JP2015216758A - 昇圧コンバータ装置 - Google Patents

昇圧コンバータ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015216758A
JP2015216758A JP2014097799A JP2014097799A JP2015216758A JP 2015216758 A JP2015216758 A JP 2015216758A JP 2014097799 A JP2014097799 A JP 2014097799A JP 2014097799 A JP2014097799 A JP 2014097799A JP 2015216758 A JP2015216758 A JP 2015216758A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
sensor
converter
reactor
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014097799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6233178B2 (ja
Inventor
敏和 大野
Toshikazu Ono
敏和 大野
大悟 野辺
Daigo Nobe
大悟 野辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2014097799A priority Critical patent/JP6233178B2/ja
Priority to DE102015208085.4A priority patent/DE102015208085A1/de
Priority to US14/705,192 priority patent/US9438116B2/en
Priority to CN201510226464.9A priority patent/CN105099180B/zh
Publication of JP2015216758A publication Critical patent/JP2015216758A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6233178B2 publication Critical patent/JP6233178B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02MAPPARATUS FOR CONVERSION BETWEEN AC AND AC, BETWEEN AC AND DC, OR BETWEEN DC AND DC, AND FOR USE WITH MAINS OR SIMILAR POWER SUPPLY SYSTEMS; CONVERSION OF DC OR AC INPUT POWER INTO SURGE OUTPUT POWER; CONTROL OR REGULATION THEREOF
    • H02M3/00Conversion of dc power input into dc power output
    • H02M3/02Conversion of dc power input into dc power output without intermediate conversion into ac
    • H02M3/04Conversion of dc power input into dc power output without intermediate conversion into ac by static converters
    • H02M3/10Conversion of dc power input into dc power output without intermediate conversion into ac by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode
    • H02M3/145Conversion of dc power input into dc power output without intermediate conversion into ac by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode using devices of a triode or transistor type requiring continuous application of a control signal
    • H02M3/155Conversion of dc power input into dc power output without intermediate conversion into ac by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode using devices of a triode or transistor type requiring continuous application of a control signal using semiconductor devices only
    • H02M3/156Conversion of dc power input into dc power output without intermediate conversion into ac by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode using devices of a triode or transistor type requiring continuous application of a control signal using semiconductor devices only with automatic control of output voltage or current, e.g. switching regulators
    • H02M3/158Conversion of dc power input into dc power output without intermediate conversion into ac by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode using devices of a triode or transistor type requiring continuous application of a control signal using semiconductor devices only with automatic control of output voltage or current, e.g. switching regulators including plural semiconductor devices as final control devices for a single load
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02MAPPARATUS FOR CONVERSION BETWEEN AC AND AC, BETWEEN AC AND DC, OR BETWEEN DC AND DC, AND FOR USE WITH MAINS OR SIMILAR POWER SUPPLY SYSTEMS; CONVERSION OF DC OR AC INPUT POWER INTO SURGE OUTPUT POWER; CONTROL OR REGULATION THEREOF
    • H02M1/00Details of apparatus for conversion
    • H02M1/32Means for protecting converters other than automatic disconnection
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/28Testing of electronic circuits, e.g. by signal tracer
    • G01R31/282Testing of electronic circuits specially adapted for particular applications not provided for elsewhere
    • G01R31/2829Testing of circuits in sensor or actuator systems
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02MAPPARATUS FOR CONVERSION BETWEEN AC AND AC, BETWEEN AC AND DC, OR BETWEEN DC AND DC, AND FOR USE WITH MAINS OR SIMILAR POWER SUPPLY SYSTEMS; CONVERSION OF DC OR AC INPUT POWER INTO SURGE OUTPUT POWER; CONTROL OR REGULATION THEREOF
    • H02M1/00Details of apparatus for conversion
    • H02M1/0003Details of control, feedback or regulation circuits
    • H02M1/0009Devices or circuits for detecting current in a converter

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

【課題】リアクトル電流のフィードバック制御を用いて昇圧電圧を制御する昇圧コンバータ装置において、リアクトル電流を検出する電流センサの異常を適切に検知する。【解決手段】昇圧コンバータ装置10は、コンバータ20と、リアクトルL1に流れるリアクトル電流ILを検出する電流センサ21と、リアクトル電流ILのフィードバック制御を用いてコンバータ20を制御する制御装置50とを備える。制御装置50は、コンバータの制御に用いるキャリア周波数を低下させるか、コンバータ20の制御に用いるデューティ指令値を低下させるかの少なくとも何れかを実行し、キャリア周波数の低下またはデューティ指令値の低下を実行しているときに電流センサ21で電流リプルの振幅を検出し、電流リプルの振幅が電流センサの異常時における所定の電流変動幅よりも小さい場合に電流センサが異常であると検知する。【選択図】図1

Description

本発明は、バッテリから入力される電圧を昇圧して出力可能な昇圧コンバータ装置に関する。
従来、例えば特開2006−311635号公報(特許文献1)には、昇圧コンバータの制御装置が記載されている。この制御装置では、昇圧コンバータの出力電圧である昇圧電圧のフィードバック制御と、昇圧コンバータに含まれるリアクトルに流れるリアクトル電流のフィードバック制御とによって、昇圧コンバータに含まれるスイッチング素子をスイッチング動作させる制御信号を生成している。
特開2006−311635号公報
上記特許文献1に記載の昇圧コンバータの制御装置において、リアクトル電流は電流センサによって検出されて制御装置に入力され、昇圧コンバータのフィードバック制御に用いられる。そのため、この電流センサに異常が生じて出力値が狭い電流幅でしか変動しない状態(ほぼ一定値に張り付いた状態)になると、リアクトル電流を正しくフィードバック制御することができず、その結果、昇圧電圧のフィードバック制御にも影響して昇圧電圧を昇圧電圧指令値に収束させることができなくなる事態が生じる。このようなことから、リアクトル電流を検出する電流センサの異常を適切に検知することが必要になる。
本発明の目的は、リアクトル電流のフィードバック制御を用いて昇圧電圧を制御する昇圧コンバータ装置において、リアクトル電流を検出する電流センサの異常を適切に検知することである。
本発明に係る昇圧コンバータ装置は、リアクトルおよびスイッチング素子を含み、バッテリから入力される電圧を昇圧して出力可能な昇圧コンバータと、前記リアクトルに流れるリアクトル電流を検出する電流センサと、前記リアクトル電流のフィードバック制御を用いて前記昇圧コンバータを制御する制御装置と、を備える昇圧コンバータ装置であって、前記制御装置は、前記昇圧コンバータの制御に用いるキャリア周波数を低下させるか、前記昇圧コンバータの制御に用いるデューティ指令値を低下させるかの少なくとも何れかを実行し、前記キャリア周波数の低下、または、前記デューティ指令値の低下を実行しているときに前記電流センサで電流リプルの振幅を検出し、前記電流リプルの振幅が前記電流センサの異常時における所定の電流変動幅よりも小さい場合に前記電流センサが異常であると検知するものである。
本発明に係る昇圧コンバータ装置において、前記キャリア周波数の低下、または、前記デューティ指令値の低下は、前記電流センサによって前記電流リプルの振幅を検出する期間のみで実行されてもよい。
また、本発明に係る昇圧コンバータ装置において、車速が所定値以上であるときに前記電流センサの異常検知を行ってもよい。
本発明に係る昇圧コンバータ装置によれば、昇圧コンバータの制御に用いるキャリア周波数を低下させるか、昇圧コンバータの制御に用いるデューティ指令値を低下させるかの少なくとも何れかを実行して電流センサでリアクトル電流の電流リプルの振幅を検出して異常検知を行う。このようにすることで、電流センサの異常検知時におけるリアクトル電流のリプルの正常時と異常時の振幅差が顕著になるため、電流センサの異常を適切に検知することが可能になる。
本発明の一実施形態である昇圧コンバータ装置を含むモータ駆動装置の全体概略構成を示す図である。 コンバータが上アームのスイッチング素子がオン状態にあるときの電流の流れを示す図である。 コンバータが下アームのスイッチング素子がオン状態にあるときの電流の流れを示す図である。 昇圧コンバータ装置の制御装置におけるコンバータ制御に関する部分の機能ブロック図である。 電流センサによって検出されるリアクトル電流の波形を、正常時は太い実線で、異常時は細い実線でそれぞれ示す図である。 制御装置において実行される電流センサの異常を検知するための処理手順を示すフローチャートである。 電流センサ異常検知のためにキャリア周波数を低下させた場合のリアクトル電流の波形を示す図である。 電流センサ異常検知のためにデューティ指令値を低下させた場合のリアクトル電流の波形を示す図である。 コンバータが出力電圧が最大昇圧状態にあるときに電流センサの異常検知のためにリアクトル電流のリプルを一時的に大きくする処理を実行することを説明するための図である。
以下に、本発明に係る実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
図1は、本発明の一実施形態である昇圧コンバータ装置10を含むモータ駆動装置100の回路図である。図1に示すように、モータ駆動装置100は、直流電源であるバッテリBと、コンバータ(昇圧コンバータ)20と、インバータ30と、正極線12a,12bと、負極線14と、電流センサ13,21と、電圧センサ16,18,22と、フィルタコンデンサC1と、平滑コンデンサC2と、制御装置50とを備える。このうち、本実施形態の昇圧コンバータ装置10は、コンバータ20、電流センサ21、および、制御装置50の一部を含んで構成される。
モータ駆動装置100は、ハイブリッド自動車や電気自動車(燃料電池自動車を含む)などの電動車両に搭載される。そして、車載されたモータMは、図示されない駆動輪に機械的に連結され、車両を駆動するためのトルクを発生する。あるいは、モータMは、図示されないエンジンに機械的に連結され、エンジンの動力を用いて発電する発電機として動作し、かつ、エンジンの始動を行なう電動機としてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。
バッテリBは、再充電可能な蓄電装置であり、例えばニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池が好適に用いられる。ただし、バッテリBに代えて又は加えて、大容量のキャパシタを蓄電装置として用いてもよい。
バッテリBの正極端子には正極線12aが接続され、バッテリBの負極端子には負極線14が接続されている。そして、正極線12aにはシステムメインリレーSMR1が設けられ、負極線14にはシステムメインリレーSMR2が設けられている。各リレーSMR1,SMR2は、制御装置50からの信号を受けてオンオフ制御される。
電圧センサ16は、バッテリBの端子間電圧を検出するセンサである。電圧センサ16によって検出されたバッテリ電圧VBは制御装置50へ出力される。以下において、電圧センサ16を適宜にVBセンサという。
電流センサ13は、バッテリBの正極端子に接続される正極線12aに設けられている。電流センサ13は、バッテリBに出入りする電流を検出するセンサである。電流センサ13によって検出されたバッテリ電流IBは、制御装置50へ出力される。以下において、電流センサ13を適宜にIBセンサという。
コンバータ20は、リアクトルL1と、スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルL1の一方端は、バッテリBの正極端子に接続される正極線12aに接続され、他方端は、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との接続点11に接続される。スイッチング素子Q1,Q2は、正極線12bと負極線14との間に直列に接続される。そして、スイッチング素子Q1,Q2には、ダイオードD1,D2が逆並列にそれぞれ接続される。
コンバータ20は、制御装置50からの信号に基づいて、正極線12bおよび負極線14間の電圧をバッテリ電圧VB以上の電圧に昇圧可能な電圧変換装置である。コンバータ20の信号には、スイッチング素子Q1のオンデューティを制御するためのゲート信号S1と、スイッチング素子Q2のオンデューティを制御するためのゲート信号S2とが含まれる。コンバータ20の昇圧動作時、ゲート信号S1,S2は、スイッチング素子Q1,Q2が互いに逆の状態(すなわち、Q1オンのときはQ2オフ、Q1オフのときはQ2オン)となるように関連付けられている。
電流センサ21は、コンバータ20のリアクトルL1に流れるリアクトル電流ILを検出し、その検出値を制御装置50へ出力する。電流センサ21は、バッテリBからリアクトルL1へ流れる電流を正値として検出し、リアクトルL1からバッテリBへ流れる電流を負値として検出する。以下において、電流センサ21を適宜にILセンサという。
フィルタコンデンサC1は、正極線12aと負極線14との間に接続される。電圧センサ18は、フィルタコンデンサC1の両端の電圧VLをコンバータ20の入力電圧として検出し、その検出値を制御装置50へ出力する。以下において、電圧センサ18を適宜にVLセンサという。
平滑コンデンサC2は、正極線12bと負極線14との間に接続される。平滑コンデンサC2は、コンバータ20からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ30へ供給する。電圧センサ22は、平滑コンデンサC2の両端の電圧VHをコンバータ20の出力電圧として検出し、その検出値を制御装置へ出力する。以下において、電圧センサ22を適宜にVHセンサという。
インバータ30は、U相アーム32と、V相アーム34と、W相アーム36とを含む。U相アーム32、V相アーム34およびW相アーム36は、正極線12bと負極線14との間に並列に接続される。各相アーム32,34,36は、直列接続された2つのスイッチング素子Q3〜Q8をそれぞれ含む。スイッチング素子Q3〜Q8には、ダイオードD3〜D8が逆並列でそれぞれ接続される。そして、各相アーム32,34,36の中間点がモータMの各相コイルにそれぞれ接続されている。
インバータ30は、制御装置50からの信号S3〜S8に基づいて、正極線12bおよび負極線14から供給される直流電力を三相交流に変換してモータMへ出力し、モータMを駆動する。これにより、モータMは、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ30は、モータ駆動装置100が搭載された電動車両の回生制動時、モータMで発電された三相交流電力を制御装置50からの信号に基づいて直流電力に変換し、コンバータ20側の正極線12bおよび負極線14へ出力する。この場合、コンバータ20は、インバータ30から供給される直流電力をバッテリBに充電可能な電圧にまで降圧してバッテリB側へ出力する。したがって、コンバータ20は、昇降圧コンバータとも呼ばれる。
モータMには、回転角センサ38が設けられている。回転角センサ38は、モータMのロータ位置を検出し、その検出値θを制御装置50に出力する。制御装置50は、その検出値θを、インバータ30の制御信号を生成するための座標変換等に用いることができる。また、制御装置50は、検出値θに基づいてモータ回転数MRNや車速を導出することができる。
制御装置50は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵した電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)により構成される。制御装置50は、当該メモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて所定の演算処理を実行し、バッテリBの状態管理やコンバータ20およびインバータ30の制御を行うように構成される。あるいは、ECUの少なくとも一部は、電子回路等のハードウェアにより所定の数値・論理演算処理を実行するように構成されてもよい。
制御装置50は、パルス幅変調法を用いて、コンバータ20を駆動するためのPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を信号S1,S2としてコンバータ20へ出力する。また、制御装置50は、図示されない外部のECUから受けるモータMのトルク指令値TRと、上記回転角センサ38の検出値θから導出されるモータ回転数MRNとに基づいて、モータMを駆動するためのPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を信号S3〜S8としてインバータ30へ出力する。
なお、本実施形態では1つの制御装置50がバッテリBの状態管理、コンバータ20およびインバータ30の制御を行うとして説明するが、これに限定されるものはない。例えば、バッテリBの状態管理、コンバータ20の昇圧動作、および、インバータ30の直交変換動作をそれぞれ別の電子制御ユニット(ECU)で管理または制御するように構成してもよい。
図2は、コンバータ20のスイッチング素子Q1がオン状態のとき、すなわち上アームオン時の(正の)電流ILの流れを示す。この場合、図2に示すように、電流ILがダイオードD1を流れる。スイッチング素子Q1,Q2の接続点11と負極線14との間の電圧をVm、リアクトルL1のインダクタンス値をL、電流ILの傾き(単位時間当たりの変化率)をdIL/dtとすると、この状態での電圧方程式は、下記の式(1)となる。
VL−L(dIL/dt)−Vm=0 ・・・(1)
平滑コンデンサC2の両端の電圧をVHとすると、電流ILがダイオードD1を流れている間は電圧Vm=VHとなるため、これを式(1)に代入して変形すると下記の式(2)となり、さらに式(2)を変形すると式(3)となる。
VL−L(dIL/dt)−VH=0 ・・・(2)
dIL/dt=(VL−VH)/L ・・・(3)
この式(3)より、電流ILが正の場合、スイッチング素子Q1のオン時は、電流ILの傾きdIL/dtが(VL−VH)/Lとなることが分かる。通常、VL<VHであるので電流ILの傾きdIL/dtは負である。
図3は、コンバータ20のスイッチング素子Q2がオン状態のとき、すなわち下アームオン時の(正の)電流ILの流れを示す。この場合、図3に示すように、電流ILがスイッチング素子Q2を流れる。この状態での電圧方程式は、下記の式(4)となる。
VL−L(dIL/dt)−Vm=0 ・・・(4)
式(4)そのものは上記の式(1)と同じであるが、電流ILがスイッチング素子Q2を流れている間は、電圧Vmは、VHではなく0となるため、これを式(4)に代入して変形すると下記の式(5)となり、さらに式(5)を変形すると式(6)となる。
VL−L(dIL/dt)−0=0 ・・・(5)
dIL/dt=VL/L ・・・(6)
この式(6)より、電流ILが正の場合、スイッチング素子Q2のオン時は、電流ILの傾きdIL/dtがVL/Lとなることが分かる。通常、VL>0であるので電流ILの傾きdIL/dtは正である。
このように、電流ILが正の場合、スイッチング素子Q1のオン時の電流ILは傾き(VL−VH)/Lで減少し、スイッチング素子Q2のオン時の電流ILは傾きdIL/dtがVL/Lで増加する。したがって、コンバータ20による昇圧動作時には、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング動作によってリアクトル電流ILが増加と減少を繰り返すリプルが生じることになる(図5参照)。
次に、図4を参照して、コンバータ20における昇圧動作の制御について説明する。図4は、制御装置50の、コンバータ20の制御に関する部分の機能ブロック図である。図4に示すように、制御装置50は、電圧指令生成部52と、減算部54,58と、電圧制御演算部56と、電流制御演算部60と、駆動信号生成部62と、キャリア生成部64と、デューティ指令値変更部66とを含む。
電圧指令生成部52は、コンバータ20の出力電圧である電圧VHの目標値を示す電圧指令値VRを生成する。例えば、電圧指令生成部52は、モータMのトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNから算出されるモータMの要求パワーに基づいて電圧指令値VRを生成する。
減算部54は、VHセンサ22から入力された電圧VHの検出値を電圧指令値VRから減算し、その演算結果を電圧制御演算部56へ出力する。
電圧制御演算部56は、電圧VLの検出値と、電圧指令値VRから電圧VHの検出値を減算した値とを用いて、電圧VHを電圧指令値VRに一致させるためのフィードバック制御(例えば比例積分制御)を実行する。そして、電圧制御演算部56は、算出された制御量を電流指令値IRとして出力する。
減算部58は、電圧制御演算部56から出力される電流指令値IRから電流ILの検出値を減算し、その演算結果を電流制御演算部60へ出力する。
電流制御演算部60は、電流指令値IRからILセンサ21による電流ILの検出値を減算した値を減算部58から受け、電流ILを電流指令値IRに一致させるためのフィードバック制御(例えば比例積分制御)を実行する。そして、電流制御演算部60は、算出された制御量をデューティ指令値dとして駆動信号生成部62へ出力する。
キャリア生成部64は、後述する駆動信号生成部62においてPWM信号S1,S2を生成するための、三角波から成るキャリア信号CRを生成し、その生成したキャリア信号CRを駆動信号生成部62へ出力する。また、キャリア生成部64は、制御装置50においてILセンサ21の異常検知のための処理が実行されて所定の条件が満たされたときに、キャリア信号CRの周波数fcrを一時的に変更する機能を有する。その詳細については、後述する。
駆動信号生成部62は、電流制御演算部60から受けるデューティ指令値dを、キャリア生成部64から受けるキャリア信号CRと大小比較し、その比較結果に応じてゲート信号S1,S2を生成する。例えば、駆動信号生成部62は、キャリア信号CRがデューティ指令値dよりも小さい場合にゲート信号S1をオン(かつゲート信号S2をオフ)とし、そうでない場合にゲート信号S2をオン(かつゲート信号S1をオフ)とする。
デューティ指令値変更部66は、制御装置50においてILセンサ21の異常検知のための処理が実行されて所定の条件が満たされたときに、デューティ指令値dを一時的に変更する機能を有する。その詳細については、後述する。
上記構成からなる制御装置50においては、電圧VHを電圧指令値VRに一致させるためのフィードバック制御が電圧制御演算部56により実行される(電圧制御)。そして、電圧制御演算部56の制御出力を電流ILの電流指令値IRとして、電流ILを電流指令値IRに一致させるためのフィードバック制御が電流制御演算部60により実行される(電流制御)。このように、電圧VHおよび電流ILについてのフィードバック制御が実行されることで、スイッチング素子Q1,Q2の各オン時間の間に設定されるデッドタイム等に起因する電圧VHの変動を抑制できる。
なお、減算部54、電圧制御演算部56、減算部58および電流制御演算部60は、電圧VHを電圧指令値VRに一致させるためのメインループ68を形成し、減算部58および電流制御演算部60は、電流ILを電流指令値IRに一致させるためのマイナーループ70を形成する。
上述したコンバータ20、ILセンサ21、および、制御装置50を含む昇圧コンバータ装置10が正常に動作するには、VHセンサ22、VLセンサ18およびILセンサ21が正常に機能している必要がある。ここで、ILセンサ21において検出値が狭い電流幅でしか変動しない等の異常が発生した場合を想定すると、リアクトル電流ILを正しくフィードバック制御することができず、その結果、昇圧後の出力電圧VHのフィードバック制御にも影響して出力電圧VHを昇圧電圧指令値に収束させることができなくなる事態が生じる。このようなことから、リアクトル電流ILを検出するILセンサ21の異常を適切に検知することが必要になる。そこで、本実施形態の昇圧コンバータ装置10では、後述するようなILセンサ21の異常検知処理を行うことで、センサ異常を適切に検知することとしている。以下において、制御装置50で実行されるILセンサ21の異常検知処理について説明する。
図5は、ILセンサ21の異常検知処理を説明するための図である。図5では、ILセンサ21によって検出されるリアクトル電流ILの波形が、正常時は太い実線で、異常時は細い実線でそれぞれ示されている。
ILセンサ21の正常時には、リアクトル電流ILはコンバータ20のスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング動作によって三角形状のリプルRが連続した略鋸歯状の波形を示す。ここで、1つのリプルRに着目すると、リアクトル電流ILが増加する期間T2はスイッチング素子Q2のオン期間に対応し、その傾きdL/dtは上記式(6)に示すようにVL/Lとなる。他方、電流リプルRにおいてリアクトル電流ILが低下する期間T1はスイッチング素子Q1のオン期間に対応し、その傾きdL/dtは上記式(3)に示すように(VL−VH)/Lとなる。そして、これらの期間T1,T2の和が一制御周期Tcycに相当し、上記デューティ指令値dは一制御周期Tcycに対するスイッチング素子Q1のオン期間T1の比として下記の式(7)で表すことができる。
d=T1/Tcyc(=VL/VH) ・・・(7)
制御装置50においてキャリア生成部64から出力されるキャリア信号CRの周波数fcrは予め記憶された既知の値であるため、リアクトル電流ILの1つのリプルRの一制御周期Tcycは1/fcrで表すことができる。また、制御装置50において電流制御演算部60から出力されるデューティ指令値dもまた既知の値である。したがって、スイッチング素子Q1のオン期間T1、および、スイッチング素子Q2のオン期間T2は、下記の式(8),(9)によって算出することができる。
T1=d・Tcyc=d/fcr ・・・(8)
T2=Tcyc−T1 ・・・(9)
通常、ILセンサ21によるリアクトル電流ILのサンプリングは、一制御周期Tcycごとに行われる。図5には、3つのリプルRについて通常のサンプリングタイミングST1,ST2,ST3が○印で示されている。このように一制御周期ごとにリアクトル電流ILをサンプリングした場合、正常動作するILセンサ21による検出値ILはほぼ同じ値となる。
これに対し、ILセンサ21の異常検知処理時には、リアクトル電流ILの波形において三角形状をなすリプルRについて、頂点部分に対応するサンプリングタイミングSTAでILセンサ21の検出値ILAを取得するとともに、底部分に対応するサンプリングタイミングSTBでILセンサ21の検出値ILBを取得する。これらのサンプリングタイミングSTA,STBは、上記式(8)(9)で求められるオン時間T1,T2によって設定することができる。そして、検出値ILAから検出値ILBを減算して差分を算出することにより、リプルRの最大電流変動幅ΔILmax、すなわち、リプルRの振幅を求めることができる。ここで、「頂点部分」とは、三角形状のリプルRの上側の折り返し点およびその近傍の高電流部分を含み、「底部分」とは三角形状のリプルRの下側の折り返し点およびその近傍の低電流部分を含むことを意図している。
なお、ILセンサ21の異常検知処理時におけるリアクトル電流ILのサンプリングタイミングSTA,STBは、通常時のサンプリングタイミングST2に追加されてもよい。あるいは、異常検知処理時の期間だけ通常サンプリングタイミングST2に代えてサンプリングタイミングSTA,STBでリアクトル電流ILを取得してもよい。また、図5に示すように、サンプリングタイミングSTBに加えて(又は代えて)、リプルRの電流増加が始まるサンプリングタイミングSTCでリアクトル電流ILをサンプリングしてもよい。この場合、2つのサンプリングタイミングSTB,STCを平均して、リプルRの底部分の電流値ILBとしてもよい。
上記のようにリアクトル電流ILのリプルRについて最大電流変動幅ΔILmaxを算出し、これを監視することによってILセンサ21の異常を適切に検知することができる。例えば、ILセンサ21において、検出値がほぼ一定値に張り付いた状態となる異常が生じることがある。以下では、この異常を「固着故障」という。この場合、ILセンサ21の検出値は、図5に示すように、所定の狭い電流変動幅ΔILth内でしか変動しなくなる。この電流変動幅ΔILthはILセンサ21の種類等に応じた固有の値であり、制御装置50のメモリに予め記憶されている。
上述したように求められるリアクトル電流ILの最大電流変動幅ΔILmaxが上記電流変動幅ΔILthより大きければ、ILセンサ21に固着故障が生じていないと判断することができる。しかし、リアクトル電流ILのリプルRの最大電流変動幅ΔILmaxが上記電流変動幅ΔILthよりも小さい場合があり、その場合にはILセンサ21の固着故障を適切に検知できない可能性がある。
そこで、本実施形態の昇圧コンバータ装置10では、下記のようにリプルRの変動幅を一時的に大きくしたうえでリアクトル電流ILのサンプリングを行って、ILセンサ21の固着故障を検知するようにしている。
図6は、本実施形態の制御装置50において実行されるILセンサ21の固着故障を検知するための処理手順を示すフローチャートである。この処理は、制御装置50のCPUにおいて所定時間ごとに実行される。
制御装置50は、まず、ステップS10により、モータ駆動装置100が搭載された電動車両の車速が所定速度SPthよりも高速であるか否かを判定する。このように車速が所定速度SPthより大きい場合にILセンサ21の異常検知処理を実行するのは、コンバータ20の制御に用いるキャリア周波数を低下させると騒音や振動が大きくなる可能性があるため、コンバータ20の騒音および振動が走行音(例えば、エンジン音、ロードノイズ等)で気にならない程度の車速域で実行することでドライバビリティへの影響を抑制するためである。上記ステップS10で肯定判定されると次のステップS12へ進み、そうでなければステップS26へ進む。
ステップS10で肯定判定された場合、制御装置50は、続くステップS12により、キャリア周波数fcrをf1からf2に低下させる。この処理は、キャリア生成部64(図4参照)によって実行される。ここで、f1はILセンサ21の固着故障の検知動作を行う前にコンバータ20の昇圧制御に用いられていたキャリア周波数であり、f2は上記f1よりも低い固着故障検知用のキャリア周波数である。
このようにコンバータ20の制御に用いるキャリア周波数fcrを低下させることで、図7に示すように、スイッチング素子Q1,Q2の制御周期が長くなるためにリアクトル電流ILのリプルRが大きくなる。この状態で、続くステップS14により、図5を参照して説明したようにサンプリングタイミングSTA,STBでILセンサ21による検出値ILA,ILBをサンプリングする。そして、制御装置50は、続くステップS16により、検出値ILAから検出値ILBを減算して、電流変動幅ΔILの実測値(以下「ΔIL実測値」という)を算出する。
次に、制御装置50は、続くステップS18により、上記ΔIL実測値がILセンサ21の固着故障時の電流変動幅ΔILthより小さいか否かを判定する。ここで、図5を参照すると、ILセンサ21が固着故障した場合、ILセンサ21によって検出される検出値ILA,ILBは固着故障時の電流変動幅ΔILth内の狭い範囲でしか変動しない波形上の値として検出されることになる。したがって、検出値ILA,ILBの差分であるΔIL実測値が上記固着故障時の電流変動幅よりも小さい場合には、ILセンサ21に固着故障が発生したとみなせる。
上記ステップS18によりΔIL実測値が固着故障時の電流変動幅ΔILthよりも小さくない場合(ステップS18でNO)、ステップS26の処理を経てセンサ固着故障検知処理を終了する。他方、ΔIL実測値が固着故障時の電流変動幅ΔILthよりも小さいと判定された場合、続くステップS20でn(初期値0)=n+1としてインクレメントし、続くステップS22でnが所定の値m(2以上の整数)になったか否かを判定する。そして、n=mと判定されるまで、上記ステップS14〜S20の処理を繰り返し実行する。このように複数回繰り返してILセンサ21の固着故障を判定することで、固着故障検知の精度が向上する。
ステップS22でn=mと判定された場合、すなわち、ΔIL実測値が固着故障時の電流変動幅ΔILthよりも小さい状態が複数回連続して検出された場合、続くステップS24でILセンサ21が固着故障であると検知する。このようにILセンサ21の固着故障が判定された場合、制御装置50はフェールセーフモードへ移行することができる。このフェールセーフモードとしては、例えば、ILセンサ21の検出値に代えて、IBセンサ13によって検出されるバッテリ電流IBをコンバータ20の電流フィードバック制御に用いることができる。また、制御装置50は、ILセンサ21の固着故障をランプ表示や音声等で運転者に報知するのが好ましい。
そして、制御装置50は、続くステップS26でn=0にリセットするとともに、キャリア周波数fcrをf2からf1に戻す(図7参照)。これにより、ILセンサの固着故障検知処理が終了する。
上述したように、本実施形態の昇圧コンバータ装置10によれば、ILセンサ21の固着故障を検知する際に、リアクトル電流ILのリプルRを一時的に大きくしたうえで、ILセンサによってリプルRの高電流部分である頂点部分とリプルRの低電流部分である底部分とをサンプリングしてILセンサ21の固着故障を判定する。これにより、リアクトル電流ILのリプルRについて正常時と固着故障時の電流変動の差が顕著になり、ILセンサ21の固着故障を適切に検知することが可能になる。
また、本実施形態の昇圧コンバータ装置10によれば、固着故障検知処理のために例えば2つの電流値ILA,ILBをサンプリングする期間だけキャリア周波数を変更するので、このサンプリング期間を可能な限り短くすることでドライバビリティへの影響を小さくすることができる。
さらに、本実施形態の昇圧コンバータ装置10によれば、車速が所定値以上であるときにILセンサ21の固着故障検知処理を実行するため、キャリア周波数fcrの低下によってコンバータ20に騒音および振動が生じたとしても運転者等が気にならない走行状態にあるため、ドライバビリティへの影響を小さくすることができる。
なお、本発明に係る昇圧コンバータ装置は、上述した実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の変更や改良が可能である。
例えば、上記においてはキャリア周波数fcrを低下させることによりリアクトル電流ILのリプルRを大きくすると説明したが、これに限定されるものではなく、図6のステップS12においてかっこ書きで示すように、デューティ指令値変更部66によってデューティ指令値dを一時的に低下させることによってリアクトル電流ILのリプルRを大きくしてもよい。このようにしてデューティ比を低下させることで、図8に示すように、コンバータ20による昇圧電圧が一時的に大きくなってリアクトル電流ILのリプルRの振幅も大きな状態となる。その状態で、リプルRの頂点部分に対応するサンプリングタイミングSTAで電流値ILAを検出するとともに、リプルRの底部分に対応するサンプリングタイミングSTCで電流値ILCを検出して、ILセンサ21の固着故障検知を行うことができる。これによっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。また、このようなデューティ指令値を低下させる処理をキャリア周波数fcrの低下と同時に行って、リプルRの振幅が大きい状態をつくってもよい。なお、リアクトル電流ILの固着故障検知処理用のサンプリングが終わったら、ステップS26によりデューティ指令値dを元の値に戻す。これにより、図8に示すように、コンバータ20の出力電圧は低下する。
また、上記実施形態では、車速が所定値以上のときにキャリア周波数(または/およびデューティ指令値)を低下させてILセンサ21の固着故障検知処理を行うとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、低下させるキャリア周波数f2を騒音および振動が生じにくい周波数に設定する等によってNV(Noise and Vibration)性能の悪化を回避できる場合には、車速にかかわらずILセンサ21の固着故障検知処理を実行してもよい。
また、図9に示すように、コンバータ20にはスイッチング素子の耐圧性能等を考慮して昇圧上限値VHmaxが設定されているが、コンバータ20の出力電圧VHが昇圧上限値VHmaxに達している状態でも、キャリア周波数の低下等によってリアクトル電流ILのリプルを一時的に大きくしたうえでILセンサ21の固着故障検知処理を実行してもよい。通常、昇圧上限値VHmax(例えば600ボルト)は余裕をもって設定されることから、昇圧電圧VHが一時的にΔVH(例えば20ボルト)だけ超過してもスイッチグ素子が故障することはないからである。このようにコンバータ20の出力電圧が昇圧上限値に達している状態でもILセンサの固着故障検知を実行することで、ILセンサの固着故障を適切に検知することが可能になる。
さらに、上記実施形態においては、まず、ステップS10として車速が所定値以上であるときにILセンサ21の固着故障検知処理を実行するとして説明したが、これに先立ち、リアクトル電流ILのリプルRの最大電流変動幅ΔILmaxを計算により推定し、この推定値がILセンサの固着故障時の電流変動幅ΔILthよりも大きいかを判定し、大きいと判定された場合だけステップS10以降の処理を実行するようにしてもよい。この場合、リプルの最大電流変動幅ΔILmax(すなわちリプルの振幅)は、コンバータ20の入力電圧VLおよび出力電圧VH、ならびに、固着故障検知用のサンプリングを行う前のキャリア周波数f1に基づいて算出することができる。より具体的には、図5を参照すると、リアクトル電流ILのリプルRについて、傾きVL/Lに時間T2を乗算するか、または、傾き(VL−VH)/Lに時間T1を乗算することによってリプルRの最大電流変動幅ΔILmaxを算出することができる。このようにすることで、リアクトル電流ILの変動幅がセンサ固着故障時の電流変動幅を超えると推定される場合だけに上記固着故障検知処理を実行することで、ILセンサの固着故障をより確実に検知することが可能になる。
10 昇圧コンバータ装置、11 接続点、12a,12b 正極線、13,21 電流センサ、14 負極線、16,18,22 電圧センサ、20 コンバータ(昇圧コンバータ)、30 インバータ、32 U相アーム、34 V相アーム、36 W相アーム、38 回転角センサ、50 制御装置、52 電圧指令生成部、54,58 減算部、56 電圧制御演算部、60 電流制御演算部、62 駆動信号生成部、64 キャリア生成部、66 デューティ指令値変更部、68 メインループ、70 マイナーループ、100 モータ駆動装置、C1 フィルタコンデンサ、C2 平滑コンデンサ、CR キャリア信号、d デューティ指令値、D1−D8 ダイオード、fcr,f1,f2 キャリア周波数、IB バッテリ電流、IL リアクトル電流、ILA,ILB,ILC 検出値または電流値、IR 電流指令値、L1 リアクトル、M モータ、m 所定値、MRN モータ回転数、Q1−Q8 スイッチング素子、R リプル、S1−S8 ゲート信号、SMR1,SMR2 システムメインリレー、SPth 所定速度、ST1,ST2,ST3 通常サンプリングタイミング、STA,STB,STC (センサ異常検知処理用の)サンプリングタイミング、T1 (スイッチング素子Q1の)オン時間、T2 (スイッチング素子Q2の)オン時間、Tcyc 一制御周期、TR トルク指令値、VB バッテリ電圧、VH 出力電圧、VHmax 昇圧上限値、VL 入力電圧、Vm 電圧、VR 電圧指令値、ΔIL 電流変動幅、ΔILmax 最大電流変動幅または振幅、ΔILth 電流変動幅、θ 検出値。

Claims (3)

  1. リアクトルおよびスイッチング素子を含み、バッテリから入力される電圧を昇圧して出力可能な昇圧コンバータと、
    前記リアクトルに流れるリアクトル電流を検出する電流センサと、
    前記リアクトル電流のフィードバック制御を用いて前記昇圧コンバータを制御する制御装置と、を備える昇圧コンバータ装置であって、
    前記制御装置は、
    前記昇圧コンバータの制御に用いるキャリア周波数を低下させるか、前記昇圧コンバータの制御に用いるデューティ指令値を低下させるかの少なくとも何れかを実行し、
    前記キャリア周波数の低下、または、前記デューティ指令値の低下を実行しているときに前記電流センサで電流リプルの振幅を検出し、
    前記電流リプルの振幅が前記電流センサの異常時における所定の電流変動幅よりも小さい場合に前記電流センサが異常であると検知する、
    昇圧コンバータ装置。
  2. 請求項1に記載の昇圧コンバータ装置において、
    前記キャリア周波数の低下、または、前記デューティ指令値の低下は、前記電流センサによって前記電流リプルの振幅を検出する期間のみで実行される、昇圧コンバータ装置。
  3. 請求項1または2に記載の昇圧コンバータ装置において、
    車速が所定値以上であるときに前記電流センサの異常検知を行う、昇圧コンバータ装置。
JP2014097799A 2014-05-09 2014-05-09 昇圧コンバータ装置 Active JP6233178B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014097799A JP6233178B2 (ja) 2014-05-09 2014-05-09 昇圧コンバータ装置
DE102015208085.4A DE102015208085A1 (de) 2014-05-09 2015-04-30 Aufwärtswandlervorrichtung
US14/705,192 US9438116B2 (en) 2014-05-09 2015-05-06 Control unit for a boost converter device
CN201510226464.9A CN105099180B (zh) 2014-05-09 2015-05-06 升压转换器装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014097799A JP6233178B2 (ja) 2014-05-09 2014-05-09 昇圧コンバータ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015216758A true JP2015216758A (ja) 2015-12-03
JP6233178B2 JP6233178B2 (ja) 2017-11-22

Family

ID=54336767

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014097799A Active JP6233178B2 (ja) 2014-05-09 2014-05-09 昇圧コンバータ装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9438116B2 (ja)
JP (1) JP6233178B2 (ja)
CN (1) CN105099180B (ja)
DE (1) DE102015208085A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018207224A1 (ja) * 2017-05-08 2018-11-15 三菱電機株式会社 電力変換装置

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9998007B2 (en) * 2014-09-05 2018-06-12 Mitsubishi Electric Corporation Boost converter with flying capacitor and refrigeration circuit
JP6265187B2 (ja) * 2015-09-04 2018-01-24 トヨタ自動車株式会社 車両
JP6458762B2 (ja) * 2016-04-28 2019-01-30 トヨタ自動車株式会社 自動車
JP6230665B1 (ja) * 2016-06-27 2017-11-15 三菱電機株式会社 直流電源装置
JP6354801B2 (ja) * 2016-07-21 2018-07-11 トヨタ自動車株式会社 昇圧コンバータ
JP6495413B1 (ja) * 2017-10-19 2019-04-03 本田技研工業株式会社 電源システム
JP6545239B2 (ja) * 2017-12-05 2019-07-17 三菱電機株式会社 電力変換装置
JP6962203B2 (ja) * 2018-01-11 2021-11-05 株式会社デンソー 昇圧システム
JP6895921B2 (ja) * 2018-04-23 2021-06-30 株式会社日立製作所 電力変換装置、及び異常検出方法
US11735995B2 (en) * 2018-06-18 2023-08-22 Hitachi Astemo, Ltd. Multi-phase power converter with drift current

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004312872A (ja) * 2003-04-07 2004-11-04 Toyota Motor Corp 電動機システムの制御装置および制御方法
JP2006258738A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Toyota Motor Corp 電源装置
JP2011109852A (ja) * 2009-11-19 2011-06-02 Toyota Motor Corp 電源システムの制御装置およびそれを搭載する車両
JP2012105511A (ja) * 2010-11-12 2012-05-31 Toyota Motor Corp 駆動装置
JP2013017270A (ja) * 2011-07-01 2013-01-24 Toyota Motor Corp 駆動装置
JP2013021857A (ja) * 2011-07-13 2013-01-31 Toyota Motor Corp モータ駆動制御システム
JP2013106408A (ja) * 2011-11-11 2013-05-30 Toyota Motor Corp 電力供給システム

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3291390B2 (ja) * 1994-02-07 2002-06-10 三菱電機株式会社 インバータの故障検出方式
JP3661572B2 (ja) * 2000-07-18 2005-06-15 日産自動車株式会社 インバーターの電流センサー診断装置
JP2006311635A (ja) 2005-04-26 2006-11-09 Nissan Motor Co Ltd 昇圧コンバータ制御装置
JP4730420B2 (ja) * 2008-10-09 2011-07-20 トヨタ自動車株式会社 モータ駆動装置およびモータ駆動装置の制御方法
WO2013051152A1 (ja) * 2011-10-07 2013-04-11 トヨタ自動車株式会社 電圧変換装置の制御装置及び制御方法
KR101712541B1 (ko) * 2012-07-10 2017-03-06 도요타 지도샤(주) 승압 컨버터의 제어 장치
JP5880967B2 (ja) * 2012-09-28 2016-03-09 株式会社デンソー 交流電動機の制御装置
JP2014097799A (ja) 2014-02-28 2014-05-29 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004312872A (ja) * 2003-04-07 2004-11-04 Toyota Motor Corp 電動機システムの制御装置および制御方法
JP2006258738A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Toyota Motor Corp 電源装置
JP2011109852A (ja) * 2009-11-19 2011-06-02 Toyota Motor Corp 電源システムの制御装置およびそれを搭載する車両
JP2012105511A (ja) * 2010-11-12 2012-05-31 Toyota Motor Corp 駆動装置
JP2013017270A (ja) * 2011-07-01 2013-01-24 Toyota Motor Corp 駆動装置
JP2013021857A (ja) * 2011-07-13 2013-01-31 Toyota Motor Corp モータ駆動制御システム
JP2013106408A (ja) * 2011-11-11 2013-05-30 Toyota Motor Corp 電力供給システム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018207224A1 (ja) * 2017-05-08 2018-11-15 三菱電機株式会社 電力変換装置
CN110603723A (zh) * 2017-05-08 2019-12-20 三菱电机株式会社 功率转换装置
JPWO2018207224A1 (ja) * 2017-05-08 2020-01-16 三菱電機株式会社 電力変換装置
CN110603723B (zh) * 2017-05-08 2021-09-21 三菱电机株式会社 功率转换装置

Also Published As

Publication number Publication date
US9438116B2 (en) 2016-09-06
DE102015208085A1 (de) 2015-11-12
CN105099180B (zh) 2017-09-29
CN105099180A (zh) 2015-11-25
US20150326124A1 (en) 2015-11-12
JP6233178B2 (ja) 2017-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6233178B2 (ja) 昇圧コンバータ装置
JP6248596B2 (ja) ハイブリッド車両のモータ制御装置
JP5979169B2 (ja) 電圧変換装置
JP6149884B2 (ja) 電圧コンバータ制御装置
EP3057215B1 (en) Blend-over between ccm and dcm in forward boost reverse buck converter
JP2011122835A (ja) 蓄電装置の内部抵抗推定装置、蓄電装置の劣化判定装置、および電源システム
EP3057214B1 (en) Blend-over between ccm and dcm in forward boost reverse buck converter
JP5947738B2 (ja) 昇降圧コンバータの制御システム
JP2011109851A (ja) 電源システムの制御装置およびそれを搭載する車両
JP2011223701A (ja) コンバータの電圧推定装置および電圧推定方法
CN105515374A (zh) 电力变换系统
JP2011109850A (ja) 電源システムの制御装置およびそれを搭載する車両
JP2018186684A (ja) 自動車
JP2011109852A (ja) 電源システムの制御装置およびそれを搭載する車両
JP2011101554A (ja) コンバータの制御装置
JP2011109849A (ja) 電源システムの制御装置およびそれを搭載する車両
JP2011055676A (ja) モータ制御装置
JP2015202018A (ja) 電圧変換装置
JP2015201937A (ja) 電圧変換装置
JP2010220306A (ja) モータの制御装置
JP6958408B2 (ja) 昇圧コンバータ装置
JP5708283B2 (ja) 車両
JP5631298B2 (ja) 車両用電源システム
JP2010124662A (ja) モータ駆動システム
JP2010239812A (ja) 電源装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170929

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171009

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6233178

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250