JP2015209235A - 燃料供給装置 - Google Patents

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Tatsuro Kuromaru
達郎 黒丸
戸辺 光浩
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光浩 戸辺
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Abstract

【課題】供給される燃料に含まれる気体流量の増大による異常発生を正確に判定する。
【解決手段】ノズル収納部40を有する筐体20と、前記筐体内に設けられ、燃料供給経路を流れる液体燃料の流量を計測する流量計250と、前記燃料供給経路に設けられ、地下タンク230の液体燃料をノズル30に送液するポンプ240と、前記ポンプから吐出された液体燃料に含まれる気体を分離させる気液分離手段270と、分離された気体を前記筐体の外部に排出させる気体排出経路290とを備えた燃料供給装置10において、前記気体排出経路より排出される気体の流量を計測する気体流量計測手段280と、液体燃料の流量に応じて気体混入流量を設定する気体混入流量設定手段130と、前記気体流量計測手段により計測された気体流量が前記気体混入流量設定手段により設定された前記気体混入流量より多い場合には異常と判定する異常判定手段150と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料供給装置に関する。
例えば、燃料供給装置の筐体内部には、地下タンクに貯蔵された液体燃料をポンプ駆動により汲み上げて、流量計に連通された給液配管に吐出するポンプユニットが搭載されている(例えば、特許文献1参照)。また、ポンプユニットは、液体燃料を汲み上げるポンプと、ポンプから吐出される液体に含まれる気体富化液を分離させるための気液分離室と、気体富化液から気体を分離させる気体分離室とを有する。
さらに、気体分離室には、気体を燃料供給装置の筐体外部に排出するための排気経路(配管)が設けられている。また、排気経路の下流側端部は、ノズルが収納されるノズル掛けに設けられた警報笛に接続されている。そして、例えば、地下配管に亀裂が生じ、気体分離室において、地下タンクから汲み上げられた液体燃料に大量の気体が含まれていた場合、排気経路から外部に排出される気体の流速(又は流量)が所定値以上(閾値以上)になったとき警報笛から気体混入の警報音が発生される。
特開平9−194000号公報
ところが、地下タンクに貯蔵された液体燃料を車両に搭載された燃料タンクに供給する際、ノズルを燃料タンクの供給口に挿入した状態で当該ノズルを操作して供給流量を調節した場合に、ポンプにより地下タンクから汲み上げられる液体燃料の吐出流量も変動する。また、液体燃料には、地下配管の亀裂等の異常な状態により多量の気体が混入する以外にも、例えば、ポンプを使用する際に、配管中の油液が気化することによりわずかながらもベーパ(気化ガス)が発生し、発生したベーパが油液に混入する。そして、このベーパの量は、液体燃料の吐出流量の変動に伴い変動する。具体的には、液体燃料の吐出流量が増加すれば、気体混入流量も増加する。
従来の燃料供給装置においては、例えば、所定値(閾値)が低い値に設定されている場合には、液体燃料の吐出流量が変動(増加)し、吐出流量に応じた気体混入流量も増加した場合においても、所定値(閾値)以上になった場合に報知されるので、例えば、地下配管に亀裂が生じたことにより液体燃料に大量の気体が含まれていないにも関わらず所定値(閾値)以上であるため、異常であると報知されてしまい、誤検知することになる。
また、所定値(閾値)が高い値に設定されている場合には、地下配管の亀裂等の異常な状態により多量の気体が油液に混入した場合においても、気体混入流量が所定値(閾値)に達していなければ、報知されないことになる。従って、従来の燃料供給装置では、地下配管の亀裂等の異常な状態でないにも関わらず、報知されてしまったり、地下配管の亀裂等の異常な状態であるにも関わらず報知されないため地下配管の亀裂等に起因する気体混入の異常を正確に検知することが出来なかった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決した燃料供給装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
本発明は、液体燃料を供給するノズルを収納するノズル収納部を有する筐体と、
前記筐体内に設けられ、一端が前記液体燃料を貯蔵する地下タンクに接続され、他端が前記ノズルに接続された燃料供給経路と、
前記燃料供給経路を流れる液体燃料の流量を計測する流量計と、
前記燃料供給経路に設けられ、前記地下タンクの液体燃料を前記ノズルに送液するポンプと、
前記ポンプから吐出された液体燃料に含まれる気体を分離させる気液分離手段と、
前記気液分離手段により分離された気体を前記筐体の外部に排出させる気体排出経路とを備えた燃料供給装置において、
前記気体排出経路より排出される気体の流量を計測する気体流量計測手段と、
液体燃料の流量に応じて気体混入流量を設定する気体混入流量設定手段と、
前記気体流量計測手段により計測された気体流量が前記気体混入流量設定手段により設定された前記気体混入流量より多い場合には異常と判定する異常判定手段と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、気体流量計測手段により計測された気体流量が液体燃料の流量に応じて設定された気体混入流量よりも多い場合には異常と判定するため、流量変動に応じて、気体流量計測手段により計測された気体流量の増大による異常発生を正確に判定できる。
本発明による燃料供給装置の実施形態1を示す図である。 ポンプユニットの構成を模式的に示す図である。 ポンプユニットにおける液体の流れを順に示す図である。 制御部が実行する制御処理1のフローチャートである。 気体流量パルス周波数の変化を示すグラフである。 気体流量パルス周波数、液体燃料流量パルス周波数、燃料計量精度の変化を示すグラフである。 制御部が実行する制御処理2のフローチャートである。 本発明による燃料供給装置の実施形態2を示す図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
〔実施形態1〕
図1は本発明による燃料供給装置の一実施形態を示す図である。図1に示されるように、燃料供給装置10は、例えば、ガソリン又は軽油などの液体燃料を供給する給油装置である。また、燃料供給装置10は、筐体20の前面に燃料供給ノズル30を収納するノズル掛け(ノズル収納部)40と、表示装置60とが設けられている。燃料供給ノズル30は、燃料供給ホース90と共に燃料供給経路を構成している。燃料供給ホース90は、筐体20の上部に連結された継手92を介して筐体20の内部に設けられた燃料供給経路を構成する配管に接続されている。
燃料供給装置10の制御部100は、電源回路110を介して電力が供給される。制御部100は、気体混入流量設定手段130と、気体流量演算手段140と、異常判定手段150と、報知手段160と、ポンプ制御手段180と、流量演算手段190とを有する。
気体流量演算手段140は、後述するポンプユニット240から排気される気体の流量計測信号(流量パルス)を積算して単位時間当たりの気体流量(瞬時流量)を演算する。
異常判定手段150は、気体流量演算手段140により演算された気体流量が気体混入流量演算手段190により演算された流量または流速に応じて気体混入流量設定手段130において設定された気体混入流量よりも多い場合には異常と判定し、異常であることを示す判定結果を報知手段160に出力する。
報知手段160は、異常判定手段150による判定結果が異常有りの場合、表示装置60に例えば、「燃料の気体混入流量に異常有り」といったような警告メッセージを表示またはスピーカから発声させる。また、報知手段160は、異常判定手段150による判定結果が異常有りの場合、警報機(アラーム装置)を作動させてもよい。また、報知手段160としては、作業者(操作者)が燃料供給装置10から離れた場所にいる場合でも異常を認識できるようにスピーカから警報を発したり、あるいは筐体20の上部に警報ランプを設けて当該警報ランプ(例えば、LED)を点滅させて報知しても良い。
ポンプ制御手段180は、燃料供給ノズル30がノズル掛け40から外されたときの検知信号に基づいてポンプユニット240のポンプを駆動するためのモータ260を制御する。
流量演算手段190は、流量計250から出力された流量パルスを積算して単位時間当たりの瞬時流量、積算流量(供給量)を演算する。
気体混入流量設定手段130は、前記流量演算手段190により演算された瞬時流量、積算流量(供給量)から燃料供給の際に燃料に混入される気体の気体混入流量を設定する。
図1において、燃料供給ノズル30は、燃料供給経路を構成する燃料供給ホース90及び燃料供給配管220を介して地下タンク230に接続されている。燃料供給配管220には、ポンプユニット240、流量計250が設けられている。また、ノズル掛け40には、燃料供給ノズル30が収納されていることを検知して検知信号を出力するノズルスイッチ42が設けられている。
ポンプユニット240は、後述するようにポンプと、ポンプから吐出される液体燃料に含まれる気体を分離する気体分離手段270と、気体分離手段270により分離された気体の排出量を計測する気体流量計測手段280とを有する。また、気体流量計測手段280は、気体分離手段270により分離された気体の排出する排気管路(排気経路)290に設けられている。尚、排気管路290は、下端が気体流量計測手段280に接続され、上端が筐体20の側面に開口している。
ポンプ制御手段180は、燃料供給ノズル30がノズル掛け40から外されてノズルスイッチ42の検知信号がオフになると、モータ260に通電してポンプユニット240のポンプを駆動する。また、ポンプ制御手段180は、燃料供給ノズル30がノズル掛け40に戻されてノズルスイッチ42の検知信号がオンになると、モータ260への通電を停止する。
そして、操作者が燃料供給ノズル30の吐出パイプを車両に搭載された燃料タンク(被供給体)の燃料供給口に挿入してノズルレバーを開弁方向に操作すると、燃料供給ノズル30に内蔵された主弁が開弁して当該車両に搭載された燃料タンクに燃料供給が行われる。
このようにして地下タンク230に貯蔵された油液(液体燃料)がポンプユニット240により汲み上げられて車両の燃料タンクに供給されると共に、流量計250から出力された流量パルスが流量演算手段190に送信される。流量演算手段190では、入力された流量パルスを積算して積算流量(供給量)を演算し、表示装置60に積算流量(供給量)の演算値を表示させる。
また、ポンプユニット240により地下タンク230に貯蔵された燃料を汲み上げる際は、燃料供給配管220内がポンプ吸引力により負圧になるため、燃料供給系統で破損箇所があると、配管外部の気体を多量に吸込むおそれがある。そのため、実施形態1においては、気体流量計測手段280により燃料供給ノズル30に供給される燃料に含まれる気体の混入流量を計測する。
尚、燃料供給装置10は、供給可能な燃料としてガソリンや軽油に限らず、液化ガスを供給する装置にも適用できる。
〔ポンプユニットの構成〕
図2はポンプユニットの構成を模式的に示す図である。図3はポンプユニットにおける液体の流れを順に示す図である。
図2及び図3に示されるように、ポンプユニット240は、例えば、ガソリンや軽油などの液体燃料を供給する燃料供給装置に搭載され、地下タンク230に貯蔵された燃料を汲み上げると共に、液体に含まれる気泡を分離させて流量計250へ送液するように設けられている。尚、流量計250で計測された液体燃料は、燃料供給装置のホース、ノズルを介して車両の燃料タンクに供給される。
ポンプユニット240は、同一のケーシング242の内部に流入室31、ロータ室32、サイクロン室(気液分離室)33、流出経路34、気体分離室(気体分離手段)36が形成されている。流入室31には、ケーシング242の底部に開口する流入口37に連通されたストレーナ38と、流入側逆止弁39とが設けられている。
ポンプ駆動により流入口37から吸引された液体は、ストレーナ38により濾過された後、ロータ室32に流入する。また、流入側逆止弁39の下流には、ベーンポンプ48のロータ室32へ液体を供給するための流入側流路41が設けられている。
流入側逆止弁39は、コイルバネ43のバネ力により弁座を閉弁する方向に付勢されており、ポンプ駆動時のポンプ吸込み圧力(負圧)により開弁し、ポンプ停止時はポンプ吸込み圧力がなくなると閉止する。従って、流入側逆止弁39が開弁動作すると、液体燃料が流入側流路41に流入される。
ロータ室32には、ベーンポンプ48が設けられている。
ベーンポンプ48の本体49内にはロータ50が配設されており、ロータ50は本体49の偏心位置を延ばされた回転軸51に固定的に取付けられている。回転軸51は、ケーシング242の内部に一体形成した軸受部とケーシング242の外壁に被蓋した蓋体に一体形成した軸受部とに回動自在に支持されている。ポンプ室52と本体49とは、蓋体によりケーシング242の開口を閉じることにより密閉室として区画されている。ロータ50には、半径方向へ摺動自在に複数のベーン53が放射状に装着されており、各ベーン53は、ロータ50の両側面に設けた凹部内に配置したリングによりそれぞれの基端が支承されている。また、ケーシング242の外に延ばした回転軸の一端部にはモータ(図示略)により回転駆動されるプーリが装着されている。
ベーンポンプ48においては、図示を略すモータの作動でプーリを回転させると、その回転が回転軸51を介してロータ50に伝えられ、各ベーン53はその先端を本体49の内周面に摺接させながら回転する。この時、ロータ50が本体49に対する偏心位置を中心に回転するので、ベーン53で仕切られた各室の容積が拡大、縮小を繰返し、これにより本体49内の吸込側に負圧が発生する。したがって、流入口37をタンクに接続しておけば、ロータ50の回転によりタンク内の流体が流入口37からストレーナ38、吸込側逆止弁39、流路41および吸込口32を経てロータ室32内に吸込まれ、その吐出口から吐出側流路47へと吐出されるようになる。
尚、ポンプとしては、上記のようなベーンポンプ48に限らず、ベーンポンプ48の代わりにギヤポンプを用いても良いのは勿論である。
さらに、ベーンポンプ48から吐出された液体は、吐出側流路47の下流に配されたサイクロン室(気液分離室)33へ流入される。サイクロン室33はテーパ形状に形成されており、下流側がフィルタ54を有するフィルタ室55に連通され、上壁には気体を含んだ気体富化液を気体分離室36に回収するための連通孔58が設けられている。連通孔58は、サイクロン室33の内壁に設けられた流出口58aと、気体分離室36の内壁に設けられた流入口58bとを連通する通路である。
そして、流出口58aは、気化富化液を気体分離室36に排出するための開口であり、流入口58bは、サイクロン室33から排出された気化富化液を気体分離室36に流入させるための開口である。サイクロン室33内に入した液体は、サイクロン室33内にて旋回し、液体から分離された気体富化液は連通孔58を経て気体分離室36へ流出され、気体富化液から分離された液体は、フィルタ室55へ流入することになる。
気体分離室36の底部には、液体をベーンポンプ48のロータ室32に戻す戻し孔76が設けられ、天井には大気開放孔62が設けられている。
また、気体分離室36には、戻し孔76を開閉するフロート弁70が設けられている。フロート弁70は、気体分離室36内の気体富化液に接するフロート72と、気体分離室36内の気体富化液を含む液体の液面高さが所定高さ以上の場合に戻し孔76を開弁する弁部74とを有する。そのため、気体分離室36において、気泡が分離された液体は、液面高さが所定高さに達したときフロート弁70の開弁により戻し孔76を通過して流入側流路41に戻される。
また、気体分離室36において、液体に含まれる気泡(気体)は上部空間に浮上し、大気開放孔62から排気配管290を介して筐体20の外部、すなわち大気中に放出される。排気配管290には、気体流量計測手段280が設けられている。気体流量計測手段280は、排気配管290に連通されたハウジング281と、気体の流量(流速)に比例した回転数で回転する回転子282と、回転子282の外周側に埋設されたマグネット284の通過を検知する磁気センサ(気体流量検出手段)286とを有する。
回転子282は、ハウジング281内を流れる気体の流速により回転する羽根を有し、ハウジング281内で回転可能に支持されている。マグネット284は、回転子282の羽根の先端に設けられており、磁気センサ286に接近したときに検知信号が検出される。従って、排気配管290を介して筐体20の外部に放出される気体の流量(流速)を磁気センサ286から出力された流量パルスを積算することにより、後述するS18(図4参照)、S39(図7参照)の処理において、気体分離室36から大気開放孔62に排出された気体流量と流量計により計測された液体燃料の流量(または流速)に応じて設定された気体混入流量とを比較することが可能になる。
尚、気体流量計測手段280としては、上記のような回転子282の回転数を検出して気体流量を求めても良いし、あるいは容積式流量計、または超音波流量計などを用いても良い。
異常判定手段150では、磁気センサ286から出力された流量パルスを積算する気体流量演算手段140により演算された気体流量が流量計により計測された液体燃料の流量に応じて設定された気体混入流量より多い場合には、後述するS21(図4参照)、S44(図7参照)において、異常と判定することが可能になる。
また、サイクロン室33において、気体富化液が分離された液体は、フィルタ54により濾過された後に流出経路34を通過して流量計250に供給される。尚、流出経路34に設けられた流出側逆止弁64は、ベーンポンプ48によって送出された液体の圧力により開弁する。
また、流出経路34には、リリーフ弁80が設けられている。流出経路34の液圧が必要以上に高まった場合、流出経路34の液体の一部は、リリーフ弁80を開弁させて流入側流路41を介してベーンポンプ48のロータ室32に戻される。リリーフ弁80は、コイルバネ82のばね力により閉弁方向に付勢されており、流出経路34の吐出圧力と、コイルバネ82のばね力にロータ室32の吸込み圧力を加えた合力との差に応じて開閉する。
〔制御部の制御処理〕
図4は制御部が実行する制御処理1のフローチャートである。図4に示されるように、制御部100は、S11において、ノズルスイッチ42がオフになると、燃料供給ノズル30がノズル掛け40から外されて車両の燃料供給口に挿入されているものと判断してS12に進む。S12においては、ポンプユニット240のベーンポンプ48を駆動するモータ260を起動させる。
続いて、S13に進み、前回供給量を表示している表示装置60の表示をリセットする。次のS14では、流量計250から出力された流量パルスがあるか否かを判定する。このS14において、流量計250から流量パルスが出力された場合(YESの場合)、S15に進み、当該流量パルスの積算値から積算流量(供給量)を演算する。尚、S14において、流量パルスがない場合(NOの場合)、流量パルスが出力されるまで待機状態となる。
続いて、S16では、上記積算流量(供給量)に応じて設定された気体混入流量αを算出する。この気体混入流量αは、燃料供給の際に、油液の気化等により発生する気体の限界値であり、流量に応じた値が設定される。
次のS17では、気体流量計測手段280の磁気センサ286から出力された流量パルスを積算して排気配管290を介して筐体20の外部に排出される気体流量(β)を算出する。続いて、S18では、上記S16により算出した気体混入流量αと、S17により算出した気体流量(β)とを比較する。S18において、気体流量(β)が気体混入流量αより少ない場合(α>βの場合)、S19に進み、燃料タンクに挿入された燃料供給ノズル30が満タン検知したか否かをチェックする。
燃料供給中は、燃料供給ノズル30に設けられた液面検知手段により燃料タンク内の液面上昇を検知して燃料供給ノズル30の自動閉弁機構が作動すると、液体燃料の供給が停止し、流量計250からの流量パルスが出力されなくなる。そのため、S19では、流量計250からの流量パルスの有無を監視しており、流量パルスが出力されなくなった場合(YESの場合)、燃料供給ノズル30の液面検知手段により満タン検知されたものと判断してS20に進む。また、S19において、流量パルスが出力されている場合(NOの場合)、すなわち、燃料供給中は前述したS15の処理に戻り、S15〜S19の処理を繰り返す。
次のS20では、燃料供給ノズル30の液面検知手段により満タン検知されているので、ノズルスイッチ42がオンになったか否かをチェックする。S20において、ノズルスイッチ42がオフの場合(NOの場合)、燃料供給ノズル30がノズル掛け40に戻されていないものと判断し、ノズルスイッチ42がオンになるまで待機状態となる。また、S20において、ノズルスイッチ42がオンの場合(YESの場合)、燃料供給ノズル30がノズル掛け40に戻されたものと判断し、ベーンポンプ48を駆動するモータ260への通電を遮断し、ベーンポンプ48を停止する。
また、上記S18において、気体流量(β)が気体混入流量αより多い場合(α<βの場合)、排気配管290を介して筐体20の外部に排出される気体流量(β)が異常に多いと判断してS22に進み、予め設定された所定時間(任意に設定された時間)が経過したか否かをチェックする(異常判定手段)。S22において、所定時間が経過していない場合(NOの場合)、前述したS16の処理に戻り、S16〜S18の処理を繰り返す。
また、S22において、所定時間が経過した場合(YESの場合)、供給される燃料に含まれる気体流量の増大による異常が発生したものと判定してS23に進み、異常を報知する。すなわち、地下タンク230の残量が低下により燃料供給ノズル30から吐出される液体燃料に含まれる気体流量が規定以上に増加していることを報知するメッセージを表示装置60に表示したり、あるいは警報(アラーム)を発生させて報知しても良い。
この報知により操作者は、燃料供給ノズル30から吐出される燃料に含まれる気体が異常に多いことに気付き、燃料供給を中断して、気体混入の原因を調べて、対策を講じることが可能になる。また、車両の燃料タンクに供給された燃料の供給量の計測値に気体が含まれるため、表示装置60に表示された供給量にも気体の供給量が含まれることになり、気体混入流量による計測誤差の発生を未然に防ぐことも可能になる。
〔気体混入流量αについて〕
ここで、上記気体混入流量に伴う計測誤差について説明する。
まず、気体流量計測手段280による気体流量計測の流量パルスの変化について説明する。図5に示されるように、地下タンク230に貯蔵する燃料をポンプユニット240が汲み上げる際、気体流量計測手段280により計測される気体流量の流量パルス周波数は、閾値以上の値で設定時間以上継続することになる。
よって、図5に示される閾値及び設置時間を制御部100で監視することにより燃料供給配管220の密封性低下による気体吸込み量の異常を検知することが可能になる。図5において、気体流量計測手段280により計測された流量パルス(燃料供給ノズル30へ供給される燃料から分離された気体の流量計測信号)が流量計250により計測された液体燃料の積算流量(供給量)に応じて設定された気体流量パルス周波数の閾値Paを越えて設定時間Tが継続された場合、気体混入流量が異常であると判定することが可能になる。また、気体流量パルス周波数が一定値のグラフP1に対してグラフP2のように上昇した場合には、地下タンク230の残量が低下して燃料供給配管220の下端と液面との隙間から気体が吸込まれたものと判定することができる。
また、図6(A)において、供給される燃料に対する気体の割合である気体混入率が低い場合、気体流量パルス周波数は気体混入流量に対して比例的に変化するが、気体混入率が高くなると、気体流量パルス周波数は比例直線P3より下側にカーブするように変化する。また、図6(B)において、気体混入率が高くなると、燃料流量パルス周波数は比例直線P4より上側にカーブするように変化する。
このような気体流量パルス周波数及び燃料流量パルス周波数の変化は、気体混入率が高くなると、ポンプユニット240における気液分離性能が追従しないためである。
ここで、気体瞬時流量(気体混入流量)Qgと気体流量パルス周波数fgとの関係は、次式(1)のようになる。
Qg=Cg×fg・・・(1)
(上式(1)において、Cgは、係数)
燃料の瞬時流量をQlとすれば、燃料に対する気体の混入割合を示す気体混入率E(%)は、次式(2)のように表せる。
E=(Qg/Ql)×100・・・(2)
次に気体混入流量αについて具体的に説明する。例えば、液体燃料の流量に対して気体混入率(%)が20%の場合の吐出流量Qと気体混入流量αとの前記対応関係に基づくと、例えば、前述したS16の処理において、吐出流量Q=100L/minに対する気体混入流量αは、α=20L/minが設定される。また、吐出流量Q=80L/minに対する気体混入流量αは、α=16L/minが設定される。また、吐出流量Q=60L/minに対する気体混入流量αは、α=12L/minが設定される。また、吐出流量Q=40L/minに対する気体混入流量αは、α=8L/minが設定される。
従って、前述したS18における異常判定処理は、吐出流量に対応した気体混入流量αに基づいて判定されるため、気体混入流量αを吐出流量に関係なく固定値に設定する場合(従来の場合)よりも、より高い精度で気体混入流量による異常を判定することが可能になる。
また、気体混入割合の閾値E0をポンプユニット240の気液分離の性能を維持できる範囲で設定することにより、多量の気体混入時に図6(C)に示す燃料計量精度が比例直線P5より上側にカーブするように変化することを防止できる。
尚、制御部100においては、上記式(1)(2)がメモリに予め記憶されており、検出された気体流量パルス周波数fg、燃料瞬時流量Qlを入力して演算処理を行っても良いし、あるいは各気体流量パルス周波数fg、燃料瞬時流量Qlに対応する数値が予め登録されたデータベースを用いて算出しても良い。
〔実施形態2〕
図7は制御部が実行する制御処理2のフローチャートである。図7において、S31〜S37の処理は、前述した図4に示すS11〜S17と同じため、説明を省略する。
S38では、気体流量計測手段280により計測された流量パルス(燃料供給ノズル30へ供給される燃料から分離された気体の流量計測信号)に基づいて、気体計測値の変化を示す気体量変化率θ(%)を算出する。
次のS39では、上記S36により算出した気体混入流量αと、S37により算出した気体流量(β)とを比較する。S39において、気体流量(β)が気体混入流量αより少ない場合(α>βの場合)、気体混入流量が少ないのでS40に進み、S38で算出された気体量変化率θが予め設定された所定値以下か否かをチェックする(変化率演算手段)。
S40において、気体量変化率θが予め設定された所定値以下の場合(YESの場合)、燃料供給系統における気体混入が少ないものと判断してS41に進み、満タン検知が行われたか否かをチェックする。S41において、流量計250からの流量パルスの有無を監視しており、流量パルスが出力されなくなった場合(YESの場合)、燃料供給ノズル30の液面検知手段により満タン検知されたものと判断してS42に進む。また、S41において、流量パルスが出力されている場合(NOの場合)、すなわち、燃料供給中は前述したS35の処理に戻り、S35〜S41の処理を繰り返す。
次のS42では、燃料供給ノズル30の液面検知手段により満タン検知されているので、ノズルスイッチ42がオンになったか否かをチェックする。S42において、ノズルスイッチ42がオフの場合(NOの場合)、燃料供給ノズル30がノズル掛け40に戻されていないものと判断し、ノズルスイッチ42がオンになるまで待機状態となる。また、S42において、ノズルスイッチ42がオンの場合(YESの場合)、燃料供給ノズル30がノズル掛け40に戻されたものと判断し、ベーンポンプ48を駆動するモータ260への通電を遮断し、ベーンポンプ48を停止する。
また、上記S39において、気体流量(β)が気体混入流量αより多い場合(α<βの場合)、あるいは上記S40において、気体量変化率θが予め設定された所定値以上の場合(YESの場合)、燃料供給系統における気体混入流量が増大したものと判断してS44に進み、予め設定された所定時間(任意に設定された時間)が経過したか否かをチェックする(異常判定手段)。S44において、所定時間が経過していない場合(NOの場合)、前述したS36の処理に戻り、S36〜S40の処理を繰り返す。
また、S44において、所定時間が経過した場合(YESの場合)、供給される燃料に含まれる気体流量の増大による異常が発生したものと判定してS45に進み、異常を報知する。
このように、制御部100では、液体燃料に含まれる気体流量が規定以上に増加していることが所定時間継続した場合に異常発生と判断して異常を報知することができるので、従来のものよりも異常発生の判断がより正確に行える。
〔実施形態3〕
図8は本発明による燃料供給装置の実施形態2を示す図である。尚、図8において、図2と同じ部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図8に示されるように、実施形態2の気体流量計測手段280Aは、排気配管290に連通されたハウジング281Aと、気体の流量(流速)に比例した回転数で回転する回転子282Aと、回転子282Aの上方に設けられたエンコーダ284Aと、エンコーダ284Aの回転数に応じた信号を検出する検出素子(気体流量検出手段)286Aとを有する。尚、検出素子286Aとしては、例えば、光学的にエンコーダ284Aの周方向に形成された複数のスリットの通過数を検出するフォトインタラプタなどからなる。
また、回転子282Aと、エンコーダ284Aとは、軸285Aにより連結されており、回転子282Aが大気開放孔62から排気配管290を介して筐体20の外部に排出される気体流量に比例した回転数で回転すると共に、軸285Aを介してエンコーダ284Aも同じ回転数で回転する。
尚、エンコーダ284A及び検出素子286Aは、大気開放孔62及び排気配管290から画成された検出室288Aに設けられており、この検出室288Aは防爆構造による壁で構成されている。
従って、排気配管290を介して筐体20の外部に排出される気体流量に比例した回転数で回転するエンコーダ284Aを検出する検出素子286Aから出力された流量パルスを積算することにより、前述したS18(図4参照)、S39(図7参照)において、気体分離室36からに排出された気体流量と予め設定された気体混入流量とを比較することが可能になる。そのため、異常判定手段150では、磁気センサ286から出力された流量パルスを積算する気体流量演算手段140により演算された気体流量が前記流量計250により計測された液体燃料の積算流量(供給量)に応じて設定された気体混入流量より多い場合には、前述したS22(図4参照)、S44(図7参照)において、異常と判定することが可能になる。
すなわち、燃料供給ノズル30から吐出される液体燃料に含まれる気体流量が規定以上に増加していることを報知するメッセージを表示装置60に表示したり、あるいは警報(アラーム)を発生させて報知しても良い。例えば、「燃料の気体混入流量に異常有り」といったような警告メッセージを表示またはスピーカから発声させても良い。また、当然、報知せずにポンプを停止しても良い。
このように、制御部100では、液体燃料に含まれる気体流量が規定以上に増加、あるいは気体量変化率θが予め設定された所定値以上に変化していることが所定時間継続した場合に異常発生と判断して異常を報知することができるので、従来のものよりも異常発生の判断がより正確に行える。
また、本発明では、液体燃料中の気体量が液体燃料の流量に応じて設定された気体混入流量以上であるにも関わらず所定値(閾値)以下であるため、報知されないという課題に対しても、気体流量演算手段により演算された気体流量が前記流量計により計測された液体燃料の積算流量(供給量)に応じて設定された気体混入流量よりも多い場合に報知することができるので、地下配管の亀裂等に起因する気体混入の異常を正確に検知することが出来る。
また、本発明では、通常の燃料供給の際にベーパが生じる要因として液体燃料が気化したことにより生じると記載したが、これに限らず、配管内を液体燃料が流れる際に生じるベーパも含まれることはもちろんである。
また、本発明では、配管等の亀裂により多量の気体が発生すると記載しているが、これに限らず、例えば、外気温が上昇したことにより、配管内の油液が多量に気化したことにより発生するベーパに対しても、異常と検知することはもちろんである。
10 燃料供給装置
20 筐体
30 燃料供給ノズル
31 流入室
32 ロータ室
33 サイクロン室(気液分離室)
36 気体分離室(気体分離手段)
37 流入口
38 ストレーナ
39 流入側逆止弁
40 ノズル掛け(ノズル収納部)
41 流入側流路
42 ノズルスイッチ
47 吐出側流路
48 ベーンポンプ
49 本体
50 ロータ
51 回転軸
52 ポンプ室
53 ベーン
54 フィルタ
55 フィルタ室
58 連通孔
60 表示装置
62 大気開放孔
64 流出側逆止弁
70 フロート弁
76 戻し孔
80 リリーフ弁
90 燃料供給ホース
100 制御部
130 気体混入流量設定手段
140 気体流量演算手段
150 異常判定手段
160 報知手段
180 ポンプ制御手段
190 流量演算手段
220 燃料供給配管
230 地下タンク
240 ポンプユニット
250 流量計
260 モータ
270 気体分離手段
280、280A 気体流量計測手段
281、281A ハウジング
282、282A 回転子
284 マグネット
284A エンコーダ
285A 軸
286 磁気センサ(気体流量検出手段)
286A 検出素子
290 排気配管(排気経路)

Claims (2)

  1. 液体燃料を供給するノズルを収納するノズル収納部を有する筐体と、
    前記筐体内に設けられ、一端が前記液体燃料を貯蔵する地下タンクに接続され、他端が前記ノズルに接続された燃料供給経路と、
    前記燃料供給経路を流れる液体燃料の流量を計測する流量計と、
    前記燃料供給経路に設けられ、前記地下タンクの液体燃料を前記ノズルに送液するポンプと、
    前記ポンプから吐出された液体燃料に含まれる気体を分離させる気液分離手段と、
    前記気液分離手段により分離された気体を前記筐体の外部に排出させる気体排出経路とを備えた燃料供給装置において、
    前記気体排出経路より排出される気体の流量を計測する気体流量計測手段と、
    液体燃料の流量に応じて気体混入流量を設定する気体混入流量設定手段と、
    前記気体流量計測手段により計測された気体流量が前記気体混入流量設定手段により設定された前記気体混入流量より多い場合には異常と判定する異常判定手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料供給装置。
  2. 前記異常判定手段は、前記気体流量計測手段により計測された気体流量が前記気体混入流量設定手段により設定された前記気体混入流量より多い時間が予め設定された所定時間の間継続した場合には異常と判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
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