JP2014238575A - 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents

液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性及び硬化性に優れる液晶滴下工法用シール剤を提供する。また、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造された上下導通材料及び液晶表示素子を提供する。
【解決手段】硬化性樹脂と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、ナフトキノン系化合物及び/又はナフタレン誘導体とを含有する液晶滴下工法用シール剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、保存安定性及び硬化性に優れる液晶滴下工法用シール剤に関する。また、本発明は、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造された上下導通材料及び液晶表示素子に関する。
近年、液晶表示素子の製造方法としては、タクトタイム短縮、使用液晶量の最適化といった観点から、特許文献1、特許文献2に開示されているような、硬化性樹脂と光重合開始剤と熱硬化剤とを含有する光熱併用硬化型のシール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶滴下方式が用いられている。
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ね合わせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うことで極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
製造されたシール剤は、通常、使用時以外は反応を抑制するために低温で保存される。しかしながら、低温で保存しているにも関わらず、反応が進行して高粘度化したりゲル化したりするものがあった。このようなシール剤の保存時の反応を抑制する方法として、シール剤に重合禁止剤を配合することが考えられるが、重合禁止剤を配合しても高粘度化したりゲル化したりするものがあるという問題があった。また、重合禁止剤を多量に配合すると、使用時の反応が阻害されるという問題があった。
特開2001−133794号公報 国際公開第02/092718号
本発明は、保存安定性及び硬化性に優れる液晶滴下工法用シール剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造された上下導通材料及び液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、硬化性樹脂と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、ナフトキノン系化合物及び/又はナフタレン誘導体とを含有する液晶滴下工法用シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、鋭意検討した結果、驚くべきことに、重合禁止剤としてナフトキノン系化合物及び/又はナフタレン誘導体を配合した場合に、低温での保存時におけるシール剤の反応を顕著に抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、ナフトキノン系化合物及び/又はナフタレン誘導体を含有する。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、上記ナフトキノン系化合物及び/又は上記ナフタレン誘導体を含有することにより、保存安定性及び硬化性に優れるものとなる。これらは反応系中にラジカルが発生する場合に効果を発揮し、特に、ラジカル重合開始剤を使用する場合に優れた効果を発揮する。
上記ナフトキノン系化合物としては、例えば、1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、アントロン等が挙げられる。
上記ナフトキノン系化合物のうち市販されているものとしては、例えば、キノパワーQS−30、キノパワーNQI、キノパワーLSN、キノパワーATR(いずれも川崎化成社製)、1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、アントロン(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン誘導体としては、例えば、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸アンモニウム、4−メトキシ−1−ナフトール等が挙げられる。
上記ナフタレン誘導体のうち市販されているものとしては、例えば、キノパワーWSI、キノパワーMNT(いずれも川崎化成工業社製)、4−メトキシ−1−ナフトール(和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記ナフトキノン系化合物及び/又は上記ナフタレン誘導体の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.001重量部、好ましい上限が5重量部である。上記ナフトキノン系化合物及び/又は上記ナフタレン誘導体の含有量が0.001重量部未満であると、保存時におけるシール剤の反応を充分に抑制できないことがある。上記ナフトキノン系化合物及び/又は上記ナフタレン誘導体の含有量が5重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤の使用時における硬化性が低下することがある。上記ナフトキノン系化合物及び/又は上記ナフタレン誘導体の含有量のより好ましい下限は0.017重量部、より好ましい上限は1.7重量部である。
なお、「上記ナフトキノン系化合物及び/又は上記ナフタレン誘導体の含有量」は、上記ナフトキノン系化合物及び上記ナフタレン誘導体の両方を含有する場合はその合計の含有量を意味し、いずれか一方のみを含有する場合は含有する一方の含有量を意味する。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂は、アクリロイル基を有する樹脂(以下、アクリル樹脂ともいう)を含有することが好ましい。本発明の液晶滴下工法用シール剤における保存安定性を向上させる効果は、特に、上記アクリル樹脂と後述する熱ラジカル重合開始剤とを用いる場合に顕著に発揮される。
上記アクリル樹脂としては、例えば、アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシアクリレート、イソシアネートに水酸基を有するアクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタンアクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記「エポキシアクリレート」とは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基をアクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記エステル化合物のうち単官能のものとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、イミドアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、ビシクロペンテニルアクリレート、イソデシルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
また、上記エステル化合物のうち2官能のものとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジアクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルアクリレート、カーボネートジオールジアクリレート、ポリエーテルジオールジアクリレート、ポリエステルジオールジアクリレート、ポリカプロラクトンジオールジアクリレート、ポリブタジエンジオールジアクリレート等が挙げられる。
また、上記エステル化合物のうち3官能以上のものとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリントリアクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
上記エポキシアクリレートとしては、例えば、エポキシ樹脂とアクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られるもの等が挙げられる。
上記エポキシアクリレートを合成するための原料となるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれも三菱化学社製)、エピクロン850(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鉄住金化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鉄住金化学社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鉄住金化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシアクリレートは、具体的には例えば、レゾルシノール型エポキシ樹脂(EX−201、ナガセケムテックス社製)360重量部と、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部と、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部と、アクリル酸210重量部とを、空気を送り込んで還流攪拌しながら、90℃で5時間反応させることによってレゾルシノール型エポキシアクリレートを得ることができる。
上記エポキシアクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、EBECRYL3700(ダイセル・オルネクス社製)等が挙げられる。
上記イソシアネートに水酸基を有するアクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタンアクリレートとしては、例えば、2つのイソシアネート基を有する化合物1当量に対して水酸基を有するアクリル酸誘導体2当量を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記ウレタンアクリレートの原料となるイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記ウレタンアクリレートの原料となるイソシアネートとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記ウレタンアクリレートの原料となる、水酸基を有するアクリル酸誘導体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート等の市販品やエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノアクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノアクリレート又はジアクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート等のエポキシアクリレート等が挙げられる。
上記ウレタンアクリレートは、具体的には例えば、トリメチロールプロパン134重量部、重合禁止剤としてBHT0.2重量部、反応触媒としてジブチル錫ジラウリレート0.01重量部、イソホロンジイソシアネート666重量部を加え、60℃で還流攪拌しながら2時間反応させ、次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート51重量部を加え、空気を送り込んで還流攪拌しながら90℃で2時間反応させることにより得ることができる。
また、上記硬化性樹脂は、上記アクリル樹脂として部分アクリル変性エポキシ樹脂を含有してもよい。
なお、本明細書において上記「部分アクリル変性エポキシ樹脂」とは、1分子中にエポキシ基とアクリロイル基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味し、例えば、2つ以上のエポキシ樹脂の一部分のエポキシ基をアクリル酸と反応させることによって得ることができる。
上記硬化性樹脂100重量部中における上記アクリル樹脂の含有量の好ましい下限は40重量部、好ましい上限は95重量部である。上記アクリル樹脂の含有量が40重量部未満であると、液晶汚染が発生することがある。上記アクリル樹脂の含有量が95重量部を超えると、接着力が低下することがある。上記アクリル樹脂の含有量のより好ましい下限は50重量部、より好ましい上限は90重量部である。
上記硬化性樹脂は、上記アクリル樹脂に加えて、メタクリロイル基を有する樹脂(以下、メタクリル樹脂ともいう)を含有してもよい。
上記メタクリル樹脂としては、上記アクリル樹脂におけるアクリロイル基をメタクリロイル基としたもの等が挙げられる。
上記硬化性樹脂は、得られる液晶滴下工法用シール剤の接着性を向上させることを目的として、更に、上記部分アクリル変性エポキシ樹脂以外のエポキシ基を有する樹脂(以下、エポキシ樹脂ともいう)を含有してもよい。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、上記エポキシアクリレートを合成するための原料となるエポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤が上記エポキシ樹脂を含有する場合、(メタ)アクリロイル基とエポキシ基との比が50:50〜95:5になるように上記(メタ)アクリル樹脂と上記エポキシ樹脂とを配合することが好ましい。(メタ)アクリロイル基の比率が50%未満であると、重合が完了しても未硬化のエポキシ樹脂成分が多く存在するため液晶汚染が発生することがある。(メタ)アクリロイル基の比率が95%を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤が接着性に劣るものとなることがある。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基及びメタクリロイル基を意味し、「上記(メタ)アクリル樹脂」とは、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂を意味する。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、重合開始剤及び/又は熱硬化剤を含有する。
上記重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、熱カチオン重合開始剤等が挙げられる。上述したように、本発明の液晶滴下工法用シール剤における保存安定性を向上させる効果は、特に、上記アクリル樹脂と上記熱ラジカル重合開始剤とを用いる場合に顕著に発揮される。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化物やアゾ化合物等が挙げられる。なかでも、高分子アゾ化合物からなる高分子アゾ開始剤が好ましい。
なお、本明細書において高分子アゾ開始剤とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイル基を反応させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量の好ましい下限は1000、好ましい上限は30万である。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量が1000未満であると、高分子アゾ開始剤が液晶に悪影響を与えることがある。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量が30万を超えると、硬化性樹脂への混合が困難になることがある。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量のより好ましい下限は5000、より好ましい上限は10万であり、更に好ましい下限は1万、更に好ましい上限は9万である。
なお、本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記高分子アゾ開始剤としては、例えば、アゾ基を介してポリアルキレンオキサイドやポリジメチルシロキサン等のユニットが複数結合した構造を有するものが挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
上記過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、パーブチルO、パーヘキシルO、パーブチルPV(いずれも日油社製)、V−30、V−501、V−601、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACURE OXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製)、NCI−930(ADEKA社製)、SPEEDCURE EMK(日本シーベルヘグナー社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−170(いずれもADEKA社製)等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩等の各種オニウム塩類等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77(いずれもADEKA社製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L(いずれも三新化学工業社製)、CIシリーズ(日本曹達社製)等が挙げられる。
上記重合開始剤の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤を充分に硬化させることができないことがある。上記重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤の保存安定性が低下することがある。
上記熱硬化剤としては、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記固形の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、SDH、MDH(いずれも、日本ファインケム社製)、ADH(大塚化学社製)、アミキュアVDH、アミキュアVDH−J、アミキュアUDH(いずれも、味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が1重量部、好ましい上限が50重量部である。上記熱硬化剤の含有量が1重量部未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤を充分に硬化させることができないことがある。上記熱エポキシ熱硬化剤の含有量が50重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤の粘度が高くなり、塗布性等を損ねることがある。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい上限は30重量部である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、粘度の向上、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善、硬化物の耐湿性の向上等を目的として充填剤を含有することが好ましい。
上記充填剤としては、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土、窒化アルミニウム等の無機充填剤や、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機充填剤が挙げられる。これらの充填剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記充填剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が10重量部、好ましい上限が70重量部である。上記充填剤の含有量が10重量部未満であると、接着性の改善等の効果が充分に発揮されないことがある。上記充填剤の含有量が70重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤の粘度が高くなり、塗布性が悪くなることがある。上記充填剤の含有量のより好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は60重量部である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、シランカップリング剤を含有することが好ましい。上記シランカップリング剤は、主にシール剤と基板等とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、基板等との接着性を向上させる効果に優れ、硬化性樹脂と化学結合することにより液晶中への硬化性樹脂の流出を抑制することができることから、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、遮光剤を含有してもよい。上記遮光剤を含有することにより、本発明の液晶滴下工法用シール剤は、遮光シール剤として好適に用いることができる。
上記遮光剤としては、例えば、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、フラーレン、カーボンブラック、樹脂被覆型カーボンブラック等が挙げられる。なかでも、チタンブラックが好ましい。
上記チタンブラックは、波長300〜800nmの光に対する平均透過率と比較して、紫外線領域付近、特に波長370〜450nmの光に対する透過率が高くなる物質である。即ち、上記チタンブラックは、可視光領域の波長の光を充分に遮蔽することで本発明の液晶滴下工法用シール剤に遮光性を付与する一方、紫外線領域付近の波長の光は透過させる性質を有する遮光剤である。従って、上記光ラジカル重合開始剤や上記光カチオン重合開始剤として、上記チタンブラックの透過率の高くなる波長(370〜450nm)の光によって反応を開始可能なものを用いることで、本発明の液晶滴下工法用シール剤の光硬化性をより増大させることができる。また一方で、本発明の液晶滴下工法用シール剤に含有される遮光剤としては、絶縁性の高い物質が好ましく、絶縁性の高い遮光剤としてもチタンブラックが好適である。
上記チタンブラックは、1μmあたりの光学濃度(OD値)が、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。上記チタンブラックの遮光性は高ければ高いほどよく、上記チタンブラックのOD値に好ましい上限は特にないが、通常は5以下となる。
上記チタンブラックは、表面処理されていないものでも充分な効果を発揮するが、表面がカップリング剤等の有機成分で処理されているものや、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機成分で被覆されているもの等、表面処理されたチタンブラックを用いることもできる。なかでも、有機成分で処理されているものは、より絶縁性を向上できる点で好ましい。
また、遮光剤として上記チタンブラックを含有する本発明の液晶滴下工法用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
上記チタンブラックのうち市販されているものとしては、例えば、12S、13M、13M−C、13R−N(いずれも三菱マテリアル社製)、ティラックD(赤穂化成社製)等が挙げられる。
上記チタンブラックの比表面積の好ましい下限は13m/g、好ましい上限は30m/gであり、より好ましい下限は15m/g、より好ましい上限は25m/gである。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
上記遮光剤の一次粒子径は、液晶表示素子の基板間の距離以下であれば特に限定されないが、好ましい下限は1nm、好ましい上限は5μmである。上記遮光剤の一次粒子径が1nm未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤の粘度やチクソトロピーが大きく増大してしまい、作業性が悪くなることがある。上記遮光剤の一次粒子径が5μmを超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤の基板への塗布性が悪くなることがある。上記遮光剤の一次粒子径のより好ましい下限は5nm、より好ましい上限は200nm、更に好ましい下限は10nm、更に好ましい上限は100nmである。
上記遮光剤の含有量は、本発明の液晶滴下工法用シール剤全体に対して、好ましい下限が5重量%、好ましい上限が80重量%である。上記遮光剤の含有量が5重量%未満であると、充分な遮光性が得られないことがある。上記遮光剤の含有量が80重量%を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤の基板に対する密着性や硬化後の強度が低下したり、描画性が低下したりすることがある。上記遮光剤の含有量のより好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は70重量%であり、更に好ましい下限は30重量%、更に好ましい上限は60重量%である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、更に、必要に応じて、粘度調整の為の反応性希釈剤、チクソ性を調整する揺変剤、パネルギャップ調整の為のポリマービーズ等のスペーサー、3−P−クロロフェニル−1,1−ジメチル尿素等の硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤等のその他の公知の添加剤を含有してもよい。
本発明の液晶滴下工法用シール剤を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、硬化性樹脂と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、ナフトキノン系化合物及び/又はナフタレン誘導体と、必要に応じて添加するシランカップリング剤等の添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤における、E型粘度計を用いて25℃、1rpmの条件で測定した粘度の好ましい下限は5万Pa・s、好ましい上限は50万Pa・sである。上記粘度が5万Pa・s未満であったり、50万Pa・sを超えたりすると、液晶滴下工法用シール剤を基板に塗布する際の作業性が悪くなることがある。上記粘度のより好ましい上限は40万Pa・sである。
本発明の液晶滴下工法用シール剤に、導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。このような上下導通材料を用いれば、電極間を確実に導電接続することができる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
上記導電性微粒子としては、例えば、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤、又は、本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、例えば、ITO薄膜等の電極と配向膜とを有する基板の一方に、本発明の液晶滴下工法用シール剤をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により塗布し、長方形状のシールパターンを形成する工程、液晶の微小滴をシールパターンの枠内全面に滴下塗布し、真空下で他方の基板を重ね合わせる工程、本発明の液晶滴下工法用シール剤に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を有する方法等が挙げられる。
本発明によれば、保存安定性及び硬化性に優れる液晶滴下工法用シール剤を提供することができる。また、本発明によれば、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造された上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1〜8、比較例1〜7)
表1、2に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて脱泡しながら混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例1〜8、比較例1〜7の液晶滴下工法用シール剤を調製した。
<評価>
各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
(粘度)
各実施例及び各比較例で得られたシール剤について、E型粘度計(ブルックフィールド社製、「DV−III」)を用いて25℃、1rpmの条件における粘度を測定した。
(保存安定性(ゲル化の有無))
各実施例及び各比較例で得られたシール剤を−20℃で1ヶ月保管した後、室温に戻した後の状態を確認した。室温に戻した後のシール剤にゲル化が確認されなかった場合を「○」、室温に戻した後のシール剤にゲル化が確認された場合を「×」としてシール剤の保存安定性を評価した。
なお、シール剤をスパーテルで撹拌後、滴下した際に流動性が大きく低下した場合をゲル化したものとして判断した。
(硬化性)
各実施例及び各比較例で得られたシール剤を、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いてガラス基板上に少量塗布し、PETフィルムを重ねた後、メタルハライドランプにて100mW/cmの紫外線を30秒照射し、更に120℃で60分加熱することによってシール剤を硬化させた。顕微IR法によって、得られたシール剤の硬化物のスペクトルを測定し、それぞれのスペクトルからアクリロイル基の転化率を求めた。この時、アクリロイル基の定量には810cm−1付近のピーク面積を用い、845〜820cm−1のピーク面積をリファレンスピーク面積として、それぞれのスペクトルからシール剤中のアクリロイル基の転化率を下記式により算出した。
アクリロイル基の転化率={1−(硬化後のアクリロイル基のピーク面積/硬化後のリファレンスピーク面積)/(硬化前のアクリロイル基のピーク面積/硬化前のリファレンスピーク面積)}×100
なお、実施例7及び実施例8で得られたそれぞれのシール剤については、メタルハライドランプによる紫外線の照射を行わず、120℃で60分加熱することのみによってシール剤を硬化させた。
Figure 2014238575
Figure 2014238575
本発明によれば、保存安定性及び硬化性に優れる液晶滴下工法用シール剤を提供することができる。また、本発明によれば、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造された上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。

Claims (6)

  1. 硬化性樹脂と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、ナフトキノン系化合物及び/又はナフタレン誘導体とを含有することを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。
  2. ナフトキノン系化合物及び/又はナフタレン誘導体の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、0.001〜5重量部であることを特徴とする請求項1記載の液晶滴下工法用シール剤。
  3. 硬化性樹脂は、アクリロイル基を有する樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶滴下工法用シール剤。
  4. 遮光剤を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶滴下工法用シール剤。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
  6. 請求項1、2、3若しくは4記載の液晶滴下工法用シール剤、又は、請求項5記載の上下導通材料を用いて製造されることを特徴とする液晶表示素子。
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