JP2015213571A - 体圧分布の表示システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ランバーサポートの位置およびその位置変化に伴う体圧分布への効果を直感的に認識することができること。
【解決手段】椅子の座および背凭れの表面に設けられ、前記椅子に着座した時の着座者の臀部と背中に加わる体圧分布を検知する体圧分布検知手段と、前記背凭れに対して移動可能に配設され、前記背凭れの裏面を押圧することによって前記背凭れの表面の形状を変化させるランバーサポート手段と、前記椅子の側方から見た前記ランバーサポート手段の位置を検出する検出手段と、前記椅子の側方から見た前記ランバーサポート手段の位置を示すインジケータを少なくとも含む側面画像を表示する側面画像領域と、前記体圧分布を可視化して表す体圧分布像を表示する体圧分布表示領域とを有する前記体圧分布表示手段とを備える体圧分布の表示システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、体圧分布の表示システムに関する。
椅子に着座している着座者の臀部と背中に加わる体圧の分布を表示する体圧分布の表示システムとして、椅子の座および背凭れの表面側に圧力分布測定用のセンサーシートを設け、椅子に着座している着座者の臀部と背中に加わる圧力の分布状況を色相の違いや色の濃淡で画像表示する体圧分布の表示システムが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。これらの文献に開示される体圧分布の表示システムは、椅子を構成する座および背凭れの表面に配設されたセンサーを介して制御部に入力された体圧を、制御部と連動する表示画面に表示する機能を有している。
特許第3903206号公報 特公昭51−004778号公報 特開2010−091538号公報
ところで、椅子の背凭れにおける腰椎部に対応する箇所に、背凭れの支持力を補強するランバーサポートを介在させることによって、着座者の着座感が向上することが知られている。この現象は、着座者の腰椎部が背中を前後方向に動かす際の支点になっていることに起因している。ランバーサポートは、背中が側面視において「く」の字を描いて上下方向に延びている状態で腰椎部の前後位置を安定させることによって、腰椎部に上半身の荷重が過度に加わることを防止することを可能にしている。
そこで、上記体圧分布の表示システムにおいてもランバーサポートを設けて、ランバーサポートの位置が体圧分布に影響する様子を測定することが望ましい。しかしながら、ランバーサポートは、椅子の背凭れに対して独立して移動する部材であること、および、着座者から見ると背凭れの反対側に配置されていることから、着座者にとってはランバーサポートの位置およびその位置変化に伴う体圧分布への効果を直感的に認識することが困難である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、ランバーサポートの位置およびその位置変化に伴う体圧分布への効果を直感的に認識することができる体圧分布の表示システムを提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、椅子の座および背凭れの表面に設けられ、前記椅子に着座した時の着座者の臀部と背中に加わる体圧分布を検知する体圧分布検知手段と、前記背凭れに対して移動可能に配設され、前記背凭れの裏面を押圧することによって前記背凭れの表面の形状を変化させるランバーサポート手段と、前記椅子の側方から見た前記ランバーサポート手段の位置を検出する検出手段と、前記椅子の側方から見た前記ランバーサポート手段の位置を示すインジケータを少なくとも含む側面画像を表示する側面画像領域と、前記体圧分布を可視化して表す体圧分布像を表示する体圧分布表示領域とを有する前記体圧分布表示手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る体圧分布の表示システムは、上記発明において、前記検出手段は、前記椅子を側方から撮影するカメラであり、前記インジケータは、ランバーサポート手段に設けられた標識を前記カメラによって撮影したものであることを特徴とする。
また、本発明に係る体圧分布の表示システムは、上記発明において、前記側面画像は、前記椅子の側面、前記椅子に着座した着座者、および前記標識を前記カメラにて同一画面に収めて撮影したものであることを特徴とする。
また、本発明に係る体圧分布の表示システムは、上記発明において、前記標識は、前記椅子の側面に設けられた間隙を通じて前記椅子の側方から視認可能に配置されていることを特徴とする。
また、本発明に係る体圧分布の表示システムは、上記発明において、前記標識は、少なくとも前記ランバーサポート手段を移動させることを要求する信号が入力されているときには発光する発光素子を用いて構成されていることを特徴とする。
本発明に係る体圧分布の表示システムは、ランバーサポートの位置およびその位置変化に伴う体圧分布への効果を直感的に認識することができるという効果を奏する。
図1は、体圧分布の表示システムの概略構成を示すブロック図である。 図2は、体圧分布の表示システムに用いられる椅子を示す側面図である。 図3は、体圧分布の表示システムに用いられる椅子を示す正面図である。 図4は、椅子の内部機構の概略を示す部分分解図である。 図5は、背凭れ駆動部を斜め後方から眺めた斜視図である。 図6は、背凭れ駆動部を斜め前方から眺めた斜視図である。 図7は、背凭れ駆動部とバックアッププレートとを併せた斜め前方から眺めた斜視図である。 図8は、背凭れ駆動部の側面図である。 図9は、背凭れ駆動部とスラットとを併せた側面図である。 図10は、背凭れ駆動部とスラットとを併せた斜め後方から眺めた側面図である。 図11は、背凭れ駆動部とスラットとを併せた背面図である。 図12は、背凭れ駆動部とスラットとを併せた底面図である。 図13は、背凭れ外筐の斜視図である。 図14は、背凭れ外筐に背凭れ駆動部を組み込んだ状態の斜視図である。 図15は、背凭れ外筐内部に組み込まれたランバーサポート標識を背凭れ外筐の外部から見た側面図である。 図16は、背凭れ面の上下移動の態様を示す椅子の側面図である。 図17は、背凭れ面の表面形状の変化の態様を示す椅子の側面図である。 図18は、背凭れの傾斜角度変更の態様を示す椅子の側面図である。 図19は、座面の前後移動の態様を示す椅子の側面図である。 図20は、座面の傾斜角度変更の態様を示す椅子の側面図である。 図21は、体圧分布の表示システムの使用態様を説明する概念図である。 図22は、体圧分布の表示システムの画面表示例を示す図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係る体圧分布の表示システムを詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(体圧分布の表示システム)
図1は、体圧分布の表示システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示されるように、体圧分布の表示システム1000は、椅子100、PLC200、パソコン300、検出手段400a、およびモニタ画面500を備える。
椅子100は、サーボモータ101、センサーシート102、およびランバーサポート103を備え、体圧分布の表示システムの利用者(つまり着座者)が着座する装置である。サーボモータ101は、椅子100のランバーサポート103の位置などの各種設定を変更するための動力源であり、センサーシート102は、椅子100に着座した時の着座者の臀部と背中に加わる体圧分布を検知する体圧分布検知手段となる。センサーシート102は、検知した体圧分布をパソコン300へ送信する。
PLC(プログラマブルロジックコントローラ)200は、椅子100のサーボモータ101をシーケンス制御するための制御装置であり、例えば入力手段として、タッチパネル201を備える。
ランバーサポート103の位置は、検出手段400aによって検出され、椅子100の側方から見たランバーサポート103の位置を示すインジケータ104の情報がパソコン300へ送信される。なお、後に詳述するように、インジケータ104は、ランバーサポート103に設けられた標識を検出手段400aとしてのカメラによって撮影したものとすることが考えられるが、インジケータ104の構成例はこの例に限定されるものではない。
パソコン300は、PLC200、センサーシート102、および検出手段400aからの入力を処理し、モニタ画面500へ画面出力をする。また、パソコン300は、PLC200の制御にも用いられる。
ここでは、説明を容易にするため、体圧分布の表示システム1000の各構成を抽象的に記載されたが、以下、体圧分布の表示システム1000の各構成をより具体的に説明していく。
(椅子の構成)
図2は、体圧分布の表示システムに用いられる椅子を示す側面図であり、図3は、その正面図である。ここでは、図2および図3を参照しながら、椅子100の全体的な構成および機能を説明し、椅子100の各部の詳細な構成および機能は、後に別途説明するものとする。図2および図3に示されるように、椅子100は、台座10と基体20と座30と背凭れ40とヘッドレスト50を主な構成として備えている。
台座10は、椅子100を床面に固定するためのものであり、矩形板状の台座板11の四隅に設けられたアジャスター12で椅子100を下から支える構造である。アジャスター12は、台座板11と床面との間の間隙を調整するためのものであり、このアジャスター12を用いて、台座板11が水平となるように椅子100が設置されている。四隅に設けられたアジャスター12には、ロードセルが組み込まれており、椅子100に着座する着座者の総重量を検出することが可能である。また、矩形板状の台座板11の四隅には、キャスター13が設けられ、椅子100の移動を容易にしている。さらに、台座板11上には、踏み台14が設けられ、着座者が、容易に椅子100の座30に腰掛けることができるよう構成されている。
基体20は、台座板11上に設けられ、座30および背凭れ40を支持している。基体20は、上下動機構21を備えており、この上下動機構21の駆動により、基体20に固定された座30および背凭れ40は、台座10に対する距離が変更可能である。つまり、台座10の一部を成す踏み台14上に足を乗せて座30に着座した着座者にとっては、椅子100は、いわゆる椅子の高さが変更可能な構成となる。
座30は、着座者が腰掛けるための座面31を備えており、この座面31は、前後動が可能に構成されている。この場合の前後とは、着座者の着座状態にとっての前後であり、椅子100にとっては、踏み台14の方向を前方向、背凭れ40の方向を後ろ方向とした際の前後である。さらに、座面31は、図中の点P1を中心とした左右方向の軸回に関して、傾斜角度が変更可能に構成されている。つまり、踏み台14上に足を乗せて座30に着座した着座者にとっては、椅子100は、いわゆる椅子の深さが変更可能な構成となっている。
また、座面31には、体圧分布検出手段としての荷重センサーシートが設けられている。荷重センサーシートとは、多数の荷重センサー素子が2次元平面上に配置され、各素子に印加される荷重を検出することができるように構成されたものである。座面31に荷重センサーシートが設けられていることにより、椅子100は、着座者が着座することによる座面31が受ける圧力の分布を検出することができる。なお、座面31が受ける圧力の分布は、着座者が座面31から受ける圧力の分布と同一視することができるので、椅子100は、着座している着座者の臀部に加わる体圧の分布を検出していることになる。
背凭れ40は、背凭れ支持体41を介して、基体20の後方上部に備え付けられており、着座者が背中を凭れ掛けるための構造物である。すなわち、座30に着座した着座者は、背を背凭れ40の背凭れ面42へ接触させて、上体の安定を維持する。また、背凭れ40は、着座者の腰椎部に対応する箇所にランバーサポート部材60を備えている。ランバーサポート部材60は、着座者の腰椎部の前後位置を安定させ、腰椎部に背中の荷重が過度に加わることを防止する。
背凭れ面42は、背凭れ駆動部43の作用により、背凭れ支持体41すなわち基体20に対して上下動が可能に構成されている。背凭れ支持体41は、基体20に設けられており、台座10に対して上下動が可能に構成されている。したがって、背凭れ面42は、台座10に対して異なる2つの態様で上下動が可能に構成されている。一方、座面31は、台座10に対して上下動が可能に構成されているが、基体20に対しては上下動しない。すなわち、基体20の上下動機構21による上下動は、座面31と背凭れ面42とを含む全体的な上下動であり、一方、背凭れ駆動部43による上下動は、座面31に対する背凭れ面42の相対的な上下動である。
また、背凭れ40は、図中の点P2を中心とした左右方向の軸回に関して、傾斜角度が変更可能に構成されている。つまり、座面31に着座した着座者にとっては、背凭れ面42の傾斜角度が変更可能な構成である。
背凭れ40に設けられたランバーサポート部材60は、背凭れ駆動部43の作用により、背凭れ面42の裏面を押圧しながら、背凭れ面42に対して上下動および前後動が可能に構成されている。したがって、ランバーサポート部材60は、背凭れ面42の表面の形状を変化させる作用を有する。
また、背凭れ面42には、体圧分布検出手段としての荷重センサーシートが設けられている。背凭れ面42に荷重センサーシートが設けられていることにより、椅子100は、着座者が着座することによる背凭れ面42が受ける圧力の分布を検出することができる。なお、背凭れ面42が受ける圧力の分布は、着座者が背凭れ面42から受ける圧力の分布と同一視することができるので、椅子100は、着座している着座者の背に加わる体圧の分布を検出していることになる。
ヘッドレスト50は、背凭れ40の上方に設けられ、背凭れ面42の上下動に合わせて共に上下動するように構成されている。また、ヘッドレスト50は、複数の蝶番51を介して背凭れ40に備え付けられており、背凭れ面42に対する相対的な位置および角度が変更可能に構成されている。
以上のように、椅子100は、座面31の位置および角度や背凭れ面42の位置、角度および形状などを変更可能に構成され、かつ、その状態における着座者の体圧分布を測定することができる。したがって、椅子100は、座面31の位置および角度や背凭れ面42の位置、角度および形状などが着座者の体圧分布に与える影響を検出することが可能な構成となっている。
次に、椅子100の各部の詳細な構成および機能について説明する。図4は、椅子の内部機構の概略を示す部分分解図である。ここでは、図4を参照しながら、椅子100の各構成に対する内部機構の作用について説明する。図4では、説明を容易にするために、椅子100における基体20、座30および背凭れ40についての内部構成のみが記載されている。
図4に示されるように、背凭れ駆動部43の各構成は、背凭れ支持体41に固定された保持枠44に組み込まれている。背凭れ駆動部43は、背凭れ保持部材45を介して背凭れ外筐46を上下動させる。背凭れ面42は、背凭れ外筐46によって保持されているので、結果的に、背凭れ駆動部43は、背凭れ面42を上下動することになる。また、背凭れ駆動部43は、ランバーサポート保持部材61を介してランバーサポート部材60を上下動および前後動させる。すなわち、背凭れ駆動部43は、背凭れ面42の上下動および形状変更を行う。
図4に示されるように、座30の座面31と基体20との間には、座面前後動機構32が設けられている。座面前後動機構32は、座面31と基体20との間に介在し、基体20に対する座面31の相対的前後方向の位置を変更する。なお、座面前後動機構32の内部には、アクチュエータ等の機構が設けられており、外部からの制御信号によって基体20に対する座面31の相対的前後方向の位置を制御することが可能となるよう構成されている。
さらに、座面前後動機構32と基体20との間には、座面傾斜軸33が介在している。座面傾斜軸33は、基体20に対する座面31の傾斜角度を変更するために、座面31や座面前後動機構32などを含む座30全体が座面傾斜軸33を中心に回転させるためのものである。なお、基体20の内部には、アクチュエータ等の機構が設けられており、外部からの制御信号によって基体20に対する座面31の傾斜角度を制御することが可能となるよう構成されている。
同様に、背凭れ支持体41と基体20との間には、背凭れ傾斜軸34が介在している。背凭れ傾斜軸34は、基体20に対する背凭れ面42の傾斜角度を変更するために、背凭れ面42や背凭れ駆動部43などを含む背凭れ40全体が背凭れ傾斜軸34を中心に回転させるためのものである。なお、基体20の内部には、シリンダ等の機構が設けられており、外部からの制御信号によって基体20に対する背凭れ面42の傾斜角度を制御することが可能となるよう構成されている。
次に、図5から図12を参照しながら、背凭れ駆動部43の細部について説明をする。図5は、背凭れ駆動部を斜め後方から眺めた斜視図であり、図6は、背凭れ駆動部43を斜め前方から眺めた斜視図であり、図7は、背凭れ駆動部とバックアッププレートとを併せた斜め前方から眺めた斜視図であり、図8は、背凭れ駆動部の側面図であり、図9は、背凭れ駆動部とスラットとを併せた側面図であり、図10は、背凭れ駆動部とスラットとを併せた斜め後方から眺めた側面図であり、図11は、背凭れ駆動部とスラットとを併せた背面図であり、図12は、背凭れ駆動部とスラットとを併せた底面図である。背凭れ駆動部の細部構成およびこれらの関係性は図5から図12の複数の図面にわたり記載されているので、以下では、複数の図面を相互に参照しながら説明を行う。
図5から図12に共通して示されるように、背凭れ駆動部43の各構成は、保持枠44によって保持されている。保持枠44は、背凭れ支持体41を介して基体20に保持されているので、背凭れ駆動部43の各構成は、保持枠44に対する相対的位置を変更することにより、基体20に対する相対的位置を変更する。
図5、図10、および図11などに示されるように、背凭れ駆動部43は、駆動源として、背凭れ上下動用サーボモータ71、ランバーサポート上下動用サーボモータ72、およびランバーサポート前後動用サーボモータ73を備える。
背凭れ上下動用サーボモータ71は、保持枠44に固定されており、減速機74を介してスクリューシャフト75を回転させる。スクリューシャフト75は、軸受けを介して保持枠44に固定されており、スクリューシャフト75に螺合されたトラベリングナット76は、背凭れ昇降板77に固定されている。よって、背凭れ上下動用サーボモータ71の回転は、背凭れ昇降板77の上下動に変換されることになる。なお、図6から図9などに示されるように、背凭れ昇降板77は、保持枠44に設けられた昇降ガイド78に沿って上下動するよう構成されている。また、先述した背凭れ外筐46と背凭れ駆動部43とを連結するための背凭れ保持部材45は、背凭れ昇降板77に固定されている。
図10および図11などに示されるように、ランバーサポート上下動用サーボモータ72は、背凭れ昇降板77に固定されており、ベルト79を介してスクリューシャフト80を回転させる。スクリューシャフト80は、軸受けを介して背凭れ昇降板77に固定されており、スクリューシャフト80に螺合されたトラベリングナット81は、ランバーサポート昇降板82に固定されている。よって、ランバーサポート上下動用サーボモータ72の回転は、ランバーサポート昇降板82の上下動に変換されることになる。なお、図6から図9などに示されるように、ランバーサポート昇降板82は、背凭れ昇降板77に設けられた昇降ガイド83に沿って上下動するよう構成されている。
図10および図11などに示されるように、ランバーサポート前後動用サーボモータ73は、背凭れ昇降板77に固定されており、ベルト84を介してスクリューシャフト85を回転させる。スクリューシャフト85は、軸受けを介してランバーサポート部材60に固定されており、スクリューシャフト85に螺合されたトラベリングナット86は、軸受けを介してランバーサポート昇降板82に固定されている。よって、ランバーサポート前後動用サーボモータ73の回転は、ランバーサポート部材60の前後動に変換されることになる。なお、図6に示されるように、ランバーサポート部材60は、ランバーサポート部材60に固定されたランバーサポート保持部材61がランバーサポート昇降板82に設けられた穴に螺合しながら前後動するよう構成されている。
図7から図9などに示されるように、ランバーサポート部材60には、バックアッププレート62が取り付けられている。バックアッププレート62は、ランバーサポート部材60が背凭れ面42の裏面を押圧して背凭れ面42の表面の形状を変化させた際に、背凭れ面42の表面の形状がなだらかな傾斜を形成するように、支援するプレートである。バックアッププレート62は、下端がランバーサポート部材60に固定されており、上端がバックアップガイド63に沿って移動可能に構成されている。これにより、ランバーサポート部材60が上下動した際にも、背凭れ面42の表面の形状が滑らかな傾斜を維持することができる。
図6および図7などに示されるように、ランバーサポート部材60には、ロール64が取り付けられている。このロール64は、背凭れ面42の裏面を押圧しているランバーサポート部材60が、容易に上下動することができるように設けられている。
さらに、図5から図9などに示されるように、ランバーサポート部材60には、ランバーサポート標識65が設けられている。ランバーサポート標識65は、視認性を向上させるために、例えばLED素子で発光させる構成とすることが好ましい。なお、後に詳述するが、ランバーサポート標識65は、椅子100の側面から観察した際に視認可能な構成となっている。LED素子は、少なくともランバーサポート部材60を移動させることを要求する信号が入力されているときには発光するように構成する。例えば、LED素子は、電源投入後、常時点灯するように構成してもよいし、ランバーサポート部材60を移動させることを要求する信号が入力されてから発光するよう構成してもよい。
図9から図12などに示されるように、ランバーサポート部材60は、スラット66を押圧するように構成されている。スラット66は、細長い矩形状の板部材が連結されたものであり、上下方向に関する変形を許すが左右方向に関する変形は許容しないように構成されている。すなわち、ランバーサポート部材60は、スラット66を介して背凭れ面42の裏面を押圧することになる。スラット66の役割は、ランバーサポート部材60の位置が変更された際に、背凭れ面42の表面形状が上下方向に関する変形を許すが左右方向に関する変形は許容しないように矯正することである。
図9および図12に示されるように、スラット66は、バネ67によって張力が負荷されている。図9に示されるように、バネ67の一端は背凭れ外筐46に固定され(図13参照)、バネ67のもう一端は接続部材68に繋がっている。接続部材68は、背凭れ外筐46に固定された支点を有し、バネ67の張力をスラット66に伝える。図9に示されるように、バネ67によって加えられた張力により、スラット66は、常にランバーサポート部材60に押し付けられた状態となり、スラット66自体もランバーサポート部材60に対して押圧を加える状態となる。
次に、図13から図15を参照しながら、背凭れ駆動部43を背凭れ外筐46に組み込む態様について説明する。図13は、背凭れ外筐の斜視図であり、図14は、背凭れ外筐に背凭れ駆動部を組み込んだ状態の斜視図であり、図15は、背凭れ外筐内部に組み込まれたランバーサポート標識を背凭れ外筐の外部から見た側面図である。
図13に示されるように、背凭れ外筐46の背面には、穴hが形成されている。この穴hは、ランバーサポート部材60を背凭れ外筐46の内部へ挿入するためのものである。穴hの左右には、背凭れ外筐46と背凭れ昇降板77とを連結するための背凭れ保持部材45が取り付けられる。
スラット66は、背凭れ外筐46の表側に取り付けられている。スラット66の上端は、背凭れ外筐46に固定され、下端は接続部材68に繋がっている。接続部材68は、背凭れ外筐46に固定された支点を有し、バネ67の張力がスラット66に伝えられている。
図14に示されるように、背凭れ外筐46と背凭れ昇降板77とは背凭れ保持部材45を介して連結される。先述したように、背凭れ昇降板77は、背凭れ駆動部43が保持枠44に対して上下方向に駆動される。一方、背凭れ外筐46の内部に挿入されたランバーサポート部材60は、背凭れ駆動部43が背凭れ昇降板77に対して上下方向に駆動される。結果、背凭れ上下動用サーボモータ71を駆動した場合、背凭れ外筐46およびスラット66は、形状を変えることなく、上下方向に移動し、ランバーサポート上下動用サーボモータ72およびランバーサポート前後動用サーボモータ73を駆動した場合、背凭れ外筐46は移動することなく、スラット66の表面形状が変化することになる。
図15に示されるように、背凭れ外筐46の内部に挿入されたランバーサポート部材60は、スラット66と背凭れ外筐46との間の間隙を通じて、背凭れ外筐46の外部から視認可能な位置に配置される。この間隙は、スラット66の裏面をランバーサポート部材60が押圧するので必然的に発生するものである。よって、ランバーサポート部材60の位置が背凭れ外筐46の内部で変更された場合であっても、ランバーサポート部材60の周囲には、スラット66と背凭れ外筐46との間に間隙が生じることになる。スラット66と背凭れ外筐46との間の間隙は椅子100の側面に設けられており、また、ランバーサポート部材60には、ランバーサポート標識65が設けられているので、ランバーサポート標識65は、椅子100の側面に設けられた間隙を通じて前記椅子の側方から視認可能に配置されている。
次に、図16から図20を参照しながら、上記説明した椅子100の駆動の態様を説明する。
図16は、背凭れ面の上下移動の態様を示す椅子の側面図である。図16に示されるように、椅子100は、背凭れ駆動部43の機能によって、背凭れ外筐46が上下方向に移動する。この移動に伴い、背凭れ外筐46に取り付けられた背凭れ面42が上下方向に移動し、背凭れ面42aや背凭れ面42bに変更される。
図17は、背凭れ面の表面形状の変化の態様を示す椅子の側面図である。図17に示されるように、椅子100は、背凭れ駆動部43の機能によって、背凭れ外筐46の内部でランバーサポート部材60が上下方向および前後方向に移動する。例えば図17に示される例では、ランバーサポート部材60aやランバーサポート部材60bに位置が変更される。この移動に伴い、ランバーサポート部材60に裏面を押圧されている背凭れ面42の形状が、背凭れ面42cや背凭れ面42dに変更される。
図18は、背凭れの傾斜角度変更の態様を示す椅子の側面図である。図18に示されるように、椅子100は、背凭れ支持体41が背凭れ傾斜軸34を中心とした左右方向の軸回に関して回転し、背凭れ支持体41が背凭れ支持体41aの位置へ変更される。この回転に伴い、背凭れ支持体41に支持されている背凭れ40が、背凭れ40aの位置へ変更され、背凭れ40の傾斜角度が変更される。
図19は、座面の前後移動の態様を示す椅子の側面図である。図19に示されるように、椅子100は、座面前後動機構32の機能によって、座面31が前後方向に移動する。例えば図19に示される例では、座面31が座面31aの位置に移動する。
図20は、座面の傾斜角度変更の態様を示す椅子の側面図である。図20に示されるように、椅子100は、座面前後動機構32が座面傾斜軸33を中心とした左右方向の軸回に関して回転し、座面前後動機構32が座面前後動機構32aの位置へ変更される。この回転に伴い、座面前後動機構32に取り付けられている座面31が、座面31bの位置へ変更され、座面31の傾斜角度が変更される。
(体圧分布の表示システムの使用態様)
最後に、図21および図22を参照しながら、体圧分布の表示システムの使用態様について説明する。図21は、体圧分布の表示システムの使用態様を説明する概念図であり、図22は、体圧分布の表示システムの画面表示例を示す図である。
図21に示されるように、体圧分布の表示システム1000は、椅子100に着座者Mが着座した状態で用いられる。図1を参照しながら先述したように、体圧分布の表示システム1000は、椅子100、PLC200、パソコン300、カメラ400、およびモニタ画面500を備えている。
図21に示されるように、カメラ400は、椅子100およびこれに着座した着座者Mを側面から撮影するためのものである。椅子100には、ランバーサポートの位置を示すランバーサポート標識65が設けられており、椅子100の側面に設けられた間隙を通じて椅子100の側方から視認可能に配置されているので、カメラ400は、椅子100の側面、椅子100に着座した着座者M、およびランバーサポート標識65をカメラ400にて同一画面に収めて撮影することが可能である。
パソコン300は、PLC200、体圧分布センサーシート102、およびカメラ400からの入力を処理し、モニタ画面500へ画面出力をすることができる汎用コンピュータである。PLC200には、オペレータが体圧分布の表示システム1000を操作するためのタッチパネル201が接続されている。なお、着座者Mも体圧分布の表示システム1000を操作するために別途のリモコン等をPLC200に接続する構成としてもよい。
図21に示されるように、モニタ画面500には、側面撮影像501、背凭れ面体圧分布像502、座面体圧分布像503、立体表示体圧分布像504、および設定情報画像505が表示されている。側面撮影像501は、カメラ400によって撮影された椅子100およびこれに着座した着座者Mの側面像である。上記説明したように、カメラ400は、椅子100の側面、椅子100に着座した着座者M、およびランバーサポート標識65をカメラ400にて同一画面に収めて撮影できるので、側面撮影像501は、椅子100の側方から見たランバーサポートの位置を示すインジケータとしてのランバーサポート標識65を含む画像となっている。
背凭れ面体圧分布像502、座面体圧分布像503、および立体表示体圧分布像504は、体圧分布センサーシート102が検出した体圧分布を可視化して表示したものである。設定情報画像505は、椅子100の各設定のパラメータの数値を模式的に表示したものである。これら側面撮影像501、背凭れ面体圧分布像502、座面体圧分布像503、立体表示体圧分布像504、および設定情報画像505は、体圧分布センサーシート102、PLC200、カメラ400から入力された情報を基にパソコン300が画像を合成し、モニタ画面500に表示されている。
以上のように、体圧分布の表示システム1000は、椅子100の側方から見たランバーサポート103の位置を示すランバーサポート標識65を含む側面撮影像501を表示する側面画像領域と、体圧分布センサーシート102が検出した体圧分布を可視化して表示した背凭れ面体圧分布像502、座面体圧分布像503、および立体表示体圧分布像504を表示する体圧分布表示領域とを有するモニタ画面500を備えているので、ランバーサポート103が作用している位置、および、ランバーサポート103の位置が体圧分布に及ぼす影響を着座者Mが認識することができる。したがって、体圧分布の表示システム1000によれば、着座者Mは、ランバーサポート103の位置と体圧分布との両者を連関させてランバーサポート103の効果を認識することができる。
また、体圧分布の表示システム1000では、椅子100の側方から見たランバーサポート103の位置を示すインジケータ104が、ランバーサポート手段60に設けられたランバーサポート標識65をカメラ400によって撮影したものであることにより、ランバーサポート部材60の位置を認識するセンサーを椅子100に設ける必要がないので、体圧分布の表示システム1000のコストを抑えることができる。
また、体圧分布の表示システム1000における側面撮影像501は、椅子100の側面、椅子100に着座した着座者M、およびランバーサポート標識65をカメラ400にて同一画面に収めて撮影したものであるので、着座者Mは、ランバーサポート103の位置と体圧分布との2つの連関のみならず、ランバーサポート103の位置と着座者M自身の着座姿勢と体圧分布との3つを連関させてランバーサポート103の効果を認識することができる。具体的には、体圧分布の表示システム1000によれば、ランバーサポート103の位置が適切である場合、着座者Mの背中が側面視において「く」の字を描いて上下方向に延びている姿勢となり、かつ、椅子100の座面31および背凭れ面42から受ける体圧分布も適切に分散され、着座者Mの着座感が向上することが明確に認識できることになる。したがって、体圧分布の表示システム1000は、例えば博物館に展示するような体感型の装置に好適な構成となっている。
なお、上記説明した体圧分布の表示システム1000では、椅子100の側方から見たランバーサポート103の位置を検出する検出手段400aとして、ランバーサポート手段60に設けられたランバーサポート標識65を撮影するカメラ400としているが、検出手段400aの例はこれに限定されるものではない。例えば、検出手段400aは、サーボモータ101を駆動するためにPLC200が送信した信号を計数するカウンタとすることもでき、また、ランバーサポート103が実際に移動した変位量を測定するセンサーとすることもできる。この場合、側面撮影像501に表示されるインジケータ104は、カウンタやセンサーが測定したランバーサポート手段60の位置を、別途の撮像手段によって撮影した側面画像にパソコン300で合成処理をしてモニタ画面に表示する構成となる。
1000 体圧分布の表示システム
100 椅子
101 サーボモータ
102 センサーシート
103 ランバーサポート
104 インジケータ
200 PLC
201 タッチパネル
300 パソコン
400 カメラ
400a 検出手段
500 モニタ画面
11 台座板
12 アジャスター
13 キャスター
14 踏み台
20 基体
21 上下動機構
30 座
31 座面
32 座面前後動機構
33 座面傾斜軸
34 背凭れ傾斜軸
41 背凭れ支持体
42 背凭れ面
43 背凭れ駆動部
44 保持枠
45 背凭れ保持部材
46 背凭れ外筐
50 ヘッドレスト
51 蝶番
60 ランバーサポート部材
61 ランバーサポート保持部材
62 バックアッププレート
63 バックアップガイド
64 ロール
65 ランバーサポート標識
66 スラット
67 バネ
68 接続部材
71 背凭れ上下動用サーボモータ
72 ランバーサポート上下動用サーボモータ
73 ランバーサポート前後動用サーボモータ
74 減速機
75 スクリューシャフト
76 トラベリングナット
77 背凭れ昇降板
78 昇降ガイド
79 ベルト
80 スクリューシャフト
81 トラベリングナット
82 ランバーサポート昇降板
83 昇降ガイド
84 ベルト
85 スクリューシャフト
86 トラベリングナット

Claims (5)

  1. 椅子の座および背凭れの表面に設けられ、前記椅子に着座した時の着座者の臀部と背中に加わる体圧分布を検知する体圧分布検知手段と、
    前記背凭れに対して移動可能に配設され、前記背凭れの裏面を押圧することによって前記背凭れの表面の形状を変化させるランバーサポート手段と、
    前記椅子の側方から見た前記ランバーサポート手段の位置を検出する検出手段と、
    前記椅子の側方から見た前記ランバーサポート手段の位置を示すインジケータを少なくとも含む側面画像を表示する側面画像領域と、前記体圧分布を可視化して表す体圧分布像を表示する体圧分布表示領域とを有する前記体圧分布表示手段と、
    を備えることを特徴とする体圧分布の表示システム。
  2. 前記検出手段は、前記椅子を側方から撮影するカメラであり、
    前記インジケータは、ランバーサポート手段に設けられた標識を前記カメラによって撮影したものであることを特徴とする請求項1に記載の体圧分布の表示システム。
  3. 前記側面画像は、前記椅子の側面、前記椅子に着座した着座者、および前記標識を前記カメラにて同一画面に収めて撮影したものであることを特徴とする請求項2に記載の体圧分布の表示システム。
  4. 前記標識は、前記椅子の側面に設けられた間隙を通じて前記椅子の側方から視認可能に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の体圧分布の表示システム。
  5. 前記標識は、少なくとも前記ランバーサポート手段を移動させることを要求する信号が入力されているときには発光する発光素子を用いて構成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の体圧分布の表示システム。
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