JP6588155B2 - 燃料集合体及びそれを装荷する原子炉の炉心 - Google Patents
燃料集合体及びそれを装荷する原子炉の炉心Info
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Description
本発明は、燃料集合体及びそれを装荷する炉心に係り、特に、超ウラン元素(TRU)を燃焼させるのに好適な燃料集合体及びそれを装荷する原子炉の炉心に関する。
沸騰水型原子炉の炉心には、複数の燃料集合体が装荷されている。燃料集合体は、核燃料物質(例えば、酸化ウラン)を含む複数の燃料ペレットを封入した複数の燃料棒、燃料棒の上端部を支持する上部タイプレート、燃料棒の下端部を支持する下部タイプレート、燃料棒間の間隔を保持する複数の燃料スペーサ、及びチャンネルボックスを有する。チャンネルボックスは、上端部が上部タイプレートに取り付けられて下部タイプレートへ向かい延伸し、複数の燃料スペーサによって束ねられた複数の燃料棒を取り囲んでいる。
この燃料が原子炉で使用された後に、使用済み燃料からプルトニウムを再処理工程で取り出し、混合酸化物燃料(MOX燃料)として軽水炉で燃焼させるプルサーマル発電が行われている。この方法では、主に核分裂性プルトニウムを燃焼させることができるが、より高次の生成物であるマイナーアクチノイド(Minor actinide:以下、MAと称する)ができる。プルトニウムとMAを合わせて超ウラン元素(Transuranium Elements:TRU)と呼ばれる。超ウラン元素は、ウランが原子炉で燃焼した後にできる生成物であり、一部の核種の半減期が長いために、天然ウランレベルまで有害性を低減するためには長期間の保管を必要とする。
この問題を解決するため、超ウラン元素を燃焼する原子炉システムが提案されている。超ウラン元素を低減する方法として核分裂が利用されるが、非核分裂性の核種は核分裂断面積が小さい。しかし、エネルギーの高い領域では核分裂断面積が比較的大きくなることから、炉心内の中性子スペクトルを硬化することで、超ウラン元素の燃焼を促進する。そのため、従来の軽水炉とは異なり、中性子スペクトルを硬化できる炉心や燃料が用いられる。
超ウラン元素を燃焼できる炉心として、沸騰水型原子炉の原理を用いた燃焼炉がある。沸騰水型原子炉では、水が加熱されて蒸気(ボイド)になると、体積当たりの水素原子密度が低下するため、中性子の減速が抑制される。このことを活用して、水を排除した炉心及び燃料構成を用いることで、超ウラン元素の燃焼に好適な構成とすることができる。
現行の沸騰水型原子炉でMAを効率よく燃焼する方法について、例えば特許文献1に記載される技術が提案されている。上述のように、沸騰水型原子炉では炉心上部で蒸気割合が高いため、中性子スペクトルが硬くなる。そこで特許文献1では、一般的に沸騰水型原子炉で用いられる濃縮ウラン燃料やMOX燃料と共に、上部燃料領域にMAを装荷し、下部燃料領域及び中間燃料領域にはMAを装荷しない構成とすることにより、MAの燃焼効率を増大している。
現行の沸騰水型原子炉でMAを効率よく燃焼する方法について、例えば特許文献1に記載される技術が提案されている。上述のように、沸騰水型原子炉では炉心上部で蒸気割合が高いため、中性子スペクトルが硬くなる。そこで特許文献1では、一般的に沸騰水型原子炉で用いられる濃縮ウラン燃料やMOX燃料と共に、上部燃料領域にMAを装荷し、下部燃料領域及び中間燃料領域にはMAを装荷しない構成とすることにより、MAの燃焼効率を増大している。
MAを装荷した燃料は、濃縮ウラン燃料及びMOX燃料と共に用いられる。一般に沸騰水型原子炉では、ボイド率が増大すると、中性子の減速が抑制され、中性子スペクトルが硬くなる。これにより核分裂反応が抑制される。また、MAは核分裂性物質と比べて、低いエネルギーの中性子では核分裂反応断面積が小さく、吸収断面積が大きいため、中性子スペクトルを硬くする効果がある。特許文献1に開示されるように、上部燃料領域にMAを装荷すると、MAの核分裂割合は大きくなるが、中性子スペクトルが硬くなることで、核分裂反応は少なく(出力は低く)なる。その対策として、上部燃料領域の核分裂性物質割合を増加させて、軸方向上下における出力分布を平坦とする方法が考えられるが、この場合、核分裂性物質が多くなり過ぎると、MAによる核分裂が阻害されるという課題が生じる。
超ウラン元素(TRU)装荷量を増大し、非核分裂性超ウラン元素(TRU)の装荷量が多くなると、燃料水平方向断面が無限に連続する場合(無限格子)を仮定したとき、ボイドに対する反応度は正となる。また、体系中の燃料に対する減速材(水)の割合を低下させることも同様の効果がある。これは上述の沸騰水型原子炉のボイドに対する反応とは逆である。このような炉心では、炉心上部ほど出力が高くなりやすい。
従って、出力ピーキングを平坦化して設計制限値内とするためには、上部燃料領域における超ウラン元素(TRU)割合を下げて、出力を低下させる必要がある。また、安全性の観点から炉心のボイドに対する反応度を負とするため扁平な炉心構成となり、その結果、炉心の超ウラン元素(TRU)装荷量が減少して非核分裂性超ウラン元素(TRU)の燃焼量が低下するとう課題が生じる。
従って、出力ピーキングを平坦化して設計制限値内とするためには、上部燃料領域における超ウラン元素(TRU)割合を下げて、出力を低下させる必要がある。また、安全性の観点から炉心のボイドに対する反応度を負とするため扁平な炉心構成となり、その結果、炉心の超ウラン元素(TRU)装荷量が減少して非核分裂性超ウラン元素(TRU)の燃焼量が低下するとう課題が生じる。
そこで本発明は、炉心の軸方向出力分布を平坦化しつつ、非核分裂性超ウラン元素(TRU)の燃焼効率を増大し得る燃料集合体及びそれを装荷する原子炉の炉心を提供する。
上記課題を解決するため、本発明の燃料集合体は、軸方向に沿って上部燃料領域及び下部燃料領域を有し、前記上部燃料領域及び下部燃料領域は、重金属中の非核分裂性超ウラン元素割合が20wt%以上であり、前記上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合が、前記下部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明の原子炉の炉心は、複数の燃料集合体を装荷し、前記燃料集合体は、軸方向に沿って上部燃料領域及び下部燃料領域を備え、前記上部燃料領域及び下部燃料領域は、重金属中の非核分裂性超ウラン元素割合が20wt%以上であり、前記上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合が、前記下部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明の原子炉の炉心は、複数の燃料集合体を装荷し、前記燃料集合体は、軸方向に沿って上部燃料領域及び下部燃料領域を備え、前記上部燃料領域及び下部燃料領域は、重金属中の非核分裂性超ウラン元素割合が20wt%以上であり、前記上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合が、前記下部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、炉心の軸方向出力分布を平坦化しつつ、非核分裂性超ウラン元素(TRU)の燃焼効率を増大し得る燃料集合体及びそれを装荷する原子炉の炉心を提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明者等は、種々の検討を重ね、非核分裂性超ウラン元素(TRU)の燃焼効率を増大させる新たな構成を見出した。この検討結果および新たに見出した燃料集合体の概要を以下に説明する。
従来技術にあるように、沸騰水型原子炉(Boiling Water Reactor:BWR)では上部燃料領域にMAなどの非核分裂性超ウラン元素(TRU)を装荷すると、中性子スペクトルが硬くなることにより、出力が低下して非核分裂性超ウラン元素(TRU)の燃焼量が低下する。そこで本発明者等は、スペクトルが硬くなった場合に出力が増大するような、燃料有効領域における位置に装荷すればよいと考えた。しかし、スペクトルが硬くなると出力が増大する反応は、沸騰水型原子炉において、ボイド反応度係数が正であることを意味する。仮に、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を装荷することで、ボイド反応度係数が正側になるとすれば、炉心のボイド反応度係数が正側に移行し、結果として炉心の安全性を低下させることになる。
そこで、本発明者等は、非核分裂性超ウラン元素(TRU)装荷量に対するボイド反応度係数についての評価を行った。図4は、核燃料物質に対する減速材割合が1.4の体系における、非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合とボイド反応度係数の関係を示す説明図である。なお、核燃料物質に対する減速材割合が1.4の体系とは、減速材である冷却水の体積が核燃料物質の体積の1.4倍であることを意味する。評価に用いた核燃料物質は、劣化ウランを母材とし、非核分裂性超ウラン元素(TRU)装荷量:核分裂性超ウラン元素(TRU)装荷量=2:1の割合で核分裂性超ウラン元素(TRU)を含んでいる。ここで、非核分裂性超ウラン元素(TRU)は、80%程度の偶数核プルトニウム同位体と20%程度のMAを含んでいる。
図4では、横軸に非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合(wt%)を、縦軸にボイド反応度係数(pcm)を取り、非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合に対するボイド反応度係数の変化を示している。ここで、縦軸のボイド反応度係数の単位pcmは、percent mille=%の1/1000=10―5である。図4に示すように、重金属中の非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が増大するに伴い、ボイド反応度係数が増加し、非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が約8.0wt%を境にボイド反応度係数が「負」から「正」に転じる。その後、非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が20wt%以降では、ボイド反応度係数は一定となる。すなわち、本発明者等は、重金属中の非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を20wt%以上とすることにより、非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を増大させてもボイド反応度係数を悪化させないことを見出した。
これにより、詳細は後述するが、燃料有効領域の軸方向における上部側の上部燃料領域及び下部側の下部燃料領域の2つの領域の燃料有効領域(非核分裂性超ウラン元素(TRU)及び核分裂性超ウラン元素(TRU)を含む)を有する核燃料において、比較的出力が高くなる上部燃料領域に非核分裂性超ウラン元素(TRU)を装荷することにより、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を燃焼させつつも、ボイド反応度係数が悪化しない、つまり炉心特性を維持できる。このことは、非核分裂性超ウラン元素(TRU)の燃焼効率を増大できることを意味する。
上記の検討結果を反映した、本発明の実施例を以下に図面を用いて説明する。
なお、以下では、資源再利用型沸騰水型原子炉(Resource−Renewable Boiling Water Reactor:RBWR)を一例として説明するが、これに限られるものでは無い。例えば、改良型沸騰水型原子炉(Advanced Boiling Water Reactor:ABWR)、再循環ポンプを備え減速材としての冷却水を原子炉圧力容器外へ通流し再び原子炉圧力容器内のダウンカマへ流入させることで冷却水を循環させる通常の沸騰水型原子炉(BWR)、或は、チムニによる冷却水の自然循環方式を用いることで、BWRにおける再循環ポンプ、ABWRにおけるインターナルポンプを不要とする高経済性単純化沸騰水型原子炉(Economic Simplified Boiling Water Reactor:ESBWR)等、その他の原子炉へも同様に適用可能である。
なお、以下では、資源再利用型沸騰水型原子炉(Resource−Renewable Boiling Water Reactor:RBWR)を一例として説明するが、これに限られるものでは無い。例えば、改良型沸騰水型原子炉(Advanced Boiling Water Reactor:ABWR)、再循環ポンプを備え減速材としての冷却水を原子炉圧力容器外へ通流し再び原子炉圧力容器内のダウンカマへ流入させることで冷却水を循環させる通常の沸騰水型原子炉(BWR)、或は、チムニによる冷却水の自然循環方式を用いることで、BWRにおける再循環ポンプ、ABWRにおけるインターナルポンプを不要とする高経済性単純化沸騰水型原子炉(Economic Simplified Boiling Water Reactor:ESBWR)等、その他の原子炉へも同様に適用可能である。
図1は、本発明の一実施例に係る実施例1の燃料集合体の全体概略構成図であり、図2は、図1に示す燃料集合体のA−A断面図矢視図(水平断面図)であり、図5は、図1に示す燃料集合体を装荷する炉心を備えた資源再利用型沸騰水型原子炉(RBWR)の概略構成図である。
図5に示すように、資源再利用型沸騰水型原子炉(RBWR)は、原子炉圧力容器(原子炉容器)103内に円筒状の炉心シュラウド102が設けられ、炉心シュラウド102内に、複数体の燃料集合体(図示せず)が装荷された炉心105が配設されている。また、原子炉圧力容器(以下、RPVと称する)103内には、炉心105の上方へと延伸する気水分離器106及び気水分離器106の上方に配される蒸気乾燥器107が設けられている。RPV103と炉心シュラウド102の間には環状のダウンカマ104が形成されている。ダウンカマ104内には、インターナルポンプ115が配設されている。
図5に示すように、資源再利用型沸騰水型原子炉(RBWR)は、原子炉圧力容器(原子炉容器)103内に円筒状の炉心シュラウド102が設けられ、炉心シュラウド102内に、複数体の燃料集合体(図示せず)が装荷された炉心105が配設されている。また、原子炉圧力容器(以下、RPVと称する)103内には、炉心105の上方へと延伸する気水分離器106及び気水分離器106の上方に配される蒸気乾燥器107が設けられている。RPV103と炉心シュラウド102の間には環状のダウンカマ104が形成されている。ダウンカマ104内には、インターナルポンプ115が配設されている。
インターナルポンプ115から吐出された冷却水は、下部プレナム122を経て炉心105に供給される。冷却水は、炉心105を通過する際に加熱されて水及び蒸気を含む気液二相流となる。気水分離器106は気液二相流を蒸気と水に分離する。分離された蒸気は、更に蒸気乾燥器107で湿分が除去されて主蒸気配管108に導かれる。この湿分が除去された蒸気は、蒸気タービン(図示せず)に導かれ、蒸気タービンを回転させる。蒸気タービンに連結された発電機が回転し、電力を発生する。蒸気タービンから排出された蒸気は、復水器(図示せず)で凝縮されて水となる。この凝縮水は、冷却水として給水配管109によりRPV103内に供給される。気水分離器106及び蒸気乾燥器107で分離された水は、落下して冷却水としてダウンカマ104内に達する。
なお、図5では図示しないが、RPV103の下部プレナム122には、燃料集合体の核反応を制御するため、炉心105へ複数の横断面Y字状の制御棒を挿入可能とする制御棒案内管が設けられ、RPV103の底部より下方に設置された制御棒駆動機構ハウジング内に制御棒駆動機構を備え、制御棒は制御棒駆動機構に連結されている。ここで、横断面Y字状の制御棒は、中心に位置するタイロッドから外側に向かって延伸する3枚の翼を備え、各翼は中性子吸収材であるB4Cが充填された複数の中性子吸収棒を有する。これら3枚の翼は、タイロッドの周囲に相互に120度の間隔にて配されている。そして、炉心105に三角格子状に稠密に装荷される複数の燃料集合体(詳細後述する)のうち、相互に隣接する3体の燃料集合体の間に、1本の横断面Y字状の制御棒が挿入される。
なお、図5では図示しないが、RPV103の下部プレナム122には、燃料集合体の核反応を制御するため、炉心105へ複数の横断面Y字状の制御棒を挿入可能とする制御棒案内管が設けられ、RPV103の底部より下方に設置された制御棒駆動機構ハウジング内に制御棒駆動機構を備え、制御棒は制御棒駆動機構に連結されている。ここで、横断面Y字状の制御棒は、中心に位置するタイロッドから外側に向かって延伸する3枚の翼を備え、各翼は中性子吸収材であるB4Cが充填された複数の中性子吸収棒を有する。これら3枚の翼は、タイロッドの周囲に相互に120度の間隔にて配されている。そして、炉心105に三角格子状に稠密に装荷される複数の燃料集合体(詳細後述する)のうち、相互に隣接する3体の燃料集合体の間に、1本の横断面Y字状の制御棒が挿入される。
図1に示すように、燃料集合体1は、複数の燃料棒2、上部タイプレート3、下部タイプレート4、複数の燃料スペーサ6、チャンネルボックス5を備えている。燃料棒2は、複数の燃料ペレット(図示せず)を、密封された被覆管(図示せず)内に充填している。下部タイプレート4は各燃料棒2の下端部を支持し、上部タイプレート3は各燃料棒2の上端部を保持する。これらの燃料棒2は、図2に示すように、燃料集合体1の水平断面において三角格子状に配されている。また複数の燃料スペーサ6は、図1に示すように、燃料集合体1の軸方向において所定の間隔にて離間し配され、燃料棒2の相互間に、冷却水が流れる流路を形成するように、燃料棒2を保持している。横断面が六角形状をなす筒状のチャンネルボックス5(図2)は、上部タイプレート3に取り付けられ、下方に向かって延伸している。燃料スペーサ6によって束ねられた各燃料棒2は、チャンネルボックス5内に配されている。上部タイプレート3には、その上端部にハンドルが締結されており、ハンドルを吊り上げると、燃料集合体1全体を引き上げることができる。
図3は、燃料集合体1に用いられる核燃料物質の軸方向(高さ方向)の分布図である。図3に示すように、燃料有効領域20は、燃料集合体1の軸方向(高さ方向)において上端から下端へと向かい、上部燃料領域21、ブランケット領域22、及び下部燃料領域23から構成される。図3では、燃料有効領域20の軸方向の高さが90cmの場合を一例として示している。
上部燃料領域21は、軸方向の高さが20cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を54wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを19wt%含んでいる。ブランケット領域22は、軸方向の高さが50cmであり、その燃料組成は劣化ウラン100wt%である。下部燃料領域23は、軸方向の高さが20cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を45wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを28wt%含んでいる。
上部燃料領域21は、軸方向の高さが20cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を54wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを19wt%含んでいる。ブランケット領域22は、軸方向の高さが50cmであり、その燃料組成は劣化ウラン100wt%である。下部燃料領域23は、軸方向の高さが20cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を45wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを28wt%含んでいる。
上部燃料領域21及び下部燃料領域23は、共に非核分裂性超ウラン元素(TRU)を20wt%以上含んでいる。そして、上部燃料領域21に含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が、下部燃料領域23に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きい。このように、燃料有効領域20における核燃料物質の組成分布とすることで、上部燃料領域21の出力を抑制し炉心105の軸方向出力分布を平坦化できると共に、非核分裂性超ウラン元素(TRU)の燃焼効率を増大することが可能となる。更に、中性子の漏れが大きい燃料有効領域20の軸方向上部にボイド反応度が正側となる断面を有することで、ボイド率低下時に出力分布が上部ピークとなるため中性子漏洩量が増加し、炉心105(図5)の実効増倍率が低下するため、結果として炉心105のボイド反応度係数を負側にすることが可能となる。
図3では、上部燃料領域21及び下部燃料領域23に含まれる核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が27wt%と同一の場合を一例として示したが、これに限らず、上部燃料領域21及び下部燃料領域23において、核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を異なる値としても良い。また、本実施例では、上部燃料領域21に含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を54wt%、下部燃料領域23に非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を45wt%としたが、必ずしもこれらの割合に限られるものではない。すなわち、上部燃料領域21及び下部燃料領域23に含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が20wt%以上であり、上部燃料領域21に含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が、下部燃料領域23に含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合よりも大きければ、いずれの値としても良い。
以上の通り、本実施例によれば、炉心の軸方向出力分布を平坦化しつつ、非核分裂性超ウラン元素(TRU)の燃焼効率を増大することが可能となる。
また、ボイド率低下時においても、炉心のボイド反応度係数を負側にすることが可能となる。
また、ボイド率低下時においても、炉心のボイド反応度係数を負側にすることが可能となる。
図6は、本発明の他の実施例に係る実施例2の燃料集合体に用いられる核燃料物質の軸方向(高さ方向)の分布図である。本実施例では、燃料有効領域を構成する上部燃料領域を、燃料有効領域の上端より第1上部燃料領域及び第2上部燃料領域にて形成し、これら第1上部燃料領域及び第2上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合の平均値が、下部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合よりも大きくした点が実施例1と異なる。その他の構成は、実施例1と同様であり以下では実施例1と重複する説明を省略する。
図6に示すように、燃料有効領域20は、燃料集合体1の軸方向(高さ方向)において上端から下端へと向かい、第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、ブランケット領域22、及び下部燃料領域23から構成される。図6では、燃料有効領域20の軸方向の高さが90cmの場合を一例として示している。
第1上部燃料領域21aは、軸方向の高さが5cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を57wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを16wt%含んでいる。第2上部燃料領域21bは、軸方向の高さが15cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を51wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを22wt%含んでいる。また、ブランケット領域22は、軸方向の高さが50cmであり、その燃料組成は劣化ウラン100wt%である。下部燃料領域23は、軸方向の高さが20cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を45wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを28wt%含んでいる。第1上部燃料領域21a及び第2上部燃料領域21bの各核燃料物質の平均値は、それぞれ、非核分裂性超ウラン元素(TRU)が54wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)が27wt%、母材としての劣化ウランを19wt%である。
第1上部燃料領域21aは、軸方向の高さが5cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を57wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを16wt%含んでいる。第2上部燃料領域21bは、軸方向の高さが15cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を51wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを22wt%含んでいる。また、ブランケット領域22は、軸方向の高さが50cmであり、その燃料組成は劣化ウラン100wt%である。下部燃料領域23は、軸方向の高さが20cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を45wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを28wt%含んでいる。第1上部燃料領域21a及び第2上部燃料領域21bの各核燃料物質の平均値は、それぞれ、非核分裂性超ウラン元素(TRU)が54wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)が27wt%、母材としての劣化ウランを19wt%である。
第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、及び下部燃料領域23は、共に非核分裂性超ウラン元素(TRU)を20wt%以上含んでいる。また、第1上部燃料領域21a及び第2上部燃料領域21bの非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合の平均値は、下部燃料領域23に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きい。そして、第1上部燃料領域21aの非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が、第2上部燃料領域21bの非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合よりも大きい。すなわち、燃料有効領域20の上部側において、第1上部燃料領域21a及び第2上部燃料領域21bを含む領域内で、非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合に分布を有している。
また、燃料有効領域20の軸方向上端部よりも上方は、蒸気の領域であるため、中性子の減速効果が大きく、核分裂性超ウラン元素(TRU)が反応をおこしやすく、出力が増大する傾向にある。従って、上述のように、燃料有効領域20における核燃料物質の組成分布とすることで、第1上部燃料領域21a及び第2上部燃料領域21bにおける非核分裂性ウラン元素(TRU)、特に、第1上部燃料領域21aにおける非核分裂性ウラン元素(TRU)が増大しているため、燃料有効領域20の軸方向上端での出力ピークを、実施例1に比べ更に低減することができ、第1上部燃料領域21a及び第2上部燃料領域21b内での軸方向出力分布を平坦にすることができる。
なお、図6では、第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、及び下部燃料領域23における核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が27wt%と同一の場合を一例として示したが、これに限らず、第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b及び下部燃料領域23において、核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を異なる値としても良い。また、本実施例では、第1上部燃料領域21aに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を57wt%、第2上部燃料領域21bに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を51wt%、下部燃料領域23に含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を45wt%としたが、必ずしもこれらの割合に限られるものではない。すなわち、第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、及び下部燃料領域23に含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が20wt%以上であり、第1上部燃料領域21a及び第2上部燃料領域21bに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合の平均値が、下部燃料領域23に含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合よりも大きければ、いずれの値としても良い。なお、この場合においても第1上部燃料領域21aに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が、第2上部燃料領域21bに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合よりも大きくすることが望ましい。
以上の通り、本実施例によれば、実施例1の効果に加え、更に、実施例1と比較し燃料有効領域の軸方向上端での出力ピークを低減することが可能となる。
また、第1上部燃料領域及び第2上部燃料領域内での軸方向出力分布を平坦化することが可能となる。
また、第1上部燃料領域及び第2上部燃料領域内での軸方向出力分布を平坦化することが可能となる。
図7は、本発明の他の実施例に係る実施例3の燃料集合体に用いられる核燃料物質の軸方向(高さ方向)の分布図である。本実施例では、燃料有効領域を構成する上部燃料領域を、燃料有効領域の上端より、第1上部燃料領域、第2上部燃料領域、第3上部燃料領域にて形成し、これら第1上部燃料領域、第2上部燃料領域及び第3上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合の平均値が、下部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合よりも大きくした点が実施例1と異なる。その他の構成は、実施例1と同様であり以下では実施例1と重複する説明を省略する。
図7に示すように、燃料有効領域20は、燃料集合体1の軸方向(高さ方向)において上端から下端へと向かい、第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、第3上部燃料領域21c、ブランケット領域22、及び下部燃料領域23から構成される。図7では、燃料有効領域20の軸方向の高さが90cmの場合を一例として示している。
第1上部燃料領域21aは、軸方向の高さが5cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を58wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを15wt%含んでいる。第2上部燃料領域21bは、軸方向の高さが10cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を50wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを23wt%含んでいる。第3上部燃料領域21cは、軸方向の高さが5cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を58wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを15wt%含んでいる。また、ブランケット領域22は、軸方向の高さが50cmであり、その燃料組成は劣化ウラン100wt%である。下部燃料領域23は、軸方向の高さが20cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を45wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを28wt%含んでいる。第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、及び第3上部燃料領域21cの各核燃料物質の平均値は、それぞれ、非核分裂性超ウラン元素(TRU)が54wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)が27wt%、母材としての劣化ウランを19wt%である。
第1上部燃料領域21aは、軸方向の高さが5cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を58wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを15wt%含んでいる。第2上部燃料領域21bは、軸方向の高さが10cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を50wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを23wt%含んでいる。第3上部燃料領域21cは、軸方向の高さが5cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を58wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを15wt%含んでいる。また、ブランケット領域22は、軸方向の高さが50cmであり、その燃料組成は劣化ウラン100wt%である。下部燃料領域23は、軸方向の高さが20cmであり、非核分裂性超ウラン元素(TRU)を45wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)を27wt%、母材としての劣化ウランを28wt%含んでいる。第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、及び第3上部燃料領域21cの各核燃料物質の平均値は、それぞれ、非核分裂性超ウラン元素(TRU)が54wt%、核分裂性超ウラン元素(TRU)が27wt%、母材としての劣化ウランを19wt%である。
第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、第3上部燃料領域21c及び下部燃料領域23は、共に非核分裂性超ウラン元素(TRU)を20wt%以上含んでいる。また、第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、及び第3上部燃料領域21cの非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合の平均値は、下部燃料領域23に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きい。そして、第1上部燃料領域21a及び第3上部燃料領域21cの非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合は同一であって、第2上部燃料領域21bの非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合よりも大きい。すなわち、燃料有効領域20の上部側において、第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、及び第3上部燃料領域21cを含む領域内で、非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合に分布を有している。
第3上部燃料領域21cの下端部は、ブランケット領域22の上端部に隣接するため、他の第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、及び下部燃料領域23よりも中性子スペクトルが軟らかい。これは、上述の実施例2における効果と同様であり、第3上部燃料領域21cの下端部でも出力ピークが発生する。従って、上述のように、燃料有効領域20における核燃料物質の組成分布とすることで、第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、及び第3上部燃料領域21cにおける非核分裂性ウラン元素(TRU)、特に、第3上部燃料領域21cに含まれる非核分裂性ウラン元素(TRU)が増大しているため、ブランケット領域22と隣接する第3上部燃料領域21cの下端部での出力ピークを低減することができ、第1上部燃料領域21a〜第3上部燃料領域21c内での出力分布を平坦にすることができる。
なお、図7では、第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、第3上部燃料領域21c及び下部燃料領域23における核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が27wt%と同一の場合を一例として示したが、これに限らず、第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、第3上部燃料領域21c及び下部燃料領域23において、核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を異なる値としても良い。また、本実施例では、第1上部燃料領域21a及び第3上部燃料領域21cに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を58wt%、第2上部燃料領域21bに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を50wt%、下部燃料領域23に含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を45wt%としたが、必ずしもこれらの割合に限られるものではない。すなわち、第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、第3上部燃料領域21c及び下部燃料領域23に含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が20wt%以上であり、第1上部燃料領域21a、第2上部燃料領域21b、及び第3上部燃料領域21cに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合の平均値が、下部燃料領域23に含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合よりも大きければ、いずれの値としても良い。
また、第1上部燃料領域21aに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が、第3上部燃料領域21cに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合よりも大きく、且つ、第3上部燃料領域21cに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が、第2上部燃料領域21bに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合よりも大きい構成としても良い。この場合、燃料有効領域20の軸方向上端部よりも上方は、蒸気の領域であるため、中性子の減速効果が大きく、核分裂性超ウラン元素(TRU)が反応をおこしやすく、出力が増大する傾向にある。従って、第1上部燃料領域21aに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を最も大きくすることで、燃料有効領域20の軸方向上端での出力ピークを、実施例1に比べ更に低減することができる。また、ブランケット領域22に下端部が隣接する第3上部燃料領域21cに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を、第2上部燃料領域21bに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合よりも大きくすることで、第3上部燃料領域21cの下端部での出力ピークをより効果的に低減することが可能となる。
また、第1上部燃料領域21aに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が、第3上部燃料領域21cに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合よりも大きく、且つ、第3上部燃料領域21cに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合が、第2上部燃料領域21bに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合よりも大きい構成としても良い。この場合、燃料有効領域20の軸方向上端部よりも上方は、蒸気の領域であるため、中性子の減速効果が大きく、核分裂性超ウラン元素(TRU)が反応をおこしやすく、出力が増大する傾向にある。従って、第1上部燃料領域21aに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を最も大きくすることで、燃料有効領域20の軸方向上端での出力ピークを、実施例1に比べ更に低減することができる。また、ブランケット領域22に下端部が隣接する第3上部燃料領域21cに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合を、第2上部燃料領域21bに含まれる非核分裂性超ウラン元素(TRU)割合よりも大きくすることで、第3上部燃料領域21cの下端部での出力ピークをより効果的に低減することが可能となる。
以上の通り、本実施例によれば、上述の実施例2の効果に加え、ブランケット領域と隣接する第3上部燃料領域の下端部での出力ピークを低減することができ、第1上部燃料領域、第2上部燃料領域及び第3上部燃料領域内での軸方向出力分布を更に平坦化することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1・・・燃料集合体,2・・・燃料棒,3・・・上部タイプレート,4・・・下部タイプレート,5・・・チャンネルボックス,6・・・燃料スペーサ,20・・・燃料有効領域,21・・・上部燃料領域,21a・・・第1上部燃料領域,21b・・・第2上部燃料領域,21c・・・第3上部燃料領域,22・・・ブランケット領域,23・・・下部燃料領域,102・・・炉心シュラウド,103・・・原子炉圧力容器,104・・・ダウンカマ,105・・・炉心,106・・・気水分離器,107・・・蒸気乾燥器,108・・・主蒸気配管,109・・・給水配管,115・・・インターナルポンプ,122・・・下部プレナム
Claims (16)
- 軸方向に沿って上部燃料領域及び下部燃料領域を有する燃料集合体であって、
前記上部燃料領域及び下部燃料領域は、重金属中の非核分裂性超ウラン元素割合が20wt%以上であり、前記上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合が、前記下部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きいことを特徴とする燃料集合体。 - 請求項1に記載の燃料集合体において、
前記上部燃料領域は、軸方向上端部より第1上部燃料領域及び第2上部燃料領域を有し、前記第1上部燃料領域及び第2上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合の平均値が、前記下部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きいことを特徴とする燃料集合体。 - 請求項2に記載の燃料集合体において、
前記第1上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合が、前記第2上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きいことを特徴とする燃料集合体。 - 請求項1に記載の燃料集合体において、
前記上部燃料領域は、軸方向上端部より第1上部燃料領域及び第2上部燃料領域並びに第3上部燃料領域を有し、前記第1上部燃料領域及び第2上部燃料領域並びに第3上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合の平均値が、前記下部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きいことを特徴とする燃料集合体。 - 請求項4に記載の燃料集合体において、
前記第1上部燃料領域及び前記第3上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合が、前記第2上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きいことを特徴とする燃料集合体。 - 請求項5に記載の燃料集合体において、
前記第1上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合と、前記第3上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合と、が等しいことを特徴とする燃料集合体。 - 請求項5に記載の燃料集合体において、
前記第1上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合は、前記第3上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きいことを特徴とする燃料集合体。 - 請求項1に記載の燃料集合体において、
前記上部燃料領域と前記下部燃料領域との間に劣化ウランのみを含むブランケット領域を備え、
前記ブランケット領域の軸方向の高さが、前記上部燃料領域及び前記下部燃料領域の軸方向の高さよりも大きいことを特徴とする燃料集合体。 - 複数の燃料集合体を装荷する原子炉の炉心であって、
前記燃料集合体は、軸方向に沿って上部燃料領域及び下部燃料領域を備え、
前記上部燃料領域及び下部燃料領域は、重金属中の非核分裂性超ウラン元素割合が20wt%以上であり、前記上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合が、前記下部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きいことを特徴とする原子炉の炉心。 - 請求項9に記載の原子炉の炉心において、
前記上部燃料領域は、軸方向上端部より第1上部燃料領域及び第2上部燃料領域を有し、前記第1上部燃料領域及び第2上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合の平均値が、前記下部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きいことを特徴とする原子炉の炉心。 - 請求項10に記載の原子炉の炉心において、
前記第1上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合が、前記第2上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きいことを特徴とする原子炉の炉心。 - 請求項9に記載の原子炉の炉心において、
前記上部燃料領域は、軸方向上端部より第1上部燃料領域及び第2上部燃料領域並びに第3上部燃料領域を有し、前記第1上部燃料領域及び第2上部燃料領域並びに第3上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合の平均値が、前記下部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きいことを特徴とする原子炉の炉心。 - 請求項12に記載の原子炉の炉心において、
前記第1上部燃料領域及び前記第3上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合が、前記第2上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きいことを特徴とする原子炉の炉心。 - 請求項13に記載の原子炉の炉心において、
前記第1上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合と、前記第3上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合と、が等しいことを特徴とする原子炉の炉心。 - 請求項13に記載の原子炉の炉心において、
前記第1上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合は、前記第3上部燃料領域に含まれる非核分裂性超ウラン元素割合よりも大きいことを特徴とする原子炉の炉心。 - 請求項9に記載の原子炉の炉心において、
前記上部燃料領域と前記下部燃料領域との間に劣化ウランのみを含むブランケット領域を備え、
前記ブランケット領域の軸方向の高さが、前記上部燃料領域及び前記下部燃料領域の軸方向の高さよりも大きいことを特徴とする原子炉の炉心。
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