JP2015215514A - 液晶表示素子用シール剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】光照射を必要とせず、熱のみを適用する熱滴下工法用の液晶表示素子用シール剤を提供する。【解決手段】熱硬化性樹脂、熱ラジカル重合開始剤及びシリコーンパウダーを含む、熱滴下工法用の液晶表示素子用シール剤、この液晶表示素子用シール剤を用いて、熱のみによりシール剤を硬化させてシールした液晶表示素子、及び液晶表示素子の製造方法であって、一方の基板上に、この液晶表示素子用シール剤を枠状に塗布し、枠の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を重ね、次いで熱によりシール剤を硬化してシールすることを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示素子用シール剤及びこのシール剤を用いてシールした液晶表示素子に関する。
液晶表示セル等の液晶表示素子の製造方法として、液晶滴下工法が知られている。液晶滴下工法は、例えば、一方の基板上に液晶表示素子用シール剤の枠を形成し、その中に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせることによって、液晶を封止し液晶表示素子を製造する方法である。最近では、光熱併用型の液晶表示素子用シール剤が使用され、二つの基板で挟んだ後、第一段階として、光照射等により液晶表示素子用シール剤を光硬化させ、第二段階として加熱硬化させる手法が採用されている。
一方、液晶表示素子については、モバイル等の小型液晶パネルにおいて、近年ではパネルの高精細化、狭額縁化が進んでいる。これに伴い、シール剤が配線及びブラックマトリックスと重なる設計が増加している。
特開2010−256777号公報
上記のように、シール剤が配線及びブラックマトリックスと重なる設計では、このため、配線及びブラックマトリックスによる遮光部分が大きくなってきて通常の滴下工法では仮固定を目的とした光照射時に未硬部分が生じてしまう。このことは、シール剤の未硬化部分により、液晶のシール剤への差込の増大、シールパス、液晶汚染といった問題を誘発し得る。
このような問題を解決するために、通常の滴下工法とは異なり、光照射を必要としない熱のみで実現可能な液晶滴下工法が求められている。このように、液晶滴下工法において、光照射を必要とせず、熱のみを適用する工法を、本明細書においては熱滴下工法ということとするが、熱滴下工法において使用されるシール剤には、通常の光熱併用型の滴下工法用のシール剤とは異なる物性が要求される。すなわち、通常の光熱併用型の滴下工法では、光照射時により短時間で仮固定するのに対し、熱滴下工法の場合は、光照射することなく、加熱硬化工程に入るため、熱によってシール剤の粘度が低下する一方、液晶の流動性が増し、液晶とシール剤が液状態での接触する時間が長くなり得る。そのため、液晶汚染、液晶のシール剤への差込、シールパスが生じ易く、これらを防止することが重要な課題になる。
本発明は、光照射を必要とせず、熱のみを適用する熱滴下工法用の液晶表示素子用シール剤を提供することを課題とする。
本発明1は、熱硬化性樹脂、熱ラジカル重合開始剤及びシリコーンパウダーを含む、熱滴下工法用の液晶表示素子用シール剤に関する。
本発明2は、熱硬化性樹脂100質量部に対し、熱ラジカル重合開始剤が0.01〜10質量部であり、シリコーンパウダーが1〜60質量部である、本発明1の液晶表示素子用シール剤に関する。
本発明3は、熱ラジカル重合開始剤が、有機過酸化物である、本発明1又は2の液晶表示素子用シール剤に関する。
本発明4は、さらに、遮光性材料を含む、本発明1〜3のいずれかの液晶表示素子用シール剤に関する。
本発明5は、さらに、硬化剤を含む、本発明1〜4のいずれかの液晶表示素子用シール剤に関する。
本発明6は、本発明1〜5のいずれかの液晶表示素子用シール剤を用いて、熱のみによりシール剤を硬化させてシールした液晶表示素子に関する。
本発明7は、液晶表示素子の製造方法であって、一方の基板上に、本発明1〜5のいずれかの液晶表示素子用シール剤を枠状に塗布し、枠の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を重ね、次いで熱によりシール剤を硬化させてシールすることを含む、液晶表示素子の製造方法に関する。
本発明は、光照射を必要とせず、熱のみを適用する熱滴下工法用の液晶表示素子用シール剤である。熱滴下工法において、この液晶表示素子用シール剤を使用してシールすることにより、液晶低汚染性、液晶のシール剤への差込防止性、シールパス抑制を達成することができる。
本発明の熱滴下工法用の液晶表示素子用シール剤は、熱硬化性樹脂、熱ラジカル開始剤及びシリコーンパウダーを含む。
<熱硬化性樹脂>
本発明の液晶表示素子用シール剤は、熱硬化性樹脂を含む。熱硬化性樹脂としては、(メタ)アクリル基を有する樹脂であることが好ましい。接着強度の向上のためエポキシ樹脂を含有してもよい。
(メタ)アクリル基を有する樹脂としては、(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。中でも、熱硬化性樹脂は、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂が好ましい。本明細書において、(メタ)アクリルとは、メタクリル及び/又はアクリルを意味し、(メタ)アクリレートは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味する。また、(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基が(メタ)アクリル酸と反応している樹脂を意味する。部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂中の一部のエポキシ基が(メタ)アクリル酸と反応している樹脂を意味し、すなわち、樹脂中にエポキシ基と(メタ)アクリル基を有する。
エポキシ樹脂は、特に限定されず、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。その他、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物及びそれらのハロゲン化物、水素添加物等も使用することができる。多官能エポキシ樹脂も使用することができ、例えば、三官能及び四官能エポキシ樹脂等が挙げられる。また、特開2012−077202号公報記載のエポキシ樹脂を使用することができる。
(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応により得ることができる。具体的には、エポキシ樹脂に所定の当量比の(メタ)アクリル酸と触媒(例えば、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン等)と、重合防止剤(例えば、メトキノン、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、フェノチアジン、ジブチルヒドロキシトルエン等)を添加して、例えば80〜110℃でエステル化反応を行うことにより、エポキシ基の全部又は一部を(メタ)アクリル化することができる。原料となるエポキシ樹脂は、特に限定されず、2官能以上のエポキシ樹脂が好ましい。例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。その他、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びそれらのハロゲン化物、水素添加物等も使用することができる。多官能エポキシ樹脂も使用することができ、例えば三官能及び四官能エポキシ樹脂が挙げられる。また、特開2012−077202号公報記載のエポキシ樹脂を使用することができる。
部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、樹脂中の(メタ)アクリル基とエポキシ基との合計モル数に対して、(メタ)アクリル基が10〜90モル%であることが好ましく、より好ましくは40〜60モル%である。部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、好ましくは一分子中にエポキシ基と(メタ)アクリル基とを、それぞれ1個以上含有する化合物を含む。
(メタ)アクリル樹脂は、メタクリル及び/又はアクリル基を有する樹脂であれば、特に限定されず、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂として、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを使用することができ、例えばヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等)、ポリオール(メタ)アクリレート(グリセリンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等)、アルキレンオキサイド付加ポリオール(メタ)アクリレート(例えば、アルキレンオキサイド付加トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド付加ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等)等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂として、脂環式(メタ)アクリレートを使用することができ、例えばシクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単環式(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート等の2環式(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の3環式(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂として、ポリイソプレン、ポリブタジエン及びポリウレタンから選択される少なくとも1種を骨格に含む(メタ)アクリレートを使用することができる。ポリイソプレンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品として、例えば、クラレ社製の「UC−1」(重量平均分子量25000)が挙げられ、ポリブタジエンを骨格に含む(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品として、例えば、日本曹達社製の「TE2000」(重量平均分子量2000)が挙げられ、ポリウレタンを骨格に含む(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品として、例えば、ライトケミカル社製の「UA−1」が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、単独でも、2種以上を併用してもよく、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂を含むことが好ましく、例えば部分(メタ)アクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂がより好ましい。
<熱ラジカル重合開始剤>
熱ラジカル重合開始剤は、特に限定されず、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。反応時にアウトガスや不純物成分の発生が少ないため、有機過酸化物が好ましい。
アゾ化合物としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。具体例には、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイル)パーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾアート、t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジブチルパーオキシヘキサン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、メチルエチルケトンパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート等が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤は、10時間半減期温度が40℃〜120℃であるものが好ましい。この範囲であれば、シール剤の保存安定性が良好で、十分な反応性も期待できる。熱ラジカル開始剤の10時間半減期温度は、好ましくは50〜100℃であり、より好ましくは60〜80℃である。
<シリコーンパウダー>
シリコーンパウダーは、特に限定されず、無機担持体にシリコーンオイルを配合させてパウダー化したもの、シリコーンオイルを三次元架橋させたシリコーンレジンを粉末化したもの、シリコーンゴムを粉末化したもの等が挙げられる。シリコーンパウダーの表面はシリコーンレジンで被覆されていてもよい。シリコーンパウダーとしては、例えば、信越化学社製KMP−600、KMP−601、KMP−598、東レ・ダウコーニング社製EP−5500等を使用することができる。
シリコーンパウダーは、平均粒子径が0.5〜30μmであるものが好ましい。この範囲であれば、液晶のシール剤への差込耐性が良好であり、ギャップ不良も防止しやすい。平均粒子径は、より好ましくは2〜20μmであり、さらに好ましくは4〜10μmである。本明細書において、平均粒子径は、レーザー回折法で用いて測定しており、体積基準分布におけるメジアン径D-50の値をいう。
シリコーンパウダーは、ゴム硬度デュロメータAで測定した硬度が75以下であるものが好ましい。この範囲であれば、ギャップ不良も防止しやすい。硬度は、より好ましくは50以下であり、さらに好ましくは30以下である。
<配合量>
本発明のシール剤において、熱硬化性樹脂100質量部に対し、熱ラジカル重合開始剤は、0.01〜10質量部であることが好ましい。この範囲であれば、十分な硬化性が得られ、良好なシール剤の保存安定性も確保できる。より好ましくは、0.1〜8質量部、さらに好ましくは1〜6質量部である。
本発明のシール剤において、熱硬化性樹脂100質量部に対し、シリコーンパウダーは、1〜60質量部であることが好ましい。この範囲であれば、液晶のシール剤への差込防止性が良好であり、ギャップ不良も防止しやすい。より好ましくは、10〜50質量部、さらに好ましくは15〜40質量部である。
<その他の添加剤>
本発明のシール剤は、遮光性材料、フィラー(無機フィラー、有機フィラー等)、硬化剤、カップリング剤、チキソ付与剤、エラストマー、反応性希釈剤、連鎖移動剤、硬化促進剤、イオントラップ剤、イオン交換剤、レベリング剤、顔料、染料、可塑剤、消泡剤等の添加剤を含んでいてもよい。
(遮光性材料)
本発明のシール剤は、液晶表示素子のシール近傍における光漏れやコントラスト向上のため、本発明のシール剤に、遮光性材料を含有させ、遮光性を付与することができる。ここで遮光性とは、遮光性材料を含有する本発明のシール剤の硬化物が3〜5のOD(光学濃度)値を有するものをいう。遮光性材料は、特に限定されず、液晶に対する汚染性が小さいものを使用することが好ましい。例えば、カーボンブラック、チタンブラック等が挙げられる。
遮光性材料は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、50質量部以下で使用することができ、例えば、5〜40質量部が挙げられ、好ましくは10〜30質量部である。
(フィラー)
本発明のシール剤に、応力分散による強度向上等を目的として、フィラーを含有させることができる。ここで、フィラーには、シリコーンパウダーは包含されないこととする。フィラーは、特に限定されず、無機フィラー、有機フィラーのいずれも使用することができる。無機フィラーとしては、例えば、アルミナ、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、カオリン、ガラスビーズ、セリサイト、活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等が挙げられ、アルミナ、シリカ、タルク等が好ましい。有機フィラーとしては、樹脂フィラーを使用することができ、例えば、ポリメタクリル酸メチル粒子等のアクリル粒子、ポリスチレン粒子、これらを構成するモノマーと他のモノマーとを共重合させて得られる共重合体粒子、ポリエステル粒子、ポリウレタン粒子、ゴム粒子、高いガラス転移温度を有する共重合体を含むシェルと低いガラス転移温度を有する共重合体のコアとから構成されるコアシェルタイプ粒子等が挙げられ、コアシェルタイプ粒子、ゴム粒子が好ましく、コアシェルタイプ粒子がより好ましい。コアシェルタイプ粒子としては、ガンツ化成社製ゼフィアックシリーズ(F351等)が挙げられる。フィラーは、熱硬化性樹脂100質量部に対して、50質量部以下とすることができ、良好な硬化性及び塗工性を得る点から、例えば、1〜50質量部が挙げられ、好ましくは5〜40質量部であり、さらに好ましくは10〜35質量部である。
(硬化剤)
本発明のシール剤に、硬化性向上等を目的として、硬化剤を含有させることができる。
特に、熱硬化性樹脂として、エポキシ基を含有する樹脂を使用する場合、硬化剤を含有することが好ましい。
硬化剤は、特に限定されず、例えば、有機酸ヒドラジド類、イミダゾール類、アミン類、多価フェノール類、酸無水物類、ジシアンジアミド等が挙げられる。有機酸ヒドラジド類としては、VDH、VDH−J(1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン)、MDH(マロン酸ジヒドラジド)、ADH(アジピン酸ジヒドラジド)、UDH、UDH−J(7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド)及びLDH(オクタデカン−1,18−ジカルボン酸ジヒドラジド)が挙げられる。イミダゾール類としては、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加塩、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。アミン類は、アミンアダクトであってもよい。
硬化剤は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、50質量部以下とすることができる。熱硬化性樹脂としてエポキシ基を含有する樹脂を使用する場合、良好な硬化性及び塗工性の点から、エポキシ樹脂を含有する樹脂100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜40質量部であり、さらに好ましくは10〜30質量部である。
(カップリング剤)
本発明のシール剤に、界面密着性改善等を目的として、カップリング剤を含有させることができる。カップリング剤は、特に限定されず、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。シランカップリング剤としては、シランカップリング剤としてはγ−アミノプロピルトリメトキシシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
カップリング剤は、熱硬化性樹脂100質量部に対し、10質量部以下とすることができ、良好な密着性及び塗工性を得る点から、例えば、1〜10質量部が挙げられ、好ましくは1〜8質量部であり、さらに好ましくは1.2〜5質量部である。
(チキソ付与剤)
本発明のシール剤に、塗工性改善等を目的として、チキソ付与剤を含有させることができる。チキソ付与剤は、特に限定されず、ヒュームドシリカ等の微粒子シリカ、微粒子アルミナ、脂肪族アマイド等が挙げられる。チキソ付与剤は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、10質量部以下とすることができ、塗工性改善の点から、例えば、0.1〜10質量部が挙げられ、好ましくは1〜8質量部であり、より好ましくは2〜5質量部である。
(重合禁止剤)
本発明のシール剤に、シール剤の保存安定性等を目的として、重合禁止剤を含有させることができる。重合禁止剤は、特に限定されず、ジブチルヒドロキシトルエン、メチルヒドロキノン等が挙げられる。重合禁止剤は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、10質量部以下とすることができ、硬化性を確保しつつ、良好な保存安定性を得る点から、例えば、0.01〜10質量部が挙げられ、好ましくは0.05〜8質量部であり、より好ましくは0.1〜5質量部である。
<粘度>
本発明のシール剤は、E型粘度計で、25℃、0.5rpmの条件で測定した場合の粘度が300Pa・s以上であることが好ましい。この範囲であれば、シールパスを回避することができる。粘度の下限は、好ましくは400Pa・sであり、より好ましくは500Pa・sである。上限は、シール剤として機能する限り、特に限定されず、例えば、1,800Pa・s以下とすることができる。
本発明のシール剤を調製する方法は、特に限定されず、各成分を混合することにより調製することができる。混合には、例えば、プラネタリーミキサー、三本ロールミル等の混合装置を用いることができる。
本発明のシール剤は、液晶滴下工法に用いて、液晶表示素子を製造することができる。例えば、一方の基板上に、本発明の液晶表示素子用シール剤で枠を形成し、その中に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせることによって、液晶をシールして液晶表示素子を製造することができる。
本発明のシール剤は、熱によって硬化させる。加熱条件は、特に限定されず、配合する熱硬化性樹脂、熱ラジカル重合開始剤、シリコーンパウダーの種類及び量等によって、適宜、選択することができる。例えば、80〜140℃、20〜120分の条件で加熱することができるが、これに限定されない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。表示は、特に断りがない限り、質量部、質量%である。
[合成例]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EXA850CRP、DIC株式会社製)340g、メタクリル酸(東京化成社製)90.4g、トリフェニルホスフィン(東京化成社製)0.5g、及びジブチルヒドロキシトルエン(BHT)100mgを混合し100℃で6時間撹拌した。淡黄色透明粘稠物の樹脂418g得た。この樹脂は、エポキシ基が部分的にメタクリル化した構造を含み、樹脂中のメタクリル基とエポキシ基との合計モル数に対して、メタクリル基が50モル%であった。
表1に示す配合で、各成分を混合し、三本ロールミルを用いて十分に混練して、実施例及び比較例の組成物を調製した。
[粘度]
組成物の粘度は、E型粘度計(東機産業社製)で、25℃、0.5rpmの条件で測定した。
[シールパス・液晶差込・液晶配向の評価]
ガラス基板にVA用の配向膜を塗布後、焼成しラビング処理してPI基板を作製した。作製したPI基板に3.9μmのシリカスペーサーを散布し、比較例、実施例のシール剤をそれぞれ4枠描画し、VA用の液晶を滴下して別のPI基板と貼り合せた。貼り合せた基板を120℃×30分で加熱硬化させ液晶セルを作製した。
作製した液晶セルについて、シールパス、液晶差込、液晶配向の評価を実施した。シールパスはシールパスが4枠すべてあるものを×、シールパスが一部あるものを△、シールパスが見られないものを○とした。
液晶差込はシールパスがあるものを×、シールパスはないが液晶が差し込んでいるものを△、液晶の差込が見られないものを○とした。
液晶配向は液晶汚染性の指標となるものであって、シールパスによる評価不可を×、配向不良がみられるものを△、配向不良が軽微なものを○とした。
結果を、下記の表1に示す。
Figure 2015215514
表1から明らかなように、本発明のシール剤によれば、シールパス、液晶差込、液晶汚染を抑制することができる。
本発明によれば、光照射を必要とせず、熱のみを適用する熱滴下工法用の液晶表示素子用シール剤が提供される。熱滴下工法において、この液晶表示素子用シール剤を使用してシールすることにより、液晶低汚染性、液晶のシール剤への差込防止性、シールパス抑制を達成することができる。

Claims (7)

  1. 熱硬化性樹脂、熱ラジカル重合開始剤及びシリコーンパウダーを含む、熱滴下工法用の液晶表示素子用シール剤。
  2. 熱硬化性樹脂100質量部に対し、熱ラジカル重合開始剤が0.01〜10質量部であり、シリコーンパウダーが1〜60質量部である、請求項1記載の液晶表示素子用シール剤。
  3. 熱ラジカル重合開始剤が、有機過酸化物である、請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤。
  4. さらに、遮光性材料を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の液晶表示素子用シール剤。
  5. さらに、硬化剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の液晶表示素子用シール剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の液晶表示素子用シール剤を用いて、熱のみによりシール剤を硬化させてシールした液晶表示素子。
  7. 液晶表示素子の製造方法であって、一方の基板上に、請求項1〜5のいずれか1項記載の液晶表示素子用シール剤を枠状に塗布し、枠の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を重ね、次いで熱によりシール剤を硬化してシールすることを含む、液晶表示素子の製造方法。
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