JP2015207729A - プリント配線板 - Google Patents

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Hirosuke Fujiwara
啓輔 藤原
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Abstract

【課題】基板の表面に露出した銅層の酸化を防止するために、一般的には基板表面を半田レベラにて銅層の上に半田層を設ける。直径0.2mm程度以下の小径スルーホールを含む基板では、半田は粘度が高いことから表面張力により小径スルーホールの内部までなじまず、小径スルーホールの内面に銅層が露出したままとなる。
【解決手段】基板1bと、基板1bの少なくとも一方の面に設けられた部品が半田付けされる部品取付部4,5および基板1bを貫通した小径スルーホールの内面に設けられた小径スルーホール導体58の銅層6と、銅層6の上に設けられた金めっき層51と、部品取付部4,5の部分での金めっき層51の上に設けられた半田層7とを備えた。
【選択図】図1

Description

この発明は、小径スルーホールを有するプリント配線板に関する。
電子部品を実装するプリント配線板において、エッチングおよび銅めっきにより回路パターンが形成された基板を放置しておくと基板表面の銅箔に酸化が起こり、半田の濡れ性が劣化して、次工程での電子部品の半田付けができないという不具合が発生する場合がある。また、酸化が回路パターン自身の劣化を招き、電気特性が劣化するという不具合が発生する場合がある。
この表面銅箔の酸化を防止するために一般的には基板表面に対し半田レベラにて半田めっきを行い銅箔の酸化を防止する。基板表面の銅箔とスルーホール内面の銅箔を保護するために、半田めっきを施す技術がある(特許文献1参照)。
基板表面の回路パターンに対し金めっき後に半田めっきを施すことで、金めっきによる半田不なじみやはじきを防止する技術がある(特許文献2参照)。
特開平07−115270号公報 特開2000−208903号公報
直径0.2mm程度以下の小径スルーホールを含む基板に対し半田めっきを実施した場合は、半田は粘度が高いことから表面張力により小径スルーホールの内部までなじまない場合がある。その場合、そのままでは銅箔が露出したままなので、銅箔の酸化が進行する。
この発明はこれらの問題を解決するためになされたもので、半田が入り込まない小径スルーホール内部の銅層が酸化して腐食することを防止し、かつ、部品実装時に半田の不なじみやはじきを防止するプリント配線板を得ることを目的とする。
この発明に係るプリント配線板は、基板と、前記基板の少なくとも一方の面に設けられた部品が半田付けされる部品取付部および前記基板を貫通した小径スルーホールの内面に設けられた小径スルーホール導体の銅層と、前記銅層の上に設けられた金めっき層と、前記部品取付部の部分での前記金めっき層の上に設けられた半田層とを備えたものである。
この発明によれば、小径スルーホール内の銅層が酸化して腐食することを防止し、かつ、部品実装時に半田の不なじみやはじきを防止できる。
この発明の実施の形態1に係るプリント配線板の一例の断面図である。 この発明の実施の形態1に係るプリント配線板を製造する製造工程の前半を説明する断面図である。 この発明の実施の形態1に係るプリント配線板を製造する製造工程の後半を説明する断面図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るプリント配線板の一例の断面図である。プリント配線板の表面に垂直な断面図を示す。プリント配線板は、銅張積層板1(図2(A)に図示)の基材1aの上面および下面に、ベース銅箔1bの必要部分を残して設けられた回路部2、回路部2を保護するソルダレジスト3、電子部品のリード端子部を挿入して実装する挿入部品実装用のスルーホールの周囲に設けられた半田付けのためのランド部4、リード端子部を挿入することなく板面上に設置して実装する表面実装部品が半田付けされるパッド部5を有する。ランド部4とパッド部5は、部品が半田付けされる部品取付部である。ランド部4とパッド部5は、ベース基材1a側からベース銅箔1b、銅めっき層6、金めっき層51、半田層7の順番に積層して構成される。なお、ソルダレジスト3を永久レジストとも呼ぶ。ベース銅箔1bおよび銅めっき層6、または銅めっき層6だけを、銅層と呼ぶ。
プリント配線板は、プリント配線板を貫通する貫通穴(スルーホール)の内面に、基板である基材1a側から銅めっき層6、金めっき層51、半田層7の順番に積層されたスルーホール導体8と、直径0.2mm程度以下で半田層7を形成する際に半田が入り込まない径のスルーホールである小径スルーホールの内面に基材1a側から銅めっき層6、金めっき層51の順番に積層された小径スルーホール導体58とを有する。小径スルーホール導体58は、表面が金めっき層51であり、その下の銅めっき層6が空気と接触することを防止し、銅めっき層6が酸化して腐食することを防止している。半田付けされるランド部4およびパッド部5は、表面が半田層7であり、部品実装時の半田付け時に半田の不なじみやはじきが発生しない。
図2と図3を使用して、この発明の実施の形態1に係るプリント配線板を製造する製造工程を説明する。図2は、この発明の実施の形態1に係るプリント配線板を製造する製造工程の前半を説明する断面図である。図3は、この発明の実施の形態1に係るプリント配線板を製造する製造工程の後半を説明する断面図である。
図2(A)に、基材1aの両面に決められた厚さのベース銅箔1bを塗布して形成した銅張積層板1を水平に保持した状態を示す。図2(B)が穴あけ工程を説明する図である。穴あけ工程では、銅張積層板1の決められた位置に、図示せぬNCドリルなどによってスルーホール用の貫通穴9および小径スルーホール用の貫通穴59を設ける。
図2(C)がエッチングのためのレジスト塗布工程を説明する図である。エッチングのためのレジスト塗布工程では、エッチングレジスト10を、この銅張積層板1の決められた位置、すなわち貫通穴9および貫通穴59の周囲に設けられるスルーホールのランド部4を形成する部分、表面実装部品用のパッド部5を形成する部分、ランド部4とパッド部5を接続するための決められた回路パターンに形成される回路部2になる部分のそれぞれ対応する位置に塗布する。
図2(D)がエッチングおよびレジスト除去工程を説明する図である。エッチングおよびレジスト除去工程では、エッチングによりエッチングレジスト10が塗布されていない部分のベース銅箔1bを除去する。その後、剥離液などを使用してベース銅箔1b上に残ったエッチングレジスト10を除去する。こうして、基材1aの上面と下面に、ベース銅箔1bによる表面層回路として、リード端子挿入用のスルーホールのランド部4、表面実装部品用のパッド部5、そしてこれらを接続するための回路部2をそれぞれ形成する。
図2(E)がソルダレジスト塗布工程を説明する図である。ソルダレジスト塗布工程では、ランド部4、パッド部5以外の銅張積層板1の表面および裏面の全体にソルダレジスト3を塗布する。
図2(F)が銅めっき工程を説明する図である。銅めっき工程では、ソルダレジスト3が固化した銅張積層板1全体を無電解銅で電気銅めっきを実施して、銅めっき層6を生成する。貫通穴8および貫通穴58の内面にも銅めっき層6ができて、銅張積層板1の両面を導通可能とするスルーホール導体8および小径スルーホール導体58を形成する。表面がすべて銅めっき層6になるので、図2(F)では、ランド部4とパッド部5の符号を示していない。
図2(G)が銅めっき後のレジスト塗布工程を説明する図である。銅めっき後のレジスト塗布工程では、スルーホール導体8および小径スルーホール導体58のランド部4、および表面実装部品用のパッド部5の位置に対応してエッチングレジスト10を塗布する。エッチングレジスト10は、エッチング時にランド部4とパッド部5に対応する部分の銅めっき層6と、スルーホール導体8および小径スルーホール導体58の内面の銅めっき層6を残すために塗布する。
図3(H)が銅めっき後のエッチングおよびレジスト除去工程を説明する図である。銅めっき後のエッチングおよびレジスト除去工程では、エッチングレジスト10が塗布されていない部分の銅めっき層6を除去する。その後、剥離液などを使用して銅めっき層6上に残ったエッチングレジスト10を除去する。こうして、スルーホール導体8および小径スルーホール導体58のランド部4、ならびに表面実装部品用のパッド部5にそれぞれ銅めっき層6までを形成する。
図3(J)が金めっき工程を説明する図である。金めっき工程では、銅めっき後のエッチングおよびレジスト除去工程で処理されたプリント配線板の全体に、無電解金めっきを実施する。こうして、銅張積層板1の両面を導通可能とするスルーホール導体8および小径スルーホール導体58の内面を含むプリント配線板の表面全部に、金めっき層51ができる。
図3(K)が金めっき後のレジスト塗布工程を説明する図である。金めっき後のレジスト塗布工程では、スルーホール導体8および小径スルーホール導体58のランド部4、および表面実装部品用のパッド部5の位置に対応してエッチングレジスト10を塗布する。エッチングレジスト10は、エッチング時にランド部4とパッド部5に対応する部分の金めっき層51および銅めっき層6と、スルーホール導体8および小径スルーホール導体58の金めっき層51および銅めっき層6を残すために塗布する。
図3(L)が金めっき後のエッチングおよびレジスト除去工程を説明する図である。金めっき後のエッチングおよびレジスト除去工程では、エッチングレジスト10が塗布されていない部分の金めっき層51を除去する。その後、剥離液などを使用して金めっき層51上に残ったエッチングレジスト10を除去する。こうして、スルーホール導体8および小径スルーホール導体58のランド部4、ならびに表面実装部品用のパッド部5にそれぞれ金めっき層51までを形成する。
図3(M)が半田プリコート工程を説明する図である。半田プリコート工程では、半田レベラにより、ランド部4およびパッド部5の表面に半田層7を設ける。半田層7を設けることにより、ランド部4およびパッド部5に部品を半田付けする際に、不なじみやはじきを防止できる。半田付けする部分を予め半田層で覆う(プリコートする)ので、この工程を半田プリコート工程と呼ぶ。半田プリコード工程実施後のプリント配線板を、図1に示している。つまり、図1は図3(M)と同じである。
表面が金めっき層のプリント配線板を長期に保管した後に、部品を半田付けする際に、半田の不なじみやはじきが発生する、すなわち半田の濡れ性を劣化させる場合がある。半田をプリコートすることで、半田の不なじみやはじきが発生することが無く、確実に部品をプリント配線板に半田付けできるようになる。
半田は粘度が高いので、小径スルーホール導体58の内部には入り込まない。したがって、小径スルーホール導体58の表面は金めっき層51になる。これに対して、径が大きいスルーホール導体8の内部には、半田が入り込み、金めっき層51の上に半田層7が形成される。小径スルーホール導体58の導体の表面は金めっき層51であり、銅と違って金は腐食することが無いので、小径スルーホール導体58は導電性を保持できる。そのため、この発明に係るプリント配線板は、長期に保存した後でも小径スルーホール導体58に問題はなく、また、部品の半田付けも良好にできる。
この実施の形態では、両面のプリント配線板で説明したが、小径スルーホール導体を有する多層基板の場合にも、本発明を適用できる。
1:銅張積層板(基板)
1a:基材
1b:ベース銅箔(銅層)
2:回路部
3:ソルダレジスト(永久レジスト)
4:ランド部(部品取付部)
5:パッド部(部品取付部)
6:銅めっき層(銅層)
7:半田層
8:スルーホール導体
9:貫通穴
10:エッチングレジスト
51:金めっき層
58:小径スルーホール導体
59:貫通穴(小径スルーホール)

Claims (1)

  1. 基板と、
    前記基板の少なくとも一方の面に設けられた部品が半田付けされる部品取付部および前記基板を貫通した小径スルーホールの内面に設けられた小径スルーホール導体の銅層と、
    前記銅層の上に設けられた金めっき層と、
    前記部品取付部の部分での前記金めっき層の上に設けられた半田層とを備えたプリント配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3565395A4 (en) * 2016-12-28 2020-04-29 Mitsubishi Electric Corporation POWER SUPPLY DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING POWER SUPPLY DEVICE
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