JP2015207969A - 導波路型スロットアレイアンテナ及びスロットアレイアンテナモジュール - Google Patents

導波路型スロットアレイアンテナ及びスロットアレイアンテナモジュール Download PDF

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Abstract

【課題】従来の導波管スロットアレイアンテナよりも反射係数が小さく、かつ、利得の大きい導波路型スロットアレイアンテナを実現する。【解決手段】導波路型スロットアレイアンテナ(1A)において、導波路内に、該導波路の上壁(11)及び側壁と直交する制御壁(12c1〜12c6)が千鳥状に配置されており、複数のスロット(11d1〜11d6)の各々は、上記制御壁により区画された区間の境界を跨ぐように、且つ、上面視したときに上記制御壁と重ならないように配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、導波路型スロットアレイアンテナ、及び、該導波路型スロットアレイアンテナを含むスロットアレイアンテナモジュールに関する。
次世代の無線LAN規格として、WiGig(登録商標)が注目を集めている。WiGigにおいては、60GHz帯のミリ波を用いて、最大6.75Gビット/秒の超高速無線伝送が実現される。このため、60GHz帯用のアンテナは、市場規模の大きいパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの民生機器への搭載が見込まれ、その需要拡大が期待されている。
ミリ波帯を動作帯域とするアンテナの一例として、金属製の導波管の一面に複数のスロットを形成した導波管スロットアレイアンテナが知られている。このような導波管スロットアレイアンテナにおいては、各スロットにおいて生じる反射を低減することが重要になる。各スロットで生じる反射は、反射特性を劣化させ、また、利得を低下させる要因になるためである。
各スロットで生じる反射を低減させた導波管スロットアレイアンテナとしては、例えば、特許文献1に記載の導波管スロットアレイアンテナが知られている。特許文献1に記載の導波管スロットアレイアンテナにおいては、スロットが形成された金属導波管の内部に壁板を形成し、スロットでの反射波を壁板での反射波によって相殺する構成が採用されている。
特開2005−167755号公報(2005年 6月23日公開)
しかしながら、動作帯域における反射係数を小さくし、かつ、利得を大きくするうえで、特許文献1に記載の導波管スロットアレイアンテナには、スロット及び壁板の配置に関して改善の余地が残されていた。
また、特許文献1に記載の導波管スロットアレイアンテナには、以下のような副次的な問題も存在していた。すなわち、特許文献1に記載の導波管スロットアレイアンテナは、矩形導波管及び壁板を備えるベース体と、複数のスロットが設けられたスロット板とにより構成されており、金属加工などにより個別に作製されたベース体とスロット板とを貼り合わせることによって製造される。このため、製造コストが高いという問題があった。また、ベース体とスロット板とを密着させることが困難であり、その結果、伝送品質の低下が生じ易いという問題があった。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の導波管スロットアレイアンテナに比べ、所望の周波数範囲において反射係数を小さくすることができ、かつ、所望の周波数範囲において選択的に利得を大きくすることが可能な導波路型スロットアレイアンテナを実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る導波路型スロットアレイアンテナは、直方体状の導波路の上壁に複数のスロットが形成された導波路型スロットアレイアンテナであって、上記導波路内には、該導波路の上壁及び側壁と直交する制御壁が千鳥状に配置されており、上記複数のスロットの各々は、上記制御壁により区画された区間の境界を跨ぐように、且つ、上面視したときに上記制御壁と重ならないように配置されている、ことを特徴とする。
本発明に係る導波路型スロットアレイアンテナにおいては、制御壁により区画された区間の境界を跨ぐように、且つ、上面視したときに制御壁と重ならないようにスロットを配置する構成を採用している。このため、従来よりも反射係数が小さく、かつ、利得の大きい導波路型スロットアレイアンテナを実現することができる。
本発明に係る導波路型スロットアレイアンテナにおいて、上記導波路の側壁と直交する方向に関して、上記制御壁の幅は、上記導波路の幅の2分の1以上である、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記制御壁は、上記スロットの各々に起因する反射波を打ち消すのに十分な振幅の反射波を生じさせる。したがって、上記スロットの各々に起因する反射波の振幅が大きい場合、例えば、導波路の内部が比誘電率が1よりも大きい誘電体で満たされている場合であっても、上記制御壁の各々は、上記スロットの各々に起因する反射波を打ち消すことができる。
本発明に係る導波路型スロットアレイアンテナにおいて、導波路型スロットアレイアンテナの動作帯域の中心周波数における管内波長をλとして、上記制御壁と、該制御壁により区画された2つの区間の境界を跨ぐスロットとの間隔dx[m]は、0.10≦dx/λ≦0.31を満たす、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記動作帯域において反射係数が−10dBを下回る導波路型スロットアレイアンテナを実現することができる。
本発明に係る導波路型スロットアレイアンテナにおいて、上記複数のスロットの各々は、上記導波路の側壁と平行な長辺及び上記導波路の側壁と垂直な短辺を有する長方形状の開口であり、当該導波路型スロットアレイアンテナの動作帯域の中心周波数における管内波長をλとして、上記制御壁により区画された2つの区間の境界と、該境界を跨ぐスロットの2つの短辺のうち給電部に近い方の短辺との間隔dy[m]は、0.35≦dy/λ≦0.48を満たす、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記動作帯域において反射係数が−10dBを下回る導波路型スロットアレイアンテナを実現することができる。
本発明に係る導波路型スロットアレイアンテナにおいて、上記導波路型スロットアレイアンテナは、第1の誘電体層と、該第1の誘電体層を介して互いに対向する2つの導体層であって、上記導波路の上壁として機能する第1の導体層、及び、上記導波路の下壁として機能する第2の導体層とを備えており、上記側壁及び上記制御壁は、上記第1の誘電体層に形成された円柱状のポストを柵状配置してなるポスト壁である、ことが好ましい。
上記構成を有する導波路型スロットアレイアンテナは、プリント基板技術を利用して形成することができる。すなわち、特許文献1に記載の導波管スロットアレイアンテナのように、金属加工などにより個別に作製されたベース体とスロット板とを貼り合せる必要がないため、製造コストを安価に抑えることができる。また、ベース体とスロット板との密着性が不十分であることに伴う伝送品質の劣化という問題が生じる懸念もない。
本発明に係る導波路型スロットアレイアンテナにおいて、上記導波路型スロットアレイアンテナは、第1の誘電体層と、該第1の誘電体層を介して互いに対向する2つの導体層であって、上記導波路の上壁として機能する第1の導体層、及び、上記導波路の下壁として機能する第2の導体層とを備えており、上記側壁は、上記第1の誘電体層に形成された円柱状のポストを柵状配置してなるポスト壁であり、上記制御壁は、上記第1の誘電体層に形成された角柱状の板壁によって構成されてもよい。
上記構成を有する導波路型スロットアレイアンテナは、プリント基板技術を利用して形成することができる。すなわち、特許文献1に記載の導波管スロットアレイアンテナのように、金属加工などにより個別に作製されたベース体とスロット板とを貼り合せる必要がないため、製造コストを安価に抑えることができる。また、ベース体とスロット板との密着性が不十分であることに伴う伝送品質の劣化という問題が生じる懸念もない。
上記の課題を解決するために、本発明に係るスロットアレイアンテナモジュールは、上記導波路型スロットアレイアンテナと、上記導波路の上壁の上、又は、上記導波路の下壁の下に積層された第2の誘電体層と、該第2の誘電体層を介して、上記導波路の上壁又は上記導波路の下壁に対向する第3の導体層により構成されたマイクロストリップ線路とを備えている、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、上記導波路型スロットアレイアンテナに対して、1つの積層基板に積層されたマイクロストリップ線路を用いて電磁波を供給することができる。
本発明に係るスロットアレイアンテナモジュールにおいて、上記導波路型スロットアレイアンテナは、上記第1の誘電体層及び上記第2の誘電体層を貫通し、孔壁に導体メッキが施された貫通孔であって、上記導波路の上壁及び上記導波路の下壁に形成された開口によって上記導波路の上壁及び上記導波路の下壁から絶縁されると共に、上記第3の導体層と導通する貫通孔を、TEモード励振構造として含む、ように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、非貫通孔であるTEモード励振構造を備えるスロットアレイアンテナモジュールと比較して、容易に形成することができる。
本発明に係るスロットアレイアンテナモジュールにおいて、上記導波路型スロットアレイアンテナは、上記第2の誘電体層を貫通し上記第1の誘電体層の上記第2の誘電体層に対向する面から内部に至る、孔壁に導体メッキが施された非貫通孔であって、上記第1の誘電体層と上記第2の誘電体層との間に介在する導体層に形成された開口によって上記導波路の上壁又は上記導波路の下壁から絶縁されると共に、上記第3の導体層と導通する貫通孔をTEモード励振構造として含む、ように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、貫通孔であるTEモード励振構造を備えるスロットアレイアンテナモジュールと比較して、上記開口からの電磁波の漏洩を抑制することができる。
本発明に係るスロットアレイアンテナモジュールにおいて、上記第3の導体層に接続されたRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)を更に備え、上記第2の誘電体層は、上記導波路の下壁の下に積層され、上記第3の導体層は、上記第2の誘電体層を介して上記導波路の下壁に対向しており、上記RFICは、上面視したときに、上記導波路と重なるように配置されている、ことが好ましい。
スロットアレイアンテナモジュールの実装に要する面積は、RFICの実装に要する面積と、上記導波路を上記RFICの実装面である上記導波路の下壁に投影した場合の面積との和よりも小さくなる。すなわち、上記の構成によれば、高周波信号を出力するRFICを備えているにも関わらず、本発明係るスロットアレイアンテナモジュールの実装に要する面積を、上記導波路型スロットアレイアンテナのみを実装するために必要とされる面積と同程度に抑えることができる。
上記課題を解決するために、本発明に係るスロットアレイアンテナモジュールは、上記導波路型スロットアレイアンテナと、導波管とを備えたスロットアレイアンテナモジュールであって、上記導波路の一方の端部に開口が形成されており、上記導波管は、該導波管の導波路が上記開口を介して上記導波路型スロットアレイアンテナの導波路と連通するように上記導波路型スロットアレイアンテナに接続されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記導波路型スロットアレイアンテナに対して、導波管を用いて電磁波を供給することができる。
本発明に係るスロットアレイアンテナモジュールにおいて、上記導波路内には、上記開口の近傍に配置された制御ポストが形成されており、上記導波路の上記開口を含む区間内における左側壁と右側壁との間隔は、上記導波路の該区間外における左側壁と右側壁との間隔より広い、ことが好ましい。
上記の構成によれば、電磁波の導波モードが上記導波管内の導波路の導波モードから、上記導波路の導波モードに変換されるときの反射による損失を抑制することができる。したがって、反射係数をより小さくすることができ、より大きな利得を得ることができる。
本発明によれば、従来の導波管スロットアレイアンテナに比べ、所望の周波数範囲において反射係数を小さくすることができ、かつ、所望の周波数範囲において選択的に利得を大きくすることが可能な導波路型スロットアレイアンテナを実現できる。
本発明の第1の実施形態に係る導波路型スロットアレイアンテナを含むスロットアレイアンテナモジュールの分解斜視図である。 図1に示す導波路型スロットアレイアンテナの断面図である。 図1に示す導波路型スロットアレイアンテナの一部を上面視した場合の平面図である。 図1に示す導波路型スロットアレイアンテナの一部を上面視した場合の平面図である。 (a)は、実施例1に係る導波路型スロットアレイアンテナにおいて、間隔dx/λを0.1以上0.31以下の範囲で変化させた場合に得られる反射特性を示すグラフである。(b)は、同導波路型スロットアレイアンテナにおいて、間隔dy/λを0.35以上0.48以下の範囲で変化させた場合に得られる反射特性を示すグラフである。 (a)は、実施例1に係る導波路型スロットアレイアンテナのうち間隔dx/λ=0.31である導波路型スロットアレイアンテナのzx平面における利得の方位角依存性を示すグラフである。(b)は、実施例1に係る導波路型スロットアレイアンテナのうち間隔dx/λ=0.1である導波路型スロットアレイアンテナのzx平面における利得の方位角依存性を示すグラフである。 (a)は、実施例1に係る導波路型スロットアレイアンテナのうち間隔dx/λ=0.31である導波路型スロットアレイアンテナに、57.5GHzの電磁波を給電した場合の磁界分布を示すグラフであり、(b)は、同導波路型スロットアレイアンテナに、67.5GHzの電磁波を給電した場合の磁界分布を示すグラフである。 第1の変形例に係る導波路型スロットアレイアンテナを含むスロットアレイアンテナモジュールの分解斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る導波路型スロットアレイアンテナを含むスロットアレイアンテナモジュールの分解斜視図である。 (a)は、図9に示すスロットアレイアンテナモジュールの断面図であり、給電ピン及びポストの構造を示す。(b)は、同スロットアレイアンテナモジュールの給電ピンの構造を変更することにより得られる別態様のスロットアレイアンテナモジュールの断面図である。 第2の変形例に係る導波路型スロットアレイアンテナを含むスロットアレイアンテナモジュールの分解斜視図である。
〔実施形態1〕
〔スロットアレイアンテナモジュールの構成〕
本発明の第1の実施形態に係る導波路型スロットアレイアンテナについて、図1〜図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る導波路型スロットアレイアンテナ1Aを含むスロットアレイアンテナモジュール1の分解斜視図である。図2は、本実施形態に係る導波路型スロットアレイアンテナの断面図である。
スロットアレイアンテナモジュール1は、図1に示すように導波路型スロットアレイアンテナ1A及び導波管1Bを備えている。導波路型スロットアレイアンテナ1Aは、第1の導体層11、第1の誘電体層12、及び第2の導体層13を、この順に積層した構造を有している。言い換えれば、導波路型スロットアレイアンテナ1Aは、第1の誘電体層12を介して互いに対向する第1の導体層11及び第2の導体層13によって構成される。
本実施形態において、第1の導体層11の主面、第1の誘電体層12の主面、及び第2の導体層13の主面は、いずれも図1に示す座標系においてxy平面と平行になるように配置されている。ここで、主面とは、直方体状の部材を構成する6つの面のうち、最大の面積を有する面のことを意味する。
第1の導体層11及び第2の導体層13の材料としては、銅などの金属を用いることができる。また、第1の誘電体層12の材料としては、石英ガラス等のガラス、PTFE等のフッ素系樹脂、液晶ポリマー、又はシクロオレフィンポリマーなどを用いることができる。
第1の導体層11には、複数のスロット11d1〜11d6が形成されている。スロット11d1〜11d6は、第1の導体層11に形成された長方形の開口であり、導波路型スロットアレイアンテナ1Aを上面視したときに千鳥状に配置されている。ここで、上面視とは、図1に示す座標系におけるz軸正方向から対象物を見ることを意味する。また、スロット11d1〜11d6のより具体的な配置に関しては、参照する図面を代えて後述する。
第1の誘電体層12の内部には、導波路として機能する直方体状の領域の四方を取り囲むポスト壁12aが形成されている。ポスト壁12aは、柵状に配列された複数の導体ポスト12a1,12a2,…,12aMの集合である。各導体ポスト12ai(i=1,2,…,M)は、その上端が第1の導体層11に接続され、その下端が第2の導体層13に接続された円柱状導体であり、より具体的には、第1の誘電体層12に形成された貫通孔の壁面に形成された導体メッキである。なお、ポスト壁12aにより四方を囲まれた領域は、その長手方向が図1に示す座標系におけるy軸と平行になるように配置される。
ポスト壁12aにより四方を囲まれ、第1の導体層11及び第2の導体層13により上下を挟まれた領域は、導波路型スロットアレイアンテナ1Aの導波路として機能する。ポスト壁12aは、この導波路の側壁として機能し、第1の導体層11は、この導波路の上壁として機能し、第2の導体層13、この導波路の下壁として機能する。なお、以下の説明においては、この導波路の側壁のうち、x軸正方向の側壁を右側壁、x軸負方向の側壁を左側壁、y軸正方向の側壁を前側壁、y軸負方向の側壁を後側壁と記載する。前側壁及び後側壁は、ショート壁と呼ばれることもある。
導波路型スロットアレイアンテナ1Aの導波路の内部には、この導波路の上壁及び左右側壁の双方と直交する(すなわち、図1におけるzx面と平行な)制御壁12c1〜12c6が形成されている。開口13aに近い方から数えて奇数番目の制御壁である制御壁12c1,12c3,12c5は、右側壁近傍から左方向(図1におけるx軸負方向)へ向かって延設されている。一方、開口13aに近い方から数えて偶数番目の制御壁である制御壁12c2,12c4,12c6は、左側壁近傍から右方向(図1におけるx軸正方向)へ向かって延設されている。したがって、制御壁12c1〜12c6の各々は、千鳥配置されていると言える。
なお、図1に示す座標系は、以下のように定められたものである。すなわち、(1)第1の誘電体層12が備える導波路の長手方向をy軸とする。y軸の向きは、該導波路の給電部から該導波路の先端に向かう向きが正の向きとなるように定める。(2)第1の誘電体層12の厚み方向に平行な軸をz軸とする。z軸の向きは、第2の導体層13から第1の導体層11に向かう方向が正の向きとなるように定める。(3)第1の誘電体層12が備える導波路の幅方向の長さをx軸とする。x軸の向きは、x軸の向きは、このx軸が上述したy軸及びz軸と共に右手系を構成するように定める。
次に、制御壁12c1を例にして、制御壁の構成について説明する。図2は、制御壁12c1を通るzx平面における導波路型スロットアレイアンテナ1Aの断面図である。図2に示すように、制御壁12c1は、3つの導体ポスト12c1a,12c1b,12c1cの集合である。各導体ポスト12c1a〜12c1cは、その上端が第1の導体層11に接続され、その下端が第2の導体層13に接続された円筒状導体であり、より具体的には、第1の誘電体層12に形成された貫通孔の壁面に形成された導体メッキである。
導体ポスト12c1a,12c1b,12c1cは、導波路型スロットアレイアンテナ1Aの導波路を伝播する電磁波の波長よりも十分に短い間隔で配置されている。また、制御壁を構成する導体ポスト12c1aと側壁を構成する導体ポスト12aiとの間隔も、導波路型スロットアレイアンテナ1Aの導波路を伝播する電磁波の波長よりも十分に短く設定されている。これにより、導体ポスト12c1a,12c1b及び12c1cの集合である制御壁12c1は、電磁波を反射するポスト壁として機能する。
以上のように、制御壁12c1は、導波路型スロットアレイアンテナ1Aの導波路の右側壁から、x軸負方向に伸びるzx平面と平行なポスト壁である。他の奇数番目の制御壁である制御壁12c3,12c5は、制御壁12c1と同様に構成されている。また、偶数番目の制御壁である制御壁12c2,12c4及び12c6は、導波路型スロットアレイアンテナ1Aの導波路の左側壁から、x軸正方向に伸びるzx平面と平行なポスト壁であり、その幅は、制御壁12c1の幅と同じである。
なお、本実施形態においては、導波路型スロットアレイアンテナ1Aの導波路の幅Wを、該導波路の左右側壁の壁心間の距離と定義する(図3参照)。また、制御壁の幅Wcwを、制御壁12c1を例にして、上記導波路の右側壁における壁心と、該右側壁から最も遠い導体ポスト12c1cの該右側壁から最も遠い側壁との距離と定義する(図3参照)。
各スロット11d1〜11d6は、比誘電率がそれぞれ異なる第1の誘電体層と空気中との境界に位置するため、第1の誘電体層12内の導波路を伝播する電磁波の一部を反射する原因となる。導波路型スロットアレイアンテナ1Aは、制御壁12c1〜12c6からなる制御壁群を備えているため、スロット11d1〜11d6の各々のうち、隣接する一方のスロット(例えばスロット11d1)近傍における磁界分布と、他方のスロット(例えばスロット11d2)近傍における磁界分布とを似た分布形状にすることができる(図7(a)参照)。その結果、導波路型スロットアレイアンテナ1Aは、上記一方のスロットに起因する反射波の振幅と、上記他方のスロットに起因する反射波の振幅とを、等しくする(又は近くする)ことができる。導波路型スロットアレイアンテナ1Aにおける磁界分布は、実施例において図6を参照しながら後述する。
その上で、制御壁12c1〜12c6を周期的に配置する間隔dを調整し、上記一方のスロットに起因する反射波と、上記他方のスロットに起因する反射波との位相差を、180°+360°×n(n=0,1,2,・・・)とすることによって、導波路型スロットアレイアンテナ1Aは、隣接する各スロットに起因する反射波を相殺することができる。
さらに、各制御壁12c1〜12c6の幅Wcwは、導波路型スロットアレイアンテナ1Aの導波路の幅Wの2分の1以上であることが好ましい。上記の構成によれば、各スロット11d1〜11d6に起因する反射波の振幅が大きい場合であっても、制御壁12c1〜12c6は、この反射波を打ち消すために十分な振幅を有する反射波を生じさせることができる。したがって、導波路型スロットアレイアンテナ1Aは、反射係数を十分に小さく抑えることができる。
第2の導体層13には、開口13aが形成されている。導波管1Bは、導波管1B内の導波路1Baが開口13aを介して導波路型スロットアレイアンテナ1Aの導波路と連通するように、導波路型スロットアレイアンテナ1Aに接続される。
導波管1Bは、導波路型スロットアレイアンテナ1Aに電磁波を給電する給電手段である。導波管1Bは、両端が開放した管状部材であり、その管壁は、金属などの導体からなる。導波管1Bの内部に形成された空洞は、空気で満たされていてもよいし、空気以外の誘電体で満たされていてもよいが、本実施形態においては、前者の構成を採用する。上記空洞は、電磁波を導波する導波路1Baとして機能する。
〔スロットの配置〕
次に、第1の導体層11に設けられているスロット11d1〜11d6の配置について、図3を参照しながら説明する。図3は、導波路型スロットアレイアンテナ1Aを上面視したときの平面図であり、制御壁12c1及び12c2の近傍を拡大したものである。スロット11d1〜11d6の各々は、第1の誘電体層12の側壁と平行な長辺及び上記導波路の側壁と垂直な短辺を有する長方形状の開口である。
第1の誘電体層12が備える導波路は、制御壁12c1〜12c6により7つの区間に区画されている。(1)後ろ側壁から制御壁12c1までの区間、(2)制御壁12c1から制御壁12c2までの区間、(3)制御壁12c2から制御壁12c3までの区間、(4)制御壁12c3から制御壁12c4までの区間、(5)制御壁12c4から制御壁12c5までの区間、(6)制御壁12c5から制御壁12c6までの区間、(7)制御壁12c7から前側壁までの区間が、これら7つの区間に該当する。
第1の導体層11に設けられたスロット11d1〜11d6の各々は、導波路型スロットアレイアンテナ1Aを上面視したときに、制御壁12c1〜12c6の各々により区画された区間の境界を跨ぐように、且つ、制御壁12c1〜12c6のうち、該境界を介して隣接する区間を区画する制御壁と重ならないように配置されている。
図3を参照しながら具体的に説明すると、スロット11d1は、制御壁12c1により区画された上述の区間(1)及び区間(2)の境界を跨ぐように配置されており、且つ、該境界を介して隣接する区間(1)及び区間(2)を区画する制御壁である制御壁12c1と重ならないように配置されている。また、スロット11d2は、制御壁12c2により区画された上述の区間(2)及び区間(3)の境界を跨ぐように配置されており、且つ、該境界を介して隣接する区間(2)及び区間(3)を区画する制御壁である制御壁12c2と重ならないように配置されている。スロット11d3〜11d6の配置に関しては、スロット11d1及び11d2の配置と同様であるため、その説明を省略する。
制御壁同士の間隔である間隔dは動作周波数帯域の中心周波数f[Hz]における管内波長をλとして、λ/2[mm]と同程度であることが好ましい。なお、導波路型スロットアレイアンテナ1Aにおいて反射係数が最小となる周波数fは、実施例に後述するように、単位構造を構成する制御壁とスロットとの相対配置にも強く依存する。したがって、周期的に配置する間隔dは、単位構造を構成する制御壁とスロットとの相対配置に依存して変化し得るものであり、必ずしもλ/2に近くなくてもよい。
〔変換部〕
次に、図4を参照しながら、導波路型スロットアレイアンテナ1Aが備える変換部の構成について説明する。図4は、導波路型スロットアレイアンテナ1Aを上面視した場合の平面図であり、電磁波の導波モードを変換する変換部付近を拡大したものである。
図4に示すように、第1の誘電体層12内には、開口13aの近傍に配置された制御ポスト12b1及び12b2が形成されていることが好ましい。より具体的には、制御ポスト12b1及び12b2は、制御ポスト12b1及び12b2は、開口13aを構成する四辺のうち第1の誘電体層12内の導波路の左右側壁と平行な二辺をy軸正方向に延長した延長線の内側に配置されていることが好ましい。制御ポスト12b1及び12b2は、その上端が第1の導体層11に接続され、その下端が第2の導体層13に接続された円柱状導体であり、より具体的には、第1の誘電体層12に形成された貫通孔の壁面に形成された導体メッキである。
本実施形態において、制御ポスト12b1及び12b2よりy軸負方向側に位置する領域であって、ポスト壁12aによって三方を囲まれ、制御ポスト12b1及び12b2によって残りの一方を囲まれた領域を変換部と表記する。この変換部は、導波管1Bから電磁波を給電される給電部とも表現できる。
導波管1Bの導波路1Baをz軸正方向に伝播してきた電磁波は、第2の導体層13の開口13aを介して、第1の誘電体層12の変換部に入射される。第1の誘電体層12の変換部は、該電磁波の導波モードを、導波路1Baの導波モードから、第1の誘電体層12に形成された導波路の導波モードへ変換する。この場合に、制御ポスト12b1及び12b2が配置されていることによって、第1の誘電体層12に形成された変換部における電磁波の反射を抑制することができる。したがって、当該構成によれば、第1の誘電体層12に形成された変換部が導波モードを変換するときに生じる損失を抑制することができる。制御ポスト12b1及び12b2は、第1の誘電体層12に形成された変換部における電磁波の反射を抑制する反射抑制ポストとして機能する。
導波路型スロットアレイアンテナ1Aが備える制御壁12c1〜12c6を製造する工程は、ポスト壁12aを製造する工程と同じであり、プリント基板技術を利用することができる。したがって、導波路型スロットアレイアンテナ1Aの製造コストは、従来のポスト壁導波路アンテナと同等である。したがって、導波路型スロットアレイアンテナ1Aは、従来のポスト壁導波路アンテナと比較して製造コストの増加を抑制しつつ、従来の導波管スロットアレイアンテナと比較して良好な放射特性及び利得を得ることができる。
〔実施例1〕
本実施形態に係る導波路型スロットアレイアンテナ1Aを含むスロットアレイアンテナモジュール1の第1の実施例について、図5〜7を参照して説明する。なお、以下の説明におけるdx及びdyの定義については、図3を参照されたい。
本実施例に係る導波路型スロットアレイアンテナ1Aは、60GHz帯(60GHzを中心周波数とする周波数帯域)を動作帯域とするべく、図1に示す変換器1の各部を以下のごとく構成したものである。
第1の導体層11:厚みが20μmである導体(具体的には銅)板を用いた。
第1の誘電体層12:比誘電率が3、厚みが0.6mmである液晶ポリマー基板を用いた。
第2の導体層13:厚みが20μmである導体(具体的には銅)板を用いた。
ポスト壁12a:ポスト壁12aを構成する導体ポスト12aiとして、第1の導体層11、第1の誘電体層12及び第2の導体層13を貫通する直径200μmのスルービアを形成し、該スルービアを導体(具体的には銅)メッキしたものを用いた。なお、互いに隣接する2つの導体ポスト12ai,12ajの中心軸間の距離は、400μmとした。ポスト壁12aによって形成される導波路の幅Wは、2.4mmとした。
制御壁12c1〜12c6:各制御壁12c1〜12c6を構成する導体ポストとして、第1の導体層11、第1の誘電体層12及び第2の導体層13を貫通する直径200μmのスルービアを形成し、該スルービアを導体(具体的には銅)メッキしたものを用いた。なお、制御壁を構成する3つの導体ポスト(例えば導体ポスト12c1a〜12c1c)の中心間隔は、400μmとした。また、各制御壁12c1〜12c6の間隔dは、400μmとした。
スロット11d1〜11d6:スロット長(図3に示す座標系において、y軸と平行な長さ)は1.9mm、スロット幅(上記座標系においてx軸と平行な長さ)は250μmとした。図3に示すように、制御壁12c2と、該制御壁12c2により区画された2つの区間の境界を跨ぐスロット11d2との間隔を、間隔dxと定義した。本実施形態において、間隔dxを定める2つの基点のうち一方は、制御壁12c2を構成する導体ポストのうち、導波路の左側壁から最も遠い導体ポスト12c2cの中心Cである。また、間隔dxを定める2つの基点のうち他方は、制御壁12c2により区画された2つの区間の境界と、該境界を跨ぐスロット11d2との交点Dである。
また、制御壁12c2により区画された2つの区間の境界と、該境界を跨ぐスロット11d2が備える2つの短辺のうち電磁波を給電される給電部に近い方(y軸負方向側)の短辺との間隔を、間隔dyと定義した。
導波管1B:導波管1Bとして、方形導波管WR−15(EIA規格)を用いた。導波管1Bの端部の上面に、第2の導体層13、第1の誘電体層12及び第1の導体層11が、この順で積層されており、第2の導体層13の開口13aを介して、第1の誘電体層12の導波路と、導波管1Bの導波路1Baとは連通している。
図5(a)及び(b)は、本実施例に係る導波路型スロットアレイアンテナ1Aの反射特性(反射係数の周波数特性)を示すグラフである。より具体的には、図5(a)は、間隔dy/λ=0.42で固定し、間隔dx/λを0.1,0.17,0.21,0.24及び0.31としたときに得られた導波路型スロットアレイアンテナ1Aの反射特性を示すグラフであり、図5(b)は、間隔dx/λ=0.22で固定し、間隔dy/λを0.35,0.38,0.42,0.45及び0.48としたときに得られた導波路型スロットアレイアンテナ1Aの反射特性を示すグラフである。
〔反射特性のスロット位置依存性〕
図5(a)を参照すると、間隔dy/λ=0.42で固定し、間隔dx/λを0.1以上0.31以下の範囲で変化させた場合、全ての導波路型スロットアレイアンテナ1Aが示す反射係数の最小値は、一般的な要求水準である−10dBを下回った。以下では、反射特性が良好であるか否かを判定する場合の基準を、反射係数の最小値が−10dBを下回る、とする。すなわち、当該基準を満たす反射特性を示す導波路型スロットアレイアンテナ1Aを、良好な反射特性を示す導波路型スロットアレイアンテナと判定する。したがって、図5(a)に示した導波路型スロットアレイアンテナ1Aは、いずれも良好な反射特性を示す導波路型スロットアレイアンテナであると言える。
また、図5(a)を参照すると、間隔dy/λ=0.42で固定した導波路型スロットアレイアンテナ1Aにおいて、反射係数が最小となる周波数fは、間隔dx/λ=0.1において67.5GHz、間隔dx/λ=0.17において64.0GHz、間隔dx/λ=0.21において62.25GHz、間隔dx/λ=0.24において58.5GHz、間隔dx/λ=0.31において57.5GHzであることが分かった。
このことから、導波路型スロットアレイアンテナ1Aにおいて、間隔dx/λが0.1以上0.31以下の範囲において、間隔dx/λを大きくするにしたがって、周波数fが低周波側へシフトすることがわかった。このことは、間隔dx/λを変化させることによって、良好な反射特性を保ったまま、周波数fを、57.5GHz以上67.5GHz以下の範囲において可変制御することが可能であることを意味する。言い換えれば、導波路型スロットアレイアンテナ1Aにおける間隔dx/λを変化させることによって、57.5GHz以上67.5GHz以下の範囲において、所望の周波数において反射係数が最小値を示す導波路型スロットアレイアンテナを実現することができることを意味する。
図5(b)を参照すると、間隔dx/λ=0.22で固定し、間隔dy/λを0.35以上0.48以下の範囲で変化させた場合、全ての導波路型スロットアレイアンテナ1Aが示す反射係数の最小値は、一般的な要求水準である−10dBを下回った。したがって、図5(b)に示した導波路型スロットアレイアンテナ1Aは、いずれも良好な反射特性を示す導波路型スロットアレイアンテナであると言える。
また、図5(b)を参照すると、間隔dx/λ=0.22で固定した導波路型スロットアレイアンテナ1Aにおいて、周波数帯域における反射係数の最小値は、間隔dy/λ=0.35において−11.3dB,間隔dy/λ=0.38において−15.9dB,間隔dy/λ=0.42において−23.4dB,間隔dy/λ=0.45において−14.1dB,間隔dy/λ=0.48において−12.1dBであることが分かった。
〔周波数fと利得の関係〕
図6(a)は、本実施例に係る導波路型スロットアレイアンテナ1Aのうち、間隔dx/λ=0.31とした導波路型スロットアレイアンテナ1Aのzx平面における利得[dBi]の方位角依存性を示すグラフである。グラフ中の0°は、図1に示す座標系におけるz軸正方向に対応し、−180°は、該座標系におけるz軸負方向に対応する。また、グラフ中の90°は、上記座標軸におけるx軸正方向に対応し、−90°は、上記座標軸におけるx軸負方向に対応する。図中の実線は、67.5GHzにおける利得の方位角依存性を示し、破線は、57.5GHzにおける利得の方位角依存性を示す。なお、間隔dx/λ=0.31とした導波路型スロットアレイアンテナ1Aにおける周波数fは、57.5GHzである。
周波数fに相当する57.5GHzの場合と、57.5GHzの場合より反射係数が大きい67.5GHzの場合とを比較すると、57.5GHzにおける利得の方が大きいことが分かった。
図6(b)は、本実施例に係る導波路型スロットアレイアンテナ1Aのうち、間隔dx/λ=0.1とした導波路型スロットアレイアンテナ1Aのzx平面における利得の方位角依存性を示すグラフである。グラフ中の角度と、図1に示す座標系との対応関係は、図6(a)の場合と同様である。図中の実線は、67.5GHzにおける利得の方位角依存性を示し、破線は、57.5GHzにおける利得の方位角依存性を示す。なお、間隔dx/λ=0.1とした導波路型スロットアレイアンテナ1Aにおける周波数fは、67.5GHzである。
周波数fに相当する67.5GHzの場合と、67.5GHzの場合より反射係数が大きい57.5GHzの場合とを比較すると、67.5GHzにおける利得の方が大きいことが分かった。
以上のことから、本実施例に係る導波路型スロットアレイアンテナ1Aにおいて、大きい反射係数を示す周波数において得られる利得と比較した場合、小さい反射係数を示す周波数において得られる利得は大きいことが分かった。
したがって、本実施例に係る導波路型スロットアレイアンテナ1Aにおいて、制御壁(例えば制御壁12c1)に対するスロット(例えばスロット11d1)の相対的な配置を変化させることによって、反射係数が最小となる周波数fを可変制御することが可能であり、該周波数fにおいて得られる利得は、反射係数がより大きい周波数において得られる利得より大きいことが分かった。すなわち、導波路型スロットアレイアンテナ1Aを用いて放射させたい電磁波の周波数が予め決まっている場合には、上述の通り制御壁に対するスロットの相対配置を変化させることによって、該放射させたい周波数が周波数fとなる導波路型スロットアレイアンテナ1Aを設計することができる。言い換えれば、制御壁に対するスロットの相対配置を変化させることによって、所定の周波数の電磁波に対する利得を選択的に向上させた導波路型スロットアレイアンテナ1Aが実現される。
〔磁界分布〕
図7(a)は、本実施例1に係る導波路型スロットアレイアンテナ1Aのうち、間隔dx/λ=0.31である導波路型スロットアレイアンテナ1Aに、周波数fに対応する57.5GHzの電磁波を入射した場合の磁界分布を示す上面図である。図7(b)は、同導波路型スロットアレイアンテナ1Aに、周波数fより大きい反射係数を示す67.5GHzの電磁波を入射した場合の磁界分布を示す上面図である。なお、図7(a)及び(b)に示す磁界分布は、第1の誘電体層12の導波路内を伝播するTEモードの電磁波のH面について求めたものである。
図7(a)を参照すると、スロット11d1,11d2,11d3及び11d4の周辺におけるそれぞれの磁界分布は、各スロットの中心部を中心とする半円状であり、磁界強度の違いはあるものの、いずれもよく似た分布形状であることが分かった。磁界強度が各スロット11d1〜11d4の位置に応じて異なるのは、図7(a)の左端から給電された電磁波が同図に示す座標系においてy軸方向に伝播するにしたがって、各スロット11d1〜11d4から放射されるなどの理由により、その電力強度を弱めるためである。
ここで、スロット11d1と、スロット11d2とに注目すると、スロット11d1周辺の磁界分布と、スロット11d2周辺の磁界分布との形状が似ていることから、スロット11d1に起因する反射波と、スロット11d2に起因する反射波との振幅は等しい、又は、近い値であることが推測できる。また、スロット11d1と、スロット11d2との間の各々の反射波の経路差は、互いに180°+360°×n(n=0,1,2,・・・)異なると考えられる。したがって、スロット11d1に起因する反射波と、スロット11d2に起因する反射波とは、互いに打ち消し合うと考えられる。
また、スロット11d2に起因する反射波と、スロット11d3に起因する反射波とについても、上記の場合と同様に考えられる。スロット11d2周辺における磁界分布と、スロット11d3周辺における磁界分布とはよく似た分布形状であることから、スロット11d2に起因する反射波の振幅と、スロット11d3に起因する反射波の振幅とは、等しい、又は、近い値であると推測できる。スロット11d2と、スロット11d3との間の各々の反射波の経路差は、互いに180°+360°×n(n=0,1,2,・・・)異なると考えられる。したがって、スロット11d2に起因する反射波と、スロット11d3に起因する反射波とは、互いに打ち消し合うと考えられる。
以上の説明と同様に、スロット11d4に起因する反射波、スロット11d5に起因する反射波、及び、スロット11d6に起因する反射波のそれぞれは、隣接するスロットに起因する反射波によって打ち消される。
したがって、図7(a)に示すように、制御壁12c1〜12c6及びスロット11d1〜11d6の配置とマッチングのよい周波数を有する電磁波に関して、各スロットに起因する反射波は、該スロットに隣接するスロットに起因する反射波によって打ち消されるため、その反射係数は小さく抑えられる。その結果、導波路型スロットアレイアンテナ1Aにおける制御壁12c1〜12c6及びスロット11d1〜11d6の配置と最もマッチングのよい周波数が、該導波路型スロットアレイアンテナ1Aの周波数fとなると考えられる。
図7(b)を参照すると、スロット11d1,11d2,11d3及び11d4の周辺におけるそれぞれの磁界分布は、一様ではないことが分かった。例えば、スロット11d1の周辺における磁界は、同図に示す座標系におけるy軸と平行な成分が多いと言える。一方、スロット11d2の周辺における磁界は、y軸と平行な成分が多いと言える。このように磁界分布の形状が異なるため、スロット11d1に起因する反射波の振幅と、スロット11d2に起因する反射波の振幅とは異なり、互いに打ち消し合うことができないと考えられる。
同様に、スロット11d3の周辺と、スロット11d4の周辺とを比較すると、それぞれの磁界分布の形状が異なるため、スロット11d3に起因する反射波の振幅と、スロット11d4に起因する反射波の振幅とは異なり、互いに打ち消し合うことができないと考えられる。
なお、スロット11d1の周辺及びスロット11d4の周辺のように、それぞれの磁界分布の形状が似ている区間もある。スロット11d1とスロット11d4との間隔は3dであるため、スロット11d1に起因する反射波と、スロット11d4に起因する反射波とは、互いに打ち消し合うように作用すると考えられる。しかしながら、互いに打ち消し合わない反射波が同時に存在するため、反射が大きくなると考えられる。
このように、導波路型スロットアレイアンテナ1Aにおける制御壁12c1〜12c6及びスロット11d1〜11d6の配置とマッチングの悪い周波数を有する電磁波に関して、打ち消し合わない反射波が多く存在するため、その反射係数は大きくなると考えられる。
〔変形例1〕
第1の実施形態に係る導波路型スロットアレイアンテナ1Aの変形例について、図8を参照しながら説明する。図8は、第1の変形例に係る導波路型スロットアレイアンテナ2Aを含むスロットアレイアンテナモジュール2の分解斜視図である。
〔導波路型スロットアレイアンテナの構成〕
スロットアレイアンテナモジュール2が備える導波路型スロットアレイアンテナ2Aは、第1の実施形態に係る導波路型スロットアレイアンテナ1Aと比較して、次の構成が異なる。
・制御壁22c1〜22c6は、第1の誘電体層22に形成された角柱状のポストである。
・第1の導体層21には開口21aが設けられており、第1の導体層21と、導波管2Bとは、該開口21aが導波管2B内の導波路2Baと連通するように接続されている。
本変形例では、上記2つの構成上の違いについて説明する。導波路型スロットアレイアンテナ2Aに関して、本変形例において説明しない構成は、実施形態1に係る導波路型スロットアレイアンテナ1Aと同様の構成である。
〔制御壁22c1〜22c6〕
制御壁群を構成する制御壁22c1〜22c6のそれぞれは、図8に示すように、第1の誘電体層22に形成された板壁によって構成されている。具体的には、各制御壁22c1〜22c6は、その上端が第1の導体層21に接続され、その下端が第2の導体層23に接続された角柱状導体であり、より具体的には、第1の誘電体層22に形成された角柱状である貫通孔の壁面に形成された導体メッキである。
各制御壁22c1〜22c6における、xy面と平行な平面における断面の形状は、長手方向がx軸と平行である長方形である。なお、本変形例に係る各制御壁22c1〜22c6は、長辺と短辺との間に形成される角部分が曲線により構成される領域を含んでも良い。第1の誘電体層22に断面形状が長方形である貫通孔を形成する場合、該貫通孔の4つの角が丸みを帯びる場合があるためである。
〔導波管との接続〕
第1の実施形態に係るスロットアレイアンテナモジュール1において、第2の導体層13に設けられた開口13aが導波管1Bの導波路1Baと連通するように、導波路型スロットアレイアンテナ1Aと、導波管1Bとは接続されていた(図1参照)。言い換えれば、導波管1Bは、導波路型スロットアレイアンテナ1Aの下側(z軸負方向側)に接続されていた。本変形例に係るスロットアレイアンテナモジュール2では、第1の導体層21に設けられた開口21aが導波管2Bの導波路2Baと連通するように、導波路型スロットアレイアンテナ2Aと、導波管2Bとは接続されている。言い換えれば、導波管2Bは、導波路型スロットアレイアンテナ2Aの上側(z軸正方向側)に接続されている。
このように、本発明に係るスロットアレイアンテナモジュールの一実施形態において、導波管は、導波路型スロットアレイアンテナのスロットが形成されている第1の導体層に接続されていてもよい(第1の実施形態)し、第1の誘電体層を介して第1の導体層に対向する第2の導体層に接続されていてもよい(本変形例)。
〔実施形態2〕
本発明の第2の実施形態に係る導波路型スロットアレイアンテナについて、図9及び図10を参照しながら説明する。図9は、本実施形態に係る導波路型スロットアレイアンテナ3Aを含むスロットアレイアンテナモジュール3の分解斜視図である。図10(a)は、スロットアレイアンテナモジュール3の断面図である。図10(b)は、スロットアレイアンテナモジュール3の給電ピンの構造を変更することにより得られる別態様のスロットアレイアンテナモジュール3の断面図である。なお、図10(a)及び(b)においては、スロットアレイアンテナモジュール3のyz平面に平行な断面のうち、給電ピン32a,34a及び導体ポスト12aiを通る断面を示している。
〔スロットアレイアンテナモジュールの構成〕
本実施形態に係るスロットアレイアンテナモジュール3は、第1の実施形態に係るスロットアレイアンテナモジュール1と比較して、電磁波を導波路型スロットアレイアンテナに給電する部分の構成が異なる。スロットアレイアンテナモジュール1において、電磁波を給電するための導波管1Bが第2の導体層13に接続されているのに対し、導波路型スロットアレイアンテナ3Aにおいて、電磁波を給電するためのマイクロストリップ線路3Bが形成されている。また、第1の誘電体層32は、給電された電磁波を第1の誘電体層32内に放射する給電ピン32aを備えている。本実施形態においては、電磁波を供給するためのマイクロストリップ線路3B及び給電ピン32aを中心に説明する。
スロットアレイアンテナモジュール3は、第1の導体層31、第1の誘電体層32、第2の導体層33、第2の誘電体層34、第3の導体層35、及びRFIC36を、この順に積層した構造を有している。
第1の導体層31、第2の導体層33、及び第3の導体層35の材料としては、銅などの金属を用いることができる。また、第1の誘電体層32の材料としては、石英ガラス等のガラス、PTFE等のフッ素系樹脂、液晶ポリマー、又はシクロオレフィンポリマーなどを用いることができる。また、第2の誘電体層34の材料としては、PTFE等のフッ素系樹脂、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマー、又はポリイミド系樹脂などが挙げられる。
スロットアレイアンテナモジュール3においては、第1の誘電体層32を介して互いに対向する第1の導体層31及び第2の導体層33が、導波路型スロットアレイアンテナ3Aを構成する。
第1の誘電体層32において、導体ポスト12aiが形成するポスト壁12aが囲む領域(導波路)の内側に、TEモード励振構造である給電ピン32aが形成されている。給電ピン32aは、第1の誘電体層32の上面から下面に向かって形成された孔であり、孔壁に導体メッキが施された孔である。第2の導体層33には、給電ピン32aの下端部が第2の導体層33と接触することを避けるための開口33aが形成されている。このため、給電ピン32aは、第2の導体層33から絶縁されている。また、給電ピン32aは、第1の誘電体層32の上面から下面に向かって形成されているものの貫通孔ではない。したがって、給電ピン32aと第1の導体層31との間には、第1の誘電体層32が存在する。すなわち、給電ピン32aは、第1の導体層31からも絶縁されている。なお、TEモード励振構造である給電ピン32aは、電磁波を給電する給電部とも呼べる。
第1の導体層31、第2の導体層33、及び、導体ポスト12aiで構成されたポスト壁12aにより六方を取り囲まれた領域は、電磁波を導波する導波路として機能する。
スロットアレイアンテナモジュール3において、RFIC36から出力された高周波信号は、TEMモードの電磁波として後述するマイクロストリップ線路3Bを伝送された後、給電ピン32aにおいてTEモードの電磁波に変換される。この電磁波は、第1の誘電体層32の導波路を導波した後、第1の導体層11に形成されたスロットを介して当該導波路から導波路型スロットアレイアンテナ3Aの外部に放射される。
また、スロットアレイアンテナモジュール3においては、第2の誘電体層34を介して互いに対向する第2の導体層33及び第3の導体層35が、マイクロストリップ線路3Bを構成する(第2の導体層33は、導波路型スロットアレイアンテナ3Aとマイクロストリップ線路3Bとに共用される)。
第3の導体層35は、第2の誘電体層34の表面にプリントされた導体パターンであり、信号ライン35a、信号パッド35b、及び接地パッド35cを含んでいる。信号ライン35aは、その一方の端点が第2の誘電体層34に形成された給電ピン34aの下端部に接続された線状導体である。ここで、給電ピン34aは、第2の誘電体層34の上面から下面に至る、孔壁に導体メッキが施された貫通孔である。この給電ピン34aの上端部は、第1の誘電体層32に形成された給電ピン32aの上端部と接触しているので、信号ライン35aと給電ピン32aとが給電ピン34aを介して導通する。また、信号パッド35bは、その端辺が信号ライン35aの他方の端点に接続された正方形の面状導体である。また、接地パッド35cは、信号パッド35bの近傍に信号パッド35bから離間して配置された正方形の面状導体である。第2の誘電体層34には、第2の誘電体層34の上面から下面に至る、孔壁に導体メッキが施された貫通孔である接地ビア34bが形成されている。接地ビア34bの下端部は、接地パッド35cに接触し、接地ビア34bの上端部は、第2の導体層33に接触している。接地ビア34bによって、第2の導体層33、及び、第2の導体層33と短絡された第1の導体層31の電位は、接地パッド35cの電位(接地電位)と同じになる。
信号パッド35bには、RFIC36に形成された信号端子36aが半田バンプ37aを用いてバンプ接続され、接地パッド35cには、RFIC36に形成された接地端子36bが半田バンプ37bを用いてバンプ接続される。これにより、RFIC36にて生成された高周波信号を、寄生インダクタンスによる信号反射を生じさせることなく、導波路型スロットアレイアンテナ3Aに供給することが可能になる。
スロットアレイアンテナモジュール3において注目すべき点は、RFIC36が積層方向から見て(図9におけるz軸不方向から見て)、第1の誘電体層32に形成された導波路と重なるように配置されている点である。このため、積層方向から見たスロットアレイアンテナモジュール3の面積、すなわち、スロットアレイアンテナモジュール3の実装に要する面積は、同方向から見たRFIC36の面積と、同方向から見た第1の誘電体層32に形成された導波路の面積との和よりも小さくなる。すなわち、本実施形態に係るスロットアレイアンテナモジュール3の実装に要する面積は、高周波信号を出力するRFIC36を備えているにも関わらず、導波路型スロットアレイアンテナ3Aのみを実装するために必要とされる面積と同程度でよい。
スロットアレイアンテナモジュール3においては、RFIC36との容量結合によってアンテナ特性が変化する懸念はない。何故なら、スロット11d1〜11d6が形成されている第1の導体層31と、RFIC36との間に第2の導体層33が介在しているからである。また、スロットアレイアンテナモジュール3においては、z軸正方向に伝播する電磁波がスロット11d1〜11d6から放射するが、これらの電磁波がRFIC36により乱されたり、RFIC36の機能がこれらの電磁波により阻害されたりする懸念はない。何故なら、これらの電磁波は、導波路型スロットアレイアンテナ3Aの上面側(図9におけるz軸正方向側)の空間を伝播するのに対して、RFIC36は、導波路型スロットアレイアンテナ3Aの下面側(図9におけるz軸負方向側)の空間に配置されているからである。したがって、導波路型スロットアレイアンテナ3Aの設計は、RFIC36の有無を考慮することなく行うことができるし、また、導波路型スロットアレイアンテナ3Aのアンテナ特性は、RFIC36に影響されることがない。
上記のようなRFIC36の配置を実現するために、スロットアレイアンテナモジュール3においては、信号ライン35aを、給電ピン34aの下端部から、第1の誘電体層32に形成された導波路の中心に近づく方向(図9におけるy軸正方向)に引き出している。
〔スロットアレイアンテナモジュールの断面構造〕
次に、図9に示すスロットアレイアンテナモジュール3が備える給電ピン32a及び34aについて、図10を参照して説明する。図10は、スロットアレイアンテナモジュール3の断面図である。なお、図10においては、スロットアレイアンテナモジュール3のyz平面(図1参照)に平行な断面のうち、給電ピン32a、34a及び導体ポスト12aiを通る断面を示している。
スロットアレイアンテナモジュール3は、図10(a)に示すように、第2の誘電体層34を下面から上面へ貫通する貫通孔である給電ピン34aと、第1の誘電体層32の下面からその内部に至る給電ピン32aとを備えている。給電ピン32a及び34aは、第1の誘電体層32に形成された非貫通孔、及び、第2の誘電体層34に形成された貫通孔の孔壁に導体メッキを施したあと、これらの非貫通孔及び貫通孔をスタックすることにより形成される。
図10に示す給電ピン32a,34aについて注目すべきは、(1)給電ピン34aの下端部が信号ライン35aに接触している点、(2)給電ピン32aの下端部が開口33aによって第2の導体層33から離間している点、及び、(3)給電ピン32aの上端部が第1の誘電体層32の内部に留まり、第1の導体層31から離間している点である。これにより、給電ピン32aは、信号ライン35aと導通し、かつ、第1の導体層31及び第2の導体層33の双方から絶縁される。
なお、本実施形態においては、図10(a)に示すように、給電ピン32aとして第1の誘電体層32の下面から内部に至る(上面に至らない)非貫通孔を用いる構成を採用しているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、図10(b)に示すように、給電ピン32aとして第1の誘電体層32の下面から上面に至る貫通孔を用いる構成を採用してもよい。
図10(b)に示す給電ピン32a,34aについて注目すべきは、(1)給電ピン34aの下端部が信号ライン35aに接触している点、(2)給電ピン32aの下端部が開口33aによって第2の導体層33から離間している点、及び、(3)給電ピン32aの上端部が開口31aによって第1の導体層31から離間している点である。これにより、給電ピン32aは、信号ライン35aと導通し、かつ、第1の導体層31及び第2の導体層33の双方から絶縁される。
給電ピン32aとして図10(a)に示す非貫通孔を用いた場合、図10(b)に示す貫通孔を用いた場合と比べて、開口31aからの電磁波の漏洩を回避し得るというメリットがある。一方、給電ピン32aとして図10(b)に示す貫通孔を用いた場合、図10(a)に示す非貫通孔を用いた場合と比べて、その形成が容易になるというメリットがある。
なお、給電ピン32aとして図10(b)に示す貫通孔を用いた場合、開口31aから電磁波が漏洩し得るが、RFIC36は、この電磁波が伝播する空間から2層の導体層31,33によって隔てられているので、RFIC36の機能がこの電磁波により阻害されたりする懸念はない。
〔変形例2〕
第2の実施形態に係る導波路型スロットアレイアンテナ3Aを含むスロットアレイアンテナモジュール3の変形例について、図11を参照しながら説明する。図11は、第2の変形例に係る導波路型スロットアレイアンテナ4Aを含むスロットアレイアンテナモジュール4の分解斜視図である。
本変形例に係るスロットアレイアンテナモジュール4は、RFIC46及びマイクロストリップ線路4Bを、第1の導体層41の上側に備えている点において、図9に示したスロットアレイアンテナモジュール3と異なる。
スロットアレイアンテナモジュール4は、RFIC46、第3の導体層45、第2の誘電体層44、第1の導体層41、第1の誘電体層42、及び第2の導体層43を、この順に積層した構造を有している。
スロットアレイアンテナモジュール4においては、第1の誘電体層42を介して互いに対向する第1の導体層41及び第2の導体層43が、導波路型スロットアレイアンテナ4Aを構成する。また、第2の誘電体層44を介して互いに対向する第1の導体層41及び第3の導体層45が、マイクロストリップ線路4Bを構成する(第1の導体層41は、導波路型スロットアレイアンテナ4Aとマイクロストリップ線路4Bとに共用される)。
第3の導体層45は、第2の誘電体層44の表面にプリントされた導体パターンであり、信号ライン45a、信号パッド45b、及び接地パッド45cを含んでいる。信号ライン45aは、その一方の端点が第2の誘電体層44に形成された給電ピン44aの上端部に接続された線状導体である。ここで、給電ピン44aは、第2の誘電体層44の下面から上面に至る、孔壁に導体メッキが施された貫通孔である。この給電ピン44aの下端部は、第1の誘電体層32に形成された給電ピン42aの上端部と接触しているので、信号ライン45aと給電ピン42aとが給電ピン44aを介して導通する。第1の導体層41には、給電ピン42aの上端部と離間させるための開口41aが設けられている。
給電ピン42a,44aについて注目すべきは、(1)給電ピン44aの上端部が信号ライン45aに接触している点、(2)給電ピン42aの上端部が開口41aによって第1の導体層41から離間している点、及び、(3)給電ピン42aの下端部が第1の誘電体層42の内部に留まり、第2の導体層43から離間している点である。これにより、給電ピン42aは、信号ライン45aと導通し、かつ、第1の導体層41及び第2の導体層43の双方から絶縁される。
信号パッド45bには、RFIC46に形成された信号端子(図示せず)が半田バンプ47aを用いてバンプ接続され、接地パッド45cには、RFIC46に形成された接地端子(図示せず)が半田バンプ47bを用いてバンプ接続される。これにより、RFIC46にて生成された高周波信号を、寄生インダクタンスによる信号反射を生じさせることなく、導波路型スロットアレイアンテナ4Aに供給することが可能になる。
スロットアレイアンテナモジュール4において、RFIC36との容量結合によってアンテナ特性が変化する懸念はないことは、図9に示したスロットアレイアンテナモジュール3の場合と同様である。また、スロットアレイアンテナモジュール4において、(1)スロットアレイアンテナモジュール4が放射する電磁波がRFIC46により乱されないこと、(2)RFIC46の機能がこれらの電磁波により阻害されないことも、図9に示したスロットアレイアンテナモジュール3の場合と同様である。
上記のようなRFIC46の配置を実現するために、スロットアレイアンテナモジュール4においては、信号ライン45aを、給電ピン44aの上端部から、第1の誘電体層32に形成された導波路の中心から遠ざかる方向(図11におけるy軸負方向)に引き出している。
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、導波路型スロットアレイアンテナ及び該導波路型スロットアレイアンテナを含むスロットアレイアンテナモジュールとして好適に利用することができる。
1 スロットアレイアンテナモジュール
1A 導波路型スロットアレイアンテナ
11 第1の導体層
11d1〜11d6 スロット
12 第1の誘電体層
12a ポスト壁
12ai 導体ポスト
12b1〜12b2 制御ポスト
12c1〜12c6 制御壁
13 第2の導体層
13a 開口
1B 導波管
1Ba 導波路
本発明に係る導波路型スロットアレイアンテナにおいて、導波路型スロットアレイアンテナの管内波長をλとして、上記制御壁と、該制御壁により区画された2つの区間の境界を跨ぐスロットとの間隔dx[m]は、0.10≦dx/λ≦0.31を満たす、ことが好ましい。
本発明に係る導波路型スロットアレイアンテナにおいて、上記複数のスロットの各々は、上記導波路の側壁と平行な長辺及び上記導波路の側壁と垂直な短辺を有する長方形状の開口であり、当該導波路型スロットアレイアンテナの管内波長をλとして、上記制御壁により区画された2つの区間の境界と、該境界を跨ぐスロットの2つの短辺のうち給電部に近い方の短辺との間隔dy[m]は、0.35≦dy/λ≦0.48を満たす、ことが好ましい。
制御壁同士の間隔である間隔dpはf [Hz]における管内波長をλとして、λ/2[mm]と同程度であることが好ましい。なお、導波路型スロットアレイアンテナ1Aにおいて反射係数が最小となる周波数fは、実施例に後述するように、単位構造を構成する制御壁とスロットとの相対配置にも強く依存する。したがって、周期的に配置する間隔dは、単位構造を構成する制御壁とスロットとの相対配置に依存して変化し得るものであり、必ずしもλ/2に近くなくてもよい。
制御壁12c1〜12c6:各制御壁12c1〜12c6を構成する導体ポストとして、第1の導体層11、第1の誘電体層12及び第2の導体層13を貫通する直径200μmのスルービアを形成し、該スルービアを導体(具体的には銅)メッキしたものを用いた。なお、制御壁を構成する3つの導体ポスト(例えば導体ポスト12c1a〜12c1c)の中心間隔は、400μmとした。また、各制御壁12c1〜12c6の間隔dは、約1.8mmとした。
制御壁12c1〜12c6:各制御壁12c1〜12c6を構成する導体ポストとして、第1の導体層11、第1の誘電体層12及び第2の導体層13を貫通する直径200μmのスルービアを形成し、該スルービアを導体(具体的には銅)メッキしたものを用いた。なお、制御壁を構成する3つの導体ポスト(例えば導体ポスト12c1a〜12c1c)の中心間隔は、400μmとした

Claims (12)

  1. 直方体状の導波路の上壁に複数のスロットが形成された導波路型スロットアレイアンテナであって、
    上記導波路内には、該導波路の上壁及び側壁と直交する制御壁が千鳥状に配置されており、
    上記複数のスロットの各々は、上記制御壁により区画された区間の境界を跨ぐように、且つ、上面視したときに上記制御壁と重ならないように配置されている、
    ことを特徴とする導波路型スロットアレイアンテナ。
  2. 上記導波路の側壁と直交する方向に関して、上記制御壁の幅は、上記導波路の幅の2分の1以上である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の導波路型スロットアレイアンテナ。
  3. 当該導波路型スロットアレイアンテナの動作帯域の中心周波数における管内波長をλとして、上記制御壁と、該制御壁により区画された2つの区間の境界を跨ぐスロットとの間隔dx[m]は、0.10≦dx/λ≦0.31を満たす、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の導波路型スロットアレイアンテナ。
  4. 上記複数のスロットの各々は、上記導波路の側壁と平行な長辺及び上記導波路の側壁と垂直な短辺を有する長方形状の開口であり、
    当該導波路型スロットアレイアンテナの動作帯域の中心周波数における管内波長をλとして、上記制御壁により区画された2つの区間の境界と、該境界を跨ぐスロットの2つの短辺のうち給電部に近い方の短辺との間隔dy[m]は、0.35≦dy/λ≦0.48を満たす、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導波路型スロットアレイアンテナ。
  5. 上記導波路型スロットアレイアンテナは、第1の誘電体層と、該第1の誘電体層を介して互いに対向する2つの導体層であって、上記導波路の上壁として機能する第1の導体層、及び、上記導波路の下壁として機能する第2の導体層とを備えており、
    上記側壁及び上記制御壁は、上記第1の誘電体層に形成された円柱状のポストを柵状配置してなるポスト壁である、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導波路型スロットアレイアンテナ。
  6. 上記導波路型スロットアレイアンテナは、第1の誘電体層と、該第1の誘電体層を介して互いに対向する2つの導体層であって、上記上壁として機能する第1の導体層、及び、下壁として機能する第2の導体層とを備えており、
    上記側壁は、上記第1の誘電体層に形成された円柱状のポストを柵状配置してなるポスト壁であり、
    上記制御壁は、上記第1の誘電体層に形成された角柱状の板壁である、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導波路型スロットアレイアンテナ。
  7. 請求項5又は6に記載の導波路型スロットアレイアンテナと、
    上記導波路の上壁の上、又は、上記導波路の下壁の下に積層された第2の誘電体層と、該第2の誘電体層を介して、上記導波路の上壁又は上記導波路の下壁に対向する第3の導体層により構成されたマイクロストリップ線路と、を備えている、
    ことを特徴とするスロットアレイアンテナモジュール。
  8. 上記導波路型スロットアレイアンテナは、上記第1の誘電体層及び上記第2の誘電体層を貫通し、孔壁に導体メッキが施された貫通孔であって、上記導波路の上壁及び上記導波路の下壁に形成された開口によって上記導波路の上壁及び上記導波路の下壁から絶縁されると共に、上記第3の導体層と導通する貫通孔を、TEモード励振構造として含む、
    ことを特徴とする請求項7に記載のスロットアレイアンテナモジュール。
  9. 上記導波路型スロットアレイアンテナは、上記第2の誘電体層を貫通し上記第1の誘電体層の上記第2の誘電体層に対向する面から内部に至る、孔壁に導体メッキが施された非貫通孔であって、上記第1の誘電体層と上記第2の誘電体層との間に介在する導体層に形成された開口によって上記導波路の上壁又は上記導波路の下壁から絶縁されると共に、上記第3の導体層と導通する貫通孔をTEモード励振構造として含む、
    ことを特徴とする請求項7に記載のスロットアレイアンテナモジュール。
  10. 上記第3の導体層に接続されたRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)を更に備え、
    上記第2の誘電体層は、上記導波路の下壁の下に積層され、
    上記第3の導体層は、上記第2の誘電体層を介して上記導波路の下壁に対向しており、
    上記RFICは、上面視したときに、上記導波路と重なるように配置されている、
    ことを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載のスロットアレイアンテナモジュール。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の導波路型スロットアレイアンテナと、導波管とを備えたスロットアレイアンテナモジュールであって、
    上記導波路の一方の端部に開口が形成されており、
    上記導波管は、該導波管の導波路が上記開口を介して上記導波路型スロットアレイアンテナの導波路と連通するように上記導波路型スロットアレイアンテナに接続されている、
    ことを特徴とするスロットアレイアンテナモジュール。
  12. 上記導波路内には、上記開口の近傍に配置された制御ポストが形成されており、
    上記導波路の上記開口を含む区間内における左側壁と右側壁との間隔は、上記導波路の該区間外における左側壁と右側壁との間隔より広い、
    ことを特徴とする請求項11に記載のスロットアレイアンテナモジュール。
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