JP2015215514A - 液晶表示素子用シール剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明2は、熱硬化性樹脂100質量部に対し、熱ラジカル重合開始剤が0.01〜10質量部であり、シリコーンパウダーが1〜60質量部である、本発明1の液晶表示素子用シール剤に関する。
本発明3は、熱ラジカル重合開始剤が、有機過酸化物である、本発明1又は2の液晶表示素子用シール剤に関する。
本発明4は、さらに、遮光性材料を含む、本発明1〜3のいずれかの液晶表示素子用シール剤に関する。
本発明5は、さらに、硬化剤を含む、本発明1〜4のいずれかの液晶表示素子用シール剤に関する。
本発明6は、本発明1〜5のいずれかの液晶表示素子用シール剤を用いて、熱のみによりシール剤を硬化させてシールした液晶表示素子に関する。
本発明7は、液晶表示素子の製造方法であって、一方の基板上に、本発明1〜5のいずれかの液晶表示素子用シール剤を枠状に塗布し、枠の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を重ね、次いで熱によりシール剤を硬化させてシールすることを含む、液晶表示素子の製造方法に関する。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、熱硬化性樹脂を含む。熱硬化性樹脂としては、(メタ)アクリル基を有する樹脂であることが好ましい。接着強度の向上のためエポキシ樹脂を含有してもよい。
熱ラジカル重合開始剤は、特に限定されず、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。反応時にアウトガスや不純物成分の発生が少ないため、有機過酸化物が好ましい。
シリコーンパウダーは、特に限定されず、無機担持体にシリコーンオイルを配合させてパウダー化したもの、シリコーンオイルを三次元架橋させたシリコーンレジンを粉末化したもの、シリコーンゴムを粉末化したもの等が挙げられる。シリコーンパウダーの表面はシリコーンレジンで被覆されていてもよい。シリコーンパウダーとしては、例えば、信越化学社製KMP−600、KMP−601、KMP−598、東レ・ダウコーニング社製EP−5500等を使用することができる。
本発明のシール剤において、熱硬化性樹脂100質量部に対し、熱ラジカル重合開始剤は、0.01〜10質量部であることが好ましい。この範囲であれば、十分な硬化性が得られ、良好なシール剤の保存安定性も確保できる。より好ましくは、0.1〜8質量部、さらに好ましくは1〜6質量部である。
本発明のシール剤において、熱硬化性樹脂100質量部に対し、シリコーンパウダーは、1〜60質量部であることが好ましい。この範囲であれば、液晶のシール剤への差込防止性が良好であり、ギャップ不良も防止しやすい。より好ましくは、10〜50質量部、さらに好ましくは15〜40質量部である。
本発明のシール剤は、遮光性材料、フィラー(無機フィラー、有機フィラー等)、硬化剤、カップリング剤、チキソ付与剤、エラストマー、反応性希釈剤、連鎖移動剤、硬化促進剤、イオントラップ剤、イオン交換剤、レベリング剤、顔料、染料、可塑剤、消泡剤等の添加剤を含んでいてもよい。
本発明のシール剤は、液晶表示素子のシール近傍における光漏れやコントラスト向上のため、本発明のシール剤に、遮光性材料を含有させ、遮光性を付与することができる。ここで遮光性とは、遮光性材料を含有する本発明のシール剤の硬化物が3〜5のOD(光学濃度)値を有するものをいう。遮光性材料は、特に限定されず、液晶に対する汚染性が小さいものを使用することが好ましい。例えば、カーボンブラック、チタンブラック等が挙げられる。
遮光性材料は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、50質量部以下で使用することができ、例えば、5〜40質量部が挙げられ、好ましくは10〜30質量部である。
本発明のシール剤に、応力分散による強度向上等を目的として、フィラーを含有させることができる。ここで、フィラーには、シリコーンパウダーは包含されないこととする。フィラーは、特に限定されず、無機フィラー、有機フィラーのいずれも使用することができる。無機フィラーとしては、例えば、アルミナ、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、カオリン、ガラスビーズ、セリサイト、活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等が挙げられ、アルミナ、シリカ、タルク等が好ましい。有機フィラーとしては、樹脂フィラーを使用することができ、例えば、ポリメタクリル酸メチル粒子等のアクリル粒子、ポリスチレン粒子、これらを構成するモノマーと他のモノマーとを共重合させて得られる共重合体粒子、ポリエステル粒子、ポリウレタン粒子、ゴム粒子、高いガラス転移温度を有する共重合体を含むシェルと低いガラス転移温度を有する共重合体のコアとから構成されるコアシェルタイプ粒子等が挙げられ、コアシェルタイプ粒子、ゴム粒子が好ましく、コアシェルタイプ粒子がより好ましい。コアシェルタイプ粒子としては、ガンツ化成社製ゼフィアックシリーズ(F351等)が挙げられる。フィラーは、熱硬化性樹脂100質量部に対して、50質量部以下とすることができ、良好な硬化性及び塗工性を得る点から、例えば、1〜50質量部が挙げられ、好ましくは5〜40質量部であり、さらに好ましくは10〜35質量部である。
本発明のシール剤に、硬化性向上等を目的として、硬化剤を含有させることができる。
特に、熱硬化性樹脂として、エポキシ基を含有する樹脂を使用する場合、硬化剤を含有することが好ましい。
本発明のシール剤に、界面密着性改善等を目的として、カップリング剤を含有させることができる。カップリング剤は、特に限定されず、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。シランカップリング剤としては、シランカップリング剤としてはγ−アミノプロピルトリメトキシシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
カップリング剤は、熱硬化性樹脂100質量部に対し、10質量部以下とすることができ、良好な密着性及び塗工性を得る点から、例えば、1〜10質量部が挙げられ、好ましくは1〜8質量部であり、さらに好ましくは1.2〜5質量部である。
本発明のシール剤に、塗工性改善等を目的として、チキソ付与剤を含有させることができる。チキソ付与剤は、特に限定されず、ヒュームドシリカ等の微粒子シリカ、微粒子アルミナ、脂肪族アマイド等が挙げられる。チキソ付与剤は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、10質量部以下とすることができ、塗工性改善の点から、例えば、0.1〜10質量部が挙げられ、好ましくは1〜8質量部であり、より好ましくは2〜5質量部である。
本発明のシール剤に、シール剤の保存安定性等を目的として、重合禁止剤を含有させることができる。重合禁止剤は、特に限定されず、ジブチルヒドロキシトルエン、メチルヒドロキノン等が挙げられる。重合禁止剤は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、10質量部以下とすることができ、硬化性を確保しつつ、良好な保存安定性を得る点から、例えば、0.01〜10質量部が挙げられ、好ましくは0.05〜8質量部であり、より好ましくは0.1〜5質量部である。
本発明のシール剤は、E型粘度計で、25℃、0.5rpmの条件で測定した場合の粘度が300Pa・s以上であることが好ましい。この範囲であれば、シールパスを回避することができる。粘度の下限は、好ましくは400Pa・sであり、より好ましくは500Pa・sである。上限は、シール剤として機能する限り、特に限定されず、例えば、1,800Pa・s以下とすることができる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EXA850CRP、DIC株式会社製)340g、メタクリル酸(東京化成社製)90.4g、トリフェニルホスフィン(東京化成社製)0.5g、及びジブチルヒドロキシトルエン(BHT)100mgを混合し100℃で6時間撹拌した。淡黄色透明粘稠物の樹脂418g得た。この樹脂は、エポキシ基が部分的にメタクリル化した構造を含み、樹脂中のメタクリル基とエポキシ基との合計モル数に対して、メタクリル基が50モル%であった。
組成物の粘度は、E型粘度計(東機産業社製)で、25℃、0.5rpmの条件で測定した。
[シールパス・液晶差込・液晶配向の評価]
ガラス基板にVA用の配向膜を塗布後、焼成しラビング処理してPI基板を作製した。作製したPI基板に3.9μmのシリカスペーサーを散布し、比較例、実施例のシール剤をそれぞれ4枠描画し、VA用の液晶を滴下して別のPI基板と貼り合せた。貼り合せた基板を120℃×30分で加熱硬化させ液晶セルを作製した。
作製した液晶セルについて、シールパス、液晶差込、液晶配向の評価を実施した。シールパスはシールパスが4枠すべてあるものを×、シールパスが一部あるものを△、シールパスが見られないものを○とした。
液晶差込はシールパスがあるものを×、シールパスはないが液晶が差し込んでいるものを△、液晶の差込が見られないものを○とした。
液晶配向は液晶汚染性の指標となるものであって、シールパスによる評価不可を×、配向不良がみられるものを△、配向不良が軽微なものを○とした。
結果を、下記の表1に示す。
Claims (7)
- 熱硬化性樹脂、熱ラジカル重合開始剤及びシリコーンパウダーを含む、熱滴下工法用の液晶表示素子用シール剤。
- 熱硬化性樹脂100質量部に対し、熱ラジカル重合開始剤が0.01〜10質量部であり、シリコーンパウダーが1〜60質量部である、請求項1記載の液晶表示素子用シール剤。
- 熱ラジカル重合開始剤が、有機過酸化物である、請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤。
- さらに、遮光性材料を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の液晶表示素子用シール剤。
- さらに、硬化剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の液晶表示素子用シール剤。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の液晶表示素子用シール剤を用いて、熱のみによりシール剤を硬化させてシールした液晶表示素子。
- 液晶表示素子の製造方法であって、一方の基板上に、請求項1〜5のいずれか1項記載の液晶表示素子用シール剤を枠状に塗布し、枠の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を重ね、次いで熱によりシール剤を硬化してシールすることを含む、液晶表示素子の製造方法。
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