の面積としては、パターニングの精度の観点から、1μm2以上が好ましく、1μm2以上がより好ましく、25μm2以上がさらに好ましく、100μm2以上がさらに好ましく、400μm2以上が最も好ましい。
露光は、縮小投影法、等倍投影法、コンタクト露光及びプロキシミティ露光のいずれの方法でもよい。パターニングの精度の観点から縮小投影法が好ましく、スループットの観点からはコンタクト露光又はプロキシミティ露光が好ましい。
第1の基材12の表面に微細な凹凸構造が存在する場合、第1の基材12と感光性樹脂材との屈折率の違いにより光が散乱することがある。そのような場合はパターニングの精度の観点から、縮小投影法、等倍投影法又はコンタクト露光が好ましい。マスクへの接触によりマスクを汚す可能性がない投影法やプロキシミティ露光を用いると、マスクにかかるコストを減らすことが可能である。
露光量としては、感光性樹脂材中に添加する活性物質の添加量により最適値を変化させることが可能であるが、プロセスのスループットの観点から、3000mJ/cm2以下が好ましく、2000mJ/cm2以下がより好ましく、1000mJ/cm2以下がさらに好ましい。また、プロセスの再現性の観点から、10mJ/cm2以上が好ましく、20mJ/cm2以上がより好ましく、50mJ/cm2以上がさらに好ましい。
露光後に、パターン形成用積層体10を加熱することが好ましい。加熱により、露光により発生した活性物質が、より活性化し、露光部11bと未露光部11aのコントラストを強くすることができる。加熱の温度としては、活性物質の活性化の観点から、40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。一方で、第1の基材12及び第2の基材13の安定性やドットパターンの安定性から、200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。
加熱時間としては、加熱温度にもよるが、プロセスの安定性の観点から、5秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましく、スループットの観点から10分以下が好ましい。
続いて、パターン形成用積層体10から一方の第1の基材12を剥離する。剥離工程において、剥離する方向は貼合時の方向と同じであっても、異なっていてもよい。剥離する速さとしては、スループットの観点から、毎秒0.1cm以上が好ましく、毎秒0.5cm以上がより好ましく、毎秒2.0cm以上がさらに好ましい。
剥離後は、第1の基材12側に未露光部11aが付着し、もう一方の第2の基材13側に露光部11bが付着した構造となる。未露光部11aが付着した第1の基材12に露光部11bの一部(残渣)が残ってもよいし、露光部11bが付着した第2の基材13に未露光部11aの一部が残っても良い。
完全に取り除きたい場合には、従来の方法と同様に、現像液にて除去することも可能であるが、残存量は全てが残っている場合に比べ少なくなっているため、現像時間の短縮や、現像条件を緩和することが可能である。
現像方法としては、ディップ、ディスペンススピン、スプレー、シャワー等が挙げられる。現像液としては有機溶剤、アルカリ性水溶液や酸性水溶液が挙げられる。第1の基材12及び第2の基材13への影響の観点から、有機溶剤又はアルカリ性水溶液が好ましい。また、環境調和及び安全性の観点からアルカリ水溶液がより好ましい。
現像液として用いる有機溶剤としては、感光性樹脂材中の成分が溶解する有機溶剤であればよいが、沸点や引火点の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、ガンマブチロラクトン等が挙げられる。
現像液で現像したのちに、低沸点の有機溶剤でリンスしてもよい。例えば、アセトンやエタノール、メタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
溶剤で現像した後に、水を用いてリンスしてもよい。水でリンスすることにより、露光部の現像液への微溶解成分の溶出を防ぐことが可能である。
アルカリ性水溶液として適した例としては、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土塁金属の炭酸塩の水溶液、アルカリ金属の水酸化物の水溶液、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム水溶液等の水酸化アンモニウム類、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類を挙げることができる。特に、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の炭酸塩、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム等の水酸化アンモニウム類、ジエチルアミン、ジエタノールアミン等のアミン類を0.05〜10質量%含有する弱アルカリ性水溶液を用いて、現像するのがよい。
アルカリ性水溶液で現像した場合は、リンス液として純水を用いることが好ましい。現像及びリンスは20℃以上、35℃以下の温度で行うことが好ましい。
現像及び/又はリンス後に加熱してもよい。加熱により、パターン内に浸透した現像液やリンス液を除去することができる。さらに加えて、感光性樹脂材をより硬化させることもできる。
また、他の方法として、アッシング等により除去することも可能である。
露光後のパターン形成用積層体10において、露光部11b又は未露光部11aを構成する独立した複数の領域の大きさは、少なくとも1つが25μm2〜1000000μm2程度である。
第1の基材12及び第2の基材13と、露光する前後の感光性樹脂材との密着性や接着性については、表面界面物性解析装置(SAICAS)やテンシロンといった測定装置により剥離強度を測定することが可能である。その結果から第1の基材12及び第2の基材13のぞれぞれの種類や、樹脂層11を構成する感光性樹脂材の化合物の構造の設計が可能である。
(光学基材、光学素子)
本実施の形態に係るパターン形成用積層体10は、光学素子、例えばLEDにおいて、サファイア、GaN、GaAs、GaP等のIII−V族化合物や、ITO等の透明電極への凹凸構造の形成に用いることができる。
基材(B)又は基材(C)の樹脂層(A)と接する表面の少なくとも一部に微細凹凸構造が形成されている場合、パターンを形成した後、パターンの表面に微細凹凸構造が現れる。この微細凹凸構造を有するパターニング基材を、アッシング、ドライエッチング、ウェットエッチング等で加工することにより、光学素子中の一部に微細凹凸構造を形成することが可能である。ドライエッチングとしては、使用するガスとして、フッ素系ガスや塩素系ガスが挙げられる。
以上説明したように、本実施の形態に係るパターン形成用積層体10によれば、樹脂層11の未露光部11a及び露光部11bの、第1の基材12及び第2の基材13のそれぞれに対する密着性の差を利用して、現像工程なしで、樹脂層11を容易にパターニングすることが可能であり、光学基材に対して容易にパターンを形成することができ、光学素子を容易に製造することが可能である。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例をもとに本発明をより詳細に説明する。なお、下記実施例における材料、使用組成、処理工程等は例示的なものであり、適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、適宜変更して実施することが可能である。そのため、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
<基材の作製>
以下の通り、第1の基材(未露光部が接着する側)を作製した。
まず、PETフィルムに、下記のフッ素化合物を含む樹脂組成物(I−a)を調整し、塗布し、別のPETフィルムで挟み、1000mJ/cm2露光した後に一方のPETフィルムを剥離して、基材(A)を作製した。
樹脂組成物(I−a):OPTOOL DAC HP(ダイキン工業社製、フッ素系他官能モノマー)17.5質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成社製、M350)100質量部、(1−ヒドロキシシクロヘキシル)フェニルケトン(BASF社製、Irgacure184)5.5質量部、及び、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン(BASF社製、Irgacure369)2.0質量部の混合物。
凹凸構造のある基材(B)として、次の凹部からなるドットパターンを表面に備えるものを作製した。
(ドットパターン)
凹部の直径:650nm
凹部深さ:800nm
X軸方向のピッチPx:700nm
Y軸方向のピッチPy:700nm
半導体パルスレーザを用いた直接描画リソグラフィー法により微細なドットパターンを備える樹脂モールド作製用鋳型を作製し、さらに樹脂組成物(I−a)を用いた転写工程を経ることにより、凹凸構造のある基材(B)を作製した。
上記基材(B)を作製する方法において、樹脂組成物(I−a)のかわりに樹脂組成物(I−b)を用いて基材(C)を作製した。
樹脂組成物(I−b):OPTOOL DAC HP(ダイキン工業社製、フッ素系他官能モノマー)5.5質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成社製、M350)100質量部、(1−ヒドロキシシクロヘキシル)フェニルケトン(BASF社製、Irgacure184)5.5質量部、及び、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン(BASF社製、Irgacure369)2.0質量部の混合物。
[作製例1]
下記感光性樹脂材(II)を調整し、感光性樹脂材(II)を基材(A)上にバーコーター(No.4)を用いて塗布してシート(1)を得た。そしてシート(1)を、105℃のオーブンで15分乾燥させた。その後、あらかじめ85℃に加熱しておいた、第2の基材(露光部が接着する側)としての、ITOが成膜された石英基材に、シート(1)に貼合して、積層体(A−1)を得た。
感光性樹脂材(II):CNEA−100(ケーエスエム社製、ノボラックアクリレート固形分50%)30質量部、9,9’−ビス(4−(アクリロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル社製、EA−HG001)4.0質量部、Irgacure184(BASF社製)0.44質量部、Irgacure369(BASF社製)0.16質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)62質量部、アセトン42質量部の混合物。
[作製例2]
作製例1と同様の方法で積層体を作製したが、第2の基材(露光部が接着する側)を石英基材とし、積層体(A−2)を得た。
[作製例3]
作製例1と同様の方法で積層体を作製したが、第1の基材として、基材(A)の代わりに基材(B)を用いて、感光性樹脂積層体(B−1)を得た。
[作製例4]
作製例2と同様の方法で積層体を作製したが、第1の基材として、基材(A)の代わりに基材(B)を用いて、感光性樹脂積層体(B−2)を得た。
[作製例5]
下記の感光性樹脂材(III)を調整し、感光性樹脂材(III)を基材(A)上にバーコーター(No.4)を用いて塗布し、シート(2)を得た。そしてシート(2)を、105℃のオーブンで10分乾燥させた。得られたシート(2)に、さらに感光性樹脂材(II)をバーコーター(No.4)を用いて塗布し、シート(3)を得た。そしてシート(3)を、105℃のオーブンで15分乾燥させた。あらかじめ85℃に加熱しておいた、第2の基材(露光部が接着する側)としての、ITOが成膜された石英基材にシート(3)に貼合し、積層体(B−3)を得た。
感光性樹脂材(III):テトラn−ブトキシチタン(東京化成工業社製)11質量部、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)5.8質量部、トリメチル末端フェニルメチルシロキサン(東レダウコーニング社製、SH710)0.84質量部、Irgacure184(BASF社製)0.33質量部、Irgacure369(BASF社製)0.12質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)20質量部、アセトン82質量部の混合物。
[作製例6]
作製例5と同様の方法で積層体を作製したが、第2の基材(露光部が接着する側)として石英基材を用いて、積層体(B−4)を得た。
[作製例7]
作製例2と同様の方法で積層体を作製したが、基材(A)の代わりに基材(C)を用いて、積層体(C−1)を得た。基材(C)としてはテフロン(登録商標)板を用いた。
上記作製例1〜作製例7で得られた積層体について以下の表1にまとめた。
続いて、表1に示す積層体を用いて、以下の実施例1〜実施例6及び比較例1でパターニングを行った。
[実施例1]
積層体A−1の基材(A)の上方にパターニング用マスクを載せ、平行光露光機でコンタクト露光した。照度は5.0mW/cm2であり、露光量は100mJ/cm2だった。露光後、120℃で30秒間の露光後ベークを行った。続いて基材(A)を剥離してパターニング基材(A−I)を作製した。
[実施例2]
積層体(A−1)のかわりに積層体(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で光学基材(A−II)を作製した。
[実施例3]
積層体(B−1)の基材(B)の上方にパターニング用マスクを載せ、平行光露光機でコンタクト露光した。照度は5.0mW/cm2であり、露光量は100mJ/cm2だった。露光後、120℃で30秒間の露光後ベークを行った。続いて基材(B)を剥離して、パターニング基材(B−I)を作製した。
[実施例4]
積層体(B−1)のかわりに積層体(B−2)を用いた以外は、実施例3と同様の方法で光学基材(B−II)を作製した。
[実施例5]
積層体(B−1)のかわりに積層体(B−3)を用いた以外は、実施例3と同様の方法で光学基材(B−III)を作製した。
[実施例6]
積層体(B−1)のかわりに積層体(B−4)を用いた以外は、実施例3と同様の方法で光学基材(B−IV)を作製した。
[比較例1]
積層体(C−1)のガラス基板の上方にパターニング用マスクを載せ、平行光露光機でコンタクト露光した。照度は5.0mW/cm2であり、露光量は100mJ/cm2だった。露光後、120℃で30秒間の露光後ベークを行った。続いて基材(C)を剥離しパターニング基材C−Iを作製した。
なお、露光機には、PLA−501F(キャノン社製)を用いた。
[評価手法]
得られたパターニング基材及び光学基材(凹凸構造があるパターニング基材)を光学顕微鏡で観察し、100μm角の四角抜きのパターニングが形成されているか否かを確認した。なお、評価結果は以下の表2にまとめた。ただし、パターン内にわずかに残っている残渣は考慮せず、光学顕微鏡で、100μm角四角抜きパターンが確認できるかどうかで判断した。
○:光学顕微鏡でパタ−ンが確認できる。
×;光学顕微鏡でパターンが確認できない。
実施例1〜実施例6においては、第2の基材側に100μm角の四角抜きパターンが確認され、露光部が残存し、一方、剥離した第1の基材側に未露光部が付着していることが確認されたが、比較例1においては、未露光部及び露光部共に感光性樹脂材が第2の基材側の石英に付着していた。
以上、凹凸構造についてドットパターンを用いて説明したが、凹凸構造はこれに限定されるものではない。他の凹凸構造としては、例えば、ラインアンドスペースが挙げられる。ラインアンドスペースの場合のライン及びスペースの幅は、好ましくは3μm以下であり、より好ましくは1μm以下であり、さらに好ましくは700nm以下であり、好ましくは50nm以上であり、より好ましくは100nm以上であり、さらに好ましくは200nm以上である。ラインアンドスペースの高さとしては、好ましくは3μm以下であり、より好ましくは1μm以下であり、さらに好ましくは700nm以下であり、好ましくは50nm以上であり、より好ましくは100nm以上であり、さらに好ましくは200nm以上である。ラインアドスペースにおける凸及び凹形状は任意の構造が選べ、例えば、矩形や三角状、半球状、ドーム状が挙げられる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、さまざまに変更して実施可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状等については、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更が可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施可能である。