JP2005240926A - エンジンマウント - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン側と車体側部材間の狭い取付スペース内にリバウンドストッパも含めて配設可能であると共に、エンジン側等への取り付けが簡易に行われるエンジンマウントを提供する。
【解決手段】エンジンマウント10は、中央部に取付孔15を有する長尺板状の上板金具11と、上板金具の下方に所定距離を隔てて対向配置され、長手方向の中間部分が両側部分に対して上板金具側に向けて突出した中間突出部23となっており、中間突出部の中央に挿通孔26を有する下板金具21とを備えている。一対の支持ゴム弾性体17が、上及び下板金具の長手方向の両側部分にて、両金具間を弾性的に連結している。取付支持具36が、ねじ部38側から挿通孔26及び取付孔15に順次挿通されることにより、基部37の段差部37aが上板金具に当接すると共にねじ部の先端側が取付孔15から外方に突出し、頭部39が中間突出部23内に収容される。
【選択図】図1
【解決手段】エンジンマウント10は、中央部に取付孔15を有する長尺板状の上板金具11と、上板金具の下方に所定距離を隔てて対向配置され、長手方向の中間部分が両側部分に対して上板金具側に向けて突出した中間突出部23となっており、中間突出部の中央に挿通孔26を有する下板金具21とを備えている。一対の支持ゴム弾性体17が、上及び下板金具の長手方向の両側部分にて、両金具間を弾性的に連結している。取付支持具36が、ねじ部38側から挿通孔26及び取付孔15に順次挿通されることにより、基部37の段差部37aが上板金具に当接すると共にねじ部の先端側が取付孔15から外方に突出し、頭部39が中間突出部23内に収容される。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両のエンジン側を車体側に対して防振支持させるエンジンマウントに関する。
この種のエンジンマウントは、例えば車両のリア側で縦置きされて、車体側部材上に配置されたエンジン及びトランスミッション等の一体化されたエンジンアセンブリを防振支持するために用いられており、車両の急発進、急ブレーキ時等において加わる過大なリバウンド入力を抑える為のリバウンドストッパが設けられる。従来のエンジンマウントとしては、例えば特許文献1に示すように(図4参照)、エンジンアセンブリ1に取り付けられる上側連結部材2と、車体側のメンバ3に連結される下側連結部材4と、上下両連結部材間に設けられるゴム弾性体からなるインシュレータ5と、上側連結部材2に取り付けられてその下端部に設けたフランジ部7が下側連結部材4に設けたストッパゴム8と係合するようにされたリバウンドストッパ6を備えたものが知られている。
しかし、このエンジンマウントは、上側連結部材とエンジンアセンブリの間にリバウンドストッパ取り付けのための隙間が必要であり、上側連結部材とエンジンアセンブリの間に大きなスペースが必要になる。また、上側連結部材のエンジンアセンブリ側への固定は、リバウンドストッパの上側連結部材への固定とは別部材で行わなければならず、部材コスト及び取付のためのコストが高価になる。さらに、リバウンドストッパが下側連結部材の平坦部分の下方に突出するため、下側連結部材が取り付けられる車体側メンバの下方に突出することになる。そのため、リバウンドストッパが車体側メンバの下方に設けた部材と干渉しないために、下方に余分なスペースが必要になる。
特開平10−281225号公報
また、他のエンジンマウントとしては、特許文献2に示すように、上側板材と下側板材と上下側板材間を連結する弾性材とを有し、マフラが位置する側にストッパブラケットが上側板材と下側板材と弾性材との側方を被ってマフラに対して遮熱板となるように設けられたものが知られている。このストッパブラケットは上側板材と共に取付ボルトによって変速機側に固定されるようになっている。しかし、上側板材は、その他の3ヶ所でも変速機側に取り付けられるものであり、ストッパブラケットの固定のみで変速機側に取り付けられるものではない。また、このストッパブラケットは、エンジンマウントの側方に延びているため、エンジンマウントの占有スペースが大きくなるという問題もある。
特開平8−192642号公報
本発明は、上記した問題を解決しようとするもので、エンジン側と車体側部材間の限られた狭い取付スペース内にリバウンドストッパも含めて配設可能であると共に、エンジン側等への取り付けが簡易に行われるエンジンマウントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、中央部に取付孔を有する長尺板状の第1取付金具と、第1取付金具に対して所定距離を隔てて対向配置された長尺板状の金具であって、長手方向の中間部分が両側部分に対して第1取付金具側に向けて突出した中間突出部となっており、中間突出部の第1取付金具に対向する平坦部の中央に挿通孔を有する第2取付金具と、第1及び第2取付金具の長手方向の両側部分の対向面間に配設され、第1及び第2取付金具間を弾性的に連結する一対の支持ゴム弾性体と、一端側にねじ部を有する棒状体の他端側に挿通孔を覆う外形を有する平板状の頭部を設けており、ねじ部側から挿通孔及び取付孔に順次挿通されることにより第1取付金具に係合すると共に、ねじ部の先端側が取付孔から外方に突出し、頭部が中間突出部内に収容される取付支持具とを備え、第1取付金具がエンジン側及び車体側部材のいずれか一方に重ね合されると共に、第1取付金具に係合した取付支持具によって押し付けられた状態で、取付孔から突出したねじ部をエンジン側及び車体側部材の一方に固定することにより第1取付金具がエンジン側及び車体側部材の一方に強固に取り付けられ、第2取付金具がエンジン側及び車体側部材の他方に取り付けられ、取付支持具の頭部と中間突出部とにより、頭部と中間突出部との対向面が互いに接近する方向の変位を規制するリバウンドストッパが構成されることにある。
上記のように構成した発明においては、中央部に取付孔を有する長尺板状の第1取付金具がエンジン側及び車体側部材のいずれか一方に重ね合わされた状態で、第2取付金具側から取付支持具のねじ部が中間突出部の挿通孔及び第1取付金具の取付孔に順次挿通され、取付支持具が第1取付金具に係合して第1取付金具をエンジン側及び車体側部材の一方に押し付けると共に、取付孔から外方に突出したねじ部の先端側がエンジン側及び車体側部材の一方に固定される。これにより、第1取付金具がエンジン側及び車体側部材の一方に強固に取り付けられると共に、取付支持具の平板状の頭部が中央突出部内に収容される。さらに、第2取付金具をエンジン側及び車体側部材の他方に固定することにより、エンジンマウントは上下方向の荷重を受けて第1及び第2取付金具間の距離が狭められて、第2取付金具の中間突出部が、第1取付金具と取付支持具の他端に設けた平板状の頭部との間に配置される。これにより、エンジンが上方に変位する方向すなわち取付支持具の頭部と中間突出部との対向面が互いに接近する方向の変位が、頭部と中間突出部とにより構成されるリバウンドストッパにより規制される。また、第2取付金具の中間突出部に対して、第1取付金具がバウンドストッパとして機能し、さらに中間突出部に設けた挿通孔に対して、取付支持具が車両の前後及び左右方向のストッパとして機能する。
このように、取付支持具により、エンジンマウントのエンジン側及び車体側部材の一方への取り付けと、リバウンドストッパの設定を共に行うことができる。そのため、本発明においては、エンジンマウントをエンジン側及び車体側部材の一方へ取り付けるための取付具を別途用意する必要がなく、さらに取り付けのための手間も省くことができるため、エンジンマウントのエンジン側及び車体側部材の一方への取り付けコストが削減される。また、エンジン側及び車体側部材の一方と第1取付金具間に取付支持具を取り付けるためのスペースを必要としないので、上下方向のスペースを削減できる。さらに、取付支持具の平板状の頭部が第2取付金具の中間突出部内に収容されており、エンジン側及び車体側部材の他方との間に配設されているため、その下方に突出することはない。その結果、本発明においては、エンジン側と車体側部材との間のスペースが少ない場合でも、エンジンマウントの取付が可能になる。また、取付支持具はエンジン側及び車体側部材の他方側に突出することはないので、他方側に取付支持具との干渉を避けるための余分なスペースを設ける必要もない。
また、本発明において、中間突出部の挿通孔の内周縁及び両面側周縁部が、ゴムストッパ部で覆われるようにすることができる。このように、中間突出部の挿通孔の内周縁及び両面周縁部がゴムストッパ部で覆われていることにより、取付支持具の平板状の頭部が第2取付金具の中間突出部に当るリバウンドストッパとして機能する際、第2取付金具の中間突出部が第1取付金具に当るバウンドストッパとして機能する際、さらに中間突出部に設けた挿通孔が取付支持具に当る水平方向のストッパとして機能する際に、金具と金具とが直接当接することによる衝撃及び異音の発生を防止できる。これにより、エンジンマウントの過大な変位を防止するストッパ機能が円滑に果たされる。
また、本発明においては、支持ゴム弾性体が、第1取付金具側から第2取付金具の長手方向両端側に向けて傾斜して配設されており、第1及び第2取付金具の長手方向両側部分に、支持ゴム弾性体による第1及び第2取付金具の連結方向に対して略直交方向に傾斜した傾斜部を設けてもよい。このように、支持ゴム弾性体が、第1取付金具側から第2取付金具の長手方向両端側に向けて傾斜していることにより、第1及び第2取付金具間の振動を圧縮変形および剪断変形で受けることができ、その振動減衰性能が高められる。また、第1及び第2取付金具の長手方向両側部分に、支持ゴム弾性体による第1及び第2取付金具の連結方向に対して略直交方向に傾斜した傾斜部を設けたことにより、支持ゴム弾性体の傾斜方向の変形を傾斜部分により適正に受け止めることができる。その結果、支持ゴム弾性体による振動減衰効果がより適正に発揮される。
また、本発明において、第2取付金具の長手方向両側部分にそれぞれ第2取付孔を設けると共に、第2取付金具の第1取付金具側表面に第2取付孔を囲んでナットが固定されているようにすることができる。これにより、第2取付金具をエンジン側及び車体側部材の他方に取り付ける場合に、他方部材の取付孔側からボルトを差し込んで、第2取付金具の長手方向両側部分に設けた第2取付孔に差し込んで、第2取付金具の第1取付金具側表面に固定されたナットに螺着させることができる。そのため、従来のように第2取付金具にボルトを固定した場合に比べて、エンジンマウントのエンジン側と車体側部材間への取り付けが容易になると共に、ボルトを取り外すことにより、エンジン側を移動させることなくエンジンマウントを簡単に取り外すことができる。
本発明によれば、取付支持具によって、エンジンマウントのエンジン側等相手部材への取り付けと、リバウンドストッパの設定を共に行うことができるため、エンジンマウントの相手部材への取付具を別途用意する必要がなく、さらに取り付けのための手間も省くことができるため、エンジンマウントの取り付けコストが削減される。また、本発明によれば、エンジン側と第1取付金具間に取付支持具を取り付けるためのスペースを必要としなく、さらに、取付支持具の平板状の頭部が第2取付金具の中間突出部内に収容されているため、エンジン側と車体側部材との間のスペースが少ない場合でも、エンジンマウントの取り付けが可能にされる。
以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。図1,図2は、同実施例であるFR(フロントエンジン・リアドライブ)型自動車用のリアエンジンマウントを一部破断正面図及び平面図により示したものであり、図3はリアエンジンマウントをエンジン側であるエンジン及びトランスミッション等の一体化されたエンジンアセンブリ(以下、エンジン側部材Eと記す)と車体側部材Bに取り付けた状態を一部破断正面図により示したものである。
エンジンマウント10は、中央部に取付孔15を有する長尺板状の上板金具(第1取付金具)11と、上板金具11の下方に所定距離を隔てて対向配置された長尺板状の金具であって、長手方向の中間部分が両側部分に対して上板金具11側に向けて突出した中間突出部23となっており、中間突出部23の上板金具11に対向する水平部25の中央に挿通孔26を有する下板金具(第2取付金具)21を備えている。さらに、上及び下板金具11,21の長手方向の両側部分にて、一対の支持ゴム弾性体17が、上及び下板金具11,21の対向面間を弾性的に連結している。また、一端側にねじ部38を有する棒状体である基部37の他端側に挿通孔26を覆う外形を有する平板状の頭部39を設けた取付支持具36が、ねじ部38から挿通孔26及び取付孔15に順次挿通されることにより、基部37のねじ部38との境界の段差部37aが上板金具11に当接すると共に、ねじ部38の先端側が取付孔15から外方に突出し、さらに頭部39が中間突出部23内に収容されている。
エンジンマウント10は、取付孔15から突出した取付支持具36のねじ部38をエンジン側部材Eに螺着させることにより上板金具11がエンジン側部材Eに取り付けられ、下板金具21が取付具により車体側部材Bに取り付けられる。なお、エンジンマウント10の車両への組付け状態においては、図1に示す左右、上下方向が自動車の左右、上下方向に相当し、また図1に示す紙面に垂直な方向が自動車の前後方向に相当するものとする。
上板金具11は、長方形で長尺状の鋼板を曲げ加工することにより形成されたものであり、その長手方向両端から略1/4長さの位置で幅方向に延びた2本の折曲げ線11aを境界として斜め上方向に略45°折り曲げられ、さらに両端までの略中間位置で幅方向に延びた2本の折曲げ線11bを境界として水平に折り返されて左右対称形状に形成されており、中間の水平板部12と、水平板部12の両側の一対の傾斜部13と、その外側の一対の水平端板部14とを一体で有している。水平板部12の中央には円形の貫通孔である取付孔15が設けられている。
下板金具21は、長方形で長尺状の鋼板を曲げ加工することにより形成された支持板部22と、支持板部22の後述する一対の下水平板部27上面に重ね合わされた一対の連結板部31とを一体で設けている。支持板部22は、長手方向長さ及び幅方向長さが上板金具11よりそれぞれわずかに長い金具であり、長手方向の略3等分位置で幅方向に延びた2本の折曲げ線22aを境界とした中間部分が、上方に突出した中間突出部23になっており、その長手方向両側が平坦な一対の下水平板部27になっている。中間突出部23は、折曲げ線22a位置から垂直上方に延びた一対の垂直部24と、垂直部24の上端間を連結する水平板部12に対向する平坦部である水平部25とを備えており、水平部25の中央には円形で大径の挿通孔26を設けている。一対の下水平板部27は、長手方向両端の幅方向中間位置にそれぞれ取付孔28を設けている。
連結板部31は、長方形の鋼板を略45°にくの字状に折り曲げたもので、取付部32と傾斜部33とを備えている。一対の連結板部31は、中間突出部23の両垂直部24の近傍位置にて取付部32が垂直部24側に隣接してかつ下板金具21の長手方向に揃えて下水平板部27上面に載置され、溶接等によって固定されている。各傾斜部33は、上板金具11の傾斜部13に対向して傾斜した状態で配置されており、その長手方向外端が水平端板部14の外端位置に揃えて配置されている。また、傾斜部33と下水平板部27との間の幅方向両端側には、台形状の平板である一対の補強部材34が立設されており、傾斜部33の下面と下水平板部27の上面に接触した状態で溶接により固定されて、傾斜部33を補強している。また、下水平板部27の上面の取付孔28周囲には、ナット35が溶接により固定されている。
支持ゴム弾性体17は、幅が下板金具21の幅の略1/3程度の略直方体ブロック形状であって、幅方向の中心を挟んだ両側にわたって、上板金具11の傾斜部13における折曲げ線11a位置と水平端板部14との境界の折曲げ線11bの近傍位置の間の内側面(図示下側面)と、連結板部31の傾斜部33の内側面(図示上側面)間に所定角度傾斜して配設されている。また、中間突出部23の挿通孔26の内周縁及び上下面の周縁部全周には、環状のゴムストッパ部18が形成されている。一対の支持ゴム弾性体17の長手方向内端とゴムストッパ部18の長手方向両側との間には、薄肉のゴム被覆部19が取付部32と中間突出部23の上面に被覆されて、支持ゴム弾性体17の長手方向内端とゴムストッパ部18の外端につながっている。支持ゴム弾性体17、ゴムストッパ部18及びゴム被覆部19は、予め上板金具11及び下板金具21を金型(図示しない)にセットしてゴム加硫接着を行うことにより、上板金具11及び下板金具21と共にゴム加硫成形品として一体的に形成されている。
取付支持具36は、円柱状の基部37と、その軸方向一端側から同軸状に突出した基部37より小径であるねじ部38と、軸方向の他端側に同軸状に設けられた正六角形の薄板である頭部39とを一体で設けており、基部37のねじ部38との境界が軸直角方向に延びた段差部37aになっている。基部37は、その軸方向長さが水平板部12とストッパゴム部18の底面間の長さと同等であり、その外径が上板金具11の取付孔15の内径より大きく、かつ中間突出部23の挿通孔26の周縁に形成されたゴムストッパ部18で囲まれた中心孔の内径より小さくなっている。ねじ部38は、上板金具11の取付孔15に挿通可能な外径である。頭部39の外形は、中間突出部23の挿通孔26を覆うと共に、中間突出部23の垂直部24内側面からわずかに離れた大きさの正六角形になっている。
つぎに、上記エンジンマウント10の、エンジン側部材Eと車体側部材B間への取り付けについて説明する。
まず、上板金具11をエンジン側部材Eに重ね合わせた状態で、下板金具21の下面側から、取付支持具36をねじ部38側から中間突出部23の挿通孔26及び上板金具11の取付孔15に順次挿通させる。そして、取付孔15の周囲に段差部37aが当接した基部37によって上板金具11をエンジン側ブラケットEに押し付けると共に、取付支持具36の頭部39を回すことにより、取付孔15から外方に突出したねじ部38の先端側をエンジン側ブラケットEに設けた取付孔(図示しない)に螺着させる。このように、取付支持具36の基部37のねじ部38との境界の軸直角方向に設けた段差部37aと頭部39とにより、エンジンマウント10の上板金具11がエンジン側部材Eに強固に取り付けられると共に、取付支持具36が、平板状の頭部39がゴムストッパ部18に当接した状態でエンジンマウント10に一体化する。
まず、上板金具11をエンジン側部材Eに重ね合わせた状態で、下板金具21の下面側から、取付支持具36をねじ部38側から中間突出部23の挿通孔26及び上板金具11の取付孔15に順次挿通させる。そして、取付孔15の周囲に段差部37aが当接した基部37によって上板金具11をエンジン側ブラケットEに押し付けると共に、取付支持具36の頭部39を回すことにより、取付孔15から外方に突出したねじ部38の先端側をエンジン側ブラケットEに設けた取付孔(図示しない)に螺着させる。このように、取付支持具36の基部37のねじ部38との境界の軸直角方向に設けた段差部37aと頭部39とにより、エンジンマウント10の上板金具11がエンジン側部材Eに強固に取り付けられると共に、取付支持具36が、平板状の頭部39がゴムストッパ部18に当接した状態でエンジンマウント10に一体化する。
さらに、車体側部材B上に載置された下板金具21に対して、車体側部材Bの下側からボルト41を取付孔28を通してナット35に螺着させることにより、下板金具21が車体側部材Bに固定される。これにより、エンジン側からの1W荷重を受けて上板金具11が下降して上及び下板金具11,21間の距離が相対的に狭められて、中間突出部23の水平部25が上板金具11の水平板部12と取付支持具36の頭部39の間の上下略中間位置に配置される。また、一対の支持ゴム弾性体17も上下方向に圧縮されて略45°に傾斜して、傾斜部13と傾斜部33に対して略直交するように変形する。
これにより、取付支持具36の平板状の頭部39と中間突出部23とによって、エンジン側が上方に変位する方向、すなわち頭部39と中間突出部23との対向面が互いに接近する方向の変位を規制するリバウンドストッパが構成される。また、下板金具21の中間突出部23に対して、上板金具11がバウンドストッパとして機能する。さらに、中間突出部23に設けた挿通孔26に対して、取付支持具36の基部37が前後及び左右方向のストッパとして機能する。
以上に説明したように、本実施例においては、取付支持具36により、エンジンマウント10のエンジン側部材Eへの取り付けと、リバウンドストッパの設定を共に行うことができるため、エンジンマウント10のエンジン側部材Eへ取り付けるための取付具を別途用意する必要がなく、取り付けための手間も省くことができる。その結果、エンジンマウント10の取り付けコストが削減される。また、エンジン側部材Eと上板金具11間に取付支持具36を取り付けるためのスペースを必要としないので、上下方向のスペースを削減でき、さらに、取付支持具36の平板状の頭部39が下板金具21の中間突出部23の下側凹部内に収容されており、車体側部材B側に延びることがない。その結果、本実施例においては、エンジン側部材Eと車体側部材Bとの間のスペースが少ない場合でも、エンジンマウント10の取り付けが可能にされる。また、取付支持具36が車体側部材Bの下方に突出することはないため、車体側部材B側に取付支持具36との干渉を避けるための余分なスペースを設ける必要もない。
また、本実施例においては、下板金具21の中間突出部23の挿通孔26の内周縁及び両面周縁部が、ゴムストッパ部18で覆われていることにより、取付支持具36の頭部39が中間突出部23に当るリバウンドストッパとして機能する際、中間突出部23が上板金具11に当るバウンドストッパとして機能する際、さらに中間突出部23に設けた挿通孔26が取付支持具36に当る前後及び左右方向のストッパとして機能する際に、ゴムストッパ部18により、金具と金具とが直接当接することによる衝撃及び異音の発生を防止できる。これにより、エンジンマウント10においては、その過大な変位を防止するストッパ機能が円滑に果たされる。
また、本実施例においては、下板金具21の長手方向両側の下水平板部27に取付孔28を設けると共に、下水平板部27の上側面に取付孔28を囲んでナット35が固定されている。これにより、下板金具21を車体側部材Bに取り付ける場合に、車体側部材Bの取付孔側からボルト41を差し込んで、下板金具21の取付孔28を挿通してナット35に螺着させることができる。そのため、従来のように下板金具21にボルトを固定した場合に比べて、エンジンマウント10のエンジン側部材Eと車体側部材B間への取り付けが容易になると共に、ボルト41を取り外すことにより、エンジン側部材Eを上方に移動させることなくエンジンマウント10を簡単に取り外すことができる効果が得られる。
また、本実施例においては、支持ゴム弾性体17が、上板金具11の傾斜部13と下板金具21の傾斜部33との間に、下板金具21の長手方向両端側に向けて傾斜していることにより、上板金具11と下板金具21間の振動を圧縮変形及び剪断変形で受けることができ、その振動減衰性能が高められる。また、上板金具11と下板金具21に、傾斜した支持ゴム弾性体17による上及び下板金具11,21の連結方向に対して略直交方向に傾斜した傾斜部13と傾斜部33を設けたことにより、支持ゴム弾性体17の圧縮変形及び剪断変形を傾斜部13及び傾斜部33により適正に受け止めることができる。その結果、支持ゴム弾性体17による振動減衰効果がより適正に発揮される。
なお、上記実施例においては、上板金具がエンジン側部材Eに取り付けられ、下板金具が車体側部材Bに取り付けられているが、上及び下板金具の取り付けがこの逆の場合も可能である。また、本発明のエンジンマウントの具体的外形等については、上記実施例に示したものに限られるものではなく、例えば、上及び下板金具、支持ゴム弾性体、取付支持具等の形状について適宜変更可能である。その他、上記実施形態に示したものは一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々変更して実施することが可能である。
本発明によれば、取付支持具によって、エンジンマウントのエンジン側への取り付けと、リバウンドストッパの設定を共に行うことができるため、エンジンマウントの取付コストが削減され、さらに、エンジン側と車体側部材との間のスペースが少ない場合でもエンジンマウントの取付が可能であるため、特にFR車のリアエンジンマウントに用いるのに有用である。
10…エンジンマウント、11…上板金具、12…水平板部、13…傾斜部、15…取付孔、17…支持ゴム弾性体、18…ゴムストッパ部、21…下板金具、22…支持板部、23…中間突出部、26…挿通孔、27…下水平板部、28…取付孔、31…連結板部、33…傾斜部、35…ナット、36…取付支持具、37…基部、38…ねじ部、39…頭部、E…エンジン側部材、B…車体側部材。
Claims (4)
- 中央部に取付孔を有する長尺板状の第1取付金具と、
該第1取付金具に対して所定距離を隔てて対向配置された長尺板状の金具であって、長手方向の中間部分が両側部分に対して前記第1取付金具側に向けて突出した中間突出部となっており、該中間突出部の該第1取付金具に対向する平坦部の中央に挿通孔を有する第2取付金具と、
前記第1及び第2取付金具の長手方向の両側部分の対向面間に配設され、該第1及び第2取付金具間を弾性的に連結する一対の支持ゴム弾性体と、
一端側にねじ部を有する棒状体の他端側に前記挿通孔を覆う外形を有する平板状の頭部を設けており、前記ねじ部側から前記挿通孔及び前記取付孔に順次挿通されることにより前記第1取付金具に係合すると共に、該ねじ部の先端側が該取付孔から外方に突出し、前記頭部が前記中間突出部内に収容される取付支持具とを備え、
前記第1取付金具がエンジン側及び車体側部材のいずれか一方に重ね合されると共に、該第1取付金具に係合した前記取付支持具によって押し付けられた状態で、前記取付孔から突出した前記ねじ部を前記エンジン側及び車体側部材の一方に固定することにより前記第1取付金具が該エンジン側及び車体側部材の一方に強固に取り付けられ、前記第2取付金具が該エンジン側及び車体側部材の他方に取り付けられ、
前記取付支持具の頭部と前記中間突出部とにより、該頭部と該中間突出部との対向面が互いに接近する方向の変位を規制するリバウンドストッパが構成される
ことを特徴とするエンジンマウント。 - 前記中間突出部の前記挿通孔の内周縁及び両面側周縁部が、ゴムストッパ部で覆われていることを特徴とする前記請求項1に記載のエンジンマウント。
- 前記支持ゴム弾性体が、前記第1取付金具側から第2取付金具の長手方向両端側に向けて傾斜して配設されており、該第1及び第2取付金具の長手方向両側部分に、前記支持ゴム弾性体による該第1及び第2取付金具の連結方向に対して略直交方向に傾斜した傾斜部を設けたことを特徴とする前記請求項1または請求項2に記載のエンジンマウント。
- 前記第2取付金具の長手方向両側部分にそれぞれ第2取付孔を設けると共に、該第2取付金具の前記第1取付金具側表面に該第2取付孔を囲んでナットが固定されていることを特徴とする前記請求項1から3のいずれか1項に記載のエンジンマウント。
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2004
- 2004-02-27 JP JP2004052723A patent/JP2005240926A/ja active Pending
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