JP2015219064A - 燃料集合体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】四角筒状のチャンネルボックス7と、当該チャンネルボックス7内に格子状に配置された複数の燃料棒10とを備える燃料集合体1において、チャンネルボックス7の内壁面に対向する最外層燃料棒2の平均径がチャンネルボックス7内に配置された全ての燃料棒の平均径より大きく、最外層燃料棒2の平均の配置ピッチが当該最外層燃料棒2に隣接する第2層燃料棒3の平均の配置ピッチより大きく、且つ、式(1)で定義される熱的等価直径について、最外層燃料棒2の平均の熱的等価直径と最外層燃料棒2より内側に配置された内層燃料棒13の平均の熱的等価直径の比が1.0よりも大きく、1.4よりも小さい。X=4S/πR(1)、但し、R:燃料棒の径、S:燃料棒格子内の流路断面積。
【選択図】図3
Description
X=4S/πR・・・(1)
但し、R:燃料棒の径、S:燃料棒格子内の流路断面積
1.原子炉
図1は本実施形態に係る燃料集合体を適用する原子炉の一構成例の概略構成を表す縦断面図である。本実施形態では、燃料集合体を沸騰水型原子炉(BWR)に適用した場合を例示する。図1に示すように、沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器(原子炉容器)103(以下、RPVという。)は、炉心シュラウド102、気水分離器106及び蒸気乾燥器107を収納している。炉心シュラウド102は複数の燃料集合体(後述する)が装荷された炉心105を格納している。炉心シュラウド102の下方には、下部プレナム122が形成されている。気水分離器106は炉心シュラウド102の上方に設けられ、蒸気と水を含む気液二相流から蒸気を分離する機能を有している。蒸気乾燥器107は気水分離器106の上方に設けられ、気水分離器106から供給された蒸気から湿分を除去する機能を有している。RPV103には主蒸気配管108及び給水配管109が設けられている。主蒸気配管108は蒸気タービン(不図示)に接続し、蒸気乾燥器107から供給された蒸気を蒸気タービンに送り出す機能を有する。給水配管109は蒸気タービンに接続する復水器(不図示)に接続し、復水器から供給された水をRPV103内に導く機能を有する。RPV103と炉心シュラウド102の間には環状のダウンカマ104が形成され、下部プレナム122と接続している。ダウンカマ104には冷却材(冷却水)を吐出するインターナルポンプ115が取り付けられている。次に、炉心105に装荷された燃料集合体について説明する。
図2は本実施形態に係る燃料集合体の縦断面図、図3は本実施形態に係る燃料集合体を炉心に装荷したときの水平断面図である。図2に示すように、燃料集合体1は上部タイプレート5、下部タイプレート6、チャンネルボックス7、燃料スペーサ8、燃料棒10及び水ロッド(WR)11を備えている。
次に、原子炉の動作について説明する。インターナルポンプ115から吐出された冷却水は、下部プレナム122を経て炉心シュラウド102に下側から供給される。炉心シュラウド102に供給された冷却水は炉心シュラウド102内の炉心105で加熱され、水及び蒸気を含む気液二相流として炉心シュラウド102から送り出される。炉心シュラウド102から送り出された気液二相流は気水分離器106に流入し、蒸気と水に分離される。分離された蒸気は蒸気乾燥器107に供給され、更に湿分を除去された後、主蒸気配管108を介して蒸気タービンに供給される。蒸気タービンは供給された蒸気により回転する。蒸気タービンの回転に伴い蒸気タービンに接続した発電機(不図示)が回転し、電力が発生する。蒸気タービンを駆動させた蒸気は復水器内で凝縮されて水になり、給水配管109を介してRPV103に供給される。一方、気水分離器106及び蒸気乾燥器107で分離された水はダウンカマ104を流下し、冷却水として下部プレナム122に供給される。
次に、燃料集合体1における燃料棒10の要素と熱的余裕との関係について説明する。なお、本発明において、燃料棒の要素とは、燃料棒に封入される核燃料物質、燃料棒の径、燃料の濃縮度(燃料棒に充填される燃料ペレットの濃縮度)及び燃料棒の配置ピッチ等のことを言う。
核燃料物質の核分裂に伴い発生した中性子は、減速材である水との衝突により減速してエネルギーを失い熱中性子になる。熱中性子は再び核燃料物質に吸収されて核分裂を起こすため、多くの熱中性子が存在する領域では効率よく核分裂を起こすことができる。上述のように、中性子は水との衝突により熱中性子になるため、沸騰していない冷却水が多く存在する領域ほど多くの熱中性子が存在し、熱中性子束が大きくなる。本実施形態に係る沸騰水型原子炉では、チャンネルボックス7の内側に燃料集合体1の発熱によって沸騰した冷却水が存在し、チャンネルボックス7の外側や水ロッド11内には沸騰していない冷却水が存在している。特に、燃料集合体1と隣接する他の燃料集合体との間の隙間(ギャップ領域)には沸騰していない冷却水が多く存在している。
最外層燃料棒2に封入する核燃料物質量を増やすためには、最外層燃料棒2の径を大きくすれば良い。一般的に、燃料棒は円柱形状であり、燃料棒を製造する上で対応し易いためである。
最外層燃料棒2は熱中性子束が大きいため出力も大きくなる。したがって、特に、チャンネルボックス7の各コーナー部に配置された最外層燃料棒2に対しては、封入する核燃料物質の濃縮度を低減する等の燃料設計を行い、熱的余裕を確保している。
しかし、出力ピーキング=燃料棒出力/(燃料集合体出力/燃料棒本数)は最外層燃料棒2の出力の増加に伴って増加する。したがって、単に最外層燃料棒2に封入する核燃料物質量を増やすと、最外層燃料棒2の熱的余裕がより厳しくなる。そのため、最外層燃料棒2に封入する核燃料物質量を増やした場合には最外層燃料棒2の熱的余裕の確保を考慮する必要がある。
燃料棒を格子状に配列した燃料集合体では、ある層(便宜的にA層とする)を構成する燃料棒の配置ピッチを大きくするとA層により形成される正方形は大きくなり、配置ピッチを小さくするとA層により形成される正方形は小さくなる。したがって、燃料棒の配置ピッチの差が大きい2層の間(配置ピッチが大きい燃料棒で構成される層と配置ピッチが小さい燃料棒で構成される層との間)では、冷却水流路を広く確保することができる。しかし、チャンネルボックス7の内幅を考慮して燃料棒を配置する必要があるため燃料棒の配置ピッチには上限があり、冷却水流路を広く確保することにより得られる効果も限定的なものとなる。
X=4S/πR・・・(1)
但し、R:燃料棒の径 S:燃料棒格子に含まれる冷却水の流路断面積である。
S=P2−πR2/4・・・(2)
但し、P:燃料棒の配置ピッチである。
最外層燃料棒2の平均の熱的等価直径X1、最外層燃料棒2の平均の濃縮度e1、内層燃料棒13の平均の熱的等価直径X2及び内層燃料棒13の平均の濃縮度e2と、燃料集合体1の熱的余裕との関係を説明する。燃料棒の熱的余裕は熱的等価直径/熱流束の値が大きいほど改善される。最外層燃料棒の平均の熱流束をQ1、内層燃料棒の平均の熱流速をQ2とした場合、X1をe1で除した値とX2をe2で除した値の比(X1/e1)/(X2/e2)は、X1をQ1で除した値とX2をQ2で除した値の比と同等である。図5は、燃料集合体1における燃料棒10の要素と熱的余裕との関係を示す図であって、X1をe1で除した値とX2をe2で除した値の比と、燃料集合体1の熱的余裕との関係を表している。図5に示すように、X1をe1で除した値とX2をe2で除した値の比が1.0より大きく1.3より小さい範囲内にある場合には、燃料集合体1の熱的余裕が基準より増加する。これは、e1/e2の値が、従来の基準である0.9から1.0〜1.1の範囲まで増加したことに対応する。
図6は本実施形態に係る燃料集合体を炉心に装荷したときの水平断面図である。図6において、上記第1実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図7は本実施形態に係る燃料集合体を炉心に装荷したときの水平断面図である。図7において、上記第1実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図8は本実施形態に係る燃料集合体を炉心に装荷したときの水平断面図である。図8において、上記第1実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の実施形態の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
2 最外層燃料棒
3 内層燃料棒
7 チャンネルボックス
10 燃料棒
Claims (9)
- 四角筒状のチャンネルボックスと、当該チャンネルボックス内に格子状に配置された複数の燃料棒とを備える燃料集合体において、
前記チャンネルボックスの内壁面に対向する最外層燃料棒の平均径が前記チャンネルボックス内に配置された全ての燃料棒の平均径より大きく、前記最外層燃料棒の平均の配置ピッチが当該最外層燃料棒に隣接する第2層燃料棒の平均の配置ピッチより大きく、且つ、式(1)で定義される熱的等価直径について、前記最外層燃料棒の平均の熱的等価直径と前記最外層燃料棒より内側に配置された内層燃料棒の平均の熱的等価直径の比が1.0よりも大きく、1.4よりも小さいことを特徴とする燃料集合体。
X=4S/πR・・・(1)
但し、R:燃料棒の径、S:燃料棒格子内の流路断面積 - 四角筒状のチャンネルボックスと、当該チャンネルボックス内に格子状に配置された複数の燃料棒とを備える燃料集合体において、
前記チャンネルボックスの内壁面に対向する最外層燃料棒の径が前記チャンネルボックス内に配置された全ての燃料棒の平均径より大きく、前記最外層燃料棒の配置ピッチが当該最外層燃料棒に隣接する複数の第2層燃料棒の配置ピッチより大きく、且つ、式(1)で定義される熱的等価直径について、前記最外層燃料棒の平均の熱的等価直径を前記最外層燃料棒の平均の濃縮度で除した値と、前記最外層燃料棒より内側に配置された内層燃料棒の平均の熱的等価直径を前記内層燃料棒の平均の濃縮度で除した値との比が1.0よりも大きく、1.3よりも小さいことを特徴とする燃料集合体。
X=4S/πR・・・(1)
但し、R:燃料棒の径、S:燃料棒格子内の流路断面積 - 請求項1又は2に記載の燃料集合体において、
前記最外層燃料棒の一列当たりの本数をNとしたとき、前記第2層燃料棒の一列当たりの本数がN−1であり、前記最外層燃料棒の配置ピッチと前記第2層燃料棒の配置ピッチの比がN/(N−1)よりも大きいことを特徴とする燃料集合体。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料集合体において、前記最外層燃料棒の少なくとも四隅の燃料棒の燃料装荷部の上端が他の燃料棒よりも低くしてあることを特徴とする燃料集合体。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料集合体において、前記第2層燃料棒の少なくとも四隅の燃料棒の燃料装荷部の上端が他の燃料棒よりも低くしてあることを特徴とする燃料集合体。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載の燃料集合体において、前記内層燃料棒の配置ピッチを一様とすることを特徴とする燃料集合体。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の燃料集合体において、前記最外層燃料棒の配置ピッチを一様とすることを特徴とする燃料集合体。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載の燃料集合体を装荷する炉心。
- 四角筒状のチャンネルボックスと、当該チャンネルボックス内に格子状に配置された複数の燃料棒とを備える燃料集合体の作成方法において、
前記チャンネルボックスの内壁面に対向する最外層燃料棒の平均径を前記チャンネルボックス内に配置された全ての燃料棒の平均径より大きくし、前記最外層燃料棒の平均の配置ピッチを当該最外層燃料棒に隣接する第2層燃料棒の平均の配置ピッチより大きくし、且つ、式(1)で定義される熱的等価直径について、前記最外層燃料棒の平均の熱的等価直径と前記最外層燃料棒より内側に配置された内層燃料棒の平均の熱的等価直径の比を1.0よりも大きく、1.4よりも小さくすることを特徴とする燃料集合体の作成方法。
X=4S/πR・・・(1)
但し、R:燃料棒の径、S:燃料棒格子内の流路断面積
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