JP2000193774A - 燃料集合体、及び原子炉の炉心、並びに燃料スペーサ、及びチャンネルボックス - Google Patents

燃料集合体、及び原子炉の炉心、並びに燃料スペーサ、及びチャンネルボックス

Info

Publication number
JP2000193774A
JP2000193774A JP10367757A JP36775798A JP2000193774A JP 2000193774 A JP2000193774 A JP 2000193774A JP 10367757 A JP10367757 A JP 10367757A JP 36775798 A JP36775798 A JP 36775798A JP 2000193774 A JP2000193774 A JP 2000193774A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
rod
rods
channel
fuel rods
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10367757A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3977532B2 (ja
Inventor
Masao Chagi
雅夫 茶木
Koji Nishida
浩二 西田
Tadao Aoyama
肇男 青山
Junichi Koyama
淳一 小山
Katsumasa Haikawa
勝正 配川
Yasuhiro Aizawa
泰博 相澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Engineering Co Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Engineering Co Ltd
Priority to JP36775798A priority Critical patent/JP3977532B2/ja
Priority to TW088121328A priority patent/TW440876B/zh
Priority to US09/471,606 priority patent/US6516043B1/en
Publication of JP2000193774A publication Critical patent/JP2000193774A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3977532B2 publication Critical patent/JP3977532B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C3/00Reactor fuel elements and their assemblies; Selection of substances for use as reactor fuel elements
    • G21C3/30Assemblies of a number of fuel elements in the form of a rigid unit
    • G21C3/32Bundles of parallel pin-, rod-, or tube-shaped fuel elements
    • G21C3/324Coats or envelopes for the bundles
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C3/00Reactor fuel elements and their assemblies; Selection of substances for use as reactor fuel elements
    • G21C3/30Assemblies of a number of fuel elements in the form of a rigid unit
    • G21C3/32Bundles of parallel pin-, rod-, or tube-shaped fuel elements
    • G21C3/326Bundles of parallel pin-, rod-, or tube-shaped fuel elements comprising fuel elements of different composition; comprising, in addition to the fuel elements, other pin-, rod-, or tube-shaped elements, e.g. control rods, grid support rods, fertile rods, poison rods or dummy rods
    • G21C3/328Relative disposition of the elements in the bundle lattice
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C3/00Reactor fuel elements and their assemblies; Selection of substances for use as reactor fuel elements
    • G21C3/30Assemblies of a number of fuel elements in the form of a rigid unit
    • G21C3/32Bundles of parallel pin-, rod-, or tube-shaped fuel elements
    • G21C3/33Supporting or hanging of elements in the bundle; Means forming part of the bundle for inserting it into, or removing it from, the core; Means for coupling adjacent bundles
    • G21C3/332Supports for spacer grids
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】熱的余裕を小さくすることなくC格子炉心に近
い燃料経済性を達成でき、かつ、既存の燃料スペーサを
そのまま利用できるD格子炉心用の燃料集合体を提供す
る。 【解決手段】9行9列の正方格子状に配列された複数本
の燃料棒4と、それが7本配列可能な領域に配置された
2本の水ロッド5と、それら燃料棒4及び水ロッド5か
らなる燃料バンドル6の下端を支持する下部タイプレー
ト10と、チャンネルファスナー14を固定するために
設けられるガイドポスト9aとを備えた燃料集合体1に
おいて、複数本の燃料棒4のピッチは14.15[m
m]以上14.65[mm]以下であり、燃料バンドル
6の軸心位置を、下部タイプレート10の軸心位置jよ
りもチャンネルファスナー14側に偏心させて保持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰水型原子炉に
用いられる燃料集合体に係わる。特に、いわゆるD格子
タイプの炉心に用いられる燃料集合体、及びその燃料集
合体を用いた原子炉の炉心、並びにその燃料集合体に備
えられた燃料スペーサ及びチャンネルボックスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、沸騰水型原子炉の燃料集合体
は、複数の燃料棒と、少なくとも1本の水ロッドとを備
えている。各燃料棒には、核分裂性物質が充填されてい
る。これら燃料棒は、n行n列(例えばn=8,9,
…)の正方格子状に配列されている。それら正方格子状
配列の外周は、チャンネルボックスで取り囲まれてい
る。炉心は、このような燃料集合体を所定間隔で多数配
置して構成されている。さらに炉心は、その出力調整を
行うための制御棒を備えている。この制御棒は、燃料集
合体間のギャップに挿入される。
【0003】炉心における燃料集合体間のギャップ構造
に関しては、いわゆるD格子と称される構造が従来より
用いられてきた。このD格子炉心では、制御棒側のギャ
ップ間隔が制御棒がない側のギャップ間隔より広くなっ
ている。
【0004】ところで、沸騰水型原子炉では、冷却材と
して炉心中の水を用いている。この冷却水が、核分裂で
発生する熱を除熱する。この冷却水はまた、中性子の減
速材としての役割も果たしている。燃料棒の核分裂性物
質は、主に、減速された中性子(熱中性子)と反応して
核分裂を起こす。したがって、中性子の減速は、沸騰水
型原子炉では重要な役割を果たす。この中性子の減速作
用は、一般に、水が広い領域にわたって連続的に存在し
ているところで大きい。したがって、燃料集合体間にあ
る水は、中性子の減速に大きな役割を果たしている。
【0005】一方、原子炉の炉心に関する重要な量とし
て、線出力密度がある。原子炉の設計に関しては最大線
出力密度が問題となる。これは原子炉内でもっとも大き
い線出力密度のことである。この最大線出力密度が過大
となると、当該燃料棒中心温度が過度に上昇する。この
場合、燃料棒ペレットと被覆管の熱的健全性が確保でき
なくなる可能性がある。したがって、原子炉の安全上の
観点から、最大線出力密度には所定の制限値が定められ
ている。すなわち、最大線出力密度は、なるべく小さい
方が好ましい。上記所定の制限値に対し熱的に余裕のあ
る状態となるからである。
【0006】なお、上記「燃料集合体出力」に関する重
要な量として、燃料集合体限界出力がある。上述したよ
うに、沸騰水型原子炉の炉心においては、冷却材として
水を用いている。すなわち、燃料集合体下部から流入し
た水は、燃料棒近傍を流れる間に沸騰し、燃料集合体上
部から流出する。このときの沸騰の程度は、炉心への入
口である燃料集合体下部では小さい。一方、炉心からの
出口である燃料集合体上部では大きい。すなわち、燃料
集合体の上部では蒸気の割合が大きくなり、流動様式が
環状噴霧流となり、燃料棒表面は液膜で覆われた状態に
なっていると考えられる。燃料集合体の出力を大きくし
ていくとどこかの燃料棒表面の液膜が最初に蒸発等によ
ってなくなる。この、液膜がなくなるときの出力を限界
出力という。限界出力は、燃料集合体の冷却材流量等に
よって変化する。原子炉は全ての燃料集合体が限界出力
以下であることを常にチェックしながら運転されてい
る。
【0007】以上のような事情に鑑み、通常、燃料集合
体の設計においては、燃料棒ペレットを複数種類用意し
て燃料濃縮度分布を適宜設ける。あるいは、燃料棒に添
加する可燃性吸収材の濃度分布を適宜設ける。これらに
より、「燃料集合体の軸方向相対出力ピーキング」や、
燃料集合体内の燃料棒の相対出力ピーキングである「局
所出力ピーキング」を小さくして、限界出力特性等を改
善し、原子炉の安全余裕の向上及び経済性の向上を図っ
ている。
【0008】ここで、D格子炉心では、前述したように
ギャップ間隔の相違が存在する。そして、通常運転中は
大半の制御棒が引き抜かれているので、間隔の広いとこ
ろの方が、間隔の狭いところより中性子の減速効果が大
きくなる。これにより、制御棒が引き抜かれた状態で
は、制御棒側の広いギャップ間隔の方が反制御棒側の狭
いギャップ間隔よりも中性子の減速効果が大きくなる。
すなわち、D格子炉心に燃料集合体を装荷した場合、間
隔の広いところに近い燃料棒と間隔の狭いところに近い
燃料棒の出力が異なることになる。すなわち、上述した
局所出力ピーキングの値が比較的大きくなりやすい。し
たがって、最大線出力密度が大きくなる傾向にある。そ
のため、前述した燃料濃縮度分布や可燃性吸収材の濃度
分布を細かく設ける必要が生じ、燃料集合体の設計自由
度が小さくなっていた。
【0009】そこで、その後、いわゆるC格子と称され
る構造が提唱された。このC格子炉心では、制御棒側の
ギャップ間隔と制御棒がない側のギャップ間隔とが等し
くなっている。これにより、D格子炉心よりも設計自由
度を大きくすることができる。これによって、比較的容
易に、エネルギー効率上最適な構造とすることができ
る。概略的には、例えば、燃料の取り出し燃焼度(単位
重量の燃料から取り出すことができるエネルギー)を、
D格子炉心よりも数%大きくすることができる。このよ
うに、燃料の経済性においてC格子炉心の方がD格子炉
心よりも優れている。
【0010】このように、近年、燃料経済性の優れたC
格子炉心が提唱された。しかし、そのときには既にD格
子炉心が数多く稼働していた。そこで、それらd格子炉
心を改良し、燃料経済性を向上するための試みが提唱さ
れている。
【0011】そのような従来技術の一例として、特許2
791132号公報がある。この公知技術は、D格子炉
心用燃料集合体に関するものである。すなわち、9×9
正方格子状配列において、燃料棒ピッチを小さくしてい
る。そして、最外周燃料棒とチャンネルボックスとの距
離を、制御棒側のほうを制御棒がない側よりも小さくし
ている。これにより、D格子炉心に配置したときに、制
御棒側と制御棒がない側との燃料集合体間ギャップ間隔
の差を小さくしている。したがって、その分、炉心特性
をC格子炉心に近づけることができる。またこのとき、
制御棒及び制御棒駆動機構については、従来のD格子炉
心のものをそのまま用いることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術では、以下の課題が存在する。すなわち、燃料棒
ピッチを小さくすることから、燃料棒間に冷却水が流れ
にくくなる。これにより、冷却水による除熱性能が低下
し、同一の線出力密度でも、熱的余裕がより確保しにく
くなる。すなわち、従来のD格子炉心用燃料集合体より
も、熱的余裕が小さくなる。また、正方格子状に配列さ
れた燃料棒及び水ロッドは、その軸方向複数箇所を燃料
スペーサで束ねられ、燃料バンドルを形成している。燃
料スペーサには、燃料棒や水ロッドの間隔を所定値に保
持するための保持部材(例えば、円筒部材等)が備えら
れている。ここで、燃料棒ピッチが変わると、それら保
持部材の配置ピッチも変えなくてはならない。したがっ
て、既存の燃料スペーサを用いることができなくなる。
すなわち、新たな燃料スペーサを用意する必要がある。
【0013】本発明の目的は、熱的余裕を小さくするこ
となくC格子炉心に近い燃料経済性を達成でき、かつ、
既存の燃料スペーサをそのまま利用できるD格子炉心用
の燃料集合体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、n行n列の正方格子状に配列され
た複数本の燃料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領
域に配置された少なくとも1本の水ロッドと、これら燃
料棒及び水ロッドからなる燃料バンドルの下端を支持す
る下部タイプレートと、チャンネルファスナーを固定す
るために設けられるガイドポストとを備えた燃料集合体
において、n=9であり、前記複数本の燃料棒のピッチ
は、14.15[mm]以上14.65[mm]以下で
あり、かつ、前記燃料バンドルの軸心位置を、前記下部
タイプレートの軸心位置よりも前記チャンネルファスナ
ー側に偏心させて保持する偏心保持手段を設ける。D格
子炉心では、燃料集合体を配置したときに、制御棒側
(すなわちチャンネルファスナー側)のギャップ間隔が
制御棒がない側(すなわち反チャンネルファスナー側)
のギャップ間隔より広くなっている。これにより、間隔
の広いチャンネルファスナー側のほうが間隔の狭い反チ
ャンネルファスナー側よりも連続した水領域が大きくな
る。したがって、チャンネルファスナー側のほうが反チ
ャンネルファスナー側より中性子の減速効果が大きくな
る。これにより、チャンネルファスナー側の燃料棒の出
力が相対的に大きくなり、局所出力ピーキングの値が比
較的大きくなりやすい傾向となる。そこで、本発明にお
いては、偏心保持手段で、燃料バンドルの軸心位置をチ
ャンネルファスナー側に偏心させる。すなわち、上述し
た広いチャンネルファスナー側のギャップを狭くなる方
向に、狭い反チャンネルファスナー側のギャップを広く
する方向に変える。これにより、これら2つのギャップ
の広さの差を緩和し、連続した水領域の差を緩和するこ
とができる。したがって、チャンネルファスナー側と反
チャンネルファスナー側との燃料棒の出力の差を小さく
し、局所出力ピーキングを低減することができる。すな
わち、炉心特性をC格子炉心に近づけることができる。
【0015】(2)また上記目的を達成するために、本
発明は、n行n列の正方格子状に配列された複数本の燃
料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置され
た少なくとも1本の水ロッドと、これら燃料棒及び水ロ
ッドからなる燃料バンドルの下端を支持する下部タイプ
レートと、チャンネルファスナーを固定するために設け
られるガイドポストとを備えた燃料集合体において、n
=9であり、前記複数本の燃料棒のピッチは、14.1
5[mm]以上14.65[mm]以下であり、かつ、
前記燃料バンドルの軸心位置を、前記下部タイプレート
の軸心位置よりも前記チャンネルファスナー側にYだけ
偏心させて保持する偏心保持手段を設け、Y≧2
-3/2[mm]とする。本発明においては、軸心位置をチ
ャンネルファスナー側にY≧2-3/2[mm]だけ偏心さ
せる。すなわち、正方格子状配列の行方向(又は列方
向)には0.25[mm]以上移動することになる。こ
れにより、偏心させない場合よりも、局所出力ピーキン
グを少なくとも1[%]以上減少させることができる。
したがって、炉心特性を確実にC格子炉心に近づけ、燃
料経済性を向上することができる。) (3)上記(2)において、好ましくは、7×2
-1/2[mm]≧Y≧2-3/2[mm]とする。n=9の場
合、若干の幅はあるが、例えば"nuclear engineering I
NTERNATIONAL" vol.43 No.530(September,1998;Wilmin
gton Business Publication) p12-31に記載のように、
通常、燃料棒直径は約11.0[mm]である。また、
熱的余裕を確保するためには、隣接燃料棒どうしの間隔
は3[mm]程度必要である。すると、燃料棒9本の両
端の距離は、11.0×9+3×(9−1) 123
[mm]となる。ここで、燃料バンドルを取り囲むチャ
ンネルボックスの内幅Wは約134[mm]である。し
たがって、正方格子状配列最外周の燃料棒とチャンネル
ボックス内周面との間に残された距離は、両側を合わせ
て134−123=11[mm]が最大値となる。そし
て、最外周の燃料棒とチャンネルボックス内周面との間
には、通常2[mm]以上の間隙が必要とされる。なぜ
なら、燃料スペーサのバンドを挿入する必要があるから
である。また、熱的余裕の観点からも同様の間隙が必要
とされている。したがって、実際に、燃料バンドルを偏
心させるために有効に利用できるのは、11−2×2=
7[mm]である。すなわち、チャンネルファスナー側
に偏心させるとき、正方格子状配列の行方向(又は列方
向)には移動可能な実際上の最大値は、7[mm]とな
る。本発明においては、これに応じて、軸心位置をチャ
ンネルファスナー側にY≦7×2-1/2[mm]だけ偏心
させる。これにより、正方格子状配列の行方向(又は列
方向)への移動距離を7.0[mm]以下とする構成を
実現している。
【0016】(4)さらに上記目的を達成するために、
本発明は、n行n列の正方格子状に配列された複数本の
燃料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置さ
れた少なくとも1本の水ロッドと、これら燃料棒及び水
ロッドからなる燃料バンドルの下端を支持する下部タイ
プレートと、前記燃料バンドルの軸方向複数箇所を保持
する燃料スペーサと、チャンネルファスナーを固定する
ために設けられるガイドポストとを備えた燃料集合体に
おいて、n=9であり、前記複数本の燃料棒のピッチ
は、14.15[mm]以上14.65[mm]以下で
あり、前記燃料スペーサは、その外周部に外側に突出し
て設けられ、前記燃料バンドルの軸心位置を前記下部タ
イプレートの軸心位置よりも前記チャンネルファスナー
側に偏心させて保持するための複数のタブを備えてお
り、かつ、前記複数のタブのうち前記チャンネルファス
ナー側に位置するタブの先端と前記正方格子状配列の最
外周に位置する燃料棒との距離L1、及び前記複数のタ
ブのうち反チャンネルファスナー側に位置するタブの先
端と前記正方格子状配列の最外周に位置する燃料棒との
距離L2が、L2−L1≧0.5[mm]となるように構
成されている。
【0017】(5)上記(4)において、好ましくは、
7.0[mm]≧L2−L1≧0.5[mm]となるよう
に構成されている。
【0018】(6)また上記目的を達成するために、本
発明は、n行n列の正方格子状に配列された複数本の燃
料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置され
た少なくとも1本の水ロッドと、これら燃料棒及び水ロ
ッドからなる燃料バンドルを取り囲むチャンネルボック
スと、チャンネルファスナーを固定するために設けられ
るガイドポストとを備えた燃料集合体において、n=9
であり、前記複数本の燃料棒のピッチは、14.15
[mm]以上14.65[mm]以下であり、前記チャ
ンネルボックスの内幅は、133.5[mm]以上13
4.5[mm]以下であり、かつ、前記燃料バンドルの
軸心位置を、前記チャンネルボックスの軸心位置よりも
前記チャンネルファスナー側に偏心させて保持する偏心
保持手段を設ける。
【0019】(7)さらに上記目的を達成するために、
本発明は、n行n列の正方格子状に配列された複数本の
燃料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置さ
れた少なくとも1本の水ロッドと、これら燃料棒及び水
ロッドからなる燃料バンドルの下端を支持する下部タイ
プレートと、チャンネルファスナーを固定するために設
けられるガイドポストとを備えた燃料集合体において、
n=10であり、前記複数本の燃料棒のピッチは、1
2.65[mm]以上13.15[mm]以下であり、
かつ、前記燃料バンドルの軸心位置を、前記下部タイプ
レートの軸心位置よりも前記チャンネルファスナー側に
偏心させて保持する偏心保持手段を設ける。
【0020】(8)また上記目的を達成するために、本
発明は、n行n列の正方格子状に配列された複数本の燃
料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置され
た少なくとも1本の水ロッドと、これら燃料棒及び水ロ
ッドからなる燃料バンドルの下端を支持する下部タイプ
レートと、チャンネルファスナーを固定するために設け
られるガイドポストとを備えた燃料集合体において、n
=10であり、前記複数本の燃料棒のピッチは、12.
65[mm]以上13.15[mm]以下であり、か
つ、前記燃料バンドルの軸心位置を、前記下部タイプレ
ートの軸心位置よりも前記チャンネルファスナー側にY
だけ偏心させて保持する偏心保持手段を設け、Y≧2
-3/2[mm]とする。
【0021】(9)上記(8)において、好ましくは、
7×2-1/2[mm]≧Y≧2-3/2[mm]とする。n=
10の場合、例えば"nuclear engineering INTERNATION
AL" vol.43 No.530(September,1998;Wilmington Busin
ess Publication) p12-31に記載のように、通常、燃料
棒直径は約10.05[mm]である。また、熱的余裕
を確保するためには、隣接燃料棒どうしの間隔は2.5
[mm]程度必要である。すると、燃料棒10本の両端
の距離は、10.05×10+2.5×(10−1)
123.0[mm]となる。ここで、燃料バンドルを取
り囲むチャンネルボックスの内幅は、上記文献に記載の
ように、約134[mm]である。したがって、正方格
子状配列最外周の燃料棒とチャンネルボックス内周面と
の間に残された距離は、両側を合わせて134−123
=11[mm]が最大値となる。そして、最外周の燃料
棒とチャンネルボックス内周面との間には、通常2[m
m]以上の間隙が必要とされる。したがって、実際に、
燃料バンドルを偏心させるために有効に利用できるの
は、11−2×2=7[mm]である。本発明において
は、これに応じて、軸心位置をチャンネルファスナー側
にY≦7×2-1/2[mm]だけ偏心させる。これによ
り、正方格子状配列の行方向(又は列方向)への移動距
離を7[mm]以下とする構成を実現している。
【0022】(10)さらに上記目的を達成するため
に、本発明は、n行n列の正方格子状に配列された複数
本の燃料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配
置された少なくとも1本の水ロッドと、これら燃料棒及
び水ロッドからなる燃料バンドルの下端を支持する下部
タイプレートと、前記燃料バンドルの軸方向複数箇所を
保持する燃料スペーサと、チャンネルファスナーを固定
するために設けられるガイドポストとを備えた燃料集合
体において、n=10であり、前記複数本の燃料棒のピ
ッチは、12.65[mm]以上13.15[mm]以
下であり、前記燃料スペーサは、その外周部に外側に突
出して設けられ、前記燃料バンドルの軸心位置を前記下
部タイプレートの軸心位置よりも前記チャンネルファス
ナー側に偏心させて保持するための複数のタブを備えて
おり、かつ、前記複数のタブのうち前記チャンネルファ
スナー側に位置するタブの先端と前記正方格子状配列の
最外周に位置する燃料棒との距離L1、及び前記複数の
タブのうち反チャンネルファスナー側に位置するタブの
先端と前記正方格子状配列の最外周に位置する燃料棒と
の距離L2が、L2−L1≧0.5[mm]となるように
構成されている。
【0023】(11)上記(10)において、好ましく
は、7.0[mm]≧L2−L1≧0.5[mm]となる
ように構成されている。
【0024】(12)また上記目的を達成するために、
本発明は、n行n列の正方格子状に配列された複数本の
燃料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置さ
れた少なくとも1本の水ロッドと、これら燃料棒及び水
ロッドからなる燃料バンドルを取り囲むチャンネルボッ
クスと、チャンネルファスナーを固定するために設けら
れるガイドポストを備えた燃料集合体において、n=1
0であり、前記複数本の燃料棒のピッチは、12.65
[mm]以上13.15[mm]以下であり、前記チャ
ンネルボックスの内幅は、133.5[mm]以上13
4.5[mm]以下であり、かつ、前記燃料バンドルの
軸心位置を、前記チャンネルボックスの軸心位置よりも
前記チャンネルファスナー側に偏心させて保持する偏心
保持手段を設ける。
【0025】(13)上記(1),(2),(6),
(7),(8),(12)のうちいずれか1つにおい
て、好ましくは、前記燃料バンドルの軸方向少なくとも
1箇所を保持する燃料スペーサをさらに有し、かつ、前
記偏心保持手段は、前記燃料スペーサの外周部に設けら
れたタブを含む。
【0026】(14)上記(1),(2),(6),
(7),(8),(12)のうちいずれか1つにおい
て、好ましくは、前記偏心保持手段は、前記下部タイプ
レートに設けられ、前記燃料バンドルを構成する燃料棒
及び水ロッドの下端部を挿入して保持する挿入孔を含
む。
【0027】(15)上記(6)又は(12)におい
て、好ましくは、前記偏心保持手段は、前記チャンネル
ボックスの内周部に設けられたタブを含む。
【0028】(16)上記(1),(2),(6),
(7),(8),(12)のうちいずれか1つにおい
て、好ましくは、前記偏心保持手段は、前記チャンネル
ファスナーに設けられ、前記ガイドポストの上端部を挿
入して保持する挿入孔を含む。
【0029】(17)さらに上記目的を達成するため
に、本発明は、9行9列の正方格子状に配列された複数
本の燃料棒、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置
された少なくとも1本の水ロッド、及びこれら燃料棒と
水ロッドとからなる燃料バンドルを取り囲むチャンネル
ボックスをそれぞれ備えた複数の燃料集合体と、前記燃
料集合体の間に挿入される少なくとも1つの制御棒とを
備え、前記複数の燃料集合体相互間の間隔を前記制御棒
側のほうが反制御棒側よりも大きくなるようにした原子
炉の炉心において、前記複数の燃料集合体のうち少なく
とも1つは、前記複数本の燃料棒のピッチが14.15
[mm]以上14.65[mm]以下であり、前記チャ
ンネルボックスの内幅が、133.5[mm]以上13
4.5[mm]以下であり、かつ、前記燃料バンドルの
軸心位置を、前記チャンネルボックスの軸心位置よりも
前記チャンネルファスナー側に偏心させて保持する偏心
保持手段を備えている。
【0030】(18)また上記目的を達成するために、
本発明は、9行9列の正方格子状に配列された複数本の
燃料棒、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置され
た少なくとも1本の水ロッド、及びこれら燃料棒と水ロ
ッドとからなる燃料バンドルを取り囲むチャンネルボッ
クスをそれぞれ備えた複数の燃料集合体と、前記燃料集
合体の間に挿入される少なくとも1つの制御棒とを備
え、前記複数の燃料集合体相互間の間隔を前記制御棒側
のほうが反制御棒側よりも大きくなるようにした原子炉
の炉心において、前記複数の燃料集合体のうち少なくと
も1つは、前記複数本の燃料棒のピッチが14.15
[mm]以上14.65[mm]以下であり、前記チャ
ンネルボックスの内幅が、133.5[mm]以上13
4.5[mm]以下であり、かつ、前記チャンネルボッ
クスの制御棒側に位置する内側面と前記正方格子状配列
の最外周に位置する燃料棒との距離L1、及び前記チャ
ンネルボックスの反制御棒側に位置する内側面と前記正
方格子状配列の最外周に位置する燃料棒との距離L2
が、L2−L1≧0.5[mm]の関係となるように、前
記燃料バンドルの軸心位置を前記チャンネルボックスの
軸心位置よりも前記制御棒側に偏心させて保持する偏心
保持手段を備えている。
【0031】(19)さらに上記目的を達成するため
に、本発明は、10行10列の正方格子状に配列された
複数本の燃料棒、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に
配置された少なくとも1本の水ロッド、及びこれら燃料
棒と水ロッドとからなる燃料バンドルを取り囲むチャン
ネルボックスをそれぞれ備えた複数の燃料集合体と、前
記燃料集合体の間に挿入される少なくとも1つの制御棒
とを備え、前記複数の燃料集合体相互間の間隔を前記制
御棒側のほうが反制御棒側よりも大きくなるようにした
原子炉の炉心において、前記複数の燃料集合体のうち少
なくとも1つは、前記複数本の燃料棒のピッチが12.
65[mm]以上13.15[mm]以下であり、前記
チャンネルボックスの内幅が、133.5[mm]以上
134.5[mm]以下であり、かつ、前記燃料バンド
ルの軸心位置を、前記チャンネルボックスの軸心位置よ
りも前記チャンネルファスナー側に偏心させて保持する
偏心保持手段を備えている。
【0032】(20)また上記目的を達成するために、
本発明は、10行10列の正方格子状に配列された複数
本の燃料棒、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置
された少なくとも1本の水ロッド、及びこれら燃料棒と
水ロッドとからなる燃料バンドルを取り囲むチャンネル
ボックスをそれぞれ備えた複数の燃料集合体と、前記燃
料集合体の間に挿入される少なくとも1つの制御棒とを
備え、前記複数の燃料集合体相互間の間隔を前記制御棒
側のほうが反制御棒側よりも大きくなるようにした原子
炉の炉心において、前記複数の燃料集合体のうち少なく
とも1つは、前記複数本の燃料棒のピッチが12.65
[mm]以上13.15[mm]以下であり、前記チャ
ンネルボックスの内幅が、133.5[mm]以上13
4.5[mm]以下であり、かつ、前記チャンネルボッ
クスの制御棒側に位置する内側面と前記正方格子状配列
の最外周に位置する燃料棒との距離L1、及び前記チャ
ンネルボックスの反制御棒側に位置する内側面と前記正
方格子状配列の最外周に位置する燃料棒との距離L2
が、L2−L1≧0.5[mm]の関係となるように、前
記燃料バンドルの軸心位置を前記チャンネルボックスの
軸心位置よりも前記制御棒側に偏心させて保持する偏心
保持手段を備えている。
【0033】(21)さらに上記目的を達成するため
に、本発明は、帯状の部材で正方形の四辺を形成するよ
うにしたバンドと、このバンドの外周部に外側に突出し
て設けられた複数のタブとを備え、n行n列の正方格子
状に配列された複数本の燃料棒及び少なくとも1本の水
ロッドからなる燃料バンドルを保持する燃料スペーサに
おいて、前記複数のタブのうち、前記正方形の対角線を
境に一方側に位置するタブの突出高さと、前記対角線を
境に他方側に位置するタブの突出高さの差が異なる。
【0034】(22)また上記目的を達成するために、
本発明は、横断面形状が正方形となる略四角筒形状を備
え、n行n列の正方格子状に配列された複数本の燃料棒
及び少なくとも1本の水ロッドからなる燃料バンドルを
覆うチャンネルボックスにおいて、前記略四角筒形状の
内周部に内側に突出して複数のタブを設け、かつ、これ
ら複数のタブのうち、前記正方形の対角線を境に一方側
に位置するタブの突出高さと、前記対角線を境に他方側
に位置するタブの突出高さの差が異なる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。本発明の第1の実施形態を図1〜
図16により説明する。図2は、水平横断面図であり、
本実施形態による沸騰水型原子炉の炉心の部分概略配置
(1/4対称)を示している。図3は、その部分拡大図
である。これら図2及び図3において、原子炉圧力容器
(図示せず)内に燃料集合体1が多数配置され、炉心2
を構成している。炉心2においては、隣接して正方形配
置をなす4個の燃料集合体1間に制御棒3が挿入され
る。この炉心2はいわゆるD格子炉心となっている。す
なわち、燃料集合体1相互間の間隔が、制御棒3側のほ
うが反制御棒3側よりも大きくなっている。図3には、
隣接して正方形配置をなす4個の燃料集合体の一例とし
て、燃料集合体1A,1B,1C,1Dを示している。
制御棒3は、横断面略十字形の翼を備えている。燃料集
合体1A〜1Dは、構造はそれぞれ全く同一である。但
し、その配置される向きのみが異なっている。すなわ
ち、制御棒3の十字形軸心を中心に点対称配置となって
いる。そして、制御棒3は、各燃料集合体1の横断面正
方形形状の2辺に近接するように挿入される。
【0036】図1は、図3の部分拡大図であり、燃料集
合体1Aの詳細構造を示している。図4は、縦断面図で
あり、図1に示した燃料集合体1Aの詳細構造を示して
いる。これら図1及び図4において、燃料集合体1A
は、多数の燃料棒4及び2本の水ロッド5(但し図4で
は図示省略)からなる燃料バンドル6と、燃料スペーサ
8と、上部タイプレート9と、下部タイプレート10
と、チャンネルボックス11とを備えている。
【0037】燃料バンドル6は、図1に示すように9行
9列正方格子状に配列されている。そして、それら正方
格子状配列の位置は、全体として図1中左上方向(後述
のチャンネルファスナー方向、制御棒3方向)に偏心し
ている。その配列の軸心位置(軸方向中心位置、以下同
様)iは、チャンネルボックス11の軸心位置j(=上
部タイプレート9の軸心位置及び下部タイプレート10
の軸心位置)よりもチャンネルファスナー側(=制御棒
3側)に偏心している。その偏心量Yは、図1中左上方
向に2-1/2[mm]となっている。言い換えれば、図1
中左方向に0.5[mm]かつ上方向に0.5[mm]
となっている(図1参照)。このように偏心させて保持
する偏心保持手段として機能するのは、チャンネルファ
スナー14の挿入孔14a、下部タイプレート10の燃
料棒挿入孔10b及び水ロッド挿入孔10c、燃料スペ
ーサ8のタブ8b1,8b2である。これらについては、
後に順次詳述する。
【0038】燃料棒4は、それぞれ燃料ペレットを封入
している。この燃料ペレットは、核分裂性物質としての
ウランを焼結して構成されている。各燃料棒4の外径d
はd=11.2[mm]となっている。また燃料棒4の
配列ピッチpは、p=14.4[mm]となっている。
燃料棒4は、全部で74本あり、9行9列の正方格子状
に配列されている。これら74本の燃料棒は、通常の燃
料棒4aと、部分長燃料棒4b(但し図4には図示せ
ず)とを含んでいる。部分長燃料棒4bは、通常の燃料
棒4aよりも、燃料有効長が短くなっている。燃料棒4
aは、特に図示や詳細な説明を行わないが、複数種類が
存在している。そして、各種類ごとに、ペレットに含ま
れるウランの濃縮度分布が互いに異なっている。各種類
の燃料棒4a及び燃料棒4bの配置を適宜工夫すること
により、局所出力ピーキングの平坦化が図られている。
また、各種類ごとに適宜軸方向の濃縮度分布を設けてい
る。これにより、軸方向出力ピーキングの平坦化も図っ
ている。これらの構成は、この種の燃料集合体として公
知のものと同様である。
【0039】水ロッド5は、燃料集合体1Aの略中央部
に配置されている。このとき、水ロッド5は、3行3列
格子の7本の燃料棒4を置き換えるように配置されてい
る。またこの水ロッド5は、特に詳細な図示を行わない
が、冷却材流路を形成する公知の構造の中空管である。
そして、燃料集合体1A略中央部の熱中性子束を平坦化
する。
【0040】上部タイプレート9は、燃料バンドル6の
上端部を支持する。この上部タイプレート9の制御棒3
側及び反制御棒3側には、ガイドポスト9a,9bが一
体に形成されている。上部タイプレート9は、ガイドポ
スト9aを介して、上部格子板12(後述の図5参照)
によって横方向の動きが拘束支持される。上部格子板1
2は、沸騰水型原子炉の炉心シュラウド(図示せず)上
部に固定されているものである。図5は、上面図であ
り、燃料集合体1A上部のその上部格子板12による支
持構造を示している。なお、構造の明確化のために、制
御棒3を挟んだ4体の燃料集合体1A〜1D(図3参
照)の支持構造を示している。
【0041】上部格子板12は、炉心に配置されている
燃料集合体1及び制御棒3の位置に対応した格子構造と
なっている。すなわち、図5に示すように、上部格子板
12は、4体の燃料集合体1A,1B,1C,1Dを囲
む大きさの格子13を多数個備えている。格子13の下
方には、それら4体の燃料集合体1A〜1Dが設けられ
ている。それら4体の燃料集合体1A〜1Dの間には、
1つの制御棒3が位置している。
【0042】各燃料集合体1A〜1Dのガイドポスト9
aの先端は、チャンネルファスナー14に設けた挿入孔
14aに挿入されている。そして、図示しない固定具
(例えばボルト)によってチャンネルファスナー14に
固定されている。このとき、チャンネルファスナー14
の挿入孔14aは、従来の9行9列燃料集合体のそれよ
りもコーナー側にややずれた位置に形成されている。こ
れにより、前述したように、燃料バンドル6の軸心位置
iを、上部タイプレートの軸心位置(=チャンネルボッ
クスの軸心位置)jよりも制御棒3側に偏心させてい
る。またチャンネルファスナー14は、チャンネルボッ
クス11に接続されている。これによって、チャンネル
ボックス11とそれに囲まれる燃料バンドル6とを固定
する。
【0043】またチャンネルファスナー14は、隣接す
る燃料集合体1のチャンネルボックス11どうしの間隔
を一定に保ち、制御棒3の挿入空間を確保する。なお、
反制御棒3側のガイドポスト9bは、制御棒3側のガイ
ドポスト9aとの重量バランスをとるためのダミーとな
っている。なお、チャンネルファスナー14とチャンネ
ルボックス11との間には、チャンネルファスナー14
の過度の変形を防止するためのガード15が設けられて
いる。
【0044】一方、各燃料集合体1A〜1Dのチャンネ
ルボックス11のチャンネルファスナー14のない側の
側面は、上部格子板12によって支持されている(図5
参照)。すなわち、チャンネルファスナー14の弾性力
によって、上部格子板12に向かって単に押圧されるこ
とにより支持されている。
【0045】図4に戻り、下部タイプレート10は、燃
料バンドル6の下端部を支持する。図6は、上面図であ
り、下部タイプレート10の詳細構造を示している。こ
の図6及び図4において、下部タイプレート10は、そ
の上面10aに、燃料棒挿入孔10bと、水ロッド挿入
孔10cと、冷却材導入孔10d,10e,10fとを
備えている。
【0046】燃料棒挿入孔10bは、74個設けられて
いる。そして、それぞれ燃料棒4の下端部が挿入され支
持される。水ロッド挿入孔10cは、2個設けられてい
る。そして、それぞれ水ロッド5の下端部が挿入され支
持される。これら燃料棒挿入孔10b及び水ロッド挿入
孔10cは、図1に示した燃料バンドル6の配列(すな
わち燃料棒4及び水ロッド5の配列)に対応する位置に
設けられている。すなわち、これら燃料棒挿入孔10b
及び水ロッド挿入孔10cも、9行9列の正方格子状に
配列されている。そして、それら正方格子状配列の位置
は、全体として図6中左上方向(チャンネルファスナー
14方向、制御棒3方向)に偏心している。その配列の
軸心位置(この場合水ロッド挿入孔10c,10c間の
冷却材導入孔10foの中心位置)iは、下部タイプレ
ート10の軸心位置jから図6中左上方向に偏心してい
る。その偏心量Yは、前述したように、図6中左上方向
に2-1/2[mm](=図6中左方向に0.5[mm]か
つ上方向に0.5[mm])となっている。
【0047】図1及び図4に戻り、チャンネルボックス
11は、燃料バンドル6の周囲を取り囲み燃料集合体1
Aの外壁を形成する。その内幅Wは、W=134.1
[mm]となっている。
【0048】燃料スペーサ8は、燃料バンドル6の軸方
向複数箇所に設けられている。そして、各箇所おいて、
燃料棒4及び水ロッド5を束ねて一定間隔に保持し、燃
料バンドル6を形成する。したがって、燃料スペーサ8
の軸心位置は燃料バンドル6の軸心位置iに等しい。こ
の燃料スペーサ8は、バンド8aと、このバンド8aの
外周部に外側に突出して設けられた複数(この場合8
個)のタブ8bとを備えている。また燃料スペーサ8
は、バンド8aの内側に、公知の円筒部材(煩雑を避け
るために図3及び図1では図示省略)及びばね部材
(同)を備えている。円筒部材は、燃料棒4の数に対応
した数が設けられている。この円筒部材は、燃料棒4を
それぞれ1つ挿通する。そして、円筒部材に設けられた
ばね部材が、燃料棒4を円筒部材の反対側に向かって押
圧する。これにより、燃料棒4は横方向の動きを拘束さ
れ支持される。
【0049】図7は、側面図及びA−A断面による断面
図であり、正方形形状の四辺のうちの一辺に係わる、バ
ンド8a及びタブ8bの詳細構造を示すものである。バ
ンド8aは、均一肉厚の帯状の部材で正方形形状の四辺
を形成するようにしたものである。タブ8bは、例えば
バンド8aからの押し出し加工により形成されている。
その突出高さはXとなっている。
【0050】そして、合計8箇所設けられるタブ8bの
うち、正方形形状の対角線k(図1参照)を境に制御棒
3側には4つのタブ8b1が設けられている。また、反
制御棒3側には、4つのタブ8b2が設けられている。
このとき、タブ8b2の突出高さX2と、タブ8b1の突
出高さX1とは、異なっている。それらの差X2−X1
は、1[mm]となっている。これにより、上述した、
燃料バンドル6の軸心位置iがチャンネルボックス11
の軸心位置jより制御棒3側にY=2-1/2[mm](=
図1中左方向に0.5[mm]かつ上方向に0.5[m
m])だけ偏心した構造を保持可能としている。このこ
とを図1及び図8を用いて説明する。
【0051】図1において、前述したようにバンド8a
の肉厚tはすべて均一である。また前述したように、燃
料スペーサ8の軸心位置は燃料バンドル6の軸心位置i
と同一である。これにより、正方格子状配列最外周の燃
料棒4とバンド8aとの距離uも全周で同一である。こ
こで、タブ8b2,8b1の先端と正方格子状配列最外周
の燃料棒4との距離をそれぞれL2,L1とする。 X2=L2−(t+u) X1=L1−(t+u) したがって、タブ8b2,8b1の突出高さの差X2−X1
は、 X2−X1=L2−L1 となる。
【0052】ところで、偏心しない従来構造では、それ
らL2,L1はそれぞれLであったとする(図8(a)参
照)。そして、燃料バンドル6が偏心して軸心位置iと
なったとき、図1中左方向変位量及び上方向変位量をそ
れぞれHとする。すると、 Y=H×21/2 よって H=Y×2-1/2 L1=L−H L2=L+H したがって、図8(b)において、タブ8b2,8b1と
正方格子状配列最外周の燃料棒4との距離の差L2−L1
は、 となる。上述したようにX2−X1=L2−L1であるか
ら、 X2−X1=Y×21/2 … (式1) となる。これにより、X2−X1を1[mm]とすること
で、Y=2-1/2[mm]に設定することができる。
【0053】次に、本実施形態の作用を以下順次説明す
る。
【0054】(1)偏心構造による局所出力ピーキング
低減 D格子炉心である炉心2は、燃料集合体1を配置したと
き、制御棒3側(すなわちチャンネルファスナー14
側)のギャップ間隔が反制御棒3側(すなわち反チャン
ネルファスナー14側)のギャップ間隔より広い。これ
により、間隔の広いチャンネルファスナー14側のほう
が間隔の狭い反チャンネルファスナー14側よりも連続
した水領域が大きくなる。したがって、チャンネルファ
スナー14側のほうが反チャンネルファスナー14側よ
り中性子の減速効果が大きくなる。これにより、チャン
ネルファスナー14側の燃料棒4の出力が相対的に大き
くなり、局所出力ピーキングの値が比較的大きくなりや
すい傾向となる。
【0055】そこで、本実施形態の燃料集合体1Aにお
いては、チャンネルボックス11はそのままで、燃料バ
ンドル6の軸心位置iをチャンネルファスナー14側に
偏心させる。すなわち、上述した広いチャンネルファス
ナー14側のギャップを狭くなる方向に、狭い反チャン
ネルファスナー14側のギャップを広くする方向に変え
る。これにより、これら2つのギャップの広さの差を緩
和し、連続した水領域の差を緩和することができる。し
たがって、チャンネルファスナー14側と反チャンネル
ファスナー14側との燃料棒の出力の差を小さくし、局
所出力ピーキングを低減することができる。すなわち、
炉心特性をC格子炉心に近づけることができる。したが
って、C格子炉心に近い燃料経済性を達成することがで
きる。また、局所出力ピーキングを低減できるので、燃
料棒4の出力の最大値も小さくできる。例えば、局所出
力ピーキングが5%小さくなると、燃料棒4の最大線出
力も5%減少する。これにより、燃料集合体1Aの一体
から取り出せる出力の限界(限界出力)を大きくするこ
とができる。したがって、炉心2の出力を同じとすれば
燃料集合体1Aの熱的余裕を増加させることができる。
また、熱的余裕を同等とすれば、炉心2の出力を大きく
することができる。
【0056】なお、以上をさらに具体的に検討すると、
以下のようになる。通常運転中、燃料集合体1の中の水
(水ロッド5内は除く)は、気体の蒸気と液体の水との
気液混合状態である。このときの蒸気の体積割合は、燃
料集合体1内平均で約40%である。一方、各燃料集合
体1間のギャップは基本的に液体の水のみである。すな
わち、蒸気の体積割合は0%である。この両者の条件
で、中性子の減速に主として寄与する水中の水素原子の
体積密度を計算してみる(沸騰水型原子炉の通常運転時
の70気圧で計算)。すると、燃料集合体1間ギャップ
(蒸気の体積割合0%)での値を1とすると、燃料集合
体1内(蒸気の体積割合40%)では約0.6となる。
したがって、以下の2つは、中性子の減速効果からみる
とほぼ同等の効果があることになる。例えば、図1中左
方向(又は上方向)にH=1[mm]だけ偏心させるこ
とと、燃料集合体間間隔を0.6mm小さくすることで
ある。
【0057】また、限界出力に関し、以下のことが懸念
されなくもない。すなわち、偏心方向と反対側におい
て、チャンネルボックス11の内側と最外周燃料棒4と
の間隔が大きくなる。これにより、この部分に水が多く
流れ、燃料棒4の冷却に直接寄与する水が減る可能性が
ないとは言えない。しかしながらこの場合、数mm程度
の間隔であれば、その部分の面積は、燃料集合体1A内
の水の総流路面積と比べて十分小さい。また、一般に、
限界出力と局所出力ピーキングとはほぼ1対1に対応す
る。ところが、限界出力と冷却に寄与する水の流量と
は、1対1には対応しない。したがって、水の量が5%
減っても限界出力は2〜3%程度しか変わらない。これ
により、実際上、偏心によって限界出力が減少すること
はないと考えられる。
【0058】さらに、上記の水の流れの不均一性を解消
したい場合、以下の方策が考えられる。すなわち、偏心
により広くなったチャンネルボックス11と最外周燃料
棒4との間の流路を狭める工夫をすればよい。その方法
の1つは、広い流路に面するチャンネルボックス11の
内側にタブをたくさん設けることである。また、広い流
路に面する燃料スペーサ8のバンド8aの下端か上端に
別途タブを設けてもよい。但しこのとき、そのタブはタ
ブ8b1,b2の高さ以下とする必要がある。さらに、チ
ャンネルボックス11の広い流路に面する部分の肉厚を
大きくしてもよい。また、広い流路に別途構造材を設け
てもよい。これらにより、その広い流路に水を流れにく
くすることができる。
【0059】(2)偏心量設定による局所出力ピーキン
グ低減の確保 本願発明者等は、数値解析を行い、偏心量Yと局所出力
ピーキング低減効果との関係を検討し、図9に示す結果
を得た。図9は、本実施形態の燃料集合体1Aにおいて
偏心量Yを種々変化させたときの局所出力ピーキングの
変化を示したものである。縦軸には、局所出力ピーキン
グ値をとっている。これは、偏心量Y=0(燃料バンド
ル6の軸心位置iとチャンネルボックス11の軸心位置
jとが一致)のときからの低減率x[%]で表してい
る。横軸には、偏心量Yに直接相関する(X2−X1=Y
×21/2、前述の式1参照)スペーサタブ8b1,8b2
の突出高さの差X2−X1[mm]をとっている。
【0060】図9において、X2−X1が0より大きくな
ると低減率xは急激に立ち上がり、X2−X1 0.4
[mm]でx=1[%]となる。その後、X2−X1
0.5[mm]から増加の程度が鈍る。以降はX2−X1
が大きくなるほど次第に横ばいに近づく。X2−X1=4
[mm]では、x 5[%]となっている。
【0061】本願発明者等は、以上の結果から、局所出
力ピーキング低減効果を確実に得て、燃料経済性を向上
するためには、X2−X1≧0.5[mm]とするのが適
当であると判断した。なお、これは、上記式1に対応さ
せると、Y≧2-3/2[mm]となる。
【0062】また本願発明者等は、上記結果を踏まえ、
別の数値解析を行った。すなわち、偏心量Yと中性子無
限増倍率(燃料集合体平均)の増加量との関係を検討
し、図10に示す結果を得た。中性子無限増倍率とは、
核分裂によって発生した中性子がどの程度有効に次の核
分裂に寄与するかの指標である。図10は、本実施形態
の燃料集合体1Aにおいて偏心量Yを種々変化させたと
きの中性子無限増倍率の増加率の変化を示したものであ
る。縦軸には、中性子無限増倍率の増加率をとってお
り、偏心量Y=0のときからの増加率y[%]で表して
いる。横軸には、図9同様、スペーサタブ8b1,8b2
の突出高さの差X2−X1[mm]をとっている。
【0063】図10において、縦軸の値が大きいほど中
性子無限増倍率が増加する。すなわち、中性子が有効に
使用されることから、その分燃料を節約でき、燃料経済
性が向上する。図10では、X2−X1が0より大きくな
ると増加率yは急激に立ち上がる。しかし、X2−X1
0.5[mm]から増加の程度が鈍る。以降はX2−X1
が大きくなるほど次第に横ばいに近づく。X2−X1=4
[mm]では、y0.2[%]となっている。ちなみ
に、無限増倍率が0.2%増加するということはU−2
35の濃縮度を約0.03%減少できることに対応して
いる。この結果からも、燃料経済性を向上するために
は、X2−X1≧0.5[mm]とするのが妥当であるこ
とが裏付けられた。
【0064】本実施形態においては、前述したように、
X2−X1=1[mm]であり、またY=2-1/2[mm]
である。すなわち、上記した範囲内である。これによ
り、局所出力ピーキング低減効果を確実に得て、燃料経
済性を向上することができる。
【0065】但し、このX2−X1の値は、いくらでも大
きくできるわけではなく、実際には上限値がある。これ
について、以下説明する。9行9列正方格子状配列の燃
料集合体の場合、若干の幅はあるが、例えば"nuclear e
ngineering INTERNATIONAL" vol.43 No.530(Septembe
r,1998;WilmingtonBusiness Publication) p12-31に記
載のように、通常、燃料棒直径は約11.0[mm]で
ある。また、熱的余裕を確保するためには、隣接燃料棒
どうしの間隔は3[mm]程度必要である。すると、燃
料棒9本の両端の距離は、11.0×9+3×(9−
1) 123[mm]となる。ここで、燃料バンドルを
取り囲むチャンネルボックスの内幅Wは、上記"nuclear
engineering INTERNATIONAL"や、「沸騰水型原子力発
電所 9×9燃料について」(平成10年2月、株式会
社 日立製作所)記載のように約134[mm]であ
る。したがって、正方格子状配列最外周の燃料棒とチャ
ンネルボックス内周面との間に残された距離は、両側を
合わせて134−123=11[mm]が最大値とな
る。そして、最外周の燃料棒とチャンネルボックス内周
面との間には、通常2[mm]以上の間隙が必要とされ
る。なぜなら、燃料スペーサのバンドを挿入する必要が
あるからである。また、熱的余裕の観点からも同様の間
隙が必要とされている。したがって、実際に、燃料バン
ドルを偏心させるために有効に利用できるのは、11−
2×2=7[mm]である。すなわち、チャンネルファ
スナー側に偏心させるとき、正方格子状配列の行方向
(又は列方向)には移動可能な実際上の最大値は、7
[mm]となる。本実施形態においては、X2−X1=1
[mm]であり、この範囲内となっていることはいうま
でもない。
【0066】(3)熱的余裕の低下防止 本実施形態においては、前述した特許2791132号
公報と異なり、燃料バンドル6ごと偏心させる。すなわ
ち、燃料棒ピッチは変化させない。これにより、従来の
D格子炉心用燃料集合体に比べて熱的余裕が小さくなる
ことはない。このことを図11により説明する。
【0067】本願発明者等は、数値解析を行い、燃料棒
ピッチと燃料集合体限界出力との関係を検討した。図1
1はその結果を示したものである。すなわち、通常のD
格子炉心用の燃料集合体において、燃料棒ピッチを種々
変化させたときの限界出力の変化を示している。図11
では、横軸に燃料棒ピッチをとり、縦軸に限界出力をと
って表している。また、9行9列配置の従来のD格子用
燃料集合体における燃料棒ピッチは、上記「沸騰水型原
子力発電所 9×9燃料について」に開示されているよ
うに、14.4[mm]である。その値(現行値)は、
横軸の右端に相当する。
【0068】図11に示すように、燃料棒ピッチと限界
出力とは単調増加の関係にある。すなわち、現行の燃料
棒ピッチからピッチを小さくするほど、限界出力も単調
に減少する。これにより、上記公知技術のように燃料棒
ピッチを減少させると、限界出力も減少することがわか
る。したがって、上記公知例の構成では、局所出力ピー
キングは改善しても、限界出力の低下によって熱的余裕
は低下する。したがって、熱的余裕の低下を防止するた
めには、燃料棒ピッチを従来のD格子用燃料集合体とほ
ぼ同等にしなければならない。
【0069】なお、前述したように、従来のD格子用燃
料集合体での燃料棒ピッチは14.4[mm]である。
しかしながら、本願発明者等は、製造誤差等を考慮し、
その範囲を14.15[mm]〜14.65[mm]と
することが適当であると判断した。
【0070】これに対して、本実施形態においては、燃
料棒ピッチpは、p=14.4[mm]である。すなわ
ち、上記の範囲内である。したがって、上記公知例のよ
うな熱的余裕の低下を防止できる。
【0071】(4)既存の燃料スペーサ利用可能 また、燃料スペーサには、通常、保持部材(例えば、円
筒部材等)が備えられている。これによって、燃料棒や
水ロッドの間隔を所定値に保持している。上記公知例の
ように燃料棒ピッチが変わると、それら保持部材の配置
ピッチも変えなくてはならない。したがって、既存の燃
料スペーサを用いることができなくなる。すなわち、新
たな燃料スペーサを用意する必要がある。
【0072】これに対して、本実施形態では、燃料棒ピ
ッチを変えることはない。すなわち、燃料スペーサ8
は、従来のものをそのまま利用できる。
【0073】(5)炉停止余裕確保作用 一般に、沸騰水型原子炉の燃料集合体では、チャンネル
ボックスの大きさを小さくすると、炉停止余裕が小さく
なることが知られている。例えば、特許2791132
号公報の第6図に、このことが開示されている。すなわ
ち、この図において、チャンネルボックスを小さくして
ワイドウォータギャップ幅に対しナローウォータギャッ
プ幅を大きくするほど、出力運転時冷温時反応度差が小
さくなっている。これは、以下の理由による。
【0074】炉停止余裕に対し最も大きな影響があるの
は、水が連続的に存在する領域の広さである。特に、燃
料集合体間ギャップは、水が広い領域にわたって連続し
て存在している。燃料集合体間ギャップの水領域の広さ
を規定するのは、チャンネルボックスである。すなわ
ち、チャンネルボックスの大きさを大きくすれば、その
分、燃料集合体間ギャップの水が減少する。これによ
り、炉停止余裕が小さくなる。
【0075】したがって、従来とほぼ同等の炉停止余裕
を確保するためには、チャンネルボックスの大きさを従
来と同等にすればよい。
【0076】ここで、従来のD格子用燃料集合体におけ
るチャンネルボックスは、例えば前述した「沸騰水型原
子力発電所 9×9燃料について」や"nuclear engineer
ingINTERNATIONAL"に記載のように、その内幅寸法が約
134[mm]である。しかしながら、本願発明者等
は、製造誤差等を考慮し、その範囲を133.5[m
m]〜134.5[mm]とすることが適当であると判
断した。
【0077】本実施形態においては、上述したように、
チャンネルボックス11の内幅Wは、W=134.1
[mm]である。すなわち、上記の範囲内である。した
がって、従来のD格子用燃料集合体と同等の炉停止余裕
を確保できる。
【0078】以上説明したように、本実施形態の燃料集
合体1Aによれば、熱的余裕を小さくすることなくC格
子炉心に近い燃料経済性を達成できる。また、既存の燃
料スペーサをそのまま利用できる。
【0079】なお、上記実施形態は、その趣旨を逸脱し
ない限りにおいて、種々の変形が可能である。それら変
形例を以下順次説明する。
【0080】燃料スペーサのタブを溶接で固定する構
造 図12は、断面図であり、この変形例による燃料スペー
サ8の要部構造を示している。図1と同様、円筒部材及
びばね部材の図示を省略している。この図12におい
て、突出高さの大きなタブ8b2及び突出高さの小さな
タブ8b1ともに、バンド8aに対して溶接で固定して
いる。この場合、上記実施形態のようにバンド8aを押
し出し加工する必要がなくなる。これにより、上記実施
形態よりも設計自由度が大きくなる。なお、タブ8b2
のみを溶接固定とし、タブ8b1は上記実施形態と同様
に押し出し加工としてもよい。この場合、加工費が少な
くなるという利点がある。 チャンネルボックスにもタブを設ける構造 図13は、断面図であり、この変形例による燃料スペー
サ8の要部構造と、チャンネルボックス11の横断面構
造を示している。上記図12と同様、円筒部材及びばね
部材の図示を省略している。この図13に示すように、
燃料スペーサ8にはすべて比較的小さな突出高さの同一
のタブ8b1を設けている。そして、チャンネルボック
ス11の内周面のうちそれらタブ8b1に対応する位置
に、内側に突出した内タブ11a1及び内タブ11a2を
設けている。このとき、横断面形状正方形の対角線mを
境に一方側(図13中右側、すなわち反制御棒側)に
は、突出高さZ2が大きい内タブ11a2を配置してい
る。逆に、対角線mを境に他方側(図13中左側、すな
わ反制御棒側)には、突出高さZ1が小さい内タブ11
a1を配置している。なおこの場合、これらタブ11a
1,11a2も前述した偏心保持手段として機能する。チ
ャンネルボックス11の肉厚は通常、燃料スペーサ8の
バンド8aの肉厚よりも大きい。したがって、この場合
の設計自由度は、上記実施形態よりも大きくなる。
【0081】なお、突出高さZが小さい内タブ11a1
を省略し、内タブ11a2のみを設けてもよい。その方
が加工費は少なくなる。
【0082】また、この変形例の考え方をさらに進め
て、燃料スペーサ8側にはタブを全く設けないことも考
えられる。すなわち、チャンネルボックス11の内タブ
11a1,11a2のみとする構造である。
【0083】さらに、図14に示すように、燃料スペー
サ8にも、小さな突出高さのタブ8b1と大きな突出高
さのタブ8b2とを配置してもよい。この場合、燃料バ
ンドルの偏心量を大きくとる場合に特に好適である。
【0084】角型水ロッドを備えた構造への適用 上記実施形態では、9行9列正方格子状配列中に2本の
水ロッド5が配置された構造に本発明を適用した。しか
し、これに限られず、図15に示すような、9行9列正
方格子状配列中に1本の角型水ロッド5Aが配置された
構造に本発明を適用してもよい。この場合も、同様の効
果を得る。
【0085】さらに、図16に示すような、角型水ロッ
ド5Aがオフセット配置された構造にも適用できる。
【0086】10×10配列への適用 上記実施形態では、本発明を、9行9列正方格子状配列
の燃料集合体に適用した場合であった。しかし、これに
限られず、10行10列正方格子状配列の燃料集合体に
適用しても良い。
【0087】図17は、この変形例による燃料集合体2
01の水平横断面図である。上記実施形態の図1にほぼ
相当している。上記実施形態の燃料集合体1の各部材と
対応する部材は、適宜説明を省略する。またそれらに
は、上記実施形態の燃料集合体1の各部材の参照番号に
200を加えた参照番号を付している。
【0088】図17において、燃料バンドル206は、
10行10列正方格子状に配列されている。そして、そ
れら正方格子状配列の位置は、図1同様、全体として図
17中左上方向に偏心している。その配列の軸心位置
は、チャンネルボックス211の軸心位置よりも制御棒
203側に偏心している。その偏心量Yは、図17中左
上方向に2-1/2[mm]となっている。言い換えれば、
図17中左方向に0.5[mm]かつ上方向に0.5
[mm]となっている。
【0089】燃料棒204は、全部で92本ある。各燃
料棒204の外径dは、d=10.05[mm]となっ
ている。また燃料棒204の配列ピッチpは、p=1
2.9[mm]となっている。なお、これら燃料棒20
4の中に、適宜、図1の燃料棒4bと同様の部分長燃料
棒を配置しても良い。水ロッド205は、燃料集合体2
01の略中央部に2本が配置されている。このとき、各
水ロッド205は、2行2列格子の4本の燃料棒204
を置き換えるように配置されている。チャンネルボック
ス211の内幅Wは、図1と同様、W=134.1[m
m]となっている。
【0090】燃料スペーサ208の軸心位置は燃料バン
ドル206の軸心位置に等しい。この燃料スペーサ20
8は、図1の燃料スペーサ8同様、バンド208aとタ
ブ208bとを備えている。制御棒203側には4つの
タブ208b1が配置され、反制御棒203側には4つ
のタブ8b2が配置される。このとき、図1同様、タブ
208b2の突出高さX2とタブ208b1の突出高さX1
との差X2−X1は1[mm]となっている。
【0091】その他の構造は、上記実施形態の燃料集合
体1とほぼ同様である。
【0092】上記より明らかなように、本変形例におい
ても、上記実施形態で説明した(1)偏心構造による局
所出力ピーキング低減、(2)偏心量設定による局所出
力ピーキング低減の確保、(3)熱的余裕の低下防止、
(4)既存の燃料スペーサ利用可能、(5)炉停止余裕
確保作用、の各作用を奏する。なお、これらのうち
(3)に関し、従来の10行10列正方格子状配列の燃
料棒ピッチと本変形例の燃料棒ピッチとの関係につい
て、以下に詳述する。
【0093】燃料バンドルを取り囲むチャンネルボック
スの内幅Wは、上記実施形態において前述した「沸騰水
型原子力発電所 9×9燃料について」(平成10年2
月、株式会社 日立製作所)に記載されている。すなわ
ち、8行8列正方格子状配列及び9行9列正方格子状配
列ともに約134[mm]である。また、10行10列
正方格子状配列でも、前述した"nuclear engineering I
NTERNATIONAL"に記載のように、その内幅寸法Wは約1
34[mm]である。一方、正方格子状配列最外周の燃
料棒とチャンネルボックス内周面との間に残された距離
gは、上記「沸騰水型原子力発電所 9×9燃料につい
て」に記載のように、8行8列でも9行9列でも同じで
ある。すなわち、8行8列では燃料棒ピッチが16.3
[mm]で燃料棒直径が12.3[mm]であることか
ら、求める距離gは、 g=(134−16.3×7−12.3)/2 =3.85[mm] 9行9列では、燃料棒ピッチが14.4[mm]で燃料
棒直径が11.2[mm]であることから、求める距離
gは、 g=(134.1−14.4×8−11.2)/2 =3.85[mm] となって等しい。したがって、10行10列も同様にg
=3.85[mm]となる。一方、10行10列の場
合、上記"nuclear engineering INTERNATIONAL"に記載
のように、通常、燃料棒直径dはd=10.05[m
m]である。上記した内幅W=134[mm]、距離g
=3.85[mm]、直径d=10.05[mm]よ
り、燃料棒ピッチpを逆算すると、 p=(134−2×3.85−10.05)/9 1
2.9[mm] となる。このように、従来の10行10列配列の燃料集
合体での燃料棒ピッチは12.9[mm]である。しか
しながら、本願発明者等は、製造誤差等を考慮し、その
範囲を12.65[mm]〜13.15[mm]とする
ことが適当であると判断した。本変形例においては、燃
料棒ピッチpは、p=12.9[mm]である。すなわ
ち、上記の範囲内である。したがって、熱的余裕の低下
を防止できる。
【0094】また、上記(2)に関し、この10行10
列の場合も、9行9列の上記実施形態と同様、このX2
−X1の値は、いくらでも大きくできるわけではなく、
実際には上限値がある。これについて、以下説明する。
前述したように10行10列の場合、通常、燃料棒直径
d 10.05[mm]である。また、熱的余裕を確保
するためには、隣接燃料棒どうしの間隔は2.5[m
m]程度必要である。すると、燃料棒10本の両端の距
離は、10.05×10+2.5×(10−1) 12
3.0[mm]となる。ここで、燃料バンドルを取り囲
むチャンネルボックスの内幅Wは、前述したようにW
134[mm]である。したがって、正方格子状配列最
外周の燃料棒とチャンネルボックス内周面との間に残さ
れた距離は、両側を合わせて134−123=11[m
m]が最大値となる。そして、最外周の燃料棒とチャン
ネルボックス内周面との間には、通常2[mm]以上の
間隙が必要とされる。したがって、実際に、燃料バンド
ルを偏心させるために有効に利用できるのは、11−2
×2=7[mm]である。本変形例においては、X2−
X1=1[mm]であり、この範囲内となっていること
はいうまでもない。
【0095】以上説明したように、本変形例によって
も、上記実施形態と同様、熱的余裕を小さくすることな
くC格子炉心に近い燃料経済性を達成できるという効果
を得る。また、既存の燃料スペーサをそのまま利用でき
るという効果も得る。
【0096】なお、図18に示すような、水ロッドとし
て角型水ロッド205Aがオフセット配置された構造に
も適用できることはいうまでもない。
【0097】11×11配列への適用 さらに、本発明を、既に提唱されている11行11列正
方格子状配列の燃料集合体に適用しても良い。図19
は、この変形例による燃料集合体301の水平横断面図
である。上記実施形態の図1にほぼ相当している。上記
実施形態の燃料集合体1の各部材と対応する部材は、適
宜説明を省略する。またそれらには、上記実施形態の燃
料集合体1の各部材の参照番号に300を加えた参照番
号を付している。
【0098】図19において、燃料バンドル306は、
11行11列正方格子状に配列されている。そして、そ
れら正方格子状配列の位置は、図1同様、全体として図
19中左上方向に偏心している。その配列の軸心位置
は、チャンネルボックス311の軸心位置よりも制御棒
303側に偏心している。その偏心量Yは、図19中左
上方向に2-1/2[mm]となっている。言い換えれば、
図19中左方向に0.5[mm]かつ上方向に0.5
[mm]となっている。
【0099】燃料棒304は、全部で112本ある。各
燃料棒304の外径dは、d=9.2[mm]となって
いる。これら燃料棒304の中に、適宜、図1の燃料棒
4bと同様の部分長燃料棒を配置しても良い。また燃料
棒304の配列ピッチpは、p=11.7[mm]とな
っている。水ロッド305は、角型であり、燃料集合体
301の略中央部に1本が配置されている。このとき、
水ロッド305は、3行3列格子の9本の燃料棒304
を置き換えるように配置されている。チャンネルボック
ス311の内幅Wは、図1と同様、W=134.1[m
m]となっている。
【0100】燃料スペーサ308の軸心位置は燃料バン
ドル306の軸心位置に等しい。この燃料スペーサ30
8は、図1の燃料スペーサ8同様、バンド308aとタ
ブ308bとを備えている。このとき、図1同様、反制
御棒303側のタブ208b2の突出高さX2と、制御棒
303側のタブ308b1の突出高さX1との差が、X2
−X1=1[mm]となっている。
【0101】その他の構造は、上記実施形態の燃料集合
体1とほぼ同様である。
【0102】本変形例においても、上記実施形態で説明
した(1)偏心構造による局所出力ピーキング低減、
(2)偏心量設定による局所出力ピーキング低減の確
保、(3)熱的余裕の低下防止、(4)既存の燃料スペ
ーサ利用可能、(5)炉停止余裕確保作用、の各作用を
奏する。なお、これらのうち(3)に関し、従来の11
行11列正方格子状配列の燃料棒ピッチと本変形例の燃
料棒ピッチとの関係について、以下に詳述する。
【0103】まず、従来の10行10列正方格子状配列
の燃料集合体における燃料棒の本数は、上記実施形態に
おいて前述した"nuclear engineering INTERNATIONAL"
に記載のように、91本である。すなわち、燃料有効長
が通常の燃料棒(以下、全長燃料棒という)が83本と
部分長燃料棒が8本である。このとき、部分長燃料棒の
燃料有効長の長さは特に明記されていない。しかし、従
来の9行9列正方格子状配列(例えば上記「沸騰水型原
子力発電所 9×9燃料について」に記載)と同様に通
常燃料棒の約15/24とする。そうすると、これら9
1本の燃料棒は、全長燃料棒換算で、 83+8×(15/24)=88本 となる。
【0104】一方、既に提唱されている従来の11行1
1列正方格子状配列の燃料集合体で、本変形例のように
燃料棒本数が112本である場合を想定する。そして、
部分長燃料棒が占める割合を上記10行10列の場合と
同じとする。すると、部分長燃料棒の本数は、 112×(8/91) 10本 となる。すなわち、従来の11行11列配列の場合、全
長燃料棒が102本と部分長燃料棒が10本となる。部
分長燃料棒の燃料有効長を上記と同様に全長燃料棒の1
5/24とすると、全長燃料棒換算では、 102+10×(15/24)=108本 となる。
【0105】ここで、従来の11行11列配列の燃料集
合体において、燃料有効長の値は特に明示されていな
い。しかし、既存の沸騰水型原子炉の炉心高さは通常あ
る程度の範囲内に定まっている。したがって、燃料有効
長は、10行10列配列の場合とほぼ同じであると考え
られる。また、燃料インベントリについても、ほぼ同じ
であると考えられる。この燃料インベントリ同一という
条件は、燃料有効長同一の前提のもとでは、 (燃料棒ペレット直径)×(全長燃料棒換算本数)=
(一定) と表される。10行10列における燃料棒ペレット直径
は、上記"nuclear engineering INTERNATIONAL"に記載
のように、通常、8.67[mm]である。また全長燃
料棒換算本数は上記したように88本である。一方、1
1行11列における全長燃料棒換算本数は上記したよう
に108本である。したがって、11行11列における
燃料棒ペレット直径をDとすると、 8.67×88=D×108 これにより、D=7.83[mm]となる。
【0106】一方、燃料棒直径dと燃料棒ペレット直径
Dとの関係を考えてみる。9行9列正方格子状配列で
は、上記実施形態において前述した「沸騰水型原子力発
電所9×9燃料について」(平成10年2月、株式会社
日立製作所)に記載のように、 となる。10行10列正方格子状配列では、上記"nucle
ar engineering INTERNATIONAL"に記載のように、 となる。すなわち、n行n列のnの値に関係なくほぼ一
定値となる。したがって、11行11列の場合も0.8
6とすると、前述のように燃料ペレット直径D=7.8
3[mm]であることから、燃料棒直径dは、 となる。
【0107】また、上記で前述したように、燃料バン
ドルを取り囲むチャンネルボックスの内幅Wは、n行n
列のnの値に関係なくW 134[mm]である。
【0108】以上により、11行11列正方格子状配列
における燃料棒ピッチpを求めると、 となる。
【0109】このように、従来の11行11列配列の燃
料集合体での燃料棒ピッチは11.7[mm]となる。
しかしながら、本願発明者等は、製造誤差等を考慮し、
その範囲を11.45[mm]〜11.95[mm]と
することが適当であると判断した。本変形例において
は、燃料棒ピッチpは、p=11.7[mm]である。
すなわち、上記の範囲内である。したがって、熱的余裕
の低下を防止できる。
【0110】また、上記(2)に関し、この11行11
列の場合も、9行9列の上記実施形態と同様、このX2
−X1の値は、いくらでも大きくできるわけではなく、
実際には上限値がある。これについて、以下説明する。
前述したように11行11列の場合、通常、燃料棒直径
d 9.2[mm]である。また、熱的余裕を確保する
ためには、隣接燃料棒どうしの間隔は2.0[mm]程
度必要である。すると、燃料棒10本の両端の距離は、
9.2×11+2.0×(11−1) 121.2[m
m]となる。チャンネルボックスの内幅Wは、前述した
ようにW 134[mm]である。したがって、正方格
子状配列最外周の燃料棒とチャンネルボックス内周面と
の間に残された距離は、両側を合わせて134−12
1.2=12.8[mm]が最大値となる。そして、最
外周の燃料棒とチャンネルボックス内周面との間には、
通常2[mm]以上の間隙が必要とされる。したがっ
て、実際に、燃料バンドルを偏心させるために有効に利
用できるのは、12.8−2×2=8.8[mm]であ
る。本変形例においては、X2−X1=1[mm]であ
り、この範囲内となっていることはいうまでもない。
【0111】以上説明したように、本変形例によって
も、上記実施形態と同様、熱的余裕を小さくすることな
くC格子炉心に近い燃料経済性を達成できるという効果
を得る。また、既存の燃料スペーサをそのまま利用でき
るという効果も得る。
【0112】なお、図20に示すような、角型水ロッド
305Aがオフセット配置した構造にも適用できること
はいうまでもない。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、チャンネルファスナー
側と反チャンネルファスナー側との燃料棒の出力の差を
小さくし、炉心特性をC格子炉心に近づけることができ
る。したがって、C格子炉心に近い燃料経済性を達成す
ることができる。また、燃料バンドルごと偏心させるの
で、燃料棒ピッチは変化しない。これにより、従来のD
格子炉心用燃料集合体に比べて熱的余裕が小さくなるこ
とはない。また、既存の燃料スペーサをそのまま利用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による燃料集合体の詳
細構造を表す拡大水平断面図である。
【図2】図1に示した燃料集合体が配置される沸騰水型
原子炉の炉心の部分概略配置(1/4対称)を示す水平
横断面図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】図1に示した燃料集合体の詳細構造を示す縦断
面図である。
【図5】燃料集合体上部の上部格子板による支持構造を
示す上面図である。
【図6】下部タイプレートの詳細構造を示す上面図であ
る。
【図7】正方形形状の四辺のうちの一辺に係わるバンド
及びタブの詳細構造を示す側面図及びA−A断面による
断面図である。
【図8】偏心量を確保する原理を説明する図である。
【図9】図1の燃料集合体において偏心量を種々変化さ
せたときの局所出力ピーキングの変化を示す図である。
【図10】図1の燃料集合体において偏心量を種々変化
させたときの中性子無限増倍率の増加率の変化を示した
図である。
【図11】燃料棒ピッチと燃料集合体限界出力との関係
を検討した結果を示す図である。
【図12】燃料スペーサのタブを溶接で固定する変形例
の要部構造を示す図である。
【図13】チャンネルボックスにもタブを設ける変形例
による燃料スペーサの要部構造と、チャンネルボックス
の横断面構造を示す図である。
【図14】図13の構造に対し、さらに燃料スペーサに
も小さな突出高さのタブと大きな突出高さのタブを追加
配置した例を示す図である。
【図15】9行9列正方格子状配列中に1本の角型水ロ
ッドが配置された構造を示す図である。
【図16】角型水ロッドがオフセット配置された構造を
示す図である。
【図17】10×10配列に適用した変形例による燃料
集合体の水平横断面図である。
【図18】角型水ロッドがオフセット配置された構造を
示す図である。
【図19】11×11配列に適用した変形例による燃料
集合体の水平横断面図である。
【図20】角型水ロッドがオフセット配置された構造を
示す図である。
【符号の説明】
1 燃料集合体 1A〜D 燃料集合体 2 炉心 3 制御棒 4 燃料棒 5 水ロッド 6 燃料バンドル 8 燃料スペーサ 8a バンド 8b1,b2 タブ(偏心保持手段) 9 上部タイプレート 9a ガイドポスト 10 下部タイプレート 10b 燃料棒挿入孔(偏心保持手段) 10c 水ロッド挿入孔(偏心保持手段) 11 チャンネルボックス 11a1,a2 タブ(偏心保持手段) 14 チャンネルファスナー 14a 挿入孔(偏心保持手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21C 3/34 G21C 3/30 W 5/00 H 7/00 K 7/30 3/34 E (72)発明者 西田 浩二 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 青山 肇男 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 小山 淳一 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 配川 勝正 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 相澤 泰博 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】n行n列の正方格子状に配列された複数本
    の燃料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置
    された少なくとも1本の水ロッドと、これら燃料棒及び
    水ロッドからなる燃料バンドルの下端を支持する下部タ
    イプレートと、チャンネルファスナーを固定するために
    設けられるガイドポストとを備えた燃料集合体におい
    て、 n=9であり、 前記複数本の燃料棒のピッチは、14.15[mm]以
    上14.65[mm]以下であり、 かつ、前記燃料バンドルの軸心位置を、前記下部タイプ
    レートの軸心位置よりも前記チャンネルファスナー側に
    偏心させて保持する偏心保持手段を設けたことを特徴と
    する燃料集合体。
  2. 【請求項2】n行n列の正方格子状に配列された複数本
    の燃料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置
    された少なくとも1本の水ロッドと、これら燃料棒及び
    水ロッドからなる燃料バンドルの下端を支持する下部タ
    イプレートと、チャンネルファスナーを固定するために
    設けられるガイドポストとを備えた燃料集合体におい
    て、 n=9であり、 前記複数本の燃料棒のピッチは、14.15[mm]以
    上14.65[mm]以下であり、 かつ、前記燃料バンドルの軸心位置を、前記下部タイプ
    レートの軸心位置よりも前記チャンネルファスナー側に
    Yだけ偏心させて保持する偏心保持手段を設け、 Y≧2-3/2[mm] としたことを特徴とする燃料集合体。
  3. 【請求項3】請求項2記載の燃料集合体において、 7×2-1/2[mm]≧Y≧2-3/2[mm] としたことを特徴とする燃料集合体。
  4. 【請求項4】n行n列の正方格子状に配列された複数本
    の燃料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置
    された少なくとも1本の水ロッドと、これら燃料棒及び
    水ロッドからなる燃料バンドルの下端を支持する下部タ
    イプレートと、前記燃料バンドルの軸方向複数箇所を保
    持する燃料スペーサと、チャンネルファスナーを固定す
    るために設けられるガイドポストとを備えた燃料集合体
    において、 n=9であり、 前記複数本の燃料棒のピッチは、14.15[mm]以
    上14.65[mm]以下であり、 前記燃料スペーサは、その外周部に外側に突出して設け
    られ、前記燃料バンドルの軸心位置を前記下部タイプレ
    ートの軸心位置よりも前記チャンネルファスナー側に偏
    心させて保持するための複数のタブを備えており、か
    つ、 前記複数のタブのうち前記チャンネルファスナー側に位
    置するタブの先端と前記正方格子状配列の最外周に位置
    する燃料棒との距離L1、及び前記複数のタブのうち反
    チャンネルファスナー側に位置するタブの先端と前記正
    方格子状配列の最外周に位置する燃料棒との距離L2
    が、 L2−L1≧0.5[mm] となるように構成されていることを特徴とする燃料集合
    体。
  5. 【請求項5】請求項4記載の燃料集合体において、 7.0[mm]≧L2−L1≧0.5[mm] となるように構成されていることを特徴とする燃料集合
    体。
  6. 【請求項6】n行n列の正方格子状に配列された複数本
    の燃料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置
    された少なくとも1本の水ロッドと、これら燃料棒及び
    水ロッドからなる燃料バンドルを取り囲むチャンネルボ
    ックスと、チャンネルファスナーを固定するために設け
    られるガイドポストとを備えた燃料集合体において、 n=9であり、 前記複数本の燃料棒のピッチは、14.15[mm]以
    上14.65[mm]以下であり、 前記チャンネルボックスの内幅は、133.5[mm]
    以上134.5[mm]以下であり、 かつ、前記燃料バンドルの軸心位置を、前記チャンネル
    ボックスの軸心位置よりも前記チャンネルファスナー側
    に偏心させて保持する偏心保持手段を設けたことを特徴
    とする燃料集合体。
  7. 【請求項7】n行n列の正方格子状に配列された複数本
    の燃料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置
    された少なくとも1本の水ロッドと、これら燃料棒及び
    水ロッドからなる燃料バンドルの下端を支持する下部タ
    イプレートと、チャンネルファスナーを固定するために
    設けられるガイドポストとを備えた燃料集合体におい
    て、 n=10であり、 前記複数本の燃料棒のピッチは、12.65[mm]以
    上13.15[mm]以下であり、 かつ、前記燃料バンドルの軸心位置を、前記下部タイプ
    レートの軸心位置よりも前記チャンネルファスナー側に
    偏心させて保持する偏心保持手段を設けたことを特徴と
    する燃料集合体。
  8. 【請求項8】n行n列の正方格子状に配列された複数本
    の燃料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置
    された少なくとも1本の水ロッドと、これら燃料棒及び
    水ロッドからなる燃料バンドルの下端を支持する下部タ
    イプレートと、チャンネルファスナーを固定するために
    設けられるガイドポストとを備えた燃料集合体におい
    て、 n=10であり、 前記複数本の燃料棒のピッチは、12.65[mm]以
    上13.15[mm]以下であり、 かつ、前記燃料バンドルの軸心位置を、前記下部タイプ
    レートの軸心位置よりも前記チャンネルファスナー側に
    Yだけ偏心させて保持する偏心保持手段を設け、 Y≧2-3/2[mm] としたことを特徴とする燃料集合体。
  9. 【請求項9】請求項8記載の燃料集合体において、 7×2-1/2[mm]≧Y≧2-3/2[mm] としたことを特徴とする燃料集合体。
  10. 【請求項10】n行n列の正方格子状に配列された複数
    本の燃料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配
    置された少なくとも1本の水ロッドと、これら燃料棒及
    び水ロッドからなる燃料バンドルの下端を支持する下部
    タイプレートと、前記燃料バンドルの軸方向複数箇所を
    保持する燃料スペーサと、チャンネルファスナーを固定
    するために設けられるガイドポストとを備えた燃料集合
    体において、 n=10であり、 前記複数本の燃料棒のピッチは、12.65[mm]以
    上13.15[mm]以下であり、 前記燃料スペーサは、その外周部に外側に突出して設け
    られ、前記燃料バンドルの軸心位置を前記下部タイプレ
    ートの軸心位置よりも前記チャンネルファスナー側に偏
    心させて保持するための複数のタブを備えており、か
    つ、 前記複数のタブのうち前記チャンネルファスナー側に位
    置するタブの先端と前記正方格子状配列の最外周に位置
    する燃料棒との距離L1、及び前記複数のタブのうち反
    チャンネルファスナー側に位置するタブの先端と前記正
    方格子状配列の最外周に位置する燃料棒との距離L2
    が、 L2−L1≧0.5[mm] となるように構成されていることを特徴とする燃料集合
    体。
  11. 【請求項11】請求項10記載の燃料集合体において、 7.0[mm]≧L2−L1≧0.5[mm] となるように構成されていることを特徴とする燃料集合
    体。
  12. 【請求項12】n行n列の正方格子状に配列された複数
    本の燃料棒と、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配
    置された少なくとも1本の水ロッドと、これら燃料棒及
    び水ロッドからなる燃料バンドルを取り囲むチャンネル
    ボックスと、チャンネルファスナーを固定するために設
    けられるガイドポストを備えた燃料集合体において、 n=10であり、 前記複数本の燃料棒のピッチは、12.65[mm]以
    上13.15[mm]以下であり、 前記チャンネルボックスの内幅は、133.5[mm]
    以上134.5[mm]以下であり、 かつ、前記燃料バンドルの軸心位置を、前記チャンネル
    ボックスの軸心位置よりも前記チャンネルファスナー側
    に偏心させて保持する偏心保持手段を設けたことを特徴
    とする燃料集合体。
  13. 【請求項13】請求項1,2,6,7,8,12のうち
    いずれか1項記載の燃料集合体において、前記燃料バン
    ドルの軸方向少なくとも1箇所を保持する燃料スペーサ
    をさらに有し、かつ、前記偏心保持手段は、前記燃料ス
    ペーサの外周部に設けられたタブを含むことを特徴とす
    る燃料集合体。
  14. 【請求項14】請求項1,2,6,7,8,12のうち
    いずれか1項記載の燃料集合体において、前記偏心保持
    手段は、前記下部タイプレートに設けられ、前記燃料バ
    ンドルを構成する燃料棒及び水ロッドの下端部を挿入し
    て保持する挿入孔を含むことを特徴とする燃料集合体。
  15. 【請求項15】請求項6又は12記載の燃料集合体にお
    いて、前記偏心保持手段は、前記チャンネルボックスの
    内周部に設けられたタブを含むことを特徴とする燃料集
    合体。
  16. 【請求項16】請求項1,2,6,7,8,12のうち
    いずれか1項記載の燃料集合体において、前記偏心保持
    手段は、前記チャンネルファスナーに設けられ、前記ガ
    イドポストの上端部を挿入して保持する挿入孔を含むこ
    とを特徴とする燃料集合体。
  17. 【請求項17】9行9列の正方格子状に配列された複数
    本の燃料棒、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置
    された少なくとも1本の水ロッド、及びこれら燃料棒と
    水ロッドとからなる燃料バンドルを取り囲むチャンネル
    ボックスをそれぞれ備えた複数の燃料集合体と、前記燃
    料集合体の間に挿入される少なくとも1つの制御棒とを
    備え、前記複数の燃料集合体相互間の間隔を前記制御棒
    側のほうが反制御棒側よりも大きくなるようにした原子
    炉の炉心において、 前記複数の燃料集合体のうち少なくとも1つは、前記複
    数本の燃料棒のピッチが14.15[mm]以上14.
    65[mm]以下であり、前記チャンネルボックスの内
    幅が、133.5[mm]以上134.5[mm]以下
    であり、かつ、前記燃料バンドルの軸心位置を、前記チ
    ャンネルボックスの軸心位置よりも前記チャンネルファ
    スナー側に偏心させて保持する偏心保持手段を備えてい
    ることを特徴とする原子炉の炉心。
  18. 【請求項18】9行9列の正方格子状に配列された複数
    本の燃料棒、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に配置
    された少なくとも1本の水ロッド、及びこれら燃料棒と
    水ロッドとからなる燃料バンドルを取り囲むチャンネル
    ボックスをそれぞれ備えた複数の燃料集合体と、前記燃
    料集合体の間に挿入される少なくとも1つの制御棒とを
    備え、前記複数の燃料集合体相互間の間隔を前記制御棒
    側のほうが反制御棒側よりも大きくなるようにした原子
    炉の炉心において、 前記複数の燃料集合体のうち少なくとも1つは、前記複
    数本の燃料棒のピッチが14.15[mm]以上14.
    65[mm]以下であり、前記チャンネルボックスの内
    幅が、133.5[mm]以上134.5[mm]以下
    であり、かつ、前記チャンネルボックスの制御棒側に位
    置する内側面と前記正方格子状配列の最外周に位置する
    燃料棒との距離L1、及び前記チャンネルボックスの反
    制御棒側に位置する内側面と前記正方格子状配列の最外
    周に位置する燃料棒との距離L2が、L2−L1≧0.5
    [mm]の関係となるように、前記燃料バンドルの軸心
    位置を前記チャンネルボックスの軸心位置よりも前記制
    御棒側に偏心させて保持する偏心保持手段を備えている
    ことを特徴とする原子炉の炉心。
  19. 【請求項19】10行10列の正方格子状に配列された
    複数本の燃料棒、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に
    配置された少なくとも1本の水ロッド、及びこれら燃料
    棒と水ロッドとからなる燃料バンドルを取り囲むチャン
    ネルボックスをそれぞれ備えた複数の燃料集合体と、前
    記燃料集合体の間に挿入される少なくとも1つの制御棒
    とを備え、前記複数の燃料集合体相互間の間隔を前記制
    御棒側のほうが反制御棒側よりも大きくなるようにした
    原子炉の炉心において、 前記複数の燃料集合体のうち少なくとも1つは、前記複
    数本の燃料棒のピッチが12.65[mm]以上13.
    15[mm]以下であり、前記チャンネルボックスの内
    幅が、133.5[mm]以上134.5[mm]以下
    であり、かつ、前記燃料バンドルの軸心位置を、前記チ
    ャンネルボックスの軸心位置よりも前記チャンネルファ
    スナー側に偏心させて保持する偏心保持手段を備えてい
    ることを特徴とする原子炉の炉心。
  20. 【請求項20】10行10列の正方格子状に配列された
    複数本の燃料棒、該燃料棒が1本以上配列可能な領域に
    配置された少なくとも1本の水ロッド、及びこれら燃料
    棒と水ロッドとからなる燃料バンドルを取り囲むチャン
    ネルボックスをそれぞれ備えた複数の燃料集合体と、前
    記燃料集合体の間に挿入される少なくとも1つの制御棒
    とを備え、前記複数の燃料集合体相互間の間隔を前記制
    御棒側のほうが反制御棒側よりも大きくなるようにした
    原子炉の炉心において、 前記複数の燃料集合体のうち少なくとも1つは、前記複
    数本の燃料棒のピッチが12.65[mm]以上13.
    15[mm]以下であり、前記チャンネルボックスの内
    幅が、133.5[mm]以上134.5[mm]以下
    であり、かつ、前記チャンネルボックスの制御棒側に位
    置する内側面と前記正方格子状配列の最外周に位置する
    燃料棒との距離L1、及び前記チャンネルボックスの反
    制御棒側に位置する内側面と前記正方格子状配列の最外
    周に位置する燃料棒との距離L2が、L2−L1≧0.5
    [mm]の関係となるように、前記燃料バンドルの軸心
    位置を前記チャンネルボックスの軸心位置よりも前記制
    御棒側に偏心させて保持する偏心保持手段を備えている
    ことを特徴とする原子炉の炉心。
  21. 【請求項21】帯状の部材で正方形の四辺を形成するよ
    うにしたバンドと、このバンドの外周部に外側に突出し
    て設けられた複数のタブとを備え、n行n列の正方格子
    状に配列された複数本の燃料棒及び少なくとも1本の水
    ロッドからなる燃料バンドルを保持する燃料スペーサに
    おいて、 前記複数のタブのうち、前記正方形の対角線を境に一方
    側に位置するタブの突出高さと、前記対角線を境に他方
    側に位置するタブの突出高さの差が異なることを特徴と
    する燃料スペーサ。
  22. 【請求項22】横断面形状が正方形となる略四角筒形状
    を備え、n行n列の正方格子状に配列された複数本の燃
    料棒及び少なくとも1本の水ロッドからなる燃料バンド
    ルを覆うチャンネルボックスにおいて、 前記略四角筒形状の内周部に内側に突出して複数のタブ
    を設け、かつ、これら複数のタブのうち、前記正方形の
    対角線を境に一方側に位置するタブの突出高さと、前記
    対角線を境に他方側に位置するタブの突出高さの差が異
    なることを特徴とする燃料スペーサ。
JP36775798A 1998-12-24 1998-12-24 燃料集合体、原子炉の炉心及びチャンネルボックス Expired - Lifetime JP3977532B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36775798A JP3977532B2 (ja) 1998-12-24 1998-12-24 燃料集合体、原子炉の炉心及びチャンネルボックス
TW088121328A TW440876B (en) 1998-12-24 1999-12-06 Fuel assembly, reactor core, fuel spacer and channel box
US09/471,606 US6516043B1 (en) 1998-12-24 1999-12-23 Fuel assembly and reactor core and fuel spacer and channel box

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36775798A JP3977532B2 (ja) 1998-12-24 1998-12-24 燃料集合体、原子炉の炉心及びチャンネルボックス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000193774A true JP2000193774A (ja) 2000-07-14
JP3977532B2 JP3977532B2 (ja) 2007-09-19

Family

ID=18490123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36775798A Expired - Lifetime JP3977532B2 (ja) 1998-12-24 1998-12-24 燃料集合体、原子炉の炉心及びチャンネルボックス

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6516043B1 (ja)
JP (1) JP3977532B2 (ja)
TW (1) TW440876B (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004034407A1 (de) * 2002-10-01 2004-04-22 Framatome Anp Gmbh Brennelement eines siedewasserreaktors
JP2012093241A (ja) * 2010-10-27 2012-05-17 Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd 原子燃料集合体
JP2014163806A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Hitachi Ltd 燃料集合体
JP2015078897A (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 燃料集合体および炉心
JP2015219064A (ja) * 2014-05-15 2015-12-07 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 燃料集合体
JP2021012116A (ja) * 2019-07-08 2021-02-04 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 燃料集合体

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7463711B1 (en) 2004-05-25 2008-12-09 Areva Np Inc. Fuel channel fastener
US8953731B2 (en) 2004-12-03 2015-02-10 General Electric Company Method of producing isotopes in power nuclear reactors
US20060222140A1 (en) * 2005-04-04 2006-10-05 Westinghouse Electric Company Llc Eccentric support grid for nuclear fuel assembly
US7702060B2 (en) * 2006-10-20 2010-04-20 Global Nuclear Fuel - Americas, L.L.C. Expanded nuclear fuel channel
US8116423B2 (en) 2007-12-26 2012-02-14 Thorium Power, Inc. Nuclear reactor (alternatives), fuel assembly of seed-blanket subassemblies for nuclear reactor (alternatives), and fuel element for fuel assembly
CA2710432C (en) 2007-12-26 2016-04-26 Thorium Power, Inc. Nuclear reactor, fuel assembly consisting of driver-breeding modules for a nuclear reactor and a fuel cell for a fuel assembly
ES2827304T3 (es) 2008-12-25 2021-05-20 Thorium Power Inc Un conjunto combustible para un reactor nuclear de agua ligera
US10170207B2 (en) 2013-05-10 2019-01-01 Thorium Power, Inc. Fuel assembly
US10192644B2 (en) 2010-05-11 2019-01-29 Lightbridge Corporation Fuel assembly
WO2011143172A1 (en) 2010-05-11 2011-11-17 Thorium Power, Inc. Fuel assembly with metal fuel alloy kernel and method of manufacturing thereof
US9287012B2 (en) * 2010-07-25 2016-03-15 Global Nuclear Fuel—Americas, LLC Optimized fuel assembly channels and methods of creating the same
US9899107B2 (en) 2010-09-10 2018-02-20 Ge-Hitachi Nuclear Energy Americas Llc Rod assembly for nuclear reactors
SE536894C2 (sv) * 2013-04-18 2014-10-21 Westinghouse Electric Sweden Bränslekanal för en kärnkraftkokarvattenreaktor
US12094618B2 (en) 2019-01-18 2024-09-17 BWXT Advanced Technologies LLC Nuclear reactor fuel assemblies and process for production

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4767595A (en) * 1987-05-15 1988-08-30 General Electric Company Repositioned fuel assembly
JP2791132B2 (ja) 1989-09-20 1998-08-27 株式会社東芝 燃料集合体
JP2873132B2 (ja) * 1991-12-26 1999-03-24 株式会社日立製作所 燃料集合体
US5267291A (en) * 1992-02-21 1993-11-30 General Electric Company Spacer band with optimized fuel bundle to channel clearance in a boiling water reactor
US5555281A (en) * 1994-09-30 1996-09-10 Siemens Power Corporation Triangular lattice for LWR square fuel assemblies

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004034407A1 (de) * 2002-10-01 2004-04-22 Framatome Anp Gmbh Brennelement eines siedewasserreaktors
US7822166B2 (en) 2002-10-01 2010-10-26 Areva Np Gmbh Fuel assembly for a boiling water reactor
JP2012093241A (ja) * 2010-10-27 2012-05-17 Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd 原子燃料集合体
JP2014163806A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Hitachi Ltd 燃料集合体
JP2015078897A (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 燃料集合体および炉心
JP2015219064A (ja) * 2014-05-15 2015-12-07 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 燃料集合体
JP2021012116A (ja) * 2019-07-08 2021-02-04 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 燃料集合体

Also Published As

Publication number Publication date
TW440876B (en) 2001-06-16
US6516043B1 (en) 2003-02-04
JP3977532B2 (ja) 2007-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000193774A (ja) 燃料集合体、及び原子炉の炉心、並びに燃料スペーサ、及びチャンネルボックス
EP2267726B1 (en) Light water reactor core and fuel assembly
US20030215048A1 (en) Fuel assembly and associated grid for nuclear reactor
EP0563694B1 (en) Low pressure drop spacer for nuclear fuel assemblies
EP2088600A1 (en) Core of a boiling water reactor
JP2573399B2 (ja) 燃料集合体
US20090196391A1 (en) Core of a Boiling Water Reactor
US6434210B1 (en) Fuel assembly
JP4262943B2 (ja) 沸騰水型原子炉用燃料集合体及び原子炉
US5610959A (en) Hafnium doped replacement rod for nuclear fuel reconstitution
JP3485999B2 (ja) 沸騰水型原子炉用燃料集合体
JP3036129B2 (ja) 燃料集合体
EP0820066A1 (en) Fuel bundles and nuclear reactor using such fuel bundles
JP2019178896A (ja) 燃料集合体
JP2006184174A (ja) 沸騰水型原子炉の燃料集合体
JP3958545B2 (ja) 燃料集合体
JP3572048B2 (ja) 燃料集合体及び原子炉の炉心
JPS62150192A (ja) 燃料集合体
JP3990013B2 (ja) 燃料集合体及び原子炉炉心
JP2739515B2 (ja) 沸騰水型原子炉
JP3314382B2 (ja) 燃料集合体
JP2002189094A (ja) 沸騰水型原子炉用燃料集合体
JPH11109073A (ja) 沸騰水型原子炉用燃料集合体
JP2000111679A (ja) Mox燃料集合体
JP2003185774A (ja) 燃料集合体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060307

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070206

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070214

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070409

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070619

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070621

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110629

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110629

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130629

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term