JP2015214450A - カーボンナノチューブ複合材料の製造方法およびカーボンナノチューブ複合材料 - Google Patents

カーボンナノチューブ複合材料の製造方法およびカーボンナノチューブ複合材料 Download PDF

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Abstract

【課題】カーボンナノチューブの分散性を確保し、機械的特性に優れるコンポジット繊維を効率的に供給可能とする材料を製造することができる、カーボンナノチューブ複合材料の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】カーボンナノチューブ、ポリビニルアルコール、分散剤および水を含むカーボンナノチューブ分散液を調製する工程(1)と、前記カーボンナノチューブ分散液から水を除去してカーボンナノチューブ混合物を調製する工程(2)と、前記カーボンナノチューブ混合物を洗浄用溶媒で洗浄することで前記分散剤の少なくとも一部を除去して洗浄後混合物を得る工程(3)と、前記洗浄後混合物を乾燥してカーボンナノチューブ複合材料を得る工程(4)と、を備える、カーボンナノチューブ複合材料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、カーボンナノチューブ複合材料の製造方法およびカーボンナノチューブ複合材料に関するものであり、特には、コンポジット繊維に用いるカーボンナノチューブ複合材料の製造方法および当該製造方法により製造されるカーボンナノチューブ複合材料に関するものである。
従来から、異なる繊維材料のそれぞれの長所を活かしたコンポジット繊維が開発されており、当該コンポジット繊維に、機械的特性に優れる材料としてカーボンナノチューブ(以下「CNT」と称することがある。)を用いる技術が知られている。ここで、CNTを含有させたコンポジット繊維としては、CNT含有セルロース繊維や、CNT含有ポリビニルアルコール繊維が挙げられ、これらのコンポジット繊維は、少量のCNTが添加されたものであっても強度が高い(特に、繊維軸方向の引っ張り強度に優れる)という特徴を有することが知られている。なお、以下では、ポリビニルアルコールを「PVA」と称することがある。
ここで、例えば特許文献1では、安価で且つ引張強度に優れるCNT含有PVA繊維を提供すべく、カーボンナノチューブと、PVA系ポリマーと、有機溶媒とを含む紡糸溶液を冷却によりゲル化させて得た紡糸ゲル状原糸を延伸する、PVA系コンポジット繊維の製造方法が提案されている。
特開2010−216018号公報
そして特許文献1によれば、紡糸溶液の調製に際し、紡糸溶液よりポリマー濃度の低いPVA溶液を調製し、これに単層カーボンナノチューブを添加し分散させることで、単層カーボンナノチューブの分散性を向上させることができるとされている。
しかし、上記従来の製造方法には、コンポジット繊維の製造に際し、カーボンナノチューブの凝集を更に抑制し、コンポジット繊維の機械的特性(例えば、引張強度や引張弾性率など)を向上させる、という点において、更なる改善の余地があった。
そこで、本発明は、カーボンナノチューブの分散性を確保し、機械的特性に優れるコンポジット繊維を効率的に供給可能とする材料を製造することができる、カーボンナノチューブ複合材料の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、カーボンナノチューブの分散性を確保し、機械的特性に優れるコンポジット繊維を効率的に供給可能とするカーボンナノチューブ複合材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成することを目的として、鋭意検討を行った。そして、本発明者らは、特定の工程を経て得られた、カーボンナノチューブを含む複合材料(以下「カーボンナノチューブ複合材料」又は「CNT複合材料」と称することがある。)を、コンポジット繊維の製造に用いることで、コンポジット繊維中でカーボンナノチューブが好適に分散し、それにより機械的特性に優れるコンポジット繊維を効率的に製造できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のカーボンナノチューブ複合材料の製造方法は、カーボンナノチューブ、ポリビニルアルコール、分散剤および水を含むカーボンナノチューブ分散液を調製する工程(1)と、前記カーボンナノチューブ分散液から水を除去してカーボンナノチューブ混合物を調製する工程(2)と、前記カーボンナノチューブ混合物を洗浄用溶媒で洗浄することで前記分散剤の少なくとも一部を除去して洗浄後混合物を得る工程(3)と、前記洗浄後混合物を乾燥してカーボンナノチューブ複合材料を得る工程(4)とを備えることを特徴とする。このような工程を経て得られるCNT複合材料を用いれば、CNTの分散性が十分に確保され、機械的特性に優れるコンポジット繊維を効率的に製造することができる。
ここで、本発明のカーボンナノチューブ複合材料の製造方法では、前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブを含むことが好ましい。カーボンナノチューブとして単層カーボンナノチューブを用いれば、CNT複合材料を用いて得られるコンポジット繊維の機械的特性を更に向上させることができるからである。
また、本発明のカーボンナノチューブ複合材料の製造方法では、前記カーボンナノチューブが、平均直径(Av)と、直径の標準偏差(σ)とが、関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たすことが好ましい。このように、平均直径に対する直径分布の比(3σ/Av)が0.20超0.60未満のカーボンナノチューブを使用すれば、CNTの分散性が十分に確保され、CNT複合材料を用いて得られるコンポジット繊維の機械的特性を更に向上させることができるからである。
ここで、本発明において、「直径分布(3σ)」とは、カーボンナノチューブの直径の標本標準偏差(σ)に3を乗じたものを指す。そして、本発明において、「カーボンナノチューブの平均直径(Av)」および「カーボンナノチューブの直径の標本標準偏差(σ)」は、それぞれ、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択されたカーボンナノチューブ100本の直径を測定して求めることができる。
本発明のカーボンナノチューブ複合材料の製造方法では、前記分散剤が、デオキシコール酸ナトリウムおよびコール酸ナトリウムの少なくとも一方を含むことが好ましい。分散剤としてデオキシコール酸ナトリウムおよび/またはコール酸ナトリウムを用いれば、CNTの分散性が十分に確保され、CNT複合材料を用いて得られるコンポジット繊維の機械的特性を更に向上させることができるからである。
また、本発明のカーボンナノチューブ複合材料は、上述したカーボンナノチューブ複合材料の何れかにより製造されることを特徴とする。当該CNT複合材料を用いれば、CNTの分散性が十分に確保された、機械的特性に優れるコンポジット繊維を製造することができる。
本発明によれば、カーボンナノチューブの分散性を確保し、機械的特性に優れるコンポジット繊維を効率的に供給可能とする材料を製造することができる、カーボンナノチューブ複合材料の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、カーボンナノチューブの分散性を確保し、機械的特性に優れるコンポジット繊維を効率的に供給可能とするカーボンナノチューブ複合材料を提供することができる。
図1は、カーボンナノチューブ複合材料を用いて調製した紡糸溶液の光学顕微鏡(倍率:1000倍)による観察写真の一例である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明のカーボンナノチューブ複合材料の製造方法は、コンポジット繊維の材料となる、CNT複合材料を製造する際に用いることができる。そして、本発明のカーボンナノチューブ複合材料は、コンポジット繊維を製造するための材料の一つであり、任意の他の成分と併せて用いることによりコンポジット繊維を製造することができる。
(カーボンナノチューブ複合材料の製造方法)
本発明のCNT複合材料の製造方法は、以下の工程(1)〜(4);
カーボンナノチューブ、ポリビニルアルコール、分散剤および水を含むカーボンナノチューブ分散液を調製する工程(1)、
前記カーボンナノチューブ分散液から水を除去してカーボンナノチューブ混合物を調製する工程(2)、
前記カーボンナノチューブ混合物を洗浄用溶媒で洗浄することで前記分散剤の少なくとも一部を除去して洗浄後混合物を得る工程(3)、および
前記洗浄後混合物を乾燥してカーボンナノチューブ複合材料を得る工程(4)、
を備えることを大きな特徴の1つとする。
そして、本発明のカーボンナノチューブ複合材料の製造方法によれば、ポリビニルアルコールおよび分散剤の寄与により、カーボンナノチューブ分散液(以下「CNT分散液」と称することがある。)中でのCNTの凝集が抑制され、CNTの優れた分散性を確保することができる。加えて、CNT複合材料(マスターバッチ)に適宜他の材料を添加してコンポジット繊維を製造する際に、CNT複合材料と他の材料を容易かつ効率的に複合することができ、結果として、コンポジット繊維中にCNTを満遍なく分散させることができるため、当該コンポジット繊維は機械的強度に優れる。また、本発明のCNT複合材料は、その製造時に分散剤を除去することから、分散剤を回収してリサイクルすることで安価に製造でき、また、コンポジット繊維の製造工程において、固化浴中に分散剤が残存しないので、固化浴から溶媒を容易に回収でき、製造コストを抑えることができるなど、分散剤による弊害を避けることができる。
以下、CNT複合材料の製造方法を構成する上述の工程(1)〜(4)について詳述する。
<工程(1)>
工程(1)において、分散媒としての水にCNTを分散させ、かつポリビニルアルコールおよび分散剤を溶解させてなるCNT分散液を調製する。
[カーボンナノチューブ]
CNT分散液の調製そしてCNT複合材料の製造に使用するカーボンナノチューブとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブを用いることができるが、CNTは、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましく、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。単層カーボンナノチューブを使用すれば、多層カーボンナノチューブを使用した場合と比較し、CNT複合材料を用いたコンポジット繊維の機械的特性を向上させることができる。
ここで、CNTとしては、平均直径(Av)に対する、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)の比(3σ/Av)が0.20超0.60未満のCNTを用いることが好ましく、3σ/Avが0.25超のCNTを用いることがより好ましく、3σ/Avが0.50超のCNTを用いることが更に好ましい。3σ/Avが0.20超0.60未満のCNTを使用すれば、CNTの分散性が高まり、CNTの配合量が少量であっても、CNT複合材料を用いたコンポジット繊維の機械的特性を十分に高めることができる。より詳細には、3σ/Avが0.20超である場合、CNTが分散し易く、ポリビニルアルコールと良好に複合化させることができるためCNTの凝集塊の発生が抑制され、得られるCNT複合材料を用いたコンポジット繊維の機械的特性を向上させることができる。また、3σ/Avが0.60未満である場合、CNT複合材料およびコンポジット繊維中の単位体積あたりのCNT濃度が均一となり、均一な機械的特性が得られる。
なお、CNTの平均直径(Av)および直径分布(3σ)は、CNTの製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られたCNTを複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
そして、本発明において、CNTとしては、前述のようにして測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
更に、CNTは、ラマン分光法を用いて評価した際に、Radial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。なお、三層以上の多層カーボンナノチューブのラマンスペクトルには、RBMが存在しない。
また、CNTは、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が1以上20以下であることが好ましい。G/D比が1以上20以下であれば、CNTの分散性を高め、かつCNTの配合量が少量であっても、CNT複合材料を用いたコンポジット繊維の機械的特性を十分に向上させることができる。
更に、CNTの平均直径(Av)は、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることが更に好ましく、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。CNTの平均直径(Av)が0.5nm以上であれば、CNTの凝集を抑制してCNT複合材料中でのCNTの分散性を高め、当該CNT複合材料を用いて機械的特性に優れるコンポジット繊維を得ることができる。また、CNTの平均直径(Av)が15nm以下であれば、CNT複合材料を用いて機械的特性に優れるコンポジット繊維を得ることができる。
また、CNTの比表面積は、600m2/g以上であることが好ましく、800m2/g以上であることが更に好ましく、2500m2/g以下であることが好ましく、1200m2/g以下であることが更に好ましい。更に、CNTが主として開口したものにあっては、比表面積が1300m2/g以上であることが好ましい。CNTの比表面積が600m2/g以上であれば、CNT複合材料を用いたコンポジット繊維の機械的特性を十分に向上させることができる。また、CNTの比表面積が2500m2/g以下であれば、CNTの凝集を抑制してCNT複合材料中でのCNTの分散性を高め、当該CNT複合材料を用いて機械的特性に優れるコンポジット繊維を得ることができる。
なお、本発明において、「比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
更に、CNTは、後述のスーパーグロース法によれば、カーボンナノチューブ成長用の触媒層を表面に有する基材上に、基材に略垂直な方向に配向した集合体(CNT配向集合体)として得られるが、当該集合体としての、CNTの質量密度は、0.002g/cm3以上0.2g/cm3以下であることが好ましい。質量密度が0.2g/cm3以下であれば、CNT同士の結びつきが弱くなるので、CNTを均質に分散させ、CNT複合材料を用いたコンポジット繊維の機械的特性を向上させることができる。また、質量密度が0.002g/cm3以上であれば、CNTの一体性を向上させ、バラけることを抑制できるため取り扱いが容易になる。
また、CNTは、合成時における構造体の長さが100μm以上5000μm以下であることが好ましい。
更に、CNTは、複数の微小孔を有することが好ましい。CNTは、中でも、孔径が2nmよりも小さいマイクロ孔を有するのが好ましく、その存在量は、下記の方法で求めたマイクロ孔容積で、好ましくは0.40mL/g以上、より好ましくは0.43mL/g以上、更に好ましくは0.45mL/g以上であり、上限としては、通常、0.65mL/g程度である。CNTが上記のようなマイクロ孔を有することで、CNTの凝集が抑制され、CNT複合材料中でのCNTの分散性が高まり、当該CNT複合材料を用いて機械的特性に優れたCNT複合材料を非常に効率的に得ることができる。なお、マイクロ孔容積は、例えば、CNTの調製方法および調製条件を適宜変更することで調整することができる。
ここで、「マイクロ孔容積(Vp)」は、CNTの液体窒素温度(77K)での窒素吸脱着等温線を測定し、相対圧P/P0=0.19における窒素吸着量をVとして、式(I):Vp=(V/22414)×(M/ρ)より、算出することができる。なお、Pは吸着平衡時の測定圧力、P0は測定時の液体窒素の飽和蒸気圧であり、式(I)中、Mは吸着質(窒素)の分子量28.010、ρは吸着質(窒素)の77Kにおける密度0.808g/cm3である。マイクロ孔容積は、例えば、「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を使用して求めることができる。
なお、上述した性状を有するCNTは、例えば、カーボンナノチューブ成長用の触媒層を表面に有する基材上に、原料化合物およびキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりカーボンナノチューブを合成する際に、系内に微量の酸化剤を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)において、基材表面への触媒層の形成をウェットプロセスにより行い、アセチレンを主成分とする原料ガス(例えば、アセチレンを50体積%以上含むガス)を用いることにより、効率的に製造することができる。得られたCNTの集合体(CNT配向集合体)は、例えば、物理的、化学的または機械的な剥離方法、具体的には、電場、磁場、遠心力または表面張力を用いて剥離する方法や、ピンセットやカッターブレードを用いて機械的に直接剥ぎ取る方法や、真空ポンプによる吸引等の圧力や熱により剥離する方法などにより、基材から剥離し、バルク状態または粉体状態で用いる。
以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
なお、CNT分散液中のCNT濃度は特に限定されないが、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。CNT分散液中のCNT濃度が上述の範囲内であれば、CNTの凝集を抑制しつつ、CNT複合材料の生産性を確保することができる。
[ポリビニルアルコール]
CNT分散液の調製そしてCNT複合材料の製造に使用するポリビニルアルコールは特に限定されることなく、例えば、重合度が200以上4000以下のPVAを挙げることができる。
ここで、CNTの分散性を向上させ、CNT複合材料を用いて機械的特性に優れるコンポジット繊維を得る観点からは、PVAの重合度は、好ましくは300以上、より好ましくは400以上であり、好ましくは3000以下、より好ましくは2000以下である。
なお、本発明において、「ポリビニルアルコールの重合度」とは、JIS K6726に準拠して測定した平均重合度を指す。
また、PVAのケン化度については、特に大きな制限はないが、CNT複合材料を用いてコンポジット繊維を製造する際にゲル紡糸法を採用する場合には、冷却によるゲル化を速やかに進行させる観点から88モル%以上が好ましい。また、コンポジット繊維の耐熱性、耐水性の観点からは、ケン化度は95モル%以上であることが更に好ましい。
なお、PVAは、他のビニル基を有する単量体単位を若干含んでいてもよく、例えば酢酸ビニル由来の単量体単位、エチレン由来の単量体単位、ポリエチレングリコール由来の単量体単位などを含んでいてもよい。
そして、CNT分散液中のPVAの配合量は、CNT100質量部当たり、1000質量部以上であることが好ましく、2000質量部以上であることがより好ましく、20000質量部以下であることが好ましく、15000質量部以下であることがより好ましく、12000質量部以下であることが特に好ましい。CNT100質量部当たりのPVA量が1000質量部以上であれば、CNTの量に対してPVA量が十分となることでCNTの分散性が高まり、CNT複合材料を用いたコンポジット繊維の機械的特性を向上させることができる。また、CNT100質量部当たりのPVA量が20000質量部以下であれば、過剰なPVAによるCNT分散液の粘度上昇が抑制されるためCNTの分散性が確保され、CNT複合材料を用いたコンポジット繊維の機械的特性が損なわれることもない。
[分散剤]
CNT分散液の調製に使用する分散剤は、CNTを分散可能であり、後述する洗浄用溶媒に溶解可能であれば、特に限定されない。本発明に用いられる分散剤としては、界面活性剤が挙げられる。
ここで、界面活性剤としては、任意の、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤を用いることができる。具体的には、界面活性剤としては、例えば、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、ドデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、トリトン(登録商標)X−100等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが挙げられる。
これらの分散剤は、1種または2種以上を混合して用いることができる。中でも、CNT分散液の調製の際に泡立ちを抑制し、そしてCNTを好適に分散させる観点からは、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、トリトンX−100等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルがより好ましく、デオキシコール酸ナトリウムおよびコール酸ナトリウムが特に好ましい。
なお、CNT分散液中の分散剤の配合量は、CNT100質量部当たり、300質量部以上であることが好ましく、500質量部以上であることがより好ましく、800質量部以上であることが特に好ましく、3000質量部以下であることが好ましく、2000質量部以下であることがより好ましく、1500質量部以下であることが特に好ましい。CNT100質量部当たりの分散剤量が300質量部以上であれば、CNTの量に対して分散剤量が十分となることでCNTの分散性が高まり、CNT複合材料を用いたコンポジット繊維の機械的特性を向上させることができる。また、CNT100質量部当たりの分散剤量が3000質量部以下であれば、後述する工程(3)における洗浄により分散剤を効率的に除去して、CNT複合材料を用いたコンポジット繊維の機械的特性を向上させることができる。
[その他の成分]
なお、CNT分散液は、CNTの分散性を阻害しない範囲において、各種アルコールや、上述したPVA、分散剤のいずれにも含まれない各種高分子(合成高分子、天然高分子)など、CNT、PVA、分散剤および水以外の成分を含んでいてもよい。
[カーボンナノチューブ分散液の調製方法]
CNT分散液は、特に限定されないが、例えば下記(i)〜(iii)の何れかの方法を用いて調製することができる。
(i)PVAの水溶液に分散剤およびCNTを添加する方法
(ii)PVAの水溶液と、分散剤が溶解し、かつCNTが分散した水分散液(以下「分散剤/CNT液」と称することがある。)とを混合する方法
(iii)分散剤/CNT液に固体のPVAを添加し、PVAを溶解させる方法
なお、CNT分散液中でCNTを均一に分散させることによりCNTの凝集を抑制し、CNT複合材料を用いたコンポジット繊維の機械的特性を向上させる観点からは、CNT分散液の調製方法としては、上記(i)または(ii)の方法が好ましく、上記(ii)の方法が更に好ましい。
ここで、CNT分散液の調製において、液中にCNTを分散させる場合、分散方法としては、超音波処理や各種攪拌方法を用いることができる。それらの中でも、キャビテーション効果が得られる分散方法を用いることが好ましい。
キャビテーション効果が得られる分散方法とは、液体に高エネルギーを付与した際に液中に生じる真空の気泡が破裂することにより生じる衝撃波を利用した分散方法である。キャビテーション効果が得られる分散方法を用いることにより、CNTの特性を損なうことなく液中にCNTを分散させることが可能となる。
キャビテーション効果が得られる分散方法の具体例としては、超音波による分散処理、ジェットミルによる分散処理および高剪断撹拌による分散処理が挙げられる。これらの分散処理は一つのみを行なってもよく、複数を組み合わせて行なってもよい。より具体的には、CNTの分散処理には、例えば超音波ホモジナイザー、ジェットミルおよび高剪断撹拌装置が好適に用いられる。これらの装置は従来公知のものを使用すればよい。
CNTの分散に超音波ホモジナイザーを用いる場合には、超音波ホモジナイザーを使用してCNT含有液(CNT分散液、および、PVA添加前の分散剤/CNT液など)に超音波を照射すればよい。照射する時間は、CNTの量および分散剤の種類等により適宜設定すればよく、CNT分散液、そして分散剤/CNT液それぞれにおいて、例えば、3分以上が好ましく30分以上がより好ましく、また、5時間以下が好ましく、2時間以下がより好ましい。また、例えば、出力は100W以上、500W以下、温度は15℃以上、50℃以下が好ましい。
CNTの分散にジェットミルを用いる場合には、CNT含有液をジェットミルにより処理すればよい。処理回数は、CNTの量および分散剤の種類等により適宜設定すればよく、例えば、CNT分散液、そして分散剤/CNT液それぞれにおいて2回以上が好ましく5回以上がより好ましく、50回以下が好ましく30回以下がより好ましい。処理回数を2回以上とすればCNTが十分に分散し、50回以下とすればCNTの破壊を誘発する虞もなく、処理時間を短くすることができる。また、例えば、圧力は20MPa〜250MPa、温度は15℃〜50℃が好ましい。
なお、ジェットミルとしては、高圧湿式ジェットミルを挙げることができ、具体的には、「ナノメーカー」(アドバンストナノテクノロジー社製)、「ナノマイザー」(ナノマイザー社製)、「ナノマイザー」(吉田機械興業社製)、「ナノジェットパル(登録商標)」(常光社製)等が挙げられる。
CNTの分散に高剪断撹拌を用いる場合には、CNT含有液を高剪断撹拌装置により処理すればよい。旋回速度は速ければ速いほどよい。また、例えば、運転時間(機械が回転動作をしている時間)は3分以上、4時間以下、周速は5m/s以上、50m/s以下、温度は15℃以上、50℃以下が好ましい。また、高剪断撹拌装置を用いる場合には分散剤として多糖類を使用することが好ましい。多糖類溶液は粘度が高く、剪断応力が強くかかりやすいため、分散がより促進される。
なお、高剪断撹拌装置としては、例えば、「エバラマイルダー」(荏原製作所社製)、「キャビトロン」(ユーロテック製)、「DRS2000」(IKA製)等に代表される攪拌装置;「クレアミックス(登録商標)CLM−0.8S」(エム・テクニック社製)に代表される攪拌装置;「TKホモミキサー」(特殊機化工業社製)に代表されるタービン型撹拌機;「TKフィルミックス」(特殊機化工業社製)に代表される攪拌装置等が挙げられる。
CNT分散液の調製に際しては、適宜、ろ過を行ってCNTの凝集物を取り除いてもよい。
CNTの分散状態としては、上述した装置を用いて分散させたものであれば特に限定されないが、特に、目視での凝集塊が存在せず、均一であり、分散処理開始前からのCNTのG/D比の減少幅がより少ない分散状態であることがより好ましい。
<工程(2)>
工程(1)で得られたCNT分散液を、例えば乾燥することにより少なくとも一部の水を除去してカーボンナノチューブ混合物(以下、「CNT混合物」と称することがある。)を調製する。乾燥手段としては特に限定されず、熱風乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥、フラッシュドライヤー等を用いた熱気流による乾燥、流動層乾燥装置による乾燥などを用いることで、CNT混合物を調製することができる。
そして、CNT分散液から水を除去してCNT混合物を調製する工程として、CNT分散液を容器に流し込み又は基材上に塗布し、乾燥することでフィルム状のCNT混合物を調製する方法を用いることが好ましい。CNT混合物がフィルム状に成形された、CNT/PVA/分散剤複合体フィルムであることで、後述する工程(3)における取り扱いが容易となる。また、この際の乾燥条件としては特に限定されないが、通常、減圧下で、40〜80℃の雰囲気温度中、1〜24時間乾燥する。
<工程(3)>
工程(2)で得られたCNT混合物を洗浄用溶媒で洗浄し、CNT混合物中に含まれる分散剤の少なくとも一部を除去して洗浄後混合物を得る。CNT混合物中の分散剤を除去することで、CNT複合材料を用いたコンポジット繊維の機械的特性を確保することができる。
[洗浄用溶媒]
洗浄用溶媒は、PVAを溶解せず、かつ分散剤を溶解可能であるものであれば特に限定されず、PVAおよび分散剤の種類に応じて適宜選択することができる。具体的な洗浄用溶媒としては、メタノール、アセトン、メチルエチルケトンなどを挙げることができる。そして、分散剤として、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、トリトンX−100等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を使用する場合は、洗浄用溶媒としてはメタノールが好ましい。
[洗浄方法]
洗浄用溶媒でCNT混合物を洗浄する方法は特に限定されないが、CNT混合物を洗浄用溶媒中に浸漬する方法、あるいは、CNT混合物に洗浄用溶媒を加えて還流する方法、が挙げられる。中でもCNT混合物を洗浄用溶媒中に浸漬する方法が好ましい。
なお、分散剤は、洗浄により少なくとも一部が除去されればよいが、可能な限り得られるCNT複合材料中の分散剤の含有量を低減することが好ましい。かかる観点からは、浸漬方法としては、沸点および沸点に近い温度の洗浄用溶媒中に、1〜24時間浸漬することが好ましい。なお、浸漬の際、洗浄用溶媒を適宜交換してもよい。
<工程(4)>
工程(3)で得られた洗浄後混合物を乾燥することで、洗浄用溶媒および必要に応じて残存する水分を除去し、少なくともカーボンナノチューブとPVAを含むカーボンナノチューブ複合材料を得る。この際の乾燥条件としては、通常、減圧下で、40〜80℃の雰囲気温度で乾燥する。なお、得られたカーボンナノチューブ複合材料は、洗浄用溶媒または水分を一部含んでいてもよい。
カーボンナノチューブ複合材料の形態としては特に限定されるものではなく、工程(4)の後、公知の方法に従って任意に加工してもよく、例えば、シート状、フィルム状、固形状、チップ状、粉体状などの形態が挙げられる。
なお、得られたカーボンナノチューブ複合材料から分散剤が除去されていることは、例えば、用いたPVAのみからなる比較材料を示差走査熱量測定(DSC測定)に供し、次いで、カーボンナノチューブ複合材料をDSC測定に供し、比較材料の200℃付近の発熱ピークに比べて高温側に、カーボンナノチューブ複合材料につき同様の発熱ピークが観察されることをもって確認することができる。なお、カーボンナノチューブ複合材料に分散剤が多く含まれる場合、材料の結晶化が抑制され、発熱ピークが観察されない。分散剤が低減されるに従って材料の結晶化が進み、発熱ピークが現れるようになる。高温側にシフトするのはCNTの核剤効果による。例えば、PVAのみからなる比較材料の発熱ピークは203℃に現れ、分散剤がデオキシコール酸ナトリウムの場合、カーボンナノチューブ複合材料中にデオキシコール酸ナトリウムが多く含まれると発熱ピークは観察されず、カーボンナノチューブ複合材料からデオキシコール酸ナトリウムが除去されるに従って214℃付近に発熱ピークが現れるようになる。
(カーボンナノチューブ複合材料)
本発明のカーボンナノチューブ複合材料は、上述のカーボンナノチューブ複合材料の製造方法により製造されたことを大きな特徴の一つとする。そして、当該CNT複合材料を用いて製造されるコンポジット繊維は、その中でCNTが好適に分散しており、機械的特性に優れる。
なお、CNT複合材料中における、CNTの含有量に対するPVAの含有量は、CNT100質量部当たり、1000質量部以上であることが好ましく、2000質量部以上であることがより好ましく、20000質量部以下であることが好ましく、15000質量部以下であることがより好ましく、12000質量部以下であることが特に好ましい。CNT複合材料中におけるPVAの含有量が上述の範囲内であれば、当該CNT複合材料を用いて機械的特性に優れるコンポジット繊維を製造することができる。なお、CNT複合材料中におけるCNTの含有量に対するPVAの含有量は、通常、CNT複合材料の製造方法で採用したCNTの配合量に対するPVAの配合量と同じとなる。
本発明のCNT複合材料には一部分散剤が含まれていてもよいが、分散剤の含有量としては、通常、1質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以下である。
<カーボンナノチューブ複合材料の用途>
本発明のCNT複合材料を用いて、例えば、タイヤコード、ベルト、ホースなどの補強材や、繊維強化プラスチック、アスベスト代替繊維材料、セメント補強繊維などの産業資材用繊維として用いられるコンポジット繊維を効率的に製造することができる。CNT複合材料からコンポジット繊維を製造する方法は、特に限定されない。コンポジット繊維は、例えば、カーボンナノチューブ複合材料と任意の追加の材料を含む紡糸溶液を調製する工程(紡糸溶液調製工程)、前記紡糸溶液から紡糸ゲル状原糸を調製する工程(紡糸ゲル状原糸調製工程)、そして、前記紡糸ゲル状原糸を延伸する工程(延伸工程)を経て製造することができる。
[紡糸溶液調製工程]
紡糸溶液は、上述のCNT複合材料、任意の追加の材料および溶媒とを混合することで容易に調製することができる。ここで、任意の追加の材料としては、特に限定されないが、PVAなどの水溶性繊維原料や、セルロース繊維などの繊維原料が挙げられる。
ここで、追加する繊維原料は、PVAなどの水溶性繊維原料やセルロース繊維などをそのまま用いてもよいが、特に限定されることなく、それらの繊維を、任意に分散剤の存在下で溶媒中に溶解または分散させて調製することができる。そして、溶媒としては、例えば、DMSO(ジメチルスルホキシド)、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルモルホリン−N−オキシド等の有機溶媒や、水を用いることができる。さらに、繊維原料にセルロース繊維を用いる場合、例えば、没色子酸プロピルなどの酸化防止剤を添加するのが好ましい。酸化防止剤を添加することにより、変色の少ない、力学的特性に優れたコンポジット繊維が得られる。
上述したセルロース繊維としては、特に限定されることなく、レーヨン、ポリノジックレーヨン、キュプラ、テンセル(商標)、リヨセル(商標)などのセルロース系再生繊維、および、綿、亜麻(リネン)、ラミー、バナナ、竹、ケナフ、月桃、ヘンプ、カポック等のセルロース系天然繊維などを用いることができる。
[紡糸ゲル状原糸調製工程]
紡糸ゲル状原糸を得る工程では、上述した紡糸溶液を冷却し、ゾルからゲルへ転移させて紡糸ゲル状原糸を得る。
なお、紡糸ゲル状原糸を得る工程では、紡糸溶液中のCNTは、ノズルやエアギャップから紡糸溶液を吐出させて紡糸する際に生じる流動や剪断により、繊維軸方向に配向する。
ここで、紡糸溶液をゾルからゲルへ転移させる、すなわちゲル化させる手法としては、紡糸溶液を冷却によって速やかにゲル化できる任意の手法を用いることができる。具体的には、ゲル紡糸法において一般的な手法である、冷却液体の入った固化浴に紡糸溶液を吐出させる方法を用いて紡糸ゲル状原糸を得てもよいし、冷却気体の吹きつけなどの乾式によるゲル化を用いて紡糸ゲル状原糸を得てもよい。ただし、速やかな凝固のためには、0℃以下に冷却した液体、例えばメタノールなどを用いて紡糸ゲル状原糸を得ることが好ましい。
なお、PVAを含む紡糸溶液は、室温付近では高粘度であり、場合によってはゲル化することもある。従って、紡糸ゲル状原糸を調製する際には、曳糸性を付与することを目的として紡糸溶液を70℃以上に加温し、溶液粘度を下げて完全なゾル(溶液)状態で紡糸を行うことが望ましい。
[繊維延伸工程]
紡糸ゲル状原糸を延伸する工程では、紡糸ゲル状原糸を延伸する前工程として、紡糸ゲル状原糸の脱溶媒・乾燥を行う。脱溶媒・乾燥は、得られた紡糸ゲル状原糸をメタノールなどの有機溶媒中に浸漬して脱溶媒を進めた後に風乾あるいは減圧乾燥することにより行ってもよいし、有機溶媒を使用せずに紡糸ゲル状原糸をそのまま風乾あるいは減圧乾燥することにより行ってもよい。
延伸は、紡糸ゲル状原糸を脱溶媒・乾燥して得た乾燥原糸を100〜250℃の雰囲気温度中、乾熱延伸することにより行う。この際、延伸雰囲気はPVAの酸化劣化を抑制するために窒素などの不活性ガス雰囲気としてもよい。また、より高倍率に延伸を施すために延伸温度の異なる条件で2段以上の乾熱多段延伸を行ってもよい。
なお、高強度のコンポジット繊維を容易に得るためには、全延伸倍率を15倍以上とするのが好ましく、20倍以上にすることが更に好ましい。また、任意に、延伸後に加熱ロール等を用いて熱処理を行ってもよい。
そして、紡糸ゲル状原糸を延伸する工程では、延伸時に原糸中のCNTが繊維軸方向に更に配向され、機械的特性に優れたコンポジット繊維が得られる。
また、本発明のCNT複合材料によれば、以上のコンポジット繊維の製造以外に、例えば、CNTそのものからなる繊維を製造することもできる。例えば、本発明のCNT複合材料を前記[紡糸溶液調製工程]に記載の溶媒に溶解または分散させて紡糸溶液を得、それを前記紡糸ゲル状原糸調製工程に供した後、前記繊維延伸工程に供し、CNTとPVAとからなる繊維様物を得、当該繊維様物を焼成してPVAを除去することにより、CNTそのものからなる繊維を製造することができる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<CNT分散液の調製>
単層CNT(スーパーグロース法において基材表面への触媒層の形成をウェットプロセスにより行い、アセチレンを主成分とする原料ガスを用いて調製したSGCNT。平均直径(Av)が3.3nm、直径分布(3σ)が1.9nm、3σ/Avが0.58、比表面積が1000m2/g、マイクロ孔容積が0.44mL/g)4mg、分散剤としてデオキシコール酸ナトリウム(DOC)40mg(単層CNT100質量部当たり1000質量部)を20gの蒸留水に入れて調製した組成物に、バス型超音波洗浄器(Branson社製「2510」)を用いて10℃に冷却しながら15分超音波照射した。超音波照射後の組成物を、孔径3μmのメンブレンフィルターを通過させることでろ過した。
続いて、ろ過後の組成物をジェットミル(常光社製「ナノジェットパルJN20」、0.15mmの直径を有する細管を使用)を用いて、室温下、130MPaの圧力にて20回処理し、分散剤/CNT液を調製した。ジェットミルによる処理の際、発熱によってDOCの分散剤としての効果が低下することを抑制するため、試料容器、ミル部に冷却ジャケットを取り付け、チラーを用いることにより冷媒をジャケット内に通し、試料の温度を0〜10℃に維持した。
また、ポリビニルアルコールとして重合度500、ケン化度98モル%のPVA400mg(単層CNT100質量部当たり10000質量部)を水に溶解させて5質量%に調製したPVA水溶液8gを、上述の分散剤/CNT液に加え、5分間超音波照射して混合した。得られた混合液を、上述の湿式ジェットミル装置を用いて、分散剤/CNT液の調製時と同様にして20回処理し、CNT分散液を得た。
<水の除去および複合体フィルムの調製>
得られたCNT分散液をシャーレに流し込み、60℃の温風循環式オーブンに12時間静置して乾燥させ、CNT/PVA/分散剤複合体フィルム(CNT混合物)を調製した。
<複合体フィルム(CNT混合物)の洗浄>
得られた複合体フィルムを、沸騰状態のメタノール(洗浄用溶媒)に5時間浸漬した。該浸漬によりDOCを抽出し、複合体フィルムからDOCを除去して、洗浄後混合物を得た。
<乾燥およびCNT複合材料の製造>
洗浄後混合物をロータリーエバポレーターに入れ、熱水浴につけて加熱し、乾燥させ、CNT複合材料を得た。
<紡糸溶液の調製および分散性評価>
90℃の8質量%セルロース溶液(溶媒:N−メチルモルホリン−N−オキシド・1水和物)をラボプラストミル(東洋精機社製)に投入し、さらに、上述の工程を経て得られたCNT複合材料を投入して10分間攪拌し、紡糸溶液を調製した。なお、セルロース100質量部に対する単層CNTの配合量は0.1質量部であった。
紡糸溶液の目視観察により、CNT複合材料がセルロース溶液に均一に溶解したことを確認した。さらに紡糸溶液を光学顕微鏡(倍率:1000倍)で観察したところ、単層CNTの凝集物は一切観察されず、高い分散性を示した。
(実施例2)
CNT分散液の調製時に、分散剤として、DOCに替えて以下の式で示される構造を有するセチルトリメチルアンモニウムブロミドを使用した以外は、実施例1と同様にして、CNT複合材料、紡糸溶液を得た。
紡糸溶液の目視観察により、CNT複合材料がセルロース溶液に均一に溶解したことを確認した。さらに紡糸溶液を光学顕微鏡(倍率:1000倍)で観察したところ、単層CNTの凝集物は一切観察されず、高い分散性を示した。
(実施例3)
CNT分散液の調製時に、分散剤として、DOCに替えて以下の式で示される構造を有するトリトンX−100(下記式中、n=9〜10、重量平均分子量、647)を使用した以外は、実施例1と同様にして、CNT複合材料、紡糸溶液を得た。
紡糸溶液の目視観察により、CNT複合材料がセルロース溶液に均一に溶解したことを確認した。さらに紡糸溶液を光学顕微鏡(倍率:1000倍)で観察したところ、単層CNTの凝集物は一切観察されず、高い分散性を示した。
(実施例4)
CNT分散液の調製時に、PVA(重合度500、ケン化度98モル%)に替えてPVA(重合度1700、ケン化度99モル%)を使用した以外は、実施例1と同様にして、CNT複合材料、紡糸溶液を得た。
紡糸溶液の目視観察により、CNT複合材料がセルロース溶液に均一に溶解したことを確認した。さらに紡糸溶液を光学顕微鏡(倍率:1000倍)で観察したところ、単層CNTの凝集物は一切観察されず、高い分散性を示した。
(実施例5)
CNT分散液の調製時に、単層CNTの配合量を2倍の8mg、DOCの配合量を2倍の80mg(単層CNT100質量部当たり1000質量部)とした以外は、実施例1と同様にして、CNT複合材料、紡糸溶液を得た。なお、CNT分散液の調製時におけるPVAの配合量は、実施例1と同様の400mg(単層CNT100質量部当たり5000質量部)とした。紡糸溶液の目視観察により、カーボンナノチューブ複合材料がセルロース溶液に一応溶解したことを確認した。さらに紡糸溶液を光学顕微鏡(倍率:1000倍)で観察したところ、数μmの単層CNTの凝集物が僅かに確認されたが(図1中、丸で囲まれた箇所)、概ね分散性は良好であった。
上述のCNTの分散性の評価結果に鑑みると、実施例1〜5で得られた、CNTが好適に分散した紡糸溶液から得られるコンポジット繊維は、優れた機械的特性を有することがわかる。中でも、実施例1〜4で得られた紡糸溶液から得られるコンポジット繊維は、特に優れた機械的特性を有することがわかる。
本発明によれば、カーボンナノチューブの分散性を確保し、機械的特性に優れるコンポジット繊維を効率的に供給可能とする材料を製造することができる、カーボンナノチューブ複合材料の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、カーボンナノチューブの分散性を確保し、機械的特性に優れるコンポジット繊維を効率的に供給可能とするカーボンナノチューブ複合材料を提供することができる。

Claims (5)

  1. カーボンナノチューブ、ポリビニルアルコール、分散剤および水を含むカーボンナノチューブ分散液を調製する工程(1)と、
    前記カーボンナノチューブ分散液から水を除去してカーボンナノチューブ混合物を調製する工程(2)と、
    前記カーボンナノチューブ混合物を洗浄用溶媒で洗浄することで前記分散剤の少なくとも一部を除去して洗浄後混合物を得る工程(3)と、
    前記洗浄後混合物を乾燥してカーボンナノチューブ複合材料を得る工程(4)と、
    を備える、カーボンナノチューブ複合材料の製造方法。
  2. 前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブを含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブ複合材料の製造方法。
  3. 前記カーボンナノチューブが、平均直径(Av)と、直径の標準偏差(σ)とが、関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たす、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ複合材料の製造方法。
  4. 前記分散剤が、デオキシコール酸ナトリウムおよびコール酸ナトリウムの少なくとも一方を含む、請求項1〜3の何れかに記載のカーボンナノチューブ複合材料の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のカーボンナノチューブ複合材料の製造方法により製造される、カーボンナノチューブ複合材料。
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