JP2014238575A - 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】硬化性樹脂と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、ナフトキノン系化合物及び/又はナフタレン誘導体とを含有する液晶滴下工法用シール剤。
【選択図】なし
Description
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ね合わせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うことで極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
以下に本発明を詳述する。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、上記ナフトキノン系化合物及び/又は上記ナフタレン誘導体を含有することにより、保存安定性及び硬化性に優れるものとなる。これらは反応系中にラジカルが発生する場合に効果を発揮し、特に、ラジカル重合開始剤を使用する場合に優れた効果を発揮する。
上記ナフトキノン系化合物のうち市販されているものとしては、例えば、キノパワーQS−30、キノパワーNQI、キノパワーLSN、キノパワーATR(いずれも川崎化成社製)、1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、アントロン(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン誘導体のうち市販されているものとしては、例えば、キノパワーWSI、キノパワーMNT(いずれも川崎化成工業社製)、4−メトキシ−1−ナフトール(和光純薬工業社製)等が挙げられる。
なお、「上記ナフトキノン系化合物及び/又は上記ナフタレン誘導体の含有量」は、上記ナフトキノン系化合物及び上記ナフタレン誘導体の両方を含有する場合はその合計の含有量を意味し、いずれか一方のみを含有する場合は含有する一方の含有量を意味する。
上記硬化性樹脂は、アクリロイル基を有する樹脂(以下、アクリル樹脂ともいう)を含有することが好ましい。本発明の液晶滴下工法用シール剤における保存安定性を向上させる効果は、特に、上記アクリル樹脂と後述する熱ラジカル重合開始剤とを用いる場合に顕著に発揮される。
上記アクリル樹脂としては、例えば、アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシアクリレート、イソシアネートに水酸基を有するアクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタンアクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記「エポキシアクリレート」とは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基をアクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鉄住金化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鉄住金化学社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鉄住金化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
なお、本明細書において上記「部分アクリル変性エポキシ樹脂」とは、1分子中にエポキシ基とアクリロイル基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味し、例えば、2つ以上のエポキシ樹脂の一部分のエポキシ基をアクリル酸と反応させることによって得ることができる。
上記メタクリル樹脂としては、上記アクリル樹脂におけるアクリロイル基をメタクリロイル基としたもの等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、上記エポキシアクリレートを合成するための原料となるエポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基及びメタクリロイル基を意味し、「上記(メタ)アクリル樹脂」とは、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂を意味する。
上記重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、熱カチオン重合開始剤等が挙げられる。上述したように、本発明の液晶滴下工法用シール剤における保存安定性を向上させる効果は、特に、上記アクリル樹脂と上記熱ラジカル重合開始剤とを用いる場合に顕著に発揮される。
なお、本明細書において高分子アゾ開始剤とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイル基を反応させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
なお、本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACURE OXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製)、NCI−930(ADEKA社製)、SPEEDCURE EMK(日本シーベルヘグナー社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−170(いずれもADEKA社製)等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77(いずれもADEKA社製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L(いずれも三新化学工業社製)、CIシリーズ(日本曹達社製)等が挙げられる。
上記チタンブラックは、1μmあたりの光学濃度(OD値)が、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。上記チタンブラックの遮光性は高ければ高いほどよく、上記チタンブラックのOD値に好ましい上限は特にないが、通常は5以下となる。
また、遮光剤として上記チタンブラックを含有する本発明の液晶滴下工法用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
本発明の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、例えば、ITO薄膜等の電極と配向膜とを有する基板の一方に、本発明の液晶滴下工法用シール剤をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により塗布し、長方形状のシールパターンを形成する工程、液晶の微小滴をシールパターンの枠内全面に滴下塗布し、真空下で他方の基板を重ね合わせる工程、本発明の液晶滴下工法用シール剤に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を有する方法等が挙げられる。
表1、2に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて脱泡しながら混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例1〜8、比較例1〜7の液晶滴下工法用シール剤を調製した。
各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
各実施例及び各比較例で得られたシール剤について、E型粘度計(ブルックフィールド社製、「DV−III」)を用いて25℃、1rpmの条件における粘度を測定した。
各実施例及び各比較例で得られたシール剤を−20℃で1ヶ月保管した後、室温に戻した後の状態を確認した。室温に戻した後のシール剤にゲル化が確認されなかった場合を「○」、室温に戻した後のシール剤にゲル化が確認された場合を「×」としてシール剤の保存安定性を評価した。
なお、シール剤をスパーテルで撹拌後、滴下した際に流動性が大きく低下した場合をゲル化したものとして判断した。
各実施例及び各比較例で得られたシール剤を、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いてガラス基板上に少量塗布し、PETフィルムを重ねた後、メタルハライドランプにて100mW/cm2の紫外線を30秒照射し、更に120℃で60分加熱することによってシール剤を硬化させた。顕微IR法によって、得られたシール剤の硬化物のスペクトルを測定し、それぞれのスペクトルからアクリロイル基の転化率を求めた。この時、アクリロイル基の定量には810cm−1付近のピーク面積を用い、845〜820cm−1のピーク面積をリファレンスピーク面積として、それぞれのスペクトルからシール剤中のアクリロイル基の転化率を下記式により算出した。
アクリロイル基の転化率={1−(硬化後のアクリロイル基のピーク面積/硬化後のリファレンスピーク面積)/(硬化前のアクリロイル基のピーク面積/硬化前のリファレンスピーク面積)}×100
なお、実施例7及び実施例8で得られたそれぞれのシール剤については、メタルハライドランプによる紫外線の照射を行わず、120℃で60分加熱することのみによってシール剤を硬化させた。
Claims (6)
- 硬化性樹脂と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、ナフトキノン系化合物及び/又はナフタレン誘導体とを含有することを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。
- ナフトキノン系化合物及び/又はナフタレン誘導体の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、0.001〜5重量部であることを特徴とする請求項1記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 硬化性樹脂は、アクリロイル基を有する樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 遮光剤を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 請求項1、2、3又は4記載の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2、3若しくは4記載の液晶滴下工法用シール剤、又は、請求項5記載の上下導通材料を用いて製造されることを特徴とする液晶表示素子。
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