JP2008240999A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両が発進又は停止する際の異音の発生を防止することができる防振装置を提供すること。
【解決手段】貫通孔22bの内周面形状を楕円形状に形成し、その楕円形状の長軸半径方向を車両前後方向に指向させる構成であるので、ストッパボルト40と貫通孔22bとの間における隙間を車両前後方向で十分に確保することができる。これにより、車両の発進又は停止に伴い、車両前後方向の大変位の振動が入力された場合でも、ストッパボルト40が貫通孔22bの内周面に衝突することを抑制して、打音(異音)の発生を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、防振装置に関し、特に、車両が発進又は停止する際の異音の発生を防止することができる防振装置に関するものである。
自動車のエンジンを車両フレームに対して防振支持する防振装置として、例えば、特許文献1に開示の防振装置がある。
この特許文献1に開示されるタイプの防振装置は、エンジン側に連結される上側連結部材と、車体フレーム側に連結され中央部に貫通孔を有する下側連結部材と、これら上側連結部材および下側連結部材の間を連結しゴム状弾性材から構成される一対の防振基体と、下側連結部材の貫通孔に配設されゴム状弾性材から構成されるストッパゴム部と、一端側が上側連結部材に固定されると共に他端側が下側連結部材の貫通孔に挿通される軸状部材とを備えて構成されている。
この防振装置によれば、エンジンからの大変位の振動が入力され、上側連結部材と下側連結部材とが相対移動された場合には、上側連結部材に一端が固定された軸状部材の他端が下側連結部材における貫通孔の内周面にストッパゴム部を介して受け止められ、その変位が規制されることで、大変位入力時のストッパ作用が得られる。
特開平9−4664号公報(図1、段落[0014]など)
しかしながら、上述した従来の防振装置では、大変位入力時における異音の発生を十分に抑制することができないという問題点があった。特に、車両が発進又は停止する際に発生する異音の防止が不十分であるという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、車両が発進又は停止する際の異音の発生を防止することができる防振装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の防振装置は、エンジン側に連結される上側連結部材と、車体フレーム側に連結され中央部に貫通孔が穿設される下側連結部材と、これら上側連結部材および下側連結部材の間を連結しゴム状弾性材から構成される一対の防振基体と、前記貫通孔の内周面及び周縁部に配設されゴム状弾性材から構成されるストッパゴム部と、前記上側連結部材に一端側が固定されると共に前記下側連結部材の貫通孔に他端側が挿通配置される軸状部材とを備えたものであり、前記貫通孔の内周面形状が楕円形状に形成されると共に、前記貫通孔は、前記楕円形状の長軸半径方向が車両前後方向を指向すると共に短軸半径方向が車両左右方向を指向する向きで配置され、前記ストッパゴム部は、前記軸状部材が挿通される内周面の形状と、前記貫通孔の周縁部であって前記上側連結部材に対向する側に配置される部位の外形形状とが前記貫通孔に対応する楕円形状に形成されている。
請求項2記載の防振装置は、請求項1記載の防振装置において、ゴム状弾性材から構成され前記下側連結部材に覆設されると共に前記一対の防振基体と前記ストッパゴム部とを連結する薄膜状の下側ゴム膜部を備えている。
請求項3記載の防振装置は、請求項2記載の防振装置において、ゴム状弾性材から構成され前記上側連結部材に覆設されると共に前記一対の防振基体を連結する薄膜状の上側ゴム膜部を備えている。
請求項4記載の防振装置は、請求項2又は3に記載の防振装置において、ゴム状弾性材から構成され前記下側ゴム膜部から突設される突条部を備え、前記突条部は、前記一対の防振基体と前記ストッパゴム部とを連結する突条として構成され、前記ストッパゴム部よりも突設高さが低くされている。
請求項1記載の防振装置によれば、下側連結部材には貫通孔が穿設され、その貫通孔には一端側が上側連結部材に固定された軸状部材の他端側が挿通されている。これにより、例えば、エンジンから車両前後方向の大変位の振動が入力され、上側連結部材と下側連結部材との間に大きな相対変位が生じると、軸状部材が、ストッパゴム部を介して、貫通孔の内周面に受け止められることで、その軸状部材の変位が規制され、ストッパ作用が発揮される。
この場合、本発明の防振装置によれば、貫通孔の内周面形状を楕円形状に形成し、その楕円形状の長軸半径方向を車両前後方向に指向させる構成であるので、軸状部材と貫通孔との間における隙間を車両前後方向で十分に確保することができる。これにより、車両の発進又は停止に伴い、車両前後方向の大変位の振動が入力された場合でも、軸状部材が貫通孔の内周面に衝突することを抑制して、打音(異音)の発生を抑制することができるという効果がある。
一方で、本発明によれば、貫通孔の内周面形状を楕円形状に形成し、その楕円形状の短軸半径方向を車両左右方向に指向させる、即ち、貫通孔の内周面全体を大径化するのではなく、車両左右方向については車両前後方向よりも小径とする構成であるので、エンジンの車両左右方向の変位は確実に規制して、車両の操縦安定性を高めることができるという効果がある。
その結果、操縦安定性を確保するために、防振基体の形状や硬度などを変更する必要がなく、車両上下方向や車両前後方向における防振基体のばね特性が犠牲となることを回避できるので、車両上下方向の振動を減衰させると共に、車両前後方向の剛性を適正に調整して、車両の乗り心地の向上を図ることを、異音の発生防止と併せて達成することができるという効果がある。
ここで、例えば、エンジンから車両上下方向の大変位の振動が入力され、上側連結部材と下側連結部材との間に大きな相対変位が生じると、上側連結部材が、ストッパゴム部を介して、下側連結部材に受け止められることで、その上側連結部材の変位が規制され、ストッパ作用が発揮される。
この場合、本発明の防振装置によれば、ストッパゴム部は、貫通孔の周縁部であって上側連結部材に対向する側に配置される部位の外形形状が貫通孔に対応する楕円形状に形成されているので、上側連結部材と下側連結部材との間で挟持されても、ストッパゴム部の一部が破損等することを抑制して、そのストッパゴム部の耐久性の向上を図ることができるという効果がある。その結果、車両上下方向の振動入力に対する緩衝作用を確実に発揮することができる。
即ち、本発明の防振装置によれば、ストッパゴム部の外形形状を楕円形状に形成すると共に、その楕円形状の長軸半径方向及び短軸半径方向をそれぞれ車両前後方向及び車両左右方向に指向させ、かつ、そのストッパゴム部の楕円形状を貫通孔の楕円形状と相似形とする構成であるので、貫通孔の周縁部において、下側連結金具とストッパゴム部とのラップ代(重なり代)を周方向で均一とすることができる。
その結果、上側及び下側連結部材の間でストッパゴム部が挟持されても、周方向の一部に変形が集中することを抑制して、破損等することや貫通孔から脱落することを抑制することができるので、ストッパゴム部の耐久性の向上を図ることができると共に、ストッパ作用(緩衝作用)を確実に発揮することができる。
また、本発明の防振装置によれば、軸状部材が挿通されるストッパゴム部の内周面の形状(楕円形状)についても、上述した外形形状の場合と同様に、楕円形状の長軸半径方向及び短軸半径方向をそれぞれ車両前後方向及び車両左右方向に指向させ、かつ、そのストッパゴム部の楕円形状を貫通孔の楕円形状と相似形とする構成である。
よって、軸状部材とストッパゴム部の内周面との間における隙間を車両前後方向で十分に確保することができる。これにより、車両の発進又は停止に伴い、車両前後方向の大変位の振動が入力された場合でも、軸状部材の変位がストッパゴム部によって阻害され、異音が発生し易くなることを抑制することができるという効果がある。
同時に、貫通孔の内周面に配設されるストッパゴム部の肉厚を周方向で均一とすることができるので、軸状部材と貫通孔の内周面との間でストッパゴム部が挟持されても、周方向の一部が早期に破損等することを抑制することができる。
これにより、ストッパゴム部の耐久性の向上を図ることができるので、軸状部材が貫通孔の内周面に直接に当接される(即ち、ストッパゴム部を介さずに当接される)ことを抑制することでき、その結果、ストッパ作用(緩衝作用)を確実に発揮することができると共に、異音の発生をより確実に抑制することができるという効果がある。
請求項2記載の防振装置によれば、請求項1記載の防振装置の奏する効果に加え、ゴム状弾性材から薄膜状に構成され下側連結部材に覆設される下側ゴム膜部を備え、その下側ゴム膜部によって防振基体とストッパゴム部とが連結される構成であるので、防振基体と下側連結部材との間の剥離、及び、ストッパゴム部と下側連結部材との間の剥離を抑制して、その耐久性の向上を図ることができるという効果がある。
請求項3記載の防振装置によれば、請求項2記載の防振装置の奏する効果に加え、ゴム状弾性材から薄膜状に構成され上側連結部材に覆設される上側ゴム膜部を備え、その上側ゴム膜部によって一対の防振基体が連結される構成であるので、防振基体と上側連結部材との間の剥離を抑制して、その耐久性の向上を図ることができるという効果がある。
請求項4記載の防振装置によれば、請求項2又は3に記載の防振装置の奏する効果に加え、ゴム状弾性材から構成され下側ゴム膜部から突設される突条部を備え、その突条部によって防振基体とストッパゴム部とが連結される構成であるので、防振基体と下側連結部材との間の剥離、及び、ストッパゴム部と下側連結部材との間の剥離を、下側ゴム膜部のみが設けられている構成と比較して、より確実に抑制して、その耐久性のより一層の向上を図ることができるという効果がある。
また、突条部の突設高さをストッパゴム部の突設高さよりも低くして段差を設ける構成であるので、車両上下方向の大変位の振動入力に伴って、上側連結部材の変位を下側連結部材により受け止める際には、上記段差の効果により緩衝作用を効果的に発揮して、衝突の際の衝撃を緩やかとすることができるので、その分、異音の発生を抑制することができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態における防振装置100の部分断面図である。また、図2は、防振装置100の側面図であり、図3は、防振装置100の底面図である。
なお、図2及び図3は、図1の矢印II方向視及び矢印III方向視にそれぞれ対応する。また、各図中の矢印U−D、矢印L−R及び矢印F−Bは、車体11の上下方向、左右方向および前後方向をそれぞれ示している。
防振装置100は、FR(フロントエンジン・リアドライブ)型自動車のエンジンを3点支持(フロント2点及びリア1点で支持)するエンジンマウントの内のリアマウント(トランスミッションTMと車体フレームBFとの間に介装されるリア側のマウント)として構成されるものであり、図1及び図2に示すように、上側連結金具10と、下側連結金具20と、防振基体30と、ストッパボルト40とを主に備えて構成されている。
上側連結金具10は、図1に示すように、エンジン側(トランスミッションTM)にボルト等の締結手段(図示せず)を介して連結される部位であり、鉄鋼材料からなる2枚の長尺状の板材を折り曲げ形成すると共にそれらを溶接固定することで、上方(図1上側)へ向けて拡開する左右の取付板部11と、それら左右の取付板部11の間に位置する上面板部12、左右の側面板部13及び底面板部14とを備えて構成されている。
左右の取付板部11には、図1及び図2に示すように、挿通孔11aがそれぞれ2箇所ずつに穿設されている。この挿通孔11aに挿通されたボルト等の締結手段がエンジン側部材(トランスミッションTM)に螺合されることで、上側連結金具10がトランスミッションTMに締結固定される。
各面板部12〜14は、図1に示すように、これらが接続された形状が正面視逆台形状となるように構成されている。即ち、上面板部12と底面板部14とは互いに平行に配置されると共に、上面板部12の幅寸法(図1左右方向寸法)が底面板部14の幅寸法よりも長くされている。その結果、左右の側面板部13は、上方(図1上側)へ向けて拡開されている。
また、上面板部11及び底面板部14には、その幅方向(図1左右方向)及び奥行き方向(図2左右方向)の中央に締結孔12a,14aがそれぞれ穿設されている。締結孔12a,14aは、後述するストッパボルト40が締結固定される部位であり、この締結孔12a,14aの内周面には、ストッパボルト40の外周面に刻設されるおねじと螺合可能なめねじが刻設されている。
下側連結金具20は、図1に示すように、車体フレームBFにボルト等の締結手段(図示せず)を介して連結される部位であり、鉄鋼材料からなる長尺状の板材を折り曲げ形成することで、上方(図1上側)へ向けて拡開する左右の連結板部21と、それら左右の連結板部21の間に位置する座面板部22とを備えて構成されている。
なお、下側連結金具20を構成する長尺状の板材は、上側連結金具10を構成する打擲状の板材と同じ材質から構成されると共に、これら両板材は、図2に示すように、奥行き方向(図2左右方向)寸法が互いに同じ寸法値に設定されている。
左右の連結板部21は、図1及び図2に示すように、上述した上側連結金具10の側面板部13と対向して配置されており、後述する防振基体3を介して、上側連結金具10の側面板部13に連結されている。
座面板部22には、図1及び図3に示すように、挿通孔22aが4箇所に穿設されている。この挿通孔22aに挿通されたボルト等の締結手段が車体フレームBFに螺合されることで、下側連結金具20が車体フレームBFに締結固定される。
また、座面板部22には、図1及び図3に示すように、その幅方向(図1左右方向)及び奥行き方向(図2左右方向)の中央に貫通孔22bが穿設されている。この貫通孔22bは、後述するストッパボルト40との相互作用により、大変位入力時のストッパ作用を発揮するための部位であり、その内周面形状が正面視楕円形状に構成されている。なお、貫通孔22bの詳細構成については後述する。
防振基体30は、図1及び図2に示すように、ゴム状弾性材から断面矩形状の直方体ブロック形状に形成され、上側連結金具10の側面板部12と下側連結金具20の連結板部21との間に所定角度傾斜した状態で配設(加硫接着)されている。
防振基体30の内側面側上端部には、図1に示すように、底面板部14の底面側(図1下側面)を覆う上側ゴム膜部31が連なっている。上側ゴム膜部31は、底面板部14における締結孔14aの周囲の所定範囲を除いて設けられると共に、左右の防振基体30を互いに連結するように構成されている。
また、防振基体30の内周面側下端部には、図1に示すように、座面板部22の上面側(図1上側面)を覆う下側ゴム膜部32が連なっている。下側ゴム膜部32は、座面板部22における挿通孔22aの周囲の所定範囲を除いて設けられ、左右の防振基体30を互いに連結すると共に、ストッパゴム部33と、突条部34とを備えて構成されている。
ストッパゴム部33は、大変位入力時にストッパボルト40又は底面板部14と座面板部22との間に挟持されてストッパ作用(緩衝作用)を発揮するための部位であり、貫通孔22bの内周部及び周縁部に配設され、座面板部22の上面側及び下面側(図1上側面及び下側面)に突設されると共に、正面視楕円形状の円環状に構成されている。なお、ストッパゴム部33の詳細構成については後述する。
突条部34は、ストッパ作用時の緩衝機能の向上と防振基体30の耐久性の向上とを図るための部位であり、図1に示すように、下側ゴム膜部32から突設される突条として構成されている。ここで、図4を参照して、突条部34の詳細構成について説明する。
図4は、図1のIV−IV線における防振装置100の断面図である。突条部34は、図4に示すように、座面板部22の奥行き方向(図4左右方向)中央において断面円弧状に突出して形成されると共に、下側連結金具20の幅方向(図4紙面垂直方向)に沿って延設され、防振基体30の内側面下端部とストッパゴム部33とを連結する突条として構成されている(図1参照)。
このように、本実施の形態における防振装置100によれば、突条部34によって防振基体30の内側面下端部とストッパゴム部33とが連結される構成であるので、防振基体33と下側連結金具20(連結板部21及び座面板部22)との間の剥離、及び、ストッパゴム部33と下側連結金具20(座面板部22)との間の剥離を、下側ゴム膜部32のみが設けられる構成と比較して、より確実に抑制して、その耐久性のより一層の向上を図ることができる。
ここで、突条部34は、図4に示すように、ストッパゴム部33よりも突設高さ(図4上下方向寸法)が低くされている。これにより、車両上下方向(矢印U−D方向)の大変位の振動入力に伴って、上側連結金具10(底面板部14)の変位を下側連結金具20(座面板部22)により受け止める際には、ストッパゴム部33と突条部34との突設高さの段差の効果により、緩衝作用を効果的に発揮して、衝突の際の衝撃を緩やかとすることができるので、その分、異音の発生を抑制することができる。
図1から図3に戻って説明する。ストッパボルト40は、座面板部22の貫通孔22bとの相互作用により、大変位入力時のストッパ作用を発揮するための部位であり、図1に示すように、金属材料から断面円形の軸状体として構成されると共に、締結孔12a,14aのめねじと螺合可能なおねじが外周面に刻設されている。
これにより、ストッパボルト40は、図1に示すように、その外周面のおねじを締結孔12a,14aのめねじに螺合させることで、一端側(図1上側)が上側連結金具10に締結固定されると共に、他端側(図1下側)が下側連結金具20の貫通孔に挿通配置される。なお、ストッパボルト40の先端部(図1上側部)には拡径加工による回り止めが施されている。
また、ストッパボルト40の他端側(図1下側)には、図1から図3に示すように、径方向外方へフランジ状に張り出すフランジ部41が設けられている。フランジ部41は、車両上方向(矢印U方向)への大変位入力時において、座面板部22(ストッパゴム部33)との間の相互作用により、ストッパ作用を発揮するための部位であり、図3に示すように、正面視円形に構成されている。
なお、図1に示す状態は、製品状態を示しており、この状態では、座面板部22とストッパボルト40のフランジ部41との間でストッパゴム部33が圧縮変形されている。一方、防振装置100が車両に搭載されトランスミッションTRを支持する状態(1W負荷時)では、ストッパゴム部33の上端面及び下端面と底面金具14及びフランジ部41との間に所定の隙間(クリアランス)が形成される。
次いで、図5を参照して、貫通孔22b及びストッパゴム部33の詳細構成について説明する。図5は、図1のV−V線における防振装置100の断面図である。
貫通孔22bは、上述したように、正面視楕円形状に形成されている。詳細には、図5に示すように、貫通孔22bの内周面形状が正面視楕円形状に形成されると共に、この楕円形状の長軸半径方向が車両前後方向(矢印F−B方向)を指向すると共に短軸半径方向が車両左右方向(矢印L−R方向)を指向する。
また、ストッパゴム部33は、図5に示すように、ストッパボルト40が挿通される内周面33aの形状と、貫通孔22bの周縁部であって上側連結金具10(底面板部14、図1参照)に対向する側に配置される上端面33bの形状とが貫通孔22bに対応する楕円形状に形成されている。
即ち、ストッパゴム部33は、図5に示すように、内周面33a及び上端面33bを正面視楕円形状に形成すると共に、その楕円形状の長軸半径方向及び短軸半径方向をそれぞれ車両前後方向(矢印F−B方向)及び車両左右方向(矢印L−R方向)に指向させ、かつ、それら内周面33a及び上端面33bの楕円形状を貫通孔22bの楕円形状と相似形の楕円形状とする構成である。
これにより、図5に示すように、ストッパボルト40と貫通孔22bとの間における車両前後方向(矢印F−B方向)の隙間tF,tBを十分に確保することができるので、車両の発進又は停止に伴い、車両前後方向の大変位の振動が入力された場合でも、ストッパボルト40が貫通孔22bの内周面に衝突することを抑制して、打音(異音)の発生を抑制することができる。
なお、上端面33bは、座面板部22と平行な面として構成されている。また、上端面33bの短軸半径(図5左右方向寸法)は、上側連結金具10の底面板部14における下側平坦面(図1下側面)の幅寸法(図1左右方向寸法)と同じ長さに設定されている。
一方で、本実施の形態における防振装置100によれば、図5に示すように、貫通孔22bの内周面を正面視楕円形状に形成し、その楕円形状の短軸半径方向を車両左右方向(矢印L−R方向)に指向させる、即ち、貫通孔22bの内周面全体を大径化するのではなく、車両左右方向については車両前後方向(矢印F−B方向)よりも小径とする構成であるので(tF,tB<tL,tR)、エンジンの車両左右方向の変位を確実に規制して、車両の操縦安定性を高めることができる。
その結果、車両の操縦安定性を確保するために、防振基体30の形状や硬度などを変更する必要がなく、車両上下方向(矢印U−D方向)や車両前後方向(矢印F−B方向)における防振基体30のばね特性が犠牲となることを回避できるので、車両上下方向の振動を減衰させると共に、車両前後方向の剛性を適正に調整して、車両の乗り心地の向上を図ることを、異音の発生防止と併せて達成することができる。
また、ストッパゴム部33は、上述したように、上端面33bの形状が貫通孔22bに対応する楕円形状に形成されているので、貫通孔22bの周縁部において、図5に示すように、座面板部22とストッパゴム部33(上端面33b)とのラップ代(重なり代)を周方向で均一とすることができる。
その結果、車両上下方向(矢印U−D方向)の大変位入力に伴い、底面板部14(図1参照)と座面板部22との間でストッパゴム部33が挟持されても、そのストッパゴム部33の周方向の一部に変形が集中することを抑制することができる。これにより、ストッパゴム部33が破損等することや貫通孔22bから脱落することを抑制することができるので、その耐久性の向上を図ることができると共に、ストッパ作用(緩衝作用)を確実に発揮させることができる。
更に、本実施の形態における防振装置100によれば、ストッパゴム部33の内周面33aの形状(楕円形状)についても、上端面33bの場合と同様に、貫通孔22bの楕円形状と相似形とする構成であるので、ストッパゴム部33(内周面33a)とストッパボルト40との間の車両前後方向(矢印F−B方向)における隙間を十分に確保することができる。
これにより、車両の発進又は停止に伴い、車両前後方向の大変位の振動が入力された場合でも、ストッパボルト40の変位がストッパゴム部33の内周面33aによって阻害され、異音が発生し易くなることを抑制することができる。
同時に、貫通孔22bの内周面に配設される(内周面を覆う)ストッパゴム部33の肉厚(例えば、図1左右方向寸法)を周方向で均一とすることができるので、ストッパボルト40と貫通孔22bの内周面との間でストッパゴム部33が挟持されても、周方向の一部(即ち、上述した肉厚が薄肉となっている部分)が早期に破損等することを抑制することができる。
これにより、ストッパゴム部33の耐久性の向上を図ることができるので、ストッパボルト40が貫通孔22bの内周面に直接に当接される(即ち、ストッパゴム部33を介さずに当接される)ことを抑制することでき、その結果、ストッパ作用(緩衝作用)を確実に発揮させることができると共に、異音の発生をより確実に抑制することができる。
なお、ストッパゴム部33の内周面33aは、ストッパボルト40の外周面に沿って(即ち、車両上下方向に沿って)直線状に形成されている(図1参照)。一方、ストッパゴム部33の外周面は、座面板部22に向けて末広がりとなりつつ下側ゴム膜部32に滑らかに接続されている。
また、ストッパゴム部33の下端面(即ち、ストッパボルト40のフランジ部41と座面板部22との間で挟持される側)は、上述した上端面と同様に構成される部位であるため、その詳細な説明については省略する。なお、フランジ部41の直径は、ストッパゴム部33の下端面(上端面33b)の長軸半径よりも大径とされている。これにより、ストッパゴム部33の耐久性の向上を図ることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施の形態で挙げた数値(例えば、各構成の数量や寸法・角度など)は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記実施の形態では、貫通孔22b及び内周面33aを正面視楕円形状とする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の形状とすることは当然可能である。即ち、車両前後方向(矢印F−B方向)の隙間tF,tBを、車両左右方向(矢印R−L方向)の隙間tR,tLと比較して、大きくすることができれば足りる趣旨である。よって、他の形状としては、例えば、長円形状や長方形などが例示される。
上記実施の形態では、突条部34が下側ゴム膜部32のみに設けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これに加えて又は代えて上側ゴム膜部31に突条部34を設けることは当然可能である。また、突条部34の配設本数は、1本に限られるものではなく、奥行き方向(図2左右方向)に間隔を隔てつつ複数本を配設することは当然可能である。
本発明の一実施の形態における防振装置の部分断面図である。 防振装置の側面図である。 防振装置の底面図である。 図1のIV−IV線における防振装置の断面図である。 図1のV−V線における防振装置の断面図である。
符号の説明
100 防振装置
10 上側連結金具(上側連結部材)
20 下側連結金具(下側連結部材)
22b 貫通孔
30 防振基体
31 上側ゴム膜部
32 下側ゴム膜部
33 ストッパゴム部
33a 内周面
33b 上端面
34 突条部
40 ストッパボルト(軸状部材)
TM トランスミッション(エンジン側の一部)
BF 車体フレーム
F−B 車両前後方向
L−R 車両左右方向

Claims (4)

  1. エンジン側に連結される上側連結部材と、車体フレーム側に連結され中央部に貫通孔が穿設される下側連結部材と、これら上側連結部材および下側連結部材の間を連結しゴム状弾性材から構成される一対の防振基体と、前記貫通孔の内周面及び周縁部に配設されゴム状弾性材から構成されるストッパゴム部と、前記上側連結部材に一端側が固定されると共に前記下側連結部材の貫通孔に他端側が挿通配置される軸状部材とを備えた防振装置において、
    前記貫通孔の内周面形状が楕円形状に形成されると共に、前記貫通孔は、前記楕円形状の長軸半径方向が車両前後方向を指向すると共に短軸半径方向が車両左右方向を指向する向きで配置され、
    前記ストッパゴム部は、前記軸状部材が挿通される内周面の形状と、前記貫通孔の周縁部であって前記上側連結部材に対向する側に配置される部位の外形形状とが前記貫通孔に対応する楕円形状に形成されていることを特徴とする防振装置。
  2. ゴム状弾性材から構成され前記下側連結部材に覆設されると共に前記一対の防振基体と前記ストッパゴム部とを連結する薄膜状の下側ゴム膜部を備えていることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  3. ゴム状弾性材から構成され前記上側連結部材に覆設されると共に前記一対の防振基体を連結する薄膜状の上側ゴム膜部を備えていることを特徴とする請求項2記載の防振装置。
  4. ゴム状弾性材から構成され前記下側ゴム膜部から突設される突条部を備え、
    前記突条部は、前記一対の防振基体と前記ストッパゴム部とを連結する突条として構成され、前記ストッパゴム部よりも突設高さが低くされていることを特徴とする請求項2又は3に記載の防振装置。
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