以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜6には、本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、車両ボデー11に取り付けられる第一の取付板部材12と、パワーユニット13に取り付けられる第二の取付板部材14とを、一対の支持ゴム弾性体16,16によって弾性連結した構造を有している。なお、以下の説明において、特に説明がない限り、上下方向とは車両装着状態での鉛直上下方向となる図1中の上下方向を、左右方向とは車両装着状態での車両左右方向となる図1中の左右方向を、前後方向とは車両装着状態での車両前後方向となる図2中の上下方向を、それぞれ言う。
より詳細には、第一の取付板部材12は、左右方向に長手の略矩形板形状を有しており、鉄やアルミニウム合金などの金属で形成された高剛性の部材とされている。また、第一の取付板部材12は、固定板部18の左右両側に、一対の第一の傾斜板部20,20が一体形成された構造を有している。固定板部18は、平板形状で略水平に広がっており、中央部分には厚さ方向に貫通するボルト孔22が形成されていると共に、ボルト孔22の左右両側には厚さ方向に貫通する各二つの第一の締結孔24,24が形成されている。
第一の傾斜板部20は、固定板部18の左右両側にそれぞれ形成されており、左右外方に向かって上傾する傾斜平板形状とされている。なお、第一の傾斜板部20の傾斜角度(θ1 )は、特に限定されるものではなく、要求されるばね特性などに応じて0°<θ1 <90°の範囲で適宜に設定されるが、好適には、例えば、30°≦θ1 ≦60°とされる。
さらに、第一の取付板部材12には、ストッパ軸部材26が固定されている。ストッパ軸部材26は、図5に示すように、第一の取付板部材12のボルト孔22に挿通されたストッパボルト28にナット30が締結された構造を有しており、ストッパボルト28の頭部側が、第一の取付板部材12の固定板部18から上方に突出している。更に、ストッパボルト28は、略円筒形状のスペーサ32に挿通されていると共に、略角丸矩形板形状のストッパプレート34に形成された孔に挿通されており、ストッパボルト28の頭部と第一の取付板部材12の間で上下に挟み込まれて保持されている。
更にまた、ナット30には、キャップ36が取り付けられている。キャップ36は、合成樹脂で形成された略円筒形状の部材であって、ストッパボルト28の下端部とナット30とを覆うように外嵌されている。
第二の取付板部材14は、図1,5に示すように、固着部材38を備えている。固着部材38は、第一の取付板部材12と同様に、左右方向に長手の略矩形板形状を有する高剛性の部材とされており、第一の取付板部材12よりも左右方向で短くされている。また、固着部材38は、支持板部40の左右両側に、一対の第二の傾斜板部42,42が一体形成された構造を有している。支持板部40は、平板形状で略水平に広がっており、中央部分には、厚さ方向に貫通する挿通孔44が形成されている。
第二の傾斜板部42は、支持板部40の左右両側にそれぞれ形成されており、左右外方に向かって上傾する傾斜平板形状とされている。なお、第二の傾斜板部42の傾斜角度(θ2 )は、特に限定されるものではなく、要求されるばね特性などに応じて0°<θ2 <90°の範囲で適宜に設定されるが、好適には、例えば、30°≦θ2 ≦60°とされる。本実施形態では、第一の傾斜板部20の傾斜角度と第二の傾斜板部42の傾斜角度とが、互いに同じ(θ1 =θ2 )とされているが、それら第一,第二の傾斜板部42,42の傾斜角度は互いに異なっていても良い。
また、第二の取付板部材14は、締結部材46を備えている。締結部材46は、固着部材38とは別体形成された高剛性の部材であって、略水平方向に広がる中央連結板部48を備えている。この中央連結板部48の中央部分には、厚さ方向に貫通する挿通孔49が形成されている。なお、中央連結板部48の左右両端部は、固着部材38の第二の傾斜板部42と対応して、左右外方に向かって上傾する傾斜形状とされている。
さらに、中央連結板部48の左右両側には、一対の締結板部50,50が一体形成されて、パワーユニット13側である上方に向かって延び出している。この締結板部50は、立上部52と取付部54とを備えている。
立上部52は、上下および前後に広がる略平板形状とされており、中央連結板部48の左右端部から上方に向かって突出して設けられて、一対の立上部52,52が左右方向で所定の距離を隔てて対向配置されている。なお、立上部52の傾斜角度(θ3 )は、第二の傾斜板部42の傾斜角度(θ2 )よりも大きく(θ3 >θ2 )設定されており、本実施形態では、立上部52の傾斜角度が略90°とされている。
取付部54は、立上部52の上端から左右外方に向かって突出しており、略平板形状で左右外方に向かって次第に上傾している。また、取付部54には、それぞれ二つの第二の締結孔56,56が厚さ方向に貫通して形成されている。なお、取付部54の傾斜角度(θ4 )は、特に限定されるものではなく、パワーユニット13への取付角度などに応じて適宜に設定されるが、好適には、立上部52の傾斜角度(θ3 )よりも小さく(θ4 <θ3 )設定されて、例えば、30°≦θ4 ≦60°とされる。
そして、固着部材38の支持板部40に対して、締結部材46の中央連結板部48が上方から当接状態で重ね合わされて、溶接によって相互に固定されており、もって、第二の取付板部材14が形成されている。なお、傾斜形状とされた中央連結板部48の左右両端部は、固着部材38の第二の傾斜板部42,42に重ね合わされている。
ここにおいて、締結板部50,50は、第二の傾斜板部42,42から離隔しており、第二の傾斜板部42,42に対して、パワーユニット13側である上方に突出している。本実施形態では、立上部52の傾斜角度(θ3 )が、第二の傾斜板部42の傾斜角度(θ2 )よりも大きく(θ3 >θ2 )設定されていることから、中央連結板部48からの延出先端側に行くに従って、パワーユニット13側である上方に大きく離隔している。更に、本実施形態では、取付部54の傾斜角度(θ4 )も、第二の傾斜板部42の傾斜角度(θ2 )より大きく(θ4 >θ2 )設定されていることから、締結板部50,50は左右外方に行くに従って、第二の傾斜板部42,42から上方に大きく離隔している。
本実施形態では、固着部材38の第二の傾斜板部42と、締結部材46の立上部52の間に跨って、それぞれ補強部材58が配設されている。補強部材58は、上下左右に広がる板形状とされた高剛性の部材であって、図4に示すように、第二の傾斜板部42の上面に重ね合わされる下端部分が、屈曲して前方に延び出している。そして、補強部材58は、第二の傾斜板部42の上面に重ね合わされると共に、立上部52の左右外面に重ね合わされて、それぞれ溶接によって固定されている。これにより、立上部52,52が、補強部材58,58によって、第二の傾斜板部42,42に連結されて、立上部52,52の左右外方への倒れが、補強部材58,58によって防止されている。
そして、第一の取付板部材12と第二の取付板部材14が、上下に所定の距離を隔てて配置されており、それら第一の取付板部材12と第二の取付板部材14が、一対の支持ゴム弾性体16,16によって相互に弾性連結されている。なお、第一の取付板部材12に取り付けられたストッパ軸部材26は、第二の取付板部材14の挿通孔44,49に挿通されており、ストッパプレート34が固着部材38の中央連結板部48よりも上方に所定の距離を隔てて配置されている。
支持ゴム弾性体16は、上方に行くに従って次第に左右内方に傾斜する矩形ブロック状であって、下端が第一の取付板部材12の第一の傾斜板部20に加硫接着されていると共に、上端が第二の取付板部材14の第二の傾斜板部42に加硫接着されている。このように、支持ゴム弾性体16が、一対の第一の傾斜板部20,20と一対の第二の傾斜板部42,42の各対向面間に配されることにより、一対の支持ゴム弾性体16,16の上下方向の弾性主軸(A)が、パワーユニット13側となる上方に向かって、次第に左右内方に傾斜している。本実施形態では、一対の支持ゴム弾性体16,16が第一の取付板部材12と第二の取付板部材14とを備えた一体加硫成形品として形成されている。
さらに、第二の取付板部材14における支持板部40の内周端部と、中央連結板部48の内周端部には、緩衝ゴム60が固着されている。緩衝ゴム60は、略円筒形状とされており、支持板部40の挿通孔44と、中央連結板部48の挿通孔49との各内周面を覆うように固着されている。更に、緩衝ゴム60は、挿通孔44,49よりも上下外方まで突出しており、緩衝ゴム60の上端部分が、ストッパプレート34と、第二の取付板部材14の中央連結板部48の内周端部との、上下間に介在せしめられていると共に、下端部分が、第一の取付板部材12の固定板部18と、第二の取付板部材14の支持板部40との、上下間に介在せしめられている。なお、緩衝ゴム60は、固着部材38の下面に固着された連結ゴム層62によって、支持ゴム弾性体16,16と連結されて一体形成されている。
そして、ストッパ軸部材26のストッパボルト28およびスペーサ32が、挿通孔44,49の内周面に、緩衝ゴム60の中間部分を介して当接することにより、第一の取付板部材12と第二の取付板部材14の相対変位量を、前後および左右方向において制限する軸直ストッパ手段が構成される。本実施形態では、支持板部40の挿通孔44と、中央連結板部48の挿通孔49とが、互いに略同じ径寸法で形成されており、スペーサ32の外周面が、それら挿通孔44,49の両方の内周面に当接するようになっている。
さらに、第二の取付板部材14の支持板部40が、第一の取付板部材12の固定板部18に、緩衝ゴム60の下端部分を介して当接することにより、第一の取付板部材12と第二の取付板部材14の相対変位量を、上下接近方向において制限するバウンドストッパ手段が構成される。更にまた、第二の取付板部材14の中央連結板部48が、第一の取付板部材12に固定されたストッパ軸部材26のストッパプレート34に、緩衝ゴム60の上端部分を介して当接することにより、第一の取付板部材12と第二の取付板部材14の相対変位量を、上下離隔方向において制限するリバウンドストッパ手段が構成される。
かくの如き構造とされたエンジンマウント10は、図1に仮想的に示すように、第一の取付板部材12の固定板部18が、各第一の締結孔24に挿通される図示しない取付ボルトによって、車両ボデー11に取り付けられると共に、第二の取付板部材14の一対の取付部54,54が、各第二の締結孔56に挿通される図示しない取付ボルトによって、パワーユニット13に取り付けられるようになっている。これにより、エンジンマウント10が、車両ボデー11とパワーユニット13の間に装着されて、パワーユニット13が、車両ボデー11によって防振支持されるようになっている。なお、図1では、車両ボデー11とパワーユニット13が仮想的に図示されているが、エンジンマウント10は、パワーユニット13の分担支持荷重が入力されていない単体状態で示されており、分担支持荷重による支持ゴム弾性体16,16の変形や、第一の取付板部材12と第二の取付板部材14の接近変位は、図示されていない。
本実施形態では、エンジンマウント10の車両装着時に、ストッパボルト28とナット30を覆うキャップ36が、車両ボデー11に形成された凹所68に差し入れられることにより、第一の取付板部材12が車両ボデー11に対して容易に且つ精度良く位置決めされて、第一の締結孔24におけるボルト固定の作業を容易に行うことができるようになっている。このことからも明らかなように、第一の取付板部材12の固定板部18に固設されたストッパ軸部材26の下端部およびキャップ36によって、本実施形態の位置決め突部が構成されている。そして、位置決め突部が車両ボデー11の凹所68に挿入されることにより、第一の取付板部材12を車両ボデー11に対して位置決めする位置決め手段が、構成されるようになっている。要するに、本実施形態では、ストッパ手段を構成するストッパ軸部材26を用いて、位置決め手段が構成されている。なお、キャップ36の外周面は外方に向かって小径化するテーパ形状とされており、凹所68への差入れに際して、中心軸合せの案内作用が発揮されるようになっている。
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント10によれば、支持ゴム弾性体16,16が固着される固着部材38と、パワーユニット13に締結される締結部材46とが、相互に別体とされている。これにより、固着部材38における第二の傾斜板部42の傾斜角度(θ2 )の傾斜角度と、締結部材46における立上部52の傾斜角度(θ3 )および取付部54の傾斜角度(θ4 )とを、各別に設定して、締結部材46を第二の傾斜板部42から上方に離隔させることができる。それ故、パワーユニット13への締結位置の高さに係わらず、支持ゴム弾性体16,16の傾斜角度を大きな自由度で設定することが可能となって、上下方向と左右方向のばね定数を適宜に設定することができる。換言すれば、エンジンマウント10では、支持ゴム弾性体16,16の傾斜角度に係わらず、立上部52および取付部54の形状を大きな自由度で設定することが可能とされていることから、パワーユニット13への取付位置や取付構造に自在に対応することができる。
しかも、本実施形態では、締結板部50が立上部52と取付部54によって構成されており、立上部52の傾斜角度(θ3 )が取付部54の傾斜角度(θ4 )よりも大きく設定されている。これにより、パワーユニット13側の取付構造に応じて設定される取付部54の傾斜角度が小さい場合にも、立上部52の傾斜角度を大きく設定することで、パワーユニット13を所定の上下位置に支持することができる。加えて、立上部の傾斜角度(θ3 )が、第二の傾斜板部42の傾斜角度(θ2 )よりも大きく設定されていることから、パワーユニット13を所定の上下位置に支持しながら、一対の支持ゴム弾性体16,16の剪断ばね成分による左右方向での低ばね化を図ることができる。
また、固着部材38の一対の第二の傾斜板部42,42と、締結部材46の一対の締結板部50,50との間に、それぞれ補強部材58が配設されていることにより、一対の締結板部50,50が、補強部材58,58によって、左右方向の外方から支えられて補強されている。これにより、一対の締結板部50,50が、左右外方に倒れるように変形するのが防止されて、パワーユニット13が所定の位置に安定して支持される。
また、第二の取付板部材14における固着部材38と締結部材46が、別部材で形成されて、溶接などの手段で後固定されることから、締結部材46の構造を適宜に選択することで、支持ゴム弾性体16,16に固着される固着部材38を共通化しながら、パワーユニット13への取付位置や取付構造の違いに、容易に対応することができる。特に、パワーユニット13への取付部分を異ならせても、防振特性に影響する支持ゴム弾性体16,16とその固着部分が、共通化され得ることから、例えば複数車種において、大幅な設計変更を要することなく、所望の防振性能を発揮させることができる。
なお、上記のように、締結部材の変更によって、本発明に係るエンジンマウントを複数車種に適用する場合には、例えば、固着部材38の第二の傾斜板部42と、締結部材46の立上部52との相対的な傾斜角度を、一定に設定することで、それらエンジンマウントにおいて、補強部材58も共通化することができる。
また、一対の支持ゴム弾性体16,16は、第一の取付板部材12の第一の傾斜板部20と、第二の取付板部材14の第二の傾斜板部42とにそれぞれ固着されて、それら傾斜板部20,42の対向面間を、上方に行くに従って左右内方に傾斜して延びている。これにより、上下方向のばねと左右方向のばねが、何れも剪断ばね成分と圧縮ばね成分との複合によって得られて、前後方向のばねに対するばね比を、適切に設定し易くなる。しかも、左右方向のばねが圧縮ばね成分を持つことから、パワーユニット13の左右方向への変位が抑えられて、パワーユニット13の安定した支持や、走行安定性の向上などが図られる。
また、ストッパ手段によって、第一の取付板部材12と第二の取付板部材14の相対変位量が、制限されていることから、支持ゴム弾性体16,16の過大な変形が防止されて、耐久性の向上が図られる。しかも、支持板部40の挿通孔44と中央連結板部48の挿通孔49が略同じ内径で形成されており、ストッパ手段を構成する挿通孔44,49の周囲が、支持板部40と中央連結板部48を上下に重ね合わせて構成されている。それ故、ストッパ軸部材26が当接する挿通孔44,49の周囲の耐荷重性が、大きく確保されていると共に、挿通孔44,49の内周面の面積が大きく確保されて、応力集中による緩衝ゴム60の損傷が回避される。
さらに、ストッパ手段を構成するストッパ軸部材26が、第一の取付板部材12に固定されていることから、ストッパ軸部材26とキャップ36を、車両ボデー11の凹所68に差し入れることにより、第一の取付板部材12と車両ボデー11が、高精度に位置決めされる。
図7〜9には、本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウント70が示されている。エンジンマウント70は、第一の取付板部材12と第二の取付板部材72が、一対の支持ゴム弾性体16,16によって、弾性連結された構造を有しており、第二の取付板部材72を構成する締結部材74が、第一の実施形態のエンジンマウント10とは異なる構造とされている。なお、以下の説明において、第一の実施形態と実質的に同一の部材および部位については、図中に同一の符号を付すことにより説明を省略する。
より詳細には、締結部材74は、中央連結板部76の左右両側に、一対の締結板部78,78が一体形成された構造を有している。本実施形態の中央連結板部76は、第一の実施形態の中央連結板部48に比して、後方に大きく延び出している。
また、締結板部78は、基端部分を構成する立上部80と、先端部分を構成する取付部82とを、一体で備えている。立上部80は、上下および前後に広がる平板形状とされており、図9に示すように、下部84が中央連結板部76の側端部から前後全長に亘って延び出していると共に、上部86が下部84よりも前後方向で狭幅とされて、下部84の後部から上方に突出している。更に、立上部80の後部には、厚さ方向に貫通する貫通孔88が形成されており、一対の立上部80,80の各貫通孔88に補強ロッド90の両端部分が挿通されて、補強ロッド90が、溶接などの手段によって、一対の立上部80,80に固定されている。
取付部82は、立上部80の上端から延び出しており、上方に行くに従って次第に左右外方に傾斜する傾斜板形状とされている。本実施形態では、立上部80の上部86が第一の実施形態に比して、後方に位置していることから、立上部80の上部86から突出する取付部82も、第一の実施形態に比して後方に位置している。
このような構造とされたエンジンマウント70によれば、取付部82の位置が後方にずれていることから、パワーユニット13に対して、より後方で固定することができる。このように、締結板部の構造を適宜に変更することにより、パワーユニット13への締結位置の違いなどに、容易に対応することができる。
また、一対の立上部80,80が、後方に大きく突出した構造とされていることから、一対の立上部80,80の前部が、補強部材58によって補強されているのに加えて、後部が、補強ロッド90で相互に連結されて補強されている。これにより、一対の立上部80,80の左右外方への倒れがより有利に防止されて、パワーユニット13の安定した支持が実現される。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、補強部材58は必須ではなく、締結板部の剛性が充分に大きく確保される場合などには、省略することもできる。
また、締結板部は、必ずしも互いに傾斜角度の異なる立上げ部と取付部とを備えていなくても良く、例えば、全体が略一定の傾斜角度で傾斜して広がる平板形状とされた構造も、採用され得る。
また、第一,第二の傾斜板部と、立上部と、取付部は、何れも、全体が一定の角度で傾斜している必要はなく、傾斜角度が徐々に変化していても良いし、段階的に変化していても良い。
また、立上部の水平面からの傾斜角度(θ3 )は、90°には限定されず、例えば、立上部は、傾斜角度(θ3 )が90°よりも小さくされて、上方に行くに従って次第に左右外方に傾斜していても良い。
前記実施形態では、緩衝ゴム60が、連結ゴム層62を介して、支持ゴム弾性体16,16と一体形成されていたが、緩衝ゴムは、支持ゴム弾性体とは別体で形成されていても良く、その場合には、連結ゴム層を省略することもできる。更に、緩衝ゴムは、ストッパ軸部材と、それが当接する部材(前記実施形態では第二の取付板部材14)との間に配設されていれば、ストッパ軸部材側に固着されていても良い。
前記実施形態におけるストッパ手段の構造は、あくまでも例示であって、支持ゴム弾性体の変形量を制限し得るものであれば、その構造は特に限定されない。具体的には、例えば、第二の取付板部材側に固設されたストッパ軸部材が、第一の取付部材の固定板部に形成された挿通孔に挿通されて、ストッパ軸部材と第一の取付部材の当接によって、ストッパ手段が構成されるようにもできる。
また、前記実施形態では、ストッパ手段を構成するストッパ軸部材26と、それに取り付けられたキャップ36とを用いて、位置決め突部が構成されているが、位置決め突部はストッパ手段とは独立して別に設けられ得る。
本発明の適用範囲は、自動車用に限定されず、例えば、自動二輪車や鉄道用車両、産業用車両などのエンジンマウントにも好適に適用される。