JP2016061179A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車速をスムーズに制御することが可能な車両制御装置を提供する。【解決手段】この車両では、信号FCPが「H」レベルにされて燃料カット運転が禁止されている場合は、要求駆動力DRrを有効範囲の下限値DLよりも低い無効値DIに設定し、燃料カット運転が発生しない最小駆動力DRLでエンジン1を運転させる。ドライバが加速意図を持ち、信号FCPが「L」レベルにされて燃料カット運転が許容されると、要求駆動力DRrを有効範囲の下限値DLから所定速度で上昇させ、最小駆動力DRLと要求駆動力DRrのうちの大きい方の駆動力でエンジン1を駆動させる。したがって、エンジン1の駆動力DRをスムーズに制御できる。【選択図】図5

Description

この発明は車両制御装置に関し、特に、車両の現在車速を目標車速に制御する車両制御装置に関する。
従来より、車両の現在車速を目標車速に制御する車両制御装置が知られている。この車両制御装置は、現在車速が目標車速よりも低い場合はエンジンを通常運転させて車両を加速させ、現在車速が目標車速に到達するとエンジンに燃料カット運転させて車両を減速させる。減速中にアクセルオンが検出された場合は、燃料カット運転を禁止し、加速と減速のハンチングを抑制する(たとえば特許文献1参照)。
特開2008−179320号公報
上述のように車両の減速中にアクセルオンが検出された場合に燃料カット運転を禁止する方法として、燃料カットが発生しない最小駆動力でエンジンを運転させる方法が考えられる。
しかし、最小駆動力でエンジンを運転させている場合においてドライバが加速意図を持って目標車速を上げたとき、要求駆動力が有効範囲の下限値からアクセル開度に応じた値まで増大されてエンジンの駆動力が増大される。このとき、要求駆動力が最小駆動力よりも低い期間が発生し、ドライバが加速意図を持っているにも拘らず車両が減速してしまい、車速をスムーズに制御することができないという問題がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、車速をスムーズに制御することが可能な車両制御装置を提供することである。
この発明に係る車両制御装置は、現在車速が目標車速よりも低い場合は、アクセル開度に基づいて有効範囲内の値の要求駆動力を出力し、現在車速が目標車速に到達した場合は、有効範囲の下限値よりも低い無効値の要求駆動力を出力する車速制御部を備えたものである。この車速制御部は、エンジンの燃料カット運転の実施と解除のハンチングが発生しているか否かを判定し、ハンチングが発生している場合は燃料カット運転を禁止し、ハンチングが発生していない場合は燃料カット運転を許容する。車両制御装置は、さらに、要求駆動力が有効範囲内の値である場合は当該要求駆動力に基づいてエンジンを運転させ、要求駆動力が無効値である場合において、燃料カット運転が許容されているときはエンジンに燃料カット運転を実施させ、燃料カット運転が禁止されているときはエンジンを予め定められた駆動力で運転させるエンジン制御部を備える。このエンジン制御部は、エンジンを上記予め定められた駆動力で運転させている場合において、燃料カット運転が許容され、かつ要求駆動力が下限値から上昇するときは、上記予め定められた駆動力と要求駆動力とのうちの大きい方の駆動力でエンジンを運転させる。
この発明に係る車両制御装置では、禁止されていた燃料カット運転が許容され、かつ要求駆動力が下限値から上昇するときは、予め定められた駆動力と要求駆動力とのうちの大きい方の駆動力でエンジンを運転させる。したがって、車両を減速させることなく、車速をスムーズに制御することができる。
この発明の一実施の形態による車両の要部を示すブロック図である。 図1に示した車両のうちのASL(Adjustable Speed Limiter)制御に関連する部分を示すブロック図である。 図2に示したASL制御部の動作を示すフローチャートである。 図2に示したエンジン制御部の動作を示すフローチャートである。 本実施の形態のASL制御を示すタイムチャートである。 比較例のASL制御を示すタイムチャートである。 本実施の形態のASL制御を示す他のタイムチャートである。
図1は、この発明の一実施の形態による車両の要部を示すブロック図である。図1において、この車両は、エンジン1、自動変速機2、ディファレンシャルギヤ5、ドライブシャフト6、車輪7、および電子制御装置8を備える。
エンジン1は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。インジェクタから噴射される燃料の量が増大すると、エンジン1の駆動力が増大する。燃料カット運転時には、インジェクタからの燃料の噴射が停止され、いわゆるエンジンブレーキが発生する。
自動変速機2は、変速機構部3、油圧制御装置4などを含み、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。自動変速機2の出力ギヤは、ディファレンシャルギヤ5と噛合っている。ディファレンシャルギヤ5には、ドライブシャフト6がスプライン嵌合などによって連結されている。ドライブシャフト6を介して、左右の車輪7に動力が伝達される。車輪7は、たとえば前輪である。
電子制御装置8には、車速センサ10、シフトレバー11のポジションスイッチ12、アクセルペダル13のアクセル開度センサ14、ブレーキペダル15に設けられたストップランプスイッチ16、油温センサ17、ASL起動スイッチ20、ASL設定スイッチ21、ASL実行開始スイッチ22などが接続されている。
車速センサ10は、ドライブシャフト6の回転数から車両の速度(すなわち車速)を検出し、検出結果を表す信号を電子制御装置8に出力する。シフトレバー11の位置は、ポジションスイッチ12により検出され、検出結果を表す信号が電子制御装置8に出力される。シフトレバー11の位置に対応して、自動変速機2のギヤ段が自動的に形成される。運転者の操作に応じて、運転者が任意のギヤ段を選択できるマニュアルシフトモードを選択できるように構成してもよい。
アクセル開度センサ14は、アクセルペダル13の開度ACCを検出し、検出結果を表す信号を電子制御装置8に出力する。ストップランプスイッチ16は、ブレーキペダル15のオン/オフ状態を検出し、検出結果を表す信号を電子制御装置8に出力する。なお、ストップランプスイッチ16の代わりに、ブレーキペダル15のストローク量を検出するストロークセンサを設けてもよい。油温センサ17は、自動変速機2のATF(Automatic Transmission Fluid)の温度を検出し、検出結果を表す信号を電子制御装置8に出力する。
ASL起動スイッチ20、ASL設定スイッチ21、およびASL実行開始スイッチ22は、車両運転席の近傍に配置されている。ASL制御(車速制限制御)では、現在車速VCが下限車速VLよりも低い場合はエンジン1に燃料が供給されて車両が加速され、現在車速VCが目標車速VT以上である場合はエンジン1の燃料カット運転が実施されて車両が減速され、現在車速VCが上限車速VH以下に制限される。ただし、VL<VT<VHである。
ASL制御は、ASL起動スイッチ20がオンされた場合に起動される。ASL制御が起動されると、ASL設定スイッチ21を操作することにより上限車速VHを所望の値に設定することが可能となっている。目標車速VTは、設定された上限車速VHよりも所定速度αだけ低い速度VH−αとなる。下限車速VLは、設定された上限車速VHよりも所定速度βだけ低い速度VH−βとなる。ただし、α<βである。上限車速VHを設定した後にASL実行開始スイッチ22を操作すると、現在車速VCを上限車速VH以下に制限するASL制御が実行される。
電子制御装置8は、上記センサ10,14,17およびスイッチ12,16,20〜21の出力信号、ROM(Read Only Memory)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両が所望の走行状態となるように、エンジン1、自動変速機2などを制御する。
図2は、図1に示した車両のうちのASL制御に関連する部分を示すブロック図である。図2において、電子制御装置8は、ASL制御部23およびエンジン制御部24を含む。ASL制御部23は、車速センサ10、アクセル開度センサ14、ASL起動スイッチ20、ASL設定スイッチ21、およびASL実行開始スイッチ22の出力信号と、エンジン制御部24からの燃料カット情報FCIとに基づいて、要求駆動力DRrおよび燃料カット禁止要求信号FCPをエンジン制御部24に出力する。
ASL制御部23は、ASL起動スイッチ20がオンされた場合に起動され、ASL設定スイッチ21によって設定された上限車速VHを検出し、目標車速VTと下限車速VLを求め、ASL実行開始スイッチ22がオンされた場合にASL制御を実行する。
すなわち、ASL制御部23は、車速センサ10によって検出される現在車速VCが目標車速VTよりも低い場合は、アクセル開度センサ14によって検出されたアクセル開度ACCに基づいて有効範囲内の値DVの要求駆動力DRrを出力し、現在車速VCが目標車速VTに到達した場合は、有効範囲の下限値DLよりも低い無効値DIの要求駆動力DRrを出力する。
さらにASL制御部23は、エンジン制御部24からの燃料カット情報FCIに基づいてエンジン1の燃料カット運転の実施と解除のハンチングが発生しているか否かを判定する。燃料カット情報FCIは、燃料カット運転を実施していることを示す情報と、燃料カット運転を解除したことを示す情報とを含む。ASL制御部23は、燃料カット運転のハンチングが発生していると判別した場合は、燃料カット禁止要求信号FCPを活性化レベルの「H」レベルにして燃料カット運転を禁止し、燃料カット運転のハンチングが発生していないと判別した場合は、燃料カット禁止要求信号FCPを非活性化レベルの「L」レベルにして燃料カット運転を許容する。
エンジン制御部24は、要求駆動力DRrが有効範囲内の値DVである場合は、当該要求駆動力DRrに基づいてエンジン1を運転させる。エンジン制御部24は、要求駆動力DRrが無効値DIである場合において、燃料カット禁止要求信号FCPが「L」レベルにされているときはエンジン1に燃料カット運転を実施させ、燃料カット禁止要求信号FCPが「H」レベルにされているときは燃料カットが発生しない最小駆動力DRLでエンジン1を運転させる。エンジン制御部24は、燃料カット情報FCIをASL制御部23に与える。
さらにエンジン制御部24は、エンジン1を最小駆動力DRLで運転させている場合において、燃料カット禁止要求信号FCPが「L」レベルにされ、かつ要求駆動力DRrが下限値DLから上昇するときは、燃料カットが発生しない最小駆動力DRLと要求駆動力DRrとのうちの大きい方の駆動力でエンジン1を運転させる。
図3は、ASL制御部23の動作を示すフローチャートである。図3のステップS1においてASL制御部23は、燃料カット運転(F/C)の禁止を要求しているか否か、すなわち燃料カット禁止要求信号FCPが「H」レベルであるか否かを判別する。ステップS1において燃料カット運転の禁止を要求している(FCP=H)と判別した場合はステップS8に進み、燃料カット運転の禁止を要求していない(FCP=L)と判別した場合はステップS2に進む。
ステップS2においてASL制御部23は、エンジン制御部24からの燃料カット情報FCIに基づいて、所定時間内に燃料カット運転の実施と解除が所定回数以上発生したか否かを判別する。ステップS2において燃料カット運転の実施と解除が所定時間内に所定回数以上発生したと判別した場合、すなわち燃料カット運転の実施と解除のハンチングが発生したと判別した場合はステップS7に進み、燃料カット運転の実施と解除のハンチングが発生していないと判別した場合はステップS3に進む。
ステップS3においてASL制御部23は、現在車速VCが目標車速VT(=VH−α)に到達したか否かを判別する。現在車速VCが目標車速VTに到達した場合(VC≧VT)、ステップS4においてASL制御部23は、エンジン制御部24に対して燃料カット運転の実施を要求するとともに無効値DIの要求駆動力DRrを出力し、ステップS1に戻る。
ステップS3において現在車速VCが目標車速VTに到達していないと判別した場合(VC<VT)、ステップS5においてASL制御部23は、現在車速VCが下限車速VL(=VH−β)よりも低いか否かを判別する。ただし、β>αである。現在車速VCが下限車速VLよりも低い場合(VL>VC)、ステップS6においてASL制御部23は、燃料カット運転の実施要求を取り下げるとともに、アクセル開度ACCに基づいて有効範囲内の値DVの要求駆動力DRrをエンジン制御部24に出力し、ステップS1に戻る。
ステップS2において燃料カット運転の実施と解除が所定時間内に所定回数以上発生したと判別した場合、燃料カット運転の実施と解除のハンチングが発生しているので、ステップS7において燃料カット禁止要求信号FCPを活性化レベルの「H」レベルにして燃料カット運転の禁止を要求する。燃料カット運転の禁止が要求され、かつ無効値DIの要求駆動力DRrが与えられている場合、エンジン制御部24は燃料カットが発生しない最小駆動力DRLでエンジン1を運転させる。このときエンジン1のインジェクタの燃料噴射量は、最小駆動力DRLに基づいて設定される。
ステップS8においてASL制御部23は、燃料カット運転の禁止要求を終了させる条件が成立しているか否かを判別し、その条件が成立した場合は、ステップS9において燃料カット禁止要求信号FCPを「L」レベルにして燃料カット禁止要求を取り下げ、ステップS3に処理が進められる。ステップS3〜S6については既に説明したので、その説明は繰り返さない。
燃料カット運転の禁止要求を終了させる条件としては、たとえば次の条件(1)〜(3)が挙げられる。条件(1)は、上限車速VHが高められた場合に成立する。上限車速VHが高められると上限車速VHと現在車速VCの差が広がり、エンジン1の駆動力を抑制する必要がないからである。条件(2)は、ASL制御が解除された場合に成立する。ASL制御が解除された場合は、エンジン1の駆動力を抑制する必要がないからである。条件(3)は、アクセルペダル13が大きく踏み込まれた場合に成立する。この場合は、ASL制御が一時的に停止され、エンジン1の駆動力を抑制する必要がないからである。ステップS8において燃料カット運転の禁止要求を終了させる条件が成立しない場合、ステップS1に戻る。
図4は、エンジン制御部24の動作を示すフローチャートである。図4のステップS11においてエンジン制御部24は、燃料カット禁止要求がないか否か、すなわち燃料カット禁止要求信号FCPが「L」レベルにされているか否かを判別し、燃料カット禁止要求がない場合はステップS12に進み、燃料カット禁止要求がある場合はステップS15に進む。
ステップS12においてエンジン制御部24は、燃料カット運転が禁止された状態か否か、すなわち燃料カットが発生しない最小駆動力DRLでエンジン1を運転させているか否かを判別し、燃料カット運転が禁止された状態である場合はステップS13に進み、燃料カットが禁止された状態でない場合はステップS17に進む。
ステップS13においてエンジン制御部24は、ASL制御部23からの要求駆動力DRrに基づいてドライバの加速意図があるか否かを判別し、加速意図がある場合はステップS14に進み、加速意図がない場合はステップS17に進む。たとえば、要求駆動力DRrが上昇している場合はドライバの加速意図があり、要求駆動力DRrが下降している場合や一定値に維持されている場合はドライバの加速意図はなく、ドライバの減速意図がある。
ステップS14においてエンジン制御部24は、ASL制御部23からの要求駆動力DRrが、燃料カットが発生しない最小駆動力DRLよりも小さいか否かを判別し、DRr<DRLである場合はステップS15に進み、DRr<DRLでない場合はステップS17に進む。
ステップS15においてエンジン制御部24は、燃料カット運転が禁止された状態であると判定し、ステップS16において燃料カットが発生しない最小駆動力DRLでエンジン1を駆動させる。ステップS17においてエンジン制御部24は、燃料カットが許可された状態であると判定し、ステップS18においてASL制御部23からの要求駆動力DRrとドライバの要求量とに基づいてエンジン1を駆動させる。
図5(a)(b)は本実施の形態による車両のASL制御を示すタイムチャートである。図5(a)は燃料カット禁止要求信号FCPを示し、図5(b)の太い実線はエンジン1の駆動力DRを示し、細い実線はASL制御部23で生成された要求駆動力DRrを示している。
図5(a)(b)において初期状態では、エンジン1の燃料カット運転の実施と解除のハンチングが発生して燃料カット禁止要求信号FCPが活性化レベルの「H」レベルに設定され、現在車速VCが目標車速VTを超えて要求駆動力DRrが有効範囲の下限値DLよりも低い無効値DIに設定され、燃料カットが発生しない最小駆動力DRLでエンジン1が駆動されているものとする。
有効範囲の下限値DLの要求駆動力DRrでエンジン1を駆動させると、燃料カット運転と通常運転のハンチングが発生してしまう。そこで本実施の形態では、燃料カット運転が禁止されている場合は、燃料カットが発生しない最小駆動力DRLでエンジン1を安定に運転させる。また、誤動作が発生しないように、要求駆動力DRrを下限値DLよりも低い無効値DIに固定している。たとえば、下限値DLは0であり、無効値DIは負の値であり、DL>DIである。
ある時刻t1において、たとえば上限車速VHが高められて、燃料カット禁止要求信号FCPが活性化レベルの「H」レベルから非活性化レベルの「L」レベルに立ち下げられたものとする(ステップS7,S8参照)。これにより、要求駆動力DRrが無効値DIから有効範囲の下限値DLに増大し、さらにアクセル開度ACCに応じた値に所定速度で上昇する(ステップS2,S4,S5参照)。
エンジン制御部24は、要求駆動力DRrが最小駆動力DRLよりも小さい期間(時刻t1〜t2)ではエンジン1を最小駆動力DRLで運転させ(ステップS14〜S16参照)、要求駆動力DRrが最小駆動力DRL以上の期間(時刻t2以降)では要求駆動力DRrに基づいてエンジン1を運転させる(ステップS14,S17,S18参照)。
換言すると本実施の形態では、DRr<DRLの期間(時刻t2以前、S14でYES)では燃料カットが禁止された状態であると判定され、アクセル開度ACCが0か否かの判定はされず、燃料カットが発生しない最小駆動力DRLでエンジン1が運転される。また、DRL≦DRrの期間(時刻t2以降、S14でNO)では燃料カットが許可された状態であると判定され、要求駆動力DRrに基づいてエンジン1が駆動される。したがって、エンジン1の駆動力DRをスムーズに変化させることができ、車速をスムーズに変化させることができる。
これに対して図6(a)(b)は、本実施の形態の比較例となる車両のASL制御を示すタイムチャートであって、それぞれ図5(a)(b)と対比される図である。比較例では、たとえば上限車速VHが高められて、時刻t1において燃料カット禁止要求信号FCPが活性化レベルの「H」レベルから非活性化レベルの「L」レベルに立ち下げられると、エンジン1は直ちに要求駆動力DRrに基づいて運転され、エンジン1の駆動力DRは時刻t1において最小駆動力DRLから一旦下限値DLに下げられた後に所定速度で増大する。したがって、時刻t1〜t2では、要求駆動力DRrが最小駆動力DRLから一旦減少するので、ドライバが加速することを求めているにも拘らず減速されてしまい、車速をスムーズに制御することができない。
図7(a)(b)は本実施の形態による車両のASL制御を示すタイムチャートであって、図5(a)(b)と対比される図である。図5(a)(b)ではドライバが加速意図を持つ場合が示されているのに対し、図7(a)(b)ではドライバが減速意図を持つ場合が示されている。図7(a)は燃料カット禁止要求信号FCPを示し、図7(b)の太い実線はエンジン1の駆動力DRを示し、細い実線はASL制御部23で生成された要求駆動力DRrを示している。
図7(a)(b)において初期状態では、燃料カットの実施と解除のハンチングが発生して燃料カット禁止要求信号FCPが活性化レベルの「H」レベルに設定され、現在車速VCが目標車速VTを超えて要求駆動力DRrが有効範囲の下限値DLよりも低い無効値DIに設定され、燃料カットが発生しない最小駆動力DRLでエンジン1が駆動されているものとする。
ある時刻t1において、ドライバによってアクセルペダル13が全閉状態にされてアクセル開度ACCが0にされると、燃料カット禁止要求信号FCPが活性化レベルの「H」レベルから非活性化レベルの「L」レベルに立ち下げられ、燃料カット運転が許可されて実施される(ステップS14,S17,S18参照)。この場合は、ドライバの減速意図に応じて減速されるので、車速をスムーズに制御することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 エンジン、2 自動変速機、3 変速機構部、4 油圧制御装置、5 ディファレンシャルギヤ、6 ドライブシャフト、7 車輪、8 電子制御装置、10 車速センサ、11 シフトレバー、12 ポジションスイッチ、13 アクセルペダル、14 アクセル開度センサ、15 ブレーキペダル、16 ストップランプスイッチ、17 油温センサ、20 ASL起動スイッチ、21 ASL設定スイッチ、22 ASL実行開始スイッチ、23 ASL制御部、24 エンジン制御部。

Claims (1)

  1. 現在車速が目標車速よりも低い場合は、アクセル開度に基づいて有効範囲内の値の要求駆動力を出力し、現在車速が前記目標車速に到達した場合は、前記有効範囲の下限値よりも低い無効値の要求駆動力を出力する車速制御部を備え、
    前記車速制御部は、エンジンの燃料カット運転の実施と解除のハンチングが発生しているか否かを判定し、前記ハンチングが発生している場合は前記燃料カット運転を禁止し、前記ハンチングが発生していない場合は前記燃料カット運転を許容し、
    さらに、前記要求駆動力が前記有効範囲内の値である場合は当該要求駆動力に基づいて前記エンジンを運転させ、前記要求駆動力が前記無効値である場合において、前記燃料カット運転が許容されているときは前記エンジンに前記燃料カット運転を実施させ、前記燃料カット運転が禁止されているときは前記エンジンを予め定められた駆動力で運転させるエンジン制御部を備え、
    前記エンジン制御部は、前記エンジンを前記予め定められた駆動力で運転させている場合において、前記燃料カット運転が許容され、かつ前記要求駆動力が前記下限値から上昇するときは、前記予め定められた駆動力と前記要求駆動力とのうちの大きい方の駆動力で前記エンジンを運転させる、車両制御装置。
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