JP2015208974A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】加硫時におけるカーカス層の変形を抑制することを可能にした空気入りタイヤの製造方法を提供する。
【解決手段】
グリーンタイヤGを成形する際に、未加硫のキャップトレッドゴム層11Uの加硫後のタイヤTにおけるラグ溝14の周方向中心位置に対応する位置に薄肉部14Uを形成し、未加硫のキャップトレッドゴム層11Uにおいて周方向に隣り合う薄肉部14U間の周方向中心位置でのゲージRと薄肉部14UにおけるゲージLとを、ラグ溝14の溝深さDに対して、0.4×D≦R−L≦Dの関係を満たすように設定する。
【選択図】図4
【解決手段】
グリーンタイヤGを成形する際に、未加硫のキャップトレッドゴム層11Uの加硫後のタイヤTにおけるラグ溝14の周方向中心位置に対応する位置に薄肉部14Uを形成し、未加硫のキャップトレッドゴム層11Uにおいて周方向に隣り合う薄肉部14U間の周方向中心位置でのゲージRと薄肉部14UにおけるゲージLとを、ラグ溝14の溝深さDに対して、0.4×D≦R−L≦Dの関係を満たすように設定する。
【選択図】図4
Description
本発明は、空気入りタイヤの製造方法に関し、更に詳しくは、加硫時におけるカーカス層の変形を抑制することを可能にした空気入りタイヤの製造方法に関する。
整地されていない砂利道等を走行することの多い建設車両用の空気入りタイヤでは、トレッドパターンとして、例えば、ラグ溝をタイヤ周方向に左右交互に間欠的に設けたラグ0パターンが採用される(例えば、特許文献1を参照)。このような空気入りタイヤでは、ラグ溝の溝深さが乗用車用タイヤ等に比べて大きく設計されている。
このような溝深さの大きいラグ溝を有するタイヤを加硫する際、図11に例示するように、金型Mのラグ溝を形成するための溝骨mに押されたグリーンタイヤGを構成するゴム層gは、図中に矢印で示すように、隣接する溝骨mのタイヤ周方向中心、即ち、成形後のタイヤにおける陸部に相当する部位に流れ込み、更に、タイヤ内周側に隆起するように移動する。その結果、タイヤ内周側に隆起したゴム層の部分に押されてカーカス層4を構成するカーカスコードが局所的にタイヤ内周側に曲がって変形や凹凸が発生するという問題がある。特に、溝深さが大きいタイヤでは、溝骨が高くなり、移動するゴム量が増加するため、上述の加硫時におけるカーカス層の変形が発生し易く、対策が求められている。
本発明の目的は、加硫時におけるカーカス層の変形を抑制することを可能にした空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、左右一対のビード部間にスチールコードを用いた少なくとも1層のカーカス層が装架され、トレッド部がキャップトレッドゴム層とアンダートレッドゴム層とから構成され、前記トレッド部の表面に少なくともタイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝を有し、前記キャップトレッドゴム層中における溝体積比率が30%以上である空気入りタイヤを製造する方法であって、グリーンタイヤを成形する際に、未加硫のキャップトレッドゴム層の前記ラグ溝の周方向中心位置に対応する位置に薄肉部を形成し、前記未加硫のキャップトレッドゴム層において周方向に隣り合う前記薄肉部間の周方向中心位置でのゲージRと前記薄肉部におけるゲージLとを、前記ラグ溝の溝深さDに対して、0.4×D≦R−L≦Dの関係を満たすように設定することを特徴とする。
本発明では、上述のように予め薄肉部を設けて、加硫後のタイヤにおける陸部に相当する部位を相対的に厚くする一方で、加硫後のタイヤにおけるラグ溝に相当する部位を相対的に薄くすることで、金型の溝骨から受ける変形を抑制すると共に、ゴム流れを抑制し、加硫時におけるカーカス層の変形を抑制することができる。
本発明においては、未加硫のキャップトレッドゴム層を全周に亘ってゲージが均一である内側ゴム層と薄肉部が形成される外側ゴム層とから構成し、外側ゴム層のゲージBを、ラグ溝の溝深さDに対して、0.5×D≦B≦1.5×Dの関係を満たすように設定することが好ましい。これにより、タイヤの内周側に向かうゴム流れを効果的に抑制することができ、加硫時におけるカーカス層の変形を抑制するには有利になる。
このとき、内側ゴム層をリボン状又はシート状のゴム材料を積層して構成する一方で、外側ゴム層をシート状のゴム材料を積層して構成するか又は単層の押出物からなるゴム材料で構成し、内側ゴム層を構成するゴム材料の厚さよりも外側ゴム層を構成するゴム材料の厚さを大きくすることが好ましい。これにより、成形時に内側ゴム層をアンダートレッドゴム層に圧着する工程を省くことができ、カーカス層の変形を抑制することが可能になる。
このとき、例えば、薄肉部を外側ゴム層に切欠きを設けて内側ゴム層を露出させることで形成するか、又は、薄肉部を外側ゴム層に凹み加工を施すことで形成することができる。このように薄肉部を形成することで、溝骨が当たる部位のゴム量を充分に減少することができ、加硫時におけるカーカス層の変形を抑制するには有利になる。
或いは、本発明においては、キャップトレッドゴム層を単一のゴム材料からなる単層構造にし、薄肉部をキャップトレッドゴム層に切欠きを設けて形成するか、又は、キャップトレッドゴム層を単一のゴム材料からなる単層構造にし、薄肉部をキャップトレッドゴム層に凹み加工を施すことで形成することもできる。このように薄肉部を形成することで、溝骨が当たる部位のゴム量を充分に減少することができ、加硫時におけるカーカス層の変形を抑制するには有利になる。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に例示する空気入りタイヤTにおいて、CLはタイヤセンターライン、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本のスチールコードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部分と折り返し部分により包み込まれている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図1では4層)のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜65°の範囲に設定されている。
また、トレッド部1のベルト層7の外周側はキャップトレッドゴム層11とアンダートレッドゴム層12とからなるトレッドゴム層10から構成されている。アンダートレッドゴム層12はキャップトレッドゴム層11よりも硬度高くなるように設定されている。キャップトレッドゴム層11のJIS‐A硬度は例えば60〜80であり、アンダートレッドゴム層12のJIS‐A硬度は例えば55〜75である。
更に、図2,3に例示するように、トレッド部1にはタイヤ周方向に延びる1本の周方向溝13とタイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝14とが設けられ、これら周方向溝13及びラグ溝14により複数の陸部15が区画形成されている。周方向溝13はタイヤセンターラインを中心にジグザグ状に延在し、ジグザグ形状の角部(折れ曲がり部)においてラグ溝14と連通している。ラグ溝14は、周方向溝13の折れ曲がり部からタイヤ幅方向外側に延びることで、周方向溝13を境にタイヤ周方向に左右交互に間欠的に設けられている。ラグ溝14の溝深さDは例えば50mm〜150mmである。また、キャップトレッドゴム層11における周方向溝13及びラグ溝14の溝面積比率は30%以上、好ましくは35%以上45%以下に設定されている。
本発明は、このような建設車両用の空気入りタイヤを製造する製造方法であり、製造される空気入りタイヤの具体的な構造は上述の基本構造に限定されるものではないが、カーカス層4がスチールコードから構成され、キャップトレッドゴム層11における溝面積比率が30%以上であることが本発明の製造方法により製造される空気入りタイヤとして必須である。
以下、図4〜図10を参照しながら、上述した空気入りタイヤTを例にとって本発明の製造方法を説明する。
本発明では、グリーンタイヤGを成形するにあたって、図4に例示するように、未加硫のキャップトレッドゴム層11Uの加硫後のタイヤTにおけるラグ溝14の周方向中心位置に対応する位置にゲージの小さい薄肉部14Uを形成する。尚、図4のグリーンタイヤGにおいて、12Uは未加硫のアンダートレッドゴムである。このとき、未加硫のキャップトレッドゴム層11Uの周方向に隣接する薄肉部14U間の周方向中心位置P(即ち、加硫後のタイヤTにおける陸部15の周方向中心位置に相当)でのゲージをRとし、薄肉部14UにおけるゲージをLとし、これらゲージR及びゲージLを、加硫後のタイヤTにおけるラグ溝14の溝深さDに対して、0.4×D≦R−L≦Dの関係を満たすように設定する。言い換えれば、ゲージRとゲージLとの差(即ち、薄肉部14Uにおいて周囲から凹ませた量)を加硫後のタイヤTにおけるラグ溝14の溝深さDの0.4倍以上1倍以下に設定する。
このようにグリーンタイヤGに予め薄肉部14Uを設けることで、ラグ溝14を形成する溝骨が当接する部分のゴム量が減らすことができ、グリーンタイヤGを金型に投入する際に、金型の溝骨から受ける変形を抑制すると共に、加硫時に溝骨に押されて加硫後のタイヤTにおける陸部15に相当する部位に流れ込むゴム量を削減することができ、加硫時におけるカーカス層4の変形を抑制することができる
このときゲージRとゲージLとの差R−Lがラグ溝14の溝深さDの0.4倍よりも小さいと、薄肉部14Uと他の部位との差が殆ど無くなるため、加硫時におけるカーカス層4の変形を抑制する効果が殆ど得られない。ゲージRとゲージLとの差R−Lがラグ溝14の溝深さDの1倍よりも大きいと、トレッド部1を構成するゴムの量が不足し、タイヤTを所望の形状に正しく成形することができなくなる。
図4に例示するグリーンタイヤGでは、未加硫のキャップトレッドゴム層11Uは、複数種類のゴム材料からなる積層構造になっている。特に、図4の例では、全周に亘ってゲージAが均一である内側ゴム層11iと、薄肉部14Uが実際に形成される外側ゴム層11oとから構成されている。この例では、薄肉部14Uは、外側ゴム層11oに切欠きが設けられ、この切欠きによって内側ゴム層11iが露出することで形成されている。そのため、この例では、ゲージAとゲージLとが一致している。このとき、外側ゴム層11oのゲージBを、加硫後のタイヤTにおけるラグ溝14の溝深さDに対して、0.5×D≦B≦1.5×Dの関係を満たすように設定することが好ましい。
このように未加硫のキャップトレッドゴム層11Uを内側ゴム層11iと外側ゴム層11oとから構成し、外側ゴム層11oのゲージBを設定することで、加硫時に主として外側ゴム層11oが変形して加硫後のタイヤTにおけるトレッドパターン(溝13,14及び陸部15)を構成し、内側ゴム層11iの変形が抑制されるので、加硫時におけるカーカス層4の変形を抑制するには有利になる。このとき、ゲージBがラグ溝14の溝深さDの0.5倍よりも小さいと、結果的に内側ゴム層11iの厚さが増し、薄肉部14Uを充分に形成することができなくなるため、カーカス層4の変形を抑制する効果を充分に得ることが難しくなる。ゲージBがラグ溝14の溝深さDの1.5倍よりも大きいと、ラグ溝14に対して外側ゴム層11o(未加硫のキャップトレッドゴム層11U)が厚くなり過ぎ、タイヤTを所望の形に設計することが困難になる。
図5に示すように、本発明のグリーンタイヤGでは、内側ゴム層11iをリボン状のゴム材料gを積層して構成し、外側ゴム層11oはシート状のゴム材料gを積層して構成することもできる。このように各層17,18を所定の形状のゴム材料gから構成するとき、内側ゴム層11iを構成するゴム材料gの厚さaよりも外側ゴム層11oを構成するゴム材料gの厚さbを大きくすることが好ましい。このようにグリーンタイヤGを構成することで、成形時に内側ゴム層11iを外側のプロファイルの傾斜が大きいアンダートレッドゴム層に圧着する工程を省くことができ、カーカス層の変形を抑制することが可能になる。
尚、内側ゴム層11iを構成するゴム材料gは上述のリボン状の他、シート状であっても良い。また、外側ゴム層11oは上述のようにゴム材料gはシート状のゴム材料を積層して構成する他、単層の押出物からなるゴム材料で構成することもできる。この場合であっても、内側ゴム層11iを構成するゴム材料gの厚さaよりも外側ゴム層11oを構成するゴム材料gの厚さbを大きくするとよい。
図4の例のようにグリーンタイヤGを成形するには、例えば、図6に示すように、複数の押出物からなるゴム材料gを、内側ゴム層11i上に、図中の矢印のように、加硫後のタイヤTにおける陸部15に対応する位置に沿うように載置することで成形することができる。
図4,6の例では、切欠きによって薄肉部14Uを形成しているが、例えば、図7に例示するように、外側ゴム層11oに凹み加工を施すことで薄肉部14Uを形成することもできる。この場合も、外側ゴム層11oのゲージBは上記関係を満たすように設定するとよい。
図8に例示するように、未加硫のキャップトレッドゴム層11Uが複数種類のゴム材料からなる積層構造である場合に、未加硫のキャップトレッドゴム層11U全体に対して凹み加工を施すことも可能である。但し、この場合、凹み加工によって未加硫のキャップトレッドゴム層11Uを構成する全ての層に凹みが生じるため、未加硫のキャップトレッドゴム層11Uは全周に亘ってゲージが均一である内側ゴム層11iを含まない。
上述の例では、未加硫のキャップトレッドゴム層11Uが複数層のゴム材料からなる積層体から構成されていたが、未加硫のキャップトレッドゴム層11Uは単一のゴム材料gからなる単層構造であってもよい。この場合、図9に示すように、単層構造のゴム材料gから構成される未加硫のキャップトレッドゴム層11Uをアンダートレッドゴム層12U上に、加硫後のタイヤTにおける陸部15に対応する位置に沿うように載置することで成形することもできる。言い換えれば、単層構造のゴム材料gからなる未加硫のキャップトレッドゴム層11Uに切欠きを設けて薄肉部14Uを形成するようにしても良い。或いは、図10に示すように、単層構造のゴム材料gからなる未加硫のキャップトレッドゴム層11Uに凹み加工を施すことで薄肉部14Uを形成することもできる。尚、薄肉部14Uを形成するためにどのような切欠きを設けるとしても、切欠きがキャップトレッドゴム層11Uを分断する(即ち、キャップトレッドゴム層11Uが存在せずにアンダートレッドゴム層12Uが露出する)ことはない。
タイヤサイズが23.5R25 RL51であり、図2のトレッドパターンを有し、図3の断面構造を有する空気入りタイヤを製造するに当たり、グリーンタイヤにおける加硫後のタイヤの陸部の周方向中心位置に相当する位置でのゲージRと薄肉部でのゲージLとの差R−L、外側ゴム層のゲージBを表1に記載のように異ならせた従来例1、比較例1〜2、実施例1〜6の9種類の試験タイヤを製造した。
尚、表1において「D」は加硫後のタイヤにおけるラグ溝の溝深さであり、具体的には78mmである。
これら9種類の試験タイヤについて、下記の評価方法によりカーカス曲り角度を評価し、その結果を表1に併せて示した。
カーカス曲り角度
各試験タイヤについて、隣接するラグ溝間の陸部下のカーカス層をX線で投影し、カーカス層の曲り部分において、一方側の曲り開始部の曲線と曲りの折り返し部の曲線との変曲点における接線と他方側の曲り開始部の曲線と曲りの折り返し部の曲線との変曲点における接線とが成す角度をカーカス曲り角度として測定した。評価結果は、カーカス曲り角度の測定値(実数値)で示した。この測定値が160°以上であれば加硫時におけるカーカスの変形が抑制されていることを意味する。
各試験タイヤについて、隣接するラグ溝間の陸部下のカーカス層をX線で投影し、カーカス層の曲り部分において、一方側の曲り開始部の曲線と曲りの折り返し部の曲線との変曲点における接線と他方側の曲り開始部の曲線と曲りの折り返し部の曲線との変曲点における接線とが成す角度をカーカス曲り角度として測定した。評価結果は、カーカス曲り角度の測定値(実数値)で示した。この測定値が160°以上であれば加硫時におけるカーカスの変形が抑制されていることを意味する。
表1から判るように、実施例1〜6はいずれも、加硫時におけるカーカスの変形を抑制することができた。一方、差R−Lが本発明の条件を満たさない比較例1,2は、加硫時におけるカーカスの変形を充分に抑制することができなかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
10 トレッドゴム層
11 キャップトレッドゴム層
11U 未加硫のキャップトレッドゴム層
11i 内側ゴム層
11o 外側ゴム層
12 アンダートレッドゴム層
12U 未加硫のアンダートレッドゴム層
13 周方向溝
14 ラグ溝
14U 薄肉部
15 陸部
CL タイヤセンターライン
T 空気入りタイヤ
G グリーンタイヤ
g ゴム材料
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
10 トレッドゴム層
11 キャップトレッドゴム層
11U 未加硫のキャップトレッドゴム層
11i 内側ゴム層
11o 外側ゴム層
12 アンダートレッドゴム層
12U 未加硫のアンダートレッドゴム層
13 周方向溝
14 ラグ溝
14U 薄肉部
15 陸部
CL タイヤセンターライン
T 空気入りタイヤ
G グリーンタイヤ
g ゴム材料
Claims (7)
- 左右一対のビード部間にスチールコードを用いた少なくとも1層のカーカス層が装架され、トレッド部がキャップトレッドゴム層とアンダートレッドゴム層とから構成され、前記トレッド部の表面に少なくともタイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝を有し、前記キャップトレッドゴム層中における溝体積比率が30%以上である空気入りタイヤを製造する方法であって、
グリーンタイヤを成形する際に、未加硫のキャップトレッドゴム層の前記ラグ溝の周方向中心位置に対応する位置に薄肉部を形成し、前記未加硫のキャップトレッドゴム層において周方向に隣り合う前記薄肉部間の周方向中心位置でのゲージRと前記薄肉部におけるゲージLとを、前記ラグ溝の溝深さDに対して、0.4×D≦R−L≦Dの関係を満たすように設定することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。 - 前記未加硫のキャップトレッドゴム層を全周に亘ってゲージが均一である内側ゴム層と前記薄肉部が形成される外側ゴム層とから構成し、前記外側ゴム層のゲージBを、前記ラグ溝の溝深さDに対して、0.5×D≦B≦1.5×Dの関係を満たすように設定することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記内側ゴム層をリボン状又はシート状のゴム材料を積層して構成する一方で、前記外側ゴム層をシート状のゴム材料を積層して構成するか又は単層の押出物からなるゴム材料で構成し、前記内側ゴム層を構成するゴム材料の厚さよりも前記外側ゴム層を構成するゴム材料の厚さを大きくしたことを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記薄肉部を前記外側ゴム層に切欠きを設けて前記内側ゴム層を露出させることで形成することを特徴とする請求項2又は3に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記薄肉部を前記外側ゴム層に凹み加工を施すことで形成することを特徴とする請求項2又は3に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記キャップトレッドゴム層を単一のゴム材料からなる単層構造にし、前記薄肉部を前記キャップトレッドゴム層に切欠きを設けて形成することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記キャップトレッドゴム層を単一のゴム材料からなる単層構造にし、前記薄肉部を前記キャップトレッドゴム層に凹み加工を施すことで形成することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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