JP2015214936A - アイドリングストップ装置 - Google Patents

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正光 新保
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Abstract

【課題】坂路でアイドリングストップ中に運転者が降車しようとした場合に運転者に降車を思いとどまらせることで、運転者の意図に反して車両が動き出すことを防止することができるアイドリングストップ装置を提供すること。
【解決手段】アイドリングストップ装置3は、路面13の路面勾配を検出する路面勾配検出部6を備えている。また、アイドリングストップ装置3において、エンジン自動再始動部9は、路面勾配が所定値以上であるときに運転席シートベルト11の装着状態が着状態から脱状態に変化したこと、または、路面勾配が所定値以上であるときに運転席ドア12の開閉状態が閉状態から開状態に変化したこと、を自動再始動条件としてエンジン2を自動再始動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アイドリングストップ装置に関し、特に、エンジンが自動停止されているとき、運転席シートベルトの装着状態と運転席ドアの開閉状態を含む所定の自動再始動条件が成立した場合に、エンジンの自動再始動を実行するアイドリングストップ装置に関する。
一般に、車両に搭載されるアイドリングストップ装置は、所定の自動停止条件の成立によりエンジンを自動停止するとともに、所定の自動再始動条件の成立によりエンジンを自動再始動することで、無用なアイドリングを回避して燃費を向上させている。
従来のアイドリングストップ装置としては、エンジンの自動停止中に、運転席ドアが開状態、かつ、運転席シートベルトが脱状態となった場合は、運転者が降車すると判断し、自動再始動条件が成立している場合であってもエンジンの自動再始動を禁止するものが知られている(特許文献1参照)。
特開2013−189871号公報
ここで、アイドリングストップ装置を搭載する車両においては、アイドリングストップ装置によりエンジンが自動停止中であることを、シフトレバーをパーキング位置に移動してエンジン停止操作することによりエンジンが停止しているものと運転者が勘違いする場合がある。
運転者がこのような勘違いをしている場合、実際にはシフトレバーがパーキング位置に移動しておらずパーキング機構が作動していないので、車両が坂道で停車している場合、運転者が降車すると車両が動き出すおそれがある。
また、車両にヒルホールド機能が備わっている場合であっても、運転者の降車後は制動圧が次第に減少するため、車両が動き出してしまうおそれがある。
しかしながら、従来のアイドリングストップ装置は、路面勾配に関わらず、運転席ドアが開状態、かつ、運転席シートベルトが脱状態となった場合にエンジンの自動再始動を禁止していた。このため、アイドリングストップによりエンジンが自動停止中であることを、運転者が降車する前に運転者に気付かせることができなかった。
したがって、従来のアイドリングストップ装置は、エンジンが自動停止中の車両が運転者の意図に反して動き出すおそれがあった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、坂路でアイドリングストップ中に運転者が降車しようとした場合に運転者に降車を思いとどまらせることで、運転者の意図に反して車両が動き出すことを防止することができるアイドリングストップ装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の第1の態様は、運転席シートベルトの装着状態を検出するシートベルト装着状態検出部と、運転席ドアの開閉状態を検出するドア開閉状態検出部と、前記運転席シートベルトの装着状態と前記運転席ドアの開閉状態を含む所定の自動停止条件の成立により、前記エンジンを自動停止するエンジン自動停止部と、前記エンジン自動停止部により前記エンジンが自動停止されているとき、前記運転席シートベルトの装着状態と前記運転席ドアの開閉状態を含む所定の自動再始動条件の成立により、前記エンジンを自動再始動するエンジン自動再始動部と、を備えるアイドリングストップ装置において、路面の路面勾配を検出する路面勾配検出部を更に備え、前記エンジン自動再始動部は、前記路面勾配が所定値以上であるときに前記運転席シートベルトの装着状態が着状態から脱状態に変化したこと、または、前記路面勾配が所定値以上であるときに前記運転席ドアの開閉状態が閉状態から開状態に変化したこと、を前記自動再始動条件として前記エンジンを自動再始動するものから構成されている。
本発明の第2の態様としては、前記エンジン自動再始動部は、前記路面勾配が所定値未満であるときに、前記運転席シートベルトの装着状態が着状態から脱状態に変化し、かつ、前記運転席ドアの開閉状態が閉状態から開状態に変化したことを条件として前記エンジンの自動再始動を禁止することが好ましい。
本発明の第1の態様によれば、路面勾配が所定値以上のときは、シフトレバー操作によりパーキング機構を作動させてイグニッションオフによりエンジンを停止したものと勘違いした運転者が、降車のために運転席シートベルトを外したり運転席ドアを開扉した場合、エンジンが自動再始動される。このため、運転者のエンジン停止操作ではなくアイドリングストップによりエンジンが自動停止していたことを、エンジンの自動再始動により運転者に認識させることができる。したがって、坂路でアイドリングストップ中に運転者が降車しようとした場合に運転者に降車を思いとどまらせることで、運転者の意図に反して車両が動き出すことを防止することができる。
本発明の第2の態様によれば、路面勾配が所定値未満のとき、運転者がイグニッションオフによりエンジンが停止中であると勘違いして降車のために運転席シートベルトを外し、かつ、運転席ドアを開扉した場合、エンジンの自動再始動が禁止される。このため、アイドリングストップによる燃費向上効果を維持することができる。
図1は、本発明のアイドリングストップ装置の一実施形態を示す図であり、アイドリングストップ装置を備える車両の構成図である。 図2は、本発明のアイドリングストップ装置の一実施形態を示す図であり、アイドリングストップ装置の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明に係るアイドリングストップ装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1、図2、本発明に係る一実施形態のアイドリングストップ装置を示す図である。
まず、構成を説明する。図1において、車両1は、エンジン2と、アイドリングストップ装置3とを備えている。アイドリングストップ装置3は、所定の自動停止条件の成立によりエンジン2を自動停止するとともに、所定の自動再始動条件の成立によりエンジン2を自動再始動させるようになっている。また、車両1は、運転者が着座する運転席10と、この運転席10に装備された運転席シートベルト11と、運転席ドア12とを備えている。
図1に示すように、アイドリングストップ装置3は、シートベルト装着状態検出部4と、ドア開閉状態検出部5と、路面勾配検出部6と、アイドリングストップ制御装置7とを備えている。
シートベルト装着状態検出部4は、運転席シートベルト11に設けられており、運転席シートベルト11の装着状態が着状態または脱状態の何れであるかを検出するようになっている。シートベルト装着状態検出部4は、アイドリングストップ制御装置7に接続されており、検出信号をアイドリングストップ制御装置7に出力するようになっている。
ドア開閉状態検出部5は、運転席ドア12に設けられており、運転席ドア12の開閉状態が開状態または閉状態の何れであるかを検出するようになっている。ドア開閉状態検出部5は、アイドリングストップ制御装置7に接続されており、検出信号をアイドリングストップ制御装置7に出力するようになっている。
路面勾配検出部6は、加速度センサから構成されており、車両1の姿勢を検出することで、間接的に路面13の路面勾配を検出するようになっている。路面勾配検出部6は、アイドリングストップ制御装置7に接続されており、検出した路面勾配をアイドリングストップ制御装置7に出力するようになっている。
アイドリングストップ制御装置7は、エンジン自動停止部8と、エンジン自動再始動部9とを備えており、所定の自動停止条件を満たすとエンジン2を自動停止するとともに所定の自動再始動条件を満たすとエンジン2を自動再始動する、所謂アイドリングストップ制御を実行するようになっている。
ここで、アイドリングストップ制御装置7は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。アイドリングストップ制御装置7のROMには、各種制御定数や各種マップ等と共に、当該コンピュータユニットをアイドリングストップ制御装置7として機能させるためのプログラムが記憶されている。
すなわち、アイドリングストップ制御装置7において、CPUがROMからRAMにプログラムを読み込み、そのプログラムをRAMの一部の格納領域を作業領域として実行することにより、当該コンピュータユニットは、アイドリングストップ制御装置7として機能する。
エンジン自動停止部8は、運転席シートベルト11の装着状態と運転席ドア12の開閉状態を含む所定の自動停止条件の成立により、エンジン2を自動停止するようになっている。
具体的には、エンジン自動停止部8は、シートベルト装着状態検出部4およびドア開閉状態検出5からの検出信号に基づいて、運転席シートベルト11の装着状態と運転席ドア12の開閉状態を含む所定の自動停止条件が成立したか否かを判定する。そして、エンジン自動停止部8は、所定の自動停止条件が成立したと判定した場合にエンジン2を自動停止する。
エンジン自動再始動部9は、エンジン自動停止部8によりエンジン2が自動停止されているとき、運転席シートベルト11の装着状態と運転席ドア12の開閉状態を含む所定の自動再始動条件の成立により、エンジン2を自動再始動するようになっている。
本実施形態では、エンジン自動再始動部9は、路面勾配検出部6で検出された路面勾配が所定値以上であるとき、運転席シートベルト11の装着状態が着状態から脱状態に変化したこと、または、運転席ドア12の開閉状態が閉状態から開状態に変化したことの何れかの成立を自動再始動条件として、エンジン2を自動再始動するようになっている。
また、エンジン自動再始動部9は、路面勾配検出部6で検出された路面勾配が所定値未満であるときに、運転席シートベルト11の装着状態が着状態から脱状態に変化し、かつ、運転席ドア12の開閉状態が閉状態から開状態に変化したことを条件としてエンジン2の自動再始動を禁止するようになっている。
ここで、路面勾配の所定値は、例えば、運転者がブレーキペダルから足を離した場合に車両1が動き出す境界となるような路面勾配とする。
次に、図2に示すフローチャートを参照してアイドリングストップ装置3の動作を説明する。図2に示す処理は、アイドリングストップ制御装置7のエンジン自動再始動部9による動作を示すものである。
まず、エンジン自動再始動部9は、エンジン2が自動停止中であるか否かを判定する(ステップS1)。ここで、エンジン2の自動停止中とは、自動停止条件の成立に基づいてエンジン2がエンジン自動停止部8により停止されていることを意味する。
エンジン自動再始動部9は、エンジン2が自動停止中ではないと判定した場合(ステップS1で"No")、このフローチャートの処理を終了し、エンジン2が自動停止中であると判定した場合(ステップS1で"Yes")、路面勾配検出部6で検出された路面勾配が所定値以上であるかを判定する(ステップS2)。
なお、ステップS2の判定に用いる路面勾配は、エンジン2が自動停止されたときの路面勾配を採用してもよいし、ステップS2の判定時の路面勾配を採用してもよい。
エンジン自動再始動部9は、ステップS2で路面勾配が所定値以上であると判定した場合(ステップS2で"Yes")、運転席シートベルト11の装着状態が着状態から脱状態に変化した、または、運転席ドア12の開閉状態が閉状態から開状態に変化したかを判定する(ステップS3)。
エンジン自動再始動部9は、ステップS3で運転席シートベルト11の装着状態が着状態から脱状態に変化した、または、運転席ドア12の開閉状態が閉状態から開状態に変化したと判定した場合(ステップS3で"Yes")、エンジン2の自動再始動を実行し(ステップS4)、このフローチャートの処理を終了する。ステップS3の判定が"No"であった場合、エンジン自動再始動部9は、このフローチャートの処理を終了する。
一方、エンジン自動再始動部9は、ステップS2で路面勾配が所定値未満であると判定した場合(ステップS2で"No")、運転席シートベルト11の装着状態が着状態から脱状態に変化し、かつ、運転席ドア12の開閉状態が閉状態から開状態に変化したかを判定する(ステップS5)。
エンジン自動再始動部9は、ステップS5で運転席シートベルト11の装着状態が着状態から脱状態に変化し、かつ、運転席ドア12の開閉状態が閉状態から開状態に変化したと判定した場合(ステップS5で"Yes")、エンジン2の自動再始動を禁止し(ステップS6)、このフローチャートの処理を終了する。また、ステップS5の判定が"No"であった場合、エンジン自動再始動部9は、このフローチャートの処理を終了する。
以上のように、本実施の形態に係るアイドリングストップ装置3は、路面13の路面勾配を検出する路面勾配検出部6を備えている。また、アイドリングストップ装置3において、エンジン自動再始動部9は、路面勾配が所定値以上であるときに運転席シートベルト11の装着状態が着状態から脱状態に変化したこと、または、路面勾配が所定値以上であるときに運転席ドア12の開閉状態が閉状態から開状態に変化したこと、を自動再始動条件としてエンジン2を自動再始動する。
これにより、路面勾配が所定値以上であるとき、運転者がエンジン停止操作によりエンジン2が停止中であると勘違いして降車のために運転席シートベルト11を外したり運転席ドア12を開扉した場合に、エンジン2が自動再始動される。
このため、運転者のエンジン停止装置ではなくアイドリングストップによりエンジン2が自動停止していたことを、エンジン2の自動再始動により運転者に認識させることができる。
したがって、坂路でアイドリングストップ中に運転者が降車しようとした場合に運転者に降車を思いとどまらせることで、運転者の意図に反して車両1が動き出すことを防止することができる。
また、本実施の形態に係るアイドリングストップ装置3において、エンジン自動再始動部9は、路面勾配が所定値未満であるときに、運転席シートベルト11の装着状態が着状態から脱状態に変化し、かつ、運転席ドア12の開閉状態が閉状態から開状態に変化したことを条件としてエンジン2の自動再始動を禁止する。
これにより、路面勾配が所定値未満であるとき、運転者がイグニッションオフによりエンジン2が停止中であると勘違いして降車のために運転席シートベルト11を外し、かつ、運転席ドア12を開扉した場合、エンジン2の自動再始動が禁止される。
このため、アイドリングストップによる燃費向上効果を維持することができる。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...車両、2...エンジン、3...アイドリングストップ装置、4...シートベルト装着状態検出部、5...ドア開閉状態検出部、6...路面勾配検出部、8...エンジン自動停止部、9...エンジン自動再始動部、11...運転席シートベルト、12...運転席ドア、13...路面

Claims (2)

  1. 運転席シートベルトの装着状態を検出するシートベルト装着状態検出部と、
    運転席ドアの開閉状態を検出するドア開閉状態検出部と、
    前記運転席シートベルトの装着状態と前記運転席ドアの開閉状態を含む所定の自動停止条件の成立により、前記エンジンを自動停止するエンジン自動停止部と、
    前記エンジン自動停止部により前記エンジンが自動停止されているとき、前記運転席シートベルトの装着状態と前記運転席ドアの開閉状態を含む所定の自動再始動条件の成立により、前記エンジンを自動再始動するエンジン自動再始動部と、を備えるアイドリングストップ装置において、
    路面の路面勾配を検出する路面勾配検出部を更に備え、
    前記エンジン自動再始動部は、
    前記路面勾配が所定値以上であるときに前記運転席シートベルトの装着状態が着状態から脱状態に変化したこと、または、前記路面勾配が所定値以上であるときに前記運転席ドアの開閉状態が閉状態から開状態に変化したこと、を前記自動再始動条件として前記エンジンを自動再始動することを特徴とするアイドリングストップ装置。
  2. 前記エンジン自動再始動部は、
    前記路面勾配が所定値未満であるときに、前記運転席シートベルトの装着状態が着状態から脱状態に変化し、かつ、前記運転席ドアの開閉状態が閉状態から開状態に変化したことを条件として前記エンジンの自動再始動を禁止することを特徴とする請求項1に記載のアイドリングストップ装置。
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