JP2013155461A - ポリビニルアルコール系コンポジット繊維及びその製造方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系コンポジット繊維及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複合によるヤング率増加量の大きい高ヤング率のPVA系コンポジット繊維およびその製造法を提供する。
【解決手段】(A)ポリビニルアルコール系ポリマーおよび(B)酸化グラフェン粒子を含有し、成分(A)と(B)の質量の比が0.01≦100×(B)/(A)≦3であり、かつヤング率が10GPa以上のポリビニルアルコール系コンポジット繊維。
【選択図】なし

Description

本発明は、ヤング率10GPa以上のポリビニルアルコール系コンポジット繊維およびその製造方法に関する。
ポリビニルアルコール(以下、PVAと称すことがある)系繊維は従来汎用ポリマーの中にあっては比較的高強度、高ヤング率であることから産業資材用途などに使われて来た。最近ではアスベスト繊維の代替として耐アルカリ性の特徴を生かしたセメント補強用繊維で注目されている。そしてさらなる高強度、高ヤング率のPVA系繊維が開発されれば、特にゴムやプラスチックの補強材として安全性、耐久性、軽量性などの点で優れた商品が期待できる。
PVA系繊維は、水あるいは有機溶媒を使用して湿式紡糸法および乾式紡糸法、ゲル紡糸法により製造されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。これらの中でゲル紡糸法は、高強度なPVA系繊維を製造する方法として知られ、超高分子量ポリエチレンのゲル紡糸−超延伸の考え方をPVAに応用した方法である。
ところで、近年ユニークな特性を有する物質として酸化グラフェンに注目が集まっている。酸化グラフェン粒子は水に分散しており、平面形状であることから、粒子間の絡まりがなく、分散が容易であるといった特徴を有している。しかし、酸化されることで完全なグラフェン構造ではなくなり、多くの欠陥を有していることから、ヤング率はSWNT(単層カーボンナノチューブ)で言われている1000GPaと比較して、208GPa程度と低くなっている(非特許文献1)。
酸化グラフェンは水に分散していることから、水に溶解したPVAと混合することで、酸化グラフェンとPVAの複合材料を作製することが行われている(非特許文献2、非特許文献3)。しかし、これらは、酸化グラフェン未添加のPVAのヤング率として2GPa程度と低く、酸化グラフェン添加後のヤング率も5GPa程度であった。繊維として使用する場合、5GPa程度のヤング率では不十分であり、好ましくは10GPa以上、より好ましくは15GPa以上のヤング率の実現が必要となる。ところが、10GPaを超えるような高いヤング率では、ヤング率208GPaの酸化グラフェンの添加効果はあまり期待できないことが複合則から予想される。複合則は複合材料の物性を予測する方法としてよく使われている理論であるが、10GPa以上のヤング率となる複合材として複合則で考えた場合、酸化グラフェン添加によるヤング率の増加量は多くても3〜4GPa程度であり、ヤング率の増加量は十分とは言えない。詳しく説明すると、まず、酸化グラフェンは添加量が多すぎると、複合したときの粘度が高くなりすぎて均一な紡糸ができないため、添加量の上限は3質量%程度である。産業的にみても、PVA系ポリマーにくらべて高価な酸化グラフェンを大量に添加することは望ましくなく、妥当な添加量としては1質量%程度である。そこで添加量の上限を3質量%として複合則による以下の計算式から、酸化グラフェン無添加時のヤング率に応じて、酸化グラフェン添加後の複合材のヤング率の試算を行った。なお、質量%から体積%に単位を変換するときに、PVAの比重として1.3g/cm、酸化グラフェンの比重として2.2g/cmを用いて計算した。
複合則の計算式
(複合材のヤング率)=VGO×(酸化グラフェンのヤング率)
+VPVA×(PVAのヤング率)
GO:酸化グラフェンの体積割合
PVA:PVAの体積割合
試算した結果を表1に示したが、表1をみると、酸化グラフェンとの複合によりヤング率の増加量は最大の3質量%添加でも3〜4GPa程度であり、1質量%の添加量では1GPa程度しか増加しない。複合材として10GPa以上で考えるとヤング率の増加量は多くない。ヤング率10GPa以上のPVAのヤング率を大きく向上させるには酸化グラフェンよりも高いヤング率の材料と複合することが有効と考えられる。
高いヤング率を有する材料として、カーボンナノチューブ(CNT)が知られている。CNTはヤング率が最大1000GPa程度といわれ、PVAと複合してPVAの強度・ヤング率を向上させる試みが行われている。先ほどと同様にヤング率1000GPaのCNTと複合したときの複合材のヤング率を試算した。計算の際にCNTの比重は酸化グラフェンと同じ2.2g/cmを用いて計算した。試算の結果を表2に示したが、この場合、複合によるヤング率の増加量は3質量%添加の場合17〜18GPa程度で、1質量%の添加量でも6GPa程度と予想され、ヤング率10GPa以上のPVAでもヤング率を大きく向上できることが期待される。ところが、CNTの性能を十分に発現させるためには、CNTをPVA中できれいに分散させる必要があるが、CNTは絡まりが多く、凝集を起こさず分散させることは容易ではないといった問題を有している(特許文献5)。
Figure 2013155461
Figure 2013155461
特公平6−11927 特開昭59−100710 特公平7−6085 特開昭59−130314 特開2010−216018
"Mechanical Properties of Monolayer Graphene Oxide", Ji Won Suk, Richard D. Piner, Jinho An, and Rodney S. Ruoff, ACS Nano, 2010, 4 (11),6557-6564. "Molecular-level Dispersion of Graphene into Poly(vinyl alcohol), and Effective Reinforcement of Their Nanocomposites", Jiajie Liang, Yi Huang, Long Zhang, Yan Wang, Yanfeng Ma, Tianyin Guo and Yongsheng Chen, Adv Funct Mater, 2009,19, 2297-2302. "Strong and ductile poly(vinyl alcohol)/graphene oxide composite films with a layered structure", Yuxi Xu, Wenjing Hong, Hua Bai, Chun Li, Gaoquan Shi, Carbon, 2009, 47, 538-3543.
本発明の課題は、酸化グラフェンとの複合によるヤング率増加量の大きい高ヤング率のPVA系コンポジット繊維およびその製造法を提供することにある。
本発明者らは、セメント補強用繊維等に有用な10GPa以上、より好ましくは15GPa以上の高ヤング率を有するPVA系コンポジット繊維において、凝集が発生しやすいCNT以外の材料で複合効果の高いコンポジット繊維を提供することを目指して検討を行った。その結果、フィラー無添加時に高いヤング率のPVA系繊維が得られる製造法ほど、酸化グラフェンと複合したときに、複合によるヤング率増加量が大きくなる傾向があることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、酸化グラフェンは粒子間の絡み合いがなく、分散性が良好なため、PVA系ポリマーとの複合材用の材料として有効であるが、ヤング率が208GPaであることから、10GPa以上の高ヤング率を有するポリビニルアルコール系コンポジット繊維用のフィラーとしては有効ではないと考えられていた。ところが驚くべきことに、酸化グラフェンは、フィラー無添加時のPVA系繊維のヤング率がより高くなる手法(紡糸方法や延伸など)を用いたときほど、同様の製造方法を用いた場合に、酸化グラフェン添加によるヤング率増加量が大きくなる傾向があることがわかり、10GPa以上の高ヤング率でもポリビニルアルコール系コンポジット繊維用のフィラーとしては有用であることが判明した。この理由は明らかではないが、酸化グラフェンとPVA系ポリマーに何らかの相互作用があり、その相互作用がPVA系ポリマーのヤング率が高くなるときほど強くなるためと考えている。また、酸化グラフェンは比表面積が大きいため、PVA系ポリマーと酸化グラフェンの界面が多いこともその効果を高めていると考えている。このように、酸化グラフェンの特殊な効果を見出し、10GPa以上の高ヤング率のPVA系コンポジット繊維において、複合効果の高い繊維を実現することに成功した。また、平面形状を有する酸化グラフェンと複合することで、ヤング率向上以外にもガスバリア性の向上や溶融温度の向上が期待される(”Transparent and high gas barrier films based on poly(vinyl alcohol)/graphene oxide composites”, Thin Solid Films (2011), 519(22), 7766-7771)。
本発明は以下のとおりである。
[1](A)ポリビニルアルコール系ポリマーおよび(B)酸化グラフェン粒子を含有し、成分(A)と(B)の質量の比が0.01≦100×(B)/(A)≦3であり、かつヤング率が10GPa以上であることを特徴とするポリビニルアルコール系コンポジット繊維。
[2]前記(A)ポリビニルアルコール系ポリマーの重合度が1500〜6000であることを特徴とする[1]記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維。
[3]前記(B)酸化グラフェン粒子は、元素分析による酸素含有量が5〜50質量%の範囲である[1]又は[2]に記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維。
[4]前記(B)酸化グラフェン粒子は、厚さ5nm以下の粒子の個数の割合が60%以上であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維。
[5]前記(B)酸化グラフェン粒子は、平均粒子径が0.5μm以上であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維。
[6](A)ポリビニルアルコール系ポリマーおよび(B)酸化グラフェン粒子を含有する紡糸原液を紡糸して[1]〜[5]のいずれかに記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維を製造することを特徴とする、ポリビニルアルコール系コンポジット繊維の製造方法。
[7]前記紡糸原液の溶媒が、ジメチルスルホオキサイド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン及び水からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする[6]記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維の製造方法。
[8]酸化グラフェン分散液をポリビニルアルコール系ポリマー又はポリビニルアルコール系ポリマー溶液と混合することで前記紡糸原液を作製することを特徴とする[6]又は[7]に記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維の製造方法。
[9]さらに繊維を延伸する工程を含み、延伸の倍率は5倍以上であることを特徴とする[6]〜[8]のいずれかに記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維の製造方法。
[10]延伸時の温度が250℃以下であることを特徴とする[9]に記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維の製造方法。
本発明によれば、凝集が発生しやすいCNTを用いることなく、複合によるヤング率増加量の大きい高ヤング率のポリビニルアルコール系コンポジット繊維を提供することができる。
本発明は、(A)ポリビニルアルコール系ポリマーおよび(B)酸化グラフェン粒子を特定量含有し、かつヤング率が10GPa以上であることを特徴とするポリビニルアルコール系コンポジット繊維であり、その製造方法である。
(PVA系ポリマー)
本発明で用いるPVA系ポリマーとしては、ビニルアルコールユニットを主な構成成分とするものであれば特に限定されず、他の構成成分を有していてもかまわない。ここでいう主な構成成分とは、ビニルアルコールユニット以外の構成成分のユニット数として、10分の1以下、好ましくは50分の1以下を意味する。このような構造成分を形成することとなるモノマーとして例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン類、酢酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステル、アクリル酸及びその塩とアクリル酸メチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導体、メタクリルアミド、 N−メチロールメタクリルアミド等のメタクリルアミド誘導体、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、ポリアルキレンオキシドを側鎖に有するアリルエーテル類、メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリル等のニトリル類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル、マレイン酸およびその塩またはその無水物やそのエステル等がある。このようなモノマーの導入法は共重合による方法でも、後反応による導入方法でもよい。
PVA系ポリマーの重合度としては、1000以上6000以下であることが望ましく、1500以上5000以下であることがより望ましい。重合度が1000以下であると得られる高いヤング率を実現することが困難であり、重合度が6000以上であると、酸化グラフェンと複合したときの粘度が高くなりすぎて、紡糸が困難になる。PVA系ポリマーの重合度は例えばJIS K6726で評価することができる。
PVA系ポリマーのケン化度について大きな制限はないが、耐熱性、耐水性の観点より、90モル%以上が好ましく、PVA系ポリマーの99モル%以上であると更に好ましい。PVAのケン化度は例えばJIS K6726で評価することができる。
(酸化グラフェン)
酸化グラフェンは酸化黒鉛を層状に剥離することで得ることができる。酸化黒鉛は黒鉛を特定の方法で酸化することにより製造されるが、酸化黒鉛を得るための黒鉛の酸化法としては、公知のBrodie法(硝酸、塩素酸カリウムを使用)、Staudenmaier法(硝酸、硫酸、塩素酸カリウムを使用)、Hummers−Offeman法(硫酸、硝酸ナトリウム、過マンガン酸カリウムを使用)などやこれらの方法に改良を加えた方法を利用できる。これらのうち、特に酸化が進行するのはHummers−Offeman法(W.S.Hummerset al.,J.Am.Chem.Soc.,80,1339(1958);米国特許No.2798878(1957))であり、この酸化方法が特に推奨される。
酸化黒鉛を層状に剥離し酸化グラフェンを得るためには、酸化黒鉛の精製を十分行えばよい。精製操作には、デカンテーション、濾過、遠心分離、透析、イオン交換などの公知の手段を用いればよい。精製時において、多層構造の分離は自発的に生じるが、これに加えて、振とうなどの撹拌操作やせん断力などの物理力を加えると分離がさらに促進されるので望ましい。超音波照射も利用可能であるが、層の分離と共に各層の基本構造が破壊されて粒子径が小さくなるため、粒子径を小さくしたい場合に用いることが望ましい。
ここで、厳密には単層構造の酸化黒鉛を酸化グラフェンと定義すべきであるが、一般には単層レベルまで薄層化された酸化黒鉛を酸化グラフェンと呼ぶことが多い。層数として10層以下(一般に知られている酸化黒鉛の層間距離0.83nmから換算すると平均厚み8.3nm程度)の酸化黒鉛も広義に酸化グラフェンとして扱われている。このようなことから、本発明における酸化グラフェンは厚みが10nm以下の酸化黒鉛を意味するものとする。
本発明における酸化グラフェンとは、組成変化・構造変化を起こす処理(例えば還元処理、化学修飾(酸化グラフェンに含有するカルボン酸などの官能基を利用して有機物を化学的に結合させる)など)を行った酸化グラフェンも含めているものとする。組成変化・構造変化を起こす処理としては、酸化グラフェンとPVA系ポリマーを複合する前あるいはPVA系ポリマーと複合した後に行うことができる。酸化グラフェンを複合する前の処理としては、例えば、酸化グラフェン含有溶液に加熱処理を行う、光照射を行う、還元剤を添加して加熱処理を行うことなどが可能である。PVA系ポリマーと複合した後に行う処理としては、加熱処理、還元雰囲気にさらす処理、光照射などが可能である。
酸化グラフェンは水酸基やカルボン酸基などの酸素含有基を有するものであることができ、元素分析による酸素含有量は、例えば、5〜50質量%の範囲であることができる。酸素含有量が5質量%未満では、PVA系ポリマーとの強い相互作用が得られにくくなる傾向があり、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。一方50質量%を超えると、酸化グラフェンとしての構造が維持できなくなる傾向がある。但し、これらの範囲に限定される意図ではない。なお、酸素含有量はXPS(X線光電子分光法)やSEM(走査電子顕微鏡)・TEM(透過型電子顕微鏡)と組み合わせたエネルギー分散型X線分析により評価することが可能である。
酸化グラフェンは、黒鉛由来のグラフェン構造を残した部分とアモルファス構造部分が形成されているといわれており、アモルファス構造部分の存在によりグラフェンとは異なる機能が発現する。アモルファス構造部分の存在はラマンスペクトルで確認することができ、酸化グラフェンのラマンスペクトルにおけるピークの高さの比H/Hとして、H/H≦100の範囲にあることが好ましく、H/H≦10であることがより望ましい。ここで、Hはラマンシフト1650cm−1付近に検出されるG線に由来するピーク(酸化されていない領域由来)の高さを意味し、Hはラマンシフト1350cm−1付近に検出されるD線に由来するピーク(酸化によりグラフェン構造が崩れた領域由来)の高さを意味する。H/Hの値が100より大きくなるとPVA系ポリマーとの強い相互作用が得られにくくなる傾向がある。
酸化グラフェン粒子の厚みはできるだけ薄いものほど、酸化グラフェン粒子とPVAポリマーとの界面となる面積が増加するため望ましい。そこで、酸化グラフェン粒子の厚みとしては、5nm以下の厚みの酸化グラフェン粒子を60%以上含有しているものが好ましく、1.5nm以下の厚みの酸化グラフェン粒子を60%以上含有するものであるとさらに好ましい。厚みの評価は原子間力顕微鏡を用いて次のような方法で行うことができる。希釈した酸化グラフェン粒子の水分散液を基板(マイカ)の上に滴下し、原子間力顕微鏡により重なりのない孤立した粒子を見つけ、原子間力顕微鏡で測定される基板と孤立粒子の高さの差が粒子の厚みとなる。粒子にしわが形成されている場合、しわの部分は厚さを反映していないので、しわのない部分と基板との高さの差で厚みを評価するようにする。吸着水の影響もあるため、厚みが1.5nm以下は酸化グラフェンの層数が1層と考えられる。一定厚み以下の酸化グラフェンの含有割合は、30個の粒子について厚みを測定し、30個中の一定厚み以下の酸化グラフェンの割合で算出することとする。
酸化グラフェン粒子の粒子径は、好ましくは0.5μm以上300μm以下、より好ましくは1μm以上200μm以下、5μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。粒子径が0.5μmよりも小さくなるとヤング率増加量が小さくなるといった問題がある。一方で、粒子径が300μmよりも大きくなると、原料に大きな黒鉛を使用する必要があり、酸化に要する時間が長くなるといった問題がある。ここで、粒子径とは最大径(外側輪郭線上の任意の2点を、その間の長さが最大になるように選んだ時の長さ)を意味し、30個の粒子の平均値で算出することとする。粒子の輪郭は原子間力顕微鏡やSEM(走査電子顕微鏡)等で確認することができる。
(コンポジット繊維の製造方法)
本発明のコンポジット繊維の製造法としては、酸化グラフェンとPVA系ポリマーを溶液中で混合し、混合した液を紡糸原液として紡糸する方法が望ましい。混合液の調整方法としては、
(1)酸化グラフェン分散液とPVA系ポリマー溶液を混合する方法
(2)酸化グラフェン分散液にPVA系ポリマーを添加してPVA系ポリマーを溶解する方法
(3)固体の酸化グラフェンをPVA系ポリマー溶液に添加する方法
が挙げられるが、酸化グラフェンが混合液中で均一に分散していることが重要であることから、(1)、(2)の方法が望ましい。ここで本発明における紡糸とは、繊維形成能を有する物質を繊維の形状に加工する工程を意味し、紡糸原液とは、溶媒を50質量%以上含有し、紡糸により繊維形状に加工される物質を意味するものする。
紡糸原液の溶媒としては酸化グラフェンが分散可能でPVA系ポリマーが溶解する溶媒が望ましく、例えば、水、ジメチルスルホオキサイド(以下DMSOと略記)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどの極性溶媒やグリセリン、エチレングリコールなどの多価アルコール類、などが挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは複数の溶媒を混合して用いることができる。水に、水以外の溶媒を添加した場合には、分子間の絡み合いが少ないゲル状態を形成し、より高いヤング率の繊維が作製可能となることから好ましい。水以外の溶媒としては、DMSOが低温溶解性、低毒性、低腐食性、酸化グラフェンの分散性などの点で最も好ましい。水以外の溶媒の割合(水と水以外の溶媒の合計を100質量%とする)は60質量%以上であることが望ましく、70質量%以上がより望ましい。水以外の溶媒の割合が60質量%よりも少ないと分子間の絡み合いが少ないゲル状態の形成が困難になり、得られる繊維のヤング率を十分高くすることが困難となる。
紡糸原液にはPVAと溶媒以外にも目的に応じて種々の添加剤、例えば顔料などの着色剤、凍結防止剤、酸化防止剤、架橋剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、還元剤、pH調整剤などを所要量添加してもよい。更にDMSOの如く比較的高い凍結温度を有する溶媒に対しては、メタノールなどの凝固作用を有するものでもPVAが凝固しない範囲内で添加すると、凝固浴を溶媒の凍結温度以下としても紡糸原液が凍結しないので好ましい場合がある。繊維の物性低下を招かないためにも、酸化グラフェン以外の添加物の量は、好ましくは全体の20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
紡糸原液のPVA系ポリマー濃度(PVA系ポリマーと溶媒の合計を100質量%とする)とはPVA系ポリマーの重合度や溶媒の種類によって異なるが、通常2〜30質量%、好ましくは5〜20質量%とする。PVA系ポリマー濃度が30質量%よりも大きいと液の粘度が高くなりすぎて紡糸が困難になり、濃度が2質量%よりも少ないと紡糸時の単糸切れが発生しやすくなる。
本発明のポリビニルアルコール系コンポジット繊維の紡糸法としては、水を紡糸原液の溶媒とした湿式紡糸法、乾湿式紡糸あるいは乾式紡糸法、有機溶媒を用いたゲル紡糸法などを用いることができる。中でもゲル紡糸法は非常に高いヤング率を実現できることから、もっとも望ましい。なお、湿式紡糸とは、紡糸ノズルから直接固化浴に紡糸原液を吐出する方法のことであり、乾湿式紡糸とは、紡糸ノズルから一旦任意の距離の空気中あるいは不活性ガス中に紡糸原液を吐出し、その後に固化浴に導入する方法のことである。また、乾式紡糸とは、空気中あるいは不活性ガス中に紡糸原液を吐出する方法のことである。ゲル紡糸法とは水以外の有機溶媒を10質量%以上含む溶媒の紡糸原液で紡糸する方法を意味するものとする。紡糸原液を吐出する方法としては、紡糸原液を糸形状に加工できる方法であればよく、ノズルを使った方法やチューブ中に紡糸原液を一度注入する方法などが挙げられる。
紡糸後は延伸を行うことが望ましい。理由は定かではないが、酸化グラフェンとPVA系ポリマーのコンポジット繊維を延伸したときに酸化グラフェンとPVA系ポリマーの特殊な作用によりヤング率の増加率が大きくなる。延伸倍率としては、望ましくは5倍以上、より望ましくは10倍以上、さらに望ましくは15倍以上である。延伸倍率が5倍より少ないと、酸化グラフェン添加によるヤング率の増加率が少ない。延伸時の温度としては、250℃以下であることが望ましく、210℃以下であることがさらに望ましい。延伸時の温度が250℃を超えると、延伸時に酸化グラフェンの還元が進み、PVA系ポリマーと酸化グラフェンの相互作用が弱まってしまうという問題がある。
ポリビニルアルコール系コンポジット繊維中の酸化グラフェンの添加量としては、(A)ポリビニルアルコール系ポリマーと(B)酸化グラフェン粒子の質量の比が0.01≦100×(B)/(A)≦3であることが好ましく、0.05≦100×(B)/(A)≦1であることがさらに好ましい。100×(B)/(A)の値が0.01より少ないと十分なヤング率増加効果が得られず、3よりも大きくなると、引っ張り強度が低下しやすくなるといった問題がある。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(酸化グラフェンの合成例)
天然黒鉛SNO−3(SECカーボン社製、純度99.97質量%以上)10gを、硝酸ナトリウム(純度99%)7.5g、硫酸(純度96%)621g、過マンガン酸カリウム(純度99%)45gからなる混合液中に入れ、約20℃で5日間、緩やかに撹拌しながら放置した。得られた高粘度の液を、5質量%硫酸水溶液1000cmに約1時間で撹拌しながら加えて、さらに2時間撹拌した。得られた液に過酸化水素(30質量%水溶液)30gを加えて、2時間撹拌した。
この液を、水により十分精製することで、平板状の酸化グラフェンの水分散液を得た。液の一部を40℃で真空乾燥させ、乾燥前後の質量変化を測定した結果から、液中の酸化グラフェンの固形分濃度は1.3質量%と算出された。また、40℃で真空乾燥させた酸化グラフェンのXPS分析で、酸素は42質量%であった。ラマンスペクトルを測定した結果、G線に由来するピークの高さHとD線に由来するピークの高さHの比H/Hは1.29であった。液の一部を水で希釈してからマイカの上で乾燥させ、原子間力顕微鏡を使って酸化グラフェンの厚みを評価したところ、30個の粒子で確認された厚みは1.1nm,2.2nm,0.8nm,0.9nm,1.7nm,1.5nm,1.1nm,1.8nm,0.9nm,1.0nm,1.6nm,2.2nm,1.1nm,1.0nm,1.3nm,0.9nm,0.9nm,1.2nm,1.9nm,1.4nm,1.7nm,1.8nm,1.0nm,1.3nm,1.1nm,0.8nm,2.0nm,1.4nm,1.8nm,1.3nmであり、1.5nm以下の厚みの酸化グラフェン粒子が20個で67%、5nm以下の厚みの酸化グラフェンは30個で100%と、いずれも全体の60%以上含有していた。30個の粒子で確認された粒子径(最大径(外側輪郭線上の任意の2点を、その間の長さが最大になるように選んだ時の長さ))は、2.0μm,4.3μm,5.4μm,2.5μm,1.0μm,6.8μm,10.5μm,2.3μm,4.4μm,1.4μm,4.1μm,1.6μm,1.5μm,2.1μm,1.2μm,1.6μm,1.1μm,1.0μm,1.4μm,1.7μm,2.9μm,4.4μm,2.9μm,1.9μm,1.2μm,1.8μm,2.6μm,6.8μm,1.8μm,6.0μmであり、平均の粒子径は3μmであった。上記の1.3質量%酸化グラフェン水分散液を1.0質量%に濃度調整した分散液を以下、「分散液A」と呼ぶ。
酸化グラフェンの粒子径を小さくするため、分散液Aに超音波処理を行い、濃度1.0質量%の酸化グラフェン水分散液を作製した。この分散液を以下、「分散液B」と呼ぶ。分散液Bを40℃で真空乾燥させた酸化グラフェンのXPS分析で、酸素は42質量%であった。ラマンスペクトルを測定した結果、G線に由来するピークの高さHとD線に由来するピークの高さHの比H/Hは1.29であった。液の一部を水で希釈してからマイカの上で乾燥させ、原子間力顕微鏡を使って酸化グラフェンの厚みを評価したところ、30個の粒子で確認された厚みは、0.9nm,0.8nm,1.0nm,1.3nm,0.9nm,0.9nm,0.8nm,1.1nm,1.8nm,0.9nm,1.0nm,0.8nm,1.7nm,1.1nm,0.8nm,0.8nm,1.4nm,0.8nm,1.3nm,1.1nm,1.1nm,1.0nm,1.4nm,1.1nm,0.9nm,1.7nm,1.2nm,1.0nm,1.0nm,1.3nmであり、1.5nm以下の厚みの酸化グラフェン粒子が27個で90%、5nm以下の厚みの酸化グラフェンは30個で100%と、いずれも全体の60%以上含有していた。30個の粒子で確認された粒子径(最大径(外側輪郭線上の任意の2点を、その間の長さが最大になるように選んだ時の長さ))は、0.8μm,2.0μm,2.3μm,1.0μm,3.7μm,5.4μm,1.1μm,2.1μm,0.8μm,0.7μm,1.7μm,0.6μm,0.9μm,0.8μm,0.7μm,0.7μm,0.6μm,0.8μm,2.2μm,0.9μm,1.2μm,4.1μm,0.8μm,1.0μm,1.2μm,2.7μm,0.8μm,0.6μm,1.7μm,1.3μmであり、平均の粒子径は1.5μmであった。
酸化グラフェンの粒子径をさらに小さくするため、分散液Bに超音波処理を行い、濃度1.0質量%の酸化グラフェン水分散液を作製した。この分散液を以下、「分散液C」と呼ぶ。分散液Cを40℃で真空乾燥させた酸化グラフェンのXPS分析で、酸素は40質量%であった。ラマンスペクトルを測定した結果、G線に由来するピークの高さHとD線に由来するピークの高さHの比H/Hは1.27であった。液の一部を水で希釈してからマイカの上で乾燥させ、原子間力顕微鏡を使って酸化グラフェンの厚みを評価したところ、30個の粒子で確認された厚みは、1.0nm,0.9nm,0.8nm,1.0nm,0.9nm,0.9nm,0.8nm,1.1nm,1.1nm,0.8nm,1.5nm,0.9nm,1.0nm,0.8nm,1.0nm,0.8nm,1.2nm,0.8nm,1.1nm,0.9nm,1.4nm,1.2nm,1.1nm,1.0nm,1.1nm,1.4nm,1.0nm,1.2nm,1.0nm,1.1nmであり、1.5nm以下の厚みの酸化グラフェン粒子が30個で100%、5nm以下の厚みの酸化グラフェンは30個で100%と、いずれも全体の60%以上含有していた。30個の粒子で確認された粒子径(最大径(外側輪郭線上の任意の2点を、その間の長さが最大になるように選んだ時の長さ))は、0.3μm,0.2μm,0.5μm,0.2μm,0.5μm,0.5μm,0.1μm,0.3μm,0.2μm,0.5μm,0.3μm,0.2μm,0.2μm,0.5μm,0.3μm,1.2μm,0.3μm,0.2μm,2.8μm,0.1μm,1.5μm,0.5μm,1.0μm,0.6μm,0.1μm,0.4μm,0.3μm,0.6μm,0.2μm,0.4μmであり、平均の粒子径は0.5μmであった。
(引張試験法)
40℃、減圧下で48時間乾燥させた初期長さ20mmの繊維を、(株)島津製作所製のオートグラフAGS−1kNDを用い、室温下、引張速度:20mm/min条件で、ヤング率、破断強度、破断点伸びを測定した。試験は10本の繊維に対して行い、その平均値を算出した。
(繊維の直径の測定法)
繊維の断面形状が円形の繊維については光学顕微鏡で繊維を観察し、その幅を直径とした。繊維の断面形状が円形と異なる場合は、繊維の断面形状を光学顕微鏡で観察し、画像解析ソフトを用いて、円相当径(同一断面積となる円の直径)を算出し、円相当径を繊維の直径とした。直径の測定は5箇所行い、その平均値を算出した。
比較例1
日本合成化学工業株式会社製ポリビニルアルコール(ゴーセノールNH-18,けん化度99%以上,重合度1,800)粉末5.000gおよび水 50.000gを混合し、80℃に加熱してポリビニルアルコールを溶解させて、紡糸溶液を作製した。紡糸溶液を75℃にし、内径0.80mmの針の先端を−40℃のメタノールに浸漬した状態で紡糸原液を針の先端からメタノール中に紡糸した。−40℃のメタノールに24時間浸漬した後、巻き取った繊維を室温のメタノールに12時間浸漬した。このようにして作製した繊維を室温、大気中で24時間、さらに40℃、減圧下で48時間乾燥することでPVA系ポリマー繊維を得た。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
比較例2
比較例1で得られた繊維に対して、150℃加熱で6倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
比較例3
比較例1で得られた繊維に対して、150℃加熱で9倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
実施例1
日本合成化学工業株式会社製ポリビニルアルコール(ゴーセノールNH-18,けん化度99%以上,重合度1,800)粉末5.000gおよび分散液A 0.500g、水 49.505gを混合し、80℃に加熱してポリビニルアルコールを溶解させて、紡糸原液を作製した。紡糸原液を75℃にし、内径0.80mmの針の先端を−40℃のメタノールに浸漬した状態で紡糸原液を針の先端からメタノール中に紡糸した。−40℃のメタノールに24時間浸漬した後、巻き取った繊維を室温のメタノールに12時間浸漬した。このようにして作製した繊維を室温、大気中で24時間、さらに40℃、減圧下で48時間乾燥することでPVA系ポリマーのコンポジット繊維を得た。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
実施例2
実施例1で得られた繊維に対して、150℃加熱で6倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
実施例3
実施例1で得られた繊維に対して、150℃加熱で9倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
実施例4
実施例1におけるポリビニルアルコール粉末と分散液Aと水の添加量をそれぞれ5.000g、2.500g、47.525gに変更した以外は実施例1と同様にしてPVA系ポリマーのコンポジット繊維を得た。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
実施例5
実施例4で得られた繊維に対して、150℃加熱で6倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
実施例6
実施例4で得られた繊維に対して、150℃加熱で9倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
実施例7
実施例1におけるポリビニルアルコール粉末と分散液Aと水の添加量をそれぞれ5.000g、5.000g、45.050gに変更した以外は実施例1と同様にしてPVA系ポリマーのコンポジット繊維を得た。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
実施例8
実施例7で得られた繊維に対して、150℃加熱で6倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
実施例9
実施例7で得られた繊維に対して、150℃加熱で9倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
比較例4
比較例1で得られた繊維に対して、200℃加熱で6倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
比較例5
比較例1で得られた繊維に対して、200℃加熱で9倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
実施例10
実施例1で得られた繊維に対して、200℃加熱で6倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
実施例11
実施例1で得られた繊維に対して、200℃加熱で9倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
実施例12
実施例4で得られた繊維に対して、200℃加熱で6倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
実施例13
実施例4で得られた繊維に対して、200℃加熱で9倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
実施例14
実施例7で得られた繊維に対して、200℃加熱で6倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
実施例15
実施例7で得られた繊維に対して、200℃加熱で9倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表3に示す。
比較例6
株式会社クラレ製ポリビニルアルコール(PVA145H、けん化度99%以上,重合度4,500)粉末5gおよび水 10.000g、ジメチルスルフォキシド(DMSO) 40.000gを混合し、90℃に加熱してポリビニルアルコールを溶解させて、紡糸原液を作製した。室温に戻した後、紡糸原液を内径1mmのガラス管の中に吸い上げ、−20℃で24時間の冷凍処置を行った。続いて、冷凍処理を行った紡糸原液をガラス管から抜き出すことで紡糸して、メタノールに室温で24時間浸漬処理を行った。このようにして作製した繊維を室温、大気中で24時間、さらに40℃、減圧下で48時間乾燥することでPVA系ポリマー繊維を得た。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
比較例7
比較例6で得られた繊維に対して、150℃加熱で10倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
比較例8
比較例6で得られた繊維に対して、150℃加熱で20倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
比較例9
比較例6で得られた繊維に対して、150℃加熱で30倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
比較例10
比較例6で得られた繊維に対して、150℃加熱で50倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
比較例11
株式会社クラレ製ポリビニルアルコール(PVA145H、けん化度99%以上,重合度4,500)粉末5gおよび分散液A 0.250g、水 9.753g、ジメチルスルフォキシド(DMSO) 40.000gを混合し、90℃に加熱してポリビニルアルコールを溶解させて、紡糸原液を作製した。室温に戻した後、紡糸溶液を内径1mmのガラス管の中に吸い上げ、−20℃で24時間の冷凍処置を行った。続いて、冷凍処理を行った紡糸原液をガラス管から抜き出すことで紡糸して、メタノールに室温で24時間浸漬処理を行った。このようにして作製した繊維を室温、大気中で24時間、さらに40℃、減圧下で48時間乾燥することでPVA系ポリマーのコンポジット繊維を得た。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例16
比較例11で得られた繊維に対して、150℃加熱で10倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例17
比較例11で得られた繊維に対して、150℃加熱で20倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例18
比較例11で得られた繊維に対して、150℃加熱で30倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例19
比較例11で得られた繊維に対して、150℃加熱で50倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
比較例12
比較例11におけるポリビニルアルコール粉末と分散液Aと水とDMSOの添加量をそれぞれ5.000g、0.500g、9.505g、40.000gに変更した以外は比較例11と同様にしてPVA系ポリマーのコンポジット繊維を得た。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例20
比較例12で得られた繊維に対して、150℃加熱で10倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例21
比較例12で得られた繊維に対して、150℃加熱で20倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例22
比較例12で得られた繊維に対して、150℃加熱で30倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例23
比較例12で得られた繊維に対して、150℃加熱で50倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
比較例13
比較例11におけるポリビニルアルコール粉末と分散液Aと水とDMSOの添加量をそれぞれ5.000g、2.500g、7.525g、40.000gに変更した以外は比較例11と同様にしてPVA系ポリマーのコンポジット繊維を得た。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例24
比較例13で得られた繊維に対して、150℃加熱で10倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例25
比較例13で得られた繊維に対して、150℃加熱で20倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例26
比較例13で得られた繊維に対して、150℃加熱で30倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例27
比較例13で得られた繊維に対して、150℃加熱で50倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
比較例14
比較例11のポリビニルアルコール粉末と分散液Aと水とDMSOの添加量をそれぞれ5.000g、5.000g、5.050g、40.000gに変更した以外は比較例11と同様にしてPVA系ポリマーのコンポジット繊維を得た。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例28
比較例14で得られた繊維に対して、150℃加熱で10倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例29
比較例14で得られた繊維に対して、150℃加熱で20倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例30
比較例14で得られた繊維に対して、150℃加熱で30倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例31
比較例14で得られた繊維に対して、150℃加熱で50倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
比較例15
分散液Aの代わりに分散液Bを使用した以外は比較例14と同様にしてPVA系ポリマーのコンポジット繊維を得た。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例32
比較例15で得られた繊維に対して、150℃加熱で10倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例33
比較例15で得られた繊維に対して、150℃加熱で20倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例34
比較例15で得られた繊維に対して、150℃加熱で30倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例35
比較例15で得られた繊維に対して、150℃加熱で50倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
比較例16
分散液Aの代わりに分散液Cを使用した以外は比較例14と同様にしてPVA系ポリマーのコンポジット繊維を得た。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例36
比較例16で得られた繊維に対して、150℃加熱で10倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例37
比較例16で得られた繊維に対して、150℃加熱で20倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例38
比較例16で得られた繊維に対して、150℃加熱で30倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
実施例39
比較例16で得られた繊維に対して、150℃加熱で50倍の延伸を行った。得られた繊維の直径の測定および引張試験を行った結果を表4に示す。
表3の結果に関して、同一条件で繊維を作製したときの酸化グラフェン添加によるヤング率の増加量を表5に示した。表5をみると、酸化グラフェン無添加時のヤング率が高い条件のときほど、酸化グラフェン添加によるヤング率の増加量が大きい傾向にあることがわかる。
同様に表4の結果に関して、同一条件で繊維を作製したときの酸化グラフェン添加によるヤング率の増加量を表6に示した。表6をみると、紡糸溶液にDMSOが添加された系でも、酸化グラフェン無添加時のヤング率が高い条件のときほど、酸化グラフェン添加によるヤング率の増加量が大きい傾向にあることがわかる。
さらに、表4をみると、粒子径が大きいときほど酸化グラフェン添加によるヤング率の増加量が大きくなる傾向にあることがわかる。
Figure 2013155461
Figure 2013155461
Figure 2013155461
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Claims (10)

  1. (A)ポリビニルアルコール系ポリマーおよび(B)酸化グラフェン粒子を含有し、成分(A)と(B)の質量の比が0.01≦100×(B)/(A)≦3であり、かつヤング率が10GPa以上であることを特徴とするポリビニルアルコール系コンポジット繊維。
  2. 前記(A)ポリビニルアルコール系ポリマーの重合度が1500〜6000であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維。
  3. 前記(B)酸化グラフェン粒子は、元素分析による酸素含有量が5〜50質量%の範囲である請求項1又は請求項2に記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維。
  4. 前記(B)酸化グラフェン粒子は、厚さ5nm以下の粒子の個数の割合が60%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維。
  5. 前記(B)酸化グラフェン粒子は、平均粒子径が0.5μm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維。
  6. (A)ポリビニルアルコール系ポリマーおよび(B)酸化グラフェン粒子を含有する紡糸原液を紡糸して請求項1〜5のいずれかに記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維を製造することを特徴とする、ポリビニルアルコール系コンポジット繊維の製造方法。
  7. 前記紡糸原液の溶媒が、ジメチルスルホオキサイド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン及び水からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項6記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維の製造方法。
  8. 酸化グラフェン分散液をポリビニルアルコール系ポリマー又はポリビニルアルコール系ポリマー溶液と混合することで、前記紡糸原液を作製することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維の製造方法。
  9. さらに繊維を延伸する工程を含み、延伸の倍率は5倍以上であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維の製造方法。
  10. 延伸時の温度が250℃以下であることを特徴とする請求項9に記載のポリビニルアルコール系コンポジット繊維の製造方法。
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