JP2015204661A - 半導体素子駆動回路 - Google Patents

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純兵 渡邉
成一 白井
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Abstract

【課題】ターンオン時の電圧変化率と、スイッチング遅れ時間との調整を適切に行うことができる半導体素子駆動回路を提供する。【解決手段】高電圧側スイッチング素子2又は低電圧側スイッチング素子3を介して、ハイレベル駆動電圧又はローレベル駆動電圧が排他的に出力される電圧出力端子と、電圧駆動型半導体素子4の導通制御端子との間に第1抵抗素子Rg1を接続し、第1抵抗素子に並列に、カソードが電圧出力端子側となるように接続されるツェナーダイオードZD1、第2抵抗素子Rg2及びカソードが導通制御端子側となるように接続されるダイオードD1からなる直列回路を接続する。【選択図】図1

Description

本発明は、電圧駆動型半導体素子を駆動する半導体素子駆動回路に関する。
近年、産業用インバータ等の電力変換装置における主回路部を構成するスイッチング素子に、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの電圧駆動型半導体素子が広く用いられている。IGBTのスイッチング動作は、ゲート電圧と、一般的にゲートに接続される抵抗により制御されるゲート容量の充放電時間により決定される。このスイッチング動作は、放射ノイズ、伝導ノイズの発生やスイッチング損失、スイッチングサージやスイッチング遅れ時間等、IGBTの重要な性能を左右する。
国際公開第2010/134276号パンフレット 特開平7−226663号公報
一般に、上記スイッチング動作では、放射ノイズ、伝導ノイズ、スイッチングサージや漏れ電流を考慮してIGBTのスイッチング動作時のコレクタ−エミッタ間の電圧変化率を小さくするためゲート抵抗値を大きくするが、それに伴い、ゲート電圧が閾値電圧に達する前の充電時間も長くなり、スイッチング遅れ時間が長くなってしまう。
IGBTのスイッチング遅れ時間は、一般的にターンオフ時よりターンオン時の方が大きい。そこで、ターンオン時の電圧駆動型半導体素子の導通端子間の電圧変化率とスイッチング遅れ時間との調整を適切に行うことができる半導体素子駆動回路を提供する。
請求項1記載の半導体素子駆動回路によれば、高電圧側スイッチング素子又は低電圧側スイッチング素子を介して、ハイレベル駆動電圧又はローレベル駆動電圧が排他的に出力される電圧出力端子と、電圧駆動型半導体素子の導通制御端子との間に第1抵抗素子を接続し、第1抵抗素子に並列に、カソードが電圧出力端子側となるように接続されるツェナーダイオード、第2抵抗素子及びカソードが導通制御端子側となるように接続されるダイオードからなる直列回路を接続する。
請求項2記載の半導体素子駆動回路によれば、請求項1と同様に、電圧出力端子と電圧駆動型半導体素子の導通制御端子との間に第1抵抗素子を接続し、第1抵抗素子に並列に第2抵抗素子及びNPNトランジスタからなる第1直列回路を接続する。また、NPNトランジスタのベースと電圧出力端子との間に、カソードが電圧出力端子側となるツェナーダイオード及び第3抵抗素子からなる第2直列回路を接続し、第2直列回路は、電圧駆動型半導体素子をターンオンさせる際に、最初はNPNトランジスタをオンさせ、前記ターンオンの途中でNPNトランジスタをオフさせるように構成されている。
請求項3記載の半導体素子駆動回路によれば、請求項2と同様に接続される第1抵抗素に並列に第2抵抗素子及びPNPトランジスタからなる第1直列回路を接続する。また、PNPトランジスタのベースと導通制御端子側端子との間に、カソードがベース側となるツェナーダイオード及び第3抵抗素子からなる第2直列回路を接続し、第2直列回路は、電圧駆動型半導体素子をターンオンさせる際に、最初はPNPトランジスタをオンさせ、前記ターンオンの途中でPNPトランジスタをオフさせるように構成されている。
請求項4記載の半導体素子駆動回路によれば、高電圧側スイッチング素子を介してハイレベル駆動電圧が出力される高電圧出力端子と、電圧駆動型半導体素子の導通制御端子との間に第1抵抗素子を接続し、前記導通制御端子と低電圧側スイッチング素子を介してローレベル駆動電圧が出力される低電圧出力端子との間に第2抵抗素子を接続する。そして、第1抵抗素子に並列にカソードが高電圧出力端子側となるように接続されるツェナーダイオード、第3抵抗素子からなる直列回路を接続する。
請求項5記載の半導体素子駆動回路によれば、第1及び第2抵抗素子の接続は請求項4と同様であり、第1抵抗素子に並列に、第3抵抗素子及びNPNトランジスタからなる第1直列回路を接続し、NPNトランジスタのベースと高電圧出力端子との間に、カソードが高電圧出力端子側となるツェナーダイオード及び第4抵抗素子からなる第2直列回路を接続する。そして、第2直列回路は、電圧駆動型半導体素子をターンオンさせる際に、最初はNPNトランジスタをオンさせ、前記ターンオンの途中でNPNトランジスタをオフさせるように構成されている。
請求項6記載の半導体素子駆動回路によれば、第1及び第2抵抗素子の接続は請求項5と同様であり、第1抵抗素子に並列に、第3抵抗素子及びPNPトランジスタからなる第1直列回路を接続し、PNPトランジスタのベースと導通制御端子との間に、カソードが前記ベース側となるツェナーダイオード及び第4抵抗素子からなる第2直列回路を接続する。そして、第2直列回路は、電圧駆動型半導体素子をターンオンさせる際に、最初はPNPトランジスタをオンさせ、前記ターンオンの途中でPNPトランジスタをオフさせるように構成されている。
第1実施形態であり、ゲート駆動回路を示す図 本実施形態及び従来の回路について、各電圧の変化をシミュレーションした結果を示す図 第2実施形態を示す図1相当図 第3実施形態を示す図1相当図 第4実施形態を示す図1相当図 第5実施形態を示す図1相当図 第6実施形態を示す図1相当図
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1及び図2を参照して説明する。図1に示すように、ゲート駆動回路1(半導体素子駆動回路)は、NPNトランジスタ2(高電圧側スイッチング素子)及びPNPトランジスタ3(低電圧側スイッチング素子)の直列回路を備えている。NPNトランジスタ2のコレクタには電源V1(ハイレベル駆動電圧)の正側端子が接続されており、PNPトランジスタ3のコレクタには電源V2(ローレベル駆動電圧)の負側端子が接続されている。電源V2の正側端子はグランドに接続されており、前記コレクタに印加される電圧V2は負電圧となっている。
NPNトランジスタ2及びPNPトランジスタ3のベースには、それぞれ抵抗Rs1、Rs2を介してゲート信号(GATE SIGNAL)が与えられる。そして、NPNトランジスタ2及び3のエミッタ(電圧出力端子)は、ゲート抵抗Rg1(第1抵抗素子)を介してIGBT4(電圧駆動型半導体素子)のゲート(導通制御端子)に接続されている。また、ゲート抵抗Rg1には、ツェナーダイオードZD1、抵抗Rg2(第2抵抗素子)及びダイオードD1からなる直列回路5が並列に接続されている。尚、図中のCgcはIGBT4のコレクタ−ゲート間寄生容量であり、Cgeはゲート−エミッタ間寄生容量である。
次に、本実施形態の作用について説明する。従来の一般的なゲート駆動回路であれば、ゲート抵抗Rg1だけが設けられている。したがって、ターンオン/オフ時には、何れもゲート抵抗Rg1を介してゲート−エミッタ間寄生容量Cgeを充放電することでIGBT4のスイッチングを行う。
また、通常のゲート駆動回路は誤動作を防止するため、ローレベル駆動電圧V2は例えば−8〜−15Vのように負側のバイアスを大きくする場合が多く、IGBT4のターンオン時に寄生容量Cgcのミラー効果による閾値電圧(以降、ミラー電圧:8〜10V)まで寄生容量Cgeを充電する時間は長くなる。一方、ターンオフ時は、ハイレベル駆動電圧V1が15V程度であることが多く、ゲート電圧Vgがミラー電圧まで到達する放電時間はターンオン時よりも短いため、ターンオフ遅れ時間による影響は、ターンオン遅れ時間と比較して小さく、それ程問題にならない。
これに対して、本実施形態のゲート駆動回路1は、ターンオン時の等価ゲート抵抗値を、ツェナーダイオードZD1により、ハイレベル駆動電圧V1とゲート電圧Vgとの電位差に応じて切り替える機能を備えている。すなわち、ターンオン/オフ時の双方に有効であるゲート抵抗Rg1に対し、ターンオン時に寄生容量Cgeを急速に充電するための抵抗Rg2と、ターンオン時の抵抗切り替えの閾値電圧を設けるツェナーダイオードZD1及びターンオフ時に回路を切り離すためのダイオードD1からなる直列回路5が、並列に接続されている。
ここで、IGBT4のミラー電圧をVgth、NPNトランジスタ2のコレクタ−エミッタ間(導通端子間)飽和電圧をVce2、ダイオードD1の順方向電圧をVfとした場合、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧Vzd1を、
Vzd1=V1−Vce2−Vgth−Vf …(1)
に選定する。例えばV1=15V、Vce2=0.2V、Vgth=8V、Vf=0.7Vであれば、
Vzd1=15−0.2−8−0.7=6.1[V]
となる。これにより、ターンオン時に、ゲート電圧Vgがローレベル駆動電圧V2からIGBT4のミラー電圧Vgthへ遷移するまでの範囲では、並列抵抗Rg1//Rg2による低い抵抗値で寄生容量Cgeを高速に充電して、ターンオン時とターンオフ時のスイッチング遅れ時間の差を小さくする。
ゲート電圧VgがVgthを超えると、
Vzd1>V1−Vce2−Vf−Vg …(2)
となることで、ツェナーダイオードZD1により抵抗Rg2が切り離される。以後、ゲート電圧Vgがミラー電圧の充電期間(以降ミラー期間)とハイレベル駆動電圧V1に達するまでは、従来のゲート駆動回路と同様に寄生容量Cgeを抵抗Rg1のみを介して充電することで、ターンオン時のIGBT4のコレクタ−エミッタ間電圧Vceの電圧変化率は従来回路相当の電圧変化率となる。
尚、ターンオン時に寄生容量Cgeを充電する電流は下式となる。
V1−Vce2−Vg>=Vzd1+Vf
:(V1−Vce2−Vg)/Rg1
+(V1−Vce2−Vzd1−Vg−Vf)/Rg2…(3)
V1−Vce2−Vg<Vzd1+Vf
:(V1−Vce2−Vg)/Rg1…(4)
図2は、従来のゲート駆動回路と、本実施形態のゲート駆動回路について、IGBTのターンオン時の各電圧の変化をシミュレーションした結果である。従来構成はゲート抵抗Rg1のみを用いており、ゲート抵抗Rg1が大/小のそれぞれの場合の波形である。ゲート抵抗Rg1が大きい場合は、波形3のゲート信号の変化から波形1のコレクタ−エミッタ間電圧Vceの応答までのスイッチング遅れ時間が長くなる。一方、ゲート抵抗Rg1が小さい場合はスイッチング遅れ時間は短いが、スイッチング時の波形2のIGBT4のコレクタ電流Iceのサージ電流や波形1のVceの電圧変化率は、Rg1が大きい場合に比べて大きくなってしまう。
これに対して本実施形態の構成では、波形3においてゲート電圧Vgが、従来のゲート駆動回路でゲート抵抗Rg1が大きい場合より速くIGBT4のミラー電圧に遷移するため、波形3のゲート信号(GATE SIGNAL)の変化から波形1のVceの応答までのスイッチング遅れ時間が短くなり、さらに波形3のミラー期間では、従来回路相当のゲート抵抗Rg1で寄生容量Cgeを緩やかに充電するため、ターンオン時の波形2のコレクタ電流Iceのサージ電流や、波形3のVceの電圧変化率は従来回路のゲート抵抗Rg1が大きい場合と同等になっていることが判る。
以上のように本実施形態によれば、NPNトランジスタ2又はPNPトランジスタ3
を介して、ハイレベル駆動電圧V1又はローレベル駆動電圧V2が排他的に出力される前記トランジスタ2及び3のエミッタとIGBT4のゲートとの間にゲート抵抗Rg1を接続し、ゲート抵抗Rg1に並列に、ツェナーダイオードZD1、抵抗Rg2及びダイオードD1からなる直列回路5を接続した。
これにより、IGBT4のターンオン時において、ゲート電圧Vgがローレベル駆動電圧V2からIGBT4のミラー電圧Vgthへ遷移するまでは、並列抵抗Rg1//Rg2による低い抵抗値でゲートを高速に充電してスイッチング遅れ時間の差を小さくする。そして、ゲート電圧Vgが充電され、並列抵抗Rg1//Rg2の切り替えの閾値電圧(V1−Vzd1−Vce2−Vf)に達すると、ツェナーダイオードZD1により抵抗Rg2を切り離し、以後、ミラー期間とゲート電圧Vgがハイレベル駆動電圧V1に達するまではゲート抵抗Rg1のみを介して寄生容量Cgeを緩やかに充電し、従来回路の抵抗が大きい場合と同等のコレクタ電流Iceのサージ電流とターンオン時のコレクタ−エミッタ間電圧Vceの電圧変化率とを維持できる。
従来のゲート駆動回路で単にゲート抵抗Rg1の抵抗値を小さくすると、ターンオン時のコレクタ−エミッタ間電圧Vceの電圧変化率が大きくなるため、放射ノイズ、伝導ノイズ、スイッチングサージや漏れ電流が増えてしまうが、本実施形態では、ターンオン中に抵抗Rg2の切り離し動作を行い、ミラー期間では寄生容量Cgeを緩やかに充電するため、従来のゲート駆動回路に簡単な構成を付加するだけで、IGBT4のターンオン時のコレクタ−エミッタ間電圧Vceの電圧変化率を変化させずにIGBT4のターンオン遅れ時間を短くできる。
また、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧Vzd1を(1)式に基づき設定したので、IGBT4のターンオン時のスイッチング遅れ時間は、ツェナー電圧Vzd1で適切に調整できる。
(第2実施形態)
図3は第2実施形態であり、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施形態のゲート駆動回路11は、ダイオードD1に替えてNPNトランジスタ12を配置し、抵抗Rg2を抵抗Rg3(第3抵抗素子)に置き換えている。NPNトランジスタ12のベースは抵抗Rg3の一端に接続されており、エミッタはIGBT4のゲートに接続されている。そして、抵抗Rg2は、ツェナーダイオードZD1のカソードと、NPNトランジスタ12のコレクタに接続されている。
次に、第2実施形態の作用について説明する。NPNトランジスタ12のベース-エミッタ間電圧をVbe12とする。ターンオン時において、エラー! リンクが正しくありません。ローレベル駆動電圧V2からIGBT4のミラー電圧Vgthに遷移するまでの
V1−Vce2−Vg−Vbe12≧Vzd1 …(5)
の範囲では、NPNトランジスタ12のベース電流が、ハイレベル駆動電圧V1から、
ツェナーダイオードZD1→抵抗Rg3→NPNトランジスタ12→IGBT4のゲート
の経路で流れる。したがって、抵抗Rg2を介してNPNトランジスタ12にコレクタ電流が流れ、寄生容量Cgeが並列抵抗Rg1//Rg2により高速に充電される。
そして、ゲート電圧Vgが並列抵抗Rg1//Rg2の切り替えの閾値電圧(V1−Vzd1−Vce2−Vbe12)を超えると
V1−Vce2−Vg−Vbe12<Vzd1 …(6)
となり、NPNトランジスタ12が遮断されて抵抗Rg2が切り離される。以後のミラー期間とハイレベル駆動電圧V1までは、ゲート抵抗Rg1を介して寄生容量Cgeを緩やかに充電して、ターンオン時のコレクタ電流Iceのサージ電流や、コレクタ−エミッタ間電圧Vceの電圧変化率は従来回路の抵抗が大きい場合と同等にできる。
ゲート駆動回路11では、NPNトランジスタ12のみを介して抵抗Rg2が接続されるため、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧Vzd1は充電電流にほとんど影響しない。したがって、ゲート電圧Vgが並列抵抗Rg1//Rg2の切り替えの閾値電圧付近でも多くの電流を流すことができ、第1実施形態のゲート駆動回路1よりも自由にターンオン時のゲート電流を設定できる。尚、ターンオン時の寄生容量Cgeを充電する電流はNPNトランジスタ12のベース電流を無視して、NPNトランジスタ12のコレクタ−エミッタ間電圧をVce12とすると下式となる。
V1−Vce2−Vg≧Vzd1+Vbe12
:(V1−Vce2−Vg)/Rg1+(V1−Vce2−Vg−Vce12)/Rg2
…(7)
V1−Vce2−Vg<Vzd1+Vbe12
:(V1−Vce2−Vg)/Rg1 …(8)
以上のように第2実施形態によれば、ゲート抵抗Rg1に並列に、抵抗Rg2及びNPNトランジスタ12からなる第1直列回路を接続する。また、NPNトランジスタ12のベースとトランジスタ2及び3のエミッタとの間に、カソードがエミッタ側となるツェナーダイオードZD1及び抵抗Rg3からなる第2直列回路を接続し、第2直列回路は、IGBT4をターンオンさせる際に、最初はNPNトランジスタ12をオンさせ、前記ターンオンの途中でNPNトランジスタ12をオフさせる。したがって、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
(第3実施形態)
図4に示す第3実施形態のゲート駆動回路21は、第1実施形態のゲート駆動回路1において、PNPトランジスタ3のエミッタをNPNトランジスタ2のエミッタから切り離し、抵抗Rg4(第2抵抗素子)を介してIGBT4のゲートに接続している。この場合、抵抗Rg2は第3抵抗素子となる。ターンオフ時は抵抗Rg4を介す経路となるため、第1実施形態に記載のダイオードD1は不要となる。このように構成することで、IGBT4のターンオン時は並列抵抗Rg1//Rg2又はゲート抵抗Rg1のみで寄生容量Cgeの充電を行い、ターンオフ時は抵抗Rg4で寄生容量Cgeの放電を行うように動作する。
以上のように第3実施形態によれば、NPNトランジスタ2のエミッタとIGBT4のゲートとの間にゲート抵抗Rg1を接続し、前記ゲートとPNPトランジスタ3のエミッタとの間に抵抗Rg4を接続する。そして、ゲート抵抗Rg1に並列に直列回路5を接続した。これにより、IGBT4のターンオン時と、ターンオフ時に作用するスイッチング抵抗を分けることができ、ターンオン時のスイッチング動作とターンオフ時のスイッチング動作とをそれぞれ独立に設定できる。
(第4実施形態)
図5に示す第4実施形態のゲート駆動回路31は、第2実施形態のゲート駆動回路11において、第3実施形態と同様に、PNPトランジスタ3のエミッタをNPNトランジスタ2のエミッタから切り離し、抵抗Rg4を介してIGBT4のゲートに接続している。すなわち、第3実施形態における直列回路5を、第2実施形態における第1及び第2直列回路に置き換えた構成となっている。この場合、抵抗Rg3は第4抵抗素子となる。このようにすれば、第2実施形態の構成についても、第3実施形態と同様の効果が得られる。
(第5実施形態)
図6に示す第5実施形態のゲート駆動回路41は、第2実施形態のゲート駆動回路11において、NPNトランジスタ12に替えてPNPトランジスタ42を用いたものである。但し、各素子の接続関係は異なっており、PNPトランジスタ42のエミッタはNPNトランジスタ2のエミッタに接続されており、コレクタは、抵抗Rg2を介してIGBT4のゲートに接続されている。また、前記ゲートは、抵抗Rg3及びツェナーダイオードZD1を介してPNPトランジスタ42のベースに接続されている。このように構成した場合も、第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
(第6実施形態)
図7に示す第6実施形態のゲート駆動回路51は、第5実施形態のゲート駆動回路41において、PNPトランジスタ3のエミッタをNPNトランジスタ2のエミッタから切り離し、抵抗Rg4を介してIGBT4のゲートに接続している。すなわち、第3実施形態の構成を適用している。このように構成した場合も、第4実施形態と同様の作用効果が得られる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
電圧駆動型半導体素子は、IGBTに限ることなく、MOSFETなどでも良い。
また、高電圧側スイッチング素子及び低電圧側スイッチング素子に、MOSFETを用いても良い。
ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧Vzd1は、必ずしも(1)式に基づき設定する必要はなく、例えば、
Vzd1≧V1−Vce2−Vgth−Vf
に設定しても良い。
直列回路、第1及び第2直列回路における各素子の接続順序を入れ替えても良い。
ローレベル駆動電圧V2は正極性の電圧、又は0Vでも良い。また、ハイレベル駆動電圧V1やIGBT4の閾値電圧(ミラー電圧)、閾値電圧の充電時間なども、個別の設計に応じて適宜変更すれば良い。
図面中、1はゲート駆動回路(半導体素子駆動回路)、2はNPNトランジスタ(高電圧側スイッチング素子)、3はPNPトランジスタ(低電圧側スイッチング素子)、4はIGBT(電圧駆動型半導体素子)、5は直列回路、11はゲート駆動回路(半導体素子駆動回路)、12はNPNトランジスタ、21、31、41はゲート駆動回路(半導体素子駆動回路)、42はPNPトランジスタ、51はゲート駆動回路(半導体素子駆動回路)、Rg1はゲート抵抗(第1抵抗素子)、Rg2は抵抗(第2又は第3抵抗素子)、Rg3は抵抗(第3又は第4抵抗素子)、Rg4は抵抗(第2抵抗素子)、ZD1はツェナーダイオード、D1はダイオードを示す。

Claims (7)

  1. 電圧駆動型半導体素子を駆動する半導体素子駆動回路であって、
    入力される駆動信号に応じて排他的に導通制御され、ハイレベル駆動電圧を電圧出力端子に出力する高電圧側スイッチング素子及びローレベル駆動電圧を前記電圧出力端子に出力する低電圧側スイッチング素子と、
    前記電圧出力端子と前記電圧駆動型半導体素子の導通制御端子との間に接続される第1抵抗素子と、
    この第1抵抗素子に並列に接続され、カソードが前記電圧出力端子側となるように接続されるツェナーダイオード、第2抵抗素子及びカソードが前記導通制御端子側となるように接続されるダイオードからなる直列回路とを備えることを特徴とする半導体素子駆動回路。
  2. 電圧駆動型半導体素子を駆動する半導体素子駆動回路であって、
    入力される駆動信号に応じて排他的に導通制御され、ハイレベル駆動電圧を電圧出力端子に出力する高電圧側スイッチング素子及びローレベル駆動電圧を前記電圧出力端子に出力する低電圧側スイッチング素子と、
    前記電圧出力端子と前記電圧駆動型半導体素子の導通制御端子との間に接続される第1抵抗素子と、
    この第1抵抗素子に並列に接続される、第2抵抗素子及びNPNトランジスタからなる第1直列回路と、
    前記NPNトランジスタのベースと前記電圧出力端子との間に接続され、カソードが前記電圧出力端子側となるツェナーダイオード及び第3抵抗素子からなる第2直列回路とを備え、
    前記第2直列回路は、前記電圧駆動型半導体素子をターンオンさせる際に、最初は前記NPNトランジスタをオンさせ、前記ターンオンの途中で前記NPNトランジスタをオフさせるように構成されていることを特徴とする半導体素子駆動回路。
  3. 電圧駆動型半導体素子を駆動する半導体素子駆動回路であって、
    入力される駆動信号に応じて排他的に導通制御され、ハイレベル駆動電圧を電圧出力端子に出力する高電圧側スイッチング素子及びローレベル駆動電圧を前記電圧出力端子に出力する低電圧側スイッチング素子と、
    前記電圧出力端子と前記電圧駆動型半導体素子の導通制御端子との間に接続される第1抵抗素子と、
    この第1抵抗素子に並列に接続される、第2抵抗素子及びPNPトランジスタからなる第1直列回路と、
    前記PNPトランジスタのベースと前記導通制御端子側端子との間に接続され、カソードが前記ベース側となるツェナーダイオード及び第3抵抗素子からなる第2直列回路とを備え、
    前記第2直列回路は、前記電圧駆動型半導体素子をターンオンさせる際に、最初は前記PNPトランジスタをオンさせ、前記ターンオンの途中で前記PNPトランジスタをオフさせるように構成されていることを特徴とする半導体素子駆動回路。
  4. 電圧駆動型半導体素子を駆動する半導体素子駆動回路であって、
    入力される駆動信号に応じて導通制御され、ハイレベル駆動電圧を高電圧出力端子に出力する高電圧側スイッチング素子と、
    前記駆動信号に応じて前記高電圧側スイッチング素子と排他的に導通制御され、ローレベル駆動電圧を低電圧出力端子に出力する低電圧側スイッチング素子と、
    前記高電圧出力端子と前記電圧駆動型半導体素子の導通制御端子との間に接続される第1抵抗素子と、
    前記導通制御端子と前記低電圧出力端子との間に接続される第2抵抗素子と、
    前記第1抵抗素子に並列に接続され、カソードが前記高電圧出力端子側となるように接続されるツェナーダイオード、第3抵抗素子からなる直列回路とを備えることを特徴とする半導体素子駆動回路。
  5. 電圧駆動型半導体素子を駆動する半導体素子駆動回路であって、
    入力される駆動信号に応じて導通制御され、ハイレベル駆動電圧を高電圧出力端子に出力する高電圧側スイッチング素子と、
    前記駆動信号に応じて前記高電圧側スイッチング素子と排他的に導通制御され、ローレベル駆動電圧を低電圧出力端子に出力する低電圧側スイッチング素子と、
    前記高電圧出力端子と前記電圧駆動型半導体素子の導通制御端子との間に接続される第1抵抗素子と、
    前記導通制御端子と前記低電圧出力端子との間に接続される第2抵抗素子と、
    前記第1抵抗素子に並列に接続される、第3抵抗素子及びNPNトランジスタからなる第1直列回路と、
    前記NPNトランジスタのベースと前記高電圧出力端子との間に接続され、カソードが前記高電圧出力端子側となるツェナーダイオード及び第4抵抗素子からなる第2直列回路とを備え、
    前記第2直列回路は、前記電圧駆動型半導体素子をターンオンさせる際に、最初は前記NPNトランジスタをオンさせ、前記ターンオンの途中で前記NPNトランジスタをオフさせるように構成されていることを特徴とする半導体素子駆動回路。
  6. 電圧駆動型半導体素子を駆動する半導体素子駆動回路であって、
    入力される駆動信号に応じて導通制御され、ハイレベル駆動電圧を高電圧出力端子に出力する高電圧側スイッチング素子と、
    前記駆動信号に応じて前記高電圧側スイッチング素子と排他的に導通制御され、ローレベル駆動電圧を低電圧出力端子に出力する低電圧側スイッチング素子と、
    前記高電圧出力端子と前記電圧駆動型半導体素子の導通制御端子との間に接続される第1抵抗素子と、
    前記導通制御端子と前記低電圧出力端子との間に接続される第2抵抗素子と、
    前記第1抵抗素子に並列に接続される、第3抵抗素子及びPNPトランジスタからなる第1直列回路と、
    前記PNPトランジスタのベースと前記導通制御端子側端子との間に接続され、カソードが前記ベース側となるツェナーダイオード及び第4抵抗素子からなる第2直列回路とを備え、
    前記第2直列回路は、前記電圧駆動型半導体素子をターンオンさせる際に、最初は前記PNPトランジスタをオンさせ、前記ターンオンの途中で前記PNPトランジスタをオフさせるように構成されていることを特徴とする半導体素子駆動回路。
  7. 前記ツェナーダイオードのツェナー電圧Vzd1を、前記ハイレベル駆動電圧をV1、前記電圧駆動型半導体素子のオン閾値電圧をVgth、前記ダイオードの順方向電圧をVf、前記高電圧側スイッチング素子の飽和電圧をVce2とすると、
    Vzd1≧V1−Vce2−Vgth−Vf
    に設定することを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の半導体素子駆動回路。
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